(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スリーブの前記消火領域は、前記消火領域が前記エアロゾル発生物品の前記熱源と整列するときに、前記エアロゾル発生物品の前記熱源と前記消火領域における前記スリーブの内部表面との間に0.2mm以下の隙間を提供するように構成される内径を画定する内部表面を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のホルダー。
前記スリーブは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、および高密度ポリエチレン(HDPE)のうちの1つ以上を含む材料から形成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のホルダー。
前記本体は、前記第2の端部の近位で、締まり嵌めを介して前記エアロゾル発生物品と係合してこれを保持するように構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のホルダー。
前記スリーブは、戻り止めを画定する内部表面を含み、前記本体は長手方向チャネルを画定する外部表面を含み、前記チャネルは前記戻り止めを受けるように構成される、請求項1〜7のいずれか1項に記載のホルダー。
前記本体の前記通路に受けられる管をさらに備え、前記管は第1の端部と第2の端部を有し、前記第1の端部は前記本体の前記第1の端部を越えて延び、前記管は、使用位置と取り出し位置との間で前記本体の前記通路内で摺動可能であり、前記管の前記第1の端部は、前記管が前記取り出し位置にあるときよりも前記管が前記使用位置にあるときに前記本体の前記第1の端部からさらに離れており、前記本体の前記第1の端部から前記本体の前記第2の端部の方向に前記本体の前記通路において前記管を摺動することにより、前記エアロゾル発生物品が前記本体の前記第2の端部を通して前記本体の前記通路から取り出される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のホルダー。
前記エアロゾル発生物品は、前記ホルダーの前記本体によって画定される前記通路に受けられる、請求項1〜12のいずれかに記載のホルダー、および前記熱源を有するエアロゾル発生物品を備えるアセンブリ。
前記エアロゾル発生物品は、前記ホルダーの前記本体の通路によって受けられるように構成される、請求項1〜12のいずれかに記載のホルダー、および熱源を有する1つ以上のエアロゾル発生物品を備えるキット。
前記エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体を含み、前記エアロゾル発生物品は、前記基体を燃焼することなく、前記熱源から前記エアロゾル発生基体に熱を伝達するように構成される、請求項13に記載のアセンブリ。
【背景技術】
【0002】
たばこが燃焼するよりはむしろ加熱される多くの喫煙物品が、当技術分野において提唱されてきた。このような「加熱式」喫煙物品の1つの目的は、従来的な紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解劣化によって生成されるタイプの一定の煙成分を減少させることである。
【0003】
エアロゾル発生物品の1つの公知のタイプにおいて、エアロゾルは可燃性熱源から、物理的に分離されたエアロゾル発生基体(例えば、たばこ含有)への熱伝達によって発生する。エアロゾル発生基体は可燃性熱源の中、周り、または下流に位置してもよい。使用中、揮発性化合物は、可燃性熱源からの熱伝達によりエアロゾル発生基体から放出され、喫煙物品を通して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは、凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。
【0004】
