(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961343
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】研磨装置
(51)【国際特許分類】
B24B 37/005 20120101AFI20211025BHJP
B24B 37/10 20120101ALI20211025BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20211025BHJP
B24B 7/04 20060101ALI20211025BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
B24B37/005 A
B24B37/10
B24B49/10
B24B7/04 A
H01L21/304 622K
H01L21/304 622R
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-254137(P2016-254137)
(22)【出願日】2016年12月27日
(65)【公開番号】特開2017-140694(P2017-140694A)
(43)【公開日】2017年8月17日
【審査請求日】2019年10月15日
(31)【優先権主張番号】特願2016-21315(P2016-21315)
(32)【優先日】2016年2月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】芝浦機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100199255
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 大幸
(72)【発明者】
【氏名】大 曲 啓 明
(72)【発明者】
【氏名】冨 安 正 輝
(72)【発明者】
【氏名】室 伏 勇
【審査官】
城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−233651(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0120334(US,A1)
【文献】
特開2011−079079(JP,A)
【文献】
特開2010−172976(JP,A)
【文献】
特開2013−158864(JP,A)
【文献】
特開平05−057606(JP,A)
【文献】
特表平11−505181(JP,A)
【文献】
米国特許第05908530(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/005
B24B 37/10
B24B 49/00
B24B 7/04
H01L 21/304
B24B 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被研磨材を保持する保持部と、
前記保持部に保持された被研磨材を研磨する研磨体と、
弾性機構を介して前記研磨体を支持するヘッドと、
前記ヘッドを、前記被研磨材に対して当該被研磨材との離間距離が変化する方向に相対移動させる駆動機構と、
前記駆動機構に接続され、前記駆動機構を制御する制御部と、
を備え、
前記ヘッドは、前記研磨体を支持する研磨体支持部材を有し、
前記弾性機構は、前記研磨体支持部材を前記被研磨材に向けて加圧する加圧スプリングと、当該加圧スプリングと並列に配置され前記研磨体支持部材の自重を支持するバランス用スプリングと、を備え、
前記制御部は、前記ヘッドの位置と前記加圧スプリングの弾性係数に基づき荷重を測定し、荷重が所定の値になるように制御することを特徴とする研磨装置。
【請求項2】
前記研磨装置は、前記制御部に接続され、前記ヘッドに対する前記研磨体の位置を測定する位置センサを備えている
ことを特徴とする請求項1に記載の研磨装置。
【請求項3】
前記位置センサは、リニアスケールである
ことを特徴とする請求項2に記載の研磨装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記位置センサの測定値と前記弾性機構のバネ定数とに基づいて、前記研磨体に加えられている荷重を計算し、この荷重を制御する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、半導体材料からなるウェハの表面等を研磨する研磨装置として、例えば国際公開2013/038573号(特許文献1)に記載されているような、回転駆動される研磨パッドを用いる研磨装置が知られている。一般に、研磨パッドは、回転軸の先端に設けられており、回転機構及び回転軸を含む研磨パッドが弾性機構を介してヘッドに支持されている。ヘッドは、駆動機構を介して装置本体に支持されている。
