特許第6961351号(P6961351)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961351
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】治具
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/06 20060101AFI20211025BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   G01R1/06 D
   G01R1/073 E
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-20260(P2017-20260)
(22)【出願日】2017年2月7日
(65)【公開番号】特開2018-128301(P2018-128301A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2020年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153018
【氏名又は名称】株式会社日本マイクロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100070024
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 宣行
(72)【発明者】
【氏名】首藤 晃寛
【審査官】 小川 浩史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平7−146316(JP,A)
【文献】 特開2012−225845(JP,A)
【文献】 特開2005−308611(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/115082(WO,A1)
【文献】 特開2002−181885(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0253358(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 1/06−1/073
G01R 31/26−31/3193
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検査体と、前記被検査体の検査装置とを電気的に接続する配線基板と、前記配線基板の前記被検査体に対向する面に複数の止めねじで解除可能に固定されたプローブヘッドとを備え、
前記プローブヘッドは、上端部、下端部、及び前記上端部と前記下端部の間の中間部を有する磁性体からなる複数のプローブと、前記複数のプローブを支持する支持体とを有し、
前記支持体は、互いに平行な上板及び下板を有し、前記上板が各プローブの下端部、中間部及び上端部が順次に通された穴を有し、前記下板が、各プローブの下端部が通され且つ各プローブの中間部がその通過を阻止された穴を有する電気的接続装置に適用される治具であって、
プレートと、前記プレートに取り付けられた磁石とを備え、
前記プレートは前記支持体に設けられた複数のねじ穴に対応する複数の穴を有し、これらの複数の穴を通して前記ねじ穴にねじ込まれる複数のねじを介して前記プローブヘッドに対し脱着自在に取り付け可能であり、
前記磁石は前記プローブの下端部に対向する、治具。
【請求項2】
前記プレートは、前記複数の止めねじにそれぞれ対応する複数の穴を有し、各穴は前記止めねじの頭部の直径より大きい直径を有する、請求項1に記載の治具。
【請求項3】
前記磁石は永久磁石又は電磁石からなる、請求項1に記載の治具。
【請求項4】
前記プローブは、バレルであってその軸線方向に伸縮可能であるばね部を有するバレルと、該バレル内に配置されかつ前記バレルに固定された本体及び前記バレル外に突出する先端部からなるプランジャとを備え、
前記バレルが前記プローブの上端部及び中間部を構成し、前記プランジャの先端部が前記プローブの下端部を構成する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的接続装置に適用される治具に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の適用対象である電気的接続装置は、配線基板と、該配線基板に取り付けられたプローブヘッドとを備える。垂直型プローブカードに用いられるプローブヘッドは、上下両端部及びこれらの間の中間部を有する磁性体からなる複数のプローブと、該プローブを支持する支持体とを備える。支持体は互いに平行な上板及び下板を備え、上板は各プローブの下端部、中間部及び上端部の挿通を許す穴を有し、また、下板は各プローブの下端部の挿通を許すがその中間部の挿通を阻止する穴を有する。