加熱式喫煙物品、およびエアロゾル発生物品は概して、可燃性熱源がブラインドとなるように構成されてもよく、これは、喫煙物品を通して引き出された空気中に入る、熱源の燃焼から放出される揮発性化合物の量または数を制限しうる。ブラインド可燃性熱源を有する加熱式喫煙物品は、主に伝導を介してエアロゾル発生基体に熱を伝達しうる。また、加熱式喫煙物品は、熱源が非ブラインドとなるよう構成されてもよい。非ブラインド可燃性熱源を有する加熱式喫煙物品は、主に、熱源を通した1つ以上の気流チャネルを通した対流を介してエアロゾル発生基体に熱を伝達し、これは、熱源からの揮発性化合物が、喫煙物品を通して引き出された空気中に入ることを許容する。加熱式喫煙物品の1つの目的は、燃焼を介して生成される一定の煙成分を減少させることであり、ブラインド熱源を用いる喫煙物品が好ましい場合がある。
【0005】
PCT公開公報WO−A2−2009/022232号は、非ブラインド熱源を有する加熱式喫煙物品の一例を開示している。WO−A2−2009/022232号に開示される加熱式喫煙物品は、可燃性熱源と、可燃性熱源の下流にあるエアロゾル発生基体と、可燃性熱源の後方部分およびエアロゾル発生基体の隣接する前方部分の周りにありそれらに接触する熱伝導性要素と、を備える。気流チャネルは、空気がチャネルを通してマウスピースに向かって下流に引き出されるように熱源を通して延びる。
【0006】
加熱式喫煙物品がブラインド可燃性熱源または非ブラインド可燃性熱源を含むか否かに関係なく、適切に燃焼させるためには熱源が空気と直に接触することが必要となりうる。従って、加熱式喫煙物品は、喫煙中に熱源が喫煙者およびその周囲に露出するように製造されうる。ただし、可燃性熱源の温度は、燃焼時には非常に高温となる場合がある。例えば、燃焼中の熱源の温度は600℃よりも高くなる場合がある。
【0007】
本発明の少なくとも一部の実施例の1つの利点は、可燃性熱源を有するエアロゾル発生物品のユーザーまたはその環境に露出される露出要素の温度を低下させることである。本発明の少なくとも一部の実施例の別の利点は、エアロゾル発生物品の可燃性熱源の消火を促進することである。本発明の少なくとも一部の実施例の他の利点は、ユーザーまたはその環境に露出されうる露出要素の温度を低下する一方で、ブラインド熱源を維持することである。
【発明の概要】
【0008】
種々の態様において、本発明は、エアロゾル発生物品用のホルダーを提供する。ホルダーは、第1の端部および第2の端部と、第1の端部から第2の端部に延びる通路と、を有する本体を備える。本体は、エアロゾル発生物品を通路内に受けるように構成される。ホルダーはさらに、第1の端部と第2の端部を画定する管状本体を有するスリーブを備える。管状本体は、(i)第2の端部の近位で、管状本体を貫通する1つ以上の孔を含む換気領域と、(ii)換気領域に隣接した消火領域と、を備える。消火領域は、第1の端部と換気領域との間にある。スリーブは、例えば、(i)格納位置、(ii)消火位置、および(iii)格納位置と消火位置との間の使用位置の間で、本体の上で移動可能(例えば、摺動可能)である。スリーブの第2の端部は、スリーブが消火位置にあるときに対して、スリーブが格納位置にあるときに、本体の第1の端部に近い。換気領域は、スリーブが使用位置にあるときにエアロゾル発生物品の熱源と整列するように構成される。消火領域は、スリーブが消火位置にあるときにエアロゾル発生物品の熱源と整列するように構成される。
【0009】
「エアロゾル発生物品」という用語は、ユーザーによって吸入されうる揮発性化合物を放出するエアロゾル発生基体を含む物品を意味する。「エアロゾル発生基体」という用語は、加熱されると揮発性化合物を放出することが可能な物質であって、エアロゾルを形成しうるものを意味する。本発明による物品のエアロゾル発生基体から発生するエアロゾルは、見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粉は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0010】
「遠位」、「上流」、「近位」および「下流」という用語は、エアロゾル発生物品の構成要素または構成要素の部分の相対的位置を描写するために使用される。本発明によるエアロゾル発生物品は、使用時にユーザーに送達するためにエアロゾルがエアロゾル発生物品を抜け出る近位端、および対向する遠位端を有する。エアロゾル発生物品の近位端は口側の端と呼ばれることもある。使用時に、エアロゾル発生物品によって発生したエアロゾルを吸入するために、ユーザーはエアロゾル発生物品の近位端を吸い込む。上流および下流という用語は、ユーザーが近位端を吸い込むときのエアロゾル発生物品を通したエアロゾルの移動方向に対する。
