特許第6961591号(P6961591)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961591端末、無線通信方法、基地局及び無線通信システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961591
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法、基地局及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/08 20090101AFI20211025BHJP
   H04W 28/06 20090101ALI20211025BHJP
【FI】
   H04W74/08
   H04W28/06
【請求項の数】8
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2018-527683(P2018-527683)
(86)(22)【出願日】2017年7月14日
(86)【国際出願番号】JP2017025736
(87)【国際公開番号】WO2018012618
(87)【国際公開日】20180118
【審査請求日】2020年7月10日
(31)【優先権主張番号】特願2016-140715(P2016-140715)
(32)【優先日】2016年7月15日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【弁理士】
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】武田 和晃
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
【審査官】 石田 昌敏
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/119832(WO,A1)
【文献】 NTT DOCOMO, INC.,Initial views on numerology for NR access technology,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #84bis R1-163113,3GPP,2016年04月15日,第1頁,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-163113.zip
【文献】 NTT DOCOMO, INC.,Overview of eMBB opration for NR access technology,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #84bis R1-163105,3GPP,2016年04月15日,第1頁,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_84b/Docs/R1-163105.zip
【文献】 NTT DOCOMO, INC.,Design for RACH Procedure for NR,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86 R1-167378,3GPP,2016年08月26日,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_1383/Docs/R1-167378.zip
【文献】 NTT DOCOMO, INC.,Design for RACH preamble for NR,3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86 R1-167377,3GPP,2016年08月26日,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_1382/Docs/R1-167377.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
IEEE 802.11x
IEEE 802.16x
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルにおけるランダムアクセス手順を制御する制御部と、
第1のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルと第2のサブキャリア間隔を適用するULデータチャネルとを送信する送信部と、
前記第1のサブキャリア間隔を示す第1の情報と前記第2のサブキャリア間隔を示す第2の情報とを上位レイヤシグナリングにより受信する受信部と、を有し、
前記制御部は、前記第1の情報により前記第1のサブキャリア間隔を決定し、前記第2の情報により、前記第1のサブキャリア間隔とは独立に、前記第2のサブキャリア間隔を決定することを特徴とする端末。
【請求項2】
前記送信部は、前記所定のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルを繰り返し送信することを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記第1のサブキャリア間隔が1.25kHzで系列数が839個のランダムアクセスプリアンブル及び前記第1のサブキャリア間隔が5kHzで系列数が839個のランダムアクセスプリアンブルの送信をサポートすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記制御部は、所定条件に基づいてサブキャリア間隔に関連付けられたランダムアクセスプリアンブルを選択することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の端末。
【請求項5】
前記送信部は、あらかじめ設定された帯域幅を利用して前記ランダムアクセスプリアンブルを送信することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の端末。
【請求項6】
セルにおけるランダムアクセス手順を制御する工程と、
第1のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルと第2のサブキャリア間隔を適用するULデータチャネルとを送信する工程と、
前記第1のサブキャリア間隔を示す第1の情報と前記第2のサブキャリア間隔を示す第2の情報とを上位レイヤシグナリングにより受信する工程と、を有し、
前記第1の情報により前記第1のサブキャリア間隔を決定し、前記第2の情報により、前記第1のサブキャリア間隔とは独立に、前記第2のサブキャリア間隔を決定することを特徴とする端末の無線通信方法。
【請求項7】
セルにおけるランダムアクセス手順を制御する制御部と、
第1のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルと第2のサブキャリア間隔を適用するULデータチャネルとを受信する受信部と、
前記第1のサブキャリア間隔を示す第1の情報と前記第2のサブキャリア間隔を示す第2の情報とを上位レイヤシグナリングにより送信する送信部と、を有し、
前記制御部は、前記第1の情報により前記第1のサブキャリア間隔を決定し、前記第2の情報により、前記第1のサブキャリア間隔とは独立に、前記第2のサブキャリア間隔を決定することを特徴とする基地局。
【請求項8】
端末と基地局を有する無線通信システムであって、
前記端末は、
セルにおけるランダムアクセス手順を制御する端末制御部と、
第1のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルと第2のサブキャリア間隔を適用するULデータチャネルとを送信する端末送信部と、
前記第1のサブキャリア間隔を示す第1の情報と前記第2のサブキャリア間隔を示す第2の情報とを上位レイヤシグナリングにより受信する端末受信部と、を有し、
前記端末制御部は、前記第1の情報により前記第1のサブキャリア間隔を決定し、前記第2の情報により、前記第1のサブキャリア間隔とは独立に、前記第2のサブキャリア間隔を決定することを特徴とし、
前記基地局は、
セルにおけるランダムアクセス手順を制御する基地局制御部と、
第1のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルと第2のサブキャリア間隔を適用するULデータチャネルとを受信する基地局受信部と、
前記第1のサブキャリア間隔を示す第1の情報と前記第2のサブキャリア間隔を示す第2の情報とを上位レイヤシグナリングにより送信する基地局送信部と、を有し、
前記基地局制御部は、前記第1の情報により前記第1のサブキャリア間隔を決定し、前記第2の情報により、前記第1のサブキャリア間隔とは独立に、前記第2のサブキャリア間隔を決定することを特徴とする無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、次世代移動通信システムにおける無線通信方法、基地局及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、さらなる高速データレート、低遅延等を目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTEからの更なる広帯域化及び高速化を目的として、LTEの後継システム(例えば、LTE−A(LTE-Advanced)、FRA(Future Radio Access)、4G、5G、5G+(plus)、NR(New RAT)、LTE Rel.14、15〜、等ともいう)も検討されている。
【0003】
