【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明のパワーカプラによって、マルチコア光ファイバ構造の制御された孔潰しを利用することにより効果的な光パワー結合が可能になる。有用にコアが絶縁されたマルチコア光ファイバは、基本媒体として利用されるのに対して、絶縁されたコアは−10dB又は好適にはそれ以下の相互間のクロストークのコアとして構成され、これはコーティングの屈折率と比較して屈折率が低いことが特徴であるコアの近傍領域が生じることによって確保される。有利な実施形態では、屈折率が低減したゾーンは、好適には空気を充填した孔の形態を取る。このような孔はクロストークを最小化し、信号伝搬パラメータ(損失、分散)に対するその影響は有利なことに僅かである。更に、孔によって理論上は損失を生じることなく、光はカプラに入射することができる。
【0035】
本発明の基本構成では、本発明によるファイバ光カプラは、片側で単一の光ファイバ、好適には標準的なシングルモードの光ファイバと、好適には標準的なシングルモードの光ファイバである少なくとも2つの単一光ファイバとに接続されたマルチコア光ファイとを含み、上記光ファイバは細管内に配置することができるが、これらのコアとマルチコア光ファイバのコアとを整列させるためにエッチング及び/又はテーパリングすることもでき、マルチコア光ファイバの少なくとも1つの断片は300μm以上の断面になるようにテーパリングされ、及び/又はこの断面の孔は潰される。一方、単一の光ファイバからの信号が微細構造のマルチコア光ファイバのコアの1つ、好適には中央のコアを通過するようにパワー分布がなされ、コアの絶縁により信号は、微細構造のマルチコア光ファイバの孔が破壊され、及び/又はテーパ領域までこのコアを通過する。微細構造のマルチコア光ファイバの孔が破壊され、及び/又はテーパ領域では、例えば好適には融着スプライサで実施できるように、孔のテーパリング及び/又は潰しのプロセスのパラメータを適切に選択することで実施できるように、コア間のクロストークを増加することによって、コアの絶縁は制御された状態で低減される。テーパ部のウエスト領域と遷移領域及び/又は孔の破壊領域の外側のマルチコア光ファイバ部分の長さは、カプラの性能及び効果的なパワー分割にはそれほど影響しない。
【0036】
微細構造のマルチコア光ファイバの孔が破壊及び/又はテーパリングされる領域ではコアは絶縁されず、スーパーモードが生じる。したがって、孔の破壊の結果であるコア絶縁の低減により、及び/又はテーパ部の場合にコアを互いに近接させることにより、かつ融合されたコアが結合される(特定のコアのクロストークが増大する)ため、光ファイバは絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作に移行する。
【0037】
その結果、1つのコアを導通するパワーは、好適には全コアに分割される。有利な実施形態では、テーパ長は300μm以上であり、及び/又はテーパ部分の孔が潰されて、テーパ長及びテーパ比及び/又は孔潰しのレベルがパワー分割の度合を決定する。一方、全コアへのパワー分割が有利に均等になるテーパ長及びテーパ比及び/又は孔潰しのレベルを見つけることができる。
【0038】
テーパ比はテーパのウエスト部のファイバ断面積の減少率であると見なされるが、有利な実施形態では、この断面積は均一に減少する。テーパ長は好適には所望のパワー分割を目指す実験によって選択される。
【0039】
微細構造のマルチコア光ファイバの設計に応じて、任意のMxN分割を達成できる。様々なタイプの効果を達成するために、コアを完全に潰す必要はない。加えて、特定のコアへの様々な分割は、温度、応力(伸長、圧縮、捩じり、曲げなど)、圧力他による外部からの相互作用を導入することによって実行することができる。マルチコアファイバの設計は、テーパリング及び/又は孔潰しの結果としてパワー分割に直接影響する。
【0040】
別の実施形態では、本発明によるファイバ光カプラは、好適にはシングルモードの少なくとも1つの入力光ファイバ、及びN個の出力光ファイバ、及びコアが絶縁された少なくともN個のコアを有するN個の出力光ファイバを含む。
【0041】
標準的なシングルモード光ファイバ(1つ又は複数)を伝搬する信号は、マルチコアの微細構造光ファイバへ送られる。
【0042】
入力光ファイバ(1つ又は複数)はマルチコアファイバに接続される。マルチコア光ファイバを通過した後、信号はテーパ部を、及び/又は孔潰しなしで、信号がテーパ領域(テーパ遷移領域、次いでテーパのウエスト領域)及び/又は孔潰し領域に入るまで、更にこのコア(1つ又は複数)を伝搬する。
