特許第6961430号(P6961430)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961430
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】電源装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/28 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
   H02M3/28 B
   H02M3/28 H
【請求項の数】10
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-181236(P2017-181236)
(22)【出願日】2017年9月21日
(65)【公開番号】特開2019-58003(P2019-58003A)
(43)【公開日】2019年4月11日
【審査請求日】2020年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】志村 泰洋
(72)【発明者】
【氏名】淺野 裕基
【審査官】 東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−112798(JP,A)
【文献】 特開2002−354797(JP,A)
【文献】 特開2008−146189(JP,A)
【文献】 特開2010−154618(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00−3/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次巻線、2次巻線及び補助巻線を有するトランスと、
入力電圧から前記1次巻線に供給される電力を制御するスイッチング素子と、
前記2次巻線に誘起された電圧を整流平滑し出力電圧を出力するための整流平滑手段と、
前記出力電圧のフィードバック制御を行うフィードバック手段と、
前記フィードバック手段によるフィードバック制御に基づいて前記スイッチング素子のオン又はオフを制御するスイッチング制御を行う制御手段と、
を備える電源装置であって、
前記入力電圧を変換した第1の電圧を前記制御手段に供給する起動回路を備え、
前記制御手段は、クロック信号に基づく演算を行う演算手段を有し、
前記制御手段が起動されると、前記制御手段は、前記起動回路から前記第1の電圧供給され、
前記制御手段は、前記スイッチング制御を開始する前の演算期間において前記演算手段により前記スイッチング制御を開始するための演算を行い、前記演算期間とは異なるスイッチング期間において前記スイッチング制御を実行し、
前記制御手段は、前記演算期間の少なくとも一部の期間において、前記クロック信号のクロック周波数を前記スイッチング期間におけるクロック周波数よりも低くして前記演算手段による演算を行うことにより、前記スイッチング期間と比較して前記演算手段により消費される電力を低減させるように制御することを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記演算手段による演算が終了すると、前記クロック周波数を前記スイッチング制御時のクロック周波数にして前記スイッチング制御を開始することを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項3】
1次巻線、2次巻線及び補助巻線を有するトランスと、
入力電圧から前記1次巻線に供給される電力を制御するスイッチング素子と、
前記2次巻線に誘起された電圧を整流平滑し出力電圧を出力するための整流平滑手段と、
前記出力電圧のフィードバック制御を行うフィードバック手段と、
前記フィードバック手段によるフィードバック制御に基づいて前記スイッチング素子のオン又はオフを制御するスイッチング制御を行う制御手段と、
を備える電源装置であって、
前記入力電圧を変換した第1の電圧を前記制御手段に供給する起動回路を備え、
前記制御手段は、クロック信号に基づく演算を行う演算手段を有し、
前記制御手段が起動されると、前記制御手段には、前記起動回路から前記第1の電圧が供給され、
前記制御手段は、前記スイッチング制御を開始する前の演算期間において前記演算手段により前記スイッチング制御を開始するための演算を行い、前記演算期間とは異なるスイッチング期間において前記スイッチング制御を実行し、
前記制御手段は、前記演算期間における前記クロック信号のクロック周波数を前記スイッチング期間におけるクロック周波数として前記演算手段による演算を行い、前記スイッチング制御を開始する直前の所定の期間において前記クロック周波数を前記スイッチング期間におけるクロック周波数よりも低くすることにより、前記スイッチング期間と比較して前記演算手段により消費される電力を低減させるように制御することを特徴とする電源装置。
【請求項4】
前記クロック信号が前記演算手段に送信される信号線上に、前記クロック信号の供給を接続又は切断するスイッチを有し、
