(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961369
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】給電装置、給電装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20211025BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20211025BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/10
H02J7/00 301D
【請求項の数】24
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-49038(P2017-49038)
(22)【出願日】2017年3月14日
(65)【公開番号】特開2018-153043(P2018-153043A)
(43)【公開日】2018年9月27日
【審査請求日】2020年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090273
【弁理士】
【氏名又は名称】國分 孝悦
(72)【発明者】
【氏名】岡本 吉彦
【審査官】
下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−226022(JP,A)
【文献】
特開2016−127719(JP,A)
【文献】
特開2005−151609(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00 − 50/90
H02J 7/00 − 7/12
H02J 7/34 − 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触で受電装置へ電力を供給する給電手段と、
非接触で他の給電装置より供給された電力を受電する受電手段と、
自装置をホスト側として外部装置と通信を確立したことに応じて、動作モードを前記他の給電装置から電力を受電する受電モードから、前記受電装置へ電力を供給する給電モードへ切り替え、
相手装置をホスト側として外部装置と通信を確立したことに応じて、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り換えない切替手段と
を有することを特徴とする給電装置。
【請求項2】
前記切替手段は、
相手装置に接続要求を送信することによって、自装置をホスト側として外部装置と通信を確立した場合、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り替え、
相手装置から接続要求を受信することによって、相手装置をホスト側として外部装置と通信を確立した場合、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り替えないことを特徴とする請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
前記切替手段は、前記受電装置との通信が終了した場合に、前記動作モードを前記給電モードから前記受電モードへ切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の給電装置。
【請求項4】
自装置の2次電池の残容量を検出する検出手段をさらに有し、
前記切替手段は、前記残容量が第1閾値以上で、かつ前記自装置をホスト側として前記受電装置と通信を確立した場合に、前記動作モードを前記受電モードから前記給電モードへ切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項5】
前記切替手段は、前記自装置の2次電池の残容量が第1閾値未満の場合には、前記受電モードから前記給電モードへの切り替えを行わないよう制御することを特徴とする請求項4に記載の給電装置。
【請求項6】
前記受電装置が備える2次電池の残容量の情報を受信する受信手段をさらに有し、
前記切替手段は、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値未満の場合に、前記動作モードを前記受電モードから前記給電モードへ切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項7】
前記切替手段は、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値以上の場合には、前記受電モードから前記給電モードへの切り替えを行わないよう制御することを特徴とする請求項6に記載の給電装置。
【請求項8】
前記切替手段は、前記給電モードに設定されている場合において、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値以上になった場合に、前記動作モードを前記給電モードから前記受電モードに切り替えることを特徴とする請求項6又は7に記載の給電装置。
【請求項9】
給電装置の制御方法であって、
非接触で受電装置へ電力を供給する給電ステップと、
