特許第6961290号(P6961290)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961290
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】変色性芳香材セット
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20211025BHJP
   B32B 27/20 20060101ALI20211025BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   A61L9/12
   B32B27/20 A
   A61L9/01 Q
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-254240(P2016-254240)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2018-102735(P2018-102735A)
(43)【公開日】2018年7月5日
【審査請求日】2019年9月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000111890
【氏名又は名称】パイロットインキ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】近藤 奈七子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久義
(72)【発明者】
【氏名】安田 満行
【審査官】 小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−124908(JP,A)
【文献】 特開2004−010121(JP,A)
【文献】 特開昭54−92630(JP,A)
【文献】 特許第2928568(JP,B2)
【文献】 特公昭63−24961(JP,B2)
【文献】 特開平11−198271(JP,A)
【文献】 特許第2919853(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00−9/22
A01N 25/18
B32B 27/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、非吸液状態で不透明であり、吸液状態で透明化する多孔質層を備えた変色体と、香料と有機溶剤とからなる芳香液とからなり、前記多孔質層中の低屈折率顔料は、塗布量が5〜20g/mであり、前記低屈折率顔料が疎水性シリカであり、且つ、前記芳香液は容器に収容されてなる変色性芳香材セット。
【請求項2】
前記多孔質層中に電子供与性呈色性有機化合物を含有してなる請求項1記載の変色性芳香材セット。
【請求項3】
前記多孔質層中に電子受容性化合物を含有してなる請求項2記載の変色性芳香材セット。
【請求項4】
前記支持体と多孔質層の間に非変色性着色層を設けてなる請求項1乃至3のいずれか一項に記載の変色性芳香材セット。
【請求項5】
変色体の最下層に粘着層又は融点が60℃〜180℃の熱溶融性樹脂層を設けてなる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の変色性芳香材セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は変色性芳香材セットに関する。詳細には、芳香の期限を目視により判別可能な変色性芳香材セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、芳香材の使用期限を判別する手段としては、芳香剤が収縮することにより判別することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記芳香剤は徐々に収縮するため、使用期限を明瞭に視認することはできなかった。
また、アルコール系芳香液体との接触により変色し、アルコール系芳香液体の揮発により元の色に戻る変色物質を含浸部に付着させた芳香液体用含浸体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
前記芳香液体用含浸体は、アルコールが揮発すると元の色に戻るため、発香切れを防止できることが開示されているものの、特定の媒体のみ使用可能であると共に、含浸された変色物質の色変化に乏しく、実用性を満足させていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−35100号公報
【特許文献1】実願昭59−90187(実開昭61−8050号)のマイクロフィルム
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、芳香の期限を目視により明瞭に判別可能な変色性芳香材セットを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、非吸液状態で不透明であり、吸液状態で透明化する多孔質層を備えた変色体と、香料と有機溶剤とからなる芳香液とからなり、前記多孔質層中の低屈折率顔料は、塗布量が5〜20g/mであり、前記低屈折率顔料が疎水性シリカであり、且つ、前記芳香液は容器に収容されてなる変色性芳香材セットを要件とする。
