(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1対向電極上及び前記第2対向電極上の、第1パッシベーション層及び第2パッシベーション層をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
前記配線層の一部は、前記第1パッシベーション層及び第2パッシベーション層の上に配置され、前記配線層は、前記第1パッシベーション層及び第2パッシベーション層のそれぞれに画成されたコンタクトホールを通じて、前記第1対向電極及び前記第2対向電極と接触することを特徴とする請求項4に記載のディスプレイ装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、多様な変換を加えることができ、さまざまな実施形態を有することができるが、特定の実施形態を図面に例示し、詳細な説明によって詳細に説明する。本発明の効果、特徴、及びそれらを達成する方法は、図面と共に詳細に説明する実施形態を参照すれば明確になるであろう。しかし、本発明は、以下に開示される実施形態に限定されるものではなく、多様な形態にて具現される。
【0025】
以下、添付された図面を参照し、本発明の実施形態について詳細に説明するが、図面を参照して説明するとき、同一であるか、あるいは対応する構成要素には、同一の図面符号を付し、それについての重複した説明は省略する。
【0026】
以下の実施形態において、第1、第2といった用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的に使用されている。
【0027】
以下の実施形態において、単数の表現は、文脈上、明白に反することを意味しない限り、複数の表現を含む。
【0028】
以下の実施形態において、「含む」または「有する」といった用語は、明細書に記載された特徴または構成要素が存在するということを意味するものであり、1以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性をあらかじめ排除するものではない。
【0029】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などの部分が、他の部分の上または上部にあるとするとき、他の部分の真上にある場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在されている場合も含む。
【0030】
図面では、説明の便宜のために、構成要素がその大きさが誇張または縮小されうる。例えば、図面に示された各構成の大きさ及び厚みは、説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は、必ずしも図示されているところに限定されるものではない。
【0031】
ある実施形態が、別の方式で具現可能な場合、特定の工程の順序は、説明される順序と異なる順序で遂行されうる。例えば、連続するものとして説明される2つの工程が、実質的に同時に遂行されることもあり、説明される順序と逆の順序に進められることもある。
【0032】
以下の実施形態において、膜、領域、構成要素などが連結されているとするとき、膜、領域、構成要素が直接的に連結された場合だけではなく、膜、領域、構成要素の中間に、他の膜、領域、構成要素が介在され、間接的に連結された場合も含む。例えば、本明細書において、膜、領域、構成要素などが電気的に連結されているとするとき、膜、領域、構成要素などが、直接、電気的に連結された場合だけではなく、その中間に、他の膜、領域、構成要素などが介在され、間接的に電気的連結された場合も含む。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置を概略的に示した平面図である。
【0034】
図1を参照すれば、ディスプレイ装置1は、表示領域DA、及び非表示領域である周辺領域PAを含む。表示領域DAには、有機発光素子(OLED:organic light-emitting device)といった表示素子を具備した画素Pが配置され、所定のイメージを提供する。周辺領域PAは、イメージを提供しない領域であり、表示領域DAの画素Pに印加する電気的信号を提供するスキャンドライバ及びデータドライバ、並びに駆動電圧及び共通電圧といった電源を提供する電源線を含む。
【0035】
図2A及び
図2Bは、本発明の実施形態による画素の等価回路図である。
【0036】
図2Aを参照すれば、各画素Pは、スキャン線SL及びデータ線DLに連結された画素回路PC、並びに画素回路PCに連結された有機発光素子OLEDを含む。
【0037】
画素回路PCは、駆動薄膜トランジスタT1、スイッチング薄膜トランジスタT2及びストレージキャパシタCstを含む。スイッチング薄膜トランジスタT2は、スキャン線SL及びデータ線DLに連結され、スキャン線SLを介して入力されるスキャン信号Snによって、データ線DLを介して入力されたデータ信号Dmを駆動薄膜トランジスタT1に伝達する。
【0038】
ストレージキャパシタCstは、スイッチング薄膜トランジスタT2及び駆動電圧線PLに連結され、スイッチング薄膜トランジスタT2から伝達された電圧と、駆動電圧線PLに供給される駆動電圧ELVDDとの差に該当する電圧を保持する。
【0039】
駆動薄膜トランジスタT1は、駆動電圧線PLとストレージキャパシタCstとに連結されており、ストレージキャパシタCstに保持された電圧値に対応して、駆動電圧線PLから有機発光素子OLED中を流れる駆動電流を、制御することができる。有機発光素子OLEDは、駆動電流によって、所定の輝度を有する光を放出することができる。
【0040】
図2Aでは、画素Pが2個の薄膜トランジスタ、及び1個のストレージ薄膜トランジスタを含む場合について説明したが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0041】
図2Bを参照すれば、画素回路PCは、駆動薄膜トランジスタT1及びスイッチング薄膜トランジスタT2、補償薄膜トランジスタT3、第1初期化薄膜トランジスタT4、第1発光制御薄膜トランジスタT5、第2発光制御薄膜トランジスタT6及び第2初期化薄膜トランジスタT7を含んでもよい。
【0042】
駆動薄膜トランジスタT1のドレイン電極は、第2発光制御薄膜トランジスタT6を経由して、有機発光素子OLEDと電気的に連結される。駆動薄膜トランジスタT1は、スイッチング薄膜トランジスタT2のスイッチング動作によって、データ信号Dmを伝達してもらい、有機発光素子OLEDに駆動電流を供給する。
【0043】
スイッチング薄膜トランジスタT2のゲート電極は、第1スキャン線SLと連結され、ソース電極は、データ線DLと連結される。スイッチング薄膜トランジスタT2のドレイン電極は、駆動薄膜トランジスタT1のソース電極と連結されており、第1発光制御薄膜トランジスタT5を経由して、駆動電圧線PLと連結されるのでありうる。
【0044】
スイッチング薄膜トランジスタT2は、第1スキャン線SLを介して伝達された第1スキャン信号Snによってターンオンされ、データ線DLに伝達されたデータ信号Dmを、駆動薄膜トランジスタT1のソース電極に伝達するスイッチング動作を遂行する。
【0045】
補償薄膜トランジスタT3のゲート電極は、第1スキャン線SLnに連結される。補償薄膜トランジスタT3のソース電極は、駆動薄膜トランジスタT1のドレイン電極と連結されており、第2発光制御薄膜トランジスタT6を経由して、有機発光素子OLEDの画素電極と連結される。補償薄膜トランジスタT3のドレイン電極は、ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極、第1初期化薄膜トランジスタT4のソース電極、及び駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極に、共に連結されうる。補償薄膜トランジスタT3は、第1スキャン線SLを介して伝達された第1スキャン信号Snによってターンオンされ、駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極とドレイン電極とを互いに連結することで、駆動薄膜トランジスタT1をダイオード連結(diode-connection)させる。
【0046】
第1初期化薄膜トランジスタT4のゲート電極は、第2スキャン線SLn−1と連結される。第1初期化薄膜トランジスタT4のドレイン電極は、初期化電圧線VLと連結される。第1初期化薄膜トランジスタT4のソース電極は、ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極、補償薄膜トランジスタT3のドレイン電極、及び駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極に、共に連結されうる。第1初期化薄膜トランジスタT4は、第2スキャン線SLn−1を介して伝達された第2スキャン信号Sn−1によってターンオンされ、初期化電圧VINTを駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極に伝達し、駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極の電圧を初期化させる、初期化動作を遂行することができる。
【0047】
第1発光制御薄膜トランジスタT5のゲート電極は、発光制御線ELと連結される。第1発光制御薄膜トランジスタT5のソース電極は、駆動電圧線PLと連結される。第1発光制御薄膜トランジスタT5のドレイン電極は、駆動薄膜トランジスタT1のソース電極、及びスイッチング薄膜トランジスタT2のドレイン電極と連結されている。