非接触で他の給電装置より供給された電力を受電する受電ステップと、
自装置をホスト側として外部装置と通信を確立したことに応じて、動作モードを前記他の給電装置から電力を受電する受電モードから、前記受電装置へ電力を供給する給電モードへ切り替え、
相手装置をホスト側として外部装置と通信を確立したことに応じて、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードに切り替えない切替ステップと
を含むことを特徴とする給電装置の制御方法。
【請求項10】
前記切替ステップは、
相手装置に接続要求を送信することによって、自装置をホスト側として外部装置と通信を確立した場合、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り替え、
相手装置から接続要求を受信することによって、相手装置をホスト側として外部装置と通信を確立した場合、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り替えないことを特徴とする請求項9に記載の給電装置の制御方法。
【請求項11】
前記切替ステップは、前記受電装置との通信が終了した場合に、前記動作モードを前記給電モードから前記受電モードへ切り替えることを特徴とする請求項9又は10に記載の給電装置の制御方法。
【請求項12】
自装置の2次電池の残容量を検出する検出ステップをさらに含み、
前記切替ステップは、前記残容量が第1閾値以上で、かつ前記自装置をホスト側として前記受電装置と通信を確立した場合に、前記動作モードを前記受電モードから前記給電モードへ切り替えることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の給電装置の制御方法。
【請求項13】
前記切替ステップは、前記自装置の2次電池の残容量が第1閾値未満の場合には、前記受電モードから前記給電モードへの切り替えを行わないよう制御することを特徴とする請求項12に記載の給電装置の制御方法。
【請求項14】
前記受電装置が備える2次電池の残容量の情報を受信する受信ステップをさらに含み、
前記切替ステップは、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値未満の場合に、前記動作モードを前記受電モードから前記給電モードへ切り替えることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の給電装置の制御方法。
【請求項15】
前記切替ステップは、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値以上の場合には、前記受電モードから前記給電モードへの切り替えを行わないよう制御することを特徴とする請求項14に記載の給電装置の制御方法。
【請求項16】
前記切替ステップは、前記給電モードに設定されている場合において、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値以上になった場合に、前記動作モードを前記給電モードから前記受電モードに切り替えることを特徴とする請求項14又は15に記載の給電装置の制御方法。
【請求項17】
コンピュータを、
非接触で受電装置へ電力を供給するよう制御する給電制御手段と、
非接触で他の給電装置より供給された電力を受電するよう制御する受電制御手段と、
自装置をホスト側として外部装置と通信を確立したことに応じて、動作モードを前記他の給電装置から電力を受電する受電モードから、前記受電装置へ電力を供給する給電モードへ切り替え、
相手装置をホスト側として外部装置と通信を確立したことに応じて、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り換えない切替手段と
して機能させるためのプログラム。
【請求項18】
前記切替手段は、
相手装置に接続要求を送信することによって、自装置をホスト側として外部装置と通信を確立した場合、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り替え、
相手装置から接続要求を受信することによって、相手装置をホスト側として外部装置と通信を確立した場合、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り替えないことを特徴とする請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
前記切替手段は、前記受電装置との通信が終了した場合に、前記動作モードを前記給電モードから前記受電モードへ切り替えることを特徴とする請求項17又は18に記載のプログラム。
【請求項20】
自装置の2次電池の残容量を検出する検出手段をさらに有し、
前記切替手段は、前記残容量が第1閾値以上で、かつ前記自装置をホスト側として前記受電装置と通信を確立した場合に、前記動作モードを前記受電モードから前記給電モードへ切り替えることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項21】
前記切替手段は、前記自装置の2次電池の残容量が第1閾値未満の場合には、前記受電モードから前記給電モードへの切り替えを行わないよう制御することを特徴とする請求項20に記載のプログラム。
