特許第6961579号(P6961579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961579
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】端末及び無線通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20211025BHJP
   H04W 52/04 20090101ALI20211025BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20211025BHJP
【FI】
   H04W72/04 131
   H04W52/04
   H04W28/06 110
【請求項の数】6
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2018-515732(P2018-515732)
(86)(22)【出願日】2017年5月1日
(86)【国際出願番号】JP2017017185
(87)【国際公開番号】WO2017191831
(87)【国際公開日】20171109
【審査請求日】2020年4月23日
(31)【優先権主張番号】特願2016-92682(P2016-92682)
(32)【優先日】2016年5月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】 篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】 LG Electronics,Support different TTI length for data channels and PUCCH,3GPP TSG-RAN WG1#84b R1-163101,2016年04月15日
【文献】 ZTE,Consideration on forward compatibility for new radio interface,3GPP TSG-RAN WG1#84b R1-163392,2016年04月15日
【文献】 Samsung,Study on specification impact for uplink due to TTI shortening,3GPP TSG-RAN WG1#83 R1-156822,2015年11月22日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1−4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サブフレーム単位で割り当てられる下り制御チャネルをモニタして、下り制御情報を受信する受信部と、
前記下り制御情報に基づいて、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)単位でデータの送信及び/又は受信を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、サブフレーム長及びTTI長の少なくとも1つが可変であると想定して送信及び/又は受信を制御し、送信をスキップした上り制御チャネルの時間区間で受信するデータ及び/又は前記TTIの末尾から1つ以上のシンボルで受信するデータが、他の時間区間で受信するデータに比べて低い送信電力で送信されると想定して受信処理を行うように制御することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記制御部は、データの送信及び/又は受信中には、下り制御チャネルのモニタ及び/又は上り制御チャネルの送信をスキップするように制御することを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記制御部は、モニタをスキップした下り制御チャネルの時間区間で送信するデータ及び/又は前記TTIの先頭から1つ以上のシンボルで送信するデータを、他の時間区間で送信するデータに比べて低い電力で送信するように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記制御部は、下り制御チャネルが2シンボル以上で構成される場合に、下り制御チャネルのシンボルの少なくとも1つが、下り制御チャネルの他のシンボルと比べて低い電力で送信されると想定して受信処理を行うように制御することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の端末。
【請求項5】
前記制御部は、上り制御チャネルが2シンボル以上で構成される場合に、上り制御チャネルのシンボルの少なくとも1つを、上り制御チャネルの他のシンボルと比べて低い電力で送信するように制御することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の端末。
【請求項6】
サブフレーム単位で割り当てられる下り制御チャネルをモニタして、下り制御情報を受信する受信工程と、
前記下り制御情報に基づいて、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)単位でデータの送信及び/又は受信を制御する制御工程と、を有し、
前記制御工程は、サブフレーム長及びTTI長の少なくとも1つが可変であると想定して送信及び/又は受信を制御し、送信をスキップした上り制御チャネルの時間区間で受信するデータ及び/又は前記TTIの末尾から1つ以上のシンボルで受信するデータが、他の時間区間で受信するデータに比べて低い送信電力で送信されると想定して受信処理を行うように制御することを特徴とする無線通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおけるユーザ端末及び無線通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、さらなる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(LTE Rel.8又は9ともいう)からの更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTE−A(LTEアドバンスト、LTE Rel.10、11又は12ともいう)が仕様化され、LTEの後継システム(例えば、FRA(Future Radio Access)、5G(5th generation mobile communication system)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、LTE Rel.13、14又は15以降などともいう)も検討されている。
【0003】
LTE Rel.10/11では、広帯域化を図るために、複数のコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を統合するキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)が導入されている。各CCは、LTE Rel.8のシステム帯域を一単位として構成される。また、CAでは、同一の無線基地局(eNB:evolved Node B)の複数のCCがユーザ端末(UE:User Equipment)に設定される。
【0004】
一方、LTE Rel.12では、異なる無線基地局の複数のセルグループ(CG:Cell Group)がUEに設定されるデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)も導入されている。各セルグループは、少なくとも一つのセル(CC)で構成される。DCでは、異なる無線基地局の複数のCCが統合されるため、DCは、基地局間CA(Inter-eNB CA)などとも呼ばれる。
【0005】
また、LTE Rel.8−12では、下りリンク(DL:Downlink)伝送と上りリンク(UL:Uplink)伝送とを異なる周波数帯で行う周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)と、下りリンク伝送と上りリンク伝送とを同じ周波数帯で時間的に切り替えて行う時分割複信(TDD:Time Division Duplex)とが導入されている。
【0006】
例えば、既存のTDDでは、各サブフレームをULに用いるかDLに用いるかが、UL/DL構成(UL/DL configuration、UL-DL Configuration)に基づいて厳密に定められる。具体的には、TDDを用いる無線通信システムでは、無線フレーム内における上りサブフレームと下りサブフレームとの構成(比率)を示すUL/DL構成が規定されている。図1は、既存のLTEのUL/DL構成を示す図である。図1に示すように、既存のLTEでは、7つのUL/DL構成0−6が規定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
将来の無線通信システム(例えば、5G)では、低い周波数を利用するセル(例えば、マクロセルと呼ばれる)で広いカバレッジの安定的な通信を確保しつつ、高い周波数を利用するセル(例えば、スモールセルと呼ばれる)で高速な通信をサポートすることが考えられる。高い周波数は広帯域の利用に適しており、ピークレートの増大にはTDDが好ましい。
【0009】
一般に、UL及びDLのトラヒック比は常に一定ではなく、時間的に、あるいは、場所的に変動する。このため、TDDを用いた無線通信システムでは、各セル(送信ポイント、無線基地局)におけるUL/DLのリソース構成をトラヒック変動に応じて動的に変更することにより、無線リソースを有効利用することが望まれる。
【0010】
