(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建物の開口部の開閉を行うためのシャッターカーテンと、前記開口部における開閉方向に沿って設けられたガイドレールであり、前記シャッターカーテンの両端部を案内するガイドレールと、を備えたシャッター装置であり、前記シャッターカーテンによって前記開口部の少なくとも一部が閉鎖された状態において、当該シャッターカーテンに外力が作用することによって当該シャッターカーテンが前記ガイドレールから外れることを防止するためのシャッター装置であって、
前記シャッターカーテンの閉鎖側の端部である座板に設けられた座板側係止手段を備え、
前記座板側係止手段を前記座板から突出するように形成することで、前記外力によって前記シャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、当該座板側係止手段を前記ガイドレールに対して係止可能とし、前記シャッターカーテンが変形していない場合には、当該シャッターカーテンを前記ガイドレールに挿脱可能とし、
前記座板における前記シャッターカーテンの幅方向の端部が、前記ガイドレールの内側に設けられた付属部材と対向するように、当該座板を設け、
前記座板側係止手段が前記付属部材と干渉しないように、当該座板側係止手段を前記座板から当該付属部材に向けて突出させた、
シャッター装置。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明に係るシャッター装置の実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕実施の形態の基本的概念を説明した後、〔II〕実施の形態の具体的内容について説明し、最後に、〔III〕実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0026】
〔I〕実施の形態の基本的概念
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、シャッターカーテンによって建物の開口部の少なくとも一部が閉鎖された状態において、シャッターカーテンに外力が作用することによってシャッターカーテンがガイドレールから外れることを防止するためのシャッター装置に関するものである。
【0027】
ここで、「建物」とは、その具体的な構造や種類は任意であるが、例えば、戸建て住宅、アパートやマンションの如き集合住宅、オフィスビル、商業施設、及び公共施設等を含む概念である。また、「建物の開口部」とは、建物の躯体の一部分(例えば、壁、天井、床等)において出入口(例えば、建物の屋内側から屋外側へ出入りするための玄関口や、部屋の室内側から室外へ出入りするための部屋の出入口等)や窓を設置するために形成された開口部である。また、シャッター装置は、防犯や防火のために、建物の開口部に取り付けられる装置であり、例えば、窓シャッター等のシャッターカーテンを電動又は手動で駆動可能な全ての形式のシャッターを含む概念である。また、シャッターカーテンの開閉方向については、例えば上下方向、左右方向、前後方向等が該当する。また「シャッターカーテンの状態」とは、例えば、シャッターカーテンによって建物の開口部を全閉した「全閉状態」と、当該開口部を全開した「全開状態」と、当該開口部の一部を開いて、当該開口部の他の一部を閉じている「半開状態」とを含む概念である。また、「外力」とは、例えば、風や人等の力であって、シャッターカーテンを見込み方向のいずれか一方に向けて作用する力等を含む概念である。以下、実施の形態では、シャッター装置が、戸建て住宅の如き建物の壁であって窓を有する壁に設けられた上下開閉式且つ電動式の窓シャッターである場合について説明する。
【0028】
〔II〕実施の形態の具体的内容
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
【0029】
(構成)
最初に、実施の形態に係るシャッター装置の構成について説明する。以下の説明では、
図1のX方向をシャッター装置の左右方向又は見付け方向(−X方向をシャッター装置の左方向、+X方向をシャッター装置の右方向)、
図2のY方向をシャッター装置の前後方向又は見込み方向(+Y方向をシャッター装置の前方向(建物の屋外側の方向)、−Y方向をシャッター装置の後方向(建物の屋内側の方向))、
図1のZ方向をシャッター装置の上下方向又は見付け方向(+Z方向をシャッター装置の上方向、−Z方向をシャッター装置の下方向)と称する。
【0030】
図1、
図2に示すように、シャッター装置1は、枠体10、シャッター収納部20、シャッターカーテン30、開閉機(図示省略)、及び巻取軸35を備えている。このシャッター装置1は、上述のように窓シャッターであって、
図1に示すように、建物の壁2の開口部3には窓が設けられており、この開閉式の窓の屋外側にシャッターカーテン30が設けられている。このため、シャッターカーテン30は、開口部3を、当該開口部3の開口面内ではなく当該開口部3の開口面よりも屋外側において開閉することになるが、このような開閉であっても、開口部3を介した人や物の出入りを制限するための開閉を行う点において同様であるため、「開口部3を開閉する」ものとして説明する。ただし、窓には公知の開閉式のサッシ窓等を採用することができるので、その説明は省略する。なお、後述するシャッター装置1を構成する各種部材同士の取付方法(又は接続方法)については任意であるが、例えば、取付側の部材又は取付相手側の部材に形成された取付孔(例えば、リベット孔、ネジ孔、ビス孔等)を介して、取付側の部材を取付相手側の部材に対して固定具(例えば、リベット、取付ネジ、ビス等)によって取り付ける(又は接続する)方法が採用されている。ただし、これに限られず、例えば、取付相手側の部材の一部をかしめることにより、取付側の部材を取付相手側の部材に対して取り付ける(又は接続する)方法が採用されてもよい。
【0031】
(構成−枠体)
枠体10は、開口部3に設けられるものである。この枠体10は、複数の鋼製(例えば、スチール製、ステンレス製等)の枠材を相互に組み合わせることによって構成されており、具体的には、
図2、
図3に示すように、複数の枠材は、左縦枠11、右縦枠12、及び水切り板13から構成されている。そして、これら左縦枠11、右縦枠12、及び水切り板13は、それぞれ開口部3の周縁における建物の壁2の外面に公知の方法で直接的に固定されている。なお、これら左縦枠11、右縦枠12を特に区別する必要のないときは、単に「縦枠14」と総称する。また、縦枠14及び水切り板13の構成の詳細については、後述する。
【0032】
図1、
図2に戻り、左縦枠11と右縦枠12の各々には、ガイドレール15が設けられている。ガイドレール15は、シャッターカーテン30を開口部3の開閉方向(すなわち、上下方向)に沿って移動するように案内するものである。このガイドレール15は、アルミニウム製(又は鋼製)の長尺な板状体であり、左縦枠11(又は右縦枠12)の上下方向の略全長にわたって形成されている。そして、このガイドレール15は、左縦枠11及び右縦枠12の各々の前面において、当該ガイドレール15の上下方向(長手方向)が左縦枠11と右縦枠12の各々の上下方向(長手方向)に略沿う方向で配置され、左縦枠11又は右縦枠12に対して固定具等によって固定されている。また、
図2に示すように、ガイドレール15の閉鎖方向側の端部(下端部)には、当該端部をカバーするためのレールキャップ16が設けられている。なお、このガイドレール15の構成の詳細については、後述する。
【0033】
(構成−シャッター収納部)
図1に戻り、シャッター収納部20は、シャッター装置1の各部を収納するための中空体であり、開口部3の上端近傍位置に取り付けられている。また、
図2に示すように、このシャッター収納部20の内部には、開閉機及び巻取軸35が収納されており、巻取軸35にてシャッターカーテン30が巻き取られた状態では、シャッターカーテン30の少なくとも一部も、シャッター収納部20の内部に収納される。また、シャッター収納部20の形成方法については任意であるが、例えば、折り曲げ成形された複数の鋼製の板状体を固定具によって相互に接続して形成している。
【0034】
(構成−シャッターカーテン)
図1に戻り、シャッターカーテン30は、巻取軸35によって巻き取り又は巻き出されることで、全閉状態、全開状態、又は半開状態とする遮蔽手段である。
図1、
図2、
図4に示すように、このシャッターカーテン30は、複数の鋼製(又はアルミニウム製)にて形成された第1スラット30a、第2スラット30b、及び嵌合部30cを備えている。
【0035】
第1スラット30aは、シャッターカーテン30の基本構造体であり、例えば、全閉状態で換気及び採光することが可能な公知の換気用スラット(具体的には、複数の換気孔を有するスラット)等を用いて構成されている。
