特許第6961311号(P6961311)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961311振動減衰ウェイトアセンブリを備えた切削工具ホルダ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961311
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】振動減衰ウェイトアセンブリを備えた切削工具ホルダ
(51)【国際特許分類】
   B23B 27/00 20060101AFI20211025BHJP
   B23B 27/16 20060101ALI20211025BHJP
   B23B 27/04 20060101ALN20211025BHJP
【FI】
   B23B27/00 C
   B23B27/16 B
   !B23B27/04
【請求項の数】24
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-523410(P2018-523410)
(86)(22)【出願日】2016年12月12日
(65)【公表番号】特表2018-537297(P2018-537297A)
(43)【公表日】2018年12月20日
(86)【国際出願番号】IL2016051326
(87)【国際公開番号】WO2017109771
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2019年12月3日
(31)【優先権主張番号】14/976,442
(32)【優先日】2015年12月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514105826
【氏名又は名称】イスカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘクト,ギル
(72)【発明者】
【氏名】ザガギー,オフィール
(72)【発明者】
【氏名】メン,イリア
(72)【発明者】
【氏名】サフォーリ,ジョニー
【審査官】 村上 哲
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−215904(JP,A)
【文献】 特開2003−062704(JP,A)
【文献】 特表2017−524549(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/00
B23B 27/16
B23B 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦軸(A1)を有するホルダ本体(22)であって、対向する第1及び第2の側面(26a、26b)並びにそれらの間に延びる上面(28)と、前記上面(28)に隣接して前記ホルダ本体(22)の前端部(34)に位置するインサート装着部分(32)と、前記第1及び第2の側面(26a、26b)まで広がりアパーチャ内面(44)と前記縦軸(A1)まで横断的に延びるアパーチャ軸(A2)とを含むウェイトアパーチャ(30)と、を含む、ホルダ本体(22)と、
前記ウェイトアパーチャ(30)内に位置するウェイトアセンブリ(24)であって、第1のウェイト部分(46)と、第2のウェイト部分(48)と、前記アパーチャ内面(44)に沿って位置する制動環(50)と、それぞれのウェイト部分(46、48)が前記ウェイトアパーチャ(30)内で前記制動環(50)を圧迫するように、前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)を連結してそれらを互いに引き離す作動部材(52)と、を含む、ウェイトアセンブリ(24)と、
を含む、切削工具ホルダ(20)。
【請求項2】
前記ホルダ本体(22)の側面図において、前記ウェイトアパーチャ(30)が非円形形状を有する、請求項1に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項3】
前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)のそれぞれが、前記アパーチャ軸(A2)の方向に最大ウェイト厚(TWMAX)を有し、
前記最大ウェイト厚(TWMAX)が、前記ウェイトアパーチャ(30)における前記ホルダ本体(22)の最小厚(TAMIN)より小さいか又はこれと等しい、請求項1又は2に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項4】
前記作動部材(52)が、2つの円筒形の端部部分(58、60)の間に位置する中央部分(56)を含み、
前記2つの端部部分のうちの第1のもの(58)が、前記第1のウェイト部分(46)内の第1の穴(62)と噛み合い、
前記2つの端部部分のうちの第2のもの(60)が、前記第2のウェイト部分(48)内の第2の穴(64)と噛み合い、
前記第1及び第2の端部部分(58、60)のうちの少なくとも1つが、それぞれの前記第1及び第2の穴(62、64)とねじ切りで噛み合う、請求項1から3の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項5】
