特許第6961472号(P6961472)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961472
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】コンバイン
(51)【国際特許分類】
   A01D 41/12 20060101AFI20211025BHJP
   A01F 12/46 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   A01D41/12 E
   A01F12/46
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-228398(P2017-228398)
(22)【出願日】2017年11月28日
(65)【公開番号】特開2019-97408(P2019-97408A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2020年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001878
【氏名又は名称】三菱マヒンドラ農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 知慶
【審査官】 磯田 真美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−096107(JP,A)
【文献】 特開2007−001527(JP,A)
【文献】 特開平05−316867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01F 12/46
A01D 41/12
F02N 11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圃場の穀稈を刈取る刈取部と、刈取った穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀した穀粒を貯留する穀粒貯留部と、貯留した穀粒を機外に排出する穀粒排出装置を備え、機体に搭載するエンジンの動力によってこれらを駆動する一方、エンジンの始動安全装置と、機体の各部を制御する電子制御装置を設けるコンバインにおいて、前記穀粒排出装置は、排出クラッチを断続する排出クラッチレバーと、この排出クラッチレバーの入り切り操作を検出するC接点を備えるリミットスイッチを備え、このリミットスイッチのB接点をエンジンの始動安全装置の回路に、また、A接点を電子制御装置に接続して、夫々の装置でこれを利用することを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記排出クラッチレバーを入位置と切位置に回動操作して排出クラッチを断続するように構成すると共に、このレバーの入り切り操作を検出するリミットスイッチの取付プレートに、レバーの入位置での回動規制部を一体に形成することを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記排出クラッチレバーを回動自在に支持するブラケットにリミットスイッチの取付プレートの一端部を固着すると共に、このブラケットと取付プレートの他端部をオーガーレストの支柱に固着することを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記ブラケットの前部にオーガ操作スイッチアセンブリを設けるプレートを取り付け、このプレートによってリミットスイッチや取付プレートの上方側を覆うと共に、オーガ操作スイッチアセンブリやリミットスイッチのワイヤーハーネスを、リミットスイッチの取付プレートにクランプを用いて固定することを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取脱穀作業を行うコンバインに係り、詳しくは、穀粒を貯留する穀粒貯留部と、貯留した穀粒を機外に排出する穀粒排出装置を備えるコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に普通型や自脱型のコンバインは、機体に穀稈を刈取る刈取部と、刈取った穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀した穀粒を貯留する穀粒貯留部等を設け、これらを機体に搭載するエンジンの動力によって駆動し、例えば、クローラ走行装置によって走行しながら収穫作業を行う。また、収穫した穀粒が穀粒貯留部に満杯になると、穀粒排出装置を駆動して穀粒貯留部からトラックの荷台に設置するコンテナ等に穀粒を排出する。
【0003】