【0048】
第2発光制御薄膜トランジスタT6のゲート電極は、発光制御線ELと連結される。第2発光制御薄膜トランジスタT6のソース電極は、駆動薄膜トランジスタT1のドレイン電極、及び補償薄膜トランジスタT3のソース電極と連結されうる。第2発光制御薄膜トランジスタT6のドレイン電極は、有機発光素子OLEDの画素電極と電気的に連結される。第1発光制御薄膜トランジスタT5及び第2発光制御薄膜トランジスタT6は、発光制御線ELを介して伝達された発光制御信号Enによって同時にターンオンされ、駆動電圧ELVDDが有機発光素子OLEDに伝達され、有機発光素子OLEDに駆動電流が流れる。
【0049】
第2初期化薄膜トランジスタT7のゲート電極は、第3スキャン線SLn+1に連結されうる。第2初期化薄膜トランジスタT7のソース電極は、有機発光素子OLEDの画素電極と連結されうる。第2初期化薄膜トランジスタT7のドレイン電極は、初期化電圧線VLと連結されうる。第2初期化薄膜トランジスタT7は、第3スキャン線SLn+1を介して伝達された第3スキャン信号Sn+1によってターンオンされ、有機発光素子OLEDの画素電極を初期化させることができる。
【0050】
ストレージキャパシタCstの他の1つの電極は、駆動電圧線PLと連結されうる。ストレージキャパシタCstのいずれか1つの電極は、駆動薄膜トランジスタT1のゲート電極、補償薄膜トランジスタT3のドレイン電極及び、第1初期化薄膜トランジスタT4のソース電極に、共に連結されうる。
【0051】
有機発光素子OLEDの対向電極は、共通電源電圧ELVSSを提供してもらう。有機発光素子OLEDは、駆動薄膜トランジスタT1から駆動電流を伝達してもらって発光する。
【0052】
画素回路PCは、
図2A及び
図2Bを参照して説明した薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタの個数、並びに回路デザインに限定されるものではなく、その個数及び回路デザインは、多様に変更可能である。
【0053】
図3は、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の断面図であり、
図4は、
図3の「IV」の部分の拡大断面図である。
【0054】
図3を参照すれば、表示領域DAは、画素、例えば、第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3がそれぞれ配置される第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3を含み、隣接する画素領域間の非画素領域NPAを含む。本明細書における画素領域とは、実際に光が放出される領域、すなわち、発光領域に対応する。
【0055】
第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3は、互いに異なる色相を具現することができる。例えば、第1画素P1は赤色を具現し、第2画素P2は緑色を具現し、第3画素P3は、青色を具現することができる。他の実施形態において、表示領域DAは、白色を具現する第4画素(図示せず)をさらに含んでもよい。
【0056】
基板100は、ガラス材、またはPET(polyethylene terephthalate)、PEN(polyethylene naphthalate)、ポリイミド(polyimide)といったプラスチック材などの多様な材料を含むものでありうる。基板100がプラスチック材によって形成された場合には、ガラス材によって形成された場合より可撓性を向上させることができる。
【0057】
基板100上には、画素回路PCを含む回路素子層110が具備される。画素回路PCは、先に
図2A及び
図2Bを参照して説明したような薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタを含む。薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタをなす層、例えば、半導体層及び電極層は、絶縁層を挟んで配置されてもよい。画素回路PCは、第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3の画素ごとに配置される。
【0058】
第1画素P1、第2画素P2及び第3画素P3は、それぞれ、画素回路PCに電気的に連結された、第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3を含む。第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3は、いずれも、画素電極、発光層を含む中間層及び対向電極を含む。
【0059】
第1有機発光素子OLED1は、第1画素電極211、第1中間層221及び第1対向電極231を含む。第2有機発光素子OLED2は、第2画素電極212、第2中間層222及び第2対向電極232を含む。第3有機発光素子OLED3は、第3画素電極213、第3中間層223及び第3対向電極233を含む。
【0060】
第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の端部は、それぞれ画素画成膜120で覆われており、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233との距離を増大させ、電気的短絡を防止することができる。第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の上面は、画素画成膜120の開口OP1を通じて露出され、開口OP1を通じて、それぞれ、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223と重なり合っているのでありうる。
【0061】
第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3に、それぞれ対応するように配置された、島状であり、回路素子層110上に、互いに離隔して配置される。
【0062】
第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、反射電極であり得、また、透光性電極でありうる。
【0063】
反射電極である場合、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、Ag、Mg、Al、Pt、Pd、Au、Ni、Nd、Ir、Cr、またはそれらの化合物などによって形成された反射膜を含んでもよい。または、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、前述の反射膜、及び前述の反射膜の上または/及び下の透明導電性酸化物(TCO:transparent conductive oxide)膜を含んでもよい。一実施形態において、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、ITO(indium tin oxide)/Ag/ITOの3層でありうる。
【0064】
透光性電極である場合、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、透明導電性酸化物(TCO)層でありうる。または、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、銀(Ag)または銀(Ag)合金を含む金属薄膜であり得、前述の金属薄膜上に透明導電性酸化物層が形成された積層膜でありうる。
【0065】
第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3に、それぞれ対応するように配置された、島状であり、互いに離隔して配置される。第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、画素画成膜120の開口OP1を通じて、それぞれ、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の上に配置される。
【0066】
図3及び
図4を参照すれば、第1中間層221は、発光層221bを含む。発光層221bは、例えば、赤色の光を放出する有機発光層でありうる。第1中間層221は、発光層221bの上または/及び下に配置された、第1機能層221a及び第2機能層221cをさらに含んでもよい。第1機能層221aは、ホール注入層HIL及び/またはホール輸送層HTLを含んでもよく、第2機能層221cは、電子輸送層ETL及び/または電子注入層EILを含んでもよい。
【0067】
再び
図3を参照すれば、第2中間層222は、緑色の光を放出する有機発光層である発光層を含む。第2中間層222は、発光層の上または/及び下に配置された機能層、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び/または電子注入層をさらに含んでもよい。第3中間層223は、青色の光を放出する有機発光層である発光層を含む。第3中間層223は、発光層の上または/及び下に配置された機能層、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、電子輸送層及び/または電子注入層をさらに含んでもよい。
【0068】
