特許第6961434号(P6961434)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961434
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】ハードディスク装置のフレキシャ
(51)【国際特許分類】
   G11B 21/21 20060101AFI20211025BHJP
   G11B 5/60 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   G11B21/21 C
   G11B5/60 P
【請求項の数】6
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-183048(P2017-183048)
(22)【出願日】2017年9月22日
(65)【公開番号】特開2019-61729(P2019-61729A)
(43)【公開日】2019年4月18日
【審査請求日】2020年4月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 幸恵
【審査官】 中野 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−172012(JP,A)
【文献】 特開2006−120288(JP,A)
【文献】 特開2012−018742(JP,A)
【文献】 特開2017−117848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 21/21
G11B 5/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスク装置のフレキシャであって、金属板からなるメタルベースと、該メタルベースの上に形成された配線部材と、を具備し、
前記配線部材は、前記メタルベースの上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に形成された導体層と、を備え、
前記絶縁層は、前記メタルベースに平行な平坦部と、該平坦部から隆起した隆起部と、有し、
前記隆起部は、前記メタルベースに平行な上面と、該上面と前記平坦部との間をつなぐ側面と、を有し、
前記導体層は、前記側面に沿って形成された接続端子を有し
前記配線部材は、前記導体層を覆うカバー絶縁層と、前記接続端子を覆うめっき層と、をさらに備え、
前記カバー絶縁層の一部は、前記導体層を介して前記上面と対向し、
前記めっき層の一部は、前記導体層を介して前記側面と対向している、フレキシャ。
【請求項2】
ハードディスク装置のフレキシャであって、金属板からなるメタルベースと、該メタルベースの上に形成された配線部材と、を具備し、
前記配線部材は、前記メタルベースの上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に形成された導体層と、を備え、
前記絶縁層は、前記メタルベースに平行な平坦部と、該平坦部から隆起した隆起部と、有し、
前記隆起部は、前記メタルベースに平行な上面と、該上面と前記平坦部との間をつなぐ側面と、を有し、
前記導体層は、前記側面に沿って形成された接続端子を有し、
前記配線部材が延在する延在方向は、第1側と、該第1側とは反対側の第2側と、を含み、
前記隆起部は、ジグザグに配列された第1隆起部、第2隆起部及び第3隆起部を含み、
前記第1隆起部及び前記第3隆起部は、前記延在方向に交差する幅方向に沿って並べられ、
前記第2隆起部は、前記幅方向において前記第1隆起部及び前記第3隆起部の間に位置し、前記延在方向において該第1隆起部及び該第3隆起部よりも前記第2側に位置し、
前記第1隆起部及び前記第3隆起部の前記接続端子は、前記側面の前記第1側に形成され、
前記第2隆起部の前記接続端子は、前記側面の前記第2側に形成されている、フレキシャ。
【請求項3】
ハードディスク装置のフレキシャであって、金属板からなるメタルベースと、該メタルベースの上に形成された配線部材と、を具備し、
前記配線部材は、前記メタルベースの上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に形成された導体層と、を備え、
前記絶縁層は、前記メタルベースに平行な平坦部と、該平坦部から隆起した隆起部と、有し、
前記隆起部は、前記メタルベースに平行な上面と、該上面と前記平坦部との間をつなぐ側面と、を有し、