更には、前記多孔質層中に電子供与性呈色性有機化合物を含有してなること、前記多孔質層中に電子受容性化合物を含有してなること、前記支持体と多孔質層の間に非変色性着色層を設けてなること、変色体の最下層に粘着層又は融点が60℃〜180℃の熱溶融性樹脂層を設けてなること等を要件とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、芳香の期限を色変化により確認できるため、目視により明瞭に使用期限を判別可能な実用性に富む変色性芳香材セットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の変色性芳香材セットの一参考例の斜視図である。
図2図1の変色性芳香材セットに用いられる変色体の縦断面図である。
図3】本発明の変色性芳香材セットに用いられる変色体の実施例の縦断面図である。
図4】本発明の変色性芳香材セットに用いられる変色体の他の実施例の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、支持体上に、低屈折率顔料をバインダー樹脂に分散状態に固着させた、非吸液状態で不透明であり、吸液状態で透明化する多孔質層を備えた変色体と、香料と媒体とからなる芳香液とからなる変色性芳香材セットである。
【0009】
前記支持体は特に限定されるものではなく、例えば、紙、合成紙、織物、編物、組物、不織布等の布帛、天然又は合成皮革、プラスチック、ガラス、陶磁器、金属、木材、石材等が用いられ、布帛、皮革、合成紙、プラスチックが好適に用いられる。又、形状としては平面形状であっても、立体形状であってもよい。
なお、前記支持体は、支持体自体が着色されたものであってもよいし、支持体上に非変色性着色層を設けたものであってもよい。
前記支持体を着色する着色剤、又は、非変色性着色層中に含まれる着色剤としては、一般染料や蛍光染料、着色顔料が挙げられ、そのうち、着色顔料としては、一般顔料、蛍光顔料、金属粉の他、雲母、アルミナ、ガラス等の芯物質を酸化チタンで被覆した透明性金属光沢顔料(パール顔料)を例示できる。
【0010】
前記多孔質層は、低屈折率顔料をバインダー樹脂と共に分散状態に固着させた層であり、乾燥状態と吸液状態で透明性が異なる層である。
前記低屈折率顔料の屈折率は1.4〜1.8の範囲にあり、水を吸液すると良好な透明性を示す。
前記低屈折率顔料としては、珪酸及びその塩、バライト粉、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、クレー、タルク、アルミナ、アルミナホワイト、炭酸マグネシウム等が挙げられ、珪酸及びその塩が好適に用いられる。
なお、前記珪酸の塩としては、珪酸アルミニウム、珪酸アルミニウムカリウム、珪酸アルミニウムナトリウム、珪酸アルミニウムカルシウム、珪酸カリウム、珪酸カルシウム、珪酸カルシウムナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、珪酸マグネシウムカリウム等が挙げられる。
又、前記低屈折率顔料は2種以上を併用することもできる。
前記低屈折率顔料の粒径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
なお、好適に用いられる低屈折率顔料としては珪酸が挙げられる。
前記珪酸は、乾式法により製造させる珪酸であってもよいが、湿式法により製造される珪酸(以下、湿式法珪酸と称する)が特に効果的であり、この点を説明すると、珪酸は非晶質の無定形珪酸として製造され、その製造方法により、四塩化ケイ素等のハロゲン化ケイ素の熱分解等の気相反応を用いる乾式法によるもの(以下、乾式法珪酸と称する)と、ケイ酸ナトリウム等の酸による分解等の液相反応を用いる湿式法によるものとに大別され、乾式法珪酸と湿式法珪酸とでは構造が異なり、前記乾式法珪酸は珪酸が密に結合した三次元構造を形成するのに対して、湿式法珪酸は、珪酸が縮合して長い分子配列を形成した、所謂、二次元構造部分を有している。
従って、前記乾式法珪酸と比較して分子構造が粗になるため、湿式法珪酸を多孔質層に適用した場合、乾式法珪酸を用いる系と比較して乾燥状態における光の乱反射性に優れ、よって、常態での隠蔽性が大きくなるものと推察される。
又、前記多孔質層においては、水を媒体として用いた芳香液を吸液させる場合、湿式法珪酸は乾式法珪酸に比べて粒子表面にシラノール基として存在する水酸基が多く、親水性の度合いが大であり、好適に用いられる。
なお、前記多孔質層の常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を調整するために、湿式法珪酸と共に、他の汎用の低屈折率顔料を併用することもできる。
【0011】
前記多孔質層中の低屈折率顔料は、粒子径、比表面積、吸油量等の性状に左右されるが、常態での隠蔽性と吸液状態での透明性を共に満足するためには、塗布量が1〜30g/mであることが好ましく、より好ましくは、5〜20g/mである。1g/m未満では、常態で十分な隠蔽性を得ることが困難であり、又、30g/mを越えると吸液時に十分な透明性を得ることが困難である。
前記低屈折率顔料はバインダー樹脂を結合剤として含むビヒクル中に分散され、支持体に塗布した後、揮発分を乾燥させて多孔質層を形成する。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