第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の厚みは、互いに異なってもよい。第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、後述する工程により、互いに独立に、すなわち別個にパターニングされるので、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の機能層の物質、厚みなどは、互いに異なってもよい。
【0069】
第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3に、それぞれ対応するように配置された島状であり、互いに離隔して配置される。第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、それぞれ第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の上に配置される。
【0070】
第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の幅w21,w22,w23は、それぞれ、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の幅w11,w12,w13より、広いのでありうる。第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の端部は、それぞれ、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の端部よりも、配線層130に向かってさらに延長されることで、配線層130と接触するのでありうる。
【0071】
第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、透光性電極または反射電極でもある。第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、Ag、Mg、Al、Yb、Ca、Li及びAuのうちの少なくともいずれか1つ以上の物質を含む金属薄膜または金属の厚膜でありうる。例えば、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、Ag、Mg、Al、Yb、Ca、LiF/Ca、LiF/Al、Al、Auのうちの少なくともいずれか一つを含む、単層膜、または複数層の積層膜でありうる。一実施形態において、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、Ag及びMgを含む金属薄膜を含むものであり得、AgがMgよりも多く含有されるのであってもよい。
【0072】
本発明の非制限的な実施形態において、前述の材料を含む第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、厚みを薄くして光透過性電極として形成するか、あるいは厚みを厚くして反射電極として形成することができる。例えば、Ag及びMgを含む金属を、約10Åないし15Åの厚みに形成し、光透過性を有する電極として使用したり、厚みを約50nm以上の厚みに形成し、反射電極として使用したりすることができる。
【0073】
第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、それぞれ第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243で覆われうる。第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243は、製造工程中において、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233、並びにその下層が損傷されることを防止しうる。第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243の幅w31,w32,w33は、それぞれ、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の幅w21,w22,w23より広い。例えば、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243の端部は、それぞれ、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223の端部よりも、配線層130に向かってさらに延長され、配線層130と接触することができる。
【0074】
第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243は、酸化ケイ素(SiO
x)、窒化ケイ素(SiN
x)及び/または酸窒化ケイ素(SiON)といった無機絶縁物を含んでもよく、単一層の膜、または複数層からなる積層膜として形成されうる。
【0075】
相互離隔された島状の第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、配線層130を介して、互いに電気的に連結され、共通電源線と連結されることで、共通電圧ELVSSを提供してもらうのでありうる。
【0076】
配線層130は、非画素領域NPAに対応して配置される。配線層130は、画素画成膜120上に配置され、画素画成膜120と直接接触することができる。配線層130は、導電性物質、例えば、金属または透明導電性酸化物(TCO)などを含んでもよく、単一層の膜、または複数層からなる積層膜でありうる。
【0077】
図3の拡大された部分を参照すれば、第1対向電極231は、配線層130の上にまで延長され、一部(例えば、両者の端部)が重ね合わされた状態で、配線層130の上面と直接に接触することができる。同様に、第2対向電極232及び第3対向電極233は、いずれも、配線層130の上にまで延長され、一部(例えば、両者の端部)同士が重ね合わされた状態で、配線層130の上面と直接に接触することができる。このように、配線層130は、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233と直接に接触することができる。
【0078】
図示の具体例において、画素画成膜120は、積層断面において、湾曲膨出状、特には円弧状または楕円弧状に膨出しており、直交格子(碁盤目)状に配置されて、各画素領域(発光領域)をなす矩形状の開口OP1を画成する。一連の対向電極を互いに電気的に連結するための配線層130は、
図3のような積層断面において、画素画成膜120における、両方の裾部以外、例えば、画素画成膜120の膨出高さの約1/2以上の高さの領域の全体を覆うように配置することができる。そして、画素電極と対向電極との間に挟まれる中間層221〜223は、両縁が、ほぼ、配線層130の縁に一致するように配置することができる。すなわち、画素画成膜120の膨出高さの1/2の高さの近傍にまで両縁が延長されるようにすることができる。
図3のような積層断面において、例えば、画素電極211〜213の幅は、画素開口OP1の幅の1〜1.1倍とすることができ(例えば、画素電極211〜213の幅は、画素開口OP1,OP2,OP3の幅よりもさらに広く形成することができる。本発明において、画素開口OP1,OP2,OP3の幅は、画素開口のすそ部が始まる部分の幅であり、画素開口OP1,OP2,OP3を介して露出される画素電極211〜213と実質的に同一である)、中間層221〜223の幅は、対応する、画素開口OP1,OP2,OP3を介して露出される画素電極211〜213の幅の1〜1.3倍とすることができ、対向電極231〜233の幅は、対応する中間層221〜223の幅の1.05〜1.5倍、または1.05〜1.3倍、または1.05〜1.2倍とすることができ、パッシベーション層241〜243の幅は、対応する中間層221〜223の幅の1.1〜1.3倍とすることができる。また、
図3に示すように、配線層130の縁は、中間層221〜223に覆われ、配線層130における縁から離間した領域にて、対向電極231〜233に直接重ね合わされて接触するのであってもよい。さらには、画素ごとに備えられた対向電極231〜233は、必ずしも、
図3の断面に垂直の方向の全体にて配線層130に重ね合わされて接触するのでなくてもよく、特定のコンタクトホール状の領域にて接触するのであってもい。
【0079】
図5は、
図3のディスプレイ装置を、
図3の「K」方向(上方;基板に垂直に、その表側から裏側へと向かう方向)から見た平面図であり、
図6は、
図5の変形例である。
図5及び
図6は説明の便宜のために、
図3のディスプレイ装置のうち、画素画成膜、配線層、第1対向電極、第2対向電極及び第3対向電極だけを抜粋して図示する。
【0080】
図5を参照すれば、一実施形態において、配線層130は、非画素領域NPA上にて、網の形態、特には碁盤状の格子の形態を有するように配置される。配線層130は、非画素領域NPAの画素画成膜120上に配置されるが、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3に、それぞれ配置された第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233に、一部重なることで、直接接触することができる。
【0081】
図6を参照すれば、他の実施形態において、配線層130は、平面図にて複数の互いに分離された部分からなるものでありうる。複数の配線層130は、それぞれ直線帯状であり、非画素領域NPA上で等幅及び等間隔のストライプの形態を有するように配置されてもよい。ストライプの形態の複数の配線層130は、非画素領域NPAの画素画成膜120上に配置されてもよい。各配線層130は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3にそれぞれ配置された、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233に、一部重なることで直接接触することができる。