前記ウェイトアパーチャ(30)が、前記ホルダ本体(22)の前記前端部(34)に隣接して位置する、請求項1から4の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項6】
前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)が、前記ホルダ本体(22)の材料より高密度の材料で形成される、請求項1から5の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項7】
前記アパーチャ内面(44)には、前記アパーチャ内面(44)に沿って連続的に延びる内部の溝(68)が設けられており
前記制動環(50)が、前記内部の溝(68)と連結する、請求項1から6の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項8】
前記ホルダ本体(22)が、前記上面(28)の向かい側で前記第1及び第2の側面(26a、26b)の間に延びる底面(36)を含み、
前記上面及び底面(28、36)が、それぞれ、前記縦軸(A1)に平行に延びる上部及び下部接合面(38、40)を含む、請求項1から7の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項9】
前記ホルダ本体(22)の側面図において、
前記上部及び下部接合面(38、40)が、それぞれ、平行な第1及び第2の想像直線(L1、L2)を規定し、
前記第2の想像直線(L2)が、前記ウェイトアパーチャ(30)と交差する、請求項8に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項10】
前記ウェイトアパーチャ(30)が、前記アパーチャ軸(A2)を含む第1の平面(P1)について鏡面対称を呈する、請求項1から9の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項11】
前記切削工具ホルダ(20)の側面図において、前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)の両方が、3つの隅(74a、74b、74c;76a、76b、76c)の間に延びる3つの周囲面(70a、70b、70c;72a、72b、72c)によって規定される三角形の形状を有する、請求項10に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項12】
前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)のそれぞれの第1の隅(74a、76a)から分岐する第1及び第2の周囲面(70a、70b;72a、72b)が、鋭い第1のコーナ角(γ)を形成し、
前記第1の平面(P1)が、前記第1の隅(74a、76a)のそれぞれを二等分する、請求項11に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項13】
第1及び第2の外部の溝(82a、82b;84a、84b)が、それぞれ、前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)の両方の前記第1及び第2の周囲面(70a、70b;72a、72b)に沿って延び、
前記制動環(50)が、前記第1及び第2の外部の溝(82a、82b;84a、84b)のそれぞれと連結する、請求項11又は12に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項14】
前記作動部材(52)が、前記第1の平面(P1)に含まれる動作軸(A3)の周りで回転可能なものである、請求項10から13の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項15】
前記ウェイトアパーチャ(30)が、前記アパーチャ軸(A2)を含み、前記第1の平面(P1)に対して垂直な第3の平面P3について鏡面対称を呈する、請求項10から14の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項16】
前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)が、前記第3の平面(P3)を挟んで反対に位置する、請求項15に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項17】
縦軸(A1)を有するホルダ本体(22)であって、対向する第1及び第2の側面(26a、26b)と、前記第1及び第2の側面(26a、26b)の間に延び上部接合面(38)を有する上面(28)と、前記上面(28)の向かい側で前記第1及び第2の側面(26a、26b)の間に延び下部接合面(40)を有する底面(36)と、前記上面(28)に隣接して前記ホルダ本体(22)の前端部(34)に位置するインサート装着部分(32)と、前記第1及び第2の側面(26a、26b)まで広がりアパーチャ内面(44)と前記縦軸(A1)まで横断的に延びるアパーチャ軸(A2)とを含むウェイトアパーチャ(30)と、を含む、ホルダ本体(22)を含み、
前記ウェイトアパーチャ(30)が、少なくとも部分的に、前記底面(36)及び前記下部接合面(40)から下向きに延びる底部突起(42)内に位置する、