【0003】
駆動機構の制御方法としては、例えば特開昭59−219152号公報(特許文献2)に記載されているような、位置制御と荷重制御とを組み合わせた方法が採用され得る。この制御方法は、研磨パッドがウェハに接触して研磨時の目標荷重が達成されるまでは、当該研磨パッドの位置(座標)に基づいて駆動機構を制御(位置制御)し、前記目標荷重が達成された後は、研磨パッドとウェハとの接触面に生じる圧力に基づいて駆動機構を制御(荷重制御)する、という方法である。研磨時の目標荷重が達成される時のヘッドの位置(Z座標)は、研磨パッドの研磨面の面積と弾性機構のバネ定数とに基づいて決定される。
【0004】
研磨パッドに加わる荷重は、例えば、研磨パッドの回転軸の上方に設けられたロードセルによって測定され得る。測定の手順は次の通りである。すなわち、Z座標軸(鉛直方向軸)に沿ってヘッドが下降(ウェハに近接する方向に移動)され、研磨パッドの研磨面がウェハに押し当てられる。これに伴って、弾性機構(コイルバネ)が変形し、ヘッドに対して研磨パッド及び回転軸が上方に相対移動される。これにより、回転軸の上端部がロードセルに押し付けられてロードセル内のひずみゲージが変形し、回転軸の上端部がひずみゲージを押す力が測定される。そして、ロードセルによって測定される力が目標荷重となるように、ヘッドのZ座標値が調整される。
【0005】
以上のような研磨装置においては、荷重制御が行われている際に、微小な突起や異物が存在している場所を研磨体が通過すると、研磨パッドは急激に上方に移動され(押し上げられ)、ロードセルの測定値が急激に上昇する。このような急激な荷重の変化に追従して高精度な荷重制御を行うことは、一般に困難である。また、高精度のロードセルにおいては、測定可能な荷重範囲が比較的狭いため、適正な荷重の測定が行えないおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開2013/038573号
【特許文献2】特開昭59−219152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本件発明者は、鋭意検討を重ねた結果、位置センサ(例えばリニアスケール)と弾性機構のバネ定数とに基づいて荷重制御を行うことにより、測定可能な荷重範囲を拡大できると共に、急激な荷重の変化が生じても高精度で研磨加工を行い得ることを知見した。
【0008】
本発明は以上の知見に基づいている。すなわち、本発明の目的は、研磨体に加わる荷重の検出範囲を拡大し、微小な突起や異物が存在している場所を研磨体が通過しても、高精度の研磨加工を維持し得る研磨装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、被研磨材を保持する保持部と、前記保持部に保持された被研磨材を研磨する研磨体と、弾性機構を介して前記研磨体を支持するヘッドと、前記ヘッドを、前記被研磨材に対して当該被研磨材との離間距離が変化する方向に相対移動させる駆動機構と、前記駆動機構に接続され、前記駆動機構を制御する制御部と、を備え、前記ヘッドは、前記研磨体を支持する研磨体支持部材を有し、前記弾性機構は、前記研磨体支持部材を前記被研磨材に向けて加圧する加圧スプリングと、当該加圧スプリングと並列に配置され前記研磨体支持部材の自重を支持するバランス用スプリングと、を備え、
前記制御部は、前記ヘッドの位置と前記加圧スプリングの弾性係数に基づき荷重を測定し、荷重が所定の値になるように制御することを特徴とする研磨装置である。
【0010】
本発明によれば、研磨体に加わる荷重がロードセル等を介さずに測定されるため、当該荷重の検出範囲を拡大でき、微小な突起や異物が存在している場所を研磨体が通過しても、高精度の研磨加工を維持し得る研磨装置を提供することができる。
【0011】
前記研磨装置は、前記制御部に接続され、前記ヘッドに対する前記研磨体の位置を測定する位置センサを備えていて良い。この場合、ヘッドに対する研磨体の相対位置を正確に測定することができる。
【0012】
前記位置センサは、リニアスケールであって良い。この場合、ヘッドに対する研磨体の相対位置を正確に測定することが容易である。
【0013】
