(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961303
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】排水溝
(51)【国際特許分類】
E03F 5/046 20060101AFI20211025BHJP
E01C 11/22 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
E03F5/046
E01C11/22 A
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-177037(P2017-177037)
(22)【出願日】2017年9月14日
(65)【公開番号】特開2019-52471(P2019-52471A)
(43)【公開日】2019年4月4日
【審査請求日】2020年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133294
【氏名又は名称】株式会社ダイクレ
(74)【代理人】
【識別番号】100079636
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 晃一
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 佳尚
(72)【発明者】
【氏名】家久 侑大
(72)【発明者】
【氏名】杉保 生尚
(72)【発明者】
【氏名】谷川 豊繁
【審査官】
富士 春奈
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−225945(JP,A)
【文献】
特開2009−041268(JP,A)
【文献】
特開2008−261165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03F1/00−11/00
E01C1/00−17/00
E03C1/12−1/33
A47K3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路等の路肩に沿って設置され、一部がコンクリート製の地覆又は壁高欄に埋設される 鋼製の排水溝であって、底壁と、底壁両側の側壁よりなる断面凹形の排水路と、該排水路上に被さり、少なくとも一部が取外し可能であるカバーと、前記地覆又は壁高欄を支持 する支持金具よりなり、前記底壁両側の側壁のうち、前記地覆又は壁高欄側の一方の側壁 は上方に延長し、他方の側壁より高く形成されて前記地覆又は壁高欄内に上向きに突出し 、前記一方の側壁の上側部と前記支持金具一端の立上り部とが重ねられてボルトとナットにより止 着されるか、或いは溶接されて一体化され、前記地覆又は壁高欄内に上向きに突出して地 覆又は壁高欄のコンクリート部分と前記支持金具との境目より浸透する雨水を遮る遮水部 となることを特徴とする排水溝。
【請求項2】
前記排水溝の地覆又は壁高欄に埋設される箇所には、前記遮水部で遮られた雨水を排水溝内に流出させるための流出孔を形成したことを特徴とする請求項1記載の排水溝。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、橋梁や道路等(以下、これらを代表して単に道路という)の路肩の地覆又は壁高欄に沿って設置される排水溝に関する。
【背景技術】
【0002】
道路の多くには、排水路として路肩に沿って排水溝や排水桝が設置され、道路に降り注いだ雨水は排水溝や排水桝に流入し、排出されるようにしてある。この種の排水溝の一つに排水溝が凹形の排水枠と、該排水枠上に被さるカバーよりなり、排水溝の一部がコンクリート製の地覆に埋設されるものが知られる(特許文献1)。
【0003】
排水溝の通水面積を拡げるには、排水溝の溝幅を拡げる方法、深さを深くする方法又は両方法を組合わせる方法があるが、溝幅を拡げるのは路面に露出する面積が大きくなり、排水溝に被さるカバーが金属製である場合とくに、自動車、とりわけバイクや自転車がスリップして転倒する事故を起こし易くなる。排水溝を深くするのも地面の掘削量が増え、施工コストを上昇させる。
【0004】
この点、特許文献1に記載されるように、一部を地覆に埋設させる排水溝では、路面に露出する面積を増やすことなく、また深さを深くすることなく通水面積を増やすことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−225945号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、コンクリート製の地覆や壁高欄に排水溝の一部を埋設することによって、路面での露出面積を増やすことなく、また深さを深くすることなく通水面積を増やすことができるようにしたものであるが、この場合の一つの問題は、地覆や壁高欄のコンクリート部分と、排水溝との境界部より雨水が浸透して地覆や壁高欄内の鉄筋や、鋼製排水溝のコンクリートで覆われる部分が腐食し易くなることである。