図4(b)に示すように、この第1スラット30aは、Y−Z平面に沿った断面形状が建物の屋内側に向けて開放された略C字状となるように形成された長尺状体であり、開口部3の左右方向の略全長にわたって形成されており、シャッターカーテン30の下方側のスラットとして上下方向に略沿って複数並設されている。また、
図4(a)に示すように、第1スラット30aにおけるシャッターカーテン30の幅方向(左右方向。以下、「幅方向」と称する)の両端部には、第1スラット側端部材30dが設けられている。第1スラット側端部材30dは、全閉状態、半開状態、又はシャッターカーテン30の開閉移動している状態において、第1スラット30aとガイドレール15との接触により生じる接触音を低減すると共に、第1スラット30a同士の位置ずれを抑制するためのものである。この第1スラット側端部材30dは、例えば樹脂製の公知の端部材を用いて構成されており、第1スラット30aの側面のうち建物の屋内側の側面に配置され(具体的には、第1スラット側端部材30dの一部が第1スラット30aから幅方向の外側に張り出すように配置され)、第1スラット30aに対して固定具等によって固定されている。
【0036】
第2スラット30bは、シャッターカーテン30の基本構造体であり、例えば、開口部3を目隠し状に閉鎖する公知の閉鎖用スラット等を用いて構成されている。
図4(b)に示すように、この第2スラット30bは、Y−Z平面に沿った断面形状が建物の屋内側に向けて開放された略C字状となるように形成された長尺状体(具体的には、第2スラット30bの前後方向の長さ(奥行き)が第1スラット30aの前後方向の長さ(奥行き)に比べて長くなるように形成されている)であり、開口部3の幅方向の略全長にわたって形成されており、シャッターカーテン30の上方側のスラットとして上下方向に略沿って複数並設されている。また、
図4(a)に示すように、一部の第2スラット30bの幅方向の両端部には、第2スラット側端部材30eが設けられている。第2スラット側端部材30eは、全閉状態、半開状態、又はシャッターカーテン30の開閉移動している状態において、第2スラット30bとガイドレール15との接触により生じる接触音を低減するためのものであり、この第2スラット側端部材30eは、例えば樹脂製の公知の端部材を用いて構成されており、第2スラット30bの側面のうち建物の屋内側の側面に配置され(具体的には、第2スラット側端部材30eの一部が第2スラット30bから幅方向の外側に張り出すように配置され)、第2スラット30bに対して固定具等によって固定されている。
【0037】
嵌合部30cは、第1スラット30a同士、第2スラット30b同士、第1スラット30a及び第2スラット30bを相互に嵌合接続するためのものであり、
図2、
図4に示すように、第1スラット30a又は第2スラット30bの上下の両端部に設けられ、当該両端部を屈曲させることによって形成されている。また、この嵌合部30cの形成方法については任意であるが、実施の形態では、シャッターカーテン30が巻取軸35に巻かれた状態において、第1スラット30a及び第2スラット30bの各々の表面(内周面)が巻取軸35側を向くように、第1スラット30a又は第2スラット30bの上下の両端部を屈曲させる(いわゆる正巻に屈曲させる)ことにより形成する。ただし、これに限られず、例えば、シャッターカーテン30が巻取軸35に巻かれた状態において、第1スラット30a及び第2スラット30bの各々の裏面(外周面)が巻取軸35側を向くように、第1スラット30a又は第2スラット30bの上下の両端部を屈曲させる(いわゆる逆巻に屈曲させる)ことにより形成してもよい。
【0038】
また、このように構成されたシャッターカーテン30における幅方向の両端部の各々は、後述するガイドレール15の開放端部15aを介してガイドレール15(具体的には、後述する
図3の本体枠部90)の内部に挿入されており、開閉方向(上下方向)においてはガイドレール15の内部をスライド移動可能であり、且つ、前後方向においてはガイドレール15の外部に脱落しないように規制されている。
【0039】
図1、
図2に戻り、また、最下方の第1スラット30aよりも下方側には、座板31が設けられている。座板31は、シャッターカーテン30の閉鎖方向側の端部(下端部)であって、全閉状態において枠体10の水切り板13と近接し又は当接するように設けられるものであり、例えばアルミニウム製(又は鋼製)の板状体であり、シャッターカーテン30の下端部の幅方向の略全長にわたって形成されている。また、この座板31の上端部には嵌合部32が設けられており、この嵌合部32が、シャッターカーテン30の最下方の第1スラット30aにおける下端部の嵌合部30cに嵌合されている。なお、この座板31の構成の詳細については、後述する。
【0040】
また、
図2から
図4に示すように、座板31には、施錠装置40及びストッパ50が設けられている。施錠装置40は、シャッターカーテン30を施錠するための施錠手段である。この施錠装置40は、後述する座板31の一対の取付片64、65の相互間に取付けられており、樹脂材にて形成された筐体の中に、幅方向に沿って配置された一対の鋼製のラッチバー41と、このラッチバー41の幅方向の端部に設けられたラッチ42と、施錠装置40を操作するための操作レバー43とを設けて構成されている。そして、全閉状態においてユーザが操作レバー43を介して所定操作を行うことにより、ラッチ42をガイドレール15の内側に設けられた
図5のラッチ受け部17(
図5では、想像線(二点鎖線)で表示)に係止させることで、シャッターカーテン30を施錠することできる。ストッパ50は、シャッター収納部20に当接してシャッターカーテン30の上昇を規制する規制手段であり、例えば樹脂材等にて形成されており、座板31の幅方向の両端部の各々の近傍位置に設けられ、座板31に対して固定具を介して固定されている。
【0041】
(構成−開閉機)
開閉機は、巻取軸35を回転駆動することによって電動でシャッターカーテン30を昇降させる昇降手段であり、操作スイッチ若しくはリモコン(図示せず)を介して操作される。
【0042】
(構成−巻取軸)
図2に戻り、巻取軸35は、シャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すための回動軸である。この巻取軸35は、例えば公知の巻取軸等を用いて構成されており、幅方向に沿って設けられ、シャッター収納部20に設けられた軸受部21に対して固定具等を介して回動可能に接続されている。また、この巻取軸35には、シャッターカーテン30の上端に連結された連結スラット(図示省略)が接続されており、この巻取軸35を回転させることで、連結スラットを介してシャッターカーテン30を巻き取り又は巻き出すことができる。
【0043】
(構成−座板の構成の詳細)
次に、シャッターカーテン30の座板31の構成の詳細について説明する。ただし、座板31は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
図2、
図4に示すように、座板31は、本体片60、第1突出片61、第2突出片62、接続片63、及び取付片64、65を備えて構成されている。
【0044】
本体片60は、座板31の基本構造体であり、シャッターカーテン30の幅方向の全長にわたって形成されており、開閉方向(上下方向)に略沿うように設けられている。第1突出片61は、本体片60の下端部からシャッターカーテン30の閉鎖方向(下方向)に向けて突出するように設けられた側片であり、シャッターカーテン30の幅方向の全長にわたって形成されている。また、この第1突出片61の先端部(下端部)及びその近傍部分は、建物の屋内側に向けて折り返すように形成されており、当該折り返された部分がガイドレール15の内部に挿入されているので、座板31が前後方向に向けて揺れることを抑制できる。第2突出片62は、シャッターカーテン30の閉鎖方向(すなわち、下方向)に向けて突出するように設けられた側片であり、第1突出片61よりも建物の屋内側に配置されている。接続片63は、第1突出片61と第2突出片62とを接続するための側片であり、第1突出片61の上端部から第2突出片62の上端部に至るように形成されている。取付片64、65は、施錠装置40のラッチバー41を挟持することで座板31に取り付けるための側片であり、本体片60から建物の屋内側に向けて張り出すようにそれぞれ設けられている。
【0045】
また、この座板31の具体的な構成については任意であるが、例えば、
図5に示すように、座板31の幅方向の端部のうち、ガイドレール15の内側に設けられた付属部材(実施の形態では、
図5のラッチ受け部17等)と対向する部分に、座板側切欠部66(切欠部)が設けられているので、例えば、全閉状態において座板31とガイドレール15とが干渉することを回避でき、座板31又はガイドレール15が損傷することを防止できる。