【0043】
テーパ遷移領域では、光ファイバの断面積:コーティング、コアと孔の直径は、設計通りのターパウエスト部の直径が得られるまでテーパリング動作が行われるように減少する。孔直径の減少と特定のコアの近似及びコア直径の減少は、伝搬特性の変化、いわゆるコア絶縁低減を引き起こし、その結果、スーパーモードが生じることでパワーが任意のコア(1つ又は複数)から残りのコアに伝送される可能性が生じる。テーパのウエスト領域では、孔は完全に潰され、又はそれらの直径が一定を保つ。
【0044】
所望のパワー分割に応じて、縮径された孔の直径を選択し、テーパ部(テーパ遷移領域とテーパウエスト領域の両方)の長さ及びテーパウエスト比を選択することにより、分割を調整できる可能性がある。この光ファイバー設計では、パワーの均等な分割を可能にするパラメータの組み合わせがある。テーパ部で得られるパワー分割の固定は、遷移部からコアが絶縁された部分への通路でのモード構造の「フリーズ」に起因する。本発明で達成される低損失は、マルチコアファイバの特徴的なテーパリング及び/又は孔潰しによって行われるスーパーモードの常態的刺激の結果である。接続部の孔潰しはスプリッタとして機能するデバイスを作成するが、通常は損失がより大きくなる。
【0045】
本発明によるデバイスは、以下のようにも使用することができる。例えば、2つの波長が入力光ファイバを伝搬する場合、それらの各々に異なる経路が存在し、その各々を辿って所与の波長が完全にマルチコア光ファイバ、特にデュアルファイバの2つのコアのうちの1つに位置する。したがって、入力ファイバを伝搬する2つの波長をマルチコアファイバの別個のコアに、そして出力光ファイバに首尾よく分離できるようにテーパリング及び/又は孔潰しパラメータを選択することができる。波長を特定のコアに分離する原理と同じ原理をこの例に示す2つのコア以上の多数のコアに、またより多数の波長に適用できる。
【0046】
本発明の有利な実施形態では、特定の用途で信号は1つの出力のみから収集される。このような状況は、例えばある波長が単に分離されるのではなく、特定の波長がフィルタリングされなければならない場合に生じる。この場合は、デバイスの動作原理は変わらないが、素子の目的が変わる。波長をフィルタリングする場合、1つ又は幾つかの出力光ファイバが使用され、残りのファイバは未使用のまま残され、又は1つのファイバが出力に接続され得る。1つのファイバを出力に接続することは技術的な観点から有利である。直列に接続されたテーパアダプタに可変テーパパラメータを適用することによっても、有効波長をスペクトルからフィルタリングすることができる。
【0047】
入力パワーに対する制御されたパワー比率%を達成するためにテーパパラメータを適応されることもできる−この場合、デバイスは減衰器の機能で動作する。光共振器のQファクタを調整するために、このような素子を光キャビティのQファクタを調整するための光キャビティに利用することができる(Qスイッチとしての動作)。
【0048】
上記のカプラ動作原理は、以下のように有用に反転させることができる。絶縁されたコアを有するマルチコアファイバに接続された光ファイバに光信号のビームを入射させることができる。非テーパ部では、伝搬は入力光ファイバで行われる伝搬に関する特性を変化させない。テーパ及び/又は孔潰し領域では、伝搬は絶縁されたコアの動作から結合されたコアの動作へと移行する。スーパーモードが生成され、その結果、独立して進行してきた信号がこの時点で合流する。少なくとも1つのシングルコア光ファイバがマルチコア光ファイバに接続される。このように、入力コアからの合流信号はこの時点で、適切なパワー損失を伴って出力光(1つ又は複数)ファイバを伝搬する。したがって、これはシステムの構造的及び/又は技術的修正を必要とせず、入力−出力配置の修正を導入する、スプリッタ構成の「ミラー」構成であり、これを以下にコンバイナと呼ぶ。このタイプの構成の用途は以下の通りである。異なる波長が入力光ファイバを含む各ファイバを伝搬すると、混合信号が出力光ファイバ(1つ又は複数)の出力で得られ。幾つかの波長を有する信号が1つの光ファイバを伝搬する。
【0049】