そこで、5Gでは、送受信ポイント(無線基地局、ユーザ端末、セルなどであってもよい)毎にDLサブフレームとULサブフレームの送信比率を時間領域で動的(Dynamic)又は準静的(Semi-static)に変更する方式(ダイナミックTDD、eIMTA(enhanced Interference Mitigation and Traffic Adaptation)などとも呼ばれる)が検討されている。
【0011】
ダイナミックTDDでは、送信ポイントごとに独立のUL/DL制御を実施することが検討されている。しかしながら、独立の制御を適用する場合には、隣接する送信ポイント間で伝送方向(通信方向)が異なって制御されてしまうことが考えられる。この場合、UL/DL間で大きな干渉が発生し、通信品質が劣化するおそれがある。制御信号などの重要な信号については、干渉を低減することが特に求められる。
【0012】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、動的にUL/DLが制御される場合であっても、所定の信号が受ける干渉を好適に抑制することができるユーザ端末及び無線通信方法を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様に係る端末は、サブフレーム単位で割り当てられる下り制御チャネルをモニタして、下り制御情報を受信する受信部と、前記下り制御情報に基づいて、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)単位でデータの送信及び/又は受信を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、サブフレーム長及びTTI長の少なくとも1つが可変であると想定して送信及び/又は受信を制御し、送信をスキップした上り制御チャネルの時間区間で受信するデータ及び/又は前記TTIの末尾から1つ以上のシンボルで受信するデータが、他の時間区間で受信するデータに比べて低い送信電力で送信されると想定して受信処理を行うように制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、動的にUL/DLが制御される場合であっても、所定の信号が受ける干渉を好適に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、既存のLTEのUL/DL構成を示す図である。
図2図2A−2Dは、ダイナミックTDDの実現方法1に係るサブフレーム構成の一例を示す図である。
図3図3A−3Dは、ダイナミックTDDの実現方法2に係るサブフレーム構成の一例を示す図である。
図4図4A−4Dは、ダイナミックTDDの実現方法1に係るサブフレーム構成の別の一例を示す図である。
図5図5A−5Dは、ダイナミックTDDの実現方法2に係るサブフレーム構成の別の一例を示す図である。
図6図6A及び6Bは、制御チャネルとデータチャネルとの干渉の一例を示す図である。
図7図7A及び7Bは、第2の実施形態に係るサブフレーム構成と干渉制御の一例を示す図である。
図8図8A及び8Bは、第2の実施形態に係るサブフレーム構成の別の一例を示す図である。
図9図9A及び9Bは、第2の実施形態に係るサブフレーム構成のさらに別の一例を示す図である。
図10図10A−10Dは、少なくとも1つの制御チャネルのマッピングシンボル数を増加した場合のサブフレーム構成の一例を示す図である。
図11図11A及び11Bは、制御チャネルのシンボル数を増加した場合の、制御チャネルとデータチャネルとの干渉の一例を示す図である。
図12図12A及び12Bは、第3の実施形態に係るサブフレーム構成と干渉制御の一例を示す図である。
図13図13A−13Dは、第4の実施形態に係るサブフレーム構成の一例を示す図である。
図14図14A及び14Bは、第4の実施形態に係るサブフレーム構成と干渉制御の一例を示す図である。
図15図15は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
図16図16は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。
図17図17は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
図18図18は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。
図19図19は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図20図20は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明者らは、5Gのユースケースなどを広く検討し、干渉、周波数利用効率などを考慮した結果、5Gに適したダイナミックTDD用のサブフレーム構成を着想した。
【0017】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。まず、第1の実施形態では、ダイナミックTDDのサブフレーム構成について述べる。その後の実施形態では、当該サブフレーム構成を主に想定した干渉制御方法について述べる。
【0018】
(無線通信方法)
<第1の実施形態>
ダイナミックTDDの実現方法として、例えば、時間リソースの制御単位であるサブフレームと、トランスポートブロック(TB:Transport Block)のマッピング単位である送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と、の関係によって、複数の方法を規定することができる。TTIは、DL/ULデータ区間、データバースト区間、などと呼称してもよい。
【0019】
実現方法としては、サブフレーム長は固定かつTTI長は可変とする方法が挙げられる(方法1)。また、TTIが複数サブフレームに渡らないようサブフレーム長を設定する方法が挙げられる(方法2)。以下、これらの方法について説明する。
【0020】
図2は、ダイナミックTDDの実現方法1に係るサブフレーム構成の一例を示す図である。方法1では、サブフレーム長は仕様で規定される、又は、例えば上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング、ブロードキャスト情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block)など)でUEに設定される。
【0021】
一方、TTI長(例えば、TBをマッピングするシンボル数に相当する)は、上位レイヤシグナリング、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報)又はこれらの組み合わせで設定される。例えば、TTI長に関する情報は、DL受信をスケジューリングするDLアサインメント及び/又はUL送信をスケジューリングするULグラントに含まれ、UEが送受信のたびに当該情報に基づいてTTI長を判断するものとしてもよい。なお、TTIは、データが送信及び/又は受信される時間区間に相当するが、当該時間区間に加えて制御CHの時間区間及び/又はGPを含む時間区間として規定されてもよい。
【0022】
UEは、サブフレーム周期及び/又は所定のタイミングで、下り制御チャネル(DL CCH:Downlink Control Channel)をモニタし、復号に成功した下り制御情報に基づいて、DL受信及び/又はUL送信を行うことを判断する。ここで、DL受信及び/又はUL送信を行っている間(データの送信/受信を行うよう指示された期間)は、UEはDL CCHのモニタをスキップ(省略、不実施、又は無視)することができる。この場合(例えば、TTIが長い場合)には、DL CCHのリソースをデータの送受信に用いることができるため、オーバーヘッド削減により周波数利用効率を増大させることができる。
【0023】
図2では、サブフレーム先頭にDL CCHが割り当てられる例を示しているが、これに限られない。例えば、サブフレーム末尾など、サブフレーム先頭以外の位置にDL CCHが割り当てられるサブフレーム構成であってもよい。
【0024】
なお、DLデータ(DLデータチャネル)の送受信が行われるサブフレーム構成は、DLデータ用サブフレーム構成と呼ばれてもよい。また、ULデータ(ULデータチャネル)の送受信が行われるサブフレーム構成は、ULデータ用サブフレーム構成と呼ばれてもよい。なお、データの送受信が行われることが想定されるリソース(例えば、時間及び/又は周波数リソース)の少なくとも一部において、データ以外の信号(例えば、参照信号(RS:Reference Signal)、制御信号など)が送受信されてもよい。
【0025】
図2Aは、TTI長がサブフレーム長を超えない場合のDLデータ用サブフレーム構成の一例を示す。UEは、DL CCHで受信する下り制御信号に基づいて、同じサブフレーム(1TTI)におけるDLデータ受信のスケジューリングを判断することができる。
【0026】
図2Bは、TTI長がサブフレーム長より長い場合のDLデータ用サブフレーム構成の一例を示す。UEは、DL CCHで受信する下り制御信号に基づいて、連続する複数のサブフレーム(1TTI)におけるDLデータ受信のスケジューリングを判断することができる。
【0027】
図2Cは、TTI長がサブフレーム長を超えない場合のULデータ用サブフレーム構成の一例を示す。UEは、DL CCHで受信する下り制御信号に基づいて、同じサブフレーム(1TTI)におけるULデータ送信のスケジューリングを判断することができる。
【0028】
なお、DL受信とUL送信との間には、無送信期間(例えば、ガード期間(GP:Guard Period)、ギャップ、スイッチングギャップなどと呼ばれてもよい)が設けられる。GPにより、サブフレーム内でUL/DLを切り替えることができる。GPは、UEがタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)を適用することを想定して調整(設定)されてもよい。
【0029】
