(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記押圧力に応じた異なる機能とは、撮像に関する設定項目の設定値を変更する機能であって、ISO、Tv、Avおよび露出補正の少なくとも何れか一つの設定項目を含むことを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載の電子機器。
前記押圧力に応じた異なる機能とは、音楽に関する設定項目の設定値を変更する機能であって、音量、アルバム選択、曲選択および再生位置の少なくとも何れか一つの設定項目を含むことを特徴とする請求項1ないし10の何れか1項に記載の電子機器。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、電子機器として撮像装置(以下、カメラという)を例にして説明する。
図1は、カメラ100の構成の一例を示す図である。
カメラ100は、CPU101、メモリ102、不揮発性メモリ103、画像処理部104、ディスプレイ105、操作部106、圧力検出部107、記録媒体I/F108、外部I/F110、通信I/F111、撮像部113を有する。カメラ100の各部は、内部バス150によって接続され、互いにデータのやりとりを行うことができる。
【0010】
CPU101は、カメラ100の各部を制御する。CPU101は、制御手段の一例に対応する。
メモリ102は、CPU101のワークメモリとして用いられる。メモリ102は、例えばRAM等の揮発性メモリである。CPU101は、例えば不揮発性メモリ103に格納されたプログラムをメモリ102に記憶して実行することで、カメラ100の各部を制御する。
不揮発性メモリ103は、画像データ、音声データおよびその他のデータや、CPU101が実行する各種プログラム等が格納される。不揮発性メモリ103は、例えば、ハードディスク(HD)やROM等により構成される。
【0011】
画像処理部104は、CPU101の制御に基づいて、撮像部113により撮像された画像データ、不揮発性メモリ103や記録媒体109に格納された画像データ、外部I/F110または通信I/F110を介して取得した画像データ等に対して画像処理を行う。画像処理部104が行う画像処理には、A/D変換処理、D/A変換処理、画像データの符号化処理、圧縮処理、デコード処理、拡大/縮小処理(リサイズ)、ノイズ低減処理、色変換処理等が含まれる。画像処理部104は特定の画像処理を施すための専用の回路ブロックで構成してもよい。また、画像処理の種別によっては画像処理部104を用いずにCPU101がプログラムを実行することにより画像処理を施すように構成してもよい。
【0012】
ディスプレイ105は、CPU101の制御に基づいて、画像やGUI(Graphical User Interface)を構成するGUI画面等を表示する。CPU101は、プログラムに従い表示制御信号を生成し、ディスプレイ105に表示するための映像信号を生成してディスプレイ105に出力するようにカメラ100の各部を制御する。また、ディスプレイ105は、画像データに基づいて画像を表示する。
なお、カメラ100自体が備える構成としてはディスプレイ105に表示させるための画像データを出力するためのインターフェースまでとし、ディスプレイ105は外付けのモニタ(テレビ等)で構成してもよい。
【0013】
操作部106は、ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等を含む、ユーザ操作を受け付けるための入力デバイスである。ここで、操作部106の一つとして、操作面に対する接触を検出可能なタッチパネル106aを有する。タッチパネル106aは、ディスプレイ105と一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル106aを光の透過率がディスプレイ105の表示を妨げないように構成し、ディスプレイ105の表示面の上層に取り付ける。そして、タッチパネル106aにおける入力座標と、ディスプレイ105上の表示座標とを対応付ける。これにより、恰もユーザがディスプレイ105上に表示された画面を直接的に操作可能であるかのようなGUIを構成することができる。タッチパネル106aは、タッチ検出手段の一例に対応する。ただし、タッチパネル106aは、ディスプレイ105に重ね合わせて平面的に構成され、接触された位置に応じた座標情報が出力されるようにした入力デバイスでもよいし、ディスプレイ105と別に単体の構成であってもよい。
【0014】