【0011】
本発明によるエアロゾル発生物品およびホルダーの様々な態様は、可燃性熱源を含む現時点で入手可能なエアロゾル発生物品に対し1つ以上の利点を持ちうる。例えば、本発明によるホルダーは、喫煙者またはその周囲環境が高温の可燃性熱源と接触することから保護するための、使用がシンプルなバリアを提供する。スリーブが使用位置にあるとき、熱源を囲む換気領域は、換気領域の温度が可燃性熱源の温度よりも低くなるように熱源から分離される。また、換気領域およびスリーブは効率的に放熱して、可燃性熱源に対して換気領域の温度を低下するように構成されてもよい。さらなる一例として、本発明のホルダーは、使い易くてシンプルな機械的機構による消火を促進しうる。スリーブを使用位置から消火位置に摺動させるだけで、熱源を消火することとなってもよい。一部の好ましい実施形態において、本発明によるホルダーは、燃焼の間に熱源から放出される揮発性化合物がエアロゾル発生部物品を通して引き出されてユーザーに吸入される空気中に入ることを阻止する、またはその数または量を減少させるように構成される。例えば、ホルダーは、スリーブの内部表面から延びるシールを含んでもよい。シールは、熱源と、例えば、エアロゾル発生基体との間でエアロゾル発生物品を囲んでシールし、燃焼中に熱源から放出される揮発性化合物がエアロゾル発生物品を通して引き出された空気中に入ることを制限するように配置されてもよい。本明細書で説明したエアロゾル発生物品の1つ以上の態様のさらなる利点は、本開示を読み理解することで当業者に明らかとなるであろう。
【0012】
本発明は、エアロゾル発生基体を加熱するための可燃性熱源を有するエアロゾル発生物品と、エアロゾル発生物品用のホルダーに関する。ホルダーは、熱源を囲み、換気領域の温度が可燃性熱源の温度よりも低くなるように熱源から分離される、換気領域を含むスリーブを含む。また、換気領域およびスリーブは効率的に放熱して、可燃性熱源に対して換気領域の温度を低下するように構成されてもよい。使用時、燃焼中の換気領域とスリーブの温度は、熱源よりも実質的に低い。従って、エアロゾル発生物品のユーザーに露出される要素の温度が低下しうる。また、スリーブは、熱源の上で摺動し、ユーザーがエアロゾル発生物品の使用を終了したときに熱源を消火することが可能である、消火領域を備える。
【0013】
本発明によるホルダーは、第1の端部と第2の端部を有する本体を備える。本体は、可燃性熱源を有するエアロゾル発生物品を受けるための、第1の端部から第2の端部までの通路を画定する。本体は、第2の端部を通してエアロゾル発生物品を通路の中へと受ける、例えば摺動可能に受けるように構成されてもよい。加えて、または別の方法では、本体は、エアロゾル発生物品の横方向の挿入のための窓またはくぼみを画定してもよい。通路は、本体の内部表面を画定する。マウスピースの内部表面の少なくとも一部は、物品が通路に受けられるときにエアロゾル発生物品と係合することが好ましい。例えば、本体の内部表面は、締まり嵌めによってエアロゾル発生物品と係合するよう構成される、1つ以上の戻り止めまたは1つ以上の減少された内径部分を画定してもよい。加えて、または別の方法では、通路は、その長さに沿ってエアロゾル発生物品と係合するように寸法付けされてもよい。
【0014】
別の方法として、通路内に配置される1つ以上の追加の要素は、エアロゾル発生物品と係合してもよい。本体の内部表面がエアロゾル発生物品と係合するように構成されるか否か、または通路内の追加の要素がエアロゾル発生物品と係合するよう構成されるか否かに関係なく、エアロゾル発生物品は使用時に、本体に対して長手方向の位置に保持されることが好ましい。エアロゾル発生物品は、最小限の力で通路に挿入可能、または通路から取り外し可能であることが好ましい。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーによって通路に容易に挿入される、またはこれから引き抜かれてもよい。
【0015】