また、このようなコンバインでは機体各部の自動化が進み、例えば、方向自動制御、刈取スライド、扱ぎ深さ自動制御、刈取自動クラッチ、刈り高さ自動制御、自動車速制御、自動アクセル制御、自動脱穀制御、自動水平制御、排出オーガ自動旋回制御、各部の警報・エンジン緊急停止等を、マイクロコンピュータで構成する電子制御装置を用いて行っている。
【0004】
一方、コンバインに限らず原動機(エンジン等)を動力源とする農業機械では、原動機を始動する際に走行装置や作業部分が作動してしまうと、事故につながる危険性があり、農業機械の安全鑑定では、このような事態を回避するために、原動機の始動時に作用部が作動しないような安全装置(エンジンの始動安全装置)を装着することが基準に定められている。
【0005】
そして、このエンジンの始動安全装置について、コンバインでは作業部のクラッチを切り、且つ走行変速装置を中立にするか若しくは主クラッチを切らないとエンジンの始動ができない構造が採用され、穀粒排出装置についてもその排出クラッチが切られていないとエンジンの始動ができないようにすることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
さらに、穀粒排出装置に関わる制御技術についてみると、穀粒排出装置は一般的にエンジンの動力によって駆動するため、穀粒の排出時にエンジン回転数が低いと穀粒排出装置の排出能力が低下し、穀粒の詰まりを生じさせる問題がある。そこで、穀粒の排出時にエンジン回転数が規定回転数以下の場合、警告装置によって警告を発することが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015−89339号公報
【特許文献2】特開2008−136438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のようにコンバインでは、安全に作業を行うためにエンジンの始動安全装置を設ける必要がある。そこで、エンジンから走行変速装置に動力を伝達する走行クラッチや、脱穀部及び刈取部に動力を伝達する作業機クラッチ、或いは穀粒排出装置に動力を伝達する排出クラッチを夫々断続操作するクラッチペダルやクラッチレバーに、その切り状態を検出するスイッチを設け、また、これらのスイッチをエンジンの始動安全回路に直列に接続して、何れかのスイッチが閉じられていない(クラッチが切られていない)とエンジンを始動できないようにする。
【0009】
また、穀粒排出装置に関して、その穀粒排出時の詰まりを防止するため、排出クラッチを断続操作する排出クラッチレバーにその入り状態を検出するスイッチ(穀粒排出スイッチ)を設け、そして、この検出スイッチが閉じられ(クラッチが入りとなり)、且つ、その際にエンジン回転数が規定回転未満であると、これを電子制御装置が警報するようになす。
【0010】
そして、この場合、穀粒排出装置に関して云えば、穀粒排出装置の排出クラッチレバーに設ける検出スイッチは、エンジン始動安全回路に用いるスイッチと警報等を行うために電子制御装置に用いるスイッチの2つのスイッチが必要となる。
【0011】
即ち、一般的にエンジンの始動安全回路に用いる検出スイッチは、クラッチペダルスイッチ等の他のスイッチと直列に接続して用いるため、このエンジンの始動安全回路に用いる検出スイッチを兼用して電子制御装置の例えば、プルアップ抵抗を備えたデジタル入力ポート等にそのまま接続して用いることができない。
【0012】
また、排出クラッチレバーに設ける検出スイッチを電子制御装置のプルアップ抵抗を備えたデジタル入力ポートに接続し、この電子制御装置を経由して例えば、エンジンの始動安全回路に設ける代替えのリレーを制御して、エンジンの始動安全回路を構成することができる。
【0013】
しかし、この場合、エンジンの始動時にはグロープラグやスタータモータに通電するので電子制御装置に供給する電源電圧が不安定になり易く、これにより電子制御装置は暴走したり、ブラウンアウトリセット等によって制御が遅延したりするので、電子制御装置のリレー制御が不確実になり、エンジンの始動安全回路の信頼性が損なわれる。
【0014】
しかも、機体の各部を制御する電子制御装置等が故障した場合であっても、エンジンを始動でき、機械的に走行変速装置を作動させることが出来れば、圃場でコンバインを立ち往生させることなく圃場から脱出させて故障を修理すればよい。そこで、エンジンの始動安全回路は電子制御装置と切り離して、これらに影響されない従来の信頼性のあるシンプルな回路になすことが望ましい。
【0015】