圧力検出部107は、タッチパネル106aの操作面に対する押圧力を検出する。圧力検出部107は、圧力検出手段の一例に対応する。圧力検出部107は、操作面に対するタッチ操作によって押圧された場合の押圧力の強度を連続的に検出することができる。圧力検出部107は例えば、歪みゲージセンサや静電容量センサを用いることができる。歪みゲージセンサを用いる場合には、操作面に対する押圧力によって歪む部分に歪みゲージセンサを設置し、歪みゲージセンサからの出力値によって操作面に対する押圧力を検出する。静電容量センサを用いる場合には、操作面と平行に静電容量センサを設ける。操作面に対する押圧力によって操作面が歪むことで、操作面上の指と静電容量センサとの距離を静電容量値から算出し、算出した距離に基づいて押圧力を検出したり、算出した距離を圧力と同等に扱うことで押圧力を検出したりしてもよい。なお、圧力検出部107は、操作面に対する押圧力を検出可能なものであれば、他の方式のものであってもよい。また、圧力検出部107はタッチパネル106aと一体の構成であってもよい。
【0015】
記憶媒体I/F108は、メモリカードやCD、DVD等の記録媒体109を装着する。記憶媒体I/F108は、CPU101の制御に基づき、装着された記録媒体109からのデータの読み出し、および、記録媒体109へのデータの書き込みを行う。
外部I/F110は、外部機器と有線ケーブルや無線によって接続し、画像データや音声データの入出力を行う。
通信I/F111は、外部機器やインターネット112等と通信して、ファイルやコマンド等の各種データの送受信を行う。
撮像部113は、撮像した画像データを画像処理部104に送信する。撮像部113は、ユーザによりタッチパネル106aを介したタッチ操作に基づいて、撮像に関する設定項目の設定値を変更した上で被写体を撮像する。撮像部113は、例えば、レンズや撮像素子等により構成される。
【0016】
なお、操作部106にタッチパネル106aが含まれる場合、CPU101はタッチパネル106aへの以下の操作あるいは状態を検出できる。
・タッチパネル106aにタッチしていなかった指やペンが新たにタッチパネル106aにタッチしたこと。すなわち、タッチの開始(以下、タッチダウンという)。
・タッチパネル106aを指やペンでタッチしている状態であること(以下、タッチオンという)。
・タッチパネル106aを指やペンでタッチしたまま押し込まれていること(以下、タッチプッシュという)。
・タッチパネル106aを指やペンでタッチしたまま移動していること(以下、タッチムーブまたスライドという)。
・タッチパネル106aへタッチしていた指やペンを離したこと。すなわち、タッチの終了(以下、タッチアップという)。
・タッチパネル106aに何もタッチしていない状態(以下、タッチオフという)。
【0017】
タッチダウンが検出されると、同時にタッチオンであることも検出される。タッチダウンの後、タッチアップが検出されない限りは、通常はタッチオンが検出され続ける。タッチムーブが検出されるのもタッチオンが検出されている状態である。タッチオンが検出されていても、タッチ位置が移動していなければタッチムーブは検出されない。タッチしていた全ての指やペンがタッチアップしたことが検出された後は、タッチオフとなる。
これらの操作・状態や、タッチパネル106a上に指やペンがタッチしている位置座標は内部バス150を通じてタッチパネル106aからCPU101に通知される。CPU101は通知された情報に基づいてタッチパネル上でどのような操作が行なわれたかを判定する。CPU101はタッチムーブについてはタッチパネル106a上で移動する指やペンの移動方向についても、位置座標の変化に基づいて、タッチパネル106a上の垂直成分・水平成分毎に判定できる。また、タッチパネル106a上をタッチダウンしてから一定のタッチムーブを経てタッチアップをしたとき、ストロークを描いたこととする。素早くストロークを描く操作をフリックという。フリックは、タッチパネル106a上に指をタッチしたままある程度の距離だけ素早く動かして、そのまま離すといった操作であり、言い換えればタッチパネル106a上を指ではじくように素早くなぞる操作である。CPU101は、所定距離以上を、所定速度以上でタッチムーブしたことが検出し、そのままタッチアップが検出されるとフリックが行なわれたと判定する。また、CPU101は、所定距離以上を、所定速度未満でタッチムーブしたことが検出した場合はドラッグが行なわれたと判定する。また、CPU101は、圧力検出部107により検出された押圧力が所定の閾値以上である場合には、いわゆる3Dタッチが行われたと判定する。
【0018】
タッチパネル106aは、抵抗膜方式や静電容量方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式等の方式のうち何れの方式を用いてもよい。方式によって、タッチパネル106aに対する接触があったことでタッチがあったと検出する方式や、タッチパネル106aに対する指やペンの接近があったことでタッチがあったと検出する方式があるが、何れの方式であってもよい。
【0019】
次に、本実施形態のカメラ100の処理の一例について