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.8−13)では、無線基地局とユーザ端末との間でUL同期が確立されている場合に、ユーザ端末からのULデータの送信が可能となる。このため、既存のLTEシステムでは、UL同期を確立するためのランダムアクセス手順(RACH手順:Random Access Channel Procedure、アクセス手順ともいう)がサポートされている。
【0004】
ランダムアクセス手順において、ユーザ端末は、ランダムに選択されるプリアンブル(ランダムアクセスプリアンブル)に対する無線基地局からの応答(ランダムアクセスレスポンス)によりULの送信タイミングに関する情報(タイミングアドバンス(TA:Timing Advance))を取得し、当該TAに基づいてUL同期を確立する。
【0005】
ユーザ端末は、UL同期の確立後、無線基地局からの下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)(ULグラント)を受信してから、ULグラントにより割り当てられるULリソースを用いて、ULデータを送信する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS 36.300 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2”
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
将来の無線通信システム(例えば、5G、NR等)では、高速で大容量の通信(eMBB:enhanced Mobile Broad Band)、IoT(Internet of Things)デバイスもしくはMTC(Machine Type Communication)等の機器間通信(M2M:Machine-to-Machine)デバイスからの大量接続(massive MTC)、または低遅延で高信頼の通信(URLLC:Ultra-reliable and Low Latency Communication)等、多様なサービスを単一のフレームワークで収容することが要求される。
【0008】
このように、将来の無線通信システムでは、遅延削減に対する要求が異なる複数のサービスが混在することが想定される。そこで、将来の無線通信システムでは、ニューメロロジー(numerology)が異なる複数のユーザ端末を収容すること(マルチニューメロロジー等ともいう)が望まれる。ここで、ニューメロロジーとは、周波数方向と時間方向の両方、またはいずれか一方における通信パラメータ(例えば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、CP(Cyclic Prefix)長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、フィルタリング処理、ウィンドウイング処理等の少なくとも1つ)を指す。
【0009】
ニューメロロジーが異なる複数のユーザ端末を収容する将来の無線通信システムにおいて、ランダムアクセス手順をどのように制御するかが問題となる。例えば、ユーザ端末が送信するランダムアクセスプリアンブルの構成をどのように設定するかは未だ決まっておらず、利用するニューメロロジーに好適な構成とすることが望まれる。
【0010】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、将来の無線通信システムにおいてランダムアクセス手順(例えば、ランダムアクセスプリアンブル送信)を好適に実施することができる無線通信方法、基地局及び無線通信システムを提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様に係る端末は、セルにおけるランダムアクセス手順を制御する制御部と、第1のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルと第2のサブキャリア間隔を適用するULデータチャネルとを送信する送信部と、前記第1のサブキャリア間隔を示す第1の情報と前記第2のサブキャリア間隔を示す第2の情報とを上位レイヤシグナリングにより受信する受信部と、を有し、前記制御部は、前記第1の情報により前記第1のサブキャリア間隔を決定し、前記第2の情報により、前記第1のサブキャリア間隔とは独立に、前記第2のサブキャリア間隔を決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、将来の無線通信システムにおいてランダムアクセス手順(例えば、ランダムアクセスプリアンブル送信)を好適に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】衝突型ランダムアクセス手順の一例を示す図である。
図2】プリアンブルフォーマットの一例を示す図である。
図3図3A及び図3Bは、サブキャリア間隔が異なるランダムアクセスプリアンブルの一例を示す図である。
図4図4A図4Cは、ランダムアクセスプリアンブルの一例を示す図である。
図5】ランダムアクセスプリアンブルの多重例を示す図である。
図6】本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成図である。
図7】本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。
図8】本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
図9】本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。
図10】本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
図11】本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.8−13)では、UL同期を確立するためのランダムアクセス手順がサポートされている。ランダムアクセス手順には、衝突型ランダムアクセス(CBRA:Contention-Based Random Access等ともいう)と非衝突型ランダムアクセス(Non−CBRA、コンテンションフリーランダムアクセス(CFRA:Contention-Free Random Access)等ともいう)とが含まれる。
【0015】
衝突型ランダムアクセス(CBRA)では、ユーザ端末は、各セルに定められる複数のプリアンブル(ランダムアクセスプリアンブル、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、RACHプリアンブル等ともいう)からランダムに選択したプリアンブルを送信する。また、衝突型ランダムアクセスは、ユーザ端末主導のランダムアクセス手順であり、例えば、初期アクセス時、UL送信の開始又は再開時等に用いることができる。
【0016】
一方、非衝突型ランダムアクセス(Non−CBRA、CFRA:Contention-Free Random Access)では、無線基地局は、下りリンク(DL)制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel、EPDCCH:Enhanced PDCCH等)によりプリアンブルをユーザ端末固有に割り当て、ユーザ端末は、無線基地局から割り当てられたプリアンブルを送信する。非衝突型ランダムアクセスは、ネットワーク主導のランダムアクセス手順であり、例えば、ハンドオーバ時、DL送信の開始又は再開時(DL用再送指示情報のULにおける送信の開始又は再開時)等に用いることができる。
【0017】
図1は、衝突型ランダムアクセスの一例を示す図である。図1において、ユーザ端末は、システム情報(例えば、MIB(Mater Information Block)及び/又はSIB(System Information Block))や上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)により、ランダムアクセスチャネル(PRACH)の構成(PRACH configuration、RACH configuration)を示す情報(PRACH構成情報)を予め受信する。
【0018】
当該PRACH構成情報は、例えば、各セルに定められる複数のプリアンブル(例えば、プリアンブルフォーマット)、PRACH送信に用いられる時間リソース(例えば、システムフレーム番号、サブフレーム番号)及び周波数リソース(例えば、6リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)の開始位置を示すオフセット(prach-FrequencyOffset))等を示すことができる。
【0019】
図1に示すように、ユーザ端末は、アイドル(RRC_IDLE)状態からRRC接続(RRC_CONNECTED)状態に遷移する場合(例えば、初期アクセス時)、RRC接続状態であるがUL同期が確立されていない場合(例えば、UL送信の開始又は再開時)等において、PRACH構成情報が示す複数のプリアンブルの一つをランダムに選択し、選択されたプリアンブルをPRACHにより送信する(メッセージ1)。
【0020】
無線基地局は、プリアンブルを検出すると、その応答としてランダムアクセスレスポンス(RAR:Random Access Response)を送信する(メッセージ2)。ユーザ端末は、プリアンブルの送信後、所定期間(RAR window)内にRARの受信に失敗する場合、PRACHの送信電力を上げてプリアンブルを再度送信(再送)する。なお、再送時に送信電力を増加させることは、パワーランピングとも呼ばれる。
【0021】