前記導体層は、前記側面に沿って形成された接続端子を有し、
前記配線部材が延在する延在方向は、第1側と、該第1側とは反対側の第2側と、を含み、
前記隆起部は、ジグザグに配列された第1隆起部、第2隆起部及び第3隆起部を含み、
前記第1隆起部及び前記第3隆起部は、前記延在方向に交差する幅方向に沿って並べられ、
前記第2隆起部は、前記幅方向において前記第1隆起部及び前記第3隆起部の間に位置し、前記延在方向において該第1隆起部及び該第3隆起部よりも前記第2側に位置し、
前記第1隆起部及び前記第3隆起部の前記接続端子は、前記側面の前記第2側に形成され、
前記第2隆起部の前記接続端子は、前記側面の前記第1側に形成されている、フレキシャ。
【請求項4】
ハードディスク装置のフレキシャであって、金属板からなるメタルベースと、該メタルベースの上に形成された配線部材と、を具備し、
前記配線部材は、前記メタルベースの上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に形成された導体層と、を備え、
前記絶縁層は、前記メタルベースに平行な平坦部と、該平坦部から隆起した隆起部と、有し、
前記隆起部は、前記メタルベースに平行な上面と、該上面と前記平坦部との間をつなぐ側面と、を有し、
前記導体層は、前記側面に沿って形成された接続端子を有し、
前記配線部材が延在する延在方向は、第1側と、該第1側とは反対側の第2側と、を含み、
前記隆起部は、前記延在方向に沿って並べられた第1隆起部及び第4隆起部を含み、
前記第4隆起部は、前記第1隆起部よりも前記第2側に位置し、
前記第1隆起部の前記接続端子は、前記側面の前記第1側に形成され、
前記第4隆起部の前記接続端子は、前記側面の前記第2側に形成されている、フレキシャ。
【請求項5】
ハードディスク装置のフレキシャであって、金属板からなるメタルベースと、該メタルベースの上に形成された配線部材と、を具備し、
前記配線部材は、前記メタルベースの上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に形成された導体層と、を備え、
前記絶縁層は、前記メタルベースに平行な平坦部と、該平坦部から隆起した複数の隆起部と、を有し、
前記複数の隆起部は、互いに間隔をあけて並べられており、
前記導体層は、前記複数の隆起部の上面にそれぞれ形成された接続端子を有し
前記絶縁層は、前記メタルベースの上に形成されたベース絶縁層と、該ベース絶縁層の上に形成された第1カバー絶縁層と、該第1カバー絶縁層の上に形成された第2カバー絶縁層と、を含み、
前記平坦部には、前記第1カバー絶縁層が積層されていない一方、前記隆起部には、前記第1カバー絶縁層が積層されている、フレキシャ。
【請求項6】
ハードディスク装置のフレキシャであって、金属板からなるメタルベースと、該メタルベースの上に形成された配線部材と、を具備し、
前記配線部材は、前記メタルベースの上に形成された絶縁層と、該絶縁層の上に形成された導体層と、を備え、
前記絶縁層は、前記メタルベースに平行な平坦部と、該平坦部から隆起した隆起部と、有し、
前記隆起部は、前記メタルベースに平行な上面と、該上面と前記平坦部との間をつなぐ側面と、を有し、
前記導体層は、前記側面に沿って形成された接続端子を有し、
前記絶縁層は、前記メタルベースの上に形成されたベース絶縁層と、該ベース絶縁層の上に形成された第1カバー絶縁層と、該第1カバー絶縁層の上に形成された第2カバー絶縁層と、を含み、
前記平坦部には、前記第1カバー絶縁層が積層されていない一方、前記隆起部には、前記第1カバー絶縁層が積層されている、フレキシャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、多層からなる配線部材を備えたハードディスク装置のフレキシャに関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク装置のフレキシャは、薄いステンレス鋼板からなるメタルベースと、メタルベースの上に形成された配線部材と、を備えており、弾性的に撓むことができるジンバル部に磁気ヘッドが形成されたスライダが搭載される。ジンバル部には、スライダだけでなく、スライダをスウェイ方向に回動させるマイクロアクチュエータ等の部品も搭載される。フレキシャの多機能化に伴い、ジンバル部に搭載される部品点数が増加している。
【0003】
フレキシャの配線部材は、ジンバル部の搭載部品とキャリッジに付設された外部回路との間を電気的に接続する複数の配線を備えている。配線の両端に形成された接続端子は、はんだや銀ペースト等を介して、ジンバル部の搭載部品やキャリッジの外部回路に接続される。
