(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記錘は、前記通信ユニットが前記第1取付部に取り付けられる場合に、前記第2取付部から取り外されるための錘であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
前記錘は、前記通信ユニットが前記第1取付部から取り外される場合に、前記第2取付部に取り付けられるための錘であることを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示して詳しく説明する。画像読取装置は、フラットベッドスキャナのように装置単体として構成する場合の他、複写機やファクシミリなどの画像形成装置における画像読取部として用いられることも可能である。また、画像読取装置は、自動原稿搬送装置(以下、原稿搬送装置とする)を備え、原稿を搬送しながら読取る構成であっても良い。
【0011】
なお、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0012】
〔概略構成〕
図1(a)は、複写機である画像形成装置1の正面図である。
図1(b)は、画像形成装置1の斜視図である。
【0013】
画像形成装置1は、画像読取装置2と画像形成装置本体11を備える。画像読取装置2は、回動ユニットである原稿搬送装置10、読取ユニットであるリーダユニット12、原稿載置トレイ15、排出シート積載トレイである原稿排出トレイ16を備える。画像形成装置本体11は、画像形成部13、シート給送部14、操作パネル9を備える。操作パネル9は、画像表示部9(a)、テンキー9(b)を備える。画像形成部13は、画像形成装置本体11の内部に設けられ、公知の電子写真方式による画像形成を行う。画像形成部13は、感光体、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置を備える。露光装置は、画像情報に基づき感光体に静電潜像を形成する。現像装置は、静電潜像をトナーにより現像剤像に現像する。転写装置は、現像剤像をシート給送部14から搬送されて来たシート状の記録媒体に転写する。定着装置は、記録媒体の上の現像剤像を記録媒体に定着させる。コピーの場合、画像情報は、画像読取装置2により原稿(シート)の画像を読取ることで生成され、画像形成部13へ送信される。プリントの場合、画像情報は、外部装置からプリントジョブとして画像形成部13に送信される。
【0014】
図2(a)は、
図1(a)の画像読取装置2の拡大正面図である。
図2(b)は、
図1(b)の画像読取装置2の拡大斜視図である。
【0015】
画像読取装置2の原稿載置トレイ15と原稿排出トレイ16は、鉛直方向において少なくとも一部が重なるように構成されている。原稿搬送装置10の手前側には認証部Bが設けられている。認証部Bの内部にはユーザの認証情報を取得する通信手段であるカードリーダ18が備えられている。カードリーダ18は、ユーザと無線通信をする通信手段であり、具体的には非接触式のICカードリーダである。ユーザは認証部Bに認証カードをかざすことにより、カードリーダ18にカードの認証情報を読取らせる。
【0016】
原稿を画像読取装置2により流し読みする場合について説明をする。ユーザは、原稿を原稿載置トレイ15に原稿を載置し、操作パネル9により原稿の読取りを指示する。原稿は不図示の給送ローラにより給送され、読取部3aにより原稿の表面の画像を読取られる。なお、原稿の両面を読取る場合は、読取部3bにより原稿の裏面の画像が読取られる。読取部3aは、CIS(contact image sensor)やCMOセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor sensor)を適用することが可能である。原稿排出トレイ16には、傾斜部17が設けられている。傾斜部17は、隣接する部分よりも突出するように設けられている。原稿排出トレイ16に排紙された原稿は、傾斜部17により幅方向(原稿の搬送方向と直交する方向)の中央部のみが持ち上げられる。そのため、原稿の幅方向の端部に、原稿排出トレイ16と隙間ができ、ユーザが隙間に手を入れやすくなるため、原稿をユーザが取出し易くなる。
【0017】