図2のフローチャートを参照して説明する。
図2のフローチャートは、CPU101が不揮発性メモリ103に格納されたプログラムをメモリ102に記憶して実行することにより実現される。また、
図2のフローチャートは、操作部106のタッチパネル106aを有効にすることにより周期的に実行される。
S201では、CPU101はタッチパネル106aの操作面に対してタッチダウンがあったか否かを判定する。タッチダウンがあった場合にはS202に進む。タッチダウンがない場合にはフローチャートの処理を終了する。
【0020】
S202では、CPU101は保持タイマが計時中であるか否かを判定する。保持タイマは、後述するS214において計時が開始されるタイマである。保持タイマの値が0になっている場合には対象保持タイマの計時は終了する。保持タイマの値は、所定期間の一例に対応する。保持タイマが計時中ではない場合にはS203に進む。一方、保持タイマが計時中である場合、すなわち所定期間内の場合にはS210に進む。ここでは、保持タイマの計時が開始されておらず、保持タイマが計時中ではないことからS203に進む場合について説明する。
【0021】
S203では、CPU101は圧力検出部107を介してタッチパネル106aの操作面に対するタッチの押圧力を判定する。本実施形態では、タッチの押圧力を「高」、「中」、「低」に区分けする。具体的には、圧力検出部107がS201でユーザがタッチダウンしたときの押圧力を検出し、CPU101が圧力検出部107から押圧力の情報を取得する。CPU101は、例えば、押圧力の値が第1閾値以上であれば「高」に、第1閾値未満かつ第2閾値以上であれば「中」に、第2閾値未満であれば「低」に区分けする。なお、第1閾値および第2閾値の情報は、例えば、不揮発性メモリ103に格納されている。
押圧力が「高」の場合にはS204に進み、押圧力が「中」の場合にはS205に進み、押圧力が「低」の場合にはS206に進む。ユーザはタッチ操作の押圧力に応じて異なる機能を実行させることができる。本実施形態では、ユーザはタッチダウンの押圧力に応じて異なる設定項目を選択して、タッチムーブによって該選択した設定項目の設定値を変更することができる。
【0022】
本実施形態では、設定項目として撮像に関する設定項目を例にして説明する。
具体的には、押圧力が「高」でありS204に進んだ場合にはCPU101は設定項目としてISOを選択して、S207に進む。また、押圧力が「中」でありS205に進んだ場合にはCPU101は設定項目としてAv(絞り)を選択して、S208に進む。また、押圧力が「低」でありS206に進んだ場合には、CPU101は設定項目としてTv(シャッター速度)を選択して、S209に進む。
【0023】
S207、S208およびS209では、CPU101は選択した設定項目をユーザに対して識別可能に、表示、音あるいは振動等によって報知する。
S207では、CPU101は、例えば、ISOに関する表記を点滅させたり、ハイライト表示させたりして、他の設定項目と識別可能に表示する。また、CPU101は、例えば、音を3段階のうち大きく鳴らしたり、振動を3段階のうち強く振動させたりしてもよい。その後、S210に進む。
S208では、CPU101は、例えば、Avに関する表記を点滅させたり、ハイライト表示させたりして、他の設定項目と異なる表示態様で表示する。また、CPU101は、例えば、音を3段階のうち中程度で鳴らしたり、振動を3段階のうち中程度で振動させたりしてもよい。その後、S210に進む。
S209では、CPU101は、例えば、Tvに関する表記を点滅させたり、ハイライト表示させたりして、他の設定項目と異なる表示態様で表示する。また、CPU101は、例えば、音を3段階のうち小さく鳴らしたり、振動を3段階のうち弱く振動させたりしてもよい。その後、S210に進む。
【0024】
ここで、設定項目に関する表記をハイライト表示したときの表示例について
図4(a)を参照して説明する。
図4(a)に示すように、例えば押圧力が「高」でタッチダウンされた場合には、「ISO」の表記401がハイライト表示される。一方、「Av」および「Tv」の表記402、403はハイライト表示されないために、ユーザはISOの設定項目が選択されていることを認識することができる。なお、
図4(a)には、ディスプレイ105の一部(下側)に、ISOの設定値を変更するための表示アイテム404が表示される。
【0025】
次に、振動させる場合の一例について
図5および
図6を参照して説明する。
図5は、振動に適したカメラ500の構成の一例を示す図である。ここでは、
図1のカメラ100の構成に加えて、カメラ500には振動モータ114が追加されている。
図6は、振動モータ114の構成の一例を示す図である。