【0004】
ジンバル部の搭載部品が増加すると、対応する配線の本数も増加するため、隣接する配線同士や接続端子同士が接近してしまう。配線であれば、各々を細線化して配線間の距離を広げることができる。一方、接続端子は、接続信頼性を確保するために十分な面積を必要とし、幅広に形成せざるを得ない。しかしながら、接続端子間の距離が狭いと、隣接する接続端子にはんだ等が流れて短絡するおそれがある。
【0005】
例えば、特許文献1には、multi-piece integrated suspension assemblyにおいて、slider padsに接続するために機械的に折り曲げて起立させたconductive leadsの末端が開示されている。スペースの制約が厳しいフレキシャにおいて、平面視における接続端子の面積を小さくするために、当該接続端子を起立させることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5892637号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、微小なジンバル部において、そのような機械加工は手間がかかる。折り曲げ部の形状精度が悪いと、搭載部品側の接続端子との間で接続不良を生じるおそれがあるし、機械加工の際に繊細なジンバル部がダメージを受けると、フレキシャの歩留りが悪化するおそれもある。また、これまで存在しなかった機械加工を追加すると、新たな工程やその工程のための新たな設備投資が必要になる。本発明の目的は、機械加工によらずに、実装密度及び接続信頼性に優れたハードディスク装置のフレキシャを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態に係るフレキシャは、ハードディスク装置に用いられ、金属板からなるメタルベースと、メタルベースの上に形成された配線部材と、を具備している。配線部材は、メタルベースの上に形成された絶縁層と、絶縁層の上に形成された導体層と、を備えている。絶縁層は、メタルベースに平行な平坦部と、平坦部から隆起した隆起部と、を有している。隆起部は、メタルベースに平行な上面と、上面と平坦部とをつなぐ側面と、を有している。導体層は、側面に沿って形成された接続端子を有している。配線部材は、導体層を覆うカバー絶縁層と、接続端子を覆うめっき層と、をさらに備えている。カバー絶縁層の一部は、導体層を介して隆起部の上面と対向し、めっき層の一部は、導体層を介して隆起部の側面と対向している。
【発明の効果】
【0009】
本発明のフレキシャによれば、接続端子の数を増やして搭載部品の実装密度を高めても、接続端子間の距離を十分に確保できるため、実装密度と接続信頼性とを両立させることができる。しかも、配線部材のマスクパターンを変更するだけで実施できるため、機械加工等の新たな工程やその工程のための新たな設備投資を必要としない。機械加工によるダメージを未然に防ぐことができる。したがって、フレキシャの商品価値の高めるとともに、製造コストの増加を最小限に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、ハードディスク装置の一例を示す斜視図である。
図2図2は、スライダ側から見たサスペンションの一例を示す平面図である。
図3図3は、配線部材の一例を示す断面図である。
図4図4は、接続端子の一例を示す断面図である。
図5図5は、接続端子の他の一例を示す断面図である。
図6図6は、接続端子のさらに他の一例を示す断面図である。
図7図7は、第1実施形態を示す斜視図である。
図8図8は、第2実施形態を示す斜視図である。
図9図9は、第3実施形態を示す斜視図である。
図10図10は、第4実施形態を示す斜視図である。
図11図11は、第5実施形態を示す平面図である。
図12図12は、第6実施形態を示す平面図である。
図13図13は、第7実施形態を示す平面図である。
図14図14は、第8実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の各実施形態は、隆起部24の側面24Bに接続端子22を形成することによって、平面視における接続端子22の面積をコンパクトにしたフレキシャ15に関する。二次元的に配置されていた接続端子22を三次元的に配置することによって、スペースに余裕が生じる。その結果、接続端子22間の距離を広げて接続信頼性を向上させることができる。
【0012】