切削工具ホルダ(20)。
【請求項18】
前記ウェイトアパーチャ(30)内に位置するウェイトアセンブリ(24)であって、 第1のウェイト部分(46)と、第2のウェイト部分(48)と、前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)を連結して前記アパーチャ内面(44)に向かってそれらを互いに引き離す作動部材(52)と、を含む、ウェイトアセンブリ(24)を更に含む、請求項17に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項19】
前記ウェイトアセンブリ(24)が、前記アパーチャ内面(44)に沿って位置する制動環(50)を更に含み、
それぞれのウェイト部分(46、48)が、前記ウェイトアパーチャ(30)内で前記制動環(50)を圧迫するように、前記作動部材(52)が前記第1及び第2のウェイト部分(46、48)を連結してそれらを互いに引き離す、請求項18に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項20】
前記ホルダ本体(22)の側面図において、
前記下部接合面(40)が、第2の想像直線(L2)を規定し、
前記アパーチャ軸(A2)が、前記第2の想像線(L2)の下に位置する、請求項17から19の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項21】
前記第2の想像直線(L2)が、前記ウェイトアパーチャ(30)と交差する、請求項20に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項22】
前記ホルダ本体(22)が、ブレード形状とされており、
前記ホルダ本体(22)の前記第1及び前記第2の側面(26a、26b)の間における最大本体厚(TBMAX)は、前記ホルダ本体(22)の前記ウェイトアパーチャ(30)における最大厚(TAMAX)と等しい、請求項17から21の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項23】
前記上部及び下部接合面(38、40)が、前記縦軸(A1)に平行に延びる、請求項17から22の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【請求項24】
前記ホルダ本体(22)の側面視において、前記底面(36)は、前記下部接合面(40)と一致する、請求項17から23の何れか一項に記載の切削工具ホルダ(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に切削工具ホルダに関し、特にウェイトアパーチャ及び振動減衰メカニズムを備えた切削工具ホルダブレードに関する。
【背景技術】
【0002】
特にブレードホルダタイプの切削工具ホルダは、その前端部に位置するカッティングインサートを有する。ホルダブレードの前端部で切削動作を実行すると、切削端部に不必要な振動を引き起こす可能性がある。
【0003】
振動減衰メカニズムを備えた切削工具ホルダは、例えば、特開2003−062703号、特開2011−042007号、米国特許第6113319号、及び韓国特許10−1258519号に示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一目的は、改良された振動減衰メカニズムを備えた切削工具ホルダを提供することである。
【0005】
また、本発明の一目的は、容易に取り外して交換できる、改良された振動減衰メカニズムを備えた切削工具ホルダを提供することでもある。
【0006】
本発明の更なる一目的は、その組み立てられた位置で調整できる、改良された振動減衰メカニズムを備えた切削工具ホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様により、
縦軸を有するホルダ本体であって、対向する第1及び第2の側面並びにそれらの間に延びる上面と、上面に隣接してホルダ本体の前端部に位置するインサート装着部分と、第1及び第2の側面まで広がりアパーチャ内面と縦軸まで横断的に延びるアパーチャ軸とを含むウェイトアパーチャと、を含む、ホルダ本体と、
ウェイトアパーチャ内に位置するウェイトアセンブリであって、第1のウェイト部分と、第2のウェイト部分と、アパーチャ内面に沿って位置する制動環と、それぞれのウェイト部分がウェイトアパーチャ内で制動環を圧迫するように第1及び第2のウェイト部分を連結してそれらを互いに引き離す作動部材と、を含む、ウェイトアセンブリと、
を含む、切削工具ホルダが提供される。
【0008】
本発明の他の態様により、
縦軸を有するホルダ本体であって、対向する第1及び第2の側面と、第1及び第2の側面の間に延び、上部接合面を有する上面と、上面の向かい側で第1及び第2の側面の間に延び、下部接合面を有する底面と、上面に隣接してホルダ本体の前端部に位置するインサート装着部分と、第1及び第2の側面まで広がりアパーチャ内面と縦軸まで横断的に延びるアパーチャ軸とを含むウェイトアパーチャと、を含む、ホルダ本体を含み、
ウェイトアパーチャが少なくとも部分的に、下部接合面から下向きに延びる底部突起内に位置する、
切削工具ホルダが提供される。
【0009】
