(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図示する例に基づき本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の移植機を適用した乗用田植機の全体側面図であり、
図2(A)は、操縦部の前方側を示した図であり、
図2(B)は、表示パネルを示した正面図であり、
図2(C)は、操作パネルを示した図であり、
図2(D)は、走行レバーの把持部を示した図であり、
図3は、作業機レバーの操作態様を示したモデル図であり、
図4は、植付作業機の操作部を示した要部側面図である。本乗用田植機は、左右一対の前輪1,1及び後輪2,2によって支持される走行機体3と、走行機体3の後方に昇降リンク4を介して連結された植付作業機6と、走行機体3の側方側に配置された予備苗台7とから構成されている。
【0013】
前記走行機体3を支持する機体フレーム8は、前方側にボンネット9で囲繞されたエンジン(図示しない)が搭載されており、該エンジンの後方側には、作業者が乗込んで操向操作等を行われる操縦部11が設けられている。また、上記ボンネット9の中央前部にはセンターポール12が立設されている。
【0014】
該操縦部11は、作業者が着座する座席13と、座席13の前方に配置されたステアリングハンドル14と、ステアリングハンドル14の前方に配置された表示パネル16と、該表示パネル16の近傍に配置された操作パネル17と、ステアリングハンドル14の左右一方(図示する例では左側方)側に設けた主変速レバー18と、ステアリングハンドル14の左右他方(図示する例では右側方)側に設けた作業機レバー(マーカ操作手段)19と、該作業機レバー19の側方側に配置された副変速レバー21と、該副変速レバー21の側方側に配置されてエンジンの回転数を操作するコントロールレバー22とが設けられている。なお、座席11の真下側には、マイコン等から構成される後述の制御部50が配設されている(
図1及び
図2(A)参照)。
【0015】
上記作業機レバー19は、上下方向及び左右方向に揺動操作可能に構成され、図示しない付勢部材等によって中立位置に付勢され、上下方向又は左右方向に揺動操作された後は中立位置に復帰するように構成されている。これにより、該作業機レバー19は、上方揺動操作によって前記植付作業機6の上昇作動・植付クラッチの切断が操作され、下方揺動操作によって植付クラッチの下降作動・植付クラッチの接続が操作され、左右揺動操作によって後述するマーカ装置38のマーカ47の姿勢切換を操作することができるように構成されている(
図1及び
図3参照)。
【0016】
上記主変速レバー18は、前後揺動操作によって走行変速を操作できる他、上端の把持部の内側に植付作業機6を上昇作動させる作業機上昇スイッチ23Aと、植付作業機6を下降作動させる作業機下降スイッチ23Bとが上下に配置されており、前記作業機レバー19の上下揺動操作と同様の操作を実行できるように構成されている。また、各スイッチは、オペレータが主変速レバー18を把持したまま親指で押操作できるように構成されている(
図2(D)参照)。
【0017】
上記操作パネル17は、詳しくは後述するマーカ装置38のオートマーカ制御が実行されるオートモードへの切換えを操作するマーカ制御スイッチ(モード設定手段)26と、植付準備スイッチ24と、走行機体3の前照灯のON・OFFを切換える照明スイッチ27と、報知ブザーのON・OFFを操作する報知ブザースイッチ28とが設けられている。各スイッチ操作具の近傍には、各スイッチ操作具のON・OFF状態を示すランプが設けられている(
図2(C)参照)。
【0018】
上記表示パネル16は、前記植付準備スイッチ24のON・OFF状態を報知する植付表示部31と、作業機レバーによって操作される植付作業機の上昇状態(上げ)と、固定状態と、下降状態(下げ)と、植付状態の何れかであることをオペレータに報知する4つの報知ランプからなる作業状態表示部32と、方向指示器33L,33Rとが設けられている(
図2(B)参照)。
【0019】
前記植付作業機6は、前方に向けて上方に急傾斜した苗載台36と、苗載台36の背面側に載置された苗を掻き取って圃場に植付ける植付部37と、植付作業機6の左右外側方に振出されることにより次工程の植付条列に基準線を引く左右一対のマーカ装置38,38とを備え、前記走行機体3の後部側に昇降装置39を介して昇降駆動可能に連結され、植付クラッチ(図示しない)によってエンジンからの動力が断続伝動されるように構成されている。マーカ装置38の具体的な構成については後述する。
【0020】
該植付作業機6は、前記制御部50により、植付作業機6が上昇作動する上昇状態と、植付作業機6が下降作動する下降状態(又は下端側となる作業高さで下降停止した下降停止状態)と、植付作業機6を任意の高さ位置で固定した固定状態と、下降停止状態の植付部37を駆動させて植付作業を行う植付状態とに切換える作業機操作制御が実行可能に構成されている。
【0021】
また、該制御部50は、本乗用田植機が圃場端側まで植付作業を行った後、次の植付条列に向けて旋回する際、所定以上のステアリング操作が検出された場合には、植付状態の植付作業機6を上昇状態に自動的に切換えて所定の非作業高さまで上昇作動させ、その後、旋回走行を終了して次工程での植付作業を再開するまでに植付作業機6を下端(作業高さ)まで自動的に下降作動させる作業機旋回昇降制御が実行可能に構成されている。
【0022】