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、穀粒を機外に排出操作する排出クラッチレバーの入り切り操作を検出するスイッチを設け、このスイッチをエンジンの始動安全回路に用いたり、穀粒排出時のエンジンの回転数不足等を警報すべく電子制御装置に用いる際に、2つのスイッチを別個に用意することなく、従来と同様な信頼性のあるエンジンの始動安全回路に構成することができ、また、エンジンの回転数不足の警報等を支障なく行うことができる、コンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、上記課題を解決するため第1に、圃場の穀稈を刈取る刈取部と、刈取った穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀した穀粒を貯留する穀粒貯留部と、貯留した穀粒を機外に排出する穀粒排出装置を備え、機体に搭載するエンジンの動力によってこれらを駆動する一方、エンジンの始動安全装置と、機体の各部を制御する電子制御装置を設けるコンバインにおいて、前記穀粒排出装置は、排出クラッチを断続する排出クラッチレバーと、この排出クラッチレバーの入り切り操作を検出するC接点を備えるリミットスイッチを備え、このリミットスイッチのB接点をエンジンの始動安全装置の回路に、また、A接点を電子制御装置に接続して、夫々の装置でこれを利用することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、第2に、前記排出クラッチレバーを入位置と切位置に回動操作して排出クラッチを断続するように構成すると共に、このレバーの入り切り操作を検出するリミットスイッチの取付プレートに、レバーの入位置での回動規制部を一体に形成することを特徴とする。
【0018】
さらに、本発明は、第3に、前記排出クラッチレバーを回動自在に支持するブラケットにリミットスイッチの取付プレートの一端部を固着すると共に、このブラケットと取付プレートの他端部をオーガーレストの支柱に固着することを特徴とする。
【0019】
そして、本発明は、第4に、前記ブラケットの前部にオーガ操作スイッチアセンブリを設けるプレートを取り付け、このプレートによってリミットスイッチや取付プレートの上方側を覆うと共に、オーガ操作スイッチアセンブリやリミットスイッチのワイヤーハーネスを、リミットスイッチの取付プレートにクランプを用いて固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明のコンバインによれば、圃場の穀稈を刈取る刈取部と、刈取った穀稈を脱穀する脱穀部と、脱穀した穀粒を貯留する穀粒貯留部と、貯留した穀粒を機外に排出する穀粒排出装置を備え、機体に搭載するエンジンの動力によってこれらを駆動する一方、エンジンの始動安全装置と、機体の各部を制御する電子制御装置を設けるコンバインにおいて、前記穀粒排出装置は、排出クラッチを断続する排出クラッチレバーと、この排出クラッチレバーの入り切り操作を検出するC接点を備えるリミットスイッチを備え、このリミットスイッチのB接点をエンジンの始動安全装置の回路に、また、A接点を電子制御装置に接続して、夫々の装置でこれを利用する。
【0021】
そのため、穀粒を機外に排出操作する排出クラッチレバーの入り切り操作を検出するリミットスイッチのB接点を、エンジンの始動安全装置の回路に接続し、その排出クラッチレバーが入り操作されてB接点が開くとエンジンの始動が不能に、また、排出クラッチレバーが切り操作されてB接点が閉じるとエンジンの始動が許され、これによって穀粒の排出作業を安全に行うことができる。さらに、リミットスイッチのA接点を電子制御装置の入力回路に接続し、例えば、排出クラッチレバーが入り操作されてA接点が閉じると穀粒の排出が開始されたものと判断し、その際のエンジンの回転数不足等を警報することができる。
【0022】
また、排出クラッチレバーの入り切り操作を検出するC接点を備えるリミットスイッチを、エンジン始動安全装置の回路と機体の各部を制御する電子制御装置に夫々、A接点とB接点に振り分けて互いに干渉することなく使用することができるから、排出クラッチレバーの入り切り操作を検出する2つの検出スイッチを用意する必要がなくなり、しかも、検出スイッチの取付け調節にしても、1つだけ調節すればよいからその作業時間を短縮することができ、全体にコストダウンを図ることができる。
【0023】
さらに、排出クラッチレバーを入位置と切位置に回動操作して排出クラッチを断続するように構成すると共に、このレバーの入り切り操作を検出するリミットスイッチの取付プレートに、レバーの入位置での回動規制部を一体に形成すると、リミットスイッチの取付プレートとは別にレバーの入位置での回動規制体を設ける必要が無くなると共に、確実に排出クラッチレバーを入位置に規制することができる。
【0024】