RARを受信したユーザ端末は、RARに含まれるタイミングアドバンス(TA)に基づいて、ULの送信タイミングを調整し、ULの同期を確立する。また、ユーザ端末は、RARに含まれるULグラントが指定するULリソースで、上位レイヤ(L2/L3:Layer 2/Layer 3)の制御メッセージを送信する(メッセージ3)。当該制御メッセージには、ユーザ端末の識別子(UE−ID)が含まれる。当該ユーザ端末の識別子は、例えば、RRC接続状態であればC−RNTI(Cell-Radio Network Temporary Identifier)であってもよいし、又は、アイドル状態であればS−TMSI(System Architecture Evolution-Temporary Mobile Subscriber Identity)等上位レイヤのUE−IDであってもよい。
【0022】
無線基地局は、上位レイヤの制御メッセージに応じて、衝突解決用メッセージを送信する(メッセージ4)。当該衝突解決用メッセージは、上記制御メッセージに含まれるユーザ端末の識別子宛に基づいて送信される。衝突解決用メッセージの検出に成功したユーザ端末は、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)における肯定応答(ACK:Acknowledge)を無線基地局に送信する。これにより、アイドル状態のユーザ端末はRRC接続状態に遷移する。
【0023】
一方、当該衝突解決用メッセージの検出に失敗したユーザ端末は、衝突が発生したと判断し、プリアンブルを再選択し、メッセージ1から4のランダムアクセス手順を繰り返す。無線基地局は、ユーザ端末からのACKにより衝突が解決されたことを検出すると、当該ユーザ端末に対して、ULグラントを送信する。ユーザ端末は、ULグラントにより割り当てられるULリソースを用いてULデータを開始する。
【0024】
以上のような衝突型ランダムアクセスでは、ユーザ端末が、ULデータの送信を望む場合に、自発的(autonomous)にランダムアクセス手順を開始できる。また、UL同期が確立されてから、ULグラントによりユーザ端末固有に割り当てられるULリソースを用いてULデータが送信されるため、信頼性の高いUL送信が可能となる。
【0025】
上述したランダムアクセス手順において、ユーザ端末が送信するランダムアクセスプリアンブル(PRACH)は、サイクリックプリフィックス(CP:Cyclic Prefix)区間、プリアンブル区間およびガードタイム(GT:Guard Time)区間で構成される。また、ユーザ端末がランダムアクセスプリアンブルの送信に利用可能な4つのプリアンブルフォーマット(Preamble format)が規定されている。
【0026】
図2に示すように、プリアンブルフォーマット0は、1[ms]のTTI長を有し、102.6[μs]のCP区間、800[μs]のプリアンブル区間および97.4[μs]のGT区間を有し、最大15[km]のカバレッジを有する。プリアンブルフォーマット1は、2[ms]または3[ms]のTTI長を有し、684[μs]のCP区間、800[μs]のプリアンブル区間および516[μs]のGT区間を有し、TTI長が2[ms]の場合は最大77[km]のカバレッジを有し、TTI長が3[ms]の場合は最大100[km]のカバレッジを有する。プリアンブルフォーマット2は、2[ms]のTTI長を有し、202.6[μs]のCP区間、2×800[μs]のプリアンブル区間および197.4[μs]のGT区間を有し、最大30[km]のカバレッジを有する。プリアンブルフォーマット3は、3[ms]のTTI長を有し、684[μs]のCP区間、2×800[μs]のプリアンブル区間および716[μs]のGT区間を有し、最大100[km]のカバレッジを有する。
【0027】
また、既存のLTEシステムでは、ランダムアクセスプリアンブルのサブキャリア間隔(SC spacing)は、プリアンブルフォーマット0−3において1.25kHzと定義されている。
【0028】
ところで、将来の無線通信システムの無線アクセス方式(5G RAT)では、幅広い周波数帯や、要求条件が異なる多様なサービスに対応するため、複数のニューメロロジーが導入されること(マルチニューメロロジーともいう)が想定される。ここで、ニューメロロジーとは、周波数方向と時間方向の両方、またはいずれか一方における通信パラメータ(無線パラメータ)のセットを指す。通信パラメータのセットには、たとえば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、CP長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、フィルタリング処理、ウィンドウイング処理等の少なくとも1つが含まれていてもよい。
【0029】
「ニューメロロジーが異なる」とは、たとえば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、CP長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成等の少なくとも1つがニューメロロジー間で異なることを示すが、これに限られない。
【0030】
マルチニューメロロジーをサポートする将来の無線通信システムでは、同一キャリア又は異なるキャリアにおいて異なるニューメロロジーを適用して通信を行うことが想定される。この場合、マルチニューメロロジーをサポートする将来の無線通信システムにおいて、上述したランダムアクセス手順をどのように制御するかが問題となる。例えば、ユーザ端末が送信するランダムアクセスプリアンブルの構成をどのように設定するかは未だ決まっておらず、利用するニューメロロジーに好適な構成とすることが望まれる。
【0031】
図3A図3Bは、サブキャリア間隔が異なるランダムアクセスプリアンブルの一例を示す図である。図3Aに示すランダムアクセスプリアンブル(例えば、系列数が839個)は、帯域幅が1.04MHzである。これは、サブキャリア間隔1.25kHzであるサブキャリア839個分に相当する。また、このランダムアクセスプリアンブルにおいては、プリアンブル長が800μsである。
【0032】
一方、図3Bに示すランダムアクセスプリアンブルは、帯域幅が4.195MHzである。これは、サブキャリア間隔5kHzであるサブキャリア839個分に相当する。また、このランダムアクセスプリアンブルにおいては、プリアンブル長が200μsである。図3Bに示すランダムアクセスプリアンブルの帯域幅(サブキャリア間隔)は、図3Aに示すランダムアクセスプリアンブルの帯域幅(サブキャリア間隔)の約4倍である。また、図3Bに示すランダムアクセスプリアンブルのプリアンブル長は、図3Aに示すランダムアクセスプリアンブルのプリアンブル長の1/4である。このように、サブキャリア間隔とプリアンブル長とは互いに逆数の関係にある。なお、ランダムアクセスプリアンブルの帯域幅、サブキャリア間隔、プリアンブル長については図3A図3Bに示す例に限定されず、適宜設定することができる。
【0033】
帯域幅は、タイミング精度(タイミングオフセット推定精度)に影響する。また、サブキャリア間隔および帯域幅は、キャパシティや衝突可能性に影響する。例えば、サブキャリア間隔が広くなると、ユーザ端末の移動時のドップラー・シフトによるチャネル間干渉や、ユーザ端末の受信機の位相雑音による伝送品質劣化を効果的に防止できる。特に、数十GHzなどの高周波数帯においては、サブキャリア間隔を広げることにより、伝送品質の劣化を効果的に防止できる。
【0034】
このため、サブキャリア間隔が広い図3Bに示すニューメロロジーは、高周波数帯の通信に適する。また、サブキャリア間隔を広げることにより、高速移動に対する耐性も強くなるので、サブキャリア間隔が広い図3Bに示すニューメロロジーは、高速移動に適する。
【0035】
プリアンブル長は、SNR(Signal Noise Ratio)およびセル半径に影響する。例えば、比較的低いキャリア周波数(例えば、6GHz帯以下)においてはカバレッジを確保を優先し、既存のLTEと同様のサブキャリア間隔が狭い図3Aに示すニューメロロジーが適する。
【0036】
一方、高いキャリア周波数(6GHz〜100GHz)においては、広い帯域幅を利用できることと、位相雑音等への耐性を考慮して、サブキャリア間隔を大きくして、TTI長を大きくすることが考えられる。プリアンブルにおいても同様に、サブキャリア間隔を大きくしてプリアンブル長が短い図3Bに示すニューメロロジーが適すると考えられる。このニューメロロジーは、大量のアンテナ素子を利用する大規模MIMO(Massive Multiple-Input and Multiple-output)にも好適である。また、URLLC(Ultra-reliable and low latency communication)では、データ量が小さいが遅延削減が要求される。このような遅延についての要求条件が厳しいサービスにも適していると考えられる。また、別の例として、高速移動環境下においては、ドップラー周波数への高い耐性が求められることから、このようなTTI長の短いニューメロロジーが適する。
【0037】
また、図3Aに示すニューメロロジーによれば、プリアンブルの全体長が増加するため、プリアンブルの全体長に占めるCP長の比率が一定である場合でも、CP長を長くすることができる。これにより、通信路におけるマルチパスフェージングに対して、より強い(ロバストな)無線通信が可能となる。
【0038】
また、ユーザ端末が用いるニューメロロジーは、RRC(Radio Resource Control)シグナリングやブロードキャスト情報などの上位レイヤシグナリングなどにより準静的に設定されてもよいし、物理レイヤ制御情報(L1/L2制御チャネル)により動的に変更されてもよい。或いは、上位レイヤシグナリング及び物理レイヤ制御情報の組み合わせにより変更されてもよい。また、ニューメロロジーに加えて、複数のプリアンブルの系列や系列長を定義し、UEに設定されても良い。