図2Dは、TTI長がサブフレーム長より長い場合のDLデータ用サブフレーム構成の一例を示す。UEは、DL CCHで受信する下り制御信号に基づいて、連続する複数のサブフレーム(1TTI)におけるULデータ送信のスケジューリングを判断することができる。
【0030】
なお、図2及び以降の図では、DL CCHと、当該DL CCHによりスケジューリングされるデータと、が少なくとも同じサブフレームにマッピングされる例を示すが、これに限られない。例えば、DL CCHと、当該DL CCHによりスケジューリングされるデータと、が異なるサブフレームにマッピングされてもよい。
【0031】
図3は、ダイナミックTDDの実現方法2に係るサブフレーム構成の一例を示す図である。方法2では、方法1と同様にサブフレーム長及び/又はTTI長が決定されてもよい。ただし、ユースケースや運用を考慮し、サブフレームに1TTIが収まるように設定される。つまり、サブフレーム長はTTI長以上に設定される。図3A−3Dは、それぞれ図2A−2Dに対応しているが、大きなTTI長が設定される場合にはそれ以上のサブフレーム長が設定されるため、サブフレーム内でTB分のデータの送受信を完結することができる。
【0032】
UEは、サブフレーム周期及び/又は所定のタイミングでDL CCHをモニタするが、1サブフレームでDL CCHは決まった箇所に確実にマッピングされるため、DL CCHのモニタをスキップする必要が生じない。つまり、DL CCHがDL/ULデータに置き換わることがないため、干渉を制御しやすくなる。例えば、複数のセル間でDL CCH及びULデータが衝突するケースの発生を抑制する制御(スケジューリング)を行うことができる。
【0033】
ダイナミックTDDで利用されるサブフレーム構成は、上り制御チャネル(UL CCH:Uplink Control Channel)を含んでもよい。図4は、ダイナミックTDDの実現方法1に係るサブフレーム構成の別の一例を示す図である。図4A−4Dは、それぞれ図2A−2Dのサブフレーム構成において、サブフレーム末尾にDLデータではなくUL CCHが割り当てられる例を示しているが、これに限られない。例えば、サブフレーム先頭など、サブフレーム末尾以外の位置にUL CCHが割り当てられるサブフレーム構成であってもよい。
【0034】
UL CCHの前にDLデータが割り当てられる図4A及び4Bでは、DLデータとUL CCHとの間にGPが設けられる。また、方法1において、DL受信中及び/又はUL送信中は、UEはUL CCHの送信(割り当て)をスキップすることができる。この場合(例えば、図4B及び4DのようにTTIが1サブフレームより長い場合)には、UL CCHのリソースをデータの送受信に用いることができるため、オーバーヘッド削減により周波数利用効率を増大させることができる。
【0035】
なお、方法1(図2図4の例)において、DL CCHのモニタ及びUL CCHの送信のいずれか又は両方をスキップしない構成としてもよい。例えば、図2B及び図4Bの例において、複数サブフレームに渡るDLデータのTTIがマッピングされた途中の時間区間に含まれるDL CCHは、スキップしない(DLデータとDL CCHが時間多重される)構成とすることができる。このときUEは、当該DL CCHの時間区間に対応するDLデータは、パンクチャ又はレートマッチされるものとして受信及び復号を行う。
【0036】
または、図2D及び図4Dの例において、複数サブフレームに渡るULデータのTTIがマッピングされた途中の時間区間に含まれるUL CCHは、スキップしない(ULデータとUL CCHが時間多重される)構成とすることができる。このときUEは、当該UL CCHの時間区間に対応するULデータに、パンクチャ又はレートマッチを適用する。このようにすることで、複数サブフレームに渡るTTIが発生した場合であっても、DL及び/又はUL CCHの送受信タイミングを遅らせずに行うことができるので、制御信号の遅延を削減することができる。
【0037】
図5は、ダイナミックTDDの実現方法2に係るサブフレーム構成の別の一例を示す図である。方法2では、方法1と同様にサブフレーム長及び/又はTTI長が決定されてもよい。図5A−5Dは、それぞれ図3A−3Dのサブフレーム構成において、サブフレーム末尾にDLデータではなくUL CCHが割り当てられる例を示しているが、これに限られない。図5の例では、DL CCHのモニタ及び/又はUL CCHの送信をスキップする必要が生じない。このため、複数のセル間でDL CCH及びULデータ(そして、UL CCH及びDLデータ)が衝突するケースの発生を抑制する制御を、好適に実施することができる。
【0038】
以上述べた第1の実施形態によれば、ダイナミックTDDに適したサブフレーム構成を採用することができる。
【0039】
<第2の実施形態>
本発明者らは、第1の実施形態に示したようなダイナミックTDD用のサブフレーム構成を検討する中で、干渉に関する問題が生じる可能性があることを発見した。具体的には、例えば方法1のサブフレーム構成を採用する場合、DL/UL CCHに、DL/ULデータが干渉する場合がある。当該問題について、図6を参照して説明する。
【0040】
図6は、制御チャネルとデータチャネルとの干渉の一例を示す図である。図6Aは、複数のセル(セルA、セルB)のDLデータ用サブフレーム構成を示し、図6Bは、複数のセル(セルA、セルB)のULデータ用サブフレーム構成を示す。図6の例では、セルA及びセルBのサブフレーム境界が一致(同期)しており、かつセルAのTTI長がセルBのTTI長より短いものとする。
【0041】
図6Aでは、セルAのUL CCHは、セルBのDLデータと同じタイミングで割り当てられている。また、図6Bでは、セルAのDL CCHは、セルBのULデータと同じタイミングで割り当てられている。例えばセルA及びセルBが隣接する場合には、これらのタイミングで送信されるDL−UL信号間で干渉が生じる可能性がある。図6AではセルAのeNBにおけるUL CCHの受信品質が、そして図6BではセルBのUEにおけるDL CCHの受信品質が、大きく劣化することが想定される。
【0042】
本発明者らは、以上説明した問題を検討し、DL/UL CCHとDL/ULデータとの干渉を低減する制御方法を着想し、第2の実施形態を見出した。第2の実施形態では、DL/UL CCHと重複する可能性のある時間区間(例えば、サブフレームの先頭及び/又は末尾のシンボル)において、データを低い送信電力(低電力区間)で送信することで、DL/UL CCHにデータが干渉する場合であっても、干渉量を抑制することができる。
【0043】
図7は、第2の実施形態に係るサブフレーム構成と干渉制御の一例を示す図である。図7A及び7Bは、それぞれ図6A及び6Bに対応する。図7では、低い送信電力で送信されるデータの時間領域を、低電力シンボル(Low-power symbol(s))として示している。
【0044】
図7Aでは、複数サブフレームに渡るデータ(TB)送受信のためにDL/UL CCHをスキップしてデータ送受信を行うUEは、スキップしたUL CCHの時間区間(期間)に相当するDLデータが、その他の時間区間(例えば、他のDLデータの区間)と比べて低い電力で送信されると想定し、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行うものとしてもよい。
【0045】
eNBは、複数サブフレームに渡るデータの送信中は、他のセルで送信され得るUL CCH及び/又はDL CCHの時間区間において、DLデータを低い送信電力で送信してもよい。
【0046】
図7Bでは、複数サブフレームに渡るデータ(TB)送受信のためにDL/UL CCHをスキップしてデータ送受信を行うUEは、スキップしたDL CCHの時間区間に相当するULデータを、その他の時間区間(例えば、他のULデータの区間)と比べて低い電力で送信してもよい。
【0047】
eNBは、複数サブフレームに渡るデータの受信中は、他のセルで送信され得るUL CCH及び/又はDL CCHの時間区間において、ULデータが低い送信電力で送信されると想定し、受信処理を行うものとしてもよい。
【0048】
低電力区間と他の時間区間との電力差に関する情報が、UEに上位レイヤシグナリングで設定(通知)されてもよい。例えば、当該情報として、他の時間区間の送信電力(例えば、下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)/上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)送信電力、参照信号送信電力など)を基準とするオフセットに関する情報が通知されてもよい。なお、低電力区間における電力を特定できる情報であれば、電力差に関する情報とは異なる情報が通知されてもよい。
【0049】
図7Aにおいて、モニタをスキップしたDL CCHの時間区間に相当するDLデータが他の時間区間と比べて低い電力で送信されてもよい。また、図7Bにおいて、送信をスキップしたUL CCHの時間区間に相当するULデータが他の時間区間と比べて低い電力で送信されてもよい。つまり、低電力区間はUL CCH及びDL CCHの時間区間であってもよい。この場合、DL CCHの時間区間に相当するデータと、UL CCHの時間区間に相当するデータと、で異なる送信電力が設定されてもよい。
【0050】
なお、第2の実施形態において、低電力区間の送信電力は、他の時間区間に比べて低ければよく、例えば無送信電力(送信電力が0、送信をドロップなどともいう)としてもよい。この場合、DL/ULデータは、パンクチャ又はレートマッチング処理により、低電力区間にリソースマッピングを行わない処理を適用されてもよい。
【0051】
パンクチャの場合、低電力区間のリソースが利用できるものと想定してデータを生成した後データを間引く制御が行われる。レートマッチングの場合、低電力区間のリソースにデータをマッピングできないものと想定して、少ないデータ量で信号を生成して他の割り当てリソースにマッピングする制御が行われる。