前記低屈折率顔料とこれらのバインダー樹脂の混合比率は、低屈折率顔料の種類及び性状に左右されるが、好ましくは、低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。低屈折率顔料1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、前記多孔質像の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記多孔質層内部への媒体の浸透性が悪くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、耐擦過強度を高めるために、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂又はウレタン系樹脂を用いると効果的である。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。又、前記樹脂が水に乳化分散したウレタン系エマルジョン樹脂や、イオン性を有するウレタン樹脂(ウレタンアイオノマー)自体のイオン基により乳化剤を必要とすることなく自己乳化して、水中に溶解乃至分散したコロイド分散型(アイオノマー型)ウレタン樹脂を用いることもできる。
なお、前記ウレタン系樹脂は水性ウレタン系樹脂又は油性ウレタン系樹脂のいずれを用いることもできるが、水性ウレタン系樹脂、殊に、ウレタン系エマルジョン樹脂やコロイド分散型ウレタン系樹脂が好適に用いられる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。ウレタン系樹脂以外のバインダー樹脂を併用する場合、実用的な皮膜強度を得るためには、前記多孔質層のバインダー樹脂中にウレタン系樹脂を固形分質量比率で30%以上含有させることが好ましい。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、媒体との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤や界面活性剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層中には着色剤を含有させることもできる。
【0012】
また、有機溶剤を媒体として用いた芳香液を用いる場合は、低屈折率顔料として疎水性シリカを用いることもできる。
多孔質層中に含まれる疎水性シリカについて説明する。
シリカは製造方法により乾式法と湿式法に分類されるが、いずれも表面にはシラノール基が配列された構造である。
疎水性シリカはシラノール基にメチルクロロシラン等のシラン、ポリジメチルシロキサン等のシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等を反応させて、シラノール基のもつ親水性を疎水性に変えるため、水を吸収しないのみならず撥水性を示す。
汎用の疎水性シリカとしては、東ソー・シリカ株式会社製の商品名Nipsil SS−10、同SS−20、同SS−70、同SS−40、同SS−50、同SS−100、日本アエロジル株式会社製の商品名AEROSIL R972、同RY50、R812、同R805、同RX200、同RY200、キャボットカーボン社製の商品名TS−530、同TS−610、同TS−720、デグサジャパン株式会社製の商品名AEROSIL R202,同R805、同R812、株式会社トクヤマ製の商品名REOLOSIL MT−10、同DM−10、同DM−20S、富士シリシア化学株式会社製の商品名SYLOPHOBIC100、同200、同704、同4004、同507、同702、同505、同603等が挙げられる。
前記疎水性シリカは、屈折率が1.4〜1.8の範囲にあり、液体を吸液すると良好な透明性を示すものである。
前記疎水性シリカの粒子径は特に限定されるものではないが、0.03〜10.0μmのものが好適に用いられる。
又、前記疎水性シリカは2種以上を併用することもできる。
【0013】
前記疎水性シリカは、水分散は勿論、水系エマルジョンへの分散も通常の方法では困難であるため、好適には有機溶剤に分散して用いる。
前記バインダー樹脂は有機溶剤に溶解又は分散してなり、疎水性シリカを含む液状物を支持体上に全体又は部分的に塗工、乾燥して多孔質層が得られる。
前記有機溶剤としては、n−パラフィン系溶剤、イソパラフィン系溶剤、ナフテン系溶剤、芳香族系溶剤、α−オレフィン系溶剤等の石油系溶剤、軽油、スピンドル油、マシン油、シリンダー油、テレピン油、ミネラルスピリット、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル、キシレン、トルエン、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等が挙げられる。