【0082】
配線層130は、非画素領域NPAにおいて画素画成膜120上に配置され、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233と一部重なることで直接接触しさえすればよいのであり、配線層130のパターンは、
図5及び
図6に図示されているように、網の形態またはストライプの形態以外にも、多様な形態にパターニングされうる。このようにして、配線層130は、第1対向電極232、第2対向電極232及び第3対向電極233に、接続や連結がされうるのであり、第1対向電極232、第2対向電極232及び第3対向電極233は、配線層130を介して、相互の接続や電気的な連結がなされうる。
【0083】
図7A及び
図7Bは、本発明の実施形態によるディスプレイ装置の回路素子層の断面図である。
【0084】
図7Aを参照すれば、駆動薄膜トランジスタT1は、駆動半導体層A1、駆動ゲート電極G1、駆動ソース電極S1及び駆動ドレイン電極D1を含み、スイッチング薄膜トランジスタT2は、スイッチング半導体層A2、スイッチングゲート電極G2、スイッチングソース電極S2及びスイッチングドレイン電極D2を含み、ストレージキャパシタCstは、第1ストレージ蓄電板CE1及び第2ストレージ蓄電板CE2を含んでもよい。
【0085】
駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2と、駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2との間には、ゲート絶縁層103が介在し、第1ストレージ蓄電板CE1と第2ストレージ蓄電板CE2との間には、誘電体層105が介在し、駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2と、駆動ソース電極S1、スイッチングソース電極S2、駆動ドレイン電極D1及びスイッチングドレイン電極D2との間には、層間絶縁層107(及び誘電体層105)が介在し、駆動ソース電極S1、スイッチングソース電極S2、駆動ドレイン電極D1及びスイッチングドレイン電極D2の上には、平坦化絶縁層109が配置される。
【0086】
ゲート絶縁層103は、窒化ケイ素(SiN
x)及び/または酸化ケイ素(SiO
x)といった無機物を含む単層膜、または複数層からなる積層膜でありうる。誘電体層105及び層間絶縁層107は、前述の酸化ケイ素、窒化ケイ素及び/または酸化アルミニウム(Al
2O
3)といった無機物を含む単層膜、または複数層からなる積層膜でありうる。平坦化絶縁層109は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)やポリスチレン(PS)といった一般の汎用高分子、フェノール系基を有する高分子誘導体、アクリル系高分子、イミド系高分子、アリールエーテル系高分子、アミド系高分子、フッ素系高分子、p−キシレン系高分子、ビニルアルコール系高分子、及びそれらのブレンドなどを含む有機物を含むものでありうるが、本発明は、それらに限定されるものではない。
【0087】
図7Aには、ストレージキャパシタCstが、駆動薄膜トランジスタT1と重り合うように配置され、駆動ゲート電極G1が第1ストレージ蓄電板CE1である場合を図示しているが、本発明は、それに限定されるものではない。
【0088】
図7Bを参照すれば、ストレージキャパシタCstは、駆動薄膜トランジスタT1と重らないように配置されてもよい。例えば、第1ストレージ蓄電板CE1と駆動ゲート電極G1とが同一の材料を含むものであり、第2ストレージ蓄電板CE2は、駆動ソース電極S2及び駆動ドレイン電極D1と同一の材料を含むものであり、第1ストレージ蓄電板CE1と第2ストレージ蓄電板CE2との間には、層間絶縁層107が介在してもよい。
【0089】
図7A及び
図7Bを参照して説明した実施形態によれば、駆動薄膜トランジスタT1及びスイッチング薄膜トランジスタT2の駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2が、駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2の上に配置される場合について説明したが、本発明は、それに限定されるものではない。他の実施形態として、駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2は、それぞれ駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2の下に配置されてもよい。駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2の位置によって、一部の実施形態においては、駆動半導体層A1及びスイッチング半導体層A2が無機バッファ層101のすぐ上に配置され、他の実施形態においては、駆動ゲート電極G1及びスイッチングゲート電極G2が、無機バッファ層101のすぐ上に配置されうる。
【0090】
図8Aないし
図8Hは、本発明の一実施形態によるディスプレイ装置の製造工程にのっとった一連の断面図である。
【0091】
図8Aを参照すれば、基板100上に、画素回路PCを含む回路素子層110を形成し、回路素子層110の上に、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213を形成する。第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3に、それぞれ対応するように形成される。例えば、回路素子層110上に、予備画素電極層(図示せず)を形成した後、それをパターニングし、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213を形成することができる。基板100の材料、並びに第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の材料は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は省略する。
【0092】
その後、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の上に絶縁材料層(図示せず)を形成した後、それをパターニングすることで、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213をそれぞれ露出させる開口OP1を有する、画素画成膜120を形成する。画素画成膜120をなす絶縁材料は、有機物でありうる。他の実施形態において、画素画成膜120をなす絶縁材料は、無機物であるか、あるいは無機物及び有機物を含む、複数の層からなる積層膜、または複合材料による単層膜でありうる。
【0093】
図8Bを参照すれば、非画素領域NPAに、配線層130を形成する。配線層130は、導電性物質、例えば、金属または透明導電性酸化物(TCO)などを含んでもよく、単一層の膜、または複数の層からなる積層膜でありうる。
【0094】
配線層130の形成は、多様な方法を利用することができる。一実施形態において、導電物質層(図示せず)を形成した後、フォトリソグラフィ工程、及び湿式または乾式のエッチング工程により、非画素領域NPAの画素画成膜120上に配線層130を形成する。該エッチング工程では、緻密なパターニングのために、乾式エッチングを行うことができる。その場合、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の損傷を防止するように、配線層130をなす導電性材料は、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の材料とエッチング選択比が異なる材料を含むことが望ましい。
【0095】
他の実施形態において、配線層130は、配線層130が位置することとなる部分以外の領域に、ポジ型(positive)あるいはネガ型(negative)のレジスト材料を含むマスキング層(図示せず)を形成した後、熱蒸着などの方式によって導電性材料を蒸着し、配線層130を形成することができる。その場合、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、マスキング層で覆われているので、配線層130の形成工程にて、前述の乾式エッチング法と異なり、損傷されるものではない。従って、配線層130をなす導電性材料は、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の物質と同一の材料を含むものでありうる。
【0096】
図8Cを参照すれば、第1画素領域PA1に対応する部分が開放された第1マスキング層1010を形成する。第1マスキング層1010は、第1感光パターン層1210、及び、第1感光パターン層1210と画素画成膜120との間の第1補助層1110を含んでもよい。
【0097】
一実施形態において、第1マスキング層1010は、下記の工程によって形成されうる。
【0098】
配線層130が形成された基板100上に、非感光性有機物層(図示せず)を形成し、その上に、フォトレジスト層(図示せず)を形成する。該非感光性有機物層は、一例として、フッ素系物質を含んでもよいが、本発明は、それに制限されるものではない。フォトレジスト層は、ポジ型(positive)の感光材料を含んでもよい。