そして、排出クラッチレバーを回動自在に支持するブラケットにリミットスイッチの取付プレートの一端部を固着すると共に、このブラケットと取付プレートの他端部をオーガーレストの支柱に固着すると、リミットスイッチの取付プレートの両端がブラケットとオーガーレストの支柱に両持ち状態で固着でき、リミットスイッチを強固に取付支持することができる。また、ブラケットは取付プレートによって補強でき、排出クラッチレバーの操作時に加わる荷重によるブラケットの撓みを抑制することができる。
【0025】
そのうえ、ブラケットの前部にオーガ操作スイッチアセンブリを設けるプレートを取り付け、このプレートによってリミットスイッチや取付プレートの上方側を覆うと共に、オーガ操作スイッチアセンブリやリミットスイッチのワイヤーハーネスを、リミットスイッチの取付プレートにクランプを用いて固定すると、リミットスイッチやワイヤーハーネス等が外部に露出せず外観を向上させることができる。また、ワイヤーハーネスを取付プレートを利用して固定することができ、ワイヤーハーネスの不測な切断等を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】コンバインの正面図である。
図2】コンバインの平面図である。
図3】コンバインの左側面図である。
図4】コンバインの右側面図である。
図5】コンバインの動力伝達図である。
図6】穀粒排出クラッチレバーの取付状態を示す斜視図である。
図7】穀粒排出クラッチレバーの取付状態を示す正面図である。
図8】穀粒排出クラッチレバーの切り操作状態を示す側面図である。
図9】穀粒排出クラッチレバーの入り操作状態を示す側面図である。
図10】エンジンの始動安全回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図5に示すようにコンバイン1は、乗用3条刈りの自脱型コンバインで構成し、矩形状になす機体フレーム(機体)2の下方に走行装置を備える。なお、走行装置は機体フレーム2の下方に連結する左右の走行フレーム3に軸支する駆動スプロケット4、アイドルホイール5、及びトラックローラ6と、これらに巻回するゴムクローラ7を備え、トランスミッション8から駆動スプロケット4を駆動して走行を行うクローラ式とする。
【0028】
また、機体フレーム2の機体前進方向の右側前部には、運転席9を備える操縦部Aを設け、機体フレーム2の左側前部から操縦部Aの前方にかけて刈取部Bを油圧シリンダ10によって昇降自在に設ける。また、刈取部B後方の左側寄りの機体フレーム2には脱穀部Cを設け、脱穀部Cの右側にはグレンタンク11から構成する穀粒貯留部Dと、このグレンタンク11に貯留する穀粒を機外に排出する排出オーガ12から構成する穀粒排出装置Eを設ける。
【0029】
さらに、脱穀部Cと穀粒貯留部Dの後方にはカッター13によって構成する排藁処理装置Fを設ける。また、操縦部Aと穀粒貯留部Dの間には原動部Gを設け、この原動部Gに収容するディーゼルエンジン14は、コンバイン1の各部を駆動する動力源となる。
【0030】
また、前記刈取部Bは、デバイダ15、ナローガイド16、引起装置17、刈刃18、掻込装置19、株元及び穂先搬送装置20と、これ等の装置を支える刈取部フレーム21及びリフトフレーム22と、各部を駆動する伝動装置等によって構成する。また、刈取部Bは、後述する刈取クラッチ23を入りにしてエンジン動力を伝達すると、左右端のデバイダ15間に入った立毛穀稈を引き起こしながら掻き込み、また、掻き込んだ穀稈を刈刃18によって刈り取り、さらに、株元及び穂先搬送装置20によって扱ぎ深さ調節しながら脱穀部Cに向けて搬送する。
【0031】
そして、前記脱穀部Cは、前後壁と左右の側壁と底板と上方を覆うシリンダーカバー等からなる機枠の上部に第1と第2の扱室を設ける。この内、第1扱室には刈取部Bから搬送されてきた穀稈を扱口に沿って搬送する脱穀フイードチェン24とその挟持レール、扱歯を備える第1扱胴25とその受網等を設ける。また、第2扱室は第1扱胴25の後端穂先側より機体の後方に向かうように第1扱室に併設し、第1扱室で脱粒処理しきれなかった穀粒の混ざった藁屑等を処理する第2扱胴26とその受網を設ける。
【0032】
一方、第1と第2の扱室の下方には選別室を設ける。この選別室には揺動運動する揺動流板27、1番螺旋28及び2番螺旋29、唐箕ファン30及び吸引ファン31等を設け、扱室の受網より漏下した穀粒等を揺動流板27上において選別し、選別した穀粒は1番螺旋28から揚穀螺旋32を介してグレンタンク11に移送し、藁屑等が混じった2番物は2番螺旋29から2番還元螺旋33を介して揺動流板27上に戻す。また、揺動流板27の終端に至った藁屑、吸引ファン31に捕捉された藁屑、或いは第2扱胴26の終端から排出された藁屑は、脱穀部C後方の機外に排出する。なお、脱穀部Cは脱穀クラッチ34を介して伝達するエンジン14動力によって駆動する。
【0033】
