(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961336
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】自動車の外装用不織布ボード及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B60R 13/08 20060101AFI20211025BHJP
D04H 1/46 20120101ALI20211025BHJP
D04H 1/54 20120101ALI20211025BHJP
D04H 1/4391 20120101ALI20211025BHJP
【FI】
B60R13/08
D04H1/46
D04H1/54
D04H1/4391
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-205408(P2016-205408)
(22)【出願日】2016年10月19日
(65)【公開番号】特開2017-197894(P2017-197894A)
(43)【公開日】2017年11月2日
【審査請求日】2019年6月27日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0050585
(32)【優先日】2016年4月26日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(73)【特許権者】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジュン、ウク
【審査官】
川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】
特開平04−245965(JP,A)
【文献】
特表2016−500831(JP,A)
【文献】
特開2000−220035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/4391
D04H 1/46
D04H 1/54
B60R 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維を含んで構成され、
前記異型断面基材繊維は50重量%以上含まれ、
前記異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維は、線密度が6〜15Deで、異型度(α)は1.3〜3.0である自動車の外装用不織布ボードであって、
前記異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維の断面形状は、八葉型、W型、中空型、扁平型、十字型、三角形、及び星型からなる群より選択され、
前記異型度(α)は、下記一般式(1)で表し、繊維断面における周縁の長さ(P)は140〜180μm、繊維断面面積(A)は280〜1500μm
2である自動車の外装用不織布ボード
を含むことを特徴とする自動車の外装用アンダーカバー。
【数1】
【請求項2】
前記異型断面基材繊維は、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)、ポリプロピレン(polypropylene)、ナイロン、アクリル、ビスコースレーヨン(viscose rayon)、及びアラミド(aramid fiber)からなる群より選択されることを特徴とする請求項1に記載の自動車の外装用アンダーカバー。
【請求項3】
前記異型断面複合繊維は、低融点ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレン繊維、及びポリエチレンからなる群より選択される1つ以上を含み、芯鞘(sheath/core)構造であることを特徴とする請求項1に記載の自動車の外装用アンダーカバー。
【請求項4】
異型断面基材繊維と異型断面複合繊維が含まれた繊維集合体をニードルパンチ工程または熱接着工程により不織布の形態で成形して製造し、
前記異型断面基材繊維は50重量%以上含まれ、
前記異型断面基材繊維または異型断面複合繊維は、線密度が6〜15Deで、異型度(α)は1.3〜3.0である自動車の外装用不織布ボード
を含む、自動車の外装用アンダーカバーの製造方法であって、
前記異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維の断面形状は、八葉型、W型、中空型、十字型、三角形、及び星型からなる群より選択され、
前記異型度(α)は下記一般式(1)で表し、繊維断面における周縁の長さ(P)は140〜180μm、繊維断面面積(A)は280〜1500μm
2であることを特徴とする、自動車の外装用
アンダーカバーの製造方法。
【数2】
【請求項5】
前記異型断面基材繊維は、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)、ポリプロピレン(polypropylene)、ナイロン、アクリル、ビスコースレーヨン(viscose rayon)、及びアラミド(aramid fiber)からなる群より選択されることを特徴とする請求項4に記載の自動車の外装用アンダーカバーの製造方法。
【請求項6】