【0052】
低電力区間について、図8及び図9を用いてさらに詳細に説明する。図8は、第2の実施形態に係るサブフレーム構成の別の一例を示す図である。図8Aは1TTIに相当する2つのDLデータ用サブフレームを示し、図8Bは1TTIに相当する2つのULデータ用サブフレームを示している。
【0053】
図8Aに示すように、DLデータの時間区間には、基本的には、RS及びL1/L2制御情報(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information))などの、DLデータ(TB)以外の情報要素をマッピングすることができる。一方で、スキップしたDL CCH及び/又はUL CCHの時間区間に相当するDLデータの時間区間には、DLデータ以外の情報要素をマッピングしない(DLデータのみを送信する)構成とすることができる。これにより、RSや制御信号が、例えば、他のセルで送信されるUL CCHから干渉を受ける可能性を低減することができる。
【0054】
図8Bに示すように、ULデータの時間区間には、基本的には、RS及びL1/L2制御情報(例えば、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))などの、ULデータ(TB)以外の情報要素をマッピングすることができる。一方で、スキップしたDL CCH及び/又はUL CCHの時間区間に相当するULデータの時間区間には、ULデータ以外の情報要素をマッピングしない(ULデータのみを送信する)構成とすることができる。これにより、RSや制御信号が、例えば、他のセルで送信されるDL CCHから干渉を受ける可能性を低減することができる。
【0055】
なお、図8では、DLデータ用サブフレームとULデータ用サブフレームとで、データ以外の情報要素がマッピングされる無線リソースの位置(マッピングパターン)が同じ例を示したが、これに限られない。例えば、DLデータ用サブフレームとULデータ用サブフレームとで、データ以外の情報要素のマッピングパターンが異なってもよい。
【0056】
スキップしたUL CCHの時間区間に相当するデータの時間区間では、その他の時間区間よりも低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)レイヤ数でデータを送受信してもよい。また、スキップしたDL CCHの時間区間に相当するデータの時間区間では、その他の時間区間よりも低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数でデータを送受信してもよい。
【0057】
図9は、第2の実施形態に係るサブフレーム構成のさらに別の一例を示す図である。図9A及び9Bはそれぞれ図8A及び8Bと同様の図である。図9Aでは、UEは、スキップしたUL CCHの時間区間に相当するDLデータの時間区間において、MIMOレイヤ数2かつ16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)によりDLデータが送信されると想定して受信処理を行ってもよい。一方で、その他のDLデータの時間区間では、MIMOレイヤ数4かつ256QAMによりDLデータが送信されると想定して受信処理を行ってもよい。
【0058】
図9Bでは、UEは、スキップしたDL CCHの時間区間に相当するULデータの時間区間において、MIMOレイヤ数1かつQPSK(Quadrature Phase-Shift Keying)によりULデータを送信するように制御してもよい。一方で、その他のULデータの時間区間では、MIMOレイヤ数2かつ64QAMによりULデータを送信するように制御してもよい。なお、図9に示されたレイヤ数及び変調方式は一例であって、これらに限られるものではない。
【0059】
以上述べた第2の実施形態によれば、所定のセルのDL/UL CCHが他のセルのDL/ULデータから受ける干渉を低減することができる。
【0060】
なお、以上の例では第1の実施形態の方法1を前提に第2の実施形態を説明したが、方法2に第2の実施形態の制御を適用してもよい。例えば、複数のセル(例えば、隣接セル)間で異なるサブフレーム長が用いられる場合には、サブフレーム長の長いセルでは、サブフレーム長の短いセルで送信され得るUL CCH及び/又はDL CCHの時間区間において、データを低い送信電力で送信及び/又は受信するように制御されてもよい。
【0061】
第2の実施形態では、基地局は、運用するサブフレーム長、運用するTTI長、制御CHの時間リソース(例えば、DL CCH及び/又はUL CCHのリソース位置)に関する情報の少なくとも1つを、例えばX2インターフェースを介して他の基地局に送信/他の基地局から受信してもよい。基地局は、これらの情報の少なくとも1つに基づいて、必要最小限のDLデータの送信電力を下げることができるため、データCHの通信品質が過剰に劣化することを抑制できる。
【0062】
また、基地局間で通知されるこれらの情報の少なくとも1つは、eNBからUEに通知されてもよい。UEは、これらの情報の少なくとも1つに基づいて、必要最小限のULデータの送信電力を下げることができるため、データCHの通信品質が過剰に劣化することを抑制できる。また、DLデータの送信電力を適切に想定して受信処理を行うことができる。
【0063】
<第3の実施形態>
第1の実施形態で示した方法1及び方法2のいずれにおいても、DL/UL CCHのカバレッジを増大させることを1つの目的として、両方又はいずれか一方の制御チャネルをマッピングするシンボル数を増加させることが考えられる。この場合、制御チャネルのペイロードを増やすことができるので、符号化率の低減及び/又は拡散率の増加により、誤り率を改善することができる。
【0064】
図10は、少なくとも1つの制御チャネルのマッピングシンボル数を増加した場合のサブフレーム構成の一例を示す図である。図10Aは、DL CCH用のシンボル数よりUL CCH用のシンボル数が多い場合のDLデータ用サブフレームを示し、図10Bは、DL CCH用のシンボル数及びUL CCH用のシンボル数の両方が1より多い場合のDLデータ用サブフレームを示す。
【0065】
また、図10Cは、DL CCH用のシンボル数よりUL CCH用のシンボル数が多い場合のULデータ用サブフレームを示し、図10Dは、DL CCH用のシンボル数及びUL CCH用のシンボル数の両方が1より多い場合のULデータ用サブフレームを示す。
【0066】
これら以外にも、DL CCH用のシンボル数がUL CCH用のシンボル数より多いDLデータ用サブフレーム及び/又はULデータ用サブフレームも実現可能である。
【0067】
なお、制御CHは、スキップされずに送信される場合には、所定のシンボルで必ず送信されるように構成されることが好ましい。例えば、DL CCHはサブフレームの先頭シンボルにて送信されるように構成されることが好ましく、UL CCHはサブフレームの最終(末尾)シンボルにて送信されるように構成されることが好ましい。確実に制御CHが送信されることが想定されるシンボルは、デフォルト制御シンボルと呼ばれてもよく、それ以外の追加的に割り当てられる制御CHのシンボルは、追加(拡張)制御シンボルと呼ばれてもよい。なお、追加制御シンボルの数は、1、2、3などであってもよいし、サブフレームの全シンボル数からデフォルトシンボルの数を引いた数であってもよいし、他の値であってもよい。
【0068】
また、DL CCH用及び/又はUL CCH用のシンボル数、最大シンボル数、最小シンボル数の少なくとも1つに関する情報は、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI)又はこれらの組み合わせにより、UEに設定されてもよい。
【0069】
しかしながら、制御CHのカバレッジ拡張は、全てのセルで必要になるとは限らない。また、カバレッジの小さなセル(例えば、スモールセルと呼ばれる)とカバレッジの大きなセル(例えば、マクロセルと呼ばれる)とが混在する環境では、たとえ同じサブフレーム構成が用いられる場合であっても、複数セル間でDL/UL CCHとDL/ULデータCHとの干渉が発生し得る。当該問題について、図11を参照して説明する。
【0070】
図11は、制御チャネルのシンボル数を増加した場合の、制御チャネルとデータチャネルとの干渉の一例を示す図である。図11Aは、本例で想定するセルの位置関係及び大きさを示す模式図であり、スモールセルであるセルAが、マクロセルであるセルBのカバレッジエリアに重複する構成を示している。
【0071】
図11Bは、図11Aの複数のセル(セルA、セルB)が同じ期間で利用するそれぞれのDLデータ用サブフレーム構成を示す。紙面の都合上、セルA及びセルBのサブフレーム境界が一致しているように見えるが、実際には伝播遅延(propagation delay)によってずれが生じることが想定される。また、カバレッジの大きいセルBでは、セルAよりも大きなタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)が設定されるものとする。
【0072】
UEは、eNBから受信したTAに関する情報(TA情報)に基づいて、UL信号の送信タイミング(例えば、ULサブフレームの先頭のタイミング)を動的に調整する。TA情報は、例えばMAC(Medium Access Control)制御要素で通知される。
【0073】
TAによって上り送信タイミングが時間シフトされると、図11Bのように、セルBにおけるUL CCHのシンボル数が1より大きい場合(図では、3)、セルBのUL CCHとセルAのDLデータとの送信タイミングが重複する可能性がある。この場合、セルA及びBの間でUL CCHとDLデータCHとの干渉が発生し得る。
【0074】