別の実施形態では、本発明によるカプラにより、制御されたアドレッシングモード用の素子の構築が可能になり、これは屈折率が低減したゾーン(空間)により絶縁されがコアを有するマルチコア光ファイバを含む。好適には、マルチコア光ファイバの少なくとも1つのコアはフューモード、又は(分離された偏光モードを有する)複屈折型であり、そのモードを独立してアドレッシング(刺激、励起、多重化と同義)できることを意味する。これは、アドレッシングするコアとアドレッシングされるコアの各コアが、1つのコアを他のコアから絶縁する絶縁構造によって囲まれている場合、特に、絶縁構造が、好適には空気又は他の気体、固体又は液体で充填された孔から成る屈折率低減ゾーンの形態を有している場合に好適である。特に、孔にはファイバのクラッド材料を充填することができ、それによりクラッド全体が、コアを絶縁する屈折率低減ゾーンの機能を果たす。絶縁はコア上のスーパーモード生成(形成)の効率を低く保つ−絶縁を低減しないゾーンでは、任意のコア対の間に観察される最高クロストークは−10dB未満である。
【0050】
アドレッシングされるコア、あるいは(モードの1つがアドレッシング/多重化される)多重化されたコアは、フューモード及び/又は複屈折(birefringent)コアであり、特定モードの別個の実効屈折率を有する。コアの複屈折は、任意の周知の方法、例えばコアの楕円率又はコア周囲の応力状態によって達成される。「マルチモード」及び「フューモード」という用語はコアファイバが、使用される波長での別個の偏光モードを含む少なくとも2つのモードを有する任意のモードであると理解される。本特許の広範でこれらの用語は同義として用いられるため、文献にはマルチモードファイバとフューモードファイバには明確に定義された差異はない。
【0051】
アドレッシングされるコアの近傍には、少なくとも1つの、好ましくは、シングルモードのアドレッシングするコア、あるいは、アドレッシングされるコア内のモードの1つの実効屈折率と整合するような実効屈折率を有する多重化コア(アドレッシングされる/多重化されるコア内の特定のモードを励起/アドレッシングするためにそのモードが用いられるコア)がある。「特定モードの刺激/励起」はそのアドレッシング、ひいてはコアを別個に考慮すると、モードの実効屈折率を調整することによって条件付けられるコア上に効果的にスーパーモードを形成(実際にはクロストークを観測)可能であることを意味する。絶縁を低減した後、コアは結合され、そこで既に個々のモードではなく、両方のコアで生成されるスーパーモードが問題になる。
【0052】
個々のコアが別個の屈折率を有し、他のコアが調整された実効屈折率を有するように、モードの実効屈折率を選択することには2つの役割がある。それは第1に、アドレッシングするコア間のクロストークを低減し(各モード対の実効屈折率の分離によるスーパーモードの非効率な形成)、第2に、位相整合によってアドレッシングするコアとアドレッシングされるコアとの間の選択的なクロストークを可能にする(スーパーモードの効率的な形成)。絶縁が低下(低減)したエリア内でのスーパーモードの様々な成形能力は、絶縁されたコアを有する構造内のモードの屈折率を選択することにより可能になる−特定のモードでは屈折率が近いほど、それらにより効率的なスーパーモードが形成され、したがって、アドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーに対するアドレッシングされるモード(基本モード、高次モード、偏光モード)の形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーは大きくなる。
【0053】
絶縁されたコアを有する少なくともデュアルコアファイバのマルチコアファイバは、少なくとも1つの、少なくともシングルコア入力ファイバに接続され、マルチコアファイバに反対側には少なくとも1つの、少なくともシングルコア出力ファイバが取り付けられ、マルチコア光ファイバに取り付けられた入力ファイバ及び出力ファイバは細管内に配置することができ、それらのコアが好適にはマルチコアファイバのコアに整列されるようにエッチング及び/又はテーパリングされ得る(ファンイン−ファンアウト素子タイプ)。マルチコアファイバの少なくとも1つの断片内では、コアの近傍の屈折率が低減したゾーンのサイズを縮減(低減)することにより、及び/又はそれらの構造を潰すことにより、コアの絶縁は縮減(低減)される。コア絶縁が低減され得た領域では、特定のアドレッシングするコア(単数又は複数)及び/又はアドレッシングされるコア(単数又は複数)にスーパーモードが形成される。マルチコアファイバの出力でアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。(最終クロストークと定義される)高効率のスーパーモード形成は、絶縁低減前(スーパーモードについて既に述べた絶縁低減後)に、各モード対の実効屈折率を調整することにより達成される。