【0046】
また、このように構成された座板31は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形することにより製造することができる(なお、座板31が鋼製の場合には、鋼材を折り曲げ成形することにより製造してもよい)。
【0047】
(構成−水切り板の構成の詳細)
図2に戻り、次に、枠体10の水切り板13の構成の詳細について説明する。ただし、水切り板13は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。水切り板13は、座板31の少なくとも一部を覆うカバー片であり、
図2、
図3に示すように、水切り板本体70及び立ち上げ片71を備えている。
【0048】
水切り板本体70は、水切り板13の基本構造体である。この水切り板本体70は、左縦枠11から右縦枠12に至る範囲にわたって形成されており、開口部3の周縁下方から建物の屋外側に向けて張り出すように設けられている。また、
図2に示すように、この水切り板本体70における建物の屋外側の端部(前端部)及びその近傍部分には、全閉状態において座板31の第2突出片62を建物の屋外側から覆うための溝部72が形成されている。また、
図3に示すように、この溝部72における幅方向の端部及びその近傍部分に水切り板側切欠部73を形成することにより、水切り板本体70と後述する第2枠材側接続片82とが当接することを回避している。立ち上げ片71は、建物の屋内側に水が侵入することを抑制するための側片であり、水切り板本体70における建物の屋内側の端部から上方に向けて張り出すように形成されている。
【0049】
このように構成された水切り板13は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形により製造することができる。
【0050】
(構成−縦枠の構成の詳細)
次に、枠体10の縦枠14の構成の詳細について説明する。ただし、縦枠14は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。縦枠14の各々は、水切り板13とガイドレール15とを支持する支持手段であり、
図3に示すように、枠材本体80、第1枠材側接続片81、第2枠材側接続片82、及び枠材側取付片83を備えて構成されている。
【0051】
枠材本体80は、縦枠14の基本構造体であり、水切り板13の幅方向の各端部において、開口部3の周縁から建物の屋外側に向けて張り出すように設けられており、当該枠材本体80に形成された取付孔(図示省略)及び水切り板本体70に形成された
図2の取付孔74(ビスホール)を介して当該水切り板本体70に対して固定具によって接続されている。第1枠材側接続片81は、縦枠14とガイドレール15とを接続するための側片であり、縦枠14の開閉方向(上下方向)の全長にわたって形成されており、
図3に示すように、枠材本体80から建物の屋外側に向けて張り出すように設けられている。第2枠材側接続片82は、縦枠14とガイドレール15とを接続するための側片であり、X−Y平面に沿った断面形状がL字状であり、
図3に示すように、枠材本体80から幅方向の内側に向けて張り出すように設けられている。枠材側取付片83は、縦枠14を建物の壁2に対して取り付けるための側片であり、
図3に示すように、枠材本体80における建物の屋内側の端部から幅方向の外側に向けて張り出すように設けられ、建物の壁2に対して固定具等によって固定されている。
【0052】
このように構成された縦枠14は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形により製造することができる。
【0053】
(構成−ガイドレールの構成の詳細)
次に、ガイドレール15の構成の詳細について説明する。ただし、ガイドレール15は、特記する場合を除いて、任意の形状、方法、及び材質で製造することができる。
図3に示すように、ガイドレール15は、本体枠部90、外枠部91、及び防振部材92を備えて構成されている。
【0054】
本体枠部90は、シャッターカーテン30の両端部を収容するものであり、ガイドレール15の開閉方向(上下方向)の全長にわたって形成されている。また、この本体枠部90は、X−Y平面に沿った断面形状が幅方向の内側に向けて開放された略コ字状に形成された板状体であり、具体的には、
図3に示すように、建物の屋外側に位置する第1本体枠側片90aと、建物の屋内側に位置する第2本体枠側片90bと、第1本体枠側片90aと第2本体枠側片90bとを接続する第3本体枠側片90cとを備えている。なお、本体枠部90における幅方向の内側の端部が開放されていることから、以下では、この端部を「ガイドレール15の開放端部15a」と称する。
【0055】
外枠部91は、本体枠部90よりも幅方向の外側に位置する枠部であり、ガイドレール15の開閉方向(上下方向)の全長にわたって形成されている。また、この外枠部91は、
図3に示すように、第2本体枠側片90bから幅方向の外側に向けて張り出された第1外枠側片91aと、第3本体枠側片90cから幅方向の外側に向けて張り出され、且つ第1外枠側片91aと接続されている第2外枠側片91bとを備えている。
【0056】
防振部材92は、シャッターカーテン30の揺れを抑制するための部材であり、例えば防振ゴム等の公知の防振部材等を用いて構成されており、ガイドレール15の開閉方向(上下方向)の全長にわたって形成されている。また、この防振部材92は、第1本体枠側片90a及び第2本体枠側片90bの各々における幅方向の内側の端部に設けられており、具体的には、
図3に示すように、シャッターカーテン30と当接するように配置され、第1本体枠側片90a及び第2本体枠側片90bの各々に対して嵌合構造(一例として、
図3に示すように、相互に間隔を隔てて幅方向に沿って並設された一対の挟持部93、94を備えた構造)によって接続されている。
【0057】
このように構成されたガイドレール15と縦枠14との接続方法については任意であるが、例えば、
図3に示すように、第1枠材側接続片81の先端部と第1外枠側片91aの先端部とを嵌合構造により接続すると共に、第2枠材側接続片82のL字状の縦棒部分と第1外枠側片91aに設けられた接続片91cとを固定具により接続してもよい。また、このガイドレール15は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、アルミニウムの押し出し成形により本体枠部90及び外枠部91を形成し、その後に防振部材92を本体枠部90に対して固定具等により接続することにより製造することができる。
【0058】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造)
図2に戻り、次に、シャッターカーテン30の脱落防止構造について説明する。このシャッター装置1は、シャッターカーテン30によって開口部3の少なくとも一部が閉鎖された状態(例えば、半開状態や全閉状態)において、シャッターカーテン30に外力が作用することによってシャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止するための脱落防止構造を備えている。また、
図2から
図5に示すように、この脱落防止構造は、座板側係止部100、第1スラット側係止部110、及び第2スラット側係止部120を備えている。
【0059】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−座板側係止部)
座板側係止部100は、ガイドレール15に対して係止する座板側係止手段である。この座板側係止部100は、座板31の幅方向の端部又はその近傍部分に設けられており、座板側係止部100の一部が座板31から建物の屋外側に向けて突出するように形成されており、具体的には、
図3、
図5、
図6に示すように、フック部101及び接続部102を備えている。
【0060】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−座板側係止部−フック部)
フック部101は、ガイドレール15に対して係止するためのものである。このフック部101は、略矩形状の鋼製の板状体にて形成されており、接続部102における幅方向の外側の端部に設けられ、具体的には、
図3に示すように、当該端部から建物の屋外側に向けて突出し、且つ、座板31よりも建物の屋外側に張り出すように設けられている。
【0061】
また、このフック部101の具体的な構成については任意であるが、実施の形態では、ガイドレール15の部分のうち当該フック部101よりもシャッターカーテン30の幅方向の内側に位置する被係止部分(実施の形態では、
図3の第1本体枠側片90aの一対の挟持部93、94のうち幅方向の外側に位置する挟持部94)に向けて突出するように形成されている。具体的には、
図3、