【0099】
その後、フォトレジスト層のうち、第1画素領域PA1に対応する一部の領域を露光して現像し、第1開口領域OR1を有する第1感光パターン層1210を形成する。次に、第1開口領域OR1を通じて露出された非感光性有機物層をエッチングし、第1補助開口領域AOR1を形成する。該エッチングにより、第1補助層1110の第1補助開口領域AOR1は、第1開口領域OR1より大きく形成される。
【0100】
第1補助層1110は、配線層130上に配置されるが、配線層130の端部(例えば、第1画素電極211と隣接した端部)が露出されるように、配線層130の端部を覆わない。
【0101】
図8Dを参照すれば、第1マスキング層1010が形成された基板100上に、順に、第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241を形成する。第1中間層221、第1対向電極231、第1パッシベーション層241の材料については、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は省略し、以下では工程を中心に説明する。
【0102】
第1中間層221と第1対向電極231は、熱蒸着(thermal evaporation)法によって形成されてもよい。第1中間層221及び第1対向電極231を形成するための蒸着材料は、基板100に垂直の方向及び斜めの方向に沿って、基板100に向けて移動することができる。従って、第1中間層221の端部、及び第1対向電極231の端部は、第1補助層1110と接触しない状態でありつつ、第1感光パターン層1210における庇(ひさし)状の端部の下の空間にまで延長されてもよい。蒸着材料が斜め方向に蒸着されることで、第1中間層221及び第1対向電極231の端部は、積層断面にて、画素の外側へと向かう順方向テーパ形状(forward taper shape)を有することができ、第1中間層221の幅よりさらに広い幅を有するように、第1対向電極231の端部は、第1中間層221の端部よりさらに、画素の外側へと向かって延長され、配線層130と接触することができる。第1対向電極231は、配線層130の上面と直接に接触し、電気的に直接に連結されうる。
【0103】
一実施形態において、第1パッシベーション層241は、化学気相蒸着法(CVD)によって形成されてもよい。第1パッシベーション層241を形成するための蒸着物質は、基板100に垂直である方向及び斜め方向に沿って、基板100に向けて移動することができる。従って、第1パッシベーション層241の端部は、第1補助層1110と接触せず、第1感光パターン層1210下の空間に延長されてもよい。第1パッシベーション層241の端部は、順方向テーパ形状を有する。第1パッシベーション層241は、後述する工程において、第1対向電極231及びその下層が損傷されることを防止するために、第1対向電極231の幅よりさらに広幅を有する。
【0104】
図8Eを参照すれば、その後、リフトオフ工程により、第1マスキング層1010を除去する。一実施形態において、第1補助層1110がフッ素系材料である場合、フッ素系溶媒を利用して、第1補助層1110を除去することができる。第1補助層1110が除去されることで、第1補助層1110上の第1感光パターン層1210、第1感光パターン層1210上に積層された第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241が、共に除去される。そして、第1画素領域PA1には、島状の、第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241が残る。
【0105】
第1パッシベーション層241は、リフトオフの際、第1有機発光素子OLED1を保護することができる。第1マスキング層1010のリフトオフの際、フッ素系溶媒に含まれた物質が第1有機発光素子OLED1中に浸透し、第1有機発光素子OLED1を損傷させることを防止することができる。
【0106】
図8Fを参照すれば、第2画素領域PA2に対応する部分が開放された第2マスキング層1020を形成する。第2マスキング層1020は、第2感光パターン層1220、及び、第2感光パターン層1220と画素画成膜120との間の第2補助層1120を含んでもよい。第2補助層1120及び第2感光パターン層1220は、それぞれ前述の第1補助層1110及び第1感光パターン層1210と同一の材料を含み、同一の工程によって形成されてもよい。
【0107】
次に、第2マスキング層1020が形成された基板100上に、順に、第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242を形成する。第2中間層222、第2対向電極232、第2パッシベーション層242の材料は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は省略する。
【0108】
第2中間層222と第2対向電極232は、熱蒸着法によって形成され、第2パッシベーション層242は、化学気相蒸着法によって形成されるのであってもよい。
【0109】
第2中間層222、第2対向電極232、第2パッシベーション層242をなす蒸着物質は、基板100に垂直である方向及び斜め方向に沿って、基板100に向けて移動することができる。従って、第2中間層222、第2対向電極232、第2パッシベーション層242それぞれの端部は、第2補助層1120と接触せず、順方向テーパ形状を有する。
【0110】
第2対向電極232は、第2中間層222の幅よりさらに広幅を有するように、端部が第2中間層222の端部より延長され、配線層130と接触することができる。第2対向電極232は、配線層130の上面と直接接触し、電気的に直接連結される。第2パッシベーション層242は、第2対向電極232の幅よりさらに広幅を有するように形成され、従って、後述する工程において、第2対向電極232及びその下層が損傷されることを防止することができる。
【0111】
その後、リフトオフ工程を介して、第2マスキング層1020を除去する。例えば、フッ素系溶媒を利用して、第2補助層1120を除去することにより、第2補助層1120上の第2感光パターン層1220、第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242が共に除去される。そして、第2画素領域PA2には、島型の第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242が残る。
【0112】
図8Gを参照すれば、第3画素領域PA3に対応する部分が開放された第3マスキング層1030を形成する。第3マスキング層1030は、第3感光パターン層1230及び第3感光パターン層1230と、画素画成膜120との間の第3補助層1130を含んでもよい。第3補助層1120及び第3感光パターン層1220は、それぞれ前述の第1補助層1110及び第1感光パターン層1210と同一物質を含み、同一工程によって形成されてもよい。
【0113】
次に、第3マスキング層1030が形成された基板100上に、順に、第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243を形成する。第3中間層223、第3対向電極233、第3パッシベーション層243の物質は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は省略する。
【0114】
第3中間層223と第3対向電極233は、熱蒸着法によって形成され、第3パッシベーション層243は、化学気相蒸着法によって形成されてもよい。
【0115】
第3中間層223、第3対向電極233、第3パッシベーション層243をなす蒸着物質は、基板100に垂直である方向及び斜め方向に沿って、基板100に向けて移動することができる。従って、第3中間層223、第3対向電極233、第3パッシベーション層243のそれぞれの端部は、第3補助層1130と接触せず、順方向テーパ形状を有する。
【0116】
第3対向電極233は、第3中間層223の幅よりさらに広い幅を有するように、端部が第3中間層223の端部よりも画素の外側へと延長され、配線層130と接触することができる。第3対向電極233は、配線層130の上面と直接接触し、電気的に直接連結される。第3パッシベーション層243は、第3対向電極233の幅よりさらに広い幅を有するように形成され、従って、後述する工程において、第3対向電極233及びその下層が損傷されることを防止することができる。
【0117】
図8Hを参照すれば、リフトオフ工程により、第3マスキング層1030を除去する。例えば、フッ素系溶媒を利用して、第3補助層1130を除去することにより、第3補助層1130上の、第3感光パターン層1230、第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243が、共に除去される。そして、第3画素領域PA3には、島状の、第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243が残る。
【0118】
図9は、本発明の他の実施形態(1)によるディスプレイ装置の断面図である。
【0119】
図9を参照すれば、ディスプレイ装置2は、配線層130A以外の構成が、
図3を参照して説明したディスプレイ装置1と同一であるので、以下では、相違点を中心に説明する。
【0120】