図3(a)は、原稿搬送装置10をリーダユニット12に対して開いた状態を表す斜視図である。原稿搬送装置10は、ヒンジ22を中心にリーダユニット12に対して回動可能に設けられている。原稿搬送装置10が回動することにより、原稿搬送装置10は読取ガラス4を開放する開き位置と、読取ガラス4を閉塞する閉じ位置を取ることが可能である。原稿搬送装置10は、原稿圧板19を備えている。原稿圧板19は、原稿搬送装置10が閉じ位置にある時に、読取ガラス4の上の原稿を押圧するように構成されている。リーダユニット12は読取ガラス4を備えている。
図3(b)は、ヒンジ22の拡大図である。連結部22aは原稿搬送装置10とヒンジ22をする。連結部22bはリーダユニット12とヒンジ22を連結する。ヒンジ22は回転軸22cを備えており、原稿搬送装置10はヒンジ回転軸22cを中心としてリーダユニット12に対して回動する構造となっている。
【0018】
原稿を読取ガラス4に載置して読取りを行う場合について説明をする。ユーザは原稿搬送装置10を開き、読取ガラス4を露出させる。ユーザは、読取ガラス4に、画像を下にして原稿を載置し、原稿搬送装置10を閉じる。原稿搬送装置10の原稿圧板19は、読取ガラス4に原稿を押し付ける。ユーザが、操作パネル9により原稿の読取を指示すると、読取部3aが移動し原稿の画像を読取る。
【0019】
図4は原稿搬送装置10の断面図である。
【0020】
ピックアップローラ30は、原稿載置トレイ15に載置された原稿の最上シートと接触し、原稿を給送ローラ31へと送り出す。給送ローラ31は、ピックアップローラ30のシート搬送方向の下流に設けられ、ピックアップローラ30から搬送された原稿を下流に搬送する。分離ローラ32は、給送ローラ31と接触し、複数の原稿が搬送されてきた場合には、原稿を1枚ずつ分離する機能を有する。分離ローラ32は不図示のトルクリミッタを介して、原稿を原稿積載トレイ15の方向に戻すような回転駆動を受けている。給送ローラ31と分離ローラ32により挟持されるシートが2枚の場合は、分離ローラ32の回転により分離ローラ32と接触する原稿は原稿積載トレイ15の方向に戻される。一方、給送ローラ31と分離ローラ32により挟持されるシートが一枚の場合は、給送ローラ31の回転に従動するように分離ローラ32は回転する。前述したトルクリミッタはこのような関係を満たすように駆動伝達するトルク値が設定されている。
【0021】
給送ローラ31と分離ローラ32により1枚ずつに分離された原稿は、搬送ローラ対33、34により、読取部3aにより原稿の画像が読み取られる位置まで搬送される。読取部3aにより原稿の表面の画像を読取られた後、原稿は搬送ローラ対35により搬送され、排出ローラ対36により原稿排出トレイ16の上に排出される。
【0022】
図5は、画像形成装置1の制御ブロック図である。画像読取装置2は画像読取装置制御部2aを備える。画像形成装置本体11は、画像形成装置本体制御部11aを備える。画像形成装置本体制御部11aは、CPU、ROM、RAMを備える制御基板である。画像読取装置制御部2aと画像形成装置本体制御部11aは通信可能となっている。画像形成装置本体制御部11aは、画像形成装置1の外部のサーバーやPCと通信可能となっている。
【0023】
画像形成装置本体制御部11aは、画像形成部13、HDDと電気的に接続される。画像形成装置本体制御部11aは、画像形成部13を制御する。
【0024】
画像読取装置制御部2aは、原稿搬送装置制御部2a−1とリーダユニット制御部2a−2を備える。原稿搬送装置制御部2a−1とリーダユニット制御部2a−2は、それぞれCPU、ROM、RAMを備える制御基板である。原稿搬送装置制御部2a−1はモータMと電気的に接続されている。リーダユニット制御部2a−2は、読取部3a、3b、USB接続部21(以下、接続部21)と電気的に接続されている。原稿搬送装置制御部2a−1は、モータMを制御する。モータMは、ピックアップローラ30、給送ローラ31、搬送ローラ対33、34、排出ローラ対36に駆動を与える。なお、ピックアップローラ30等への駆動の伝達は単一のモータで行っても良いし、複数のモータで行っても良い。リーダユニット制御部2a−2は、読取部3a、3bを制御する。原稿搬送装置制御部2a−1とリーダユニット制御部2a−2は通信ケーブルによって電気的に接続される。当該通信ケーブルは、後述するケーブルガイド50によりガイドされる。