図6に示すように、フック部101の先端部がフック部101の基端部よりも幅方向の内側に位置し、且つ、フック部101の傾斜角度αが座板31に対して約45度になるように形成されている。このような構成により、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、座板側係止部100をガイドレール15に対して係止することができる。特に、実施の形態では、座板側係止部100をガイドレール15の挟持部94に対して係止できるので、座板側係止部100に係止される被係止手段を新たに設ける必要がないことから、ガイドレール15の製造性を維持できる(なお、第1スラット側係止部110及び第2スラット側係止部120についても同様とする)。また、フック部101をガイドレール15の被係止部分に向けて突出しないように形成した場合(一例として、フック部101の傾斜角度αが座板31に対して90度となるように形成した場合)に比べて、座板側係止部100がガイドレール15に対して係止した状態を維持できる。ただし、これに限られず、例えば、フック部101がガイドレール15の被係止部分に向けて突出しないように形成されてもよく、一例として、フック部101の傾斜角度αが座板31に対して90度以上180度以下の角度となるように形成されてもよい。
【0062】
このようなフック部101により、ガイドレール15に対して比較的強固に係止できる構造であることから、シャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて比較的大きく変形することで過大な負荷がかかるとしても、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止できる。
【0063】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−座板側係止部−接続部)
接続部102は、座板側係止部100を座板31に対して接続するためのものである。この接続部102は、略矩形状の鋼製の板状体にて形成されており、幅方向及び上下方向に略沿って設けられており、具体的には、
図3に示すように、座板31における建物の屋内側の側面と当接するように配置されており、接続部102に形成された取付孔103及び座板31に形成された取付孔(図示省略)を介して座板31に対して固定具によって固定されている。
【0064】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−座板側係止部−その他の構成)
また、座板側係止部100の形状及び大きさについては、実施の形態では、座板側係止部100が座板31に取り付けられた状態において、シャッターカーテン30が変形していない場合に、シャッターカーテン30をガイドレール15に挿脱可能となるように設定されている。例えば、
図3、
図5、
図6に示すように、座板側係止部100の左右方向の長さ(幅)については、ガイドレール15の左右方向の長さ(幅)の半分程度の長さよりも短い長さに設定されている。また、座板側係止部100の前後方向の長さ(奥行き)については、ガイドレール15の開放端部15aの前後方向の長さ(奥行き)の半分の長さよりも短い長さに設定されている。また、座板側係止部100の上下方向の長さ(高さ)については、座板31の上下方向の長さ(高さ)の半分程度の長さよりも短い長さに設定されている。
【0065】
また、座板側係止部100の設置方法については任意であるが、実施の形態では、
図5に示すように、全閉状態において座板側係止部100が付属部材(
図5のラッチ受け部17等)と干渉しないように、座板側係止部100(具体的には、座板側係止部100の幅方向の外側の端部及びその近傍部分)を座板31から座板側切欠部66に向けて突出するように設けている。このような設置により、全閉状態において座板側係止部100が付属部材と干渉することを回避できるので、座板側係止部100が損傷することを防止できる。
【0066】
また、このように構成された座板側係止部100は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、鋼製の板状体を折り曲げ成形することにより製造することができる。
【0067】
以上のような座板側係止部100により、全閉状態又は半開状態において外力によってシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合には、座板側係止部100をガイドレール15に対して係止できるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止できる。また、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30が変形していない場合には、座板側係止部100がガイドレール15に対して係止されないので、シャッターカーテン30を幅方向から取り付ける又は取り外す作業を行う場合に、座板側係止部100によって当該作業が阻害されることを回避できる。以上のことから、シャッター装置1の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0068】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−第1スラット側係止部)
図3に戻り、第1スラット側係止部110は、座板側係止部100とは異なる構成のスラット側係止手段であって、ガイドレール15に対して係止するスラット側係止手段である。ここで、第1スラット側係止部110を座板側係止部100とは異なる構成にした理由は、第1スラット側係止部110を座板側係止部100と同一の構成にした場合に、座板側係止部100の材質が鋼材であるので、座板側係止部100とガイドレール15との接触により生じる接触音が比較的大きくなるおそれがあることから、このような問題を回避するために、後述するように、第1スラット側係止部110を座板側係止部100とは異なる構成としている。なお、第2スラット側係止部120のように、ガイドレール15に対して係止するための切欠部を第1スラット側係止部110として設けることも考えられる。しかしながら、この場合には、第1スラット30aには換気孔が設けられているので、第1スラット30a自体に孔加工等を施すことに支障(例えば、第1スラット30aの強度が低下すること等)が生じるおそれがある。よって、このような問題を回避するために、上記切欠部を第1スラット側係止部110として設けないこととしている。
【0069】
この第1スラット側係止部110は、建物の屋外側に向けて突出するように形成されており、各第1スラットの幅方向の端部又はその近傍部分に設けられている。具体的には、
図3、
図5に示すように、第1スラット側係止部110における建物の屋内側の側面全体が各第1スラット30aの幅方向の端部又はその近傍部分の側面のうち建物の屋外側の側面と当接するように配置されており、第1スラット側係止部110に形成された
図7の取付孔112及び第1スラット30aに形成された取付孔(図示省略)を介して第1スラット30aに対して固定具によって固定されている。
【0070】
また、この第1スラット側係止部110の形状及び大きさについては、実施の形態では、第1スラット側係止部110が第1スラット30aに取り付けられた状態において、外力によってシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合には第1スラット側係止部110をガイドレール15に対して係止可能とし、シャッターカーテン30が変形していない場合にはシャッターカーテン30をガイドレール15に挿脱可能となるように設定されている。例えば、
図3、
図5、
図7に示すように、第1スラット側係止部110の形状については、円柱状の中実体(又は中空体)に設定されている。また、第1スラット側係止部110の左右方向の長さ(幅)については、ガイドレール15の左右方向の長さ(幅)の半分程度の長さよりも短い長さに設定されている。また、第1スラット側係止部110の前後方向の長さ(奥行き)については、ガイドレール15の開放端部15aの前後方向の長さ(奥行き)の半分の長さよりも短い長さに設定されている。また、第1スラット側係止部110の上下方向の長さ(高さ)については、第1スラット30aの上下方向の長さ(高さ)の半分程度の長さよりも短い長さに設定されている。
【0071】
また、この第1スラット側係止部110の形状及び大きさの詳細については、実施の形態では、
図5、
図7に示すように、第1スラット側係止部110における見付面の外縁形状が略円形状に形成されている。ここで、「見付面」とは、見付け方向のいずれか一方(建物の屋外側又は屋内側)から見た時に見える面(すなわち、X−Z平面に沿った面)を意味する。このような構成により、上記見付面の外縁形状を円形状以外の他の形状にした場合に比べて、第1スラット側係止部110の形状や設置の向き等に左右されずに第1スラット側係止部110を設置できるので、第1スラット側係止部110の設置性を向上させることができる。