【0039】
このように、本発明者等は、通信環境(例えば、キャリア周波数、サービスタイプ、移動速度など)等においてランダムアクセスプリアンブルに適するサブキャリア間隔等の構成(ニューメロロジー)が異なる点に着目し、他の物理チャネルのニューメロロジーとは異なり得る複数のサブキャリア間隔等をサポートするランダムアクセスプリアンブルを定義することを着想した。例えば、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルを定義し、ユーザ端末がいずれかのサブキャリア間隔を有するランダムアクセスプリアンブルを送信する。
【0040】
すなわち、本発明の一態様に係るユーザ端末は、所定のニューメロロジーを適用するセルと通信するユーザ端末であって、セルにおけるランダムアクセス手順を制御し、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルから所定のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルを送信する。
【0041】
このように、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルを定義しておくことにより、将来の無線通信システムにおいてランダムアクセス手順(例えば、ランダムアクセスプリアンブル送信)を好適に実施することができる。
【0042】
ここで、ユーザ端末が送信するランダムアクセスプリアンブル(PRACH)は、サイクリックプリフィックス(CP:Cyclic Prefix)区間、プリアンブル区間およびガードタイム(GT:Guard Time)区間で構成される。また、ランダムアクセスプリアンブルは、少なくともサブキャリア間隔とプリアンブルシンボルの繰り返し数により、そのコンフィギュレーションが構成される。すなわち、上記一態様においては、所定のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルを繰り返し送信してもよい。これにより、SNRを高くすることができる。
【0043】
なお、ニューメロロジーに対応したランダムアクセスプリアンブルについては、プリアンブルフォーマットが規定される。このニューメロロジーに対応したランダムアクセスプリアンブルのプリアンブルフォーマットについても本発明に含めておく。
【0044】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施の形態に係るランダムアクセス手順では、衝突型衝突型ランダムアクセスと非衝突型衝突型ランダムアクセスに対して適用することができる。
【0045】
(第1の態様)
第1の態様では、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルを設定する際に、所定値(例えば、1.25kHz)の倍数の複数のサブキャリア間隔を用いる。第1の態様においては、ランダムアクセスプリアンブルのサブキャリア間隔をULデータチャネルに適用するサブキャリア間隔と独立に設定することができる。これにより、時間誤差推定を適切に行うことができる。
【0046】
第1の態様においては、LTEシステムと同様に、1.25kHzのサブキャリア間隔を基に複数のサブキャリア間隔を設定することができる。例えば、1.25kHz、2.5kHz、5kHz、10kHz、20kHz、40kHz…。このように倍数を2のべき乗に設定することにより、LTEシステムの拡張を容易にすることができる。また、要求条件に応じてユーザ端末がLTEシステムのランダムアクセスプリアンブルと同じサブキャリア間隔を選択することも可能となる。
【0047】
(第2の態様)
第2の態様では、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルを設定する際に、既存のLTEシステムのランダムアクセスプリアンブルと異なるサブキャリア間隔(例えば、15kHz)の倍数の複数のサブキャリア間隔を用いる。
【0048】
第2の態様においては、データチャネルと同様に、15kHzのサブキャリア間隔を基に複数のサブキャリア間隔を設定することができる。例えば、3.75kHz、15kHz、30kHz、60kHz、120kHz…。このように設定することにより、その他の物理チャネルと同様のサブキャリア間隔を設定することで、異なるチャネル間でガードバンドを省略することができる。
【0049】
第1の態様および第2の態様において、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルを設定しておき、所定条件に基づいてサブキャリア間隔に関連付けられたランダムアクセスプリアンブルを選択してもよい。ここで、所定条件としては、ニューメロロジーの種別、SNR、移動速度等が挙げられる。このように、所定条件に基づいて複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルから特定のサブキャリア間隔のランダムアクセスプリアンブルを選択することにより、要求条件等に応じて適切なランダムアクセスプリアンブルを送信することができる。その結果、ランダムアクセス手順を好適に行うことが可能となる。
【0050】
また、第1の態様および第2の態様において、ランダムアクセスプリアンブルは、あらかじめ定義された帯域幅(一つ又は複数)が設定されてもよい。これにより、ユーザ端末は、時間誤差推定などの要求条件に応じて適切なランダムアクセスプリアンブルを送信することができる。
【0051】
また、第1の態様および第2の態様において、上述したように、ランダムアクセスプリアンブルは、少なくともサブキャリア間隔とプリアンブルシンボルの繰り返し数により設定される。例えば、図4Aに示すように、ランダムアクセスプリアンブルを、サブキャリア間隔15kHz67個分の帯域幅(約1MHz)で構成することができる。また、この場合、ランダムアクセスプリアンブルを繰り返し送信することが好ましい。
【0052】
この場合、プリアンブル長66μsのシンボルの繰り返しで構成されるランダムアクセスプリアンブルにおいて、アナログビームフォーミング(RF変換後にビーム形成するビームフォーミング方法)を適用し、シンボル毎にビームの向きを走査してもよい(ビーム走査)。これにより、SNRを高くすることができる。
【0053】
一方、図4Bに示すように、ランダムアクセルプリアンブルを、サブキャリア間隔3.75kHz277個分の帯域幅(約1MHz)で構成することができる。この場合、プリアンブル長267μsのシンボルの繰り返しで構成されるランダムアクセスプリアンブルにおいては、アナログビームフォーミングの適用は適していないので、シンボル合成によりSNRを高くすることが好ましい。なお、ランダムアクセスプリアンブルについては、図4A図4Bに示す例に限定されず、適宜設定することができる。
【0054】
また、ビームの向きを走査する場合、図4Cに示すように,プリアンブル毎にCPとGTを付加し、最適なビームと括りついたプリアンブルのみを用いて送信しても良い。ここで、最適なビームは、下りの同期信号(SS)やビーム検出用の参照信号(BRS)等を用いて予め測定することができる。図4Cの構成では、図4Aのようにプリアンブルを繰り返し送信する場合に比較して,不要なプリアンブルの送信を停止することが出来る。
【0055】
本発明の一態様においては、図5に示すように、異なるサブキャリア間隔を有する複数のランダムアクセスプリアンブルを時間多重または周波数多重することができる。例えば、図5においては、帯域幅約1MHz、サブキャリア間隔15kHz、シンボル長66.7μs、繰り返し数4のランダムアクセスプリアンブルAと、帯域幅約1MHz、サブキャリア間隔3.75kHz、シンボル長267μs、繰り返しなしのランダムアクセスプリアンブルBと、帯域幅約2MHz、サブキャリア間隔15kHz、シンボル長66.7μs、繰り返し数4のランダムアクセスプリアンブルCと、を多重する場合を示している。
【0056】
図5においては、ランダムアクセスプリアンブルAとランダムアクセスプリアンブルBが時間多重しており、ランダムアクセスプリアンブルA、BとランダムアクセスプリアンブルCが時間及び周波数多重している。このように、複数のランダムアクセスプリアンブルを時間多重及び/又は周波数多重することにより、異なる構成のランダムアクセスプリアンブルを送信するユーザ端末間で衝突することを抑制することができる。なお、ランダムアクセスプリアンブルの多重については、図5に示す例に限定されず、適宜設定することができる。
【0057】
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記各態様に係る無線通信方法が適用される。なお、上記各態様に係る無線通信方法は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。
【0058】
図6は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。なお、無線通信システム1は、SUPER 3G、LTE−A(LTE−Advanced)、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、NR(New Rat)等と呼ばれても良い。
【0059】
図6に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12a〜12cとを備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。セル間で異なるニューメロロジーが適用される構成としてもよい。なお、ニューメロロジーとは、あるRATにおける信号のデザインや、RATのデザインを特徴付ける通信パラメータのセットのことをいう。