隆起部24は、メタルベース18の折り曲げ等の機械加工ではなく、絶縁層30のマスクパターンを変更することによって形成できる。例えば、フレキシャ15のテール部16から流用した第1カバー絶縁層32を積層して隆起部24を形成してもよい。隆起部24を残して平坦部23のベース絶縁層31をハーフトーン処理等で削ってもよい。以下、各実施形態のフレキシャについて、図1乃至図14を参照して詳しく説明する。
【0013】
図1は、ハードディスク装置の一例を示す斜視図である。図1に示すように、ハードディスク装置(HDD)1は、ケース2と、スピンドル3を中心に回転するディスク4と、ピボット軸5を中心に旋回可能なキャリッジ6と、キャリッジ6を駆動するためのボイスコイルモータ7と、ケース2外の外部装置に接続されるコントローラ8等を備えている。ケース2は、図示しない蓋によって密閉される。キャリッジ6とコントローラ8とは、フレキシブル基板9を介して接続されている。
【0014】
キャリッジ6には、アーム10が設けられている。アーム10の先端部にサスペンション11が取付けられている。サスペンション11の先端部に、磁気ヘッドを構成するスライダ12が搭載されている。ディスク4が高速で回転すると、ディスク4とスライダ12の浮上面との間に空気が流入することによって、エアベアリングが形成される。ボイスコイルモータ7によってキャリッジ6が旋回すると、サスペンション11がディスク4の径方向に移動することにより、スライダ12がディスク4の所望トラックまで移動する。
【0015】
図2は、スライダ12側から見たサスペンション11を示す平面図である。図2に示すように、サスペンション11は、キャリッジ6のアーム10に固定されるベースプレート13と、ロードビーム14と、配線付きフレキシャ(flexure with conductors)15と、を備えている。図2に矢印Wで示す方向がフレキシャ15の長手方向である。
【0016】
フレキシャ15は、アーム10及びロードビーム14に沿って配置されており、基端部にテール部16が設けられ、先端部にジンバル部17が設けられている。テール部16は、ピボット軸5の近傍においてフレキシブル基板9に接続される。ジンバル部17には、スライダ12が搭載される。スライダ12と、サスペンション11とによって、ヘッドジンバルアセンブリ(head gimbal assembly)が構成される。
【0017】
ジンバル部17には、スライダ12だけでなく、マイクロアクチュエータや、レーザーダイオード等の種々の部品が搭載されることがある。例えば、マイクロアクチュエータは、デュアルステージアクチュエータに用いられ、スライダ12をスウェイ方向に微小回動させる。例えば、レーザーダイオードは、熱アシスト法に用いられ、ディスク4に情報を記録する際にディスク4を加熱して磁性体粒子の保持力を一時的に下げる。レーザーダイオードに代えて、マイクロウェーブ装置等が搭載されることもある。
【0018】
フレキシャ15は、メタルベース18と、メタルベース18の上に形成された配線部材20と、を備えている。メタルベース18は、例えば薄いステンレス鋼板等の金属板から形成され、ロードビーム14に固定されている。配線部材20は、ジンバル部17に搭載された部品とテール部16とを電気的に接続する複数の配線21を備えている。配線21の両端には、接続端子22が形成されている。
【0019】
図3は、配線部材20の一例を示す断面図である。図3中に矢印Zで示された方向が配線部材20の厚さ方向である。配線部材20は、メタルベース18の上に形成された絶縁層30と、絶縁層30の上に形成された導体層40と、を備えている。図3に示す例では、絶縁層30は、ベース絶縁層31、第1及び第2カバー絶縁層32,33を含んでいる。導体層40は、第1及び第2導体層41,42を含んでいる。
【0020】
ベース絶縁層31は、メタルベース18の上に形成されている。第1導体層41は、ベース絶縁層31の上に形成されている。第1カバー絶縁層32は、ベース絶縁層31の上に形成され、第1導体層41を覆っている。第2導体層42は、第1カバー絶縁層32の上に形成されている。第2カバー絶縁層33は、第1カバー絶縁層32の上に形成され、第2導体層42を覆っている。
【0021】
導体層40は、例えば銅等の金属材料からそれぞれ形成され、前述の配線21や接続端子22を構成している。第1及び第2導体層41,42の厚さの一例は、9μm(4〜16μm)である。絶縁層30は、例えばポリイミド等の電気絶縁材料からそれぞれ形成されている。ベース絶縁層31及び第1カバー絶縁層32の厚さの一例は、10μm(5〜30μm)であり、第2カバー絶縁層33の厚さの一例は、5μm(2〜10μm)である。絶縁層30に含まれる各層は、ハーフトーン処理等のマルチトーン処理によって部位毎に厚さを調節できる。