前記異型断面複合繊維は、低融点ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレン繊維、及びポリエチレンからなる群より選択される1つ以上を含み、芯鞘(sheath/core)構造であることを特徴とする請求項4に記載の自動車の外装用アンダーカバーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の外装用不織布ボード及びその製造方法に関するもので、より詳細には、剛性と吸遮音性が向上した自動車の外装用不織布ボード及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車が走行しているうちは多様な経路で車両室内に外部騒音が流入される。特に、タイヤと路面との間の摩擦による騒音、排気系の高温、高圧の燃焼ガスの流動から発生する騒音、エンジン系の駆動による機械的騒音などが車両室内に流入されて乗客に聞こえるようになるが、これは車両の静粛性を阻害する要因となる。
【0003】
車両の静粛性のために自動車の下部には走行中のロードノイズ(road noise)の遮断と砂、石などの飛散衝撃から車体の下部を保護するためにアンダーカバー、ホイールガードなどの部品を装着してきた。従来、主にポリプロピレン(PP)、ガラス繊維強化PPなどのプラスチック材質で前記部品を製造した。しかし、このようなプラスチック材質は、衝撃にぜい弱で、非通気性材質からなるので吸音性がないという問題があった。
【0004】
近来、特許文献1などに開示したように、耐衝撃性と吸遮音性を確保するために、熱成形圧縮フェルト(compressed felt)材質を使用している。しかし、熱成形圧縮フェルトは、剛性が足りなく、アンダーカバー(under cover)などのような面積が大きな部品に適用するには限界があり、不織布の剛性を向上させるためにフェルトを圧縮すると、吸音性能の効率が低下するという問題があった。
【0005】
一方、圧縮不織布材質の部品は、ニードルパンチ(needle punching)工程で製造されたフェルト生地をオーブンで一定の温度と時間で予熱した後、冷間金型を用いて部品として成形するか、または別途の生地を予熱することなく、熱間金型を用いて一定の温度と時間でプレスして部品を成形して製造する。
【0006】
通常、不織布の生地は、基材(matrix)繊維のPET(polyethylene terephthalate)繊維とPET繊維間の結合のための接着用繊維の複合(bicomponent)PET繊維で構成されるか、PET繊維単独で構成される。従来、圧縮不織布の機械的物性を高めるために一定の厚さ下で面密度(単位面積当たり重量)を増加させるか、その反対に一定の面密度下で厚さをさらに低めて繊維間の結束力を増加させる方式で機械的物性を高めてきた。
【0007】
しかし、面密度の増加は、部品の重量及び材料費の上昇をもたらし、厚さの低減は圧縮不織布の吸音率を低下させるという問題があった。
【0008】
また、従来の技術は、繊維断面が円形であるため、繊維間の接触面が小さくて結束力の向上に限界があり、成形のために加熱する時、生地のバルキー性が小さくて一定温度の条件下で処理すると、ウェブ(web)の表面だけ溶融して中層部は繊維状のまま残るようになって結果的に強度が低下するという問題点があった。
【0009】
そのため、剛性を維持し、吸遮音性が向上した自動車の外装用不織布ボードに関する研究が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】大韓民国公開特許第2014−42982号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、剛性及び吸遮音性が向上した自動車の外装用不織布ボードを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態によれば、異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維を含んで構成され、前記異型断面基材繊維は50重量%以上含まれ、前記異型断面繊維及び異型断面複合繊維は、線密度が6〜15Deで、異型度は1.3〜3.0の自動車の外装用不織布ボードを提供することができる。
【0013】
本発明の他の実施形態による自動車の外装用不織布ボードの製造方法は、異型断面基材繊維と異型断面複合繊維が含まれた繊維集合体をニードルパンチ工程または熱接着工程により不織布の形態で成形して製造し、前記異型断面基材繊維は50重量%以上含まれ、前記異型断面繊維または異型断面複合繊維は、線密度が6〜15Deで、異型度(α)は1.3〜3.0のものであり得る。
【0014】
そして、前記異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維の断面形状は、八葉型、W型、中空型、扁平型、十字型、三角形、及び星型からなる群より選択されることができる。
また、異型断面基材繊維は、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)、ポリプロピレン(polypropylene)、ナイロン、アクリル、ビスコースレーヨン(viscose rayon)、及びアラミド(aramid fiber)からなる群より選択されることができる。
【0015】