【0060】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、CA又はDCにより同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、2個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用することができる。また、ユーザ端末は、複数のセルとしてライセンスバンドCCとアンライセンスバンドCCを利用することができる。なお、複数のセルのいずれかに短縮TTIを適用するTDDキャリアが含まれる構成とすることができる。
【0061】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrier等と呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHz、30〜70GHz等)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0062】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線接続(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース等)又は無線接続する構成とすることができる。
【0063】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0064】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、等と呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイント等と呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0065】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE−A等の各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでもよい。
【0066】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンク(DL)にOFDMA(直交周波数分割多元接続)が適用でき、上りリンク(UL)にSC−FDMA(シングルキャリア−周波数分割多元接続)が適用できる。OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC−FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックからなる帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限られず、ULでOFDMAが用いられてもよい。
【0067】
無線通信システム1では、DLチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるDLデータチャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel、DL共有チャネル等ともいう)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、L1/L2制御チャネル等が用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)等が伝送される。また、PBCHにより、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0068】
L1/L2制御チャネルは、DL制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)等を含む。PDCCHにより、PDSCH及びPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)等が伝送される。PCFICHにより、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。EPDCCHは、PDSCHと周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCI等の伝送に用いられる。PHICH、PDCCH、EPDCCHの少なくとも一つにより、PUSCHに対するHARQの再送指示情報(ACK/NACK)を伝送できる。
【0069】
無線通信システム1では、ULチャネルとして、各ユーザ端末20で共有されるULデータチャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel、UL共有チャネル等ともいう)、UL制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)等が用いられる。PUSCHにより、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報が伝送される。再送指示情報(ACK/NACK)やチャネル状態情報(CSI)等の少なくとも一つを含む上り制御情報(UCI:Uplink Control Information)は、PUSCH又はPUCCHにより、伝送される。PRACHにより、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルを伝送できる。
【0070】
<無線基地局>
図7は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。この無線基地局においては、所定のニューメロロジーを適用する。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0071】
無線基地局10からユーザ端末20に送信されるDLデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0072】
ベースバンド信号処理部104では、DLデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御等のRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理等の送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、DL制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0073】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102により増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0074】
一方、UL信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅されたUL信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0075】
ベースバンド信号処理部104では、入力されたUL信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放等の呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
【0076】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0077】
なお、送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ101は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。
【0078】
なお、送受信部103は、DL信号(例えば、DL制御信号(DL制御チャネル)、DLデータ信号(DLデータチャネル、DL共有チャネル)、DL参照信号(DM−RS、CSI−RS等)、ディスカバリ信号、同期信号、ブロードキャスト信号等)を送信し、UL信号(例えば、UL制御信号(UL制御チャネル)、ULデータ信号(ULデータチャネル、UL共有チャネル)、UL参照信号等)を受信する。
【0079】
具体的には、本発明の一態様においては、送受信部103は、ユーザ端末が用いるニューメロロジーに関する情報を送信する。例えば、送受信部103は、ユーザ端末が用いるランダムアクセスプリアンブルの情報を送信する。このランダムアクセスプリアンブルの情報としては、例えば、プリアンブルフォーマットのフォーマットを特定するビット情報、サブキャリア間隔を示す情報、繰り返し数を示す情報等が挙げられる。
【0080】
また、送受信部103は、ランダムアクセス時に、ユーザ端末20に、メッセージ2、メッセージ4、ULグラント等を送信する。また、送受信部103は、ランダムアクセス時に、ユーザ端末20からランダムアクセスプリアンブル、メッセージ3、ACK等を受信する。この場合、ランダムアクセスプリアンブルの情報は、RRC(Radio Resource Control)シグナリングやブロードキャスト情報などの上位レイヤシグナリングなどにより準静的に設定されてもよいし、物理レイヤ制御情報(L1/L2制御チャネル)により動的に変更されてもよい。或いは、上位レイヤシグナリング及び物理レイヤ制御情報の組み合わせにより変更されてもよい。
【0081】