【0003】
ところで、プローブヘッドのプローブには、その使用態様上、摩耗、折れ曲がり、折損、導電不良等が生じ、その交換のために、プローブヘッドが電気的接続装置から取り外される。電気的接続装置から取り外されたプローブヘッドにあっては、各プローブが、その軸線方向への移動及びこれに伴う支持体の下板の穴からの各プローブの下端部の抜け出しが可能である状態におかれている。このため、プローブヘッドの取り外し及びプローブ交換後の取り付け(再取り付け)は、プローブヘッドが天地逆さまとならないように天地を維持した状態で行われる。しかし、電気的接続装置は、製品によっては、例えば、10kgを超える装置もあるため、プローブヘッドの取り外し及び再取り付けは、電気接続装置を特別の保持装置で保持した状態で行う必要があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016−80657号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、特別な保持装置を使用することなく、電気的接続装置からのプローブヘッドの取り外し及び再取り付けを可能とする治具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、被検査体と前記被検査体の検査装置とを電気的に接続する電気的接続装置に適用される治具に係る。本発明の適用対象である前記電気的接続装置は、配線基板と、前記配線基板の前記被検査体に対向する面に複数の止めねじで解除可能に固定されたプローブヘッドとを備える。前記プローブヘッドは、上下両端部及びこれらの間の中間部を有する磁性体からなる複数のプローブと、前記複数のプローブを支持する支持体とを有する。前記支持体は、互いに平行な上板及び下板を有し、前記上板が各プローブの下端部、中間部及び上端部が順次に通された穴を有し、前記下板が、各プローブの下端部が通されかつその中間部がその通過を阻止された穴を有する。本発明に係る治具は、プレートと、前記プレートに取り付けられた磁石とを備える。前記プレートは前記支持体に設けられた複数のねじ穴に対応する複数の穴を有し、これらの複数の穴を通して前記ねじ穴にねじ込まれる複数のねじを介して前記プローブヘッドに対し脱着自在に取り付け可能であり、前記磁石は前記プローブの下端部に対向する。
【0007】
本発明に係る治具を使用して行う前記電気的接続装置のプローブヘッドのプローブの交換作業に際しては、まず、前記電気的接続装置をそのプローブヘッドが上になるように置いて、前記配線基板から前記プローブヘッドを取り外す。より詳細には、前記複数の止めねじを緩めてこれらを取り去り、前記配線基板に対する前記プローブヘッドの固定を解除する。その後、前記治具を前記プローブヘッド上に配置し、次いで前記プローブヘッドに前記治具を取り付ける。前記治具の取り付けは、前記プレートの複数の穴を通して、前記支持体に設けられた複数のねじ穴に複数のねじをねじ込むことにより行うことができる。このとき前記治具の磁石が複数のプローブの下端部に対向する。これにより、前記プローブは前記磁石の磁気吸着力を受けて前記プレートに向けて引き寄せられた状態、すなわち、前記支持体に対する前記プローブの軸線方向への相対移動と、これに伴う前記プローブの下端部の前記支持体の下板の穴からの抜け出しとが阻止された状態におかれる。その後、前記プローブヘッドの天地を揃えた状態で前記プローブヘッドから前記治具を分離し、プローブの交換作業を行うことができる。また、プローブが交換された後のプローブヘッドは、前記した取り外しの工程を逆に行うことにより、前記配線基板に再度取り付けることができる。これにより、前記電気的接続装置の保持装置を使用しての前記プローブヘッドの取り外し及び取り付けを不要とすることができる。
【0008】