前記制御部は、前記位置センサの測定値と前記弾性機構のバネ定数とに基づいて、前記研磨体に加えられている荷重を計算し、この荷重を制御するようになっていて良い。この場合、研磨体の位置を正確に制御することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、研磨体に加わる荷重がロードセルなどによって直接的に測定されないため、当該荷重の検出範囲を拡大でき、微小な突起や異物が存在している場所を研磨体が通過しても、高精度の研磨加工を維持し得る研磨装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施の形態による研磨装置を示す概略斜視図である。
【
図2】
図1に示す研磨装置のヘッドの内部構造を示す概略斜視図である。
【
図3】
図1に示す研磨装置のヘッドを、
図2の左上方から見た場合の概略側面図である。
【
図4】
図3の紙面に平行でスピンドルの軸心を通過する平面における、
図3のヘッドの概略断面図である。
【
図5】
図1に示す研磨装置の制御装置を概略的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、添付の図面を参照して本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態による研磨装置100を示す概略斜視図である。
図1に示すように、本実施の形態による研磨装置100は、ベッド70と、ベッド70上に設けられ、被研磨材(ウェハWa)を保持する保持部としてのテーブル60と、テーブル60に保持された被研磨材を研磨する研磨体10と、弾性機構32(
図2参照)を介して研磨体10を支持するヘッド30と、ヘッド30を装置本体20に対してZ座標方向(
図1における上下方向)に移動させる駆動機構24と、駆動機構24に接続され、当該駆動機構24を制御する制御部50とを備えている。
【0018】
このうちテーブル(保持部)60は、被研磨材としての円盤状のウェハWaを保持するものである。テーブル60は、ベッド70上に配置された直方体状の支持ブロック61により支持されている。
【0019】
また、研磨体10は、テーブル60に保持されたウェハWaを研磨するものである。この研磨体10は、
図1に示すように、スピンドル11と、当該スピンドル11の一端部(
図1の下端部)に取り付けられた研磨パッド12と、を有している。本実施の形態の研磨パッド12には、直径が10mmの円盤状のものが採用されている。
【0020】
本実施の形態の装置本体20は、ヘッド30をウェハWaに対して相対移動させる駆動機構24を介して当該ヘッド30を支持するものである。装置本体20は、
図1に示すように、直方体状のコラム21と、コラム21の一側面21a上に駆動機構24を介して一端が支持された円柱状のアーム22と、コラム21を上面23aにおいて支持する直方体状のベース23と、を有している。アーム22の他端にはヘッド30が取り付けられており、駆動機構24によってアーム22がコラム21の前記一側面21a上を鉛直方向(
図1のZ座標方向)に移動されるようになっている。これにより、ヘッド30のZ座標方向の位置決めが行われるようになっている。
【0021】
また、本実施の形態のコラム21は、既知の駆動機構によって、ベース23上をアーム22の長さ方向(
図1のX座標方向)に移動されるようになっており、これにより、ヘッド30のX座標方向の位置決めが行われるようになっている。
【0022】
また、
図1に示すように、ベッド70は、テーブル60の支持ブロック61及び装置本体20を支持するものである。具体的には、テーブル60及び支持ブロック61は、ベッド70の上面において、研磨体10に対応する位置に配置されている。本実施の形態では、支持ブロック61の下面には、ベッド70上に
図1のY座標方向に沿って刻まれた2本の平行溝71に係合する突条62が設けられており、当該支持ブロック61は当該2本の平行溝71に沿って移動され得るようになっている。これにより、テーブル60のY座標方向の位置決め、すなわち、テーブル60に対するヘッド30のY座標方向の位置決めが行われるようになっている。本実施の形態のテーブル60は、例えば直径が200mmの載置面60aを有している。
【0023】
次に、ヘッド30の構成について更に説明する。
図2は、
図1に示す研磨装置100のヘッド30の内部構造を示す概略斜視図であり、
図3は、
図1に示す研磨装置100のヘッド30を、
図2の左上方から見た場合の概略側面図であり、
図4は、
図3の紙面に平行でスピンドル11の軸心を通過する平面における、
図3のヘッド30の概略断面図である。
【0024】
図2乃至
図4に示すように、本実施の形態のヘッド30は、研磨体10を支持するものである。このヘッド30は、弾性機構32を介して支持され、研磨体10のスピンドル11を支持する研磨体支持部材31を有している。研磨体支持部材31の内部には、スピンドル11を回転駆動する既知の駆動機構(不図示)が設けられており、所望の回転速度で研磨体10を回転させるようになっている。研磨体支持部材31は、