本発明者らは、以上説明した問題を検討し、セル間で異なるTAが設定される場合であってもDL/UL CCHとDL/ULデータとの干渉を低減する制御方法を着想し、第3の実施形態を見出した。第3の実施形態では、TAを考慮してDL/UL CCHと重複(衝突)する可能性のある時間区間(例えば、DLデータの時間区間の末尾から1つ以上のシンボル及び/又はULデータの時間区間の先頭から1つ以上のシンボル)において、データを低い送信電力(低電力区間)で送信する。
【0075】
なお、第2の実施形態は、第3の実施形態においてセル間のTA差がない場合に相当するとも言える。このため、第2の実施形態にて説明したマッピングなどの制御方法については、第3の実施形態でも同様に用いることができる。第3の実施形態は、いずれかのセルのDL/UL CCHのシンボル数が2以上の場合に好適であるが、シンボル数が1のCCHに対して適用してもよい。また、第3の実施形態に係るシンボル数に関する電力制御は、第1の実施形態の方法1及び2のいずれであっても適用可能である。
【0076】
図12は、第3の実施形態に係るサブフレーム構成と干渉制御の一例を示す図である。図12Aは、図11で示した複数のセル(セルA、セルB)のDLデータ用サブフレーム構成を示し、図11で示した複数のセルのULデータ用サブフレーム構成を示す。上述のように、セルBでは、セルAよりも大きなTAが設定されているものとする。
【0077】
図12Aでは、セルBのUL CCHのシンボル数が3であるため、セルAを形成する基地局は、TAを考慮して、当該UL CCHと干渉する可能性のあるDLデータ(例えば、末尾2シンボル分)を、その他の時間区間(例えば、他のDLデータの区間)と比べて低い電力で送信する。これにより、仮にセルBのUL CCHがセルAのDLデータと衝突する場合であっても、DLデータの送信電力が低いため、UL CCHが受ける干渉を低減することができる。
【0078】
図12Bでは、セルAのDL CCHのシンボル数が3であるため、セルBで通信するUEは、TAを考慮して、当該DL CCHと干渉する可能性のあるULデータ(例えば、先頭2シンボル分)を、その他の時間区間(例えば、他のULデータの区間)と比べて低い電力で送信する。これにより、仮にセルAのDL CCHがセルBのULデータと衝突する場合であっても、ULデータの送信電力が低いため、DL CCHが受ける干渉を低減することができる。
【0079】
なお、図12では、各セルにおいて、DLデータ用サブフレームのDLデータの終了タイミング(GP開始タイミング)及び/又はULデータ用サブフレームのULデータの開始タイミング(GP終了タイミング)が、制御CHのシンボル数によらず一定であるものとしているが、これに限られない。例えば、制御CHのシンボル数に応じて、GPの長さが変動する構成としてもよい。
【0080】
また、図12で説明したような制御を実施するために、基地局は、制御CHの時間リソース(例えば、DL CCH及び/又はUL CCHのマッピングに用いるシンボル数)に関する情報、TA情報の少なくとも1つを、例えばX2インターフェースを介して他の基地局に送信/他の基地局から受信してもよい。基地局は、これらの情報の少なくとも1つに基づいて、必要最小限のDLデータの送信電力を下げることができるため、データCHの通信品質が過剰に劣化することを抑制できる。
【0081】
また、制御CHの時間リソースに関する情報、TA情報の少なくとも1つは、eNBからUEに通知されてもよい。これらの情報に加えて(又はこれらの情報の代わりに)、送信電力を低減するデータCHの時間リソースに関する情報(例えば、サブフレーム内の低電力シンボルを示すビットマップ情報、低電力シンボルを特定する情報など)が、eNBからUEに通知されてもよい。UEは、これらの情報の少なくとも1つに基づいて、必要最小限のULデータの送信電力を下げることができるため、データCHの通信品質が過剰に劣化することを抑制できる。また、DLデータの送信電力を適切に想定して受信処理を行うことができる。
【0082】
なお低電力送信となるデータのシンボル数は、例えば、他セルのUL/DL CCHのシンボル数に関連するものとしてもよく、例えばデフォルト制御シンボルの数、追加制御シンボルの数、制御シンボルの数(デフォルト及び追加制御シンボルの両方を含む)と同じであってもよいし、少なくてもよいし、多くてもよい。例えば、他セルのUL CCHの制御シンボル数が3の場合に、DLデータの末尾4シンボルが低電力で送信されてもよい。
【0083】
以上述べた第3の実施形態によれば、UEは、TTIのDLデータCHの末尾から1つ以上のシンボル(例えば、末尾の複数シンボル)で受信するDLデータが、他の時間区間のDLデータと比べて低い電力で送信されると想定し、これらのシンボルの受信処理を行うことができる。また、UEは、TTIのULデータCHのTTIの先頭から1つ以上のシンボル(例えば、先頭の複数シンボル)で送信するULデータを、他の時間区間のULデータと比べて低い電力で送信することができる。これにより、所定のセルのDL/UL CCHの少なくとも一部が他のセルのDL/ULデータから受ける干渉を低減することができる。
【0084】
<第4の実施形態>
上述の第3の実施形態では、制御CHのカバレッジを増やしつつ、制御CHがデータCHから受ける干渉をできるだけ低減すべきという考え方に基づく制御方法を示した。一方で、制御CHのカバレッジを増やすために制御シンボルを増加する場合には、デフォルト制御シンボル(例えば、制御CHの最初又は最後のシンボル)により、最低限の制御CHは確保されており、追加制御シンボルは、データCHに対する干渉を増やさない範囲で用いるべきという考え方もできる。
【0085】
第4の実施形態は、後者の考え方に基づく。つまり、第4の実施形態は、追加制御シンボルの送信電力をデフォルト制御シンボルの送信電力より低くする制御方法である。
【0086】
図13は、第4の実施形態に係るサブフレーム構成の一例を示す図である。図13A−13Dは、それぞれ図10A−10Dに対応するが、デフォルト制御シンボル(DL CCHの先頭シンボル、UL CCHの末尾シンボル)以外の制御CHのシンボルが低電力シンボル(Low-power CCH symbol(s))となっている点が異なる。
【0087】
DL/UL CCHは、電力を低く設定したDL/UL CCHの時間区間を用いずに復調できるように構成されてもよい。例えば、図13の各構成において、初めに、DL/UL制御信号を、デフォルト制御シンボルにマッピングし、DL/UL CCHを構成する。次に、当該DL/UL CCHを複製又は拡散し、追加制御シンボルにマッピングする。このようにすることで、通信環境が良好であれば、追加制御シンボルがなくともDL/UL制御信号を正しく復調可能であるし、通信環境が不良であれば、追加制御シンボルを用いて復調の成功の可能性を向上することができる。
【0088】
また、DL/UL CCHを復調するために用いる参照信号は、デフォルト制御シンボルにのみ含まれる(マッピングされる)ものとしてもよい。追加制御シンボルの復調は、デフォルト制御シンボルに含まれる参照信号を用いて行うことができる。このようにすることで追加制御シンボルのオーバーヘッドを減らし、DL/UL CCHの複製回数/拡散率(または、符号化率ともいえる)を高め、追加制御シンボルを挿入することによる誤り率改善効果を高めることができる。
【0089】
または、DL/UL CCHを復調するために用いる参照信号は、デフォルト制御シンボルに加え追加制御シンボルにも含まれる(マッピングされる)ものとしてもよい。UEは、デフォルト制御シンボルと追加制御シンボルとで、別々の参照信号を用いてそれぞれ独立に復調を行うことができる。このようにすることで、より精度の高いチャネル推定を実施することができる。
【0090】
なお、低電力の制御CHの時間区間とその他の時間区間(例えば、通常電力の制御CHの時間区間)との電力差に関する情報が、上位レイヤシグナリング(例えば、RRCシグナリング)、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI)又はこれらの組み合わせにより、UEに設定されてもよい。なお、低電力の制御CHにおける電力を特定できる情報であれば、電力差に関する情報とは異なる情報が通知されてもよい。
【0091】
例えば、複数の電力情報(例えば、1つの電力情報は、電力値、電力比などの少なくとも1つに関する)が上位レイヤシグナリングにより予めUEに設定される場合には、eNBは、下り制御情報に電力切り替えを指示する情報(例えば、1ビット)をUEに通知してもよい。UEは、当該指示情報に基づいて、追加制御シンボルに関して上記複数の電力情報を切り替えて適用することができる。また、下り制御情報に、電力を特定するためのインデックスが含まれる場合には、UEは、当該インデックスに対応する電力情報を追加制御シンボルに適用することができる。
【0092】
UEは、DL CCHが2シンボル以上で構成されることを把握している場合、DL CCHのシンボルの少なくとも1つが、DL CCHの他のシンボルと比べて低い電力で送信されると想定し、受信処理を行うように制御してもよい。また、UEは、UL CCHが2シンボル以上で構成されることを把握している場合、UL CCHのシンボルの少なくとも1つを、UL CCHの他のシンボルと比べて低い電力で送信するように制御してもよい。
【0093】
図14は、第4の実施形態に係るサブフレーム構成と干渉制御の一例を示す図である。図14A及び14Bは、それぞれ図12A及び12Bと同様の事例を示している。
【0094】
図14Aでは、セルBのUL CCHのシンボル数が3であるため、UEは、最後のシンボルを除くUL CCHシンボルの送信電力を低減する。これにより、仮にセルBのUL CCHがセルAのDLデータと衝突する場合であっても、UL CCHの送信電力が低いため、DLデータが受ける干渉を低減することができる。
【0095】
図14Bでは、セルAのDL CCHのシンボル数が3であるため、セルAを形成する基地局は、最初のシンボルを除くDL CCHシンボルの送信電力を低減する。これにより、仮にセルAのDL CCHがセルBのULデータと衝突する場合であっても、DL CCHの送信電力が低いため、ULデータが受ける干渉を低減することができる。