ちなみに、上記昇降装置39は、油圧式アクチュエータである昇降シリンダと、該昇降シリンダの伸縮作動を操作する作業機操作カム41と、該作業機操作カムの位置を操作する作業機操作カムモータ42と、該作業機操作カムモータ42によって駆動される出力ギヤ43と、該作業機操作カム41の操作位置を検出する作業機操作カムポテンショ44とを有し、前記制御部50は、作業機操作カムポテンショ44により検出された作業機操作カム41の操作位置に基づいて、植付作業機6の昇降状態(上昇状態、下降状態、下降停止状態)を検出することができる(
図4参照)。
【0023】
次に、
図5乃至8に基づいて、前記マーカ装置の構成について説明する。
図5は、マーカの収納姿勢と振出姿勢を示した要部正面図であり、
図6は、マーカ装置基端側の要部側面図であり、
図7は、収納姿勢時のマーカ装置を示した要部背面図であり、
図8は、振出姿勢時のマーカ装置を示した要部背面図である。
【0024】
前記マーカ装置38は、植付作業機6の左右側方側に配置された左右一対の支持アーム46,46と、各支持アーム46の先端側に回転自在に軸支された回転体であるマーカ47と、支持アーム46の基端側を上下揺動可能に支持する支持部45と、該支持部45側に取付け固定されたセクタギヤ48と、該セクタギヤ48を介して支持アーム46を回動作動させるマーカモータ49と、各支持アーム46の基端側に取付けられて支持アーム46の先端を左右外側に向けて付勢する弾性部材である引張スプリング51とを備え、支持アーム46の揺動支点側がカバー体52によって覆われている(
図5等参照)。
【0025】
これにより、該マーカ装置38は、前記引張スプリング51の付勢力によって支持アーム46を左右外(圃場)側に振出すことによって、前記マーカ47を圃場面側に作用させる振出姿勢に切換えることができるとともに、前記マーカモータ49により支持アーム46を引張スプリング51の付勢力に抗して上方回動させることによって、前記マーカ47を植付作業機6の側方側に沿うように立ち上げた収納状態に切換えることができるように構成されている(
図5、
図7及び
図8参照)。
【0026】
また、
図7等に示されるように、前記マーカモータ49の上側には、マーカ47が収納姿勢に切換えられた際にセクタギヤ48の上部側に押操作されるマーカ収納スイッチ(マーカ姿勢検出手段)53L,53Rが取付支持され、マーカモータ49の下側には、マーカ37が振出姿勢に切換えられた際にセクタギヤ48の下部側に押操作されるマーカ振出スイッチ(マーカ姿勢検出手段)54L,54Rが取付支持されている。これにより、マーカの収納姿勢と振出姿勢とを検出することができる。
【0027】
これにより、該マーカ装置38は、前記作業機レバー19を左右方向に揺動操作することよってマーカ47の姿勢切換を操作できるように構成されており、左右両方のマーカ47,47が収納姿勢となる収納状態と、左右両方のマーカ47,47が振出姿勢となる両側振出状態と、左右一方側のマーカ47が振出姿勢となる一方で左右他方側のマーカ47が収納姿勢となる片側振出状態とに切換え操作することができる。
【0028】
上記構成により、前記マーカ装置38は、現植付条列の始端側において、左右の内で苗が植付けられていない側である、次工程の植付条列に向けてマーカ47を振出姿勢に切換え、現植付条列に引かれた走行基準線に前記センターポール12を沿わせて走行機体3を前進走行させることによって、上記次工程の植付条列に直線状の走行基準線を引くことができる。
【0029】
また、前記マーカ装置38は、記制御部50により、圃場端側での旋回走行時における植付作業機6の自動昇降に連動して、旋回後の植付作業再開時に、左右反対側のマーカ47が振出姿勢に切換えられた片側振出状態となるようにマーカ47の姿勢切換を自動的に行うオートマーカ制御が実行可能に構成されている。
【0030】
具体的に説明すると、該オートマーカ制御は、まず、圃場での植付作業中に左右何れのマーカ47が振出姿勢に操作されているかを記憶し、次に、植付作業機6が前記作業機旋回制御によって非作業高さまで上昇作動される際に、植付作業機6が非作業高さよりも低い位置に設定された切換高さh1よりも高くなったことを条件に、マーカ装置38を自動的に収納状態に切換え、次に、植付作業機6が前記作業機旋回制御によって非作業高さから作業高さに下降作動される際に、植付作業機6が上記切換高さh1よりも低くなったことを条件に、前記マーカ装置38を収納状態から記憶されたマーカ47と逆方向のマーカ47が振出姿勢となる片側振出状態に自動的に切換えるように構成されている。
【0031】
次に、
図9に基づき、上記構成の移植機による圃場面での作業走行経路について説明する。
図9は、圃場面での植付作業時の作業経路を示したモデル図である。本乗用田植機は、圃場面での植付作業を行う場合、まず、畦際に枕地として2行程残した植付開始位置(
図9の1)まで移動し、外周部分を残して圃場面内側を往復しながら植付作業を行い、最後に、初めに残した2行程分の幅の枕地の植付作業を作業済みのエリアの外周を回るようにして行う(
図9の2,3)。これによって、圃場面全体に効率良く植付作業をすることができる。
【0032】
植付開始位置(
図9の1)までの移動方法について具体的に説明すると、本乗用田植機は、まず、畦側に沿って、植付作業を開始する位置より2行程分外側となる畦際の圃場端側まで移動する(
図9の0a)。このとき、前記マーカ装置38は、左右内側のマーカ(図示する例では進行方向右側)を振出姿勢とした片側振出状態とすることにより、畦際から1行程分の内側の走行基準線を引ける状態にする。
【0033】
次に、左右内側のマーカを振出姿勢としたまま畦に沿って圃場端側まで走行し、マーカによって圃場面に引かれた走行基準線とセンターポール12とが合わさるように圃場内側に向けて旋回する。該旋回時には、前記マーカ装置38を両側振出状態に切換える(
図9の0b)。この状態で圃場端側まで前進走行することにより、畦際に沿った走行経路と、植付開始位置からの走行経路との走行基準線を同時に圃場面に引くことができる。