本体は、適切な任意の材料または材料の組み合わせによって形成されうる。例えば、本体は、熱可塑性ポリマーなどのポリマー、またはアルミニウムなどの金属を含む金属を含む材料から形成されてもよい。本体は、半結晶性ポリマーを含むことが好ましい。本体または本体の一部が製造されうる好適なポリマーの例には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、高密度ポリエチレン(HDPE)等が挙げられる。
【0016】
本体の外部表面は、スリーブの内部表面の戻り止めが摺動可能な、1つ以上の長手方向チャネルを画定しうる。本体の外部表面は、チャネルから離れて延び、チャネルと連続的である、スロットをさらに画定してもよい。スロットは、所定の位置にスリーブを保持するよう機能しうる。例えば、スロットは、スリーブの内部表面の戻り止めと相互作用して、スリーブを格納位置、使用位置、または消火位置に保持しうる。
【0017】
スリーブは、1つの端部に換気領域を備える。換気領域は、長手方向軸およびエアロゾル発生物品の熱源の外径よりも大きな内径を有するボアを画定してもよい。本明細書に使用される場合、「直径」という用語は、可燃性熱源、エアロゾル発生物品、ホルダー、またはその他の装置または構成要素の横断方向での最大寸法を意味する。本明細書に使用される場合、「半径方向」および「横断方向」という用語は、長手方向に対して垂直な方向を記述するために使用される。使用時、換気領域は熱源を少なくとも部分的に囲む。換気領域は、熱源の長さに沿って熱源を囲むことが好ましい。換気領域と熱源との間の距離、換気領域の材料、換気領域の厚さ、および換気領域の通気性は、その他のファクタの中でもとりわけ、使用時に熱源に対する最大温度を制御するように選択されうる。換気領域は、熱源が燃焼されて換気領域内に配置されるときに、熱源より実質的に低い最大温度に達することが好ましい。例えば、換気領域の露出面における温度は、熱源の表面の温度よりも少なくとも200℃低くてもよい。換気領域の露出面における温度は、熱源の表面の温度よりも少なくとも300℃低いことが好ましい。例えば、熱源の温度が約400℃であるとき、リテーナの露出面は約200℃よりも低いことが好ましく、約150℃よりも低いことが好ましい。
【0018】
換気領域は、適切な距離だけ熱源から分離されてもよい。例えば、熱源と換気領域との間の半径方向の隙間は、約0.2mm〜約3mmとしてもよい。熱源と換気領域との間の半径方向の隙間は、約0.5mm〜約1mmとすることが好ましい。例えば、換気領域と熱源との間の半径方向の隙間は、約0.5mm以下としてもよい。
【0019】
換気領域は、空気が換気領域を通して熱源にアクセスし、熱源の燃焼を維持することを許容するのに十分な通気性を有する。「通気性」という用語は、空所領域である表面または表面の一部の総面積に対する割合を意味する。熱源を囲む換気領域の少なくとも一部は、火炎による熱源の点火を許容するのに十分な通気性を有することが好ましい。換気領域は、貫通孔などの、熱源の周りに半径方向に配置される、開口部を備える。好ましい実施形態では、換気領域は、壁を貫通する換気開口部を有する、概して管状の壁を備える。
【0020】
スリーブは、エアロゾル発生物品が本体の通路に受けられるときに、換気領域の下流、ひいては熱源の下流に1つ以上の貫通孔を備えてもよい。貫通孔は、空気がエアロゾル発生物品に流入するのを許容するよう配置されてもよい。空気入口がエアロゾル発生物品内に存在する場合、スリーブの貫通孔は、スリーブの外部の空気が孔を通して、エアロゾル発生物品の空気入口を通って、ユーザーの口腔へと吸い込まれるのを許容するように配置されてもよい。貫通孔は、エアロゾル発生基体上の空気の流れを強化して、揮発性化合物の基体からの放出を増大する、ユーザーへの揮発性化合物の送達を増大する、または揮発性化合物の基体からの放出を増大して揮発性化合物のユーザーへの送達を増大しうる。
【0021】
装置は、スリーブの内部表面から延びるシールまたはバッフルをさらに備えてもよい。シールまたはバッフルは、熱源の下流でエアロゾル発生物品と接触するように構成および配置されてもよい。存在する場合、スリーブを貫通する孔は、シールまたはバッフルの下流にあってもよい。シールまたはバッフルは、エアロゾル発生物品を通して引き出されてユーザーに送達される空気中に入る、熱源からの可燃性生成物の量または数を制限しうる。好ましくは装置はさらにシールを備える。