さらに、前記異型断面複合繊維は、低融点ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレン繊維、及びポリエチレンからなる群より選択される1つ以上を含み、芯鞘(sheath/core)構造であり得る。
【0016】
そして、前記異型度(α)は、下記一般式(1)で表し、繊維断面における周縁の長さ(P)は140〜180μm、繊維断面面積(A)は280〜1500μm
2のものであり得る。
【数1】
【発明の効果】
【0017】
本発明による自動車の外装用不織布ボードは、異型断面糸を使用することで比表面積が広くなって繊維間の接着効率が向上し、バルキー性及び繊維の比表面積が大きいため、加熱時に熱伝達がうまく行われて熱成形性が改善されて機械的物性に優れる。
【0018】
また、向上した剛性により不織布の面密度が低減して軽量化が可能となり、吸遮音性能に優れるという効果を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維の八葉型、W型、中空型、扁平型、及び星型の断面形状を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0021】
本発明は、多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるため、特定の実施例を図面に例示して詳細に説明することにする。しかし、これは本発明を特定の実施形態にだけ限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解すべきである。本発明の説明において公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明にすると判断される場合、公知構成及び機能に関する説明は省略する。
【0022】
本発明は、異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維を含んで構成され、前記異型断面基材繊維は50重量%以上含まれ、前記異型断面繊維または異型断面複合繊維は線密度が6〜15Deで、異型度(α)は1.3〜3.0の自動車の外装用不織布ボードを提供する。
【0023】
以下、本発明の具体的な実施例による自動車の外装用不織布ボードについて詳細に説明する。
【0024】
従来技術は、繊維断面が円形であるため、繊維間の接触面が小さくて結束力の向上に限界があり、成形のための加熱時に生地のバルキー性が小さくて一定温度の条件下で処理すると、ウェブ(web)表面だけが溶融し、中層部は繊維状のまま残るようになって結果的に強度が低下するという問題があった。
【0025】
そのため、本発明者らは、不織布ボードで使用する基材繊維と接着繊維として特定の線密度範囲及び異型度範囲を有する異型断面繊維を使用する場合、バルキー性及び繊維比表面積が大きいため、加熱時に熱伝達がうまく行われて熱成形性が改善されて機械的物性に優れるようになり、向上した剛性により不織布の面密度が低減して軽量化が可能となり、吸遮音性能が向上できるという点を実験から確認して本発明を完成した。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維を含んで構成され、前記異型断面基材繊維は50重量%以上含まれ、前記異型断面繊維または異型断面複合繊維は線密度が6〜15Deで、異型度は1.3〜3.0の自動車の外装用不織布ボードを提供することができる。
【0027】
本発明では、一般の円形断面繊維に比べて表面積が2〜5倍水準で、さらに広い異型断面繊維を繊維素材として使用することができる。
【0028】
一般的に、音波は特定材料と摩擦すると、粘性損失が発生するようになり、これは音波の機械的エネルギが熱エネルギに変換されて、結局騒音が減少する結果を招くようになる。このような物理的現象に基づき、本発明で用いられる異型断面繊維は、一般の円形断面繊維とは異なり、不規則または規則的な形状の断面構造を有しており、音波の粘性損失が発生する繊維表面が相対的に極大化されるという長所があり、これは吸音及び遮音性能を向上させることができる。
【0029】
さらに、既存のPET繊維は円形断面を持っており、繊維間の結束が点接触により得られるが、異型断面繊維は比表面積が広くて繊維間の接着効率が向上して機械的物性を向上させることができる。また、バルキー性及び繊維比表面積が大きいため、加熱時に熱伝達がうまく行われて熱成形性が改善されて機械的物性が向上することができる。
【0030】
また、上述した大面積の表面によって、異型断面繊維を用いた本発明の不織布ボードは従来の吸音材よりも面密度が低くなっても同等水準以上のNVH(Noise、Vibration & Harshness)性能が得られ、車両の軽量化を達成でき、また、同じ面密度を持っている一般の円形断面繊維吸音材と比較してもさらに高い吸音性能を提供することができる。
【0031】
一般的な合成繊維の断面は円形断面のものが大部分である。しかし、本発明で異型断面繊維は、紡糸口金を八葉型、W型、中空型、扁平型、十字型、三角形、星型などのように所望の形で製作して原糸の断面形状が紡糸口金の形状のように円形でなく、特定の形状を持っている繊維をいう。このような異型断面繊維は、一般的な円形断面繊維に比べて広い表面積を持っているため、音響物性において最も重要な一因子である音波粘性損失が発生する物体表面が極大化し、これは吸音及び遮音性能を向上させる効果を提供する。
