(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961393
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】受付システム及び受付端末
(51)【国際特許分類】
A61B 3/14 20060101AFI20211025BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20211025BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20211025BHJP
【FI】
A61B3/14
A61B5/1171 300
G06T7/00 510D
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-108088(P2017-108088)
(22)【出願日】2017年5月31日
(65)【公開番号】特開2018-201669(P2018-201669A)
(43)【公開日】2018年12月27日
【審査請求日】2020年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000112602
【氏名又は名称】フクダ電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺岡 千春
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 泰一
(72)【発明者】
【氏名】松永 豪直
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 正樹
(72)【発明者】
【氏名】今 範昭
【審査官】
増渕 俊仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開2017−000386(JP,A)
【文献】
特開2014−128620(JP,A)
【文献】
特開2009−095350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 3/00−3/18
A61B 5/06−5/22
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関の受付に設置された眼底カメラと、
個人認証部と、スクリーニング部と、前記スクリーニング部により得られたスクリーニング結果に基づいて、前記個人認証部によって認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを作成する検査オーダー作成部と、を有する受付端末と、
具備し、
前記眼底カメラは、取得した血管画像を前記個人認証部及び前記スクリーニング部の両方に出力し、
前記個人認証部及び前記スクリーニング部は、それぞれ、前記受付端末によって受付処理が行われたときに、前記眼底カメラにより得られた血管画像を用いて個人認証及びスクリーニングを行う、
受付システム。
【請求項2】
検査室に配置された検査室端末を有し、
前記検査オーダー作成部によって作成された前記スクリーニング結果に基づく前記検査コメント又は検査項目を含む検査オーダーを、前記検査室端末に送る、
請求項1に記載の受付システム。
【請求項3】
各個人の既往歴及び又は禁忌情報を格納する情報格納部を有し、
前記検査オーダー作成部は、前記情報格納部から前記個人認証部で認証された個人の既往歴及び又は禁忌情報を取得し、この情報と前記スクリーニング結果とに基づいて、前記検査コメント又は検査項目を選択する、
請求項1又は請求項2に記載の受付システム。
【請求項4】
前記眼底カメラは、眼底画像を得る眼底画像取得部と、網膜画像を得る網膜画像取得部と、を有し、
前記個人認証部は、前記網膜画像取得部によって得られた網膜画像を用いて個人認証を行い、前記スクリーニング部は、前記眼底画像取得部によって得られた眼底画像を用いてスクリーニングを行う、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の受付システム。
【請求項5】
医療機関の受付に設置された眼底カメラにより得られた血管画像を用いた個人認証を行う個人認証部と、
前記眼底カメラにより得られた血管画像を用いたスクリーニングを行うスクリーニング部と、
前記スクリーニング結果に基づいて、前記認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを作成する検査オーダー作成部と、
を具備し、
前記個人認証部及び前記スクリーニング部は、それぞれ、前記眼底カメラにより取得された血管画像を入力し、当該血管画像を用いた個人認証及びスクリーニングを行う、
受付端末。
【請求項6】
医療機関の受付に設置された受付端末と、
前記受付端末によって受付処理が行われたときに、受付を行った患者の身体の同一部位から得た生体情報に基づいて、個人認証とスクリーニングとを行う個人認証・スクリーニング部と、
前記個人認証・スクリーニング部によって認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを、前記個人認証・スクリーニング部によって得られたスクリーニング結果に基づいて作成する検査オーダー作成部と、