【0022】
シールは任意の適切な内径を有してもよい。弛緩状態にあるとき、シールの内径は、エアロゾル発生物品の外径よりも小さいことが好ましい。シールが撓んで、シールを通したエアロゾル発生物品の挿入が許容されてもよい。シールは、エアロゾル発生物品に対して長手方向の位置にスリーブを保持するのを支援してもよい。
【0023】
シールは適切な任意の様式でスリーブ内に一体形成されてもよく、またはこれに取り付けられてもよい。シールは、適切な任意の材料または材料の組み合わせによって形成されうる。シールは熱源に近接して配置されるよう構成されるため、シールは耐熱性材料を含むことが好ましい。シールは弾性材料を備えることが好ましい。シールは、O−リングを含んでもよい。シールは、プランジャのヘッド部分に提供されてもよい。入口は、シールの下流でホルダーに提供されてもよい。シールまたはその一部を形成するのに使用されうる材料の例には、プラスチック材料およびエラストマー、例えば、ニトリル材料またはフルオロカーボン(バイトン)材料が挙げられる。
【0024】
スリーブは、換気領域の下流に消火領域をさらに備える。消火領域は、消火位置において熱源の少なくとも一部を囲み、熱源への空気の流れを制限して消火を促進するように構成される。消火領域は、適切な任意の材料から形成されてもよく、熱源を消火するのに十分に低い通気性を有する任意の適切な構造から形成されてもよい。一部の好ましい実施形態において、消火領域は、ポリマーまたは金属の固体壁部を備える。
【0025】
消火領域は、適切な任意の距離だけ熱源から分離されてもよい。例えば、熱源と消火領域との間の半径方向の隙間は、約0.2mm〜約3mmとしてもよい。例えば、消火領域と熱源との間の半径方向の隙間は、約0.5mm以下としてもよい。熱源と消火領域との間の半径方向の隙間は、約0.5mm〜約2mm、例えば、約1mm〜約2mmとすることが好ましい。
【0026】
スリーブは、1つ以上の部品から形成されうる。スリーブは、1つの部品から形成されることが好ましい。スリーブは、1つ以上の適切な材料から形成されうる。スリーブはポリマー材料を含むことが好ましい。スリーブは半結晶性ポリマー材料を含むことがより好ましい。スリーブまたはスリーブの一部が製造されうる好適なポリマー材料の例には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリオキシメチレン(POM)、高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。スリーブは、金属材料を含んでもよい。例えば、スリーブは、アルミニウムまたはステンレス鋼を含んでもよい。
【0027】
上述するように、スリーブは、本体の外部表面によって画定されるチャネルまたはこのチャネルと連続的なスロットにおいて摺動するように構成される1つ以上の戻り止めを画定する内部表面を有してもよい。スリーブは、戻り止めがスロットとチャネルとの交差と整列するときにスリーブの回転によって戻り止めをスロット内で摺動させるように、本体の周りで少なくとも部分的に回転可能としうる。スリーブは、適切な戻り止めが適切なスロットに受けられるときに応じて、格納位置、消火位置、または使用位置にロックしうる。スリーブまたはスリーブの一部は、スリーブの内部表面と本体の外部表面のチャネルまたはスロットの戻り止めのインタラクションを許容するように透明としてもよい。
【0028】
スリーブは、例えばばねを介して、消火位置に向けて付勢されることが好ましい。スリーブは、例えば、上記のスロットを有する戻り止めのインタラクションを介して、使用位置または格納位置に手動で引き出されてロックされてもよい。
【0029】
本発明によるホルダーは、マウスピースを含んでもよい。本体がマウスピースを形成するよう延びてもよく、マウスピースが本体に接続されてもよい。マウスピースは、口側の端および遠位端を持つ。マウスピースは、口側の端と遠位端との間に、エアロゾル発生物品からのエアロゾルの流れのための通路を画定する。
【0030】