配線層130Aは、第1金属層131及び第2金属層133、並びにそれらの間の透光層132を含む多層構造でありうる。配線層130Aは、外部から、ディスプレイ装置2に向けて入射した光が配線層130Aで反射して外部に視認されることを防止することができる。例えば、第1金属層131で反射した光L1と、第2金属層133で反射した光L2とは、互いに相殺されるように干渉し合うことによって、外部から視認されない。
【0121】
第1金属層131及び第2金属層133は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)といった金属を含んでもよいが、本発明は、それらに制限されるものではない。透光層132は、酸化ケイ素(SiO
x)といった透光性無機物または透明酸化物を含んでもよい。透光層132が酸化ケイ素(SiO
x)といった絶縁性材料を含む場合、配線層130A中、第2金属層133が、実質的に共通電圧ELVSSを、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233に供給する配線としての機能を遂行することができる。
【0122】
配線層130Aは、
図8Bを参照して説明した工程と同一の工程によって形成され、その際、配線層130Aをなす材料、例えば、第1金属層131及び第2金属層133及び透光層132は、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213をなす材料とエッチング選択比が異なる材料を含むことが望ましい。
【0123】
図10は、本発明の他の実施形態(2)によるディスプレイ装置の断面図であり、
図11は、
図10のディスプレイ装置を、上述のK方向から見た平面図であり、
図12は、
図11の変形例である。
図11及び
図12は、説明の便宜のために、
図10のディスプレイ装置のうち、画素画成膜、配線層、第1対向電極、第2対向電極及び第3対向電極だけを抜粋して図示する。
【0124】
図10を参照すれば、ディスプレイ装置3は、基板100、画素回路PCを含む回路素子層110、第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2、第3有機発光素子OLED3、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243を含む。第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3は、それぞれ、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213と、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223と、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233とを含む。第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3は、それぞれ、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243で覆われており、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243は、酸化ケイ素(SiO
x)、窒化ケイ素(SiN
x)及び/または酸窒化ケイ素(SiON)といった無機絶縁物を含んだ単一層または積層膜によって形成されてもよい。
【0125】
ディスプレイ装置3の基板100と、第1有機発光素子OLED1,第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3は、先に
図3及び
図4を参照して説明し、回路素子層110は、
図7Aないし
図7Bを参照して説明したので、以下では、相違点を中心に説明する。
【0126】
配線層130Bは、非画素領域NPAにて画素画成膜120上に配置されるが、配線層130Bの一部は、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243の上にまで延長される。配線層130Bの一部は、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233と重なり、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243のコンタクトホール240hを通じて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233と接触することができる。例えば、配線層130Bは、コンタクトホール240hを通じて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の上面と、直接接触することができる。
【0127】
図11及び
図12に図示されているように、コンタクトホール240hは、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の一方の端部の中心領域に対応して備えられうる。例えば、コンタクトホール240hは、画素画成膜120が具備された非画素領域NPA中にて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の端部を露出させるように配置されてもよい。
【0128】
配線層130Bは、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233と一部重なり、コンタクトホール240hを通じて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233と、直接接触する。従って、互いに離隔された島状の、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、配線層130Bによって互いに電気的に連結され、共通電圧ELVSSを提供してもらうことができる。
【0129】
配線層130Bは、平面図上において、
図11に図示されているように、網の形態をなすようにパターニングされるか、あるいは
図12に図示されているように、ストライプの形態をなすようにパターニングされてもよいが、本発明は、それらに制限されるものではない。
【0130】
再び
図10を参照すれば、配線層130Bは、導電性材料を含む。
【0131】
一実施形態によれば、配線層130Bは、
図10中の左上の拡大部分に示されたように、第1金属層131及び第2金属層133、並びにそれら間の透光層132を含む積層構造でありうる。第1金属層131で反射した光L1と、第2金属層133で反射した光L2とは、互いに相殺する干渉によって、外部のユーザに視認されないので、外光の反射率を低下させることができる。第1金属層131及び第2金属層133は、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)といった金属を含んでもよいが、本発明は、それらに制限されるものではない。透光層132は、酸化ケイ素(SiO
x)といった透光性無機物または透明酸化物(TCO)を含んでもよい。透光層132が酸化ケイ素(SiO
x)といった絶縁性材料を含む場合、配線層130B中、第1金属層131が、実質的に共通電圧ELVSSを、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233に供給する配線としての機能を遂行することができる。
【0132】
他の実施形態によれば、配線層130Bは、金属によって形成された単一層の膜または積層膜であり得、または透明酸化物を含む単一層の膜または積層膜でありうる。
【0133】
配線層130Bは、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243を形成した後に形成されるので、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213と、異なる材料を含むものでもよく、同一の材料を含むものでもよい。
【0134】
図13Aないし
図13Fは、
図10に示す本発明の他の実施形態(2)によるディスプレイ装置についての製造工程にのっとった一連の断面図である。
【0135】
図13Aを参照すれば、基板100上に、回路素子層110、並びに第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213を、順次に形成した後、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213を露出させる開口OP1を有する画素画成膜120を形成する。具体的な工程は、先に
図8Aを参照して説明したところと同一であるので、重複説明は省略する。
【0136】
図13Bを参照すれば、第1画素領域PA1に対応する開口領域を具備する第1マスキング層1010を形成した後、順次に、第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241を形成する。そして、リフトオフ工程によって、第1マスキング層1010を除去することにより、第1画素領域PA1に島型に配置された第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241を形成する。
【0137】
第1マスキング層1010の物質及び構造、並びに第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241の形成工程、リフトオフ工程などは、先に