具備する受付システム。
【請求項7】
医療機関の受付に設置された受付端末であって、
受付を行った患者の身体の同一部位から得た生体情報に基づいて、個人認証とスクリーニングとを行う個人認証・スクリーニング部と、
前記個人認証・スクリーニング部によって認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを、前記個人認証・スクリーニング部によって得られたスクリーニング結果に基づいて作成する検査オーダー作成部と、
を具備する受付端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、病院などの医療機関で用いられる受付システム及び受付端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、定期健診などの受付を自動受付システムによって行う病院が増えてきている。自動受付システムを用いれば、受付に要する時間を短縮したり、人員を減らすことができるなどの大きなメリットがある。受付端末で受け付けた患者の情報は、病院内の医用ネットワークを介して検査室の端末に送信され、検査室の医師は端末によってこれから検査しようとする患者の情報を見ることができる。
【0003】
一方、生体認証を行う受付システムが特許文献1に記載されている。特許文献1では、主に金融機関において、受付端末において取得した受付時生体情報と登録された登録生体情報とを用いて認証を行うことにより、セキュリティの向上した受付及び順番管理を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−277136号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「生体認証のための眼底画像における血管像を用いた類似度算出法」,画像電子学会誌, Vol. 37 (2008), No. 6, P 1020-1028
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、病院での定期健診の受付に自動受付システムを導入する場合、定期健診は患者ごとに決められた検査項目をほぼ毎回行うため、新たな疾患が発生したとしても、その疾患のための検査は見落とされてしまい、行うべき検査が行われない可能性がある。
【0007】
具体的には、自動受付システムを定期健診に用いた場合を想定すると、自動受付システムの受付端末によって患者個人が認証され、認証された患者に対応した定期健診検査項目(つまり検査オーダー)が検査室の端末に送られ、検査室の医師は検査オーダーに従った検査を行う。
【0008】
ここで、人員による受付では、患者の様子や患者への聞き取りによって臨機応変に定期健診検査項目以外の検査オーダーも追加することができるが、受付端末では新たな疾病が発生していても定期健診検査項目以外の検査を臨機応変に追加することはできない。これは、人員による受付と比較した場合の自動受付システムの欠点であると考えられる。
【0009】
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、患者が必要としている検査項目を受付時に的確に選択して検査オーダーを作成することができる受付システム及び受付端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の受付システムの一つの態様は、
医療機関の受付に設置された眼底カメラと、
個人認証部と、
スクリーニング部と、前記
スクリーニング部により得られたスクリーニング結果に基づいて、前記
個人認証部によって認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを作成する検査オーダー作成部と、
を有する受付端末と、
具備
し、
前記眼底カメラは、取得した血管画像を前記個人認証部及び前記スクリーニング部の両方に出力し、
前記個人認証部及び前記スクリーニング部は、それぞれ、前記受付端末によって受付処理が行われたときに、前記眼底カメラにより得られた血管画像を用いて個人認証及びスクリーニングを行う。
【0011】
本発明の受付端末の一つの態様は、
医療機関の受付に設置された眼底カメラにより得られた血管画像を用いた個人認証を行う個人認証部と、
前記眼底カメラにより得られた血管画像を用いたスクリーニングを行うスクリーニング部と、
前記スクリーニング結果に基づいて、前記認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを作成する検査オーダー作成部と、
を具備
し、
前記個人認証部及び前記スクリーニング部は、それぞれ、前記眼底カメラにより取得された血管画像を入力し、当該血管画像を用いた個人認証及びスクリーニングを行う。
【0012】
本発明の受付システムの一つの態様は、
医療機関の受付に設置された受付端末と、
前記受付端末によって受付処理が行われたときに、受付を行った患者の身体の同一部位から得た生体情報に基づいて、個人認証とスクリーニングとを行う個人認証・スクリーニング部と、