マウスピースは伸縮式としてもよく、折り畳んだ取り出し位置と展開した使用位置に適合しうる。口側の端は、エアロゾル発生物品をホルダーから取り出すために、遠位端に対して折り畳み位置まで移動可能であることが好ましい。口側の端を、例えばばねを介して、展開位置に向けて付勢して、例えばマウスピースを折り畳むための押力が除去された後に、遠位端に対して口側の端が遠位に移動するようにしてもよい。管は、マウスピースの中に配置されて本体の通路の中へと延びてもよい。伸縮式マウスピースの口側の端がプレスされて遠位に移動されるのに伴って、管がエアロゾル発生物品をプレスし、物品を遠位に移動させうる。
【0031】
本発明によるホルダーは、スリーブが格納位置にあるときにエアロゾル発生物品が本体の通路に挿入されることを許容するように構成されてもよい。エアロゾル発生物品が本体の通路の中に挿入されると、スリーブが使用位置まで本体の上で摺動して、スリーブの換気領域がエアロゾル発生物品の熱源の周りに配置されるようにしてもよい。熱源は、例えば、火炎によって点火されてもよい。ユーザーは、エアロゾル発生物品からエアロゾルを吸入するために、エアロゾル発生物品の口側の端、または存在する場合にはホルダーのマウスピースを吸い込んでもよい。ユーザーが物品の使用を完了すると、消火領域が熱源を囲むようにスリーブを消火位置に移動させてもよい。
【0032】
ホルダーが伸縮式マウスピースを備える場合、熱源が消火されると、マウスピースの口側の端がプレスされて本体に対して遠位に移動され、エアロゾル発生物品をホルダーから取り出してもよい。
【0033】
本発明によるホルダーは、可燃性熱源を有する適切な任意のエアロゾル発生物品において使用されうる。エアロゾル発生物品は、可燃性熱源によって加熱されて、エアロゾル発生物品から1つ以上の揮発性化合物を放出しうる、エアロゾル発生基体を含む。
【0034】
本発明による末端部における使用のためのエアロゾル発生物品は、任意の適切な可燃性熱源を含んでもよい。
【0035】
可燃性熱源は、ブラインド可燃性熱源であることが好ましい。本明細書に使用される場合、「ブラインド」という用語は、エアロゾル発生基体に吸入空気を提供するいかなる気流チャネルも含まない可燃性熱源を記述する。ブラインド可燃性熱源において、ブラインド可燃性熱源からエアロゾル発生基体への熱伝達は、伝導によって主に生じ、強制対流によるエアロゾル発生基体の加熱は最小にされる、または減少される。ブラインド可燃性熱源を通しての任意の気流チャネルの欠如は、ユーザーがたばこを吸う間のブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を有利に実質的に阻止または抑制する。これは、ユーザーがたばこを吸う間、エアロゾル形成基体の温度におけるスパイクを実質的に阻止または抑制する。ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を阻止または抑制すること、およびそのようにしてエアロゾル発生基体における過剰な温度上昇を阻止または抑制することによって、激しくたばこを吸う状況下でエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解が有利に回避されうる。加えて、主流エアロゾルの組成物へのユーザーのたばこを吸う状況の影響は、有利に最小にされ、または減少されうる。また、ブラインド可燃性熱源の包含は、ブラインド可燃性熱源の点火中および燃焼中に形成される燃焼および分解生成物並びにその他の材料が、その使用中にエアロゾル発生物品物品を通して引き出された空気中に入るのを有利に実質的に阻止または抑制しうる。
【0036】
あるいは、可燃性熱源は、熱源を通してエアロゾル発生基体に1つ以上の吸入気流経路を提供する少なくとも1つの長手方向の気流チャネルを備える。吸入気流チャネルは、ユーザーによる吸入のためにエアロゾル発生物品を通して空気が引き出されうる、熱源の長さに沿って延びてもよい。1つ以上の長手方向の吸入気流チャネルを含むこのような熱源は、本明細書では「非ブラインド」熱源と呼ばれる。
【0037】
可燃性熱源は、炭素含有量が可燃性熱源の乾燥質量で少なくとも約35パーセントの炭素質熱源であることが好ましく、少なくとも約40パーセントの炭素質熱源であることがより好ましく、少なくとも約45パーセントの炭素質熱源であることが最も好ましい。可燃性熱源が炭素質熱源である場合、可燃性熱源は1つ以上の好適な炭素含有材料から形成されてもよい。「炭素質」という用語は、炭素を含む材料を意味する。