【0072】
また、第1スラット側係止部110の材質については任意であるが、実施の形態では、第1スラット側係止部110の少なくとも一部が、第1スラット側係止部110とガイドレール15との接触によって生じる接触音の大きさを低減することが可能な材質にて形成されており、具体的には、第1スラット側係止部110の全体が樹脂材(例えば、ポリアミド合成樹脂等)にて形成されている。ただし、これに限られず、例えば、第1スラット側係止部110の一部(一例として、第1スラット側係止部110のうちガイドレール15と接触する部分のみ)が樹脂材にて形成され、第1スラット側係止部110の他の一部が鋼材等にて形成されてもよい。これにより、第1スラット側係止部110とガイドレール15との接触により生じる接触音の大きさを低減することができるので、シャッター装置1の使用性を維持できる。
【0073】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−第1スラット側係止部−座板側係止部と関連する構成)
また、第1スラット側係止部110及び座板側係止部100の設置方法については任意であるが、実施の形態では、
図3に示すように、座板側係止部100の係止面104(具体的には、フック部101の先端面)と第1スラット側係止部110の係止面111(具体的には、第1スラット側係止部110における幅方向の内側の側面)とが見込み方向(前後方向)に沿って相互に略面一となるように配置されている。このような設置により、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110が設けられた場合でも、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110をガイドレール15(具体的には、第1本体枠側片90aの挟持部94)に確実に係止させることができるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを一層防止できる。
【0074】
また、第1スラット側係止部110及び座板側係止部100の具体的な構成については任意であるが、座板側係止部100の係止面104が第1スラット側係止部110の係止面111よりもガイドレール15の被係止部分(第1本体枠側片90aの挟持部94)側に位置するように形成されており、具体的には、
図3に示すように、座板側係止部100の係止面104が第1スラット側係止部110の係止面111よりも建物の屋外側に位置するように形成されている。このような構成により、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110が設けられた場合でも、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、第1スラット側係止部110よりも比較的負荷がかかる座板側係止部100を優先的にガイドレール15に対して係止させることができるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることをさらに一層防止できる。
【0075】
このように構成された第1スラット側係止部110は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、公知の樹脂成形方法(一例として、射出成形方法等)を用いて形成してもよい。
【0076】
以上のような第1スラット側係止部110により、全閉状態又は半開状態において外力によってシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、第1スラット側係止部110をガイドレール15に対して係止できるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを一層防止できる。また、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30が変形していない場合には、第1スラット側係止部110がガイドレール15に対して係止されないので、シャッターカーテン30を幅方向から取り付ける又は取り外す作業を行う場合に、第1スラット側係止部110によって当該作業が阻害されることを回避できる。
【0077】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−第2スラット側係止部)
第2スラット側係止部120は、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110とは異なる構成の係止手段であって、ガイドレール15に対して係止する係止手段であり、
図5に示すように、各第2スラット30bの幅方向の端部又はその近傍部分に設けられ、凹部121及びスリット部122を備えている。ここで、第2スラット側係止部120を座板側係止部100及び第1スラット側係止部110とは異なる構成にした理由は、以下の通りである。すなわち、
図1に示すように、シャッターカーテン30のスラットの中で第2スラット30bが占める割合が多いので、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110のように座板31又は第1スラット30aとは別体として構成した場合には、第2スラット側係止部120の取り付けに手間を要するおそれがあった。一方で、第2スラット30bには第1スラット30aのように換気孔が設けられていないので、第1スラット30aに比べて第2スラット30b自体に孔加工や押圧加工等を施すことに支障が生じることは少ないと考えられる。したがって、設置性の向上及び製造の容易性を図る観点から、後述するように、第2スラット側係止部120を座板側係止部100及び第1スラット側係止部110とは異なる構成としている。
【0078】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−第2スラット側係止部−凹部)
凹部121は、ガイドレール15に対して第2スラット側係止部120を係止させる際に、ガイドレール15をスリット部122に誘導するための誘導手段である。この凹部121は、各第2スラット30bの幅方向の端部又はその近傍部分を建物の屋内側に向けて窪んだ凹状に形成されており、具体的には、
図5に示すように、正面形状が略矩形状に形成されており、凹部121の深さ(前後方向の長さ)が第2スラット30bの前後方向の長さ(奥行き)よりも小さい長さに設定されている。
【0079】
(構成−シャッターカーテンの脱落防止構造−第2スラット側係止部−スリット部)
スリット部122は、ガイドレール15に対して係止するためのものである。
図5に示すように、このスリット部122は、各第2スラット30bの部分のうち、凹部121よりも幅方向の外側の部分であって凹部121と隣接する部分に形成されており、具体的には、正面形状が略矩形状(より具体的には、左右方向の長さ(幅)が凹部121の左右方向の長さ(幅)よりも短い略矩形状)に形成されている。
【0080】
また、このスリット部122の設置方法については任意であるが、実施の形態では、スリット部122が座板側係止部100の係止面104及び第1スラット側係止部110の係止面111の各々と見込み方向に沿って略面一となるように配置されている。このような設置により、座板側係止部100、第1スラット側係止部110、及び第2スラット側係止部120が設けられた場合でも、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、座板側係止部100、第1スラット側係止部110、及び第2スラット側係止部120をガイドレール15(具体的には、第1本体枠側片90aの挟持部94)に確実に係止させることができるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを一層防止できる。
【0081】
このように構成された第2スラット側係止部120は任意の方法や材質で製造することができ、例えば、第2スラット30bの一部を押圧成形し、この押圧成形の前後のいずれかの時点で、スリット部122を孔加工することで製造することができる。
【0082】
以上のような第2スラット側係止部120により、全閉状態又は半開状態において外力によってシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、第2スラット側係止部120をガイドレール15に対して係止できるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを一層防止できる。また、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30が変形していない場合には、第2スラット側係止部120がガイドレール15に対して係止されないので、シャッターカーテン30を幅方向から取り付ける又は取り外す作業を行う場合に、第2スラット側係止部120によって当該作業が阻害されることを回避できる。