前記バインダー樹脂としては、ウレタン系樹脂、ナイロン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、アクリル酸エステル共重合樹脂、アクリルポリオール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、マレイン酸樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、スチレン共重合樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エポキシ樹脂、スチレン−ブタジエン共重合樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合樹脂、メタクリル酸メチル−ブタジエン共重合樹脂、ブタジエン樹脂、クロロプレン樹脂、メラミン樹脂、及び前記各樹脂エマルジョン、カゼイン、澱粉、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール、尿素樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
なお、前記有機溶剤に可溶なバインダー樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、スチレン系樹脂、ナイロン系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ハイインパクトポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。
前記疎水性シリカとバインダー樹脂の混合比率は、疎水性シリカの種類及び性状に左右されるが、好ましくは、疎水性シリカ1質量部に対してバインダー樹脂固形分0.5〜2質量部であり、より好ましくは、0.8〜1.5質量部である。疎水性シリカ1質量部に対してバインダー樹脂固形分が0.5質量部未満の場合には、形成される多孔質層の実用的な皮膜強度を得ることが困難であり、2質量部を越える場合には、前記疎水性シリカ内部への液体の浸透性が損なわれ易くなる。
前記多孔質層は、一般的な塗膜と比較して着色剤に対するバインダー樹脂の混合比率が小さいため、十分な皮膜強度が得られ難い。そこで、前記のバインダー樹脂のうち、ナイロン樹脂、ウレタン系樹脂、又は、アクリル系樹脂を用いて耐擦過強度を高めることが好ましい。
前記ウレタン系樹脂としては、ポリエステル系ウレタン樹脂、ポリカーボネート系ウレタン樹脂、ポリエーテル系ウレタン樹脂等があり、2種以上を併用することもできる。
前記ウレタン系樹脂は単独で用いることもできるが、支持体の種類や皮膜に必要とされる性能に応じて、他のバインダー樹脂を併用することもできる。
前記バインダー樹脂において、架橋性のものは任意の架橋剤を添加して架橋させることにより、さらに皮膜強度を向上させることができる。
前記バインダー樹脂には、液体との親和性に大小が存在するが、これらを組み合わせることにより、多孔質層中への浸透時間、浸透度合い、浸透後の乾燥の遅速を調整することができる。更には、適宜分散剤を添加して前記調整をコントロールすることができる。
前記多孔質層中には着色剤を含有させることもできる。
【0014】
前記疎水性シリカを用いた多孔質層は、水(界面張力値72mN/m)を付着させても多孔質層が水を吸水せず、表面で水をはじくため、多孔質層は透明化せず、変色を生じない。
一方、有機溶剤としてエタノール(界面張力値22mN/m)を付着させると、多孔質層は有機溶剤を吸液して透明化し、下層の色が視認されるようになる。
前記多孔質層中に含まれる有機溶剤が蒸発すると、多孔質層が不透明化して再び元の状態に戻る。
前記低屈折率顔料は、バインダー樹脂を含む溶剤中に分散して、塗料や印刷インキ等の液状物を調製し、スクリーン印刷、オフセット印刷、グラビヤ印刷、コーター、タンポ印刷、転写等の印刷方法、刷毛塗り、スプレー塗装、静電塗装、電着塗装、流し塗り、ローラー塗り、浸漬塗装等の方法により、支持体表面に多孔質層を設ける。
【0015】
前記多孔質層中には、電子供与性呈色性有機化合物を含有させることにより、電子授受反応を付与する電子受容性化合物を含有する芳香液と電子供与性呈色性有機化合物の電子授受反応により電子供与性呈色性有機化合物が発消色するため、いっそう芳香剤による有効期限を目視により明瞭にすることができと共に、芳香の精度を向上させることができる。
前記電子供与性呈色性有機化合物としては、ジフェニルメタンフタリド類、フェニルインドリルフタリド類、インドリルフタリド類、ジフェニルメタンアザフタリド類、フェニルインドリルアザフタリド類、フルオラン類、スチリノキノリン類、ジアザローダミンラクトン類、ピリジン類、キナゾリン類、ビスキナゾリン類等が挙げられる。
以下にこれらの化合物を例示する。
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、
3−(4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド、
3,3−ビス(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−4−アザフタリド、
3−(2−エトキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3−(2−ヘキシルオキシ−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3−〔2−エトキシ−4−(N−エチルアニリノ)フェニル〕−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3−(2−アセトアミド−4−ジエチルアミノフェニル)−3−(1−プロピルインドール−3−イル)−4−アザフタリド、