【0038】
可燃性熱源は、炭素含有量が少なくとも約50パーセントである可燃性炭素ベース熱源であってもよい。例えば、可燃性熱源は、炭素含有量が可燃性熱源の乾燥質量で、少なくとも約60パーセント、または少なくとも約70パーセント、もしくは少なくとも約80パーセントである可燃性炭素ベース熱源であってもよい。「炭素ベース」という用語は、主に炭素を、あるいは材料の乾燥質量で少なくとも約50%の炭素を含む材料を意味する。
【0039】
1つ以上の結合剤を、1つ以上の炭素含有材料と組み合わせて炭素質熱源を形成してもよい。可燃性熱源は、1つ以上の有機結合剤、1つ以上の無機結合剤、または1つ以上の有機結合剤と1つ以上の無機結合剤との組み合わせを含みうる。
【0040】
1つ以上の結合剤の代わりに、またはそれに加えて、可燃性熱源は、可燃性熱源の特性を改善するために1つ以上の添加剤を含みうる。適切な添加剤は、可燃性熱源の圧密を促進する添加剤(例えば、焼結助剤)、可燃性熱源の点火を促進する添加剤(例えば、過塩素酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物、過マンガン酸塩、ジルコニウムおよびその組み合わせなどの酸化剤)、可燃性熱源の燃焼を促進する添加剤(例えば、カリウム、およびクエン酸カリウムなどのカリウム塩)、ならびに可燃性熱源の燃焼によって生成される1つ以上のガスの分解を促進する添加剤(例えば、CuO、Fe
2O
3およびAl
2O
3などの触媒)を含むが、これに限定されない。エアロゾル発生物品用の可燃性熱源およびこうした熱源を製造するための方法は、当技術分野で公知であり、例えば、US−A−5,040,552号およびUS−A−5,595,577号に記載がある。
【0041】
可燃性熱源の見掛け密度は、約0.8g/cm
3〜約1.1g/cm
3であることが好ましい。可燃性熱源の質量は約300mg〜約500mgであることが好ましく、約400mg〜約450mgであることがより好ましい。可燃性熱源の長さは、約7mm〜約17mmであることが好ましく、約7mm〜約15mmであることがより好ましく、約7mm〜約13mmであることが最も好ましい。本発明による可燃性熱源の直径は、約5mm〜約9mmであることが好ましく、約7mm〜約8mmであることがさらに好ましい。
【0042】
可燃性熱源の直径は実質的に一様であることが好ましい。ところが、可燃性熱源は、別の方法として、可燃性熱源の前端面と後端面のうちの一方の直径がその前端面と後端面のうちのもう一方の直径より大きくなるような先細りであってもよい。例えば、可燃性熱源は、可燃性熱源の後端面の直径が、可燃性熱源の前端面の直径より大きくなるような先細りであってもよい。可燃性熱源は実質的に円筒形であることが好ましい。可燃性熱源は、実質的に円形断面または実質的に楕円形断面の円筒形可燃性熱源であってもよい。特に好ましい実施形態において、可燃性熱源は実質的に円形断面の実質的に円筒可燃性熱源である。
【0043】
本発明によるホルダーにおける使用のためのエアロゾル発生物品は、任意のエアロゾル発生基体を含んでもよい。
【0044】
エアロゾル発生基体は、少なくとも1つのエアロゾル形成体および加熱に反応して揮発性化合物を放出することができる材料を含むことが好ましい。エアロゾル発生基体は、湿潤剤、風味剤、結合剤およびそれらの混合物を含むがそれらに限定されない、その他の添加剤および成分を含んでもよい。エアロゾル発生基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル発生基体はたばこを含むことがさらに好ましい。
【0045】