【0083】
このような脱落防止構造により、例えば、座板側係止部100だけが設けられた場合に比べて、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを一層防止でき、シャッター装置1の使用におけるユーザの利便性を一層向上させることが可能になる。
【0084】
(シャッターカーテンの脱落防止構造の作用)
続いて、このように構成されたシャッターカーテン30の脱落防止構造の作用について説明する。
【0085】
すなわち、全閉状態又は半開状態において、外力によってシャッターカーテン30が建物の屋外側に引張られると、外力によってシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形する。この場合において、
図8に示すように、座板側係止部100、第1スラット側係止部110、及び第2スラット側係止部120の各々がガイドレール15(具体的には、第1本体枠側片90aの挟持部94)に対して係止されるので、シャッターカーテン30の建物の屋外側への移動が制限される。よって、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止できる。
【0086】
また、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30が変形していない場合に、ガイドレール15が幅方向の外側に移動されると、
図9に示すように、座板側係止部100、第1スラット側係止部110、及び第2スラット側係止部120の各々がガイドレール15(具体的には、第1本体枠側片90aの挟持部94)に対して係止されないので、ガイドレール15の幅方向の外側への移動が制限されない。よって、ガイドレール15をガイドレール15の開放端部15aを介してシャッターカーテン30から取り外すことができる。また、シャッターカーテン30から外されたガイドレール15を元に戻す際にも、
図9に示すように、座板側係止部100、第1スラット側係止部110、及び第2スラット側係止部120によってガイドレール15の幅方向の内側への移動が制限されないので、ガイドレール15をガイドレール15の開放端部15aを介してシャッターカーテン30に取り付けることができる。
【0087】
(効果)
このように実施の形態によれば、座板側係止部100を座板31から突出するように形成することで、外力によってシャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、当該座板側係止部100をガイドレール15に対して係止可能とし、シャッターカーテン30が変形していない場合には、当該シャッターカーテン30をガイドレール15に挿脱可能としたので、全閉状態又は半開状態において外力によってシャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、座板側係止部100をガイドレール15に対して係止でき、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止できる。また、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30が変形していない場合には、座板側係止部100がガイドレール15に対して係止されないので、シャッターカーテン30を幅方向から取り付ける又は取り外す作業を行う場合に、座板側係止部100によって当該作業が阻害されることを回避できる。以上のことから、シャッター装置1の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0088】
また、座板側係止部100が、ガイドレール15に対して係止するためのフック部101を備えたので、ガイドレール15に対して比較的強固に係止できる構造であることから、シャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて比較的大きく変形することで過大な負荷がかかるとしても、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止できる。
【0089】
また、フック部101を、ガイドレール15の部分のうち当該フック部101よりもシャッターカーテン30の幅方向の内側に位置する被係止部分に向けて突出するように形成したので、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、フック部101をガイドレール15の被係止部分に向けて突出しないように形成した場合に比べて、座板側係止部100がガイドレール15に対して係止した状態を維持でき、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを一層防止できる。
【0090】
また、全閉状態において座板側係止部100がラッチ受け部17と干渉しないように、当該座板側係止部100を座板31から座板側切欠部66に向けて突出させたので、全閉状態において座板側係止部100がラッチ受け部17と干渉することを回避でき、座板側係止部100が損傷することを防止できる。
【0091】
また、第1スラット側係止部110をスラットから突出するように形成することで、外力によってシャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、当該第1スラット側係止部110をガイドレール15に対して係止可能とし、シャッターカーテン30が変形していない場合には、当該シャッターカーテン30をガイドレール15に挿脱可能としたので、全閉状態又は半開状態において外力によってシャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、第1スラット側係止部110をガイドレール15に対して係止でき、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを一層防止できる。また、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30が変形していない場合には、第1スラット側係止部110がガイドレール15に対して係止されないので、シャッターカーテン30を幅方向から取り付ける又は取り外す作業を行う場合に、第1スラット側係止部110によって当該作業が阻害されることを回避できる。
【0092】
また、第1スラット側係止部110における見付面の外縁形状を、略円形状に形成したので、上記見付面の外縁形状を円形状以外の他の形状にした場合に比べて、第1スラット側係止部110の形状や設置の向き等に左右されずに第1スラット側係止部110を設置できるので、第1スラット側係止部110の設置性を向上させることができる。
【0093】
また、座板側係止部100の係止面104と第1スラット側係止部110の係止面111とが見込み方向に沿って相互に略面一となるように、これら係止部100、110を配置したので、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110が設けられた場合でも、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110をガイドレール15に確実に係止させることができるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることをさらに一層防止できる。
【0094】
また、座板側係止部100の係止面104が第1スラット側係止部110の係止面111よりもガイドレール15の被係止部分(第1本体枠側片90aの挟持部94)側に位置するように、これら係止部100、110を形成したので、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110が設けられた場合でも、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、第1スラット側係止部110よりも比較的負荷がかかる座板側係止部100を優先的にガイドレール15に対して係止させることができるので、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることをさらに一層防止できる。
【0095】
〔III〕実施の形態に対する変形例
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0096】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0097】