【請求項22】
前記受電装置が備える2次電池の残容量の情報を受信する受信手段をさらに有し、
前記切替手段は、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値未満の場合に、前記動作モードを前記受電モードから前記給電モードへ切り替えることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項23】
前記切替手段は、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値以上の場合には、前記受電モードから前記給電モードへの切り替えを行わないよう制御することを特徴とする請求項22に記載のプログラム。
【請求項24】
前記切替手段は、前記給電モードに設定されている場合において、前記受電装置の前記2次電池の残容量が第2閾値以上になった場合に、前記動作モードを前記給電モードから前記受電モードに切り替えることを特徴とする請求項22又は23に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受電装置に対し非接触で電力を供給することが可能な給電装置、給電装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コネクタで物理的に接続することなく非接触で電力を出力するための1次コイルをアンテナとして持つ給電装置と、給電装置から供給される電力を非接触で受け付けるための2次コイルをアンテナとして持つ受電装置のシステムが知られている。また、給電機能と受電機能の両方に対応した機器も存在する。特許文献1には、他の機器から充電要請を受信すると、給電モードへ変更を行い、充電要請を行った機器への給電を開始する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2013−523063号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の従来技術では、充電要請を受信すると機器が給電モードに変更されるため、不必要に給電モードへの変更が行われる可能性があるという問題がある。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたもので、給電モードへの変更を適切に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明は、給電装置であって、非接触で受電装置へ電力を供給する給電手段と、非接触で他の給電装置より供給された電力を受電する受電手段と、自装置をホスト側として
外部装置と通信を確立した
ことに応じて、動作モードを前記他の給電装置から電力を受電する受電モードから、前記受電装置へ電力を供給する給電モードへ切り替え
、相手装置をホスト側として外部装置と通信を確立したことに応じて、動作モードを前記受電モードから、前記給電モードへ切り換えない切替手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、給電モードへの変更を適切に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る非接触給電システムの全体図である。非接触給電システムは、給電装置100、給電装置110及び受電装置120を有している。給電装置100は、動作モードとして、給電装置110より電力の供給を受けることが可能である受電モードと、受電装置120へ電力の供給を行うことが可能である給電モードとを有している。
【0011】
給電装置100は、
図1(a)に示すように、通信部206を介して給電装置110と通信を確立し、機器情報や給電に関するパラメータ情報等のやり取りを行う。この際、給電装置110が通信のホスト側、給電装置100が通信のスレーブ側として通信を確立する。通信確立後、給電装置100は受電モードとして動作し、受電アンテナ205を介して給電装置110から供給される電力を受電する。
【0012】
給電装置100はまた、
図1(b)に示すように、通信部206を介して受電装置120と通信を確立し、機器情報や給電に関するパラメータ情報等のやり取りを行う。この際、給電装置100が通信のホスト側、受電装置120が通信のスレーブ側として通信を確立する。通信確立後、給電装置100は給電モードとして動作し、給電アンテナ203を介して受電装置120へ電力を供給する。
【0013】
本実施形態の非接触給電システムは、通信にBluetooth(登録商標)規格を用いるものとする。すなわち、ホスト側とは、通信の接続を要求する端末であり、Bluetooth規格の「セントラル」を指す。一方、スレーブ側とは、通信の接続を待ち受ける端末であり、Bluetooth規格の「ペリフェラル」を指す。ペリフェラル側の端末は、自機の存在をセントラルに検出してもらうために「アドバタイズメント信号」を送信する。アドバタイズメント信号には、端末を特定するための名称や端末の製造元を示す情報を含む端末情報や、対応する非接触給電システムを示す情報等が含まれている。セントラル側の端末は、ペリフェラル側の端末から送信されるアドバタイズメント信号を受信した場合、接続要求信号をペリフェラル側の端末に送信し、Bluetooth規格での通信が確立される。