【0025】
カードリーダ本体18a(通信装置本体)との通信を行うための通信ケーブルであるUSBケーブル18bが接続部21に接続されると、カードリーダ18と画像読取装置制御部2aとの間で通信が可能となる。カードリーダ18により読み取られたユーザの認証情報は、画像形成装置本体11のHDDに記憶されたユーザ情報と照会され、画像形成装置1はユーザを認証する。なお、ユーザ情報は画像形成装置1とネットワークでつながったサーバーに記憶させておいても良い。
【0026】
〔カードリーダ18の取り付け構成及び取り付け方法〕
図6(a)、
図6(b)、
図7(a)、
図7(b)、
図8(a)、
図8(b)を用いて、カードリーダ18を原稿搬送装置本体10aの原稿排出トレイ16内部への取り付ける取付方法、及び取り付け部の構造について説明を行う。
【0027】
先述したように、カードリーダ18は、画像形成装置1に標準装備されるものではなく、オプションとして追加されることが多い。そのため、カードリーダ18を後から簡易に取り付けられる構成となっている。
【0028】
取付けの作業はサービスマンが行っても良いし、ユーザが行っても良い。オプションのカードリーダ18を取り付ける場合は、
図3(a)のように原稿搬送装置10をリーダユニット12に対して互いを連結するヒンジ22によって略90°開放する。
【0029】
図6(a)は原稿搬送装置10の原稿圧板19を取り除いた状態の斜視図、
図6(b)は原稿搬送装置本体10aにカードリーダ18を取りつける場合の説明図である。
【0030】
原稿圧板19は原稿搬送装置本体10aに対して第2取付手段である面ファスナー26a、26bにより着脱可能に取り付けられている。原稿搬送装置本体10aには面ファスナー26aが複数配置されており、原稿圧板19には面ファスナー26aと対応する位置に面ファスナー26bが配置されている。原稿圧板19を原稿搬送装置本体10aから取り外されると、
図6(a)に示すように原稿排出トレイ16の内部が露出する。原稿排出トレイ16の内部には、取付部25、ケーブルカバー部材24、接続部21が設けられている。カードリーダ18は、カード読取部であるカードリーダ本体18aと通信ケーブルであるUSBケーブル18bを含む。接続部21は、USBケーブル18bのUSB端子が接続される。接続部21とリーダユニット制御部2a−2とを電気的に接続するための制御ケーブル(不図示)はケーブルガイド50によりガイドされる。ケーブルガイドは、読取部3bで読み取られた画像情報をリーダユニット制御部2a−2へ通信するための制御ケーブルもガイドする。なお、本実施形態において、画像読取制御部2aは、原稿搬送装置制御部2a−1とリーダユニット制御部2a−2をそれぞれ持つ構成としたがこれに限られるものではない。リーダユニット12のみに画像読取装置2の全体を制御する画像読取装置制御部2aを設けるようにしてもよい。
【0031】
取付部25は、カードリーダ本体18aが取り付けられる部分である。本実施形態では、支持容器である本体カバー部材20を介して取付部25に取り付けられる。本体カバー部材20及びケーブルカバー部材24は、原稿排出トレイ16の内側に着脱可能に装着されている。
【0032】
図6(b)を用いて取りつける手順を説明する。
・カードリーダ本体18aを本体カバー部材20に保持させる(A)。カードリーダ本体18aを本体カバー部材20に保持させる構成の詳細は後述する。
・本体カバー部材20を原稿排出トレイ16の内部に固定する(B)。
・USBケーブル18bの端部にはUSBコネクタが付いており、USBコネクタを接続部21bに接続する。USBケーブル18bを格納部23に格納し、ケーブルカバー部材24によりUSBケーブル18bを覆う(C)。
・原稿圧板19を原稿搬送装置本体10aに取り付ける(D)。
このようにカードリーダ18を取りつけることにより、画像読取装置制御部2aはカードリーダ18と通信可能になる。
【0033】