また、送受信部103は、パラメータが異なる複数の衝突型リソース領域の設定情報を、システム情報、上位レイヤシグナリング、DL制御チャネルの少なくとも一つにより送信する。当該設定情報には、上記時間リソースの数、周波数リソースの数、繰り返し数に関するパラメータ、送信処理に関するパラメータ、周波数ホッピングに関するパラメータ、リソースグループの識別情報、時間及び/又は周波数位置に関するパラメータ、ニューメロロジー、再送制御に関するパラメータの少なくとも一つが、衝突型リソース領域毎に含まれてもよい。
【0082】
本発明の送信部及び受信部は、送受信部103及び/又は伝送路インターフェース106により構成される。
【0083】
図8は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、図8では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図8に示すように、ベースバンド信号処理部104は、制御部301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。
【0084】
制御部301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0085】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302による信号の生成や、マッピング部303による信号の割り当てを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304による信号の受信処理や、測定部305による信号の測定を制御する。
【0086】
制御部301は、DL信号及び/又はUL信号のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。具体的には、制御部301は、DLデータチャネルのスケジューリング情報を含むDCI(DLアサインメント)、ULデータチャネルのスケジューリング情報を含むDCI(ULグラント)を生成及び送信するように、送信信号生成部302、マッピング部303、送受信部103を制御する。
【0087】
制御部301は、ランダムアクセス手順を制御する。すなわち、制御部301は、図1に示すランダムアクセス手順を制御する。
【0088】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号(DL制御チャネル、DLデータチャネル、DM−RS等のDL参照信号等)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0089】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成されたDL信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0090】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信されるUL信号(UL制御チャネル、ULデータチャネル、UL参照信号等)である。受信信号処理部304は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0091】
受信信号処理部304は、受信処理により復号された情報を制御部301に出力する。例えば、受信処理部304は、制御情報、ULデータの少なくとも一つを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0092】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0093】
測定部305は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality))やチャネル状態等について測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0094】
<ユーザ端末>
図9は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0095】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅されたDL信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0096】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理等を行う。DLデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理等を行う。また、DLデータのうち、システム情報や上位レイヤ制御情報もアプリケーション部205に転送される。
【0097】
一方、ULデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)や、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理等が行われて送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202により増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0098】
なお、送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ201は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。
【0099】
送受信部203は、DL信号(例えば、DL制御信号(DL制御チャネル)、DLデータ信号(DLデータチャネル、DL共有チャネル)、DL参照信号(DM−RS、CSI−RS等)、ディスカバリ信号、同期信号、報知信号等)を受信し、UL信号(例えば、UL制御信号(UL制御チャネル)、ULデータ信号(ULデータチャネル、UL共有チャネル)、UL参照信号等)を送信する。また、送受信部203は、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルから所定のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルを送信する。
【0100】
具体的には、本発明の一態様においては、送受信部203は、ユーザ端末が用いるニューメロロジーに関する情報を受信する。例えば、送受信部203は、ユーザ端末が用いるランダムアクセスプリアンブルの情報を受信する。このランダムアクセスプリアンブルの情報としては、例えば、プリアンブルフォーマットのフォーマットを特定するビット情報、サブキャリア間隔を示す情報、繰り返し数を示す情報等が挙げられる。また、送受信部203は、ランダムアクセス時に、ユーザ端末20からメッセージ2、メッセージ4、ULグラント等を受信する。また、送受信部203は、ランダムアクセス時に、ユーザ端末20に、ランダムアクセスプリアンブル、メッセージ3、ACK等を送信する。この場合、送受信部203は、ランダムアクセスプリアンブルを繰り返し送信してもよい。
【0101】
また、送受信部203は、パラメータが異なる複数の衝突型リソース領域の設定情報を、システム情報、上位レイヤシグナリング、DL制御チャネルの少なくとも一つにより受信する。当該設定情報には、上記時間リソースの数、周波数リソースの数、繰り返し数に関するパラメータ、送信処理に関するパラメータ、周波数ホッピングに関するパラメータ、プリアンブルに関するパラメータ、リソースグループの識別情報、時間及び/又は周波数位置に関するパラメータ、ニューメロロジー、再送制御に関するパラメータの少なくとも一つが、衝突型リソース領域毎に含まれてもよい。
【0102】
送受信部203は、図4Aに示すように、ランダムアクセスプリアンブルに対してシンボル毎にビームの指向性を変えるアナログビームフォーミングを適用する場合、信号に対するRF処理後にビームフォーミング処理を行う。
【0103】
図10は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、図10においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。図10に示すように、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。
【0104】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0105】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402による信号の生成や、マッピング部403による信号の割り当てを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404による信号の受信処理や、測定部405による信号の測定を制御する。
【0106】
制御部401は、無線基地局10から送信されたDL制御チャネル及びDLデータチャネルを、受信信号処理部404から取得する。具体的には、制御部401は、DL制御チャネルをブラインド復号してDCIを検出し、DCIに基づいてDLデータチャネルを受信するよう、送受信部203及び受信信号処理部404を制御する。また、制御部401は、DL参照信号に基づいてチャネル利得を推定し、推定されたチャネル利得に基づいて、DLデータチャネルを復調する。
【0107】
制御部401は、DLデータチャネルに対する再送制御の要否を判定した結果等に基づいて、UL制御チャネル又はULデータチャネルで送信される再送制御情報(例えば、HARQ−ACK等)の送信を制御してもよい。また、制御部401は、DL参照信号に基づいて生成されるチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)の送信を制御してもよい。