さらに、前記穀粒貯留部Dを構成するグレンタンク11は脱穀部Cから揚穀螺旋32を介して移送した穀粒を一時収納し、この揚穀螺旋32は、図4に示すように揚穀筒35に収容し、その揚穀筒35の上部に設ける放出口36から、樹脂製のグレンタンク11内に穀粒を放出する。
【0034】
また、前記穀粒排出装置Eは、グレンタンク11の底部に設ける横螺旋35と、横螺旋35から送られてきた穀粒を上方に送り機外に排出する縦螺旋36からなる排出オーガ12と、排出オーガ12をエンジン14の動力によって駆動する動力伝達装置と、排出オーガ12の縦螺旋36を収容する第1の縦パイプ37を旋回モータによって回転させて排出オーガ12を旋回させる旋回機構と、排出オーガ12の縦螺旋36を収容する第2の縦パイプ38と第3の縦パイプ39を昇降モータによって上下させて排出オーガ12を昇降させる昇降機構等から構成する。
【0035】
なお、排出オーガ12の第2の縦パイプ38と第3の縦パイプ39は、機体上に格納する際に、オーガレスト40によって第2の縦パイプ38の中途部が支受けされ、また、第3の縦パイプ39は、路上走行等においては第2の縦パイプ38に併設するように折りたたむことができる。
【0036】
そして、前記排藁処理装置Fは、ディスク型カッター13を備え、このカッター13は、脱穀処理を完了して扱室より排藁搬送装置41によって排出する排稈を受け入れ、その鋸刃と掻込盤によって排稈を細断して刈取跡地に切藁として放出する。なお、排藁処理装置Fは、脱穀部Cから駆動され、エンジン14から脱穀クラッチ34を介して脱穀部Cと共に駆動される。
【0037】
また、前記操縦部Aは、運転席9の前方から左側方にかけてフロントコンソール42とサイドコンソール43を設け、この内、フロントコンソール42には、マルチステアリングレバー44、コンビネーションスイッチ45、自動スイッチ46、或いはキースイッチ47等を設ける。また、計器パネル48を挟んで他方のサイドコンソール43には、主変速レバー49、副変速レバー50、エンジンコントロールレバー51、脱穀・刈取クラッチレバー52等を設ける。
【0038】
なお、フロントコンソール42下方のフロア53上にはブレーキペダル54を設け、このブレーキペダル54を踏むと主変速戻しロッドを介して主変速レバー49が「中立」に戻り、また、トランスミッション8に設けるブレーキ55を作動させる。さらに、このブレーキ55はブレーキペダル54の側方に設ける駐車ブレーキレバー56によっても作動させることができ、この場合は駐車ブレーキとなる。
【0039】
そして、以上のように構成する刈取部B及び脱穀部C等の各部は、図5に示すように原動部Gに収容するディーゼルエンジン14によって駆動する。即ち、エンジン14からベルトテンションクラッチで構成する脱穀クラッチ34を介して脱穀フィードチェーン24を除く脱穀部Cと排藁処理装置Fの各装置を駆動する。また、脱穀フィードチェーン24は脱穀クラッチ34から搬送HST(静油圧式無段変速装置)57を介して駆動し、さらに、搬送HST57からベルトテンションクラッチで構成する刈取クラッチ23を介して刈取部Bの各装置を駆動する。
【0040】
また、ディーゼルエンジン14はクローラ式走行装置を駆動し、エンジン14から走行ベルト58を介して伝達する動力を走行HST(静油圧式無段変速装置)59によって変速する。そして、トランスミッション8には歯車変速装置によって標準と走行と中立の2段変速する副変速装置60と、油圧クラッチ61とブレーキ55と左右のサイドクラッチ62等から構成する操向装置を設け、左右のクローラ7を夫々の駆動スプロケット4で駆動する。さらに、エンジン14は排出オーガ12の横螺旋35と縦螺旋36を駆動し、エンジン14から横螺旋35及び縦螺旋36を駆動する伝動ベルト63には排出クラッチ64を設ける。
【0041】
次に、前記排出クラッチ64について説明すると、図4及び図6乃至図9に示すように排出クラッチ64はベルトテンションクラッチによって構成し、基部を機体に回転自在に軸支するタイトアーム65は、その先端にタイトプーリ66を回転自在に軸支する。また、タイトアーム65にはスプリング67を介してコントロールワイヤ68の一端を連結し、このコントロールワイヤ68を引き操作すると、タイトプーリ66はエンジン14の出力軸に設ける駆動プーリ69と従動プーリ70に掛け渡す伝動ベルト63を緊張させ、エンジン14から横螺旋35及び縦螺旋36を駆動する。
【0042】
一方、このコントロールワイヤ68の他端は、円弧状に湾曲するプレート71を介して排出クラッチレバー72の基部プレート72aに連結する。また、排出クラッチレバー72は、運転席9後方となるオーガレスト40の支柱73に設けるブラケット74に取付ボルト75を用いて、その基部プレート72aを回動自在に軸支する。なお、コントロールワイヤ68のアウター両端部は、揚穀筒35と支柱73に固着するアウター受け76、77にアジャスタを介して夫々固定する。