【0022】
図4は、接続端子22の一例を示す断面図である。本発明に係る接続端子22は、隆起部24の側面24Bに形成されていることが特徴の一つである。隆起部24及びその側面24Bに形成された接続端子22は、いずれの部位にも自由に形成できるが、とりわけ、スペースの制約が厳しいジンバル部17やテール部16に好適である。
【0023】
図4に示すように、絶縁層30は、メタルベース18に平行な平坦部23と、平坦部23から隆起した隆起部24と、を有している。図4に示す例では、平坦部23は、第1カバー絶縁層32を備えていないのに対し、隆起部24は、第1カバー絶縁層32を備えている。
【0024】
隆起部24は、メタルベース18に平行な上面24Aと、上面24Aと平坦部23との間をつなぐ側面24Bと、を有している。側面24Bには、第2導体層42からなる接続端子22が形成されている。接続端子22は、側面24Bに沿って厚さ方向Zに延在している。接続端子22は、ニッケルや金等の腐食しづらい金属からなるめっき層43に覆われている。
【0025】
図5は、接続端子22の他の一例を示す断面図である。図5に示す例では、カバー絶縁層(第1及び第2カバー絶縁層32,33)が単層であり、導体層40(第1及び第2導体層41,42)が単層であり、隆起部24に第1カバー絶縁層32を積層していない。平坦部23及び隆起部24は、共通のベース絶縁層31から形成されている。隆起部24を隆起させるには、当該隆起部24を残すようにハーフトーン処理等でベース絶縁層31を削ればよい。
【0026】
図6は、接続端子22のさらに他の一例を示す断面図である。図4及び図5に示す例では、配線21が延びる側、すなわち配線21の他端に近づく側の側面24Bに接続端子22を形成していた。図6に示す例では、配線21が延びる側とは反対側、すなわち配線21の他端から遠ざかる側の側面24Bに接続端子22を形成している。図4乃至図6に示すように、配線21の延在方向Xに左右されず、いずれの側面24Bであっても接続端子22を形成できる。
【0027】
次に図7乃至図14を参照して、複数の接続端子22を配列させた第1乃至第8実施形態について説明する。各実施形態において、すでに説明した実施形態と同一又は類似の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略することがある。
【0028】
図7乃至図10は、第1乃至第4実施形態を示す斜視図である。図7に示す第1実施形態のように、隆起部24の側面24Bに複数の接続端子221,222,223を形成してもよい。図8に示す第2実施形態のように、隆起部24の側面24Bに形成された接続端子222と、平坦部23に形成された接続端子221,223とを組み合わせてもよい。
【0029】
図9及び図10に示すように、隆起部24の上面24A及び側面24Bに連続する接続端子223を形成してもよい。このとき、図9に示す第3実施形態のように、接続端子223に、平坦部23に形成された接続端子221を組み合わせてもよいし、図10に示す第4実施形態のように、隆起部24の上面24Aに形成された接続端子221を組み合わせてもよい。
【0030】
図11は、第5実施形態を示す平面図であり、説明のためにカバー絶縁層を省略して配線21を露出させている。図11中に矢印Xで示す方向が配線部材20の延在方向であり、矢印Yで示す方向が配線部材20の幅方向である。延在方向X、幅方向Y及び図3に示された厚さ方向Zは、互いに直交している。
【0031】
配線部材20は、ジンバル部17やテール部16において湾曲することがあるため、延在方向Xは、フレキシャ15の長手方向Wと必ずしも一致しない。延在方向Xは、第1側X1と、第1側X1とは反対側の第2側X2と、を含んでいる。第1側X1は、例えばテール部16に至る配線21の基端側であり、第2側X2は、例えばジンバル部17に至る配線21の先端側である。
【0032】
第5実施形態では、配線部材20が複数の隆起部24(例えば、第1乃至第3隆起部241,242,243)を有している。第1乃至第3隆起部241,242,243は、ジグザグに配列されている。換言すると、第1及び第3隆起部241,243は、幅方向Yに沿って並んでいる。第2隆起部242は、第1及び第3隆起部241,243の間に位置し、第1及び第3隆起部241,243よりも第2側X2に位置している。