少なくとも一つのエアロゾル形成体は、使用時に、密度が高く安定したエアロゾルの形成を促進し、エアロゾル生成物品の使用温度で実質的に熱劣化耐性のある任意の適切な公知の化合物または化合物の混合物としうる。適切なエアロゾル形成剤は当技術分野で公知であり、例えば、多価アルコール、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセタート、ジアセタートまたはトリアセタートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含む。本明細書に記載のエアロゾル発生物品における使用のための好ましいエアロゾル形成体は、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、および最も好ましいグリセリンなどの、多価アルコールまたはこれらの混合物である。
【0046】
加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料は、植物由来材料の装填でもよい。加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料は、均質化した植物由来材料の装填でもよい。例えば、エアロゾル発生基体は、植物に由来する1つ以上の材料を含んでもよく、たばこ、茶(例えば緑茶)、ハッカ、月桂樹、ユーカリ、バジル、セージ、ビジョザクラ、およびタラゴンを含むがそれらに限定されない。加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料は、たばこ由来材料の装填であることが好ましく、均質化したたばこ由来材料の装填であることが最も好ましい。
【0047】
エアロゾル発生基体は、紙またはその他のラッパーによって取り囲まれる加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料を含むプラグまたはセグメントの形態としうる。前述のように、エアロゾル発生基体がこのようなプラグまたはセグメントの形態である場合、任意のラッパーを含むプラグまたはセグメントの全体はエアロゾル発生基体であると見なされる。エアロゾル発生基体の長さは約5mm〜約20mmであることが好ましい。エアロゾル発生基体の長さは約6mm〜約15mm、または約7mm〜約12mmであることが好ましい。好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体はプラグラップに包まれるたばこベース材料のプラグを備える。特に好ましい実施形態では、エアロゾル発生基体はプラグラップに包まれる均質化したたばこベース材料のプラグを備える。
【0048】
本発明によるホルダーは、適切な任意のエアロゾル発生物品において使用されうる。
【0049】
本発明によるホルダーにおける使用のためのエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体の周辺の周りに1つ以上の空気入口を備えうる。このような実施形態において、使用時、冷気は、空気入口を通ってエアロゾル発生物品のエアロゾル発生基体に引き出される。空気入口を通ってエアロゾル発生基体に吸い込まれる空気は、エアロゾル発生基体からエアロゾル発生物品を通って下流に通過し、マウスピースまたはその近位端を通ってエアロゾル発生物品を抜け出る。
【0050】
こうした実施形態では、ユーザーがたばこを吸う間、エアロゾル発生基体の周辺の周りで1つ以上の第一の空気入口を通って引き出された冷気は、エアロゾル発生基体の温度を有利に低下させる。これは、ユーザーがたばこを吸う間、エアロゾル発生基体の温度におけるスパイクを有利にも実質的に阻止または抑制する。本明細書に使用される「冷気」という用語は、ユーザーがたばこを吸う際に可燃性熱源によって有意に加熱されない周囲空気を記述するために使用される。
【0051】
本明細書に記述するエアロゾル発生物品は、可燃性熱源の少なくとも後方部分とエアロゾル発生基体の少なくとも前方部分との両方の周りにある、およびそれらと直に接触した熱伝導性要素を備えてもよい。熱伝導性要素は、可燃性熱源とエアロゾル発生基体との間に熱リンクを提供し、有利なことに、許容可能なエアロゾルを提供するために可燃性熱源からエアロゾル発生基体への適切な熱伝達を容易にするのに役立つ。
【0052】
本明細書において使用するための適切な熱伝導性要素としては、金属箔ラッパー(例えば、アルミ箔ラッパー、鋼鉄ラッパー、鉄箔ラッパー、および銅箔ラッパーなど)、および金属合金箔ラッパーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
本