前記個人認証・スクリーニング部によって認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを、前記個人認証・スクリーニング部によって得られたスクリーニング結果に基づいて作成する検査オーダー作成部と、
具備す
る。
【0013】
本発明の受付端末の一つの態様は、
医療機関の受付に設置された受付端末であって、
受付を行った患者の身体の同一部位から得た生体情報に基づいて、個人認証とスクリーニングとを行う個人認証・スクリーニング部と、
前記個人認証・スクリーニング部によって認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを、前記個人認証・スクリーニング部によって得られたスクリーニング結果に基づいて作成する検査オーダー作成部と、
を具備する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、受付時における患者の認証時に認証と同時にスクリーニングも行うようにしたので、患者が必要としている検査項目を受付時に的確に選択して検査オーダーを作成することができる受付システム及び受付端末を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態に係る受付システムを含む医用ネットワークシステムの全体構成を示す概略図
【
図2】実施の形態の受付システムの基本構成を示すブロック図
【
図4】実施の形態の受付システムの動作の説明に供する図
【
図5】網膜認証処理の詳しい処理内容を示すフローチャート
【
図6】スクリーニング処理の詳しい処理内容を示すフローチャート
【
図7】実施の形態の受付端末によって発行される検査オーダーの例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る受付システムを含む医用ネットワークシステムの全体構成を示す概略図である。
【0018】
図1の医用ネットワークシステム100は、HIS(Hospital Information System)端末群110と、生理検査部門システム120とがサーバー130を介してネットワーク接続されている。
【0019】
HIS端末群110は、サーバー130に格納された情報を読み出すことができるようになっている。
【0020】
生理検査部門システム120は、心電計121、ホルタ心電図解析装置122、運動負荷装置123、肺機能検査装置124、血圧脈波検査装置125、プリンタ126、スキャナ127及び検査室端末128がネットワーク接続されて構成されている。これらの装置は、生理検査室に設置されている。なお、生理検査部門システム120は、脳波計などの他の生理検査を行う検査装置が接続されてもよい。
【0021】
生理検査部門システム120の各検査装置121〜125により得られた検査結果データは、サーバー130に格納される。また、サーバー130は、各検査装置121〜125により形成された検査結果レポートを格納する。各検査装置121〜125は、所定の計算式に基づいて、検査結果の代表値や、最も悪い値などを求め、これらの値を所定のフォーマットとすることで検査結果レポートを形成し、このレポートを他の詳細な検査結果データと共にサーバー130に出力する。サーバー130に格納された検査結果データ及び検査結果レポートは、HIS端末群110や検査室端末128から閲覧することができる。
【0022】
本実施の形態の場合、サーバー130には、各患者個人の既往歴及び又は禁忌情報が格納されている。
【0023】
HIS端末群110には受付端末111が含まれている。受付端末111は病院の入口などに設置されている。受付端末111の隣には眼底カメラ140が配置されている。受付端末111は、眼底カメラ140に接続されており、眼底カメラ140により得られた眼底画像及び網膜画像を入力する。
【0024】
受付端末111は、入力した網膜画像に基づいて患者を個人認証するのに加えて、眼底画像に基づいてスクリーニングを行い、スクリーニング結果に応じて、認証された個人に対する検査メッセージ及び又は検査項目を含む検査オーダーを作成する。なお、本実施の形態では、検査メッセージのみを作成してもよく、又は検査項目のみを作成してもよく、又は検査メッセージと検査項目の両方を作成してもよい。受付端末111は、作成した検査メッセージ及び又は検査項目を含む検査オーダーを検査室端末128に送る。これにより、医師は、受付端末111によって作成された検査メッセージ及び又は検査項目を含む検査オーダーに従って検査を行うことができる。
【0025】
図2は、本実施の形態の受付システム200の基本構成を示すブロック図である。
【0026】
受付端末111は、個人認証部111−1、スクリーニング部111−2及び検査オーダー作成部111−3を有する。勿論、受付端末111は、キーボードなどの操作部や表示部なども有するが、
図2ではこれらを省略してある。
【0027】
個人認証部111−1は、眼底カメラ140により得られた網膜画像から血管パターンを検出し、血管パターンを用いて個人認証を行う。ここで、個人認証部111−1は、情報格納部としてのサーバー130に格納されている各患者の網膜の血管パターンと、眼底カメラ140によって得られた血管パターンとを照合することで個人認証を行う。
【0028】