振動モータ114は、直流モータ601、分銅602を有する。直流モータ601は直流電圧が印加されることによって分銅602を回転させる。分銅602は重心が直流モータ601の出力シャフトの中央から偏っている。したがって、分銅602が回転することによって振動が発生する。この振動が、タッチパネル106aの操作面をタッチしている手を通じてユーザに刺激を与える。
このように、ユーザに対して選択されたことを、表示、音および振動の少なくとも何れか一つを用いてフィードバックすることで、ユーザは何れかの設定項目が選択されていることを認識することができる。なお、ユーザに対して選択されたことを表示によりフィードバックする場合には、点滅やハイライト表示に限られず、設定項目が選択されていることを認識できるようなその他の強調表示であってもよい。
【0026】
図2のフローチャートに戻り、S210では、CPU101はS201でタッチダウンを検出してからタッチアップを検出することなくタッチムーブ(スライド)を検出したか否かを判定する。タッチムーブを検出した場合にはS211に進む。このとき、CPU101はタッチパネル106aからタッチムーブの移動量(スライド量)の情報を取得する。一方、タッチムーブを検出しない場合にはユーザに設定値を変更する意思がないものとして、フローチャートを終了する。なお、タッチムーブおよびタッチアップも検出しない場合にはS203に戻ることが好ましい。この場合、CPU101は再びタッチの押圧力を判定して、S204からS206の何れかに進むことから、ユーザは押圧力を変更することで、異なる設定値を選択することができる。また、S207、S208およびS209において、ユーザは押圧力を変更することで表示、音および振動の少なくとも何れか一つにより選択された設定項目を認識することができる。
【0027】
S211では、CPU101は操作対象とする設定項目を確定する。具体的には、CPU101はS204からS206で選択した設定項目の情報を、操作対象の設定項目として確定する。ここでは、CPU101は確定した設定項目の情報をメモリ102に記憶する。したがって、例えば、S204においてISO値を選択し、S205においてISOに関する表記がハイライト表示されている状態で、ユーザがタッチムーブした場合にはISOが操作対象とする設定項目として確定される。その後、S212に進む。
S212では、CPU101は保持タイマを設定するための保持タイマ設定処理を行う。保持タイマ設定処理について、
図3(a)または
図3(b)に示すフローチャートの2通りの処理について説明する。
【0028】
まず、
図3(a)に示すフローチャートについて説明する。
S301では、CPU101はS210で取得したタッチムーブの移動量に応じて設定項目の設定値を変更する。なお、CPU101が実際に設定値を変更する処理は、後述するS213においてタッチアップを判定した後であってもよい。この場合、CPU101はタッチムーブの移動量に応じて変更される設定値をユーザに識別可能に表示する。
図4(b)は、移動量に応じて設置値を変更する状態を説明するための図である。
図4(b)は、
図4(a)に示す表示アイテム404として、設定値および目盛りを示している。
図4(b)に示したように、タッチムーブの移動量が右に大きくなるほどISOの設定値が大きくなり、タッチムーブの移動量が左に大きくなるほどISOの設定値が小さくなる。
S302では、CPU101は移動量に基づいて保持タイマの値を設定する。ここでは、移動量が大きいほど、ユーザが再び設定値を設定し直す可能性が高いことを考慮して、移動量が大きいほど保持タイマの値を大きくして設定する。移動量に基づいた保持タイマの値は、例えば不揮発性メモリ103に格納されている。
【0029】
次に、
図3(b)に示すフローチャートについて説明する。
S311では、CPU101はS210で取得したタッチムーブの移動量に応じて設定項目の設定値を変更する。この処理は、上述したS301と同様の処理である。
S312では、CPU101はS311で変更した設定値が上限または下限であるか否か、言い換えると設定範囲の突き当りであるか否かを判定する。変更した設定値が上限または下限である場合にはS313に進み、上限または下限ではない場合にはS314に進む。
図4(b)に示すISOの設定値は、上限が「51200」、下限が「AUTO」であり、「51200」または「AUTO」に変更された場合にS313に進む。なお、ここでは、上限が「51200」、下限が「AUTO」である場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、上限が「AUTO」であって下限が「100」等の数値であってもよく、上限が「51200」等の数値であって下限が「100」等の数値であってもよい。
【0030】
S313では、CPU101は保持タイマの値を0に設定する。ここでは、変更した設定値が上限または下限の場合には、ユーザが再び設定値を設定し直す可能性が低いことを考慮して、保持タイマの値を0に設定する。