【0007】
本発明は、この問題を解消するためになされたもので、地震や高欄へのコンクリート部分と排水溝との境目より浸透する雨水を遮断し、雨水がそれ以上奥に浸透しないようにする排水溝を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、道路等の路肩に沿って設置され、一部がコンクリート製の地覆又は壁高欄に埋設される鋼製の排水溝であって、底壁と、底壁両側の側壁よりなる断面凹形の排水路と、該排水路上に被さり、少なくとも一部が取外し可能であるカバーと、前記地覆又は壁高欄を支持 する支持金具よりなり、前記底壁両側の側壁のうち、前記地覆又は壁高欄側の一方の側壁 は上方に延長し、他方の側壁より高く形成されて前記地覆又は壁高欄内に上向きに突出し 、
前記一方の側壁の上側部と前記支持金具一端の立上り部とが重ねられてボルトとナットにより止 着されるか、或いは溶接されて一体化され、前記地覆又は壁高欄内に上向きに突出して地 覆又は壁高欄のコンクリート部分と前記支持金具との境目より浸透する雨水を遮る遮水部 となることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、前記排水溝の地覆又は壁高欄に埋設される箇所には、前記遮水部で遮られた雨水を排水溝内に流出させるための流出孔を形成したことを特徴と
する。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る発明によると、地覆又は壁高欄のコンクリート部受と排水溝との境界部分より雨水が浸透するようなことがあっても遮水部で遮られ、それ以上地覆又は壁高欄間に浸透するのを妨げることができる。
また遮水部は別工程を要することなく、排水路製作時に同時に形成することができる。
【0011】
請求項2に係る発明のよると、遮水部で遮られた雨水は地覆又は壁高欄内に溜まることなく、流出孔より排水路内に排出されるようになる。
【0012】
請求項3に係る発明によると、遮水部を別工程を要することなく、排水路製作時に同時に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図8】排水溝の壁高欄への施工例を示す要部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る排水溝の実施形態について図面により説明する。
図1は、全体を符号1で示す排水溝の平面図、
図2は正面図、
図3は断面図で、排水溝1は断面が凹形をなす排水路としての排水枠2と、該排水枠上に被さるカバー3とよりなり、排水枠2は
図1〜
図3に示すように、底壁2aと、該底壁2aの両端より立ち上がる側壁2b及び2cと、底壁上に一定間隔で二列、上向きに突設される支柱2dよりなり、前記側壁2b及び2cのうち、背丈の低い道路側の側壁2bには、外側方に突出するアンカー2eが複数か所、固着されていると共に、内側方に突出する受材2fが前記アンカー2eの両側に位置して固着されている。
【0015】
側壁2bの反対側に該側壁2bと対峙して突設される側壁2cは、前記側壁2bより背が高く、両端に上向き及び下向きに突出形成されるフランジ状の立上がり部3a及び垂直部3bを備えた水平な支持金具3cの立上がり部3aが側壁2cの上側部内側面に当てられ、かつ立上がり部上端を側壁上端に揃えた状態でボルト4とナット5にて側壁長手方向に沿って複数か所、適当間隔にて止着されている。そして側壁2c外側には中央部と、その両側にアンカー6が外側方に突出して設けられている。前記立上がり部3aは、側壁2c上側部にボルト4とナット5を用いて止着するのに代えて溶接にて取着してもよい。
【0016】
前記支持金具3cと共に排水枠2のカバー3を構成するカバー本体3dが
図3に示すように、断面倒L形をなして前記支柱2d上に載置され、側壁2b側の一端より下向きに突出形成される垂直部3eには、前記受材2fに上方より嵌合する凹部3fを有し、該凹部3fに受材2fを嵌合させた状態で垂直部3eの下端が底壁2aに着床できるようにしてある。
【0017】
以上のように構成されたカバー3は、その一部を構成する支持金具3cが排水枠2の側壁2c上側部にボルト4とナット5にて固着されているが、支柱2d上に載置されるカバー本体3dは凹部3fを受材2fより離脱させながら持上げることにより、容易に取外し可能となっている。
【0018】