3,6−ビス(ジフェニルアミノ)フルオラン、
3,6−ジメトキシフルオラン、
3,6−ジ−n−ブトキシフルオラン、
2−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
3−クロロ−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−メチル−6−シクロヘキシルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアミノ)−6−ジブチルアミノフルオラン、
2−(2−クロロアニリノ)−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(3−トリフルオロメチルアニリノ)−6−ジペンチルアミノフルオラン、
2−(ジベンジルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−(N−メチルアニリノ)−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,3−ジメチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−クロロ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メトキシ−6−ジ−n−ブチルアミノフルオラン、
2−キシリジノ−3−メチル−6−ジエチルアミノフルオラン、
2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エチル−N−p−トリルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−ジエチルアミノフルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)フルオラン、
1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン、
2−(3−メトキシ−4−ドデコキシスチリル)キノリン、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジエチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジ−n−ブチルアミノ)−4−メチル、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(ジエチルアミノ)−4−メチル、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジ−n−ブチルアミノ)−8−(N−エチル−N−i−アミルアミノ)−4−メチル、
スピロ〔5H−(1)ベンゾピラノ(2,3−d)ピリミジン−5,1′(3′H)イソベンゾフラン〕−3′−オン,2−(ジブチルアミノ)−8−(ジペンチルアミノ)−4−メチル、
4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジメチルアミノ)−2−メトキシフェニル〕−3−(1−ブチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン、
4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン、
4,5,6,7−テトラクロロ−3−〔4−(ジエチルアミノ)−2−エトキシフェニル〕−3−(1−ペンチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン、
4,5,6,7−テトラクロロ−3−[4−(ジエチルアミノ)−2−メチルフェニル]−3−(1−エチル−2−メチル−1H−インドール−3−イル)−1(3H)−イソベンゾフラノン、
3′,6′−ビス〔フェニル(2−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−メチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
3′,6′−ビス〔フェニル(3−エチルフェニル)アミノ〕−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),9′−〔9H〕キサンテン]−3−オン、
2,6−ビス(2′−エチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、
2,6−ビス(2′,4′−ジエチルオキシフェニル)−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、
2−(4′−ジメチルアミノフェニル)−4−メトキシ−キナゾリン、
4,4′−(エチレンジオキシ)−ビス〔2−(4−ジエチルアミノフェニル)キナゾリン〕
等を挙げることができる。
なお、フルオラン類としては、キサンテン環を形成するフェニル基に置換基を有する前記化合物の他、キサンテン環を形成するフェニル基に置換基を有すると共にラクトン環を形成するフェニル基にも置換基(例えば、メチル基等のアルキル基、クロロ基等のハロゲン原子)を有する青色や黒色を呈する化合物であってもよい。