【0032】
異型断面の具体的な形状は、八葉型、W型、中空型、扁平型、十字型、三角形、及び星型があり、好ましくはW型、八葉型であり、求められる機械的物性及び吸音性能を考慮して選択されることができる。
図1は、異型断面基材繊維及び異型断面複合繊維の八葉型、W型、中空型、扁平型、及び星型の断面形状を示す図である。
【0033】
また、異型断面基材繊維は、ポリエチレンテレフタレート(polyethyleneterephthalate)、ポリプロピレン(polypropylene)、ナイロン、アクリル、ビスコースレーヨン(viscose rayon)、及びアラミド(aramid fiber)からなる群より選択される溶融紡糸が可能な繊維を使用でき、大量生産性及び熱安定性を考慮した時、ポリエチレンテレフタレートまたはナイロンが好ましい。
【0034】
さらに、異型断面繊維間の接着のために用いられる接着繊維には繊維形態が用いられるが、好ましくは低融点ポリエチレンテレフタレート繊維が挙げられ、ポリプロピレン繊維なども使用してもよい。具体的には、前記異型断面複合繊維は、低融点ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリプロピレン繊維、及びポリエチレンからなる群より選択される1つ以上を含み、芯鞘(sheath/core)構造であり得る。低融点ポリエチレンテレフタレートは、芯鞘構造で溶融温度が180℃以下の無定形及び結晶形からなる群から選択された1つで構成されるシース部分と溶融温度が250℃以上の結晶形からなるコア部分が複合紡糸された繊維であることを特徴とし、部品の成形時に溶融されて繊維を相互結合させて不織布ボードの形状を維持する役割をする。
【0035】
本発明では異型断面基材繊維含量が50重量%未満であれば、機械的物性が低下するため、全体不織布ボードの50重量%以上含むことが好ましい。
【0036】
一方、異型断面繊維及び異型断面複合繊維の線密度は6〜15De(denier)が好ましい。線密度が6De未満であればそれぞれの繊維の引張モジュラスが低くなるため、最終不織布の剛性が低下し、15Deを超えると同じ面密度の不織布で繊維個体数が低くなるため、不織布の機械的物性が低下するからである。
【0037】
そして、異型断面繊維及び異型断面複合繊維の異型度は1.3〜3.0のものが好ましい。異型度が1.3未満であれば円形に対して表面積の増大効果が微々たるものとなるため、機械的物性の向上効果が低く、3.0を超えるとクリンプ数が少なくなるため、繊維間の接触点が低下して機械的物性が低下するからである。
【0038】
前記異型度(α)は下記一般式(1)で表し、繊維断面における周縁の長さ(P)は140〜180μm、繊維断面面積(A)は280〜1500μm
2のものである。
【数2】
【0039】
本発明で前記八葉型断面繊維は、断面における周縁の長さ(P)140〜180μm、断面面積(A)280〜1500μm
2の範囲内で異型度(α)の値が1.3〜3.0範囲であることを使用することが好ましい。異型度(α)は前記一般式(1)で表す。
【0040】
この際、繊維断面における周縁の長さ(P)は140μm未満であれば、繊維の比表面積が減少して吸音及び遮音性能の改善効果が不充分で、繊維厚さの減少によって熱成形時の収縮が頻繁であるという問題があり、180μmを超えると、繊維の線密度が増加するが、これは特定の面密度の不織布内に繊維個体数が減少することを意味し、それによって吸音及び遮音性能の改善効果を減少させ、繊維間の孔隙が多すぎるようになって熱成形後の剛性が低下するという問題があるため、前記範囲内のことを使用することが好ましい。
【0041】
さらに、繊維断面面積(A)は280μm
2未満であれば、八葉型断面形状の紡糸口金を製造するとき、製造工程が困難で、紡糸後、実際繊維の八葉型断面構造があまり得られないという問題があり、1500μm
2を超えると、繊維デニールの増加及び紡糸速度の低下によって非経済的で、フェルト内の繊維間の孔隙が多すぎて、熱成形時の収縮過多及び剛性低下の問題があるため、前記範囲内のものを使用することが好ましい。
【0042】
本発明の他の実施形態による自動車の外装用不織布ボードの製造方法は、断面基材繊維と異型断面複合繊維が含まれた繊維集合体をニードルパンチ工程または熱接着工程により不織布の形態で成形して製造し、前記異型断面基材繊維は50重量%以上含まれ、前記異型断面繊維または異型断面複合繊維は線密度が6〜15Deで、異型度(α)は1.3〜3.0のものであり得る。
【0043】
本発明の不織布ボードの製造工程は、通常の不織布ボード部品の成形工程と同一である。ニードルパンチされた生地をオーブンで予熱して冷間金型を用いて部品を成形するか、熱間金型を用いて直接成形する。
【0044】
以下、本発明の好ましい実施例を添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、これら実施例はただ本発明を例示するためのもので、本発明の範囲がこれら実施例によって制限されることはない。
【0045】
実施例1
異型断面基材繊維としてPET繊維と、低融点PET繊維を含む異型断面複合繊維を6:4の重量比となるように使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0046】