図4に示すように、側面上にフランジ部31aを有する円柱状であり、当該フランジ部31aの上方には、アーム22に固定され、研磨体支持部材31を取り囲むカバー35が設けられている。カバー35の外形は、
図2に示すように、八角柱状である。カバー35には、上下方向に貫通孔35aが形成され、この貫通孔35a内で研磨体支持部材31が上下方向に移動可能となっている。
【0025】
また、
図2に示すように、本実施の形態の弾性機構32は、研磨体支持部材31と共に研磨体10を下方に加圧する1つの加圧スプリング32aと、研磨体支持部材31の自重を支持する2つのバランス用スプリング32b、32cによって構成されている。加圧スプリング32aは、研磨体支持部材31の上端に設置されており、研磨体10のスピンドル11の軸心に沿って弾発力を発生させるようになっている。また、バランス用スプリング32b、32cは、加圧スプリング32aのY軸方向両側において、当該加圧スプリング32aと並列にカバー35の上面に設けられている。本実施の形態では、加圧スプリング32aの上端が支持体33に連結されており、当該加圧スプリング32aを介して、研磨体10に加わる荷重が測定されるようになっている。
【0026】
更に、研磨装置100は、ヘッド30に対する研磨体10の鉛直方向の座標(
図2におけるW座標)を測定する位置センサとして、リニアスケール34を備えている。
図2に示すように、リニアスケール34は、研磨体支持部材31の上端に固定された固定子34aと支持部材36を介してカバー35の上方に固定された可動子34bとを有している。このリニアスケール34は、カバー35に対する研磨体支持部材31の相対位置を測定するようになっている。そして、この測定値に基づいて、制御装置50がヘッド10に対する研磨体10の位置(W座標)を評価するようになっている。
【0027】
図5は、
図1に示す研磨装置100に接続されている制御装置50の概略的なブロック図である。本実施の形態の制御装置50は、
図5に示すように、研磨体10のスピンドル11の軸心とテーブル60の回転の中心との相対位置関係を検出する検出部51と、位置制御から荷重制御へ切り替える時の研磨体支持部材31のZ座標を記憶している記憶部52と、研磨体支持部材31が前記Z座標に到達したか否かを判定する判定部53と、検出部51によって検出された研磨体10のスピンドル11の軸心とテーブル60の回転の中心との相対位置関係に基づいて研磨パッド12とウェハWaとの接触面積を評価し、当該接触面積とリニアスケール34の測定値とに基づいて当該ウェハWaに加わる圧力が適切か否かを評価する圧力評価部54と、を有している。
【0028】
次に、本実施の形態による研磨装置100の作用について説明する。
【0029】
まず、研磨加工に先立ち、テーブル60の回転の中心と研磨体10のスピンドル11の軸心とがY軸方向において一致するように、テーブル60が、ベッド70上に刻まれた2本の平行溝に沿って位置決めされる。当該テーブル60には、被研磨材としてのウェハWaが研磨対象の面を上方にして載置される。そして、ユーザにより研磨装置100が起動されると、テーブル60の回転の中心とスピンドル11の軸心とが
図1のX軸方向において一致するまで、コラム21がベース23上を移動させられる。なお、この時に研磨体10の研磨パッド12がテーブル60の縁部と干渉しないよう、初期状態において、ヘッド30は十分な高さに退避されている。
【0030】
そして、ユーザの指示に基づいて、研磨体10のスピンドル11及びテーブル60の駆動機構がそれぞれ起動され、研磨体10及びテーブル60が所望の速度で回転される。すなわち、研磨パッド12とウェハWaとが、それぞれ所望の速度で回転される。この状態で、ヘッド30が、コラム21に設けられた駆動機構によって、アーム22と共に下方に移動され、ウェハWaに研磨パッド12が押し当てられる。本実施の形態では、円滑な研磨加工を行うため、ウェハWaに研磨パッド12が押し当てられる前に、ウェハWaの研磨対象の面に研磨液が供給される。
【0031】
本実施の形態による研磨装置100において、ウェハWaに研磨パッド12が押し当てられるまでのヘッド30の移動は、位置制御、すなわち、ヘッド30の位置(Z座標)に基づく制御である。そして、ウェハWaに研磨パッド12が押し当てられ、研磨時の目標荷重が達成された時に、リニアスケール34が検出するヘッド30に対する研磨体10の位置(W座標)に基づく荷重制御に切り替えられる。本実施の形態の荷重制御では、ウェハWaと研磨パッド12との接触面に加わる圧力(面圧)が一定となるように、弾性機構32のバネ定数を勘案して、研磨体支持部材31の位置(W座標)が制御される。
