(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体に装着又は内蔵され、可変な照射角で発光する照射手段と、前方向および上方向への前記照射手段によるテストバウンス発光を行ってバウンス角を算出する算出手段と、前記照射角を前記バウンス角にして前記照射手段による本発光を行い撮影するバウンス撮影手段を備える撮像装置であって、
前記照射手段が非発光の状態での撮影により取得した被写体の画像に基づき、前記被写体までの距離を取得する距離取得手段と、
前記取得された前記被写体までの距離が第1の所定距離未満である場合、前記前方向へのテストバウンス発光を行わず、前記上方向へのテストバウンス発光と前記取得された前記被写体までの距離に基づき前記バウンス角を算出するよう前記算出手段を制御する制御手段とを備えることを特徴とする撮像装置。
前記制御手段は、前記被写体までの距離が第2の所定距離より遠い場合、前記前方向および前記上方向へのテストバウンス発光をいずれも行うことなく、前記前方向への前記照射手段による本発光を行い撮影することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
前記制御手段は、前記被写体までの距離が前記第1の所定距離以上であって前記第2の所定距離未満の場合、前記前方向へのテストバウンス発光及び前記上方向へのテストバウンス発光に基づき前記バウンス角を算出するよう前記算出手段を制御することを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
前記照射角を前記バウンス角にした場合に、前記照射手段で発光された光が天井で反射して前記被写体に照射される入射角と、前記光と前記天井の面とがなす角との間の角度差が第1の所定値未満である場合、前記光が前記天井に照射される照射ポイントを補正することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
本体に装着又は内蔵され、可変な照射角で発光する照射手段と、前方向および上方向への前記照射手段によるテストバウンス発光を行ってバウンス角を算出する算出手段と、前記照射角を前記バウンス角にして前記照射手段による本発光を行い撮影するバウンス撮影手段を備える撮像装置の調光制御方法であって、
前記照射手段が非発光の状態での撮影により取得した被写体の画像に基づき、前記被写体までの距離を取得する距離取得ステップと、
前記取得された被写体までの距離が第1の所定距離未満である場合、前記前方向へのテストバウンス発光を行わず、前記上方向へのテストバウンス発光と前記取得された前記被写体までの距離に基づき前記バウンス角を算出するよう前記算出手段を制御する制御ステップとを有することを特徴とする調光制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(実施例1)
以下、
図1を参照して、本実施例に係る撮像装置としてのデジタルカメラ1のハードウェア構成および処理の流れについて説明する。尚、本発明の撮像装置は撮像素子を用いてオートバウンス制御を行うものであれば、本実施例のようなデジタルカメラに限定されず、例えば、ビデオカメラ等であってもよい。
【0014】
操作部101は、操作者がデジタルカメラ1に対して各種の指示を入力するために操作するスイッチやボタンなどにより構成されている。操作部101の中には、シャッタースイッチや、タッチセンサ(後述する表示部107をタッチすることで操作が可能となるもの)も含む。
【0015】
制御部102は、同図に示すデジタルカメラ1の全体動作を制御するものであり、操作部101からの指示に応じて各部を制御する。
【0016】
センサ部103は、レンズ108a、メカ機構109aを介して入射される光を受け、その光量に応じた電荷(アナログ画像信号)を出力する。A/D変換部104は、センサ部103から出力されたアナログ画像信号に対して、サンプリング、ゲイン調整、A/D変換等を行い、デジタル画像信号として出力する。画像処理部105は、A/D変換部104から出力されたデジタル画像信号に対して各種の画像処理を行い、処理済みのデジタル画像信号を出力する。例えば、A/D変換部104から受けたデジタル画像信号を、YUV画像信号に変換して出力する。被写体検出部106は、画像処理部105にて得られた画像を元に被写体の領域を検出する。
【0017】
表示部107は、液晶画面などにより構成されている。
【0018】
AF処理部108は画像処理部105によって得られた画像をもとにレンズ108aを制御し、ピントを合わせる。
【0019】
AE処理部109は画像処理部105によって作成された画像から適正輝度との差分を算出し、メカ機構109aを制御する。
【0020】
ストロボ部111は、デジタルカメラ1の本体に装着又は内蔵され、可変な照射角で発光する。
【0021】
EF処理部110では、発光判断がされた場合に被写体からの反射光の光量が適正となりうる光量をストロボ部111に発光させる。
【0022】
照射角変動部115では、ストロボ部111による照射角が所定の角度となるようストロボ部111の向きを変動させる。
【0023】
被写体距離算出部116では、ライブ画像撮影中のAF動作にて得られた距離情報をもとに被写体距離を算出する。また、AF距離情報が得られない場合は、顔のサイズ情報およびレンズの焦点距離情報から被写体距離を推定算出する。