【0043】
なお、排出クラッチレバー72は、その先端にグリップ72bを装着する操作桿72cを基部プレート72aに固着し、また、基部プレート72aには後述するリミットスイッチ78のアクチュエータを作動させる当接部72dを直角に折り曲げて形成する。また、ブラケット74は、支柱73にその前部寄りを溶接して固着する天板部74aと、天板部74aの左端側を下方に向けて折り曲げて形成する側板部74bと、天板部74aの左端前部寄りに穿設するガイド溝74cを備える。
【0044】
従って、排出クラッチレバー72は、ブラケット74の側板部74bに前後方向に向けて回動自在に取り付け、その操作桿72cの上部寄りとグリップ72bがブラケット74のガイド溝74cから突出し、その回動軸支部(基部プレート72a)を天板部74aと側板部74bによって隠している。
【0045】
また、前記ブラケット74には、排出クラッチレバー72の入り切り操作を検出するリミットスイッチ78を設ける。このリミットスイッチ78は、C接点を備えるプッシュプランジャ形のリミットスイッチであって、側板部74bの前方下部寄りにその左端を溶接して固着する取付プレート79に、リミットスイッチ78のアクチュエータが排出クラッチレバー72の当接部72dに臨むように進退調節自在に取り付ける。
【0046】
なお、取付プレート79の側板部74bと反対側の右端寄りは支柱73の前面に溶接する。そのため、取付プレート79の左右両端がブラケット74と支柱73に両持ち状態で固着され、リミットスイッチ78を強固に取付支持することができる。また、ブラケット74は取付プレート79によって補強され、排出クラッチレバー72の操作時に加わる荷重(ベルトテンション荷重)によるブラケット74の撓みを抑制することができる。
【0047】
さらに、取付プレート79の左寄りの上部は前方に折り曲げて、排出クラッチレバー72の入位置での回動規制部79aを一体に形成する。そのため、排出クラッチレバー72を排出クラッチ64の入り操作方向となる前方に向けて回動操作すると、その操作桿72cは回動規制部79aに当接してそれ以上の回動が阻止される。そして、この状態で排出クラッチレバー72から手を離しても、排出クラッチレバー72は排出クラッチ64のベルトテンション反力によって、この入り位置に保持される。
【0048】
そのため、排出クラッチレバー72は、別に回動規制体を設けることなく取付プレート79の回動規制部79aによって確実に入位置に規制保持することができる。なお、排出クラッチレバー72は、排出クラッチ64の切り操作方向となる後方に向けて回動操作すると、その操作桿72cがブラケット74のガイド溝74cの終端に当接してそれ以上の回動が阻止され、この操作位置が排出クラッチレバー72の切り操作位置となる。
【0049】
なお、前記ブラケット74の前部には、ブラケット74の前面側を覆い下方に設けるリミットスイッチ78等を隠すカバープレート80をボルトによって取り付ける。そして、このプレート80には、排出オーガ12の旋回や昇降を指示するオーガ操作スイッチアセンブリ81を取り付ける。
【0050】
また、リミットスイッチ78の取付プレート79に取付孔79bを穿設し、この取付孔79bにクランプ82の固定部を押し込んで取り付け、オーガ操作スイッチアセンブリ81やリミットスイッチ78のワイヤーハーネス83を、このクランプ82を用いて取付プレート79に固定する。さらに、取付プレート79に同様にオーガレスト40に設けるオーガ収納リミットスイッチのワイヤーハーネスをクランプ82を用いて固定する。
【0051】
このように、ブラケット74の前部にオーガ操作スイッチアセンブリ81を設けるプレート80を取り付け、このプレート80によってリミットスイッチ78や取付プレート79の上方側を覆うと共に、オーガ操作スイッチアセンブリ81やリミットスイッチ78のワイヤーハーネス83を、リミットスイッチ78の取付プレート79にクランプ82を用いて固定すると、リミットスイッチ78やワイヤーハーネス83等が外部に露出せず外観を向上させることができる。
【0052】
また、ワイヤーハーネス83を取付プレート79を利用して固定することができ、グレンタンク11をメンテナンスのため取り外す際に、ワイヤーハーネス83が邪魔になったり、誤って引っ掛けてワイヤーハーネス83を切断することを無くすことができる。
【0053】