【0032】
以上から明らかなとおり、本実施の形態における荷重制御は、研磨体10に加わる荷重を直接的に測定することによって行われるのではなく、リニアスケール34によって測定される、ヘッド30に対する研磨体10の位置(W座標)に基づいて行われる。具体的には、このW座標と弾性機構32のバネ定数とにより、研磨体10に加わる荷重を評価し、この荷重が所定の値となるように、ヘッド30の位置(Z座標)を制御する。
【0033】
荷重制御が開始すると、圧力評価部54は、研磨体支持部材31のW座標をリアルタイムで監視する。研磨パッド12は、ウェハWaの上方から次第に当該ウェハWaに近接し、同時に、ウェハWaの径方向外側から径方向内側に向けて移動される。そして、研磨パッド12の一部がウェハWaに押し当てられて当該ウェハWaの研磨が開始される。研磨パッド12は、次第にウェハWaの径方向内側に移動される。これに伴って、研磨パッド12の研磨面とウェハWaとの接触面積は次第に増大し、最終的に当該研磨面の全てがウェハWaに接触して接触面積は一定となる。本実施の形態においては、研磨パッド12とウェハWaとの接触面に加わる圧力(面圧)が一定となるようにヘッド30の位置(Z座標)が制御されるため、研磨体10に加わる荷重は、次第に増大しその後一定となる。
【0034】
ウェハWaの研磨加工に伴って当該ウェハWaの厚みが減少し、研磨体10に加わる荷重が減少した場合には、ヘッド30が、コラム21に設けられた駆動機構24によってアーム22と共に下方に移動される。この移動により、研磨体10がウェハWaに対してより強く押し当てられるため、研磨体10に加わる荷重が増大するすると共に、加圧スプリング32aが圧縮される。そして、リニアスケール34によって、研磨装置100内に予め登録された研磨体支持部材31のW座標が回復されたことが検出されると、移動は停止される。
【0035】
ウェハWaの研磨時には、コラム21がベース23上を移動させられることにより研磨体10がウェハWaの一方の周縁部から他方の周縁部までX座標方向に沿って直線状に移動される。この研磨の過程において、ウェハWaの表面に微小な突起や異物が存在している場所を研磨体10が通過すると、研磨体10は急激に上方に移動される(押し上げられる)。
しかしながら、本実施の形態においては、リニアスケール34を利用して間接的に荷重を測定しているため、測定可能な荷重範囲は、例えばロードセルによって直接的に測定する場合よりも広い。
【0036】
そして、所望の研磨加工が達成されると、研磨液の供給が停止されると共に、ヘッド30が、駆動機構24によってアーム22と共に上方に移動される。そして、ユーザの指示に基づいて、研磨体10及びテーブル60の回転が停止され、ウェハWaがテーブル60から取り外される。この時、必要に応じて、コラム21がベース23上を
図1のX座標の負の方向に移動させられて、ヘッド30が退避される。
【0037】
以上のような本実施の形態によれば、研磨体10に加わる荷重がロードセル等を介さずに測定されるため、当該荷重の検出範囲を拡大でき、微小な突起や異物が存在している場所を研磨体10が通過しても、高精度の研磨加工を維持し得る研磨装置100を提供することができる。
【0038】
本実施の形態では、位置センサとしてリニアスケール34が採用されているため、ヘッド30に対する研磨体10の相対位置を容易且つ正確に測定することができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、研磨体10は、スピンドル11を介して研磨体支持部材31に回転可能に支持されているが、当該研磨体10は必ずしも回転可能に支持されている必要はない。
【0040】
また、本実施の形態においては、研磨時の目標荷重が達成されたときに、位置制御から荷重制御に切り替えられたが、当該目標荷重が達成される前に荷重制御に切り替えられても良い。この場合、弾性機構32の反発力に起因して生じる目標荷重に対する荷重のオーバーシュートを回避することができる。
【符号の説明】
【0041】
10 研磨体
11 スピンドル
12 研磨パッド
20 装置本体
21 コラム
21a コラムの一側面
22 アーム
23 ベース
23a ベースの上面
30 ヘッド
31 研磨体支持部材
31a フランジ部
32 弾性機構
32a 加圧スプリング
32b、32c バランス用スプリング
33 支持体
34 リニアスケール
34a 固定子
34b 可動子
35 カバー
50 制御装置
51 検出部
52 記憶部
53 判定部
54 圧力評価部
60 テーブル
60a 載置面
61 支持ブロック
62 突条
70 ベッド
71 平行溝
100 研磨装置
Wa ウェハ