S314では、CPU101は移動量に基づいて保持タイマの値を設定する。この処理は、上述したS302と同様の処理である。
なお、設定値に「AUTO」が設定された場合には、CPU101は設定値を自動で変更し、ユーザが手動で変更することが不要なために、「AUTO」に設定された設定項目を、押圧力に応じて、変更できる設定項目から除外する。一方、CPU101は新たに押圧力に応じて、変更できる設定項目を追加してもよい。なお、CPU101はユーザによる選択に応じて設定項目を追加するか否かを決定したり、ユーザによる選択に応じて追加する設定項目を決定したりすることができる。
【0031】
図7は、設定項目が追加された場合の一例を示す図である。
図7に示すように、設定項目のうちISOの設定値が「AUTO」に設定された場合には、ISO値に関する表記701がグレーアウトで表示され、ユーザに押圧力に応じて設定値を変更できないことが識別可能に表示される。一方、押圧力に応じて変更できる設定項目として、新たに「露出補正」に関する表記704が追加されている。このように、CPU101は設定状態に応じて、操作対象となる設定項目を変更することで、ユーザは容易に押圧力に応じて設定値を変更することができる。なお、CPU101はユーザにより設定されるモード(例えば、静止画撮影モード、動作撮影モード、再生モード等)に応じて、操作対象となる設定項目を変更してもよい。
【0032】
図2のフローチャートに戻り、S213ではCPU101はS210でのタッチムーブからタッチアップがあったか否かを判定する。タッチアップがない場合にはタッチアップを待機する。なお、タッチアップがない場合にはS212に戻ってもよい。一方、タッチアップがあった場合には、S214に進む。
S214では、CPU101は保持タイマの計時を開始する。具体的には、CPU101はS212で設定した保持タイマの値からカウントダウンを開始して0になるまで計時する。すなわち、保持タイマの値が0になった場合には計時を終了する。ここで、CPU101は、保持タイマの値が0になるまでS211で確定した操作対象の設定項目を保持する。なお、S214では、CPU101が実際に設定値を変更した後に、保持タイマの計時を開始してもよい。
次に、CPU101はS214の処理が終了して、周期的に
図2のフローチャートを開始した場合を想定する。
この場合、S201においてCPU101はタッチパネル106aの操作面に対してタッチダウンがあったか否かを判定し、再びタッチダウンがあったものとしてS202に進む。
【0033】
S202では、CPU101はS214で計時を開始した保持タイマが計時中であるか否かを判定する。保持タイマが0であって計時中ではない場合、すなわち所定期間が経過した場合にはS203に進む。S203では上述したように、CPU101は圧力検出部107を介してタッチパネル106aの操作面に対するタッチダウンの押圧力を判定し、タッチダウンの押圧力に応じて異なる設定項目を選択して、タッチムーブにより該選択した設定項目の設定値を変更する。
一方、保持タイマが0ではなく計時中の場合、すなわち所定期間が経過していない場合にはS210に進み、CPU101はタッチムーブを検出したか否かを判定し、タッチムーブを検出した場合にはS211に進む。
【0034】
S211では、CPU101は前回のS211で確定した設定項目を、操作対象の設定項目として確定する。すなわち、CPU101は設定項目の情報をメモリ102から読み出し、読み出した設定項目を操作対象の設定項目として確定して、S212に進む。
したがって、保持タイマが計時中である場合には、S203からS209までの処理には進まないことから、押圧力に関わらず、前回、確定した設定項目が操作対象の設定項目となる。なお、保持タイマが計時中である場合には、CPU101はタッチアップされる前と同じ設定項目が、操作対象の設定項目となることをユーザに対して識別可能に表示する。例えば、CPU101は、前回のフローチャートの処理でS207からS209において点滅やハイライト表示した表記を、保持タイマの計時が終了するまで継続させることで、操作対象の設定項目をユーザに識別可能に表示することができる。したがって、ユーザはタッチアップした後であっても操作対象の設定項目を容易に識別することができる。一方、保持タイマが終了した場合には、CPU101は、タッチアップされる前と同じ設定項目が、操作対象の設定項目とならないことをユーザに対して識別可能に表示する。例えば、CPU101は、前回のフローチャートの処理のS207からS209において継続している点滅やハイライト表示を解除する。
【0035】