更に理解するために、1つの部材の部分図に関する切断境界が鎖線で表されている添付図面に関連して、例としてのみ本発明について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のいくつかの実施形態による切削工具ホルダの斜視図である。
図2図1に示されている切削工具ホルダの部分分解斜視図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態によるホルダ本体の側面図である。
図4図1に示されている切削工具ホルダの側面図である。
図5図4に示されている切削工具ホルダの詳細図である。
図6】線VI−VIに沿った、図4に示されている切削工具ホルダの断面図である。
図7】線VII−VIIに沿った、図4に示されている切削工具ホルダの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
一実施形態では、本発明は、概して細長い形状及び縦軸A1を備えたホルダ本体22とウェイトアパーチャ30とを含む切削工具ホルダ20に関する。ウェイトアセンブリ24は、ウェイトアパーチャ30内に保持することができる。
【0012】
図1及び図2に示されているように、ホルダ本体22は、対向する第1及び第2の側面26a、26b並びにそれらの間に延びる上面28を有し、ウェイトアパーチャ30は第1及び第2の側面26a、26bまで広がっている。ウェイトアセンブリ24はウェイトアパーチャ30内に位置する。
【0013】
本発明のいくつかの実施形態では、図3に示されているように、ホルダ本体22の側面図において、ウェイトアパーチャ30は非円形の形状を有することができる。
【0014】
また、本発明のいくつかの実施形態では、図3に示されているように、ホルダ本体22の側面図において、ウェイトアパーチャ30は概して平行四辺形の形状を有することができる。
【0015】
図1図4に示されているように、インサート装着部分32は上面28に隣接してホルダ本体22の前端部34に位置する。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態では、ホルダ本体22は、上面28の向かい側で第1及び第2の側面26a、26bの間に延びる底面36を含むことができる。
【0017】
図3及び図4に示されているように、上面及び底面28、36は、それぞれ、縦軸A1に平行に延びる上部及び下部接合面38、40を含むことができ、平行に延びる保持溝を有する細長い工具ブロック(図示せず)内への切削工具ホルダ20の組立を容易にしている。
【0018】
図2及び図3に示されているように、ウェイトアパーチャ30は、ホルダ本体22の前端部34に隣接して位置することができる。
【0019】
本発明のいくつかの実施形態では、ウェイトアパーチャ30は少なくとも部分的に、下部接合面40から下向きに延びる底部突起42内に位置することができる。
【0020】
図3に示されているように、ホルダ本体22の側面図において、上部及び下部接合面38、40は、それぞれ、平行な第1及び第2の想像直線L1、L2を規定することができ、第2の想像直線L2はウェイトアパーチャ30と交差することができる。
【0021】
底部突起42を設けることにより、ウェイトアパーチャ30及びインサート装着部分32は十分に間隔を開けて配置することができ、従って、細長いホルダ本体22は十分に高いレベルの剛性を保持する。
【0022】
図2及び図3に示されているように、ウェイトアパーチャ30は、アパーチャ内面44と、縦軸A1まで横断的に延びるアパーチャ軸A2と、を有する。
【0023】
本発明のいくつかの実施形態では、図3に示されているように、ウェイトアパーチャ30は、アパーチャ軸A2を含む第1の平面P1について鏡面対称を呈することができる。
【0024】
図3に示されているように、ホルダ本体22の側面図において、アパーチャ軸A2は第2の想像線L2の下に位置することができる。
【0025】
本発明のいくつかの実施形態では、図3に示されているように、第1の平面P1は、縦軸A1と鋭いアパーチャ角αを形成し、上面28と交差しない可能性がある。
【0026】
また、本発明のいくつかの実施形態では、アパーチャ角αは、25°より大きく、65°より小さい値を有することができる。
【0027】
本発明の一実施形態により、図1図2、及び図4に示されているように、ウェイトアセンブリ24は、
第1のウェイト部分46と、
第2のウェイト部分48と、
アパーチャ内面44に沿って位置する制動環50と、
それぞれのウェイト部分46、48がウェイトアパーチャ30内で制動環50を圧迫するように、第1及び第2のウェイト部分46、48を連結してアパーチャ内面44に向かってそれらを互いに引き離す作動部材52と、
を含む。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態では、第1及び第2のウェイト部分46、48は、ホルダ本体22の材料より高密度の材料で形成することができる。
【0029】
例えば、ホルダ本体22が鋼で形成される場合、第1及び第2のウェイト部分46、48は、超硬合金、タングステンなどで形成することができる。
【0030】
また、本発明のいくつかの実施形態では、制動環50は、ゴムなどの弾性圧縮性材料で形成することができる。
【0031】