【0096】
なお、第4の実施形態においては、追加制御シンボルの送信電力に加えて、又は当該送信電力の代わりに、デフォルト制御シンボルの送信電力を下げる構成としてもよい。
【0097】
以上述べた第4の実施形態によれば、所定のセルのDL/ULデータの少なくとも一部が他のセルのDL/UL CCHから受ける干渉を低減しつつ、当該他のセルにおいてDL/UL CCHの復調の成功の可能性を向上することができる。
【0098】
なお、上述した各実施形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、制御シンボルを増加する場合には、第3及び第4の実施形態に基づいて、追加制御シンボルの送信電力をデフォルト制御シンボルの送信電力より低くしつつ、制御シンボルと重複する可能性のあるデータシンボルの送信電力も低減することができる。
【0099】
また、第2の実施形態では、DL CCH及びUL CCHの両方の時間区間が1シンボルの例を示したが、これに限られない。例えば、第2の実施形態においてDL CCH及び/又はUL CCHの時間区間は1つ以上のシンボルであってもよく、UEは、複数のシンボルに対応するDL CCHのモニタ及び/又はUL CCHの送信をスキップするように制御してもよい。
【0100】
また、低電力区間は、他の時間区間(他のデータCHの区間又は他の制御CHの区間)より高い送信電力で信号を送信する高電力区間としてもよい。また、第2−第4の実施形態の干渉制御(電力制御)方法は、第1の実施形態で示したサブフレーム構成以外に適用してもよい。
【0101】
(無線通信システム)
以下、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、本発明の上記各実施形態に係る無線通信方法のいずれか又はこれらの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0102】
図15は、本発明の一実施形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
【0103】
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
【0104】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a−12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。
【0105】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
【0106】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0107】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線接続する構成とすることができる。
【0108】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0109】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0110】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
【0111】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア−周波数分割多元接続(SC−FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
【0112】
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
【0113】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0114】
下りL1/L2制御チャネルは、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)などを含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHにより、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ−ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCHと周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0115】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。また、PUCCHにより、下りリンクの無線品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報などが伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。なお、共有チャネルは、データチャネルと呼ばれてもよい。
【0116】
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI−RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
【0117】
(無線基地局)
図16は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0118】
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0119】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0120】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0121】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0122】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0123】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0124】
なお、送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ101は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。
【0125】
送受信部103は、ユーザ端末20に対して、サブフレーム長に関する情報、TTI長に関する情報、制御CHの時間リソースに関する情報、制御CH用のシンボル数に関する情報、低電力のデータCHの時間区間と他のデータCHの時間区間との電力差に関する情報、低電力の制御CHの時間区間と他の制御CHの時間区間との電力差に関する情報などを送信してもよい。
【0126】
図17は、本発明の一実施形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0127】
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
【0128】
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0129】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
【0130】
制御部301は、システム情報、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCH及び/又はEPDCCHで伝送される下り制御信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号(例えば、送達確認情報など)や下りデータ信号の生成を制御する。また、制御部301は、同期信号(例えば、PSS(Primary Synchronization Signal)/SSS(Secondary Synchronization Signal))や、CRS、CSI−RS、DMRSなどの下り参照信号のスケジューリングの制御を行う。
【0131】
また、制御部301は、PUSCHで送信される上りデータ信号、PUCCH及び/又はPUSCHで送信される上り制御信号(例えば、送達確認情報)、PRACHで送信されるランダムアクセスプリアンブルや、上り参照信号などのスケジューリングを制御する。
【0132】
制御部301は、サブフレーム単位で(サブフレームごとに)下り制御チャネルに、ユーザ端末20にスケジューリング(TTI単位のデータ(TB)の送信及び/又は受信)を指示するための下り制御情報(例えば、DCI)を割り当てて送信するように制御する。
【0133】
制御部301は、サブフレーム長及びTTI長の少なくとも1つをユーザ端末20に設定(通知)し、ユーザ端末20に、これらの少なくとも1つが可変であると想定して送信及び/又は受信を制御させるようにしてもよいし、両方が変化しない(固定である)と想定して送信及び/又は受信を制御させるようにしてもよい。
【0134】
例えば、制御部301は、データの送信及び/又は受信中には、下り制御チャネルの送信及び/又は上り制御チャネルのモニタをスキップするように制御してもよい。つまり、制御部301は、複数サブフレームにまたがるデータの送信及び/又は受信を指示する下り制御情報をユーザ端末20に対して送信した場合に、これらのサブフレームに含まれる少なくとも一部の下り制御チャネルの送信及び/又は上り制御チャネルのモニタをスキップするように制御してもよい。
【0135】