原稿排出トレイ16カードリーダ18はメーカーにより様々な種類があり、これに伴って設けられているUSBケーブル18bの長さは約40cm〜約180cmまで様々な長さが存在する。原稿搬送装置10は、リーダユニット12に対して開閉可能に設けられている。そのため、カードリーダ18の取付けの際に、USBケーブル18bを適切に束ねないまま原稿搬送装置10の内部に格納した場合、原稿搬送装置10の開閉動作に伴い、USBケーブル18bが原稿搬送装置10の内部でガタガタ動いてしまう。結果、USBケーブルが周辺の部品に衝突して異音が発生する。あるいは、前述したようにカードリーダ18の取り付け過程で例えば原稿圧板19のような周囲の部品と線噛みしてしまい断線してしまうおそれがある。
【0034】
本実施形態では、原稿搬送装置10の内部にカードリーダ18から延在するUSBケーブル18bの余剰を格納する格納手段である格納部23が設けられる。格納部23は原稿排出トレイ16の内側に矩形状のリブ23aで形成される。USBケーブル18bは、リブ23aの内側の領域に格納される。
【0035】
図7(a)は格納部23にUSBケーブル18bを格納した状態の斜視図、
図7(b)は原稿搬送装置10の原稿圧板19を装着した状態の斜視図である。
図7(a)に示すように、USBケーブル18bは、リブ23aに囲われた内部に束ねられた状態で収納される。USBケーブル18bは、リブ23aから突出しないようにケーブルカバー部材24によって覆われる。そして、
図7(b)に示されるように原稿搬送装置10の原稿圧板19を装着する。
【0036】
図8(a)、
図8(b)はカードリーダ本体18aと本体カバー部材20の拡大構成図である。本体カバー部材20は、面ファスナー26a、開口20a、ネジ取り付け部20b、爪20c、錘装着部20d、脱落防止部20d−1、ケーブル開口20eを備える。開口20aは、ベルト27を通す。ネジ取り付け部20bは、ネジ29が取り付けられる。爪20cは、原稿搬送装置本体10aに係合する。錘装着部20dは、錘28が装着可能に構成されている。ケーブル開口20eは、USBケーブルを本体カバー部材20の外部へ出す。脱落防止部20d−1の説明は後述する。本体カバー部材20に面ファスナー26aを設けることにより、原稿圧板19に設けられる面ファスナー26bの配置の自由度を上げることができる。
【0037】
カードリーダ本体18aを取り付ける詳細を説明する。カードリーダ本体18aを、ベルト27により本体カバー部材20に固定する。USBケーブル18bを、ケーブル開口20eから、本体カバー部材20の外に出す。錘28を、本体カバー部材20からαの方向にスライドさせて取り除く。なお、錘28の技術的意味は後述する。爪20cを原稿搬送装置本体10aに係合させる。ネジ29を用いてカードリーダ本体18aを原稿搬送装置本体10aに固定する。
【0038】
〔格納部23について〕
本実施形態によれば、USBケーブル18bの余剰した部分は、格納部23に格納される。そのため、USBケーブル18bの余剰した部分は、格納部23から飛び出して原稿圧板19の動きを妨げることがない。結果、ユーザにより原稿搬送装置10を開閉させたとしても、USBケーブル18bの余剰部分がある程度拘束されているため、別の部材にぶつかった時の異音が発生しにくい。原稿排出トレイ16また原稿搬送装置10と例えば原稿圧板19などの周囲の部品との間に挟まれて断線するおそれがない。また、USBケーブル18bの余剰した部分を格納部23に格納することでサービスマン等がカードリーダ18の取付作業、取り外し作業を容易に行うことができる。なお、ケーブルカバー部材24により格納部23を覆う構成にしているが、USBケーブル18bが格納部23に格納され略固定できるような構成であれば、ケーブルカバー部材24を設けなくても良い。
【0039】
〔カードリーダ18の取り付け構成について〕
本実施形態によれば、原稿圧板19を原稿搬送装置本体10aから取り除くことが可能に構成し、原稿圧板19が取り除かれると取付部25が外部へ露出するようにしている。このように構成することで、原稿搬送装置10の内部へのアクセスを容易にし、カードリーダ18の取り付け、取り外しを容易に行うことができるようにしている。また、本実施形態によれば、
図7(a)に示すように、原稿搬送装置本体10aは、取付部25の一部を覆うように突き出したひさし部を10bを備える。そのため、ひさし部10bがカードリーダ本体18aが原稿搬送装置本体10aから脱落するのを抑制することができる。本実施形態では、取付部25にカードリーダ本体18aを、本体カバー部材20、ベルト27を含む第1取付手段を介して、原稿搬送装置本体10aに取り付けている。このように、本体カバー部材20にカードリーダ本体18aを取り付けた後に、原稿搬送装置本体10aに取り付けるようにしたことで、直接原稿搬送装置本体10aに取り付けるような構成よりも取り付け作業が容易になる。