前記制御手段は、前記演算期間において前記クロック信号のクロック周波数を前記スイッチング制御時のクロック周波数よりも低くして前記演算手段による演算を行い、前記スイッチング制御を開始する直前の所定の期間において前記スイッチをオフすることにより前記消費される電力を低減させることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項5】
前記第1の電圧が前記演算手段に供給されるライン上に、前記第1の電圧の供給を接続又は切断するスイッチを有し、
前記制御手段は、前記演算期間において前記クロック信号のクロック周波数を前記スイッチング制御時のクロック周波数よりも低くして前記演算手段による演算を行い、前記スイッチング制御を開始する直前の所定の期間において前記スイッチをオフすることにより前記消費される電力を低減させることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記所定の期間が経過すると、前記クロック周波数を前記スイッチング制御時のクロック周波数にして前記スイッチング制御を開始することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項7】
前記第1の電圧を検知する検知手段を備え、
前記制御手段は、前記検知手段により検知した前記第1の電圧が所定の電圧以上となったことを検知すると、前記クロック周波数を前記スイッチング制御時のクロック周波数にして前記スイッチング制御を開始することを特徴とする請求項から請求項のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記スイッチング制御を開始すると、前記補助巻線に誘起された電圧が整流平滑された第2の電圧が供給されることを特徴とする請求項、請求項、請求項のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項9】
前記第1の電圧は、前記第2の電圧よりも低く、
前記起動回路は、前記スイッチング制御が開始されると動作を停止することを特徴とする請求項に記載の電源装置。
【請求項10】
記録材に画像形成を行う画像形成手段と、
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の電源装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
商用電源等の交流電源の交流電圧を直流電圧に変換するスイッチング電源は、スイッチング電源に交流電圧が接続されると、まず起動回路からスイッチング制御を開始するための電圧が供給され、スイッチング制御を開始することができる。起動回路の公知例として、例えば特許文献1のような回路が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−244602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スイッチング電源の制御部にクロックで動作する制御部等を用いる場合、次のような課題がある。まず、このような制御部では、スイッチング制御を開始する前に演算部が演算制御を行う期間が必要なため、起動回路の回路規模が大きくなる。したがって、起動回路から制御部に供給される電力が大きくなってしまう。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、電源装置における起動回路が供給する必要のある電力を低減し、起動回路の回路規模を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
【0007】
(1)1次巻線、2次巻線及び補助巻線を有するトランスと、入力電圧から前記1次巻線に供給される電力を制御するスイッチング素子と、前記2次巻線に誘起された電圧を整流平滑し出力電圧を出力するための整流平滑手段と、前記出力電圧のフィードバック制御を行うフィードバック手段と、前記フィードバック手段によるフィードバック制御に基づいて前記スイッチング素子のオン又はオフを制御するスイッチング制御を行う制御手段と、を備える電源装置であって、前記入力電圧を変換した第1の電圧を前記制御手段に供給する起動回路を備え、前記制御手段は、クロック信号に基づく演算を行う演算手段を有し、前記制御手段が起動されると、前記制御手段は、前記起動回路から前記第1の電圧供給され、前記制御手段は、前記スイッチング制御を開始する前の演算期間において前記演算手段により前記スイッチング制御を開始するための演算を行い、前記演算期間とは異なるスイッチング期間において前記スイッチング制御を実行し、前記制御手段は、前記演算期間の少なくとも一部の期間において、前記クロック信号のクロック周波数を前記スイッチング期間におけるクロック周波数よりも低くして前記演算手段による演算を行うことにより、前記スイッチング期間と比較して前記演算手段により消費される電力を低減させるように制御することを特徴とする電源装置。