【0034】
次に、走行機体3を圃場内側の走行基準線とセンターポール12とが合うように旋回することによって、走行機体3が前記植付開始位置に移動させることができる(
図9の1)。該旋回時には、前記マーカ装置38を、左右内側のマーカのみが振出姿勢となる片側振出状態に切換える。
【0035】
このとき、前記マーカ装置38は、両側振出状態から片側振出状態に切換える必要があるため、前記制御部50によるオートマーカ制御がそのまま実行されると、意図した方向のマーカが振出姿勢に切換えられるとは限らない。そのため、前記制御部50は、オートマーカ制御の実行時にマーカ装置38の両側振出状態が検出された場合には、収納姿勢のマーカ47が振出姿勢へ自動的に切換作動することを規制するとともに、作業者に対して、左右何れか一方(図示する例では右側)のマーカ47を振出姿勢とする片側振出状態に手動操作するべきである旨を報知するように構成された。該オートマーカ制御の具体的な制御内容については後述する。
【0036】
次に、
図10乃至15に基づいて、制御部について説明する。
図10は、制御部のブロック図である。前記制御部50の入力側には、前記作業機準備スイッチ24と、前記マーカ制御スイッチ26と、前記作業機レバー19の上下揺動操作を検出する作業機操作スイッチ(上側・下側)56,57と、前記作業機レバー19の左右揺動操作を検出するマーカ操作スイッチ(右側・左側)58,59と、前記作業機操作カムポテンショ44と、前記植付作業機6の昇降高さを検出するリフト角ポテンショ(昇降位置検出手段)61と、左右のマーカ47,47の振出姿勢を検出する前記マーカ振出スイッチ(右側・左側)54R,54Lと、左右のマーカ47,47の収納姿勢を検出する前記マーカ収納スイッチ(右側・左側)53R,53Lとが接続されている。
【0037】
また、該制御部50の出力側には、前記作業機操作カムモータ42と、前記マーカモータ(右側・左側)49R,49Lと、作業者に警告音を発する報知ブザー62と、作業者にマーカの手動操作を視覚情報で促す報知ランプ(右・左)63R,63Lとが接続されている。なお、該報知ランプ63として、前記方向指示器33R,33Lを用いても良い。
【0038】
図11は、制御部のメインフロー図である。同図に示すように、制御部50の前記オートマーカ制御のメインフローが開始されると、ステップS1から処理が開始する。ステップS1では、作業機操作制御のサブルーチンを実行し、その処理が終了するとステップS2に進む。ステップS2では、マーカモード制御のサブルーチンを実行し、その処理が終了するとステップS3に進む。ステップS3では、マーカ出力制御のサブルーチンを実行し、その処理が終了するとステップS4に進む。ステップS4では、マーカ報知制御のサブルーチンを実行し、その処理が終了すると、その後、処理を戻す。
【0039】
図12は、作業機操作制御のサブルーチンを示した処理フロー図である。作業機操作制御のサブルーチンが実行されると、ステップS11に進む。ステップS11では、作業機レバー19又は作業機下降スイッチ23Bにより、植付作業機6の下降操作がされているか否かが確認され、植付作業機6の下降操作が検出された場合には、ステップS12に進む。
【0040】
ステップS12では、前記植付準備スイッチ24のON・OFF状態を確認し、植付準備スイッチ24のON状態が検出された場合には、ステップS13に進む。ステップS13では、前記作業機操作カムポテンショ44により植付作業機6が上昇状態であるか否かが確認され、上昇状態以外であることが検出された場合には、ステップS14に進む。
【0041】
ステップS14では、前記作業機操作カムポテンショ44により植付作業機6が下降状態であるか否かが確認され、下降状態以外の状態(具体的には固定状態か植付状態)が検出された場合には、ステップS15に進む。ステップS15では、前記リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の高さ位置が固定状態か否かが確認され、固定状態であることが検出された場合には、ステップS16に進む。
【0042】
ステップS16では、植付作業機6を固定状態から下降状態にセットし、その後、リターンする。その一方で、ステップS15において、固定状態でない場合、すなわち植付作業機6の植付状態が検出された場合には、そのままリターンする。
【0043】
また、ステップS14において、植付作業機6の下降状態が検出された場合には、ステップS17に進む。ステップS17では、前記リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の下降作動が下端側(作業位置)で停止しているか否かが確認され、植付作業機6の下降作動が停止していることが検出された場合には、ステップS18に進む。
【0044】
ステップS18では、前記植付クラッチ65を入接続することにより、植付作業機6を植付状態にセットするとともに、植付作業機6が植付状態に切換えられることを示す植付クラッチフラグをセットし、その後、リターンする。
【0045】
また、ステップS17において、植付作業機6の下降作動が停止しておらず、植付作業機6が下降作動中であることが検出された場合には、ステップS19に進む。ステップS19では、植付クラッチ入り待ち状態にセットして、その後、リターンする。
【0046】
また、ステップS13において、植付作業機6の上昇状態が検出された場合には、ステップS20に進む。ステップS20では、植付作業機6を固定状態にセットして、その後、リターンする。
【0047】