図1図2、及び図4に示されているように、被加工物に対して、旋削、溝削り、又は突っ切りなどの切削動作を実行するために、カッティングインサート54はホルダ本体22のインサート装着部分32内に保持される。
【0032】
長い張り出しによるこのような切削動作中に、ホルダ本体22は振動及びチャターを被りやすい可能性があり、これはカッティングインサート54と被加工物との噛み合いを妨害し、切削動作又は被加工物の表面品質に損害を与える可能性がある。
【0033】
このような不必要な振動及びチャターを低減又は除去するために、ウェイトアセンブリ24は、その前端部34の重量を増加することによりホルダ本体22用の動吸振器(DVA)又は同調質量ダンパ(TMD)として作用し、制動環50はばねとして作用し、ウェイト部分46、48は共に制動質量として作用する。従って、ウェイトアセンブリ24は振動減衰ウェイトアセンブリ24と呼ぶこともできる。ホルダ本体22の振動は制動環50を通ってウェイト部分46、48に伝達され、次にウェイト部分46、48はホルダ本体22の振動を減衰するように反作用する。
【0034】
図4及び図5に示されているように、第1及び第2のウェイト部分46、48のそれぞれは、第1の平面P1について鏡面対称を呈することができる。第1及び第2のウェイト部分46、48は必ずしも同一ではない可能性があり、重量又は厚さが異なる可能性があることは注目に値する。
【0035】
図2に示されているように、制動環50は、非円形形状のウェイトアパーチャ30のアパーチャ内面44に沿った位置に適したOリングにすることができる。
【0036】
図4に示されているように、縦軸A1に対して垂直な第2の平面P2は、カッティングインサート54並びに第1及び第2のウェイト部分46、48のうちの少なくとも1つと交差することができる。
【0037】
本発明のいくつかの実施形態では、第2の平面P2は、カッティングインサート54並びに第1及び第2のウェイト部分46、48の両方と交差することができる。
【0038】
第2の平面P2が第1及び第2のウェイト部分46、48のうちの少なくとも1つと交差するようにホルダ本体22の前端部34に隣接してウェイトアセンブリ24を配置すると、前端部34の重量が増加し、その結果、ウェイトアセンブリ24の減衰性能が改善される。
【0039】
本発明のいくつかの実施形態では、作動部材52は、第1の平面P1に含まれる動作軸A3の周りで回転可能なものにすることができる。
【0040】
図4及び図5に示されているように、動作軸A3はアパーチャ軸A2に対して垂直にすることができる。
【0041】
本発明のいくつかの実施形態では、作動部材52は、2つの円筒形の端部部分58、60の間に位置する中央部分56を含むことができる。
【0042】
図2に示されているように、2つの端部部分のうちの第1のもの58は、第1のウェイト部分46内の第1の穴62と噛み合うことができ、2つの端部部分のうちの第2のもの60は、第2のウェイト部分48内の第2の穴64と噛み合うことができる。
【0043】
本発明のいくつかの実施形態では、動作軸A3は第1及び第2の穴62、64と同軸にすることができる。
【0044】
また、本発明のいくつかの実施形態では、第1及び第2の端部部分58、60のうちの少なくとも1つは、それぞれの第1及び第2の穴62、64とねじ切りで噛み合うことができる。
【0045】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、2つの端部部分58、60は反対方向のねじ山を有することができ、第1及び第2の端部部分58、60の両方は、それぞれの第1及び第2の穴62、64とねじ切りで噛み合うことができる。
【0046】
更に、本発明のいくつかの実施形態では、中央部分56は、ソケット66又はその他の回転手段を含むことができる。
【0047】
作動部材52が動作軸A3の周りで第1の方向D1に回転すると、第1及び第2のウェイト部分46、48は互いに離れるように移動し、制動環50はアパーチャ内面44に対して弾力的に圧縮される。
【0048】
この締め付けられた位置では、第1及び第2のウェイト部分46、48はウェイトアパーチャ30内で浮遊しており、作動部材52との連結は別として、第1及び第2のウェイト部分46、48は制動環50と接触しているだけである。
【0049】
図4及び図5に示されているように、第1及び第2のウェイト部分46、48はアパーチャ内面44と接触しない。
【0050】
このように、制動環50は第1及び第2のウェイト部分46、48とアパーチャ内面44との間に拘束される。従って、ウェイトアセンブリ24全体はウェイトアパーチャ30内に拘束され、そこから脱落しないようになっている。
【0051】
作動部材52が動作軸A3の周りで第1の方向D1とは反対の第2の方向D2に回転すると、第1及び第2のウェイト部分46、48は互いに向かって移動し、制動環50に加えられた圧力が低減される。
【0052】
作動部材52が動作軸A3の周りで第1又は第2の方向D1、D2に回転する量は、制動環50がアパーチャ内面44に対して弾力的に圧縮される量に影響を及ぼす。また、これは、第1及び第2のウェイト部分46、48と制動環50との接触並びに制動環50とアパーチャ内面44との接触の程度にも影響を及ぼす。ウェイトアセンブリ24のDVA態様では、この微調整によって制動環50のばね定数が決定される。
【0053】