(2)1次巻線、2次巻線及び補助巻線を有するトランスと、入力電圧から前記1次巻線に供給される電力を制御するスイッチング素子と、前記2次巻線に誘起された電圧を整流平滑し出力電圧を出力するための整流平滑手段と、前記出力電圧のフィードバック制御を行うフィードバック手段と、前記フィードバック手段によるフィードバック制御に基づいて前記スイッチング素子のオン又はオフを制御するスイッチング制御を行う制御手段と、を備える電源装置であって、前記入力電圧を変換した第1の電圧を前記制御手段に供給する起動回路を備え、前記制御手段は、クロック信号に基づく演算を行う演算手段を有し、前記制御手段が起動されると、前記制御手段には、前記起動回路から前記第1の電圧が供給され、前記制御手段は、前記スイッチング制御を開始する前の演算期間において前記演算手段により前記スイッチング制御を開始するための演算を行い、前記演算期間とは異なるスイッチング期間において前記スイッチング制御を実行し、前記制御手段は、前記演算期間における前記クロック信号のクロック周波数を前記スイッチング期間におけるクロック周波数として前記演算手段による演算を行い、前記スイッチング制御を開始する直前の所定の期間において、前記クロック周波数を前記スイッチング期間におけるクロック周波数よりも低くすることにより、前記スイッチング期間と比較して前記演算手段により消費される電力を低減させるように制御することを特徴とする電源装置。
(3)記録材に画像形成を行う画像形成手段と、前記(1)又は前記(2)に記載の電源装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電源装置における起動回路が供給する必要のある電力を低減し、起動回路の回路規模を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例1の電源回路の概略図
図2】実施例1の電源回路の起動時の制御シーケンスを示す図
図3】実施例1の電源回路の起動時の処理を示すフローチャート
図4】実施例2の電源回路の起動時の制御シーケンスを示す図
図5】実施例2の電源回路の起動時の処理を示すフローチャート
図6】実施例1〜3の制御部を示すブロック図
図7】実施例3の電源回路の起動時の制御シーケンスを示す図
図8】実施例3の電源回路の起動時の処理を示すフローチャート
図9】実施例4の画像形成装置の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【実施例1】
【0012】
[電源装置]
図1は実施例1のスイッチング電源100の概略図を示している。商用電源等の交流電源10は交流電圧を出力しており、全波整流手段として用いられるブリッジダイオードBD1とコンデンサC3で整流された入力電圧Vinはスイッチング電源100に入力されている。コンデンサC3の低い側の電位をDCL、高い側の電位をDCHとする。スイッチング電源100は、入力電圧Vinから、絶縁された2次側へ出力電圧Voutを出力する。実施例1では、例えば24Vの一定電圧を出力電圧Voutとする。
【0013】
スイッチング電源100は、アクティブクランプ回路を有するフライバック出力を用いた絶縁型コンバータであり、1次側に1次巻線P1、補助巻線P2と、2次側に2次巻線S1を備えた絶縁型のトランスT1を有している。トランスT1の1次巻線P1から、2次巻線S1への電力供給は、次の動作によって行っている。すなわち、スイッチング素子である電界効果トランジスタ1(以下、FET1とする)と電界効果トランジスタ2(以下、FET2とする)を、デッドタイムを設けて交互にオンオフするスイッチング動作によって行っている。なお、実施例1で用いるスイッチング電源の方式は、スイッチング電源100の電源方式以外でもよい。トランスT1の補助巻線P2は、1次巻線P1に印加された入力電圧Vinのフォワード電圧をダイオードD4及びコンデンサC4で整流平滑し、電源電圧V1を供給するために用いられる。なお、補助巻線P2から出力される電源電圧V1は、フォワード電圧の代わりに、フライバック電圧を用いてもよい。
【0014】
スイッチング電源100の1次側には、FET1がトランスT1の1次巻線P1に直列に接続されている。また、電圧クランプ用のコンデンサC2とFET2とが直列に接続されており、コンデンサC2とFET2とが直列に接続された回路が、トランスT1の1次巻線P1と並列に接続されている。スイッチング電源100は、FET1及びFET2の制御手段として、制御部110及びFET駆動回路120を有している。FET1と並列に接続された電圧共振用のコンデンサC1は、FET1及びFET2がオフされたときの損失を低減するために設けられている。ダイオードD1は、FET1のボディーダイオードである。同様に、ダイオードD2はFET2のボディーダイオードである。
【0015】
スイッチング電源100の2次側には、トランスT1の2次巻線S1に誘起されたフライバック電圧の2次側の整流平滑手段としてダイオードD11及びコンデンサC11を有している。また、スイッチング電源100の2次側には、2次側に出力される電源電圧Vout(出力電圧)を1次側にフィードバックするために用いられるフィードバック手段としてフィードバック回路150を有している。
【0016】