また、制御部301は、モニタをスキップした上り制御チャネルの時間区間(例えば、サブフレームの末尾から1つ以上のシンボル)で送信するデータ及び/又はTTI(例えば、1TTI内のデータチャネル)の末尾から1つ以上のシンボルで送信するデータを、他の時間区間で受信するデータに比べて低い送信電力で送信するように制御してもよい。
【0136】
また、制御部301は、送信をスキップした下り制御チャネルの時間区間(例えば、サブフレームの先頭から1つ以上のシンボル)で受信するデータ及び/又はTTI(例えば、1TTI内のデータチャネル)の先頭から1つ以上のシンボルで受信するデータが、他の時間区間で送信するデータに比べて低い電力で送信されると想定して受信処理を行う(及び/又はユーザ端末20に対して低い電力で送信させる)ように制御してもよい。
【0137】
また、制御部301は、下り制御チャネルを2シンボル以上で構成する場合に、下り制御チャネルのシンボルの少なくとも一部を、下り制御チャネルの他のシンボルと比べて低い電力で送信するように制御してもよい。
【0138】
また、制御部301は、上り制御チャネルが2シンボル以上で構成される場合に、上り制御チャネルのシンボルの少なくとも一部が、上り制御チャネルの他のシンボルと比べて低い電力で送信されると想定して受信処理を行うように制御してもよい。
【0139】
制御部301は、低い電力で送信されるデータチャネルの時間区間では、その他の時間区間(例えば、その他のデータチャネルの時間区間)よりも低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号(例えば、データ信号、参照信号、制御信号)を送信するように制御してもよいし、低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号が送信されると想定して受信処理を行うように制御してもよい。
【0140】
制御部301は、低い電力で送信される制御チャネルの時間区間では、その他の時間区間(例えば、その他のデータチャネルの時間区間)よりも低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号(例えば、制御信号、参照信号)を送信するように制御してもよいし、低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号が送信されると想定して受信処理を行うように制御してもよい。
【0141】
また、制御部401は、ユーザ端末20に対して、第1−第4の実施形態で述べたような制御を実施させるために、制御に用いるパラメータを更新するための各種情報を送信してもよい。
【0142】
制御部301は、ベースバンド信号処理部104によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部103によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成するように制御してもよい。
【0143】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0144】
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下り信号の割り当て情報を通知するDLアサインメント及び上り信号の割り当て情報を通知するULグラントを生成する。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理が行われる。
【0145】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0146】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0147】
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ−ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ−ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0148】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0149】
測定部305は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio))やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0150】
(ユーザ端末)
図18は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0151】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0152】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送される。
【0153】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0154】
なお、送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ201は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。
【0155】
送受信部203は、無線基地局10から、サブフレーム長に関する情報、TTI長に関する情報、制御CHの時間リソースに関する情報、制御CH用のシンボル数に関する情報、低電力のデータCHの時間区間と他のデータCHの時間区間との電力差に関する情報、低電力の制御CHの時間区間と他の制御CHの時間区間との電力差に関する情報などを受信してもよい。
【0156】
図19は、本発明の一実施形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
【0157】
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
【0158】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0159】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
【0160】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号(PDCCH/EPDCCHで送信された信号)及び下りデータ信号(PDSCHで送信された信号)を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号や、下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号(例えば、送達確認情報など)や上りデータ信号の生成を制御する。
【0161】
制御部401は、サブフレーム単位で(サブフレームごとに)割り当てられる下り制御チャネルをモニタして、下り制御情報(例えば、DCI)を受信するように制御する。そして、制御部401は、当該下り制御情報に基づいて、TTI単位でデータ(TB)の送信及び/又は受信を制御する。
【0162】
制御部401は、サブフレーム長及びTTI長の少なくとも1つが可変であると想定して送信及び/又は受信を制御してもよいし、両方が変化しない(固定である)と想定して送信及び/又は受信を制御してもよい。
【0163】
例えば、制御部401は、データの送信及び/又は受信中には、下り制御チャネルのモニタ及び/又は上り制御チャネルの送信をスキップするように制御してもよい。つまり、制御部401は、送受信部203が複数サブフレームにまたがるデータの送信及び/又は受信を指示する下り制御情報を受信した場合に、これらのサブフレームに含まれる少なくとも一部の下り制御チャネルのモニタ及び/又は上り制御チャネルの送信をスキップするように制御してもよい。
【0164】
また、制御部401は、送信をスキップした上り制御チャネルの時間区間(例えば、サブフレームの末尾から1つ以上のシンボル)で受信するデータ及び/又はTTI(例えば、1TTI内のデータチャネル)の末尾から1つ以上のシンボルで受信するデータが、他の時間区間で受信するデータに比べて低い送信電力で送信されると想定して受信処理を行うように制御してもよい。
【0165】
また、制御部401は、モニタをスキップした下り制御チャネルの時間区間(例えば、サブフレームの先頭から1つ以上のシンボル)で送信するデータ及び/又はTTI(例えば、1TTI内のデータチャネル)の先頭から1つ以上のシンボルで送信するデータを、他の時間区間で送信するデータに比べて低い電力で送信するように制御してもよい。
【0166】
また、制御部401は、下り制御チャネルが2シンボル以上で構成される場合に、下り制御チャネルのシンボルの少なくとも一部が、下り制御チャネルの他のシンボルと比べて低い電力で送信されると想定して受信処理を行うように制御してもよい。
【0167】
また、制御部401は、上り制御チャネルが2シンボル以上で構成される場合に、上り制御チャネルのシンボルの少なくとも一部を、上り制御チャネルの他のシンボルと比べて低い電力で送信するように制御してもよい。
【0168】
制御部401は、低い電力で送信されるデータチャネルの時間区間では、その他の時間区間(例えば、その他のデータチャネルの時間区間)よりも低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号(例えば、データ信号、参照信号、制御信号)が送信されると想定して受信処理を行うように制御してもよいし、低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号を送信するように制御してもよい。
【0169】