【0108】
制御部401は、本発明の一態様において、複数のサブキャリア間隔をサポートするランダムアクセスプリアンブルから所定のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルを選択する。この場合、制御部401は、ニューメロロジーの種別、SNR、移動速度等の所定条件に基づいて、所定のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルを選択する。具体的には、制御部401は、図3A及び図3Bに示すように、所定のサブキャリア間隔を適用するランダムアクセスプリアンブルを選択する。また、制御部401は、ランダムアクセスプリアンブルについて、あらかじめ定義された帯域幅を設定する。
【0109】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号(UL制御チャネル、ULデータチャネル、UL参照信号等)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0110】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいてULデータチャネルを生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知されるDL制御チャネルにULグラントが含まれている場合に、制御部401からULデータチャネルの生成を指示される。
【0111】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成されたUL信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0112】
マッピング部403は、図5に示すように、ランダムアクセスプリアンブルを無線リソースにマッピングする。具体的には、マッピング部403は、図5に示すように、ランダムアクセスプリアンブルを無線リソースに時間多重及び/又は周波数多重してマッピングする。
【0113】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号等)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信されるDL信号(DL制御チャネル、DLデータチャネル、DL参照信号等)である。受信信号処理部404は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本発明に係る受信部を構成することができる。
【0114】
受信信号処理部404は、制御部401の指示に基づいて、DLデータチャネルの送信及び/又は受信をスケジューリングするDL制御チャネルをブラインド復号し、当該DCIに基づいてDLデータチャネルの受信処理を行う。また、受信信号処理部404は、DM−RS又はCRSに基づいてチャネル利得を推定し、推定されたチャネル利得に基づいて、DLデータチャネルを復調する。
【0115】
受信信号処理部404は、受信処理により復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、報知情報、システム情報、RRCシグナリング、DCI等を、制御部401に出力する。受信信号処理部404は、データの復号結果を制御部401に出力してもよい。また、受信信号処理部404は、受信信号や、受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0116】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0117】
測定部405は、例えば、受信した信号の受信電力(例えば、RSRP)、DL受信品質(例えば、RSRQ)やチャネル状態等について測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0118】
<ハードウェア構成>
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0119】
例えば、本実施の形態における無線基地局、ユーザ端末等は、本発明の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図11は、本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の無線基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007等を含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0120】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。無線基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0121】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサで実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法で、1以上のプロセッサで実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。
【0122】
無線基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0123】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105等は、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0124】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データ等を、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0125】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0126】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD−ROM(Compact Disc ROM)等)、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0127】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュール等ともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び/又は時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザ等を含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106等は、通信装置1004で実現されてもよい。
【0128】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0129】
また、プロセッサ1001やメモリ1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0130】
また、無線基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0131】
(変形例)
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及び/又はシンボルは信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号等と呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数等と呼ばれてもよい。
【0132】
また、無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)で構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットで構成されてもよい。さらに、スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。
【0133】
無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレームやTTIは、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1−13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。
【0134】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、無線基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅や送信電力等)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)の送信時間単位であってもよいし、スケジューリングやリンクアダプテーション等の処理単位となってもよい。
【0135】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8−12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、又はロングサブフレーム等と呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、短縮サブフレーム、又はショートサブフレーム等と呼ばれてもよい。