【0040】
なお、本実施形態は原稿圧板19を原稿搬送装置本体10aから全て取り除けるように構成したがこれに限られるものではない。原稿圧板19の一部のみ原稿搬送装置本体10aから取り除けるように構成しても良い。また、原稿圧板19の一部が原稿搬送装置本体10aと連結した状態において原稿圧板19の他の一部を原稿搬送装置本体10aから取り外せるようにし、取付部25が外部に露出するように構成しても良い。
【0041】
〔錘28について〕
本実施形態によれば、本体カバー部材20は、錘装着部20dを備え、錘28を取り外し可能に構成されている。カードリーダ18を原稿搬送装置本体10aに取り付ける場合は、当該錘28を原稿搬送装置本体10aから取り外す。そして、カードリーダ18を原稿搬送装置本体10aから取り外す場合は、当該錘28を原稿搬送装置本体10aに取り付ける。このようにすることで、原稿搬送装置10の重さをカードリーダ18の有無により大きく変化させないようにしている。
【0042】
この理由を説明する。読取ガラス4に置かれた原稿は原稿圧板19により押圧される。しかし、原稿搬送装置10の重さが十分でないと適切に原稿が読取ガラス4に押圧されず、原稿が読取ガラス4から浮いてしまうおそれがある。原稿が読取ガラス4から浮いてしまうと読取手段3aによる原稿の画像の読取りが不良となってしまう。また、原稿搬送装置10は、ヒンジ22を中心にリーダユニット12に対して所定の回動角度の範囲内において静止可能(フリーストップ可能)に設けられている。フリーストップとは原稿搬送装置10をリーダユニット12に対して任意の角度で開いた時に、原稿搬送装置10の重量とヒンジ22のトルクとが釣り合い、原稿搬送装置10が前記角度で開いた状態を維持することである。フリーストップ可能な原稿搬送装置10の回動角度は、ヒンジ22のトルク、原稿搬送装置10自体の重さにより決まる。しかしながら、原稿搬送装置10に取付けられるカードリーダ18の有無により、原稿搬送装置10の重さが変わってしまう。そのため、原稿搬送装置10に取付けられるカードリーダ18により、原稿搬送装置10がフリーストップ可能な回動角度が変化してしまうおそれがある。そのため、原稿搬送装置本体10aからカードリーダ18を取り外した場合は、カードリーダ18と略同一の重さの錘28を取り付けることにより、原稿搬送装置10の重さがカードリーダ18の有無により大きく変化させないようにしている。カードリーダ18と略同一の重さとは、画像読取装置2にオプションで設定されているカードリーダ18の重さの±20%程度の重さを指す。なお、本実施形態では、錘28の装着位置をカードリーダ18の装着位置と略同一な位置にしているが、バランスをとることができれば錘28の位置は適宜変更することが可能である。
【0043】
図8(a)、
図8(b)に示されるように、本体カバー部材20の錘装着部20dは脱落防止部20d−1を備える。本体カバー部材20に錘28を取り付ける場合、βの方向に錘をスライドさせて取り付ける。錘28は、脱落防止部20d−1に突きあたりそれ以上脱落することはない。そして、本体カバー部材20を原稿搬送装置本体10aに取り付けると、原稿搬送装置本体10aの壁10cが、錘28がα方向において対向する位置になり脱落を防止する。このように構成することで、本体カバー部材20が原稿搬送装置本体10aから取り外されている時は錘28を本体カバー部材20に取り付けやすする。一方、本体カバー部材20が原稿搬送装置本体10aから取り付けられている時は錘28が本体カバー部材20から脱落しないようにすることができる。本実施形態は錘28の取りつけ方向をβとしているが、これに限られるものではない。錘28を本体カバー部材20にβと垂直な方向から取り付けるようにしてもよい。その場合でも、本体カバー部材20を原稿搬送装置本体10aに取り付けた場合は、原稿搬送装置本体10aの壁が錘28の脱落を防止するようにすると良い。
【0044】