【0024】
エンコーダー部112は、出力されたデジタル画像信号(画像データ)のフォーマットをJPEGなどのフォーマットに変換し、画像記録部113に出力するものである。画像記録部113は、エンコーダー部112から受けたフォーマット変換済みの画像データを、デジタルカメラ1内の不図示のメモリや、デジタルカメラ1に挿入されている外部メモリなどに記録する処理を行う。
【0025】
次に、デジタルカメラ1を用いて撮像を行う場合の動作について説明する。
【0026】
先ず、操作者が、操作部101に含まれている電源スイッチをオンにすると、制御部102はこれを検知し、デジタルカメラ1を構成する各部に電源を供給する。デジタルカメラ1を構成する各部に電源が供給されるとレンズ108aより被写体側にある不図示のシャッターが開く。これにより、センサ部103には、デジタルカメラ1の前面に配置されたレンズ108a、メカ機構109a内の露出機構を介して光が入光することになる。センサ部103は、内部の撮像素子に溜まった電荷を読み出し、A/D変換部104にアナログ画像信号として出力する。
【0027】
A/D変換部104は、センサ部103から出力されたアナログ画像信号に対して、サンプリング、ゲイン調整、A/D変換等を行い、デジタル画像信号として出力する。
【0028】
画像処理部105は、A/D変換部104から出力されたデジタル画像信号に対して各種画像処理を行い、処理済みのデジタル画像信号を出力する。
【0029】
ライブ信号がフィードバックされてAE制御を行う設定の場合、A/D変換部104から出力されるデジタル画像信号はAE処理部109にフィードバックされる。AE処理部109は、このフィードバックされたデジタル画像信号に基づき画面内輝度を適正に保つよう露出演算された値を再度、メカ機構109aに伝える。
【0030】
同様にライブ信号がフィードバックされてAF制御を行う設定の場合、AF処理部108にもA/D変換部104から出力されるデジタル画像信号がフィードバックされる。AF処理部108は、このフィードバックされたデジタル画像信号に基づき被写体にピントが合うように算出された位置をレンズ108aに伝える。
【0031】
操作者による操作部101のバウンスボタンの押下があると、操作部101は制御部102にバウンス制御開始信号を通知する。制御部102はこの信号を操作部101から受けた場合、ライブ動作中に取得した距離情報と併せてこの信号をEF処理部110に通知する。EF処理部110では、バウンス撮影用のテストバウンス発光のパターンを選択し、照射角変動部115へ通知を行い、所定角度にストロボ部111の向きを変動させた後、ストロボ部111はテストバウンス発光を行い、バウンス角を算出する。バウンス撮影用のテストバウンス発光のパターンを選択方法の詳細については、
図2のフローチャートを用いて後述する。尚、バウンス角とは、バウンス撮影の際のストロボ部111の照射角であって、前方向にストロボ光を照射した場合を基準としてそこからストロボ部111が変動した角度を指す。
【0032】
また、操作者による操作部101の撮影ボタン半押し操作があると、操作部101は制御部102にSW1通知を行う。また、操作者による操作部101の撮影ボタン全押し操作があると、操作部101は制御部102にSW2通知を行う。
【0033】
制御部102はSW1通知を操作部101から受けると、この時点における画像信号を用いたAF処理およびAE処理をAF処理部108およびAE処理部109に行わせ、撮影に最適なピントおよび露出設定等の撮影条件を設定する。また制御部102は、SW1通知の前にオートバウンス制御開始信号を受けていた場合はストロボを発光すると判定し、受けていない場合はストロボを発光しないと判定するストロボ発光判定も行う。
【0034】
ストロボ発光判定によりストロボを発光しないと判定された状態でSW2通知を操作部101から受けると本撮影に移行し、SW1通知の際に設定された撮影条件をAE処理部109、AF処理部108に伝える。これにより、ストロボを発光させない状態でレンズ108a、メカ機構109aの露出機構が制御される。センサ部103は、この際に入射した光の光量に応じた電荷を読み出し、A/D変換部104にアナログ画像信号として出力する。A/D変換部104は、センサ部103から出力されたアナログ画像信号に対して、サンプリング、ゲイン調整、A/D変換等を行い、デジタル画像信号として出力する。画像処理部105はデジタル画像信号に対して各種の画像処理を行い、処理済みのデジタル画像信号を出力する。
【0035】
一方、ストロボ発光判定によりストロボを発光すると判定された状態でSW2通知を操作部101から受けると本撮影に移行し、SW1通知の際に設定された撮影条件をAE処理部109、AF処理部108に伝える。これにより、まずはストロボを発光させない状態でレンズ108a、メカ機構109aの露出機構が制御され、センサ部103に光が入射する。その後、センサ部103、A/D変換部104、および画像処理部105における処理によって得られるデジタル画像信号を調光用の非発光画像として取得する。次に、EF処理部110から予備発光の指示をストロボ部111へ出し、算出されたバウンス角にストロボ部111の照射角を変動させた状態で発光させる。この時同時にレンズ108a、メカ機構109aの露出機構を上記撮影条件となるよう制御し、センサ部103に光を入射させる。その後、センサ部103、A/D変換部104、および画像処理部105における処理によって得られるデジタル画像信号を調光用の発光画像として取得する。その後、この調光用の非発光画像と発光画像の輝度差を用いて、本発光撮影時に被写体を適正輝度とするのに必要な本発光量を算出する。本発光量が算出できたら、本発光撮影を行う。EF処理部110にて本発光指示が出されたのち、バウンス角に向きを変動したストロボ部111で本発光が行われると同時に露光を行い、バウンス撮影を終了とする。