【0054】
マルチコアファイバの構造は、好適にはテーパリングされ、及び/又は構造内の孔は好適には少なくとも一か所で、少なくともアドレッシングされるコア内のアドレッシングされるモードの形態のパワーの出現を観察できる部分で潰される。好適には、テーパ及び/又は孔の破壊の最小長さは300μmである。テーパ及び/又は孔の破壊の長さは、好適には、マルチコアファイバの使用部分に等しい最大長さである。好適には−テーパ比は0〜95%である。テーパ比は、テーパのウエスト領域の断面積の縮小率と見なされるが、有利な実施形態では、この断面積は均一に縮小される。好適には、光ファイバはコーティングが施される。
【0055】
好適な実施形態では、使用される波長でシングルモードの入力シングルコア光ファイバ、好適にはそのうちの7つは、好適には7−コアファイバであるマルチコアファイバの特定のコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングするコアの屈折率分布及び直径は、マルチコアファイバの全アドレッシングモードが異なる実効屈折率を有するように選択される。アドレッシングされるコアはフューモードであり、そのモードの屈折率は、アドレッシングするコア内のモードの各々の実効屈折率に適するように選ばれる。絶縁が低減されない領域では、スーパーモードは任意のコア対の間に観察される最高クロストークが−10dB未満であるように形成される。
【0056】
好適には300μmである特定の部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、寸法が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力でアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力でアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力でのパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0057】
特にシングルコアのフューモードファイバは好適には、マルチコアファイバのアドレッシングされるコアと同一又は類似の特性でマルチコアファイバの出力端に接続される。したがって、フューモードファイバでは、伝送はモード多重化によって実現される。したがって、コアの絶縁が制御されて縮減された上記のマルチコアファイバは、フューモードファイバ内でのアドレッシングモードを可能にする素子(カプラ)である。この構成、特に7−コアファイバで、アドレッシングするコアの6つの基本モードはアドレッシングされるコアの6つの高次モードをアドレッシングする。アドレッシングされるコアの基本モードは、ファイバを最初にこのコアに接続することにより励起される。
【0058】
同様に、フューモードファイバ内の信号は、本発明によるカプラを使用して逆多重化されることが可能である−フューモードファイバ内で伝送され、個々のモードで符号化される情報は、個々のコアに、更には別個の光ファイバに分離されることができる。
【0059】
別の好適な実施形態では、使用される波長でシングルモードの入力シングルコア光ファイバ、好適にはそのうちの3つは、好適には4−コアファイバであるマルチコアファイバの特定のコアに接続される。
【0060】
マルチコアファイバのアドレッシングするコアの屈折率分布及び直径は、マルチコアファイバの全アドレッシングモードが異なる実効屈折率を有するように選択される。アドレッシングされるコアはフューモードであり、そのモードの屈折率は、アドレッシングするコア内のモードの各々の実効屈折率に適するように選ばれる。絶縁が低減されない領域では、スーパーモードは任意のコア対の間に観察される最高クロストークが−10dB未満であるように形成される。
【0061】
好適には300μmである特定の部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、寸法が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力でのパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0062】