また、ステップS12において、植付準備スイッチ24のOFF状態が検出された場合には、ステップS21に進む。ステップS21では、作業機操作カムポテンショ44により、植付作業機6が上昇状態であるか否かが確認され、上昇状態が検出された場合には、ステップS20に進み、植付作業機6を固定状態にセットして、その後、リターンする。その一方で、ステップS21において、上昇状態以外の状態が検出された場合には、ステップS22に進む。
【0048】
ステップS22では、作業機操作カムポテンショ44により、植付作業機6が固定状態であるか否かが確認され、固定状態が検出された場合には、ステップS23に進む。ステップS23では、植付作業機6が自重で下降作動する自動(下降)状態にセットして、その後、リターンする。その一方で、ステップS22において、植付作業機6が固定以外であることが検出された場合には、その後、リターンする。
【0049】
ステップS23では、植付作業機6が自重によって作業位置に向けて下降作動する自動(下降)状態にセットして、その後、リターンする。
【0050】
すなわち、前記制御部50は、作業機レバー19による植付作業機6の下降操作が検出されると、植付作業機6が植付状態であった場合には、植付状態が維持され、植付作業機6が任意の高さ位置で固定された固定状態であった場合には、下降状態に切換えられ、植付準備スイッチ24が入状態で且つ植付作業機6が下降作動中であった場合には、植付作業機が下端側(作業高さ)に到達すると同時に植付状態に切換えらえる植付クラッチ入り待ち状態に切換えられ、植付作業機6が上昇状態であった場合には、植付作業機6の上昇作動を停止させて固定状態に切換えるように構成されている。
【0051】
また、植付作業機6が作業高さにある場合に植付作業機6の下降作動がされた場合には、作業高さで停止している植付作業機6を植付状態に切換えるとともに、植付クラッチフラグがセットされる。
【0052】
上記ステップS11において、作業機レバー19又は作業機下降スイッチ23Bによる植付作業機6の下降操作が検出されなかった場合には、ステップS24に進む。ステップS24では、作業機レバー19又は作業機上昇スイッチ23Aにより、植付作業機6の上昇操作がされたか否かが確認され、上昇操作が検出された場合には、ステップS25進む。
【0053】
ステップS25では、作業機操作カムポテンショ44により植付作業機6が上昇状態か否かが確認され、上昇状態以外の状態であることが検出された場合には、ステップS26に進む。ステップS26では、同様に植付作業機6が下降状態か否かを検出し、下降状態以外の状態(具体的には固定状態)が検出された場合には、ステップS27に進む。ステップS27では、植付作業機6を上昇状態にセットして、その後、リターンする。
【0054】
また、ステップS26において、植付作業機6の下降状態が検出された場合には、ステップS28に進む。
【0055】
ステップS28では、リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の下降作動が停止しているか否か(具体的には作業高さであるか否か)が確認され、植付作業機6か下降作動中であることが検出された場合には、ステップS29に進む、ステップS29では、植付作業機6を固定状態にセットして、その後、リターンする。
【0056】
その一方で、ステップS28において、植付作業機6の下降作動が停止していること(作業高さにあること)が検出された場合には、ステップS27に進み、植付作業機6を上昇状態にセットして、その後、リターンする。
【0057】
また、ステップS25において、植付作業機6の上昇状態が検出された場合には、該上昇状態を維持したまま、その後、リターンする。
【0058】
すなわち、前記制御部50は、植付作業機6の上昇操作が検出された際、植付作業機6が下降状態で且つ下端(作業高さ)で下降作動が停止していた場合、若しくは、任意の高さ位置で植付作業機6が固定状態となっていた場合には、植付作業機6が上昇状態に切換えられ、植付作業機6が下降作動中となっていた場合には、植付作業機が固定状態に切換えられ、植付作業機6が上昇状態であった場合には、植付作業機の上昇状態が維持されるように構成されている。
【0059】
上記ステップS24において、植付作業機6の上昇操作が検出されなかった場合には、ステップS30に進む。ステップS30では、植付クラッチ入り待ち状態がセットされているか否かが確認され、植付クラッチ入り待ち状態がセットされていることが検出された場合には、ステップS31に進む。
【0060】
ステップS31では、リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の下降作動が停止しているか否かが確認され、植付作業機6の下降作動が停止していること(作業高さにあること)が検出された場合には、ステップS32に進む。なお、ステップS31において、植付作業機6が下降作動中であることが検出された場合には、その後、リターンする。
【0061】
ステップS32では、植付作業機6を植付状態にセットするとともに、植付クラッチフラグをセットし、その後、リターンする。
【0062】
すなわち、前記制御部50は、植付作業機6の昇降操作が検出されていない場合、植付クラッチ入り待ち状態以外の状態(植付状態・固定状態)が検出されると、その状態が維持されるように構成されている。その一方で、植付作業機6の植付クラッチ入り待ち状態で且つ植付作業機6が下端(作業高さ)で停止していることが検出された場合には、植付作業機6が自動的に植付状態に切換えられるとともに、植付クラッチフラグがセットされる。
【0063】