前記プレートは、前記複数の止めねじにそれぞれ対応する複数の穴を有し、各穴は前記止めねじの頭部の直径より大きい直径を有するものとすることができる。これによれば、前記治具を前記プローブヘッドに取り付けた後、前記止めねじに対応する前記プレートの穴にドライバ(ねじ回し)の先端部を差し入れて前記止めねじを緩め、前記止めねじに対応する前記穴を通して前記止めねじを取り去ることができ、これにより前記配線基板に対する前記プローブヘッドの固定を解除することができる。前記磁石は永久磁石及び電磁石のいずれであってもよい。前記プローブは、例えば、バレルであってその軸線方向に伸縮可能であるばね部を有するバレルと、該バレル内に配置されかつ前記バレルに固定された本体及び前記バレル外に突出する先端部からなるプランジャとを備える。前記バレルが前記プローブの上端部及び中間部を規定し、前記プランジャの先端部が前記プローブの下端部を規定する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】被検査体と、電気的接続装置とを示す概略図である。
図2】電気的接続装置におけるプローブヘッドの概略的な断面図である。
図3】プローブの断面図である。
図4】(a)、(b)及び(c)は、治具と、該治具を用いて電気的接続装置からプローブヘッドを取り外す工程とを示す斜視図である。
図5】天地を逆さまにされたプローブヘッドの下板、上板及び複数のプローブと、治具の磁石との位置関係を示す概略図である。
図6】アライメント用リングを介して配線基板22に取り付けられた、天地逆さまの状態にあるプローブヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1を参照すると、本発明に係る治具50(後述の図4を参照)の適用対象である電気的接続装置が全体に符号10で示されている。電気的接続装置10は、ウエーハ、プリント配線基板等からなる被検査体Aと、例えば被検査体Aの電気的特性や通電状態を調べるための検査を行う検査装置(図示せず)とを電気的に接続する働きをなす。被検査体Aの前記検査は、前記検査装置から電気的接続装置10を通して被検査体Aに電流又は電気信号を供給し、被検査体Aから電気的接続装置10を通して前記検査装置に戻る帰還電流又は帰還電気信号を検出することにより行われる。
【0011】
被検査体Aは、電気的接続装置10を支持するために準備された支持フレーム12内に配置されている。支持フレーム12は、下ベース部材14と、該下ベース部材の上方にこれと平行に配置された上ベース部材16と、上ベース部材16を下ベース部材14上に支持する複数の支柱18とを備える。電気的接続装置10は、保持部材20を介して、上ベース部材16上に保持されている。上ベース部材16はその中央部に設けられた開口16aを有し、保持部材20はその一部において上ベース部材16の開口16aに嵌合している。保持部材20もまたその中央部に開口20aを有する。
【0012】
電気的接続装置10は、互いに相対する両面22a、22bを有する配線基板22と、配線基板22の面22bすなわち被検査体Aに対向する面22bに複数(図示の例では4つ)の止めねじ26で固定された、いわゆる垂直型のプローブヘッド28とを備える。図示のプローブヘッド28は矩形の平面形状を有し、電気的接続装置10を保持する保持部材20の開口20a内に受け入れられている。
【0013】
被検査体Aは、電気的接続装置10のプローブヘッド28の直下にあって、下ベース部材14上に配置されたステージ30上のチャック32に保持されている。ステージ30は、プローブヘッド28に対する被検査体Aの位置決めのために、チャック32に保持された被検査体Aを平面上の互いに直交する2方向(XY方向)又は上下方向(Z方向)へ移動させあるいはステージ30の軸線の周りに回転させる機能を有する。
【0014】
図2に示すように、プローブヘッド28は、磁性体(例えば強磁性体であるニッケル材料)からなる複数のプローブ34と、これらのプローブ34を上下方向に垂直に支持する支持体36とを備える。各プローブ34は互いに相対する上端部34aと、下端部34bと、上端部34a及び下端部34bの間にあってこれらに連なる中間部34cと、を有する。
【0015】
プローブ34を支持する支持体36は、互いに平行な上板38及び下板40を有する。図示の例では、上板38、及び下板40は、これらの中央部にそれぞれ設けられ下方及び上方にそれぞれ開放する凹所38a、40aを有する。また、上板38、及び下板40は、は、それぞれ、これらを貫通しこれらの凹所38a、40aにそれぞれ連なる複数の穴38b、40bを有する。ここにおいて、穴38bはプローブ34の上端部34a、下端部34b及び中間部34cのそれぞれの直径より大きい直径を有し、また、穴40bはプローブ34の下端部34bの直径より大きくかつ上端部34a及び中間部34cのそれぞれの直径より小さい直径を有する。図示の例にあっては、さらに、上板38、及び下板40の間に板状のスペーサ42が配置されている。スペーサ42は、その中央部に形成され該中央部を貫通しかつ上板38、及び下板40の凹所38a、40aに連なる穴42aを有する。