特にシングルコアのフューモードファイバは好適には、マルチコアファイバのアドレッシングされるコアと同一又は類似の特性を有するマルチコアファイバの出力端に接続される。したがって、フューモードファイバでは、伝送はモード多重化によって実現される。したがって、コアの絶縁が制御されて縮減された上記のマルチコアファイバは、フューモードファイバ内でのアドレッシングモードを可能にする素子(カプラ)である。この構成で、アドレッシングするコアの3つの基本モードがアドレッシングされるコア内の1つの基本モードと2つの高次モードをアドレッシングする。
【0063】
同様に、フューモードファイバ内の信号は、本発明によるカプラを使用して逆多重化されることが可能である−フューモードファイバ内で伝送され、個々のモードで符号化される情報は、個々のコアに、更には別個の光ファイバに分離されることができる。
【0064】
別の好適な実施形態では、シングルコア光ファイバは、信号がアドレッシングするコアを伝搬するマルチコア光ファイバ、好適にはデュアルコアのアドレッシングするコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングされるコアは高い複屈折性を有する−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。マルチコアファイバのアドレッシングするコアは低い複屈折性を有する−この偏光モードは等しいモード実効屈折率を有し、したがってこれを通称シングルモードコアと呼ぶことができる。アドレッシングされるコア内の偏光モード(偏光モードx)の1つは、マルチコアファイバのアドレッシングするコア内のモードの実効屈折率と等しい実効屈折率を有する。
【0065】
好適には少なくとも300μmのある部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、その直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0066】
1つの偏光モードは、複屈折性が高いアドレッシングされるコアを伝搬する。孔が破壊された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこでは1つの伝搬モードのみが効果的に励起される。複屈折性が高いコアには、好ましくは複屈折性の偏光維持ファイバが接続される。偏光モードをアドレッシングするこの方法は1つの偏光モードの効率のよいアドレッシングを可能にするので、光ファイバポラライザの機能を有するカプラを構築する。
【0067】
別の好適な実施形態では、シングルコア光ファイバは、好適には3−コアのマルチコア光ファイバのアドレッシングするコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングするコアは低い複屈折性を有する−この偏光モードは等しいモード実効屈折率を有し、したがってこれを通称シングルモードコアと呼ぶことができる。アドレッシングするコアの近傍のアドレッシングされるコア内の複屈折性は高い−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。第1のアドレッシングされるコア内の偏光モードの1つ(偏光モードx)は、マルチコアファイバのアドレッシングするコア内のモード実効屈折率に等しい実効屈折率を有し、第2のアドレッシングされるコア内の偏光モードの1つ(偏光モードy)は、マルチコアファイバのアドレッシングするコア内のモード実効屈折率に等しい実効屈折率を有する。
【0068】
好適には少なくとも300μmのある部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)及びアドレッシングされるコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0069】
孔が破壊された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこでは1つの偏光モード−アドレッシングするコアの1つ内での偏光モード(x)及び第2のアドレッシングするコア内での偏光モード(y)のみが効果的に励起される。偏光維持ファイバは、好適には複屈折性が高い複屈折のコアに接続される。偏光モードをアドレッシングするこの方法は1つの偏光モードの効率のよいアドレッシングを可能にするので、光ファイバ偏光分割器の機能を有するカプラを構築する。
【0070】