本実施形態では、CPU101はタッチ操作に応じて押圧力に対応する機能を実行するように制御した後、タッチ操作後の所定期間内に再びタッチ操作を検出した場合、押圧力に関わらず前回のタッチ操作に応じて実行した機能と同じ機能を実行する。したがって、例えば、ユーザがタッチ操作の押圧力に応じて設定項目の設定値を変更し、再び同じ設定項目の設定値を変更したい場合、前回と同じ押圧力でタッチ操作しなくても、設定値を変更することができる。このように、ユーザは容易に設定値を変更することができる。
また、本実施形態では、CPU101は操作面に対する第1のタッチダウンの押圧力に応じて実行する機能を選択し、タッチダウンからタッチムーブによって選択した機能を実行する。また、CPU101は再び第2のタッチダウンからタッチムーブを検出した場合、タッチアップされた後の所定期間内では第2のタッチダウンの押圧力に関わらず前回のタッチムーブによって実行した機能と同じ機能を実行する。このような2段階のタッチ操作によって誤った機能が選択されることを抑制することができる。
なお、上述した実施形態では、押圧力に応じた機能が実行されてからタッチアップした後に保持タイマを開始する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、タッチアップすることで押圧力に応じた機能が実行され、その後に保持タイマを開始してもよい。以降の実施形態も同様である。
【0036】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について
図8のフローチャートを参照して説明する。本実施形態は、第1の実施形態に、保持タイマの計時を途中で解除する処理を追加することで、ユーザは保持タイマの計時の終了を待つことなく、押圧力に応じた機能を実行させることができる。なお、
図8のフローチャートのうちS801からS814までの処理は、
図2のフローチャートのS201からS214までの処理と同様であり適宜、説明を省略する。ここでは、保持タイマが計時中である場合について説明する。
【0037】
S802では保持タイマが計時中であるとしてS815に進む。
S815では、CPU101はS801での操作面に対するタッチダウンからタッチアップがあったか否かを判定する。タップアップがない場合にはS810に進む。S810に進んだ場合には、第1の実施形態と同様に、タッチムーブがあった場合、前回のS811で確定した設定項目を、操作対象の設定項目として確定する。一方、タッチアップがあった場合にはS816に進む。ここで、S801でのタッチダウンからS815でのタッチアップは、ユーザによる保持タイマの解除操作であって、特定の操作の一例に対応する。
S816では、CPU101は保持タイマの計時を終了する(0にする)ことで、保持タイマを解除して、S803に進む。したがって、S803以降において、前回のS803と同様に、CPU101は圧力検出部107を介してタッチパネル106aの操作面に対するタッチダウンの押圧力を判定し、押圧力に応じて変更したい設定項目を選択することができる。
【0038】
本実施形態では、CPU101はタッチ操作後の所定期間内に再びタッチ操作を検出した場合であっても、ユーザによる特定の操作があった場合には、所定期間であってもタッチ操作に応じて押圧力に対応する機能を実行するように制御する。したがって、例えば、ユーザがタッチ操作の押圧力に応じて設定項目の設定値を変更した後、所定期間であっても、前回と異なる設定項目の設定値を変更したい場合には、解除操作を行うことでタッチ操作の押圧力に応じた設定項目の設定値を変更することができる。すなわち、ユーザは所定期間を待つことなく所望する設定項目の設定値を変更することができることから、ユーザの操作性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、特定の操作としてタッチダウンからタッチアップに遷移する解除操作について説明したが、この場合に限られない。特定の操作は、特定なボタンへの操作、解除処理に割り当てられた押圧力でのタッチ、ディスプレイ105に表示アイテムが表示されていない領域へのタッチ、一定期間のタッチ(長押し)、および、これらの組み合わせであってもよい。
【0039】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について
図9のフローチャートを参照して説明する。上述した実施形態では、押圧力に応じて選択される設定項目が、撮像に関する設定項目である場合について説明した。本実施形態では、選択される設定項目が、音量、アルバム選択、曲選択、曲再生位置等の音楽に関する設定項目である場合について説明する。なお、本実施形態では、電子機器がスマートフォン1000であるものとする。スマートフォン1000の構成は、
図1のカメラ100あるいは
図5のカメラ500と同様の構成であり、説明を省略する。また、
図9のフローチャートのうちS901からS902までの処理、および、S912からS916までの処理は、