サーバー130には、各患者の血管パターンに加えて、各患者の定期健診検査項目や、各患者の既往歴情報、各患者の禁忌情報などが格納されている。
【0029】
スクリーニング部111−2は、眼底カメラ140により得られた眼底画像を用いたスクリーニングを行う。具体的には、スクリーニング部111−2は、眼底画像から血管の狭窄をチェックし、動脈硬化の疑いがあるか否かのスクリーニングを行う。
【0030】
検査オーダー作成部111−3は、スクリーニング部111−2によるスクリーニング結果に基づいて、個人認証部111−1によって認証された個人に対する検査メッセージ及び又は検査項目を作成する。
【0031】
このとき、検査オーダー作成部111−3は、サーバー130から個人認証部111−1で認証された個人の既往歴及び又は禁忌情報を取得し、この情報とスクリーニング結果とに基づいて、検査メッセージ及び又は検査項目を選択する。このようにすることで、各患者個人に適した検査メッセージ及び又は検査項目を選択できる。検査オーダー作成部111−3は、認証された患者が定期健診の患者であれば、定期健診検査項目に、スクリーニングの結果必要であると判断した検査メッセージ及び又は検査項目を加えて検査オーダーを作成する。検査オーダー作成部111−3は、作成した検査オーダーを検査室端末128に送信する。
【0032】
図3は、眼底カメラ140の構成例を示す図である。なお、眼底カメラ140の構成はよく知られたものであり、
図3の構成例以外の構成を採用してもよい。ここでは、
図3の構成例について簡単に説明する。
【0033】
赤外線照射部1から照射された赤外線がコンデンサーレンズ2、ミラー3、リング状スリット4、リレーレンズ5、6、有穴ミラー7及び対物レンズ8を介して眼球9の眼底に入射される。眼底からの反射光は、対物レンズ8、有穴ミラー7、合焦・結像レンズ10及びハーフミラー11を介してCCDカメラ12及び受光センサ部13に入射される。CCDカメラ12によって撮像された眼底画像は、受付端末111に送られる。受光センサ部13は、いわゆる光干渉断層計(OCT)で構成されており、網膜画像を撮影する。受光センサ部13によって得られた網膜画像は、受付端末111に送られる。つまり、眼底カメラ140は、眼底画像及び網膜画像を撮像し、これらを受付端末111に送る。
【0034】
次に、本実施の形態の受付システム200の動作を、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0035】
受付システム200の受付端末111はステップS1で受付手続を開始すると、ステップS2で診察券を持参しているか否かを表示又は音声にて患者に質問する。患者によって診察券を持参していることが入力されると、受付端末111はステップS3に移って診察券の磁気やバーコードを読み取ることで個人情報を入力し、続くステップS4で個人情報を参照し、続くステップS5でIDを発行する。
【0036】
一方、受付端末111は、ステップS2において患者によって診察券を持参していないことが入力されると、ステップS2からステップS6に移る。受付端末111はステップS6で患者によるキー入力にて個人情報が入力されると、ステップS7に移って初診の患者であるか否か判断する。初診の患者である場合は、ステップS8に移って個人情報を登録し、続くステップS9でIDを発行し、続くステップS10で診察券を発行する。これに対して、受付端末111は、初診でないと判断すると、ステップS7からステップS11に移って個人情報を参照し、続くステップS12でIDを発行し、続くステップS13で診察券を過去に発行済でないと判断した場合にはステップS10に移る。
【0037】
ステップS14では眼底カメラ140が網膜画像を撮影し、続くステップS15では受付端末111が網膜認証処理を行うことで患者の個人認証を行う。ステップS16では眼底カメラ140が眼底画像を撮影し、続くステップS17では受付端末111がスクリーニング処理を行って患者に合った検査メッセージ又は検査項目を含む検査オーダーを作成しこれを検査室端末128に送信する。そして、受付端末111は、ステップS18で受付手続を終了する。
【0038】
図5は、ステップS15で行われる網膜認証処理の詳しい処理内容を示すフローチャートである。
【0039】
受付端末111の個人認証部111−1は、ステップS15−1で網膜認証処理を開始すると、ステップS15−2で眼底カメラ140から網膜画像を取得し、ステップS15−3でその画像を2値化し、ステップS15−4で特徴量を抽出する。これにより、血管パターンが得られる。個人認証部111−1は、ステップS15−5においてサーバー130に格納されている患者の血管パターンとのパターンマッチングを行い、ステップS15−6において一致した血管パターンがあるか否かを判断する。サーバー130に格納された血管パターンの中に一致する血管パターンがあった場合、ステップS15−7に移って認証処理を行う。これに対して、サーバー130に格納された血管パターンの中に一致する血管パターンがなかった場合、ステップS15−8に移って新規登録処理を行う。個人認証部111−1は、ステップS15−9で網膜認証処理を終了する。
【0040】
図6は、ステップS17で行われるスクリーニング処理の詳しい処理内容を示すフローチャートである。