【0033】
第1及び第3隆起部241,243に形成された接続端子221,223は、側面24Bの第1側X1に形成されている。第2隆起部242に形成された接続端子222は、側面24Bの第2側X2に形成されている。平坦部23に形成した場合の接続端子22を図11中に右上がり斜線で示す。第5実施形態によれば、接続端子22を平坦部23に形成する場合と比べて、平面視における接続端子22の面積をコンパクトにできる。
【0034】
第1及び第3隆起部241,243は、隣接する第2隆起部242とは反対側の第1側X1に接続端子221,223が形成されている。第2隆起部242は、隣接する第1及び第3隆起部241,243とは反対側の第2側X2に接続端子222が形成されている。そのため、第5実施形態によれば、接続端子22を平坦部23に形成した場合と比べて、隣接する接続端子22間の距離D5を広げることができる。側面24Bに形成した接続端子22間の距離D5は、平坦部23に形成した場合の接続端子22間の距離D0よりも大きい。
【0035】
図12に示す第6実施形態のように、第1及び第3隆起部241,243の接続端子221,223を隣接する第2隆起部242と同じ側の第2側X2に形成し、第2隆起部242の接続端子222を隣接する第1及び第3隆起部241,243と同じ側の第1側X1に形成してもよい。第6実施形態によれば、平面視における接続端子22の面積をより一層コンパクトにできる。
【0036】
図13に示す第7実施形態では、第1及び第4隆起部241,244は、延在方向Xに沿って並んでいる。第4隆起部244は、第2側X2に位置している。第1隆起部241の接続端子221は、第4隆起部244とは反対側の第1側X1に形成されている。第4隆起部244の接続端子224は、第1隆起部241とは反対側の第2側X2に形成されている。第7実施形態によれば、接続端子22を平坦部23に形成した場合と同様の面積に複数の接続端子221,224を配置できる。
【0037】
図14は、第8実施形態を示す断面図である。第8実施形態は、側面24Bではなく上面24Aに接続端子22を形成している点が第1乃至第7実施形態と異なる。複数の隆起部24は、互いに間隔をあけて配線部材20の幅方向Yに並べられている。隣り合う隆起部24の谷間には、隆起部24の上面よりも窪んだ平坦部23が広がっている。接続端子22を隆起部24の上面24Aに形成して底上げすると、余剰のはんだSを側面24Bに吸着できるようになるため、高低差がない場合と比較して隣り合う接続端子22間の短絡を抑制できる。
【0038】
以上説明した各実施形態のフレキシャ15は、隆起部24の側面24B又は上面24Aに接続端子22を形成している。二次元的に配置されていた接続端子22を三次元的に配置することによってスペースに余裕が生じるため、接続端子22間の距離を広げて接続信頼性を向上させることができる。接続端子22の数を増やして搭載部品の実装密度を高めても、接続端子22間の距離を十分に確保できるため、実装密度と接続信頼性とを両立させることができる。
【0039】
しかも、配線部材20のマスクパターンを変更するだけで実施できるため、機械加工等の新たな工程やその工程のための新たな設備投資を必要としない。機械加工によるダメージを未然に防ぐことができる。したがって、フレキシャ15の商品価値の高めるとともに、製造コストの増加を最小限に抑制できる。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0041】
例えば、図4に示された例において、接続端子22が形成される側面24Bのスペースを広げるために、隆起部24に第1カバー絶縁層32を積層するだけでなく、平坦部23のベース絶縁層31も削って、平坦部23と上面24Aとの高低差がより一層大きくなるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…ハードディスク装置、15…フレキシャ、18…メタルベース、20…配線部材、21…配線、22,221,222,223,224…接続端子、23…平坦部、24…隆起部、241…第1隆起部、242…第2隆起部、243…第3隆起部、244…第4隆起部、24A…上面、24B…側面、30…絶縁層、31…ベース絶縁層、32…第1カバー絶縁層、33…第2カバー絶縁層、40…導体層、X…延在方向、X1…第1側、X2…第2側、Y…幅方向。
図1
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