なお、本実施形態は、本体カバー部材20に錘装着部20dを設ける構成としたがこれにかぎられるものではない。本体カバー部材20を用いず、原稿搬送装置本体10aに直接錘28を取り付けるように構成してもよい。
【0045】
〔モータMとカードリーダ本体18aとの関係について〕
図9は、原稿搬送装置10の外装の一部を取り外し、モータMを露出させた説明図である。
図10は、原稿搬送装置10から原稿圧板19を取り外した状態において、原稿搬送装置10を下方からみた平面図である。
【0046】
図9、
図10において、ヒンジ22の回動軸線方向をX方向、ヒンジ22の回動軸線方向と直交する方向をY方向とする。また、Y方向において、原稿搬送装置10の中心を通る仮想線を0、X方向において原稿搬送装置10の中心を通る仮想線をPとする。
【0047】
図9に示すように、本実施形態では、Y方向において、モータMは仮想線Oの一方側に配置され、カードリーダ本体18aの取付部25は仮想線Oの他方側に配置される。また、X方向において、モータMは仮想線Pの一方側に配置され、カードリーダ本体18aの取付部25は仮想線Pの他方側に配置される。このように、重量のあるモータMとカードリーダ本体18aとを、中心を挟んで逆側に配置することにより原稿搬送装置10の重心の位置が原稿搬送装置の中心から大きく外れてしまうことを抑制することができる。原稿搬送装置10は、原稿圧板19により原稿を読取ガラス4に押圧するようにしている。原稿搬送装置10の重心が中心から大きくずれてしまうと原稿の押圧状態も不均一となるおそれがあり、原稿の画像の読取りが不良となるおそれがある。また、モータMは、Y方向に置いてヒンジに近い側(奥側)に配置され、取付部25はヒンジに遠い側(手前側)に配置される。このようにすることで、モータMのような電装系はユーザが触りにくいようにし、取付部25を手前側に配置することでユーザが認証動作を行いやすくしている。
【0048】
X方向において、カードリーダ本体18aの取付部25は、仮想線Pに対し、操作パネル9と同じ側に配置されている。このように操作パネル9と取付部25を近接させることで、操作パネル9にカード認証の操作が指示された場合に、ユーザの目線の移動を少なくすることができる。
【0049】
原稿搬送装置10を回動させるためにユーザが把持する把持部40は、X方向において、仮想線Pに対し同じ側に配置している。このように、モータMの近くに力点を置くことで、モータMの重量による原稿搬送装置の捻じれの発生を抑制している。
【0050】
図10に示すように、接続部21は、Y方向において仮想線Oに対しモータMと同じ側に配置される。このように、接続部21とモータMを近くに配置することで、モータMを駆動するための画像読取装置制御部2aにつながるケーブルと、接続部21から画像読取装置制御部2aにつながるケーブルの取り回しをしやすくしている。
【0051】
〔接続部21について〕
図10を用いて、接続部21の配置について説明をする。接続部21とケーブルガイド50は、Y方向において、仮想線Oよりもヒンジに近い側に配置されている。また、接続部21とケーブルガイド50は、仮想線Pに対し同じ側に配置されている。このように、接続部21とケーブルガイド50を近くに配置するようにしている。原稿搬送装置10とリーダユニット12との間をケーブルでなるべく短くしようとすると、原稿搬送装置10とリーダユニット12との間に設けられるケーブルガイド50は、Y方向においてヒンジ22に近い側に設けることが望ましい。そして、接続部21も同様にヒンジ22に近い位置に設けることで、接続部21からリーダユニット12につながるケーブルを短くすることができる。なお、接続部21をケーブルガイド50の近くに設けると、接続部21からカードリーダ本体18aまで接続するUSBケーブル18bの長さが長くなってしまうおそれがある。しかしながら、ユーザは必ずしもカードリーダ18を原稿搬送装置10に設けないことを考慮すれば、リーダユニット12と接続部21とをつなぐケーブルをなるべく短くし、当該ケーブルのはいまわしの煩わしさを無くした方が良い。
【0052】
また、カードリーダ本体18aを収容する本体カバー部材20のケーブル開口20eをX方向において、本体カバー部材20の中心を通る仮想線Qよりも接続部21に近い側に配置している。また、格納部23のリブ23aの開口部23dを、X方向において、格納部23の中心を通る仮想線Rよりも接続部21に近い側に配置している。このようにすることで、USBケーブル18bが原稿搬送装置10の内部でなるべくすっきりするようにしている。