【0036】
上記本発光動作により、レンズ108a、メカ機構109aを介してセンサ部103に入った本発光による被写体からの反射光の電荷を読み出し、A/D変換部104にアナログ画像信号として出力する。A/D変換部104は、センサ部103から出力されたアナログ画像信号に対して、サンプリング、ゲイン調整、A/D変換等を行い、デジタル画像信号として出力する。画像処理部105から出力されたデジタル画像信号はエンコーダー部112にてJPEGなどのフォーマットに変換され、画像記録部113に画像データとして出力される。画像記録部113は、フォーマット変換された画像データを所定のメモリに記録する処理を行う。
【0037】
次に、
図2を用いてバウンス撮影用のテストバウンス発光のパターンの選択方法に関して説明する。
【0038】
図2は、本実施例に係る、デジタルカメラ1における撮像制御処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、制御部102がデジタルカメラ1内の不図示のROM内に保持されるプログラムを展開することにより実行される。以下、本実施例では自分自身による至近距離撮影(以下、「自分撮り」という)が行われている場合について説明する。
【0039】
先ず、操作部101に対するユーザー操作に応じてデジタルカメラ1の電源がOnになると、ライブ画像の露光を開始する(ステップS201)。すなわち、ストロボ部111が非発光の状態で被写体の画像のライブ画像としての取得を開始する。その後、露光されたライブ画像の画像信号を取得する(ステップS202)。
【0040】
次に、ステップS202で取得された画像信号からライブ画像の輝度値Bvを算出する測光を行う(ステップS203,S204)。ここではライブ画像をブロック分割し積分したブロック積分を用いて平均輝度を算出する。得られた平均輝度が適正輝度よりずれていた場合、そのずれ分を算出し、適正な露出値となるようメカ機構109aを制御するAE制御をAE処理部109が行う(ステップS205)。
【0041】
次に、読みだされた画像信号からAF制御を行う(ステップS206)。ここではライブ画像のエッジ強度を求めるため、
図8に示すようにブロック分割したライブ画像から、各ブロックに対してエッジ信号を抽出する。その後、ブロックごとにエッジのピークホールドにて得られたエッジ信号を合計したのち平均し、その大小にて画像のコントラスト評価を行う。AF処理部108はレンズ108a(フォーカスレンズ)をシフトし、最もコントラスト評価値の高かったレンズ位置を合焦位置とする。この際、合焦位置となるレンズ108aの焦点距離情報を取得する。
【0042】
次に、ステップS202で取得された画像信号からライブ画像内に顔が存在するか、顔の検出を行う(ステップS207)。本実施例では自分撮りが行われているので顔が検出される。また、検出される顔のサイズ(被写体の高さ)情報は予め25cmと設定されている。その後、顔のサイズ情報とステップS206で取得したレンズ108aの焦点距離情報から
図9の式に応じて被写体距離を求める。なお、本実施例では予め設定されている顔のサイズ情報は成人男性を想定したものであり、内部にて変更可能なパラメータとする。また個人認証により検出された顔の年齢や性別の判別が可能な場合(被写体判定手段)、判別された年齢/性別に応じて顔のサイズ情報を切り替えるようにしてもよい。また、本実施例では、顔のサイズ情報とレンズ108aの焦点距離情報から被写体距離を算出するが、測距センサを用いる方法などその他の公知の方法で被写体距離を求めてもよい。
【0043】
その後、SW1通知があるまで(ステップS208でNO、ステップS215でNO)、上記ステップS205のAE制御、ステップS206のAF制御、ステップS207の顔検出はフィードバック制御され、実行され続ける。
【0044】
次に、操作者による操作部101のバウンスボタンが押下された場合(ステップS208でYES)、その時点で得られている被写体距離の情報を用いて(ステップS209:距離取得手段)、被写体距離が至近か否かの判断を行う(ステップS210)。ステップS209で用いられる被写体距離の情報は、上記フィードバック制御中のステップS206のAF制御で取得される焦点距離情報およびステップS207の顔サイズ情報を用いて算出された被写体距離情報である。尚、AF動作中などでステップS207において精度よく被写体距離が算出できなかった場合は、ステップS206のAF制御で取得される焦点距離情報のみから算出された被写体距離情報をステップS209で用いられる被写体距離の情報としてもよい。
【0045】