制御部401は、低い電力で送信される制御チャネルの時間区間では、その他の時間区間(例えば、その他のデータチャネルの時間区間)よりも低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号(例えば、制御信号、参照信号)が送信されると想定して受信処理を行うように制御してもよいし、低い変調次数の変調方式及び/又は低いMIMOレイヤ数で信号を送信するように制御してもよい。
【0170】
また、制御部401は、無線基地局10から通知された各種情報を受信信号処理部404から取得した場合、当該情報に基づいて制御に用いるパラメータを更新してもよい。
【0171】
制御部401は、ベースバンド信号処理部204によるデジタルBF(例えば、プリコーディング)及び/又は送受信部203によるアナログBF(例えば、位相回転)を用いて、送信ビーム及び/又は受信ビームを形成するように制御してもよい。
【0172】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0173】
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報やチャネル状態情報(CSI)に関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
【0174】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0175】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0176】
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、ブロードキャスト情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0177】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。例えば、測定部405は、無線基地局10から送信されたビーム形成用RSを用いて測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0178】
測定部405は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、受信SINR)やチャネル状態などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0179】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0180】
例えば、本発明の一実施形態における無線基地局、ユーザ端末などは、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図20は、本発明の一実施形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0181】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0182】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
【0183】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0184】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0185】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0186】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0187】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0188】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0189】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0190】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0191】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0192】
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0193】
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)で構成されてもよい。
【0194】
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
【0195】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であってもよいし、スケジューリングやリンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。
【0196】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレームなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレームなどと呼ばれてもよい。
【0197】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0198】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0199】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0200】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
【0201】
本明細書においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0202】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0203】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0204】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0205】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0206】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
【0207】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0208】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0209】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0210】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波など)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0211】
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0212】
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0213】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0214】
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0215】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0216】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」などの文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0217】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
【0218】
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0219】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0220】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0221】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0222】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0223】
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0224】
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0225】
本明細書又は特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0226】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0227】
本出願は、2016年5月2日出願の特願2016−092682に基づく。この内容は、全てここに含めておく。
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