実施例1では、制御手段である制御部110として、図6(A)に示す、クロック発振部115によって生成されたクロック信号で動作する、デジタル制御回路(CPU、ASIC等)を用いている。制御部110の詳細は実施例3の図6で説明する。スイッチング電源100の制御部110に、CPU等のデジタル制御部を用いることで、制御信号DS1及び制御信号DS2の複雑な波形制御を安価な集積回路で実現できる。制御部110のVC端子とG端子の間には、後述するLDO160によって生成された電源電圧V2が供給されている。制御部110は、FB端子に入力された電圧信号(以下、FB端子電圧という)に基づき、制御信号DS1(FET1の駆動信号)及び制御信号DS2(FET2の駆動信号)を出力している。これにより、制御部110は、FET駆動回路120を介して、FET1及びFET2の制御を行っている。
【0017】
FET駆動回路120は、制御信号DS1に従いFET1のゲート駆動信号DLを、制御信号DS2に従いFET2のゲート駆動信号DHを生成する回路である。FET駆動回路120のVC端子とG端子の間には、電源電圧V1が供給されている。また、FET2を駆動するため、コンデンサC5及びダイオードD5で構成されるチャージポンプ回路によって、FET駆動回路120のVH端子とGH端子の間に電源電圧V1が供給されている。FET駆動回路120は、制御信号DS1がハイレベルになると、FET1のゲート駆動信号DLをハイレベルとし、FET1はオン状態となる。同様に、制御信号DS2がハイレベルになると、FET2のゲート駆動信号DHをハイレベルとし、FET2はオン状態となる。
【0018】
起動回路130は3端子レギュレータであり、入力電圧Vinから電源電圧V1を出力している。起動回路130は補助巻線P2から供給される電源電圧V1が所定の電圧値以下の場合にのみ動作する回路であり、スイッチング電源100の起動時に電源電圧V1を供給するために用いられる。起動回路130では、補助巻線P2から供給される電源電圧V1が上昇すると、ツェナーダイオードZD31で決定されるFET31のゲート端子の電圧と、FET31のソース端子との電位差がなくなるため、FET31が停止する。これにより、起動回路130は、補助巻線P2からの電源電圧V1が所定の電圧値を超えると停止する。補助巻線P2から供給される電源電圧V1は、入力電圧Vinと1次巻線P1と補助巻線P2との巻線比によって決定される。1次巻線P1と補助巻線P2との巻線比は、電源電圧V1が所定の電圧値を超えると起動回路130を停止することができるように設定されている。
【0019】
起動回路130は、抵抗R31、R32から供給される電流をFET31が制御することで、電源電圧V1に、入力電圧Vinを変換した第1の電圧である所定の一定電圧を出力する回路である。FET31は、抵抗R33から供給されるゲート電圧によって動作している。FET31のゲート電圧は、ツェナーダイオードZD31によって一定電圧に保持されるため、FET31は、電源電圧V1に所定の一定電圧を出力することができる。コンデンサC32はノイズ防止用のコンデンサである。また、FET31のソース端子とコンデンサC3の低電位DCLとの間にはコンデンサC31が接続されている。コンデンサC31は、起動回路130の出力電圧である電源電圧V1のための平滑コンデンサである。
【0020】
前述したように、起動回路130は、スイッチング電源100の起動時のみ動作する回路である。FET1及びFET2のスイッチング制御が開始され、補助巻線P2から電源電圧V1に電力が供給される状態になると、起動回路130の出力電圧は、補助巻線P2から供給される出力電圧よりも低いため、FET31はオフ状態となる。これにより、抵抗R31及び抵抗R32に電流が流れなくなるため、起動回路130による消費電力を低減できる。
【0021】
リセットIC140は、電源電圧V2の電圧が所定の電圧値より低い場合に、Reset信号をローレベルにする。これにより、制御部110をリセット状態で保持し、電源電圧V2の電圧が上昇し、制御部110が動作できる電圧(3.3V)になってから、制御部110を起動させることができる。抵抗R41は、リセットIC140のReset端子を充電するための抵抗である。
【0022】
フィードバック回路150は、電源電圧Voutを所定の一定電圧に制御するために用いられる。電源電圧Voutの電圧値は、シャントレギュレータIC5のリファレンス端子REFの基準電圧、抵抗R52及び抵抗R53によって設定される。そして、電源電圧Voutの電圧が所定の電圧(ここでは24V)より高くなるとシャントレギュレータIC5のカソード端子Kから電流が流れ、プルアップ抵抗R51を介してフォトカプラPC5の2次側ダイオードが導通する。その後フォトカプラPC5の1次側トランジスタが動作すると、コンデンサC6から電荷が放電され、制御部110のFB端子電圧が低下する。また、電源電圧Voutの電圧が24Vより低くなると、電源電圧V2から抵抗R2を介してコンデンサC6に充電電流が流れるため、制御部110のFB端子電圧が上昇する。制御部110は、FB端子電圧を検知することで、電源電圧Voutを所定の一定電圧に制御するためのフィードバック制御を行っている。このように、FB端子電圧を監視することによって、電源電圧Voutの電圧を間接的にフィードバック制御できる。
【0023】
LDO160は3端子レギュレータである。LDO160は、LDO160のVC端子とG端子間に入力された電源電圧V1から、OUT端子に電源電圧V2を出力している。LDO160は、制御部110の動作に最適な低電圧(3.3V)を、電源電圧V2として出力している。