(形状、数値、構造、時系列について)
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
【0098】
(シャッター装置について)
上記実施の形態では、シャッター装置1が、建物の壁2に対して直接的に固定されていると説明したが、これに限られず、例えば、窓のサッシ部材を介して固定されてもよい。
【0099】
(シャッターカーテンについて)
上記実施の形態では、シャッターカーテン30が、第1スラット30a及び第2スラット30bを備えていると説明したが、これに限られず、例えば、第1スラット30a又は第2スラット30bのいずれか一方のみを備えてもよい。
【0100】
また、上記実施の形態では、第1スラット30aがシャッターカーテン30の下方側のスラットとして設けられ、第2スラット30bがシャッターカーテン30の上方側のスラットとして設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、第1スラット30aがシャッターカーテン30の上方側のスラットとして設けられ、第2スラット30bがシャッターカーテン30の下方側のスラットとして設けられてもよい。
【0101】
(座板について)
上記実施の形態では、座板31に座板側切欠部66が設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、座板31の幅方向の端部が第1スラット30aの幅方向の端部と上下方向に沿って面一である場合において、座板31が付属部材と干渉しない場合には、座板側切欠部66を省略してもよい。この場合には、座板側係止部100が付属部材と干渉しないように、当該座板側係止部100を座板31から当該付属部材に向けて突出させる。このような構成により、座板側係止部100が付属部材と干渉することを回避できるので、座板側係止部100が損傷することを防止できる。
【0102】
(付属部材について)
上記実施の形態では、付属部材は、ラッチ受け部17であると説明したが、これに限られない。例えば、ガイドレール15の内側においてガイドレール15の上下方向の全長(又はその一部)にわたって設けられた形成された補強材であり、ガイドレール15を補強するための補強材であってもよい。この場合には、全閉状態又は半開状態において、座板側係止部100が補強材と干渉しないように、座板側係止部100を座板31から座板側切欠部66に向けて突出させる。
【0103】
(シャッターカーテンの脱落防止構造について)
実施の形態では、脱落防止構造が、第1スラット側係止部110及び第2スラット側係止部120を備えていると説明したが、これに限られず、例えば、第1スラット側係止部110又は第2スラット側係止部120の少なくともいずれか一方を省略してもよい。
【0104】
また、第1スラット側係止部110が複数の第1スラット30aの各々に設けられ、第2スラット側係止部120が複数の第2スラット30bの各々に設けられていると説明したが、これに限られない。例えば、外力によってシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合にシャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止することが可能であれば、第1スラット側係止部110が複数の第1スラット30aのうちの一部のみに設けられたり、又は、第2スラット側係止部120が複数の第2スラット30bのうちの一部のみに設けられてもよい。
【0105】
また、実施の形態では、脱落防止構造が、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が建物の屋外側に向けて変形した場合に、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止するものであると説明したが、これに限られない。例えば、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテン30に外力が作用することでシャッターカーテン30が建物の屋内側に向けて変形した場合に、シャッターカーテン30がガイドレール15から外れることを防止するものであってもよい。この場合の構成については任意であるが、一例として、
図10に示すように、座板側係止部100は、座板側係止部100の一部が座板31から建物の屋内側に向けて突出するように形成されてもよく、具体的には、座板側係止部100のフック部101が、ガイドレール15の被係止部分(例えば、
図10の第2本体枠側片90bの一対の挟持部93、94のうち幅方向の外側に位置する挟持部94等)に向けて突出するように形成されてもよい。また、第1スラット側係止部110は、建物の屋内側に向けて突出するように形成されることで、外力によってシャッターカーテン30が建物の屋内側に向けて変形した場合には第1スラット側係止部110をガイドレール15(例えば、第2本体枠側片90bの挟持部94等)に対して係止可能としてもよい。
【0106】
(座板側係止部について)
実施の形態では、座板側係止部100が、第1スラット側係止部110と異なる構成であると説明したが、これに限られず、例えば、第1スラット側係止部110と同一の構成(すなわち、円柱体とする構成)であってもよい。
【0107】
また、実施の形態では、座板側係止部100の接続部102が座板31における建物の屋内側の側面と当接するように、座板側係止部100が配置されていると説明したが、これに限られず、例えば、座板側係止部100の接続部102が座板31における建物の屋外側の側面と当接するように、座板側係止部100が配置されてもよい。
【0108】
(第1スラット側係止部について)
実施の形態では、第1スラット側係止部110が、座板側係止部100と異なる構成であると説明したが、これに限られず、例えば、座板側係止部100と同一の構成(すなわち、フック部101及び接続部102を備える構成)であってもよい。この場合には、例えば、第1スラット側係止部110の部分のうちガイドレール15と接触する部分に樹脂等の公知の緩衝材を設けてもよい。これにより、緩衝材を設けない場合に比べて、第1スラット側係止部110とガイドレール15との接触により生じる接触音を低減することができる。
【0109】
また、実施の形態では、第1スラット側係止部110における見付面の外縁形状が略円形状に形成されていると説明したが、これに限られず、例えば、略楕円形状、略多角形状(一例として、四角形状、五角形状等)にて形成されてもよい。
【0110】
また、実施の形態では、座板側係止部100の係止面104と第1スラット側係止部110の係止面111とが見込み方向に沿って相互に略面一となるように、第1スラット側係止部110及び座板側係止部100が配置されていると説明したが、これに限られず、例えば、座板側係止部100の係止面104と第1スラット側係止部110の係止面111とが見込み方向に沿って相互に面一とならないように、第1スラット側係止部110及び座板側係止部100が配置されてもよい。
【0111】
また、実施の形態では、座板側係止部100の係止面104が第1スラット側係止部110の係止面111よりもガイドレール15の被係止部分側に位置するように形成されていると説明したが、これに限られない。例えば、座板側係止部100の係止面104の位置が第1スラット側係止部110の係止面111の位置と略同一の位置となるように形成されてもよい。
【0112】
(第2スラット側係止部について)
実施の形態では、第2スラット側係止部120が、座板側係止部100及び第1スラット側係止部110とは異なる構成であると説明したが、これに限られず、例えば、座板側係止部100又は第1スラット側係止部110と同一の構成であってもよい。
【0113】
また、実施の形態では、第2スラット側係止部120のスリット部122が座板側係止部100の係止面104及び第1スラット側係止部110の係止面111の各々と見込み方向に沿って略面一となるように配置されていると説明したが、これに限られず、例えば、スリット部122が座板側係止部100の係止面104及び第1スラット側係止部110の係止面111の各々と見込み方向に沿って略面一とならないように配置されてもよい。
【0114】
(付記)
付記1のシャッター装置は、建物の開口部の開閉を行うためのシャッターカーテンと、前記開口部における開閉方向に沿って設けられたガイドレールであり、前記シャッターカーテンの両端部を案内するガイドレールと、を備えたシャッター装置であり、前記シャッターカーテンによって前記開口部の少なくとも一部が閉鎖された状態において、当該シャッターカーテンに外力が作用することによって当該シャッターカーテンが前記ガイドレールから外れることを防止するためのシャッター装置であって、前記シャッターカーテンの閉鎖側の端部である座板に設けられた座板側係止手段を備え、前記座板側係止手段を前記座板から突出するように形成することで、前記外力によって前記シャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、当該座板側係止手段を前記ガイドレールに対して係止可能とし、前記シャッターカーテンが変形していない場合には、当該シャッターカーテンを前記ガイドレールに挿脱可能とした。