【0014】
給電装置100は、対向機器と通信確立時に、セントラルで通信を確立したか、ペリフェラルで通信を確立したかを判定することができるものとする。給電装置100は、2次電池から供給される電力によって動作する電子機器である。給電装置100としては、例えば、タブレット型PCやスマートフォン、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置が挙げられる。
【0015】
受電装置120は、2次電池から供給される電力によって動作する電子機器である。受電装置120としては、例えば、タブレット型PCやスマートフォン、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置、ワイヤレスイヤホン等が挙げられる。また、受電装置120は、2次電池が装着されていない場合に、給電装置100又は給電装置110から供給される電力によって動作可能な電子機器であってもよい。
【0016】
図2は、給電装置100を示す図である。給電装置100は、制御部201、給電部202、給電アンテナ203、受電部204、受電アンテナ205、通信部206、2次電池207及び記憶部208を有している。
【0017】
制御部201は、CPUを有する。制御部201は、記憶部208に格納されているコンピュータプログラムを実行することによって、給電装置100の各部の動作を制御する。記憶部208には、コンピュータプログラムの他に、給電装置100の各部の動作に関するパラメータ等の情報も記憶されている。制御部201は、例えば、電力に係る動作モードを制御する。動作モードとしては、受電モードと給電モードがある。給電モードは、給電装置100が受電装置120に電力を供給するモードである。受電モードは、給電装置110より電力を受電するモードである。制御部201は、給電モード時には、給電部202をアクティブ状態とし、受電部204をスリープ状態とするよう制御し、給電部202から電力を供給するよう制御する。本処理は給電制御処理の一例である。制御部201はまた、受電モード時には、給電部202をスリープ状態とし、受電部204をアクティブ状態とするよう制御し、受電部204が電力を受電するよう制御する。本処理は受電制御処理の一例である。
【0018】
給電部202は、制御部201と給電アンテナ203に接続され、制御部201からの制御により給電アンテナ203に電力を供給する。給電部202は、コンデンサ、コイル、抵抗等の整合調整素子で構成された整合回路を含んでいる。給電部202は、受電装置120へ送電する電力を可変に制御可能であり、制御部201の制御により所定の電力値を給電アンテナ203に供給する。
【0019】
給電アンテナ203は、給電部202により生成された電力を外部に出力するためのアンテナである。給電装置100は、給電アンテナ203を介して受電装置120に電力を供給する。給電アンテナ203は、ループアンテナであってもよいし、複数のアンテナ素子により構成されるアレイアンテナで構成されてもよい。
【0020】
受電部204は、制御部201と受電アンテナ205、2次電池207に接続される。受電部204は、受電アンテナ205で受電した給電装置110から供給された電力を受信し、受信した電力を整流平滑化して2次電池207に電力を供給し充電を行う。受電部204は、整流平滑化した電力を所定の電圧にして、制御部201と通信部206に電力を供給する構成であってもよい。また、受電部204は、受電した電力レベルの検出が可能であり、2次電池207の残量の検出も可能である。
【0021】
受電アンテナ205は、給電装置110が出力する給電電力を受信し、受電部204に供給する。受電アンテナ205は、ループアンテナであってもよいし、メアンダラインアンテナや平面マイクロストリップアンテナで構成されてもよい。
【0022】
通信部206は、無線通信用のアンテナと通信制御部により構成される。通信部206は、所定の無線通信規格に基づいて給電装置110と受電装置120と無線通信を行う。所定の無線通信規格とは、例えば、Bluetooth規格や無線LAN(Wireless Local Area Network)規格である。給電装置100は、給電装置110と受電装置120だけでなく、同じ無線通信規格に対応した電子機器であるならば無線通信が可能である。
【0023】
2次電池207は、給電装置100に内蔵されている、もしくは着脱可能な2次電池である。2次電池207は再充電可能な電池であり、例えばリチウムイオン等の電池である。2次電池207は、給電装置100の各部に対して電力を供給することができる。
【0024】
なお、給電装置110は、給電装置100より受電部204、受電アンテナ205、2次電池207を省略した構成である。また、受電装置120は、給電装置100より給電部202、給電アンテナ203を省略した構成であり、詳細な説明は割愛する。
【0025】