【0024】
[スイッチング電源の起動時の動作]
図2には、スイッチング電源100の起動時の動作を説明するシーケンスを示す。図2の(a)には制御部110のクロック信号のクロック速度(以下、クロック周波数とする)、(b)には電源電圧V1、(c)には電源電圧V2を示している。また、(d)にはリセットIC140から出力されるReset信号をそれぞれ示しており、横軸は全て時間(秒(sec))である。図2の(b)(c)に示すように、スイッチング電源100に入力電圧Vinが供給されると、起動回路130が動作し、電源電圧V1及び電源電圧V2の電圧が上昇し始める。図2(d)に示すように、電源電圧V2に電圧が供給されると、リセットIC140が動作し、Reset信号をローレベルにし(タイミングt1)、制御部110をリセット状態で保持する。電源電圧V2の電圧が上昇し、所定の時間が経過すると、Reset信号はハイレベルとなり、制御部110の動作が開始される(タイミングt2)。Reset信号がローレベルの期間(すなわち、制御部110がリセット状態となっている期間)(t1〜t2)を、リセット期間という。
【0025】
図2(a)に示すように、制御部110はリセット状態が解除されると、制御部110のクロック周波数が低い状態(クロック速度が遅い状態)で、スイッチング制御開始前の演算制御を開始する。タイミングt2におけるクロック周波数をF1とする。制御部110のクロック周波数が低い期間を、スイッチング制御開始前の演算制御期間という。この演算制御期間において、制御部110はスイッチング制御のパラメータ(FET1及びFET2のオン時間等)や、図6で説明する、制御部110の内部回路の初期設定を行い、スイッチング制御期間に移行するために必要な演算処理を行う。なお、制御部110の内部回路には、図6で後述するタイマー制御部116、PWM出力部117、AD変換部114等が含まれる。
【0026】
制御部110がスイッチング制御期間に移行できる状態になると、制御部110のクロック周波数を演算制御期間よりも高く(クロック速度を速く)し、FET1及びFET2のスイッチング制御を開始する(タイミングt3)。タイミングt3におけるクロック周波数、すなわちスイッチング制御時のクロック周波数をF2とする(F2>F1)。FET1及びFET2の制御が開始され、スイッチング制御が行われている期間をスイッチング制御期間という。スイッチング制御が開始される状態になると、補助巻線P2から電源電圧V1が供給される状態となり、図2の(b)に示すように、電源電圧V1は起動回路130からの出力電圧より高い電圧に上昇する。なお、LDO160は、起動回路130からの電源電圧V1によっても、また、補助巻線P2からの電源電圧V1によっても動作することができる。起動回路130の電源電圧V1よりも補助巻線P2の電源電圧V1が高い電圧に上昇すると、上述したようにFET31がオフされ、起動回路130からの出力が停止される状態となる。
【0027】
[スイッチング電源の起動処理]
図3は制御部110による、スイッチング電源100の起動時の動作を説明するフローチャートである。制御部110は、スイッチング制御が開始される前の期間の少なくとも一部の期間において演算部111により消費される電力を低減させるように制御する。実施例1では、演算制御期間において消費電力を低減させるよう制御する。交流電源10がスイッチング電源100に接続され、制御部110のリセットが解除される状態(図2のタイミングt2)になると、ステップ(以下、Sとする)11以降の処理が開始される。
【0028】
S11で制御部110は、クロック発振部115のクロック周波数を、スイッチング制御期間のクロック周波数F2(第1のクロック周波数)に比べて低いクロック周波数F1(第2のクロック周波数)にする(クロック周波数を下げる)。なお、スイッチング制御期間において、制御部110が複数のクロック周波数を用いて制御を行っている場合には、次のように制御する。すなわち、スイッチング電源100は、少なくともスイッチング制御期間における最大のクロック周波数よりも、スイッチング制御開始前の演算制御期間におけるクロック周波数を低くする。
スイッチング制御開始前のクロック周波数<スイッチング制御期間の最大のクロック周波数
【0029】
S12で制御部110は、図2で説明したスイッチング制御開始前の演算制御を演算部111により行う。S13で制御部110は、クロック発振部115のクロック周波数を、スイッチング制御期間のクロック周波数F2まで上げる(タイミングt3)。S14で制御部110は、FET1及びFET2のスイッチング制御を開始し、制御部110による起動時の制御を終了する。
【0030】
このように、スイッチング電源100の起動時に、制御部110のクロック発振部115のクロック周波数を低くして、低消費電力で起動時の制御、すなわち演算部111による演算処理を行う。これにより、制御部110の起動時に起動回路130が供給する電力、言い換えれば演算部111により消費される電力を低減することができる。よって、起動回路130の回路規模を低減することができ、抵抗R31、抵抗R32の電力定格や、FET31の電力定格を低減できる。