図13は、マーカモード制御のサブルーチンを示した処理フロー図である。マーカモード制御のサブルーチンが実行されると、ステップS41に進む。ステップS41では、植付準備スイッチ24のON・OFF状態が確認され、植付準備スイッチ24のON状態が検出された場合には、ステップS42に進む。なお、ステップS41において、植付準備スイッチ24のOFF状態が検出された場合には、その後、リターンする。
【0064】
ステップS42では、マーカ制御スイッチ26によってマーカ装置38によるマーカ47の振出方向を自動的に制御するオートモードに設定されているか否かが確認され、マーカ制御スイッチ26のON状態が検出された場合には、ステップS43に進む。なお、ステップS42において、マーカ制御スイッチ26のOFF状態(オートモードに設定されていない状態)が検出された場合には、その後、リターンする。
【0065】
ステップS43では、前記マーカ操作スイッチ59により、作業機レバー19による左側のマーカ47の振出操作がされたか否かが確認され、作業機レバー19の左揺動操作が検出された場合には、ステップS44に進む。
【0066】
ステップS44では、報知フラグがセットされているか否かが確認され、報知フラグがリセットされている場合には、ステップS45に進む。ステップS45では、リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の高さが、オートモード実行時にマーカ47の姿勢切換作動が自動的に行われる切換高さ(h1)より低いか否かが確認され、植付作業機6の高さが切換高さ(h1)より低いことが検出された場合には、ステップS46に進む。
【0067】
ステップS46では、マーカモードが右振出にセットされているか否かが確認され、右振出にセットされていることが検出された場合には、ステップS47に進む。ステップS47では、マーカモードが左振出以外にセットされているか否かが確認され、左振出以外にセットされていることが検出された場合には、ステップS48に進む。
【0068】
ステップS48では、報知フラグがセットされ、ステップS49に進む。ステップS49では、マーカモードを左振出にセットして、ステップS50に進む。ステップS50では、制御部50によりマーカモードが左振出にセットされたことを記憶して、ステップS51に進む。
【0069】
また、ステップS47において、マーカモードの左振出が検出された場合には、ステップS52に進む。ステップS52では、マーカモードが右収納にセットされ、ステップS50に進む。
【0070】
また、ステップS44において、報知フラグがセットされていることが検出された場合には、ステップS53に進む。ステップS53では、報知フラグをリセットして、ステップS49に進む。
【0071】
すなわち、前記制御部50は、作業機レバー19による左側のマーカ47の姿勢切換操作が検出された際に、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1以上であった場合には、マーカ装置38が収納状態に切換えられているため、マーカモードをそのまま左振出にセットする。
【0072】
また、該制御部50は、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1より低い状態で、作業機レバー19による左側のマーカ47の姿勢切換操作が検出された際に、マーカモードが右振出で且つ左収納にセットされている場合には、左側のマーカ47が振出姿勢に切換えられることでマーカ装置38が両側振出状態に切換えられることにため、報知フラグをセットし、その後、マーカモードを左振出にセットする。
【0073】
また、該制御部50は、作業機レバー19によるマーカ47の左振出操作が検出された際に、報知フラグがセットされていることが検出された場合には、マーカの両側振出状態が解除されるため、報知フラグがリセットされ、その後、マーカモードが左振出にセットされる。
【0074】
ステップS51では、マーカ制御スイッチ26のON操作の有無が確認され、マーカ制御スイッチのOFF操作が検出された場合には、ステップS54に進む。ステップS54では、制御部50がマーカモードの振出方向を記憶するとともに、マーカモードを右収納・左収納にセットし、その後、リターンする。なお、ステップS51において、マーカ制御スイッチ26のOFF操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
【0075】
また、ステップS42において、マーカ制御スイッチのOFF状態が検出された場合には、ステップS55に進む。ステップS55では、マーカ制御スイッチのON操作の有無が確認され、マーカ制御スイッチ26のON操作が確認された場合には、ステップS56に進む。
【0076】
ステップS56では、制御部50によって記憶されたマーカモードに基づいて記憶した振出方向にセットされるとともに、報知フラグをセットして、その後、リターンする。なお、ステップS55において、マーカ制御スイッチ26のON操作が検出されなかった場合には、その後、リターンする。
【0077】
すなわち、前記制御部50は、オートモードの設定を行う前記マーカ制御スイッチ26のOFF操作が検出された場合には、マーカ47の振出方向を記憶するとともに、マーカ装置38を収納状態に切換えるため、オートマーカ制御の実行終了時に、マーカ47を収納姿勢に切換え忘れて、マーカ装置38を破損してしまう事態を確実に防止できる。
【0078】
また、該制御部50は、該マーカ制御スイッチ26のON操作が検出された場合には、前記報知フラグがセットされるため、オートモードに設定された直後は、マーカ47の振出方向を作業者が自ら手動で操作しない限りは、マーカ装置38の自動的な姿勢切換が実行されないように構成されている。
【0079】