【0053】
〔原稿排出トレイ16の構成〕
図11は、原稿排出トレイ16の構成を説明するための図である。
【0054】
本実施形態では、原稿排出トレイ16の原稿が積載される領域は第1の領域16aと第2の領域16bに分類することができる。なお、原稿が積載される領域(第1の領域16aと第2の領域16b)は、原稿読取装置2が読み取れる最大サイズの大きさの原稿により定義される。また、原稿が積載される領域(第1の領域16aと第2の領域16b)は、原稿と原稿排出トレイ16とが接触する部分ではなく、原稿が原稿排出トレイ16を覆い隠す部分を指す。
【0055】
第1の領域16aは、第1の領域よりもY方向の手前側にシート規制部16cが設けられている領域である。シート規制部16cは、原稿が接触する底面16dよりも高さが高くなっている部分である。シート規制部16cにより、排出ローラ対36から排出された原稿が手前方向に飛び出してくるのを抑制することができる。下流第2の領域16bは、このようなシート規制部16cが存在しない領域である。第2の領域16bは、原稿の排出方向において、第1の領域16aの下流側に配置されている。
【0056】
図4に示すように、第1の領域16aの底面16dは、原稿の排出方向(原稿の搬送方向と同じ方向)において、下流に向かって高くなるような傾斜面となっている。そのため、排出された原稿は原稿の排出方向上流側に重力で寄せられ、接触壁16eと原稿の排出方向の上流側端が接触し、原稿は整列させられる。
【0057】
図11に戻って説明をする。画像読取装置2の小型化のために、認証部B(カードリーダ本体18aが取り付けられる取付部25)は、シートが積載される領域に設けるのが望ましい。しかし、第1の領域16aに認証部Bを設けようとすると、底面16dか、シート規制部16cに設けることになってしまう。底面16cに設けると、シート規制部16cを迂回して認証をしなければならないため面倒である。一方、シート規制部16cに設けようとすると、シート規制部16cのY方向の幅をカードリーダ本体18aが内部に配置できる程度に確保しなければならなくなり装置の大型化につながる。そこで、本実施形態では、第2の領域16bと少なくとも一部が重複する位置に認証部Bを配置するようにしている。なお、認証部Bを第2の領域16bと完全に重複する位置に配置するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザの認証をしやすくしている。また、本実施形態では認証部Bの表面は水平面とすることでユーザの認証をしやすくしている。また、シート規制部16cの上面と認証部の面は略同一平面とすることで、視覚的にすっきりとさせている。また、第2の領域16bは傾斜部17が設けられており、仮に原稿排出トレイ16に原稿が排出されたとしても、原稿と認証部Bとの間に隙間ができるようにしており、ユーザの認証をしやすくしている。
【0058】
(その他)
上述した実施形態では、カードリーダを取りつける装置として原稿搬送装置10を用いて説明したがこれに限られるものではない。原稿搬送機能を有さない圧板ユニットの内部に通信ケーブルを格納するための格納部を設ける構成であっても良い。
【0059】
また、上述した実施形態では、電子写真方式の画像形成装置で説明を行ったがこれに限られるものではない。電子写真方式の画像形成装置に代えて、インクを吐出して用紙に画像を形成するインクジェット方式の画像形成装置に本実施形態に係る発明を適用してもよい。
【0060】
また、上述した実施形態では、画像読取装置として画像形成装置本体を備えた複写機として説明したがこれに限られるものではない。フラットベッドスキャナのような画像読取装置単体の物にも適用可能である。
【0061】
また、上述した実施形態では、ユーザと無線通信をする通信装置である認証装置としてカードリーダを用いた例を説明したがこれに限られるものではない。指紋認証装置、生体認証(静脈認証)等のその他の認証装置を適用することも可能である。また、認証装置以外にも、NFC(Near Field Communication)を利用した画像のデータを通信するための通信装置に適用しても良い。