次に、コンバイン1のエンジン始動安全装置と機体の各部を制御する電子制御装置について説明すると、図10の電気回路図に示すように機体に搭載するバッテリ84のプラス端子にキースイッチ47(切、運転、グロー、始動)をメインヒューズ85を介して接続する。そして、キースイッチ47の始動端子(ST)に始動リレー電源ヒューズ86を介してエンジンスタータリレー87のコイル部と、ペダルスイッチ88の接点、リミットスイッチ78のB接点78b、脱穀・刈取クラッチレバースイッチ89のB接点89b、及び脱穀切り位置検出スイッチ90の接点を直列に接続してグランドに落とす。
【0054】
そして、この場合、キーを始動位置に回してバッテリ84とキースイッチ47の始動端子を接続させると、ペダルスイッチ88の接点、リミットスイッチ78のB接点78b、脱穀・刈取クラッチレバースイッチ89のB接点89b、及び脱穀切り位置検出スイッチ90の接点の何れもが閉じているとエンジンスタータリレー87の接点部は閉じて、エンジンのスタータモータ91は駆動され、これによってエンジン14は始動する。
【0055】
しかし、ペダルスイッチ88の接点、リミットスイッチ78のB接点78b、脱穀・刈取クラッチレバースイッチ89のB接点89b、及び脱穀切り位置検出スイッチ90の接点の何れかが開いていると、スタータモータ91は駆動されず、エンジン14の始動は阻止される。
【0056】
ここで、上記エンジンの始動安全回路に設ける各スイッチについて補足すると、前記ペダルスイッチ88はブレーキペダル54に付設するA接点を備えるスイッチ(常開形)であり、ブレーキペダル54を踏むとそのスイッチのA接点が閉じる。そして、前述のようにブレーキペダル54を踏むと主変速レバー49が「中立」に戻り、また、ブレーキ55が作動するから、ブレーキペダル54を踏んでいる限りエンジン14を始動してもコンバイン1が発進することはなく、走行停止状態を保つ。逆に、ブレーキペダル54を踏んでいない状態でエンジン14が誤って始動すると、主変速レバー49の変速位置によっては急発進する危険性がある。
【0057】
また、リミットスイッチ78は、排出クラッチレバー72の入り操作を検出し、そのB接点78b(常閉形)は排出クラッチレバー72の入り操作によって開くから、排出クラッチレバー72が入り操作されていて、排出クラッチ64が入りとなっている状態ではエンジン14の始動が阻止され、エンジン14の始動と共に排出オーガ12が作動して圃場等に穀粒をまき散らすといった不具合を防止することができる。
【0058】
さらに、脱穀・刈取クラッチレバースイッチ89は、脱穀・刈取クラッチレバー52に付設する、上記リミットスイッチ78と同様なC接点を備えるスイッチであり、脱穀・刈取クラッチレバー52を入り操作すると、そのB接点89bは開き、またA接点89aは閉じる。
【0059】
そして、脱穀・刈取クラッチレバースイッチ89のA接点89aはマイクロコンピュータユニット92で構成する電子制御装置の入力ポートとグランドに接続し、マイクロコンピュータユニット92がこのスイッチ89によって脱穀・刈取クラッチレバー52の入り操作を検出すると、マイクロコンピュータユニット92は、電動モータ等で構成する駆動機構を作動させて脱穀クラッチ34を入りにする。
【0060】
また、マイクロコンピュータユニット92は、例えば、刈取部Bが上昇する非作業位置からマルチステアリングレバー44の下降操作によって所定の作業位置に下降させた際に、前述の駆動機構を作動させて、脱穀クラッチ34とともに刈取クラッチ23を入りにする。また、逆に脱穀・刈取クラッチレバー52を切り操作して、脱穀・刈取クラッチレバースイッチ89によってマイクロコンピュータユニット92がこれを検出すると、電動モータ等で構成する駆動機構を作動させて刈取クラッチ23と脱穀クラッチ34を共に切りにする。
【0061】
そして、脱穀切り位置検出スイッチ90は、上記電動モータ等で構成する駆動機構に付設するA接点を備えるスイッチ(常開形)であり、駆動機構が脱穀クラッチ34を切りにするとそのスイッチのA接点が閉じる。従って、脱穀・刈取クラッチレバースイッチ89のB接点89bと脱穀切り位置検出スイッチ90のA接点が共に閉じていれば、刈取クラッチ23と脱穀クラッチ34は確実に切られていることになり、この状態でエンジン14を始動しても刈取部B、脱穀部C、及び排藁処理装置Fは駆動されないから安全である。
【0062】
なお、このように2つのスイッチ89、90によって刈取クラッチ23と脱穀クラッチ34の入り切り状態を判断することは、クラッチ23、34の切り状態の信頼性を確保するためである。例えば、脱穀切り位置検出スイッチ90のA接点が閉じていても、脱穀・刈取クラッチレバー52が入り操作されて、駆動機構のタイムラグ等をもってその後、スイッチ90のA接点がが開くことになるかもしれない。
【0063】
逆に脱穀・刈取クラッチレバー52が切り操作されても、駆動機構のタイムラグ等をもってクラッチ23、34は即座に切ることはできない。従って、このように何れか1つのスイッチによって判断するとすれば、エンジン14の始動と共に脱穀クラッチ34や刈取クラッチ23が入っていて脱穀部C等が駆動されかねず、このような危険を2つのスイッチ89、90を用いることによって回避する。