【0016】
図示の例において、プローブヘッド28は、アライメント用リング58(図4図6)を介して、配線基板22に固定されている。アライメント用リング58は、プローブヘッド28のプローブ34の上端部34aとピッチ変換基板41の電極(図示せず)との位置合わせを行うために設置される部材である。全体に矩形状を呈するアライメント用リング58は配線基板22の面22bに取り付けられており、プローブヘッド28の一部である上板38及びスペーサ42の周囲を取り巻いている。より詳細には、プローブヘッド28は、その下板40において、アライメント用リング58の4つのねじ穴61のそれぞれにねじ込まれた各止めねじ26を介してアライメント用リング58に固定され、アライメント用リング58を介して配線基板22に固定されている。図6において、符号24は、配線基板22の補強のために配線基板22の面22aに取り付けられた板状のスチフナを示す。スチフナ24は、配線基板22を経て伸びさらにアライメント用リング58にねじ込まれた複数のボルト43を介して配線基板22に固定されている。なお、アライメント用リング58はその設置を省略されることがある。この場合、プローブヘッド28は、例えば、その支持体36すなわち下板40、スペーサ42及び上板38と、ピッチ変換基板43と、配線基板22とを順次に経てスチフナ24の内部に伸びかつ該スチフナに螺合可能である止めね(図示せず)を用いて、配線基板22に固定することができる。
【0017】
支持体36の上板38の各穴38bには各プローブ34の下端部34b、中間部34c及び上端部34aが順次に通され、また、下板40の穴40bには各プローブ34の下端部34bが通されているが、中間部34cはその通過を阻止されている。また、各プローブ34は、その中間部34cにおいて、支持体36のスペーサ42の穴42aを経て伸びている。これにより、各プローブ34はその上端部34a及び下端部34bの一部分がそれぞれ支持体36の上板38及び下板40から上方及び下方へ突出した状態で、支持体36に対して上下方向へ相対移動可能に支持されている。なお、各プローブ34の上端部34aは、プローブヘッド28が配線基板22に固定されるとき、配線基板22に設けられた各電極(図示せず)に当接した状態におかれる。
【0018】
図3にプローブ34の一例を示す。図示のプローブ34は、円筒形状のバレル44と、該バレル内に配置された円柱状のプランジャ46とを備える。バレル44はその軸線方向に伸縮可能である2つのばね部44aを有する。ばね部44aの数は任意である。プランジャ46は、バレル44に固定された本体46aとバレル44の一端から外部に突出する先端部46bとからなる。プランジャ46は、バレル44の前記一端の近傍において固定されている。固定は、図示の例におけるかしめ、あるいは抵抗溶接、レーザ溶接等によりなされている。ここにおいて、バレル44は、プローブ34の一部分(上端部34a及び中間部34c)構成し、プランジャ46の先端部46bは、プローブの下端部34bを構成する。
【0019】
再び図2を参照すると、前記検査の際、被検査体Aがその上方に位置するプローブヘッド28に向けて上昇され、被検査体Aに設けられた複数の電極パッドAaがこれらに対応する複数のプローブ34の下端部34b、すなわちプランジャ46の先端部46bに押し当てられる。その結果、プランジャ46の先端部46bがこれに固定されているバレル44の一部と共に支持体36の下板40に対して上昇し、これに伴ってバレル44の他の一部であるばね部44aにおいて圧縮される。これにより、前記検査装置と被検査体Aとの間に導電路が形成される。
【0020】
次に図4を参照すると、本発明に係る治具50が示されている。治具50は、プローブヘッド28における複数のプローブ34の一部又は全部に摩耗、折れ曲がり、折損、導電不良等の故障が生じたとき、故障したプローブ34を新しいものと交換する際に使用される。
【0021】
治具50は、プレート52と、該プレートに取り付けられた磁石54とを備え、プレート52は、複数の止めねじ26にそれぞれ対応する複数の穴56を有する。プレート52の各穴56は止めねじ26の頭部の直径より大きい直径を有する。図示のプレート52は、磁石54からの磁力を妨げない材料、例えば、アクリル樹脂からなり、プローブヘッド28より大きい矩形の平面形状を有する。また、図示の例にあっては、複数の穴56が4つの穴56からなり、前記矩形の四隅に設けられている。磁石54は、永久磁石又は電磁石からなり、全てのプローブ34を磁気的に吸着することができる大きさの磁力を有する。磁石54はプレート52に接着することにより、あるいはその全部又は一部をプレート52中に埋め込むことにより、プレート52に取り付けることができる。