前記各支柱2d上に載置され、かつ垂直部3e下端を底壁2aに着床して水平に支持されるカバー本体3dは、側壁2c側の一端が前記支持金具3cの垂直部3bに突き当たった状態となっている(
図3)。
【0019】
前記カバー本体3dと、支持金具3cの垂直部3bが突き当たる箇所には、通水孔3gがカバー本体3dと、支持金具3cの垂直部3bの両側に双方に直角に跨がるようにして複数か所ずつ形成されている。
【0020】
図1及び
図2に示す符号7は支持金具3cに取着される接続金具で、前記排水溝1を道路路肩に、道路長手方向に沿って一直線上に連設したとき、隣接する排水溝1の支持金具3cに係止し、排水溝が段差なく接続できるようにするためのものである。
【0021】
本実施形態の排水溝1は以上のように構成され、その施工は次のようにして行われる。
図4及びその要部の拡大図である
図5に示すように、コンクリート床版7上の所定位置に排水溝1を位置決めして設置したのち、地覆形成のため図示しない型枠を支持金具3cの垂直部3bの側面より当てて、カバー本体3d上に設置すると共に、コンクリート床版8の側端面に当てて設置する。その後、両型枠内にコンクリートを所定の高さまで打設することにより、支持金具3cの垂直部3bと面一をなして立ち上がる地覆9を形成し、これにより支持金具3cを含む排水溝1の一部を地覆9に埋設された状態にする。
図4に示すシーリング材11は地覆形成後、支持金具3cと地覆9との間に充填され、シールする。
【0022】
前記地覆8の形成に前後してコンクリート床版8上には側壁2bに至るまでアスファルトが装填され、舗装層12が形成される。この舗装層12の表面は、側壁2bに向かって緩やかに傾斜する勾配を有し、側壁上端と面一をなして路面上に降り注いだ雨水が排水溝1上に達し、前記通水孔3gを通って排水枠2内に流入し、排水されるようにしてある。
【0023】
長期間の経過により、前記シーリング材11が脱落するか、脱落しないまでもシーリング材11とコンクリート製地覆9との間より雨水の侵入があった場合、
図5の矢印方向に侵入した雨水は支持金具3cの立上がり部3aで遮られ、それ以上地覆内に奥深く浸水することはない。しがたってこの実施形態では、立上がり部3aが遮水部となる。
【0024】
側壁2eに添設の立上がり部3aはまた、遮水部3aとしての機能ばかりでなく、地覆中においてアンカー6と共にアンカー機能をも果たすようになり、立上がり部3aの立ち上がり高さを十分に取り、該立上がり部のみでアンカー機能を十分に果たすことができれば、アンカー6は省くことができる。
【0025】
図6は、立上がり部3a寄りの支持金具端部に流出孔14を設けた実施形態を示すもので、支持金具上に侵入した雨水が支持金具上で溜まることなく流出孔14より排水枠2内に排出されるようになっている。
【0026】
前記実施形態の支持金具3cは垂直部3bを備えているが、
図5及び
図6に示される実施形態に対応する
図7に示す実施形態においては、支持金具3cは垂直部3bを有していない。これによりカバー本体3dと段差を有する支持金具3cはカバー本体3dとの間に横向きの通水穴16が形成され、カバー本体3d上に流入した雨水が通水穴16を通ってスムースに排水枠2に排水されるようになっている。
【0027】
図7に示す実施形態においては、ボルト17が前記ボルト4より長く形成され、これと共に側壁2cに添設の支持金具3cの立上がり部3gが前記立上がり部3aより高く形成することにより、両者で十分なアンカー効果をもたらすため、前記実施形態のアンカー6を省いている。
【0028】
前記遮水部は垂直に立ち上がるものに限定されるものではなく、斜め上向きに突出するものであってもよく、また厚みも一定でなくてもよい。
【0029】
前記実施形態はまた、排水溝1の一部を地覆9に埋設した例を示すものであるが、
図8及び
図9に示す実施形態は、排水溝1の一部をコンクリート製の壁高欄18を埋設した例を示すものである。
【0030】
図8は
図5に示すような垂直部3bを備えた支持金具3cを有する排水溝1を用いて壁高欄18を施工した例、
図9は
図6に示すように、流出孔14を形成した支持金具3cを有する排水溝1を用いて壁高欄18を施工した例、
図10は
図8に示す支持金具3cと同じ支持金具を用いた排水溝の壁高欄18への施工例、
図11は
図7に示す支持金具3cを用いた壁高欄18への施工例をそれぞれ示すもので、前記実施形態と同一符号を付した部分は同一構造となっている。
【符号の説明】
【0031】
1・・排水溝
2・・排水枠
2b、2c・・側壁
2d・・支柱
3・・カバー
3a・・立上がり部
3c・・支持金具
3d・・カバー本体
3g・・通水孔
6・・アンカー
8・・コンクリート床版
9・・地覆
11・・シーリング材
12・・舗装層
14・・流出孔
16・・通水孔
18・・壁高欄