【0115】
付記2のシャッター装置は、付記1に記載のシャッター装置において、前記座板側係止手段は、前記ガイドレールに対して係止するためのフック部を備えた。
【0116】
付記3のシャッター装置は、付記2に記載のシャッター装置において、前記フック部を、前記ガイドレールの部分のうち当該フック部よりも前記シャッターカーテンの幅方向の内側に位置する被係止部分に向けて突出するように形成した。
【0117】
付記4のシャッター装置は、付記1から3のいずれか一項に記載のシャッター装置において、前記座板における前記シャッターカーテンの幅方向の端部が、前記ガイドレールの内側に設けられた付属部材と対向するように、当該座板を設け、前記座板側係止手段が前記付属部材と干渉しないように、当該座板側係止手段を前記座板から当該付属部材に向けて突出させた。
【0118】
付記5のシャッター装置は、付記4に記載のシャッター装置において、前記付属部材は、前記座板に設けられたラッチを係止させるためのラッチ受け部であり、前記座板における前記シャッターカーテンの幅方向の端部のうち、前記ラッチ受け部と対向する部分に切欠部を設け、前記シャッターカーテンによって前記開口部が全閉された全閉状態において前記座板側係止手段が前記ラッチ受け部と干渉しないように、当該座板側係止手段を前記座板から前記切欠部に向けて突出させた。
【0119】
付記6のシャッター装置は、付記1から5のいずれか一項に記載のシャッター装置において、前記シャッターカーテンのスラットに設けられたスラット側係止手段を備え、前記スラット側係止手段を前記スラットから突出するように形成することで、前記外力によって前記シャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、当該スラット側係止手段を前記ガイドレールに対して係止可能とし、前記シャッターカーテンが変形していない場合には、当該シャッターカーテンを前記ガイドレールに挿脱可能とした。
【0120】
付記7のシャッター装置は、付記6に記載のシャッター装置において、前記スラット側係止手段における見付面の外縁形状を、略円形状に形成した。
【0121】
付記8のシャッター装置は、付記6又は7に記載のシャッター装置において、前記座板側係止手段の係止面と前記スラット側係止手段の係止面とが見込み方向に沿って相互に略面一となるように、これら係止手段を配置した。
【0122】
付記9のシャッター装置は、付記6から8のいずれか一項に記載のシャッター装置において、前記座板側係止手段の係止面が前記スラット側係止手段の係止面よりも前記ガイドレールの被係止部分側に位置するように、これら係止手段を形成した。
【0123】
(付記の効果)
付記1に記載のシャッター装置によれば、座板側係止手段を座板から突出するように形成することで、外力によってシャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、当該座板側係止手段をガイドレールに対して係止可能とし、シャッターカーテンが変形していない場合には、当該シャッターカーテンをガイドレールに挿脱可能としたので、後述する全閉状態又は後述する半開状態において外力によってシャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、座板側係止手段をガイドレールに対して係止でき、シャッターカーテンがガイドレールから外れることを防止できる。また、後述する全閉状態又は後述する半開状態においてシャッターカーテンが変形していない場合には、座板側係止手段がガイドレールに対して係止されないので、シャッターカーテンを幅方向から取り付ける又は取り外す作業を行う場合に、座板側係止手段によって当該作業が阻害されることを回避できる。以上のことから、シャッター装置の使用におけるユーザの利便性を向上させることが可能になる。
【0124】
付記2に記載のシャッター装置によれば、座板側係止手段が、ガイドレールに対して係止するためのフック部を備えたので、ガイドレールに対して比較的強固に係止できる構造であることから、シャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて比較的大きく変形することで過大な負荷がかかるとしても、シャッターカーテンがガイドレールから外れることを防止できる。
【0125】
付記3に記載のシャッター装置によれば、フック部を、ガイドレールの部分のうち当該フック部よりもシャッターカーテンの幅方向の内側に位置する被係止部分に向けて突出するように形成したので、後述する全閉状態又は後述する半開状態においてシャッターカーテンに外力が作用することでシャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、フック部をガイドレールの被係止部分に向けて突出しないように形成した場合に比べて、座板側係止手段がガイドレールに対して係止した状態を維持でき、シャッターカーテンがガイドレールから外れることを一層防止できる。
【0126】
付記4に記載のシャッター装置によれば、座板側係止手段が付属部材と干渉しないように、当該座板側係止手段を座板から当該付属部材に向けて突出させたので、座板側係止手段が付属部材と干渉することを回避でき、座板側係止手段が損傷することを防止できる。
【0127】
付記5に記載のシャッター装置によれば、全閉状態において座板側係止手段がラッチ受け部と干渉しないように、当該座板側係止手段を座板から切欠部に向けて突出させたので、全閉状態において座板側係止手段がラッチ受け部と干渉することを回避でき、座板側係止手段が損傷することを一層防止できる。
【0128】
付記6に記載のシャッター装置によれば、スラット側係止手段をスラットから突出するように形成することで、外力によってシャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合には、当該スラット側係止手段をガイドレールに対して係止可能とし、シャッターカーテンが変形していない場合には、当該シャッターカーテンをガイドレールに挿脱可能としたので、後述する全閉状態又は後述する半開状態において外力によってシャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、スラット側係止手段をガイドレールに対して係止でき、シャッターカーテンがガイドレールから外れることを一層防止できる。また、全閉状態又は半開状態においてシャッターカーテンが変形していない場合には、スラット側係止手段がガイドレールに対して係止されないので、シャッターカーテンを幅方向から取り付ける又は取り外す作業を行う場合に、スラット側係止手段によって当該作業が阻害されることを回避できる。
【0129】
付記7に記載のシャッター装置によれば、スラット側係止手段における見付面の外縁形状を、略円形状に形成したので、上記見付面の外縁形状を円形状以外の他の形状にした場合に比べて、スラット側係止手段の形状や設置の向き等に左右されずにスラット側係止手段を設置できるので、スラット側係止手段の設置性を向上させることができる。
【0130】
付記8に記載のシャッター装置によれば、座板側係止手段の係止面とスラット側係止手段の係止面とが見込み方向に沿って相互に略面一となるように、これら係止手段を配置したので、座板側係止手段及びスラット側係止手段が設けられた場合でも、後述する全閉状態又は後述する半開状態においてシャッターカーテンに外力が作用することでシャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、座板側係止手段及びスラット側係止手段をガイドレールに確実に係止させることができるので、シャッターカーテンがガイドレールから外れることをさらに一層防止できる。
【0131】
付記9に記載のシャッター装置によれば、座板側係止手段の係止面がスラット側係止手段の係止面よりもガイドレールの被係止部分側に位置するように、これら係止手段を形成したので、座板側係止手段及びスラット側係止手段が設けられた場合でも、後述する全閉状態又は後述する半開状態においてシャッターカーテンに外力が作用することでシャッターカーテンが見込み方向のいずれか一方に向けて変形した場合に、スラット側係止手段よりも比較的負荷がかかる座板側係止手段を優先的にガイドレールに対して係止させることができるので、シャッターカーテンがガイドレールから外れることをさらに一層防止できる。