図3は、給電装置100による制御処理を示すフローチャートである。制御処理は、制御部201が記憶部208に格納されているプログラムを読み出し、このプログラムを実行することにより実現されるものである。S301において、制御部201は、給電装置100を受電モードで動作させるよう制御を行う。すなわち、制御部201は、動作モードを受電モードに設定する。なお、制御部201は、給電装置100を、受電装置120を給電する給電モード時以外は常に受電モードで動作させるよう制御を行う。
【0026】
次に、S302において、制御部201は、自装置の2次電池207の残容量を検出する。検出した2次電池207の残容量が第1閾値以上の場合には(S302、Yes)、処理をS303へ進める。制御部201は、2次電池207の残容量が第1閾値未満の場合には(S302、No)、受電装置120へ供給する十分な電力がないと判断し、制御処理を終了する。なお、第1閾値は予め設定された値であるものとする。
【0027】
S303において、制御部201は、通信部206を介して受電装置120と通信を確立した際に、ホスト側で通信を確立したか否かを判定する。制御部201は、ホスト側で受電装置120と通信を確立したと判定した場合には(S303、Yes)、処理をS304へ進める。制御部201は、ホスト側で受電装置120と通信を確立していないと判定した場合には(S303、No)、処理をS301へ進める。すなわち、この場合、給電装置100は、引き続き受電モードで動作する。
【0028】
S304において、制御部201は、通信部206を介して受電装置120が備える2次電池の残容量を示す情報を受信する。制御部201は、受電装置120が備える2次電池の残容量が第2閾値未満である場合には(S304、Yes)、処理をS305へ進める。制御部201は、受電装置120が備える2次電池の残容量が第2閾値以上である場合には(S304、No)、受電装置120への給電の必要がないと判断し、制御処理を終了する。なお、第2閾値は予め設定された値であるものとする。また、上述の第1閾値と第2閾値は同じ値であってもよく、また異なる値であってもよい。
【0029】
S305において、制御部201は、動作モードを受電モードから給電モードへ切り替える。本処理は、切替処理の一例である。このように、制御部201は、自装置の2次電池の残容量が第1閾値以上で、受電装置120の2次電池の残容量が第2閾値未満の場合において、ホスト側で通信を確立した場合に、給電モードに切り替える。一方で、制御部201は、自装置の2次電池の残容量が第1閾値未満の場合、受電装置120の2次電池の残容量が第2閾値以上の場合、ホスト側で通信を確立していない場合には、給電モードへの切り替えを行わないよう制御する。
【0030】
次に、S306において、制御部201は、給電部202を制御し、給電アンテナ203を介した受電装置120への電力供給を開始する。次に、S307において、制御部201は、自装置の2次電池207の残容量を検出する。制御部201は、2次電池207の残容量が第1閾値以上の場合には(S307、Yes)、処理をS308へ進める。制御部201は、2次電池207の残容量が第1閾値未満の場合には(S307、No)、受電装置120へ供給する十分な電力がないと判断し、処理をS309へ進める。
【0031】
S308において、制御部201は、通信部206を介して受電装置120が備える2次電池の残容量を示す情報を受信する。制御部201は、受電装置120が備える2次電池の残容量が第2閾値以上である場合には(S308、Yes)、処理をS309へ進める。制御部201は、受電装置120が備える2次電池の残容量が第2閾値未満である場合には(S308、No)、受電装置120への給電を継続すべく、処理をS307へ進める。S309において、制御部201は、受電装置120への給電を終了する。そして、制御部201は、動作モードを給電モードから受電モードに切り替える。以上で、制御処理は終了する。
【0032】
また、制御部201は、S303の処理で受電装置120とホスト側で通信を確立し、給電モードに設定された後に、通信が切断または終了した場合には、再度給電モードから受電モードに切り替える。
【0033】
以上のように、本実施形態においては、給電装置100は、ホスト側として受電装置120と通信を確立した場合に給電モードに切り替える。一方で、ホスト側として受電装置120との通信を確立しなかった場合には給電モードへの切り替えを行わないよう制御する。このため、不必要に給電モードへ切り替わるのを防ぐことができ、給電装置100は、効率的に給電機能と受電機能を使い分けることができる。
【0034】
また、給電装置100は、2次電池207の残容量が第1閾値未満の場合には受電モードで動作する。したがって、給電装置100の2次電池207の容量が空になることを防ぐことができる。また、給電装置100は、受電装置120の2次電池の残容量が第2閾値以上の場合には、受電モードで動作し、受電装置120への給電を行わないよう制御する。これにより、無駄な給電を防ぐことができる。以上のように、本実施形態の給電装置100は、給電モードへの変更を適切に行うことができる。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0036】
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0037】
100 給電装置
110 給電装置
120 受電装置