上記ステップS43において、作業機レバー19の左揺動操作が検出されなかった場合には、ステップS57に進む。ステップS57では、前記マーカ操作スイッチ58により、作業機レバー19による右揺動操作がされたか否かが確認され、作業機レバー19の右揺動操作が検出された場合には、ステップS58に進む。
【0080】
ステップS58では、報知フラグがセットされているかリセットされているかが確認され、報知フラグがリセットされている場合には、ステップS59に進む。ステップS59では、リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の高さが、オートモード実行時にマーカ47の振出作動が自動的に行われる切換高さ(h1)より低いか否かが確認され、植付作業機6の高さが振出高さより低いことが検出された場合には、ステップS60に進む。
【0081】
ステップS60では、マーカモードの設定が左振出にセットされているか否かが確認され、左振出のセットが検出された場合には、ステップS61に進む。ステップS61では、マーカモードの設定が右振出以外にセットされているか否かが確認され、右振出以外にセットされていることが検出された場合には、ステップS62に進む
【0082】
ステップS62では、報知フラグがセットされ、ステップS63に進む。ステップS63では、マーカモードを右振出にセットして、ステップS64に進む。ステップS64では、マーカモードが右振出にセットされたことを記憶して、ステップS51に進む。
【0083】
また、ステップS61において、マーカモードの右振出が検出された場合には、ステップS65に進む。ステップS65では、マーカモードの左収納がセットされ、ステップS64に進む。
【0084】
また、ステップS58において、報知フラグがセットされていることが検出された場合には、ステップS66に進む。ステップS66では、報知フラグをリセットして、ステップS63に進む。
【0085】
すなわち、前記制御部50は、作業機レバー19による右側のマーカ47の姿勢切換操作が検出された際に、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1以上であった場合には、マーカ装置38が収納状態に切換えられているため、マーカモードをそのまま右振出にセットする。
【0086】
また、該制御部50は、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1より低い状態で、作業機レバー19による右側のマーカ47の姿勢切換操作が検出された際に、マーカモードが左振出で且つ右収納にセットされている場合には、右側のマーカ47が振出姿勢に切換えられることでマーカ装置38が両側振出状態に切換えられることにため、報知フラグをセットし、その後、マーカモードを右振出にセットする。
【0087】
また、該制御部50は、作業機レバー19によるマーカ47の右振出操作が検出された際に、報知フラグがセットされていることが検出された場合には、マーカの両側振出状態が解除されるため、報知フラグがリセットされ、その後、マーカモードが右振出にセットされる。
【0088】
上記ステップS57において、作業機レバー19の右揺動操作が検出されなかった場合には、ステップS67に進む。ステップS67では、リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の高さが、オートモード実行時にマーカ47の振出作動が自動的に行われる切換高さh1より高いか否かが確認され、植付作業機6の高さHが切換高さh1より高いことが検出された場合には、ステップS68に進む。
【0089】
ステップS68では、植付状態に切換えられた際にセットされる植付クラッチフラグがセットされているか否かが確認され、植付クラッチフラグがセットされていることが検出された場合には、ステップS69に進む。
【0090】
ステップS69では、制御部50によって記憶されたマーカモードの振出方向の左右方向を反転させ、植付クラッチフラグをリセット(OFF状態と)して、反転後のマーカの振出方向を記憶し、その後、ステップS51に進む。
【0091】
また、ステップS67において、植付作業機6の高さが振出高さより低いことが検出された場合には、その後、リターンする。さらに、ステップS68において、植付クラッチフラグがリセットされた状態であることが検出された場合には、その後、リターンする。
【0092】
すなわち、前記制御部50は、マーカ制御スイッチ26によって、オートモードに設定された状態での作業走行中に、作業機レバー19による左右揺動操作(マーカの姿勢切換操作)が検出されることなく、植付作業機6が植付状態に切換えられたことを示す植付クラッチフラグが検出された場合には、前記制御部50は、旋回走行後の次工程で自動的に振出作動されるマーカ47の振出方向が左右反対側となるように、制御部50に記憶したマーカモードの振出方向を反転させるように構成されている。
【0093】
図14は、マーカ出力制御のサブルーチンを示した処理フロー図である。マーカ出力制御のサブルーチンが実行されると、ステップS71に進む。ステップS71では、植付準備スイッチ24のON・OFF状態が確認され、植付準備スイッチ24のON状態が検出された場合には、ステップS72に進む。なお、ステップS71において、植付準備スイッチ24のOFF状態が検出された場合には、その後、リターンする。
【0094】
ステップS72では、マーカ制御スイッチ26によってマーカ装置38によるマーカ47の振出方向を自動的に制御するオートモードに設定されているか否かが確認され、マーカ制御スイッチ26のON状態が検出された場合には、ステップS73に進む。なお、ステップS72において、マーカ制御スイッチ26のOFF状態(オートモードに設定されていない状態)が検出された場合には、その後、リターンする。