また、芳香液中に電子授受反応を付与する電子受容性化合物を含有していない場合は、前記多孔質層中に電子供与性呈色性有機化合物と電子受容性化合物を含有させることにより、電子授受反応により発消色するため、いっそう芳香剤による有効期限を目視により明瞭にすることができと共に、芳香の精度を向上させることができる。
前記電子受容性化合物としては、活性プロトンを有する化合物群、偽酸性化合物群(酸ではないが、組成物中で酸として作用して電子供与性呈色性有機化合物を発色させる化合物群)、電子空孔を有する化合物群等がある。
活性プロトンを有する化合物を例示すると、フェノール性水酸基を有する化合物としては、モノフェノール類からポリフェノール類があり、さらにその置換基としてアルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシ基及びそのエステル又はアミド基、ハロゲン基等を有するもの、及びビス型、トリス型フェノール等、フェノール−アルデヒド縮合樹脂等を挙げることができる。又、前記フェノール性水酸基を有する化合物の金属塩であってもよい。
以下に具体例を挙げる。
フェノール、o−クレゾール、ターシャリーブチルカテコール、ノニルフェノール、n−オクチルフェノール、n−ドデシルフェノール、n−ステアリルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、o−フェニルフェノール、p−ヒドロキシ安息香酸n−ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸n−オクチル、レゾルシン、没食子酸ドデシル、4,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,3−ジメチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,7−ジメチルオクタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1−フェニル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−へプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−オクタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−デカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ドデカン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチルプロピオネート、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、1,1−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン等がある。
前記フェノール性水酸基を有する化合物が最も有効な熱変色特性を発現させることができるが、芳香族カルボン酸及び炭素数2〜5の脂肪族カルボン酸、カルボン酸金属塩、酸性リン酸エステル及びそれらの金属塩、1、2、3−トリアゾール及びその誘導体から選ばれる化合物等であってもよい。
【0016】
前記変色体は、最下層に粘着層又は融点が60℃〜180℃の熱溶融性樹脂層を設けることにより、対象物への接着性を容易なものとすることができる。
前記粘着層は、汎用のアクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、ビニルエーテル共重合体、天然ゴム等を主体とする粘着剤により形成される。
また、前記粘着層には使用時の利便性を図るため剥離紙等の離型層を設けることもできる。
前記融点が60℃〜180℃の熱溶融性樹脂層は、融点が60℃〜180℃、好ましくは70℃〜150℃の範囲にある、ポリアミド系、ポリオレフィン系、エチレン−酢酸ビニル系、ポリウレタン系、又はポリエステル系樹脂から選ばれる熱溶融性樹脂からなる層であり、対象物の任意の箇所に熱アイロンや熱プレス等の熱圧着手段により、変色体を固着させることができる。
【0017】
前記香料と媒体とからなる芳香液について説明する。
前記香料は、食品香料(フレーバー)、香粧品香料(フレグランス)に分けられるが、より安全性の高い食品香料の使用が好ましい。また、香料の形態には、水溶性香料、油溶性香料、乳化香料があるが、油溶性香料の場合には、香料をエマルジョン化したり、サイクロデキストリンで包接して用いることもできる。
前記香料としては、グレープフルーツ油、オレンジ油、レモン油、ライム油、ジャスミン油、ペパーミント油、ローズマリー油、ナツメッグ油、カツシア油、ラベンダー油、ヒノキ油、ヒバ油、フェンネル油等の精油類、ヘキシルアルコール、フェニルエチルアルコール(ローズP)、フルフリルアルコール、シクロテン、ゲラニオール等のアルコール類、ヘプタナール、オクタナール、ドデカナール、テトラデカナール、ヘキサデカナール、オクタデカナール、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類、エチルアセトアセテート、プロピルアセテート、アミルアセテート、リナリルアセテート、ベンジルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、ベンジルプロピオネート等のエステル類、ヌートカトン、エチルピラジン、レモンターペンレス、オレンジターペンレス、ワニリン、エチルワニリン、フルフリルメルカプタン、ボーネオール及びヘリオトロープ等の芳香族化合物、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等のテルペン油類を例示できる。