図8C及び
図8Dを参照して説明したところと同一であるので、重複説明は省略する。
【0138】
図13Cを参照すれば、第2画素領域PA2に対応する開口領域を具備する第2マスキング層1020を形成した後、順次に、第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242を形成する。そして、リフトオフ工程によって、第2マスキング層1020を除去することにより、第2画素領域PA2に島状に配置された、第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242を形成する。
【0139】
第2マスキング層1020の材料及び構造、並びに第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242の形成工程、リフトオフ工程などは、先に
図8E及び
図8Fを参照して説明したところと同一であるので、重複説明は省略する。
【0140】
図13Dを参照すれば、第3画素領域PA3に対応する開口領域を具備する第3マスキング層1030を形成した後、順次に、第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243を形成する。そして、リフトオフ工程によって、第3マスキング層1030を除去することにより、第3画素領域PA3に島状に配置された、第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243を形成する。
【0141】
第3マスキング層1030の材料及び構造、並びに第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243の形成工程、リフトオフ工程などは、先に
図8Gを参照して説明したところと同一であるので、重複説明は省略する。
【0142】
図13Eを参照すれば、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243に、コンタクトホール240hを形成する。コンタクトホール240hを通じて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233が露出される。例えば、コンタクトホール240hは、非画素領域NPAにおいて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の端部を露出させるように、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の端と対応する位置に形成されてもよい。
【0143】
図13Fを参照すれば、導電物質層(図示せず)を形成し、それをパターニングし、配線層130Bを形成する。配線層130Bは、フォトリソグラフィ工程、及び湿式または乾式のエッチング工程により、形成されてもよい。配線層130Bは、コンタクトホール240hを通じて、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233に、それぞれ接触することができる。
【0144】
前述のように、配線層130Bは、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243を形成した工程の後に形成されるので、配線層130Bは、先に
図9を参照して説明した配線層130Aと異なり、材料の制限なしに多様に選択されてもよい。
【0145】
図14は、本発明の他の実施形態(3)によるディスプレイ装置の断面図である。
【0146】
図14を参照すれば、ディスプレイ装置4は、基板100、画素回路PCを含む回路素子層110、第1有機発光素子OLED1、第2有機発光素子OLED2及び第3有機発光素子OLED3、並びに第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243と、配線層130Cとを含む。基板100と回路素子層110は、前述のところと同一であるので、以下、相違点を中心に説明する。
【0147】
配線層130Cは、非画素領域NPAに配置され、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213と同一層に配置されてもよい。同一層に配置されるということは、すぐ下の層と、すぐ上の層とが同一であるということを意味する。例えば、配線層130C、並びに第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、回路素子層110と画素画成膜120との間に、それらと接触したまま配置されてもよい。配線層130Cは、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213と同一の材料を含むものでありうる。
【0148】
画素画成膜120は、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の端部、並びに配線層130Cの端部を覆うことで、この端部と直接接触することができる。画素画成膜120は、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213を露出させる開口OP1、並びに配線層130Cを露出させる追加の開口OP2をさらに含んでもよい。
【0149】
第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223は、それぞれ、開口OP1を通じて露出された、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の上に配置され、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、それぞれ、第1中間層221、第2中間層222及び第3中間層223より広い幅を有するように配置される。
【0150】
第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、それぞれ、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213に隣接した箇所の配線層130Cに向かって(各画素の外側へと)延長され、追加の開口OP2を通じて露出された配線層130Cの少なくとも一部と、重なることで直接接触する。例えば、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233のそれぞれの端部は、配線層130Cとの間に配置された画素画成膜120の一部を覆うとともに、配線層130Cに向かって延長されて、配線層と接触することができる。
【0151】
図14には、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233のそれぞれが、配線層130Cと、一部重なることで接触する構造を図示しているが、他の実施形態において、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233のそれぞれは、配線層130Cにおける追加の開口OP2を通じて露出された部分に、その全体を覆うように重ねられることで、直接接触することができる。
【0152】
図示の例において、追加の開口OP2は、隣り合う2つの画素開口OP1の間に2つ設けられ、それぞれ、近接する方の画素開口OP1を覆う対向電極231〜233に直接重ね合わされて接触している。これら追加の画素開口OP2は、例えば、隣り合う2つの画素開口OP1の間の領域にのみ設けることもでき、また、例えば、
図14の積層断面に垂直な方向にわたって連続して延びるように設けることもできる。このように、配線層130は、各画素開口OP1の左右両側から対向電極231〜233に電気的に接続されて、対向電極同士を、
図14の積層断面に垂直な方向に互いに電気的に接続する。また、図示の例において、画素画成膜120は、
図3に示す実施形態と同様に、この積層断面にて、紡糸湾曲した膨出状、特には円弧状または楕円弧状に膨出している。
図14に示す実施形態では、
図3に示す実施形態と比べた場合、画素画成膜120における、隣り合う2つの画素開口OP1の間の膨出部が、3つの小さな膨出部と、これらの間の追加の開口OP2とに置き換わっており、これら小さな膨出部は互いに寸法が等しくともよく、追加の開口OP2も互いに寸法が等しいともよい。
【0153】
第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243は、それぞれ、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233を覆う。図示の積層断面において、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243は、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の幅よりも広幅に形成される。例えば、第1パッシベーション層241、第2パッシベーション層242及び第3パッシベーション層243の端部は、それぞれ、第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233の端部よりも、各画素の外側へと延長されうる。
【0154】
図示されていないが、配線層130Cは、前述のように、平面図上で網状をなすか、あるいはストライプ状をなすというように多様なパターンを有する。
【0155】
図15Aないし
図15Eは、
図14に示す本発明の他の実施形態(3)によるディスプレイ装置についての製造工程にのっとった一連の断面図である。