【0031】
以上、実施例1によれば、電源装置における起動回路が供給する必要のある電力を低減し、起動回路の回路規模を低減することができる。
【実施例2】
【0032】
実施例2で説明する制御方法では、実施例1で説明した制御方法に対して、スイッチング電源100の起動時に、制御部110のクロック発振部115のクロック周波数を下げるタイミングが異なる。実施例1と同様の制御については、同一符号を用いて説明を省略する。
【0033】
[スイッチング電源の起動時の動作]
図4には、スイッチング電源100の起動時の動作を説明するシーケンスを示す。図4の(a)〜(d)は、図2の(a)〜(d)と同様であり、グラフの見方の説明を省略する。図4(a)に示すように、制御部110はリセット状態が解除されると(タイミングt2)、制御部110のクロック周波数が高い状態(例えば、スイッチング制御期間のクロック周波数F2)で、スイッチング制御開始前の演算制御を開始する。
【0034】
制御部110が高いクロック周波数で、演算部111がスイッチング制御開始前の演算制御を開始すると、起動回路130が出力可能な電流に対して、制御部110における消費電流が大きくなる。このため、図4の(b)に示すように、電源電圧V1は徐々に低下してしまう(図4の(b)タイミングt2以降)。電源電圧V1が所定の電圧以下に低下してしまうと、FET駆動回路120が動作できない状態になるため、スイッチング制御期間へ移行できなくなる。図4(a)に示すように、スイッチング制御開始前の演算制御が終了した(タイミングt4)後に、制御部110の動作クロックを低下させた状態で、制御部110に保存された所定期間、動作クロックを低下させた状態を保持する。なお、動作クロックを低下させた状態のときのクロック周波数をF3とする。例えばクロック周波数F3は、制御部110によって設定できるクロック周波数の中で最低のクロック周波数(例えば、100kHz等)に設定される。これにより、電源電圧V1の電圧値が上昇するように制御を行う(図4(b)t4〜t5)。タイミングt4からタイミングt5の期間を、電源電圧V1の上昇待ち時間という。上昇待ち時間は、予め測定され、図6で後述するFLASHやROM等の記憶部113に記憶されている。なお、タイミングt5は上昇待ち期間が経過してスイッチング制御を開始するタイミングである。
【0035】
なお、制御部110の動作クロックを低下させた状態を、所定期間、保持する代わりに次のように制御してもよい。例えば、図6で後述する、検知手段である制御部110のAD変換部114を用いて、電源電圧V1の電圧値が所定の電圧以上になったことを検知してから、スイッチング制御期間への移行を行ってもよい。
【0036】
[スイッチング電源の起動処理]
図5は制御部110による、スイッチング電源100の起動時の動作を説明するフローチャートである。制御部110は、スイッチング制御が開始される前の期間の少なくとも一部の期間において演算部111により消費される電力を低減させるように制御する。実施例2では、スイッチング制御が開始される直前の上昇待ち期間において消費電力を低減させるよう制御する。交流電源10がスイッチング電源100に接続され、制御部110のリセットが解除される状態になると(タイミングt2)、S21以降の処理が開始される。
【0037】
S21で制御部110は、クロック発振部115のクロック周波数を、スイッチング制御期間のクロック周波数F2と同じ、高いクロック周波数で制御する。S22で制御部110は、演算部111によりスイッチング制御開始前の演算制御を行う。S23で制御部110は、クロック発振部115のクロック周波数をスイッチング制御期間のクロック周波数F2より低いクロック周波数F3にする。S24で制御部110は、クロック発振部115のクロック周波数を低い状態(F3)で一定期間、保持した後、制御部110のクロック周波数を高くする(F2)制御を行う。なお、上述したように、電源電圧V1の電圧値が所定値まで上昇したタイミングで制御部110のクロック周波数を上げてもよい。S25で制御部110は、FET1及びFET2のスイッチング制御を開始し、制御部110による起動時の制御を終了する。
【0038】
このように、スイッチング電源100の起動時に、スイッチング制御期間に移行する直前のタイミングにおいて、制御部110のクロック発振部115のクロック周波数を下げる。これにより、制御部110の演算処理によって一時的に低下した電源電圧V1の電圧を上昇させることができる。よって、起動回路130が供給可能な電力が低い場合においても、スイッチング電源100を起動させることができる。よって、起動回路130の回路規模を低減することができ、抵抗R31、抵抗R32の電力定格や、FET31の電力定格を低減できる。
【0039】
以上、実施例2によれば、電源装置における起動回路が供給する必要のある電力を低減し、起動回路の回路規模を低減することができる。
【実施例3】
【0040】
実施例3で説明する制御方法では、実施例1で説明した制御方法に対して、スイッチング電源100の起動時に、スイッチング制御を開始する直前のタイミングにおいて、図6で説明するスリープ制御用のスイッチ119をオフ状態にする。これにより、制御部110の消費電力を更に低くする低消費電力モードへ移行させる点が異なっている。実施例1と同様の制御については、同一符号を用いて説明を省略する。