更に、前記香料を組み合わせた調合香料、例えば、バナナ香料、ブルーベリー香料、バニラ香料、ミント香料、アップル香料、ピーチ香料、メロン香料、パイナップル香料、グレープ香料、ライラック香料、ジャスミン香料などの調合香料を使用することもできる。
【0018】
前記媒体としては、水、有機溶剤、水と水溶性有機溶剤の併用が挙げられる。
前記水溶性有機溶剤としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、グリセリン、ソルビトール、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、チオジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、スルフォラン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等を挙げることができる。
【0019】
前記香料と媒体とからなる芳香液が多孔質層中に含浸された状態では、多孔質層が吸液により透明化して下層の色が視認された状態であり、芳香液が多孔質層中に存在して芳香可能であることを確認することができる。
前記芳香液が揮発するにつれて、芳香剤の芳香性も低下すると共に、多孔質層が乾燥して下層の色が視認されなくなるため、芳香剤による有効期限を目視により明瞭に判別することができる。
ここで、香料をイメージする色と、多孔質層の下層の色を同一色又は同系色にすることにより、香りと視認される色を連動させて商品性を高めることができる。
【実施例】
【0020】
以下に本発明の実施例を記載する。なお、実施例中の部は質量部を示す。
参考例1(図1参照)
支持体21として緑色ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合してなるスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層22を形成して変色体2を得た。
次いで、ミントの香りの香料〔太陽化学(株)製、商品名:スーパーエマルジョン ペパーミント106〕0.2部、水99.8部からなる芳香液3を得た。
前記変色体と、芳香液を組み合わせて変色性芳香材セットを得た。
前記芳香液を変色体の多孔質層に含浸させると、多孔質層が芳香液の吸液により透明化した状態のため、支持体による緑色が視認される。
前記変色体を室内に載置すると、芳香と共に芳香液の媒体が蒸発して多孔質層が乾燥するにつれて白色になり、芳香材の有効期限を目視により明瞭に判別することができた。
【0021】
参考例2(図2参照)
支持体21として白色ポリエチレンテレフタレートフィルム表面に、橙色顔料を含む印刷インキを用いて非変色性着色層23を設けた。
次いで、前記非変色性着色層上に、湿式法微粒子シリカ〔商品名:ニップシールE−220、日本シリカ工業(株)製〕15部、ウレタンエマルジョン〔商品名:ハイドランAP−10、大日本インキ化学工業(株)製、固形分30%〕45部、水40部、シリコーン系消泡剤0.5部、水系インキ用増粘剤3部、エチレングリコール1部、イソシアネート系架橋剤3部を混合したスクリーン印刷用インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層22を形成して変色体2を得た。
次いで、マンゴーの香りの香料〔三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、商品名:マンゴー フレーバー〕0.2部、水99.8部からなる芳香液を得た。
前記変色体と、芳香液を組み合わせて変色性芳香材セットを得た。
前記芳香液を変色体の多孔質層に含浸させると、多孔質層が芳香液の吸液により透明化した状態のため、非変色性着色層による橙色が視認される。
前記変色体を車内に載置すると、芳香と共に芳香液の媒体が蒸発して多孔質層が乾燥するにつれて白色になり、芳香材の有効期限を目視により明瞭に判別することができた。
【0022】
実施例図3参照)
支持体21として黄色キャストコート紙表面に、疎水性シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、製品名:ニップシールSS20)10部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名:ソルバインA)10部、シクロヘキサノン25部、ノニオン系添加剤1部を混合したスクリーン印刷インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタ印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層22を形成して変色体2を得た。
なお、前記支持体の裏面には粘着層24を設けてなる。
次いで、レモンの香りの香料〔高砂香料工業(株)製、商品名:LEMON TJP−F−000765〕5部、エチルアルコール95部からなる芳香液を得た。
前記変色体と、芳香液を組み合わせて変色性芳香材セットを得た。