【0041】
受付端末111のスクリーニング部111−2は、ステップS17−1でスクリーニング処理を開始すると、ステップS17−2で眼底カメラ140から眼底画像を取得し、ステップS17−3でモルフォロジーフィルタによるフィルタ処理を行い、ステップS17−4で正常な画像とのテンプレートマッチングを行う。スクリーニング部111−2は、ステップS17−5において眼底画像に異常があるか否か判断し、異常があった場合、ステップS17−6に移ってオーダーコメントに「動脈硬化の疑いあり」などのメッセージを選択し追加する。スクリーニング部111−2は、ステップS17−7においてサーバー130に格納されている患者の定期健診検査項目をチェックし、ステップS17−8において血圧脈波の検査が含まれているか否か判断し、含まれていない場合にはステップS17−10に移ってオーダーコメントに血圧脈波検査の実施を提案するメッセージを追加する。このように、受付端末111は、検出した異常に合わせて提案する検査を変えるようになっている。スクリーニング部111−2は、ステップS17−9でスクリーニング処理を終了する。
【0042】
図7は、本実施の形態の受付端末111によって発行される検査オーダーの例を示す図である。オーダーコメントの欄に「動脈硬化の疑いあり、血圧脈波検査を追加しますか?」の記載が追加されている。これにより、このような検査オーダー画面を検査室端末128で見た医師に、定期健診検査項目に加えて、動脈硬化の検査を行うことを促すことができる。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態によれば、受付端末111が、眼底カメラ140により得られた血管画像を用いた個人認証を行う個人認証部111−1と、眼底カメラ140により得られた血管画像を用いたスクリーニングを行うスクリーニング部111−2と、スクリーニング結果に基づいて、認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを作成する検査オーダー作成部111−3と、を有する構成としたことにより、患者が必要としている検査項目を受付時に的確に選択して検査オーダーを作成することができる受付システム200及び受付端末111を実現できる。
【0044】
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することの無い範囲で、様々な形で実施することができる。
【0045】
上述の実施の形態では、網膜画像から血管像を得、この血管像に基づいて個人認証を行うとともに、眼底画像に基づいてスクリーニングを行う場合ついて述べたが、眼底画像から血管像を得、この血管像に基づいて個人認証を行うようにしてもよい。このようにした場合、
図3の受光センサ部13を省略することができる。因みに、眼底画像血管像を得、この血管像に基づいて個人認証を行う場合には、例えば非特許文献1に記載されているような既知の方法を適用できる。
【0046】
また、上述の実施の形態では、個人認証部111−1、スクリーニング部111−2及び検査オーダー作成部111−3を受付端末111に設けた場合について述べたが、これらは受信端末とは別体に設けるようにしてもよい。つまり、受信端末は例えば
図4のステップS1〜S13に示したような一般的な受付処理を行う構成とし、個人認証部及びスクリーニング部は、受付端末によって受付処理が行われたときに、上述したような個人認証処理及びスクリーニング処理を行うようにすればよい。
【0047】
さらに、上述の実施の形態では、眼底カメラにより得られた血管画像を用いて個人認証及びスクリーニングを行う場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、受付を行った患者の身体の同一部位から得た生体情報に基づいて、個人認証とスクリーニングとを行う個人認証・スクリーニング部と、個人認証・スクリーニング部によって認証された個人に対する検査コメント及び又は検査項目を含む検査オーダーを、個人認証・スクリーニング部によって得られたスクリーニング結果に基づいて作成する検査オーダー作成部と、を設ければ、上述の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0048】
このような個人認証・スクリーニング部の実現例としては、例えば指にプローブを装着することでSpO
2を測定するパルスオキシメーターに、指紋センサーを組み込むようにすればよい。このようにすれば、受付を行った患者の身体の同一部位(指)から得た生体情報に基づいて、個人認証とスクリーニングとを行うことができるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、病院などの医療機関における医用ネットワークシステムに組み込まれる受付システム及び受付端末として有用である。
【符号の説明】
【0050】
100 医用ネットワークシステム
110 HIS端末群
111 受付端末
111−1 個人認証部
111−2 スクリーニング部
111−3 検査オーダー作成部
120 生理検査部門システム
128 検査室端末
130 サーバー
140 眼底カメラ
200 受付システム