【0064】
そして、以上のようにエンジンの始動安全装置(始動安全回路)を構成するコンバイン1は、走行の停止と共に全てのクラッチが切られていることを条件にしてエンジン14の始動を可能にするから、安全にエンジン14を始動させた後、走行を行ったり各クラッチを入り操作して刈取作業や穀粒の排出作業を行うことができる。
【0065】
次に、前述のリミットスイッチ78のA接点78aの使用方法について説明すると、このA接点78aはマイクロコンピュータユニット92の入力回路のポートとグランドに接続し、マイクロコンピュータユニット92がこのスイッチ78によって排出クラッチレバー72の入り操作を検出すると、マイクロコンピュータユニット92は、エンジン14の回転数を例えば、ピックアップセンサ等によって取得して監視する。
【0066】
そして、エンジン14の回転数が穀粒排出時の最低回転数に達していなかったり、排出クラッチ64の入りに伴ってエンジン14の回転数が極端に低下するようであれば、操縦部Aの計器パネル48に設けるエンジン負荷ランプを点滅させたり、電子ブザー等でこれを報知する。また、作業者は、これによってエンジン14に過負荷が生じていることに気付き、エンジンコントロールレバー51を操作してエンジン回転数を上げて過負荷を解消する。
【0067】
そのため、エンジン14の回転数不足による排出オーガ12の排出能力不足、穀粒の詰まり、或いはエンスト等を未然に防止して、穀粒の排出作業を円滑に行うことができる。また、このように排出クラッチレバー72の入り切り操作を検出するC接点を備えるリミットスイッチ78を、エンジンの始動安全回路にはそのB接点78bを使用し、機体の各部を制御する電子制御装置92にはそのA接点78aを使用する。
【0068】
それ故、各接点78a、78bを互いに電気的に干渉することなく使用することができるから、排出クラッチレバー72の入り切り操作を検出する2つの検出スイッチを用意する必要がなくなり、しかも、リミットスイッチ78(検出スイッチ)の取付け調節にしても、1つだけ調節すればよいからその作業時間を短縮することができ、全体にコストダウンを図ることができる。
【0069】
なお、図10の回路図に示すように、キースイッチ47を運転位置(IG)に戻した状態で、エンジン停止リレー94の接点部は、キー切りヒューズ93を介してバッテリ84とエンジン停止ソレノイド95に接続する。そして、エンジン停止リレー94のコイル部はバッテリ84とマイクロコンピュータユニット92のエンジン停止出力ポートに接続する。
【0070】
そのため、キースイッチ47を切位置にしたり、或いは、運転位置にした状態でマイクロコンピュータユニット92がエンジン停止出力ポートに出力して、エンジン停止リレー94を作動させると、エンジン停止ソレノイド95はそのコイル部への通電が遮断され、エンジン14は停止する。そして、マイクロコンピュータユニット92は、例えば、グレンタンク11に穀粒が満杯になったり、排藁搬送装置41において排藁が詰まったり、刈取部Bや脱穀フイードチェン24で穀稈が詰まったりするとエンジン停止出力ポートに出力し、エンジン14を強制的に停止させる。
【0071】
それ故、前述のリミットスイッチ78のマイクロコンピュータユニット92との接続を利用して、例えば、排出クラッチ64が入りとなる穀粒排出作業時に、排出オーガ12の穀粒詰まりを検出した際に、エンジン14を同様に強制的に停止させるようにしてもよい。また、排出オーガ12に穀粒の流量センサー(衝撃センサー)を付設し、排出クラッチ64の入りから切りとなるまでの間の積算排出穀粒量を計器パネル48の液晶表示部に表示してもよく、エンジンの負荷警報のみにその利用が限定されるものではなく、多用途に使用することができる。
【0072】
以上、本発明の実施形態を説明したが、排出クラッチ64は排出クラッチレバー72によってコントロールワイヤ68を介して直接的に入り切りするのではなく、脱穀クラッチ34及び刈取クラッチ23を電動モータ等で構成する駆動機構を作動させて入り切りさせるように、パワークラッチ式にしてもよく、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0073】
1 コンバイン
14 ディーゼルエンジン(エンジン)
64 排出クラッチ
72 排出クラッチレバー
78 リミットスイッチ
79 取付プレート
92 マイクロコンピュータユニット(電子制御装置)
A 操縦部
B 刈取部
C 脱穀部
D 穀粒貯留部
E 穀粒排出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10