前記芳香液を変色体の多孔質層に含浸させると、多孔質層が芳香液の吸液により透明化した状態のため、非変色性着色層による黄色が視認される。
前記変色体を室内の壁面に貼着すると、芳香と共に芳香液の媒体が蒸発して多孔質層が乾燥するにつれて白色になり、芳香材の有効期限を目視により明瞭に判別することができた。
【0023】
実施例
支持体としてレモンの形状の黄色ABS樹脂成形物上に、疎水性シリカ(富士シリシア化学株式会社製、製品名:サイロホービック200)12部、アクリル樹脂50%トルエン・酢酸ブチル溶液(DIC株式会社製、製品名:アクリディックA−817)20部、メチルエチルケトン15部、キシレン15部を混合してスプレーインキを用いて、スプレー塗装し、多孔質層を形成して変色体を得た。
次いで、レモンの香りの香料〔高砂香料工業(株)製、商品名:LEMON TJP−F−000765〕5部、エチルアルコール95部からなる芳香液を得た。
前記変色体と、芳香液を組み合わせて変色性芳香材セットを得た。
前記芳香液を変色体の多孔質層に含浸させると、多孔質層が芳香液の吸液により透明化した状態のため、非変色性着色層による黄色が視認される。
前記変色体を室内に載置すると、芳香と共に芳香液の媒体が蒸発して多孔質層が乾燥するにつれて白色になり、芳香材の有効期限を目視により明瞭に判別することができた。
【0024】
実施例3
支持体として黄色合成紙表面に、疎水性シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、製品名:ニップシールSS20)10部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名:ソルバインA)10部、シクロヘキサノン25部、ノニオン系添加剤1部を混合したスクリーン印刷インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にて全面ベタに印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層を形成し、更に3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド1部、酢酸ブチル100部を混合したものを多孔質層にスプレー塗装し、乾燥して、多孔質層中に電子供与性呈色性有機化合物を含有させて多孔質層が淡黄色の変色体を得た。
次いで、ヒノキチオール2部、オイゲノール3部、エチルアルコール95部からなる芳香液を得た。
前記変色体と、前記芳香液を鳥形状のスタンプに含浸させたスタンプ具を組み合わせて変色性芳香材セットを得た。
前記芳香液を変色体の多孔質層に含浸させると、多孔質層中の3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドが青色に発色すると共に、多孔質層は芳香液の吸液により透明化した状態のため、緑色の鳥の像が視認される。
前記変色性芳香材を放置すると、芳香と共に芳香液の媒体が蒸発して多孔質層が乾燥するにつれて3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリドが無色になると共に、多孔質層が淡黄色になり、芳香材の有効期限を目視により明瞭に判別することができた。
【0025】
実施例
支持体として白色合成紙表面に、疎水性シリカ(東ソー・シリカ株式会社製、製品名:ニップシールSS20)10部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂(日信化学工業株式会社製、製品名:ソルバインA)10部、シクロヘキサノン25部、ノニオン系添加剤1部を混合したスクリーン印刷インキを用いて、100メッシュのスクリーン版にてハート型に印刷し、60℃で30分間乾燥硬化させて多孔質層を形成し、更に1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオラン2部、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)n−ノナン5部、メチルエチルケトン100部を混合したものを多孔質層にスプレー塗装し、乾燥して、多孔質層中に電子供与性呈色性有機化合物及び電子受容性化合物を含有させて多孔質層がピンク色の変色体を得た。
次いで、レモンの香りの香料〔高砂香料工業(株)製、商品名:LEMON TJP−F−000765〕5部、エチルアルコール95部からなる芳香液を得た。
前記変色体と、前記芳香液を組み合わせて変色性芳香材セットを得た。
前記芳香液を変色体の多孔質層に含浸させると、多孔質層中の1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオランが無色になると共に、多孔質層は芳香液の吸液により透明化した状態のため、支持体の白色が視認される。
前記変色性芳香材を放置すると、芳香と共に芳香液の媒体が蒸発して多孔質層が乾燥するにつれて1,2−ベンツ−6−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)フルオランがピンク色になると共に、多孔質層が白色になり、芳香材の有効期限を目視により明瞭に判別することができた。
【符号の説明】
【0026】
1 変色性芳香材セット
2 変色体
21 支持体
22 多孔質層
23 非変色性着色層
24 粘着層
3 芳香液

図1
図2
図3
図4