【0095】
ステップS73では、前記リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1以上であるか否かが確認され、植付作業機6が切換高さh1以上であることが検出された場合には、ステップS74に進む。
【0096】
ステップS74では、右側のマーカ収納スイッチ53RのON・OFF状態が確認され、右側のマーカ47の収納姿勢が検出されなかった場合には、ステップS75に進む。ステップS75では、右側のマーカモータ49Rによって、右側のマーカ47を収納姿勢へと切換え、ステップS76に進む。
【0097】
ステップS76では、左側のマーカ収納スイッチ53LのON・OFF状態が確認され、左側のマーカ47の収納姿勢が検出されなかった場合には、ステップS77に進む。ステップS77では、左側のマーカモータ49Lによって、左側のマーカ47を収納姿勢へと切換え、その後、リターンする。
【0098】
また、ステップS76において、左側のマーカ47の収納姿勢が検出された場合には、ステップS78に進む。ステップS78では、左側のマーカ47の収納姿勢を維持して、その後、リターンする。また、ステップS74においても同様に、右側のマーカ47の収納姿勢が検出された場合には、ステップS79に進む。ステップS79では、右側のマーカ47の収納姿勢を維持して、その後、リターンする。
【0099】
すなわち、前記制御部50は、オートマーカ制御の実行時に、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1よりも高いことが検出された場合には、オートモードの状態に関わらず、左右両側のマーカ47,47が両方とも収納姿勢となる収納状態に切換えられるように構成されている。
【0100】
上記ステップS73において、植付作業機6が切換高さh1より低いことが検出された場合には、ステップS80に進む。ステップS80では、オートモード時のマーカモードが右振出であるか否かが確認され、マーカモードが右振出の場合には、ステップS81に進む。
【0101】
ステップS81では、報知フラグがセットされているか否かが確認され、報知フラグがリセットされている場合には、ステップS82に進む。なお、ステップS81において、報知フラグがセットされていた場合には、その後、リターンする。
【0102】
ステップS82では、右側のマーカ振出スイッチ54RのON・OFF状態が確認され、右側のマーカ47の振出姿勢が検出されなかった場合には、ステップS83に進む。ステップS83では、右側のマーカモータ49R及び引張スプリング51を介して、右側のマーカ47を振出姿勢へと切換え、その後、リターンする。
【0103】
また、ステップS82において、右側のマーカ47の振出姿勢が検出された場合には、ステップS84に進む。ステップS84では、右側のマーカ47の振出姿勢を維持して、その後、リターンする。
【0104】
上記ステップS80において、オートモード時のマーカモードが右振出以外の状態が検出された場合には、ステップS85に進む。ステップS85では、オートモード時のマーカモードが左振出であるか否かが確認され、マーカモードが左振出の場合には、ステップS86に進む。
【0105】
ステップS86では、報知フラグがセットされているか否かが確認され、報知フラグがリセットされている場合には、ステップS87に進む。なお、ステップS86において、報知フラグがセットされていた場合には、その後、リターンする。
【0106】
ステップS87では、左側のマーカ振出スイッチ54LのON・OFF状態が確認され、左側のマーカ47の振出姿勢が検出されなかった場合には、ステップS88に進む。ステップS88では、左側のマーカモータ49L及び引張スプリング51を介して、左側のマーカ47を振出姿勢へと切換え、その後、リターンする。
【0107】
また、ステップS87において、左側のマーカ47の振出姿勢が検出された場合には、ステップS89に進む。ステップS89では、左側のマーカ47の振出姿勢を維持して、その後、リターンする。
【0108】
上記ステップS85において、オートモード時のマーカモードが左振出以外の状態が検出された場合には、ステップS90に進む。ステップS90では、オートモード時のマーカモードが右収納であるか否かが確認され、マーカモードが右収納の場合には、ステップS91に進む。
【0109】
ステップS91では、右側のマーカ収納スイッチ53RのON・OFF状態が確認され、右側のマーカ47の収納姿勢が検出されなかった場合には、ステップS92に進む。ステップS92では、右側のマーカモータ49Rを駆動させることにより右側のマーカ47を収納姿勢へと切換え、その後、リターンする。
【0110】
また、ステップS91において、右側のマーカ47の収納姿勢が検出された場合には、ステップS93に進む。ステップS93では、右側のマーカ47の収納姿勢を維持して、その後、リターンする。
【0111】
上記ステップS90において、オートモード時のマーカモードが右収納以外の状態が検出された場合には、ステップS94に進む。ステップS94では、オートモード時のマーカモードが左収納であるか否かが確認され、マーカモードが左収納の場合には、ステップS95に進む。なお、ステップS94において、マーカモードの左収納以外の状態が検出された場合には、その後、リターンする。
【0112】
ステップS95では、左側のマーカ収納スイッチ53LのON・OFF状態が確認され、左側のマーカ47の収納姿勢が検出されなかった場合には、ステップS96に進む。ステップS96では、左側のマーカモータ49Lを駆動させることにより左側のマーカ47を収納姿勢へと切換え、その後、リターンする。