【0041】
[制御部110の構成]
図6(A)では、実施例1〜3で用いることができる、制御部110の説明を行う。制御部110はブロック1とブロック2に分割されている。ブロック1には、クロック発振部115、タイマー制御部116、PWM出力部117を有している。ブロック2には、演算部111、RAM等の記憶部112、FLASH、ROM等の記憶部113、AD変換部114を有している。制御部110は、例えば1チップの集積回路で形成されたマイクロコンピュータである。
【0042】
演算手段である演算部111は、クロック発振部115のクロック信号に基づき動作しており、記憶部113に記憶された命令及びデータを、記憶部112に読み込んだうえで、逐次演算を行う。演算部111は、AD変換部114が検知したFB端子電圧に基づき、PWM出力部117から出力される制御信号DS1、DS2の設定値(例えば、制御開始タイミング、周期、デューティ)を制御する。これにより、制御部110は、FET1及びFET2の制御を行っている。タイマー制御部116は、図4図7で示した、電源電圧V1の上昇待ち期間の時間計測や、PWM出力を行うために用いられるタイマーである。
【0043】
次に、制御部110のブロック1及びブロック2について説明を行う。ブロック1には、常時、電源電圧V2が供給されている。ブロック1に配置された機能部であるクロック発振部115、タイマー制御部116、PWM出力部117は、スリープ制御用のスイッチ119のオフ状態(制御部110のスリープ状態)においても、動作を継続できる。制御部110のブロック2は、スリープ制御用のスイッチ119のオン状態時にのみ動作することができる。
【0044】
クロック発振部115から出力されたクロック信号の供給を接続又は切断するスリープ制御用のスイッチ119は、クロック信号が送信される信号線上に設けられている。スリープ制御用のスイッチ119のオフ状態(制御部110のスリープ状態)においては、ブロック2にクロック信号が供給されない状態となる。そのため、制御部110では、ブロック2に配置された機能部による消費電力を低減できる。
【0045】
スリープ制御用のスイッチ119は、ブロック2の演算部111によってオフ状態(OFF)とすることができ、ブロック1のタイマー制御部116によってオン状態(ON)とすることができる。実施例3の制御部110の制御は、図7で説明するスイッチング制御期間に移行する直前のタイミングにおいて、演算部111によって、スリープ制御用のスイッチ119をオフ状態とし、ブロック2へのクロック信号の供給を停止する。そして、制御部110は、スリープ制御用のスイッチ119をオンするタイミングをタイマー制御部116で設定している。
【0046】
また、制御部110の代わりに用いることができる類似の方法として、図6(B)の制御部810に示すように、クロック信号を停止する代わりに、次のような構成とすることができる。起動回路130から出力された電源電圧V1が変換された電源電圧V2の供給を接続又は切断するスリープ制御用のスイッチ119は、電源電圧V2が供給されるライン上に設けられている。スリープ制御用のスイッチ119をオフすることで、ブロック2に配置された機能部に供給される電源電圧V2を停止することでも、ブロック2の回路の消費電力を低減することができる。図6(B)は、図6(A)でクロック信号を伝送する信号線にスイッチ119が設けられていた点に対して、電源電圧V2を供給するラインにスイッチ119が設けられている点において異なる。図6(B)について図6(A)と同じ構成には同じ符号を付し、説明を省略する。
【0047】
[スイッチング電源の起動時の動作]
図7には、スイッチング電源100の起動時の動作を説明するシーケンスを示す。制御部110は、スイッチング制御が開始される前の期間の少なくとも一部の期間において演算部111により消費される電力を低減させるように制御する。実施例3では、演算制御期間とスイッチング制御が開始される直前の上昇待ち期間において消費電力を低減させるよう制御する。図7の(a)〜(d)は図2の(a)〜(d)と同様であり、グラフの見方の説明を省略する。図7(a)に示すように、制御部110はリセット状態が解除されると(タイミングt2)、制御部110のクロック周波数が低い状態(例えばF4)で、スイッチング制御開始前の演算制御を開始する。実施例3の制御方法では、起動回路130の出力可能な電力が更に低い場合を想定している。このため、制御部110が低速クロックの状態であっても、演算制御期間における電源電圧V1は徐々に低下してしまう(図7(a)タイミングt2以降)。電源電圧V1が所定の電圧以下に低下してしまうと、FET駆動回路120が動作できない状態になるため、スイッチング制御期間へ移行できなくなる。実施例3では、図6で説明した制御部110のスリープ制御用のスイッチ119をオフ状態にすることで、制御部110の消費電力を更に低減させるモードに所定時間、移行させる。これにより、図7(a)に示すように、演算制御期間において一時的に低下した電源電圧V1の電圧値が上昇できるように制御する。タイミングt6からタイミングt7を電源電圧V1の上昇待ち期間とする。実施例3の上昇待ち時間は、実施例2の上昇待ち時間がクロック周波数を低下させた点に対して、スイッチ119をオフ状態としている点において異なる。なお、タイミングt7は上昇待ち期間が経過してスイッチ119がオンされ、スイッチング制御を開始するタイミングである。