図2のフローチャートのS201からS202までの処理、および、S210からS214までの処理と同様であり適宜、説明を省略する。
【0040】
S903では、CPU101は圧力検出部107を介してタッチパネル106aの操作面に対するタッチの押圧力を判定する。本実施形態では、タッチの押圧力を「高」、「中高」、「中低」、「低」に区分けする。例えば、押圧力の値が第1閾値以上であれば「高」に、第1閾値未満かつ第2閾値以上であれば「中高」に、第2閾値未満かつ第3閾値以上であれば「中低」に、第3閾値未満であれば「低」に区分けする。なお、第1閾値、第2閾値および第3閾値の情報は、例えば不揮発性メモリ103に格納されている。
押圧力が「高」の場合にはS904に進み、押圧力が「中高」の場合にはS905に進み、押圧力が「中低」の場合にはS906に進み、押圧力が「低」の場合にはS907に進む。本実施形態では、ユーザはタッチの押圧力に応じて、音量、アルバム選択、曲選択、曲再生位置の何れかの設定項目を選択することができる。
【0041】
具体的には、押圧力が「高」でありS904に進んだ場合にはCPU101は設定項目として音量設定を選択して、S908に進む。また、押圧力が「中高」でありS905に進んだ場合にはCPU101は設定項目としてアルバム選択を選択して、S909に進む。また、押圧力が「中低」でありS906に進んだ場合には、CPU101は設定項目として曲選択を選択して、S910に進む。また、押圧力が「低」でありS907に進んだ場合には、CPU101は設定項目として曲選択を選択して、S911に進む。
【0042】
S908、S909、S910およびS911では、CPU101は選択された設定項目をユーザに対して識別可能に報知する。例えば、第1の実施形態と同様に、CPU101は選択された設定項目を、表示、音あるいは振動等によって報知することができる。
図10は、スマートフォン1000のディスプレイ105の表示例を示す図である。
図10(a)は、ユーザが最初に低い押圧力でタッチした状態の表示例を示す図である。ここでは、「再生位置」に関する表記1004がハイライト表示され、再生位置をタッチムーブで変更できる表示アイテム1005が表示される。一方、「音量」、「アルバム選択」、「曲選択」に関する表記1001、1002、1003はハイライト表示されないために、ユーザは再生位置の設定項目が選択されていることを認識することができる。
図10(b)では、ユーザが続けて押圧力を強くして中高程度でタッチした状態の一例を示す図である。ここでは、「アルバム選択」1002がハイライトで表示される。ユーザが、この状態からタッチムーブすることで、操作対象とする設定項目がアルバム選択として確定される。
図10(c)は、操作対象とする設定項目をアルバム選択して確定したときの表示例を示す図である。ここでは、複数のアルバム1006が選択可能に表示される。
図10(d)は、保持タイマが終了した状態の表示例を示す図である。ユーザがアルバム選択を行いタッチアップすることで、CPU101は保持タイマの計時を開始する。CPU101は保持タイマが0になり、計時が終了した場合には、「音量」、「アルバム選択」、「曲選択」、「再生位置」に関する表記1001、1002、1003、1004の何れもが選択されていないことを識別できるようにハイライトを解除して表示する。
【0043】
このように、本実施形態では、CPU101は押圧力に応じて音楽に関する設定項目の設定値等を変更してから、再びタッチ操作を検出した場合、所定期間では前回と同じ設定項目等を変更するように制御する。したがって、例えば、ユーザがタッチ操作の押圧力に応じて音楽に関する設定項目の設定値等を変更した後に、再び同じ設定項目の設定値等を変更したい場合には、前回と同じ押圧力でタッチ操作しなくても、直ちに設定値等を変更することができる。
【0044】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記録媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0045】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。また、上述した各実施形態を組み合せてもよい。
【0046】
また、上述した実施形態では、電子機器がカメラ100、500、あるいは、スマートフォン1000である場合について説明したが、この場合に限られない。すなわち、タッチパネル106aの操作面に対するタッチ操作の押圧力に応じて異なる機能を実行する装置であれば、適用可能である。すなわち、本発明は、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、音楽プレーヤー、プリンタ装置、デジタルフォトフレーム、ゲーム機、電子ブックリーダー、投影装置、車載用の電子機器、家庭用の電子機器、工業用の電子機器等にも適用可能である。