【0113】
また、ステップS95において、左側のマーカ47の収納姿勢が検出された場合には、ステップS97に進む。ステップS97では、左側のマーカ47の収納姿勢を維持して、その後、リターンする。
【0114】
すなわち、前記制御部50は、オートマーカ制御が実行されるオートモードに設定されて、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1よりも低くなったことが検出された場合、マーカモードの状態に基づいて、収納状態の左右両側のマーカの姿勢切換作動が実行されるように構成されている。
【0115】
このとき、特に、報知フラグがセットされていることが検出される場合には、マーカモードが右振出状態又は左振出状態にセットされていることが検出されていても、マーカ47の振出姿勢への切換作動が規制されるように構成されている。
【0116】
より具体的に説明すると、左右両側のマーカ47,47が振出姿勢となる両側振出状態に切換えられる(報知フラグがセットされる)と、圃場端側での旋回走行時に植付作業機6の上昇作動によって収納姿勢に切換えられ、その後、植付作業機6が切換高さh1より低い高さまで下降作動された際に、右振出状態又は左振出状態が自動的にセットされている場合であっても、作業機レバー19の手動操作によって報知フラグがリセットされない限り(
図13参照)、マーカの振出姿勢への切換は行われないように構成されている。
【0117】
図15は、マーカ報知制御のサブルーチンを示した処理フロー図である。マーカ報知制御のサブルーチンが実行されると、ステップS101に進む。ステップS101では、植付準備スイッチ24のON・OFF状態が確認され、植付準備スイッチ24のON状態が検出された場合には、ステップS102に進む。なお、ステップS101において、植付準備スイッチ24のOFF状態が検出された場合には、その後、リターンする。
【0118】
ステップS102では、マーカ制御スイッチ26によってマーカ装置38によるマーカ47の振出方向を自動的に制御するオートモードに設定されているか否かが確認され、マーカ制御スイッチ26のON状態が検出された場合には、ステップS103に進む。なお、ステップS102において、マーカ制御スイッチ26のOFF状態(オートモードに設定されていない状態)が検出された場合には、その後、リターンする。
【0119】
ステップS103では、報知フラグがセットされているか否かが確認され、報知フラグがセットされていることが検出された場合には、ステップS104に進む。ステップS104では、前記リフト角ポテンショ61により、植付作業機6の昇降高さHが切換高さh1以上であるか否かが確認され、植付作業機6が切換高さh1以上であることが検出された場合には、ステップS105に進む
【0120】
ステップS105では、制御部50によって記憶された方向の報知ランプ63R,63Lを点滅させることによって、作業機レバー19によるマーカの振出操作が規制された状態を報知して、ステップS106に進む。
【0121】
ステップS106では、前記作業機操作スイッチ57により作業機レバー19による植付作業機6の下降操作がされたか否かが確認され、植付作業機6の下降操作が検出された場合には、ステップS107に進む。ステップS107では、前記報知ブザー62の吹鳴を開始して、その後、リターンする。
【0122】
また、ステップS104において、植付作業機6の昇降高さが切換高さh1より低いことが検出された場合には、ステップS108に進む。ステップS108では、左右のマーカ47が収納姿勢に切換えられているため、左右の報知ランプ63R,63Lを点灯させて、その後、リターンする。
【0123】
また、ステップS103において、報知フラグがリセットされていることが検出された場合には、ステップS109に進む。ステップS109では、制御部50によって記憶された方向の報知ランプ63R,63Lを点灯させて、ステップS110に進む。
【0124】
ステップS110では、前記報知ブザー62が吹鳴中であるか否かが確認され、報知ブザー62が鳴っていることが検出された場合には、ステップS111に進む。ステップS111では、報知ブザー62を停止して、その後、リターンする。
【0125】
すなわち、前記制御部50は、オートマーカ制御によるマーカ装置38の自動的な姿勢切換が規制させる報知フラグがセットされていることが検出された場合には、植付作業機6が切換高さh1よりも高い位置まで上昇作動されてマーカ装置38が収納状態に切換えられた際に、報知ランプ63の点滅を開始することによって、報知フラグがセットされている状態であることを作業者に報知し、その後、報知フラグのリセット(作業機レバー19によるマーカ47の手動操作)をすることなく、作業者による植付作業機6の下降作動が検出された場合には、報知ランプ62による報知とともに、報知ブザー63による報知も実行されるように構成されている。
【0126】
該構成によれば、マーカ装置38が両側振出状態に切換えられて報知フラグがセットされた状況であることを、報知ランプ62による視覚情報と、報知ブザー63による音情報とで段階的に報知するように構成されているため、特に、報知ブザー63による報知音が不必要なタイミングで鳴って煩わしくなる事態を防止することができる。
【0127】
なお、前記報知ブザー63は、報知フラグがセットされた状態で、植付作業機6による下降操作が検出されている間のみ、警報音が鳴るように構成しても良い。該構成によれば、報知ブザー63による報知が必要なタイミングで最小限に行われるため、作業者に対してマーカ47の振出操作を確実に促しつつ、報知音の煩わしさも抑えることができる。