【0048】
このように、スイッチング制御期間に移行する前に、スリープ制御用のスイッチ119をオフ状態にする方法を用いることで、起動回路130の出力可能な電流が更に低い場合にも対応した、起動時の制御を行うことができる。
【0049】
[スイッチング電源の起動処理]
図8は制御部110による、スイッチング電源100の起動時の動作を説明するフローチャートである。交流電源10がスイッチング電源100に接続され、制御部110のリセットが解除される状態になると(タイミングt2)、S31以降の処理が開始される。
【0050】
S31で制御部110は、クロック発振部115のクロック周波数を、スイッチング制御期間のクロック周波数よりも低く(F4)する(クロック周波数を下げる)。S32で制御部110は、演算部111によりスイッチング制御開始前の演算制御を行う。S33で制御部110は、スリープ制御用のスイッチ119をオフ状態にすることで、制御部110を更に消費電力の低いモードに遷移させる(タイミングt6)。S34で制御部110は、スリープ制御用のスイッチ119を所定時間、オフ状態に保持した後、スリープ制御用のスイッチ119をオン状態にする(タイミングt7)。なお、スイッチ119をオフ状態に保持するための所定時間は、実施例2と同様に、予め測定され、記憶部113に記憶されている。また、実施例2と同様に、電源電圧V1の電圧値が所定値まで上昇したタイミングでスイッチ119をオン状態にするようにしてもよい。S35で制御部110は、クロック周波数を高い状態(F2)に遷移させる(クロック周波数を上げる)。S36で制御部110は、FET1及びFET2のスイッチング制御を開始し、制御部110による起動時の制御を終了する。
【0051】
このように、スイッチング電源100の起動時に、スイッチング制御期間に移行する直前に、スリープ制御用のスイッチ119を用いて、更に制御部110の消費電力を低減した状態にする。これにより、制御部110の起動時に起動回路130が供給する必要のある電力を低減することができる。よって、起動回路130の回路規模を低減することができ、抵抗R31、抵抗R32の電力定格や、FET31の電力定格を低減できる。
【0052】
以上、実施例3によれば、電源装置における起動回路が供給する必要のある電力を低減し、起動回路の回路規模を低減することができる。
【実施例4】
【0053】
実施例1〜3で説明した電源装置であるスイッチング電源100は、例えば画像形成装置の低圧電源、すなわちコントローラ(制御部)やモータ等の駆動部へ電力を供給する電源として適用可能である。以下に、実施例1〜3の電源装置が適用される画像形成装置の構成を説明する。
【0054】
[画像形成装置の構成]
画像形成装置の一例として、レーザビームプリンタを例にあげて説明する。図9に電子写真方式のプリンタの一例であるレーザビームプリンタの概略構成を示す。レーザビームプリンタ300は、静電潜像が形成される像担持体としての感光ドラム311、感光ドラム311を一様に帯電する帯電部317(帯電手段)、感光ドラム311に形成された静電潜像をトナーで現像する現像部312(現像手段)を備えている。そして、感光ドラム311に現像されたトナー像をカセット316から供給された記録材としてのシート(不図示)に転写部318(転写手段)によって転写して、シートに転写したトナー像を定着器314で定着してトレイ315に排出する。この感光ドラム311、帯電部317、現像部312、転写部318が画像形成部である。また、レーザビームプリンタ300は、実施例1〜3で説明したスイッチング電源100に相当する電源装置400を備えている。なお、実施例1〜3の電源装置400を適用可能な画像形成装置は、図9に例示したものに限定されず、例えば複数の画像形成部を備える画像形成装置であってもよい。更に、感光ドラム311上のトナー像を中間転写ベルトに転写する一次転写部と、中間転写ベルト上のトナー像をシートに転写する二次転写部を備える画像形成装置であってもよい。
【0055】
レーザビームプリンタ300は、画像形成部による画像形成動作や、シートの搬送動作を制御するコントローラ320を備えている。実施例1〜3に記載の電源装置400の出力電圧Vout(例えば24V)は、感光ドラム311を回転するため又はシートを搬送する各種ローラ等を駆動するためのモータ等の駆動部に供給される。 以上、実施例4によれば、電源装置における起動回路が供給する必要のある電力を低減し、起動回路の回路規模を低減することができる。
【符号の説明】
【0056】
100 スイッチング電源
110 制御部
111 演算部
130 起動回路
150 フィードバック部
FET1 スイッチング手段
T1 トランス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9