【0022】
治具50は、支持フレーム12(図1)から電気的接続装置10を取り外し、電気的接続装置10を天地逆さまにした状態、すなわちプローブヘッド28が上にかつ配線基板22の面22aが下になる状態に置いて、後述するようにプローブヘッド28に取り付けることができる。このとき、プローブヘッド28は天地を逆さまにした状態におかれる。ここにおいて、「天地逆さまにした状態」とは、プローブ34の下端部34b(図2参照)が、図4(a)で示す上方向を向いている状態を示す。
【0023】
プローブヘッド28への治具50の取り付けの便宜のため、支持体36に、図示の例にあっては下板40を経てスペーサ42の一部まで伸びる複数のねじ穴59が設けられている。他方、プレート52には、複数のねじ穴59に対応する複数(図示の例では4つ)の穴60が設けられている。4つの穴59は、他の4つの穴56相互間に配置されている。治具50の取り付けに際し、プレート52によってプローブヘッド28の下板40の表面が覆われるように、治具50を載置する。次いで、治具50をプローブヘッド28に取り付ける(図4(a)、(b)参照)。このとき、プレート52の各穴56が、プローブヘッド28を配線基板22に固定している各止めねじ26に対向し、また、磁石54が複数のプローブ34の下端部34bに対向する。なお、理解の容易化を目的として、プローブヘッド28の下板40に設けられた穴40b及び該穴から突出するプローブ34の下端部34bの図示が省略されている。
【0024】
治具50は、プレート52の複数の穴60にそれぞれ複数のねじ(固定用ねじ)62を通し、さらにこれらのねじ62をプローブヘッド28の支持体36の下板40に開口する複数のねじ穴59にねじ込むことにより、プローブヘッド28に対し脱着自在に取り付けることができる(図4(a)、(b))。治具50の取り付けにより、図5に示すように、各プローブ34が磁石54の磁気吸着力を受けて治具50の磁石54に向けて引き寄せられる。次に、プレート52の穴56にドライバ(図示せず)の先端部を差し入れ、止めねじ26を緩めて引き抜く。これにより、配線基板22、より詳細には配線基板22に取り付けられたアライメント用リング58に対するプローブヘッド28の固定が解除される(図4(b))。固定を解除されたプローブヘッド28はねじ62を介してこれと一体をなす治具50と共に、配線基板22から分離することができる(図4(c))。その後、プローブヘッド28の天地を揃えた状態で、すなわちプローブ34の上端部34a及び下端部34bプがそれぞれ上下に位置する状態で、プローブヘッド28から治具50を分離し、故障があるプローブ34の交換作業を行うことができる。
【0025】
治具50のプレート52は、図示の例に代えて、複数の穴56を有しないものとすることができる。複数の穴56を有しないプレート52を備える治具50の使用に際しては、治具50をアライメント用リング58上に載置するに先立ち、プローブヘッド28を配線基板22に固定している4つの止めねじ26を緩めてこれらを取り去り、配線基板22に対するプローブヘッド28の固定を解除しておく。その後、前記したと同様にして、プローブ34の交換のための作業を行うことができる。
【0026】
なお、磁石54の磁力を受けたプローブ34が磁気を帯びた状態(磁化された状態)にあると、プローブ34相互間に磁気吸着力が働き、これがプローブ34の交換作業を困難にするおそれがある。これを回避するため、プローブ34の交換に先立ち、全てのプローブ34について消磁することが望ましい。消磁は、市販の消磁器(例えば、大阪市浪速区 ホーザン(株)製の品番HC−33)を用いて行うことができる。
【0027】
プローブ34が交換された後のプローブヘッド28は、前記した取り外しの工程を逆に行うことにより、配線基板22に再度取り付けることができる。プローブヘッド28の再度の取り付け後、前記したと同様の理由から、全てのプローブ34について消磁することが望ましい。
【0028】
本発明に係る治具50は、図示のプローブ34に限らず、磁性体からなる他の種類又は他の形態のプローブを含む垂直型プローブカードに用いられるプローブヘッドに適用可能である。
【符号の説明】
【0029】
10 電気的接続装置
22 配線基板
26 止めねじ
28 プローブヘッド
34、34a、34b、34c プローブ及びその上端部、下端部、中間部
36 支持体
38、38a 上板及びその穴
40、40a 下板及びその穴
50 治具
52 プレート
54 磁石
56 穴
図1
図2
図3
図4
図5
図6