ステップS210において、被写体距離が至近でない、すなわち被写体距離が予め設定された第1の所定距離以上と判断された場合は(ステップS210でNO)、従来のオートバウンス制御と同様のテストバウンス発光を行う。すなわち、
図3に示すように、被写体の正面(以下、「前方向」という)および天井(以下「上方向」という)にストロボ部111からのストロボ光を照射するテストバウンス発光を行って、バウンス角を算出する(ステップS212,S213,S214)。具体的には、バウンス撮影の際に天井で反射したストロボ光が最適入射角で被写体を照射するための天井へのストロボ光の照射ポイントを算出する。
【0046】
ステップS210において、被写体距離が至近である、すなわち被写体距離が第1の所定距離未満と判断された場合は(ステップS210でYES)、
図5に示すように、上方向だけのテストバウンス発光を行う(ステップS211)。すなわち、前方向のテストバウンス発光は行わないよう制御する。その後、上方向へのテストバウンス発光により測定された天井距離と、ステップS209において得られた被写体距離情報を用いて、バウンス角を算出する(ステップS211,S214)。具体的には、バウンス撮影の際に天井で反射したストロボ光が最適入射角で被写体を照射するための天井へのストロボ光の照射ポイントを算出する。
【0047】
なお、本フローチャートには記載がないが、被写体距離が遠方である、すなわち被写体距離が予め設定された第2の所定距離より遠いと判断された場合は、バウンス撮影ではなく、前方向にストロボを向けて本発光を行う通常のストロボ撮影を行う。
【0048】
また、不図示のジャイロセンサ等のデジタルカメラ1本体の変動値を出力する装置をデジタルカメラ1内に設けてもよい。この場合、出力された変動値が所定値(第2の所定値)より大きい場合、不安定な状態での撮影、すなわち自分撮りが行われていることが想定される。よって、この場合もステップS210において被写体距離が至近であると判断してもよい。
【0049】
また、操作部101のタッチセンサとして機能する表示部107へのユーザー操作により設定された撮影モードがオートバウンスに対応しない場合、後述のステップS218においてストロボ部111を非発光と判断するよう制御する。またかかる場合は併せて、ステップS208におけるバウンスボタンの押下時に、オートバウンスに対応しない旨を表示部107に表示すると共に、処理を後述するステップS215に進める。その後、後述のステップS224においてSW2通知があった時に、ストロボ部111による本発光を行うことなく撮影を行う(ステップS225)。
【0050】
その後、SW1通知があるまでステップS202からの上記処理を繰り返す。
【0051】
SW1通知があった場合(ステップS215でYES)、測光が行われた後、発光判断を行う(ステップS216,S217)。
【0052】
ステップS217の発光判断の結果、非発光と判断された場合(ステップS218でNO)、ステップS216の測光にて取得したBv値を用い、非発光用の撮影露出値(絞りAv、シャッタTv、ISO感度Sv)を算出する。その後、SW2通知があった場合(ステップS224でYES)、上記算出された撮影露出値にて撮影を行い(ステップS225)、本処理を終了する。
【0053】
一方、ステップS217の発光判断の結果、発光と判断された場合(ステップS218でYES)、ステップS216の測光にて取得したBv値を用い、予備発光の撮影露出値および本発光用の撮影露出値を算出する。その後、SW2通知があった場合(ステップS219でYES)、ストロボ発光撮影へと移行する。具体的には、まず必要な発光量を算出するため、調光用に非発光画像と予備発光画像を取得する(ステップS220,S221:第1及び第2の画像取得手段)。ここで、予備発光画像とは、
図11(b)に示すような、ストロボ部111の照射角をステップS214で算出されたバウンス角とした状態で予備発光を行いながら撮影を行うことにより取得される画像である。また、非発光画像とは、
図11(a)に示すような、ストロボ部111を非発光にして撮影を行うことにより取得される画像である。
図11(c)に示すように、予備発光画像および非発光画像をそれぞれブロック分割し、対応するブロックの輝度値の差分を算出する。算出された輝度値の差分が1以上の領域を被写体の領域(調光対象領域)として選別する。この調光対象領域に相当する位置を中央重点のデフォルト重みから抜粋し、調光演算で用いる主被写体重みを作成する。作成された主被写体重みにて重みづけされた平均輝度を目標とする輝度(適正輝度)に近付けるように調光演算を行う。
【0054】
本実施例においては、非発光時にも被写体に外光が当たっていることを想定し、
図12に示すように、調光対象領域の重み付け平均した予備発光画像と非発光画像との輝度差分を予備発光による光量(テストバウンス発光量)として算出する。また、適正輝度と非発光画像での被写体輝度との差分を埋めるのに必要な発光量(本発光量)をテストバウンス発光量に基づき算出する(ステップS222)。
【0055】
算出された本発光量にて本露光を行い(ステップS223)、本処理を終了する。
【0056】
なお本実施例では、SW1通知があるまで実行される、フィードバック制御中のライブ画像を用いたAF制御および顔検出から得られた情報を用いて被写体距離情報を算出したが、かかる構成に限定されない。例えば、バウンスボタンが押下された直後に再度AF制御や顔検出を行い、そこから得られた情報を用いて被写体距離情報を算出するようにしてもよい。