【0156】
図15Aを参照すれば、基板100上に回路素子層110を形成した後、回路素子層110上に、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213と、配線層130Cとを形成する。第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213は、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3に、それぞれ対応するように形成され、配線層130Cは、非画素領域NPAに対応するように形成される。例えば、回路素子層110上に予備画素電極層(図示せず)を形成した後、それをパターニングし、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213、並びに配線層130Cを形成することができる。第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213の材料は、先に
図3を参照して説明したところと同一であり、配線層130Cは、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213と同一の材料を有する。
【0157】
その後、絶縁物質層(図示せず)を形成した後、それをパターニングし、第1画素電極211、第2画素電極212及び第3画素電極213それぞれを露出させる開口OP1、及び、配線層130Cを露出させる追加の開口OP2を有する、画素画成膜120を形成する。画素画成膜120をなす絶縁材料は、有機物でありうる。他の実施形態において、画素画成膜120をなす絶縁材料は、無機物を含む、複数の層からなる積層膜、または複合材料による単層膜でありうる。
【0158】
図15Bを参照すれば、第1画素領域PA1に対応する部分、及び第1画素領域PA1に隣接した非画素領域NPAの一部(例えば、配線層130Cの一部と対応する部分)が開放された第1マスキング層1010を形成する。第1マスキング層1010は、第1感光パターン層1210、及び、第1感光パターン層1210と画素画成膜120との間の第1補助層1110を含んでもよい。第1マスキング層1010の開放領域を介して、第1画素電極211及び第1画素電極211に隣接した配線層130Cが露出される。第1マスキング層1010の構造、材料、形成工程は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は省略する。
【0159】
次に、第1マスキング層1010が形成された基板100上に、順に、第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241を形成する。
【0160】
第1中間層221と第1対向電極231との蒸着材料が、基板100に垂直の方向及び斜めの方向に沿って、基板100に向かって移動することで、第1中間層221の端部、及び第1対向電極231の端部は、第1補助層1110と接触しないようにしつつ、第1感光パターン層1210の端部の庇(ひさし;overhang)状部分の下の空間内にまで延長される。第1中間層221は、開口OP1を通じて露出された第1画素電極211の上に形成され、第1対向電極231は、第1中間層221の幅よりさらに広い幅を有するように形成される。第1対向電極231の端部は、第1中間層221の端部よりさらに、各画素の外側へと延長され、配線層130Cと、少なくとも一部が重なることで直接接触する。第1パッシベーション層241は、第1対向電極231の全体を覆うように形成され、図示のような積層断面図にて、第1対向電極231より広い幅を有するように形成される。
【0161】
その後、リフトオフ工程により、第1マスキング層1010を除去する。第1画素領域PA1には、第1中間層221、第1対向電極231及び第1パッシベーション層241が配置され、第1対向電極231の端部は、配線層130Cと、一部重なることで直接接触する。
【0162】
図15Cを参照すれば、第2マスキング層1020を形成する。第2マスキング層1020は、第2画素領域PA2に対応する部分と、第2画素領域PA2に隣接した非画素領域NPAの一部(例えば、配線層130Cの一部に対応する部分)とが開放された開口領域を含む。第2マスキング層1020の開放領域を通じて、第2画素電極212、及び、第2画素電極212に隣接した配線層130Cが露出される。第2マスキング層1020の構造、材料、形成工程は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は省略する。
【0163】
次に、第2マスキング層1020が形成された基板100上に、順に、第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242を形成する。
【0164】
第2中間層222は、開口OP1を通じて露出された第2画素電極212の上に形成され、第2対向電極232は、第2中間層222の幅よりさらに広い幅を有するように形成される。第2対向電極232の端部は、第2中間層222の端部よりさらに、各画素の外側へと延長され、配線層130Cに、少なくとも一部が重なることで直接接触する。第2パッシベーション層242は、第2対向電極232の全体を覆うように形成され、第2対向電極232より広い幅を有するように形成される。
【0165】
その後、リフトオフ工程により、第2マスキング層1020を除去する。第2画素領域PA2には、第2中間層222、第2対向電極232及び第2パッシベーション層242が配置され、第2対向電極232の端部は、配線層130Cに、一部重なることで直接接触する。
【0166】
図15Dを参照すれば、第3マスキング層1030を形成する。第3マスキング層1030は、第3画素領域PA3に対応する部分と、第3画素領域PA3に隣接した非画素領域NPAの一部(例えば、配線層130Cの一部と対応する部分)とが開放された開口領域を含む。第3マスキング層1030の開放領域を通じて、第3画素電極213、及び、この第3画素電極213に隣接した配線層130Cが露出される。第3マスキング層1030の構造、材料、形成工程は、先に
図3を参照して説明したので、重複説明は省略する。
【0167】
次に、第3マスキング層1030が形成された基板100上に、順に、第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243を形成する。
【0168】
第3中間層223は、開口OP1を通じて露出された第3画素電極213の上に形成され、第3対向電極233は、第3中間層223の幅よりさらに広い幅を有するように形成される。第3対向電極233の端部は、第3中間層223の端部よりさらに、各画素の外側へと延長され、配線層130Cに、少なくとも一部が重なってて直接接触する。第3パッシベーション層243は、第3対向電極233を覆うように形成され、第3対向電極233より広い幅を有するように形成される。
【0169】
その後、リフトオフ工程により、第3マスキング層1030を除去する。第3画素領域PA3には、第3中間層223、第3対向電極233及び第3パッシベーション層243が配置され、第3対向電極233の端部は、配線層130Cに、一部重なることで直接接触する。
【0170】
図15Eを参照すれば、前述のような工程により、第1画素領域PA1、第2画素領域PA2及び第3画素領域PA3における第1対向電極231、第2対向電極232及び第3対向電極233は、配線層130Cに、一部重なることで直接接触し、互いに電気的に連結されて、同一共通電圧ELVSSを提供してもらっている。
【0171】
図16及び
図17は、本発明の他の実施形態(4)〜(5)によるディスプレイ装置の断面図であり、
図15の変形例に該当する。
【0172】
図16及び
図17のディスプレイ装置5,6は、配線層130D,130Eを中心にした構造に相違があり、他の構成は同一であるので、以下、相違点を中心に説明する。
【0173】
図16を参照すれば、1つの追加の開口OP2を通じて露出された配線層130Dの上面は、隣接するいずれの画素の対向電極とも接触することができる。例えば、いずれか1つの追加の開口OP2を通じて露出された配線層130Dの上面は、第1対向電極231及び第2対向電極232の一部に、重なることで直接接触することができ、他の1つの追加の開口OP2を通じて露出された配線層130Dの上面は、第2対向電極232及び第3対向電極233の一部に、重なることで直接接触することができる。
【0174】
図17を参照すれば、1つの追加の開口OP2を通じて露出された配線層130Dの上面は、隣接する1つの画素の対向電極と接触することができる。例えば、いずれか1つの追加開口OP2を通じて露出された配線層130Dの上面は、第1対向電極231の少なくとも一部に、重なることで直接接触することができ、他の1つの追加開口OP2を介して露出された配線層130Dの上面は、第2対向電極232の少なくとも一部に、重なることで直接接触することができる。そして、さらに他の1つの追加開口OP2を通じて露出された配線層130Dの上面は、第3対向電極233の少なくとも一部に、重なることで直接接触することができる。
【0175】
以上、本発明は、、図面に図示された一実施形態を参照して説明したが、それらは例示的なものに過ぎず、当該分野で当業者であるならば、それらから多様な変形、及び実施形態の変形が可能であるという点を理解するであろう。従って、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。