前記異型断面基材繊維、異型断面複合繊維は、W状の紡糸口金を用いて溶融紡糸により製造したW状断面の繊維を使用し、捲縮数(number of crimp)9.8個/inch、異型度は2.6、線密度が7Deのものを使用した。
【0047】
実施例2
異型断面基材繊維としてPET繊維と、低融点PET繊維を含む異型断面複合繊維を6:4の重量比となるように使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0048】
前記異型断面基材繊維、異型断面複合繊維は、W状の紡糸口金を用いて溶融紡糸により製造したW状断面の繊維を使用し、捲縮数9.8個/inch、異型度は2.6のものを使用し、異型断面基材繊維は線密度が14De、異型断面複合繊維は線密度が7Deのものを使用した。
【0049】
実施例3
異型断面基材繊維としてPET繊維と、低融点PET繊維を含む異型断面複合繊維を6:4の重量比となるように使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0050】
前記異型断面基材繊維、異型断面複合繊維は、W状の紡糸口金を用いて溶融紡糸により製造したW状断面の繊維を使用し、捲縮数9.8個/inch、異型度は2.0のものを使用し、異型断面基材繊維は線密度が14De、異型断面複合繊維は線密度が7Deのものを使用した。
【0051】
実施例4
異型断面基材繊維としてPET繊維と、低融点PET繊維を含む異型断面複合繊維を6:4の重量比となるように使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0052】
前記異型断面基材繊維、異型断面複合繊維は、W状の紡糸口金を用いて溶融紡糸により製造したW状断面の繊維を使用し、捲縮数9.8個/inch、異型度は2.0のものを使用し、異型断面基材繊維は線密度が14De、異型断面複合繊維は線密度が14Deのものを使用した。
【0053】
比較例1
円形PET繊維を使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0054】
比較例2
円形PET繊維と、低融点PET繊維を含む円形断面複合繊維を6:4の重量比となるように使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。前記繊維は捲縮数9.8個/inchで、前記円形PET繊維は線密度が7De、前記円形断面複合繊維は線密度が4Deのものを使用した。
【0055】
比較例3
W型PET繊維を使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0056】
前記W型PET繊維は、捲縮数6.8個/inch、異型度は3.5、線密度が7Deのものを使用した。
【0057】
比較例4
W型PET繊維を使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0058】
前記W型PET繊維は、捲縮数10.3個/inch、異型度は1.2、線密度が7Deのものを使用した。
【0059】
比較例5
W型PET繊維を使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0060】
前記W型PET繊維は、捲縮数9.8個/inch、異型度は2.6、線密度が4Deのものを使用した。
【0061】
比較例6
W型PET繊維を使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0062】
前記W型PET繊維は、捲縮数9.8個/inch、異型度は2.6、線密度が15Deのものを使用した。
【0063】
比較例7
W型PET繊維と、低融点PET繊維を含む円形断面複合繊維を6:4の重量比となるように使用して通常の熱接着不織布の生産工程で厚さ2mm、面密度1200g/m
2の不織布ボードを製造した。
【0064】
前記W型PET繊維は、捲縮数9.8個/inch、異型度は2.6、線密度が7Deのものを使用した。
【0065】
実験例
ISO 178 Method Aにより評価した屈曲弾性率、ISO 527−4 Type 2により評価した引張強度、ISO 354により評価した吸音率、及びISO6603−2により評価した衝撃強度を下記表1に示す。
【0066】
本発明による実施例1〜4は、比較例に比べて屈曲弾性率、引張強度、衝撃強度など機械的物性に優れ、平均吸音率も高いことが分かった。
【0067】
本発明による自動車の外装用不織布ボードは、異型断面糸を使用することによって比表面積が広くて繊維間の接着効率が向上し、バルキー性及び繊維比表面積が大きいため、加熱時の熱伝達がうまく行われて熱成形性が改善されて機械的物性に優れ、向上した剛性により不織布の面密度が低減して軽量化が可能となり、吸遮音性能に優れるという効果を持つ。
【0069】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとって、このような具体的技術は単に好ましい実施様態であるだけで、これによって本発明の範囲が制限されることはない点は明白である。したがって、本発明の実質的な範囲は添付した請求項とそれらの等価物によって定義される。