別の好適な実施形態では、複屈折性のシングルコア光ファイバは、マルチコア光ファイバ、好適にはデュアルコアのアドレッシングするコアに接続される。マルチコアファイバのアドレッシングするコアは高い複屈折性を有する−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。アドレッシングするコアの近傍のマルチコアファイバのアドレッシングされるコアも高い複屈折性を有する−この偏光モードは別個の実効屈折率を有する。好適には、アドレッシングするコアとアドレッシングされるコアとは同種である。
【0071】
アドレッシングされるコアは偏光モード(x)及び(y)を有し、これらのモードはアドレッシングするコア内の偏光モード(x)及び(y)の屈折率に一致する実効屈折率を有する。
【0072】
好適には少なくとも300μmのある部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は好適には−5dBよりも大きく、及び好適には−3dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0073】
孔が破壊された部分の後で、信号は複屈折性が高いコアを伝搬し、そこで偏光モード−偏光モード(x)及び(y)が励起される。偏光維持ファイバは、好適には複屈折性が高い複屈折のコアに接続される。偏光モードをアドレッシングするこの方法は1つの偏光モードの効率のよいアドレッシングを可能にするので、偏光を維持するカプラ(スプリッタ)を構築する。
【0074】
1つのコアを伝搬する信号に/信号からチャネルの1つを追加/除去することからなるアド−ドロップ多重化の実現を可能にする別の好適な実施形態では、マルチコア光ファイバ、好適にはコアが屈折率縮減ゾーンにより絶縁されるデュアルコアファイバが使用される。マルチコアファイバは、好適には少なくとも1つのシングルモードコア、及び好ましくは少なくとも1つのフューモードコアを有する。シングルモードコア内のモードの実効屈折率は、フューモードコア内の1つのモードの実効屈折率と整合される。マルチコアファイバ、好適にはデュアルコアファイバの両側には、好適にはコアをデュアルコアファイバのコアに整合させて2つのシングルコア光ファイバが取り付けられる。絶縁が低減されないエリアでは、任意コア対間に観察される最大のクロストークが−10dB未満であるようにスーパーモードが形成される(非効率的に形成)。
【0075】
好適には300μmである特定の部分では、屈折率が低減され、コアを分離しているゾーンは潰されるか、直径が(例えばテーパリングにより)縮径され、その結果、コアの絶縁が縮減され、スーパーモードが形成されて、クロストークが増大する。マルチコアファイバの出力にアドレッシングされるモードの形態でアドレッシングされるコア内に存在するパワーと、マルチコアファイバの入力にアドレッシングモードの形態でアドレッシングするコア内に存在するパワーとの比率は−5dBよりも大きく、好適には−3dBよりも大きい。1つのアドレッシングするコアのみを励起する場合は、特定のアドレッシングするコア(1つ又は複数)内の(初期励起されたアドレッシングモードによる)アドレッシングされないモードの形態のマルチコアの出力に存在するパワーと、初期励起されたアドレッシングするコア内のアドレッシングモードの形態のマルチコアの入力にあるパワーとの比率は−10dB未満、好適には−14dB未満である。修正部分の端部に現れるアドレッシングされる各モードのパワーレベル分布は「フリーズ」され、この状態はマルチコアファイバの非修正部分によって更に移送される。
【0076】
シングルモードコア内のモードとフューモードコア内のモードの1つとは、絶縁を縮減する前の整合された屈折率を有しているので、絶縁が縮減されたエリアにスーパーモードが形成される。したがって、シングルモードコアからのモードはフューモードコア内のモードをアドレッシングし、フューモードコア内のモードからのモードはシングルモードコア内のモードをアドレッシングする。したがって、アド−ドロップマルチプレクサ/デマルチプレクサと呼ばれるタイプのマルチプレクサ/デマルチプレクサを実現することができる。次いで、両方のシングルモードコアとフューモードコアは両方ともアドレッシングするコアとアドレッシングされるコアである。
【0077】
本発明の有利な実施形態では、光ファイバは、光ファイバを変形し、又はその温度を変化させる素子、特に光ファイバを変形してテーパ長、テーパリングのテンションを変えることができ、そのデバイスが同じ光スイッチ機能で動作中に特定のコア間の信号を切り換える圧電又は機械的デバイスに巻回され、又は取り付けられる。