動作軸A3の周りで第2の方向D2に作動部材52が連続回転すると、制動環50に対して圧力が全く加えられなくなるまで第1及び第2のウェイト部分46、48の距離が低減され、第1及び第2のウェイト部分46、48並びに作動部材52をウェイトアパーチャ30から容易に取り外し、必要に応じて他のウェイト部分に交換することができる。この柔軟性は、ウェイトの分解又は交換という選択肢が全くなく、例えば半田付け又は蝋付けによってホルダ本体に固定して結合されたその他の振動減衰ウェイトに優る利点である。
【0054】
図3に示されているように、ウェイトアパーチャ30は、アパーチャ軸A2を含み、第1の平面P1に対して垂直な第3の平面P3について鏡面対称を呈することができる。
【0055】
図4及び図5に示されているように、第1及び第2のウェイト部分46、48は第3の平面P3の両側に完全に位置することができる。
【0056】
本発明のいくつかの実施形態では、内部の溝68はアパーチャ内面44に沿って連続的に延びることができ、制動環50は内部の溝68と連結することができる。
【0057】
図6及び図7に示されているように、内部の溝68は、アパーチャ軸A2を含む断面で見た時にV字形にすることができる。
【0058】
また、図6及び図7に示されているように、アパーチャ内面44は、ウェイトアセンブリ24の取り外し及び交換を支援するために、アパーチャ軸A2に対して第1の傾斜角β1で傾斜させることができる。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の傾斜角β1は15°より小さい値を有することができる。
【0060】
図5に示されているように、切削工具ホルダ20の側面図において、第1及び第2のウェイト部分46、48の両方は、3つの隅74a、74b、74c;76a、76b、76cの間に延びる3つの周囲面70a、70b、70c;72a、72b、72cによって規定される三角形の形状を有することができる。
【0061】
また、図5に示されているように、第1及び第2のウェイト部分46、48のそれぞれの第1の隅74a、76aから分岐する第1及び第2の周囲面70a、70b;72a、72bは鋭い第1のコーナ角γを形成することができ、第1の平面P1は第1の隅74a、76aのそれぞれを二等分することができる。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態では、第1の隅74a、76aのそれぞれは、関連の第1及び第2の周囲面70a、70b;72a、72bの間に位置する湾曲したコーナ周囲面78、80を有することができる。
【0063】
ウェイトアセンブリ24の重量、特に第1及び第2のウェイト部分46、48のそれぞれの重量、並びに第1及び第2のウェイト部分46、48の形状及び寸法は、ホルダ本体22の形状及び寸法並びに切削工具ホルダ20で実行すべき切削動作に応じて決定される。ウェイトアセンブリ24の特性は異なる切削工具ホルダで変化する可能性がある。代替的に、切削工具ホルダ20は異なるウェイトアセンブリ24とともに使用することができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態では、第1及び第2の外部の溝82a、82b;84a、84bは、それぞれ、第1及び第2のウェイト部分46、48の両方の第1及び第2の周囲面70a、70b;72a、72bに沿って延びることができ、制動環50は第1及び第2の外部の溝82a、82b;84a、84bのそれぞれと連結することができる。
【0065】
図6及び図7に示されているように、第1及び第2の外部の溝82a、82b;84a、84bのそれぞれは、アパーチャ軸A2を含む断面で見た時にV字形にすることができる。
【0066】
また、図6及び図7に示されているように、第1及び第2の周囲面70a、70b;72a、72bのそれぞれは、アパーチャ軸A2に対して第2の傾斜角β2で傾斜させることができる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態では、第2の傾斜角β2は第1の傾斜角β1と等しくすることができる。
【0068】
更に、図6及び図7に示されているように、第1及び第2のウェイト部分46、48のそれぞれは、アパーチャ軸A2の方向に最大ウェイト厚TWMAXを有することができ、最大ウェイト厚TWMAXはウェイトアパーチャ30におけるホルダ本体22の最小厚TAMINより小さいか又はこれと等しくすることができ、ウェイトアセンブリ24が第1及び第2の側面26a、26bの上に突出しないようになっている。
【0069】
本発明のいくつかの実施形態では、ホルダ本体22は、ウェイトアパーチャ30におけるホルダ本体22の最大厚TAMAXと等しい最大本体厚TBMAXを第1及び第2の側面26a、26bの間に有するブレード形状にすることができる。
【0070】
1つ以上の特定の実施形態に関連して本発明について説明してきたが、この説明は全体として例示のためのものであり、示されている諸実施形態に本発明を限定するものと解釈すべきではない。当業者であれば、本明細書に具体的に示されていないが、それにもかかわらず本発明の範囲内のものである様々な変更例を思いつく可能性があることは認識されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7