【0057】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0058】
(実施例2)
以下、本発明の実施例2に係る撮像装置としてのデジタルカメラ1について説明する。
【0059】
本実施例の構成は、
図1に示す実施例1の構成と同一であるため、重複した説明を省略する。
【0060】
次に、
図10を用いて本実施例に係るデジタルカメラにおけるストロボ影の投影回避方法を説明する。
【0061】
図10は、本実施例に係る、デジタルカメラ1における撮像制御処理の手順を示すフローチャートである。
図2の処理と同様、本処理は、制御部102がデジタルカメラ1内の不図示のROM内に保持されるプログラムを展開することにより実行される。
【0062】
ステップS801〜S813は、それぞれ実施例1のステップS201〜S213と同じ内容のステップであるため、重複した説明を省略する。
【0063】
次に
図6、
図7を用いて、至近距離バウンス撮影を行う場合のカメラ影の投影回避方法について説明する。
【0064】
ステップS814において最適入射角Θ1を取得したのち、ステップS815においてストロボ部111の照射角がバウンス角である場合のストロボ光と天井の面とがなす角(以下「最適出射角」という)Θ2を取得する。その後、ステップS816においてこれらの角度差が予め設定されている所定値TH未満(第1の所定値未満)か否か、すなわち下記式を満たすか否かを判定する。
|Θ1−Θ2|<TH
【0065】
角度差が所定値TH以下の場合(ステップS816でYES)、カメラの影(ストロボ影)が被写体に投影される惧れがある。よって、
図7に示すように照射ポイントの位置をずらし、その状態で取得される最適入射角Θ3および最適出射角Θ4の角度差がTH以上となるように、すなわち下記式を満たすようにする(ステップS817)。
|Θ3−Θ4|≧TH
【0066】
以降、
図10のステップS818〜S828は、それぞれの実施例1のステップ215〜S225と同じ内容のステップであるため、重複した説明を省略する。
【0067】
(その他の実施形態)
以上、実施形態例を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラム若しくは記憶媒体(記録媒体)等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0068】
なお、本発明は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラム(実施形態では図に示すフローチャートに対応したプログラム)を、システムあるいは装置に直接あるいは遠隔から供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される場合を含む。
【0069】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0070】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0071】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、以下のようなものがある。フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)。
【0072】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページからハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。すなわち、ホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは圧縮され自動インストール機能を含むファイルをダウンロードする。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザーに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0073】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザーに配布する。そして、所定の条件をクリアしたユーザーに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0074】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される。その他にも、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても前述した実施形態の機能が実現され得る。
【0075】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後にも前述した実施形態の機能が実現される。すなわち、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行うことによっても前述した実施形態の機能が実現される。