【0136】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。なお、RBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、PRBペア、RBペア等と呼ばれてもよい。
【0137】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)で構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0138】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット及びシンボル等の構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、スロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長等の構成は、様々に変更することができる。
【0139】
また、本明細書で説明した情報、パラメータ等は、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスで指示されるものであってもよい。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なってもよい。
【0140】
本明細書においてパラメータ等に使用する名称は、いかなる点においても限定的なものではない。例えば、様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)等)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的なものではない。
【0141】
本明細書で説明した情報、信号等は、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップ等は、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0142】
また、情報、信号等は、上位レイヤから下位レイヤ、及び/又は下位レイヤから上位レイヤへ出力され得る。情報、信号等は、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0143】
入出力された情報、信号等は、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報、信号等は、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号等は、削除されてもよい。入力された情報、信号等は、他の装置へ送信されてもよい。
【0144】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)等)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0145】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)等と呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージ等であってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))で通知されてもよい。
【0146】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0147】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0148】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能等を意味するよう広く解釈されるべきである。
【0149】
また、ソフトウェア、命令、情報等は、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)等)及び/又は無線技術(赤外線、マイクロ波等)を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0150】
本明細書で使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0151】
本明細書では、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「eNB」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」及び「コンポーネントキャリア」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセル等の用語で呼ばれる場合もある。
【0152】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセル(セクタとも呼ばれる)を収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び/又は基地局サブシステムのカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0153】
本明細書では、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」及び「端末」という用語は、互換的に使用され得る。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)、送信ポイント、受信ポイント、フェムトセル、スモールセル等の用語で呼ばれる場合もある。
【0154】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0155】
また、本明細書における無線基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、無線基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間(D2D:Device-to-Device)の通信に置き換えた構成について、本発明の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の無線基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」や「下り」等の文言は、「サイド」と読み替えられてもよい。例えば、上りチャネルは、サイドチャネルと読み替えられてもよい。
【0156】
同様に、本明細書におけるユーザ端末は、無線基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を無線基地局10が有する構成としてもよい。
【0157】
本明細書において、基地局によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)から成るネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S−GW(Serving-Gateway)等が考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0158】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0159】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、LTE−B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New−RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0160】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0161】
本明細書で使用する「第1の」、「第2の」等の呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0162】
本明細書で使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)等を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)等を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)等を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0163】
本明細書で使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギー等の電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0164】
本明細書又は特許請求の範囲で「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0165】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0166】
本出願は、2016年7月15日出願の特願2016−140715に基づく。この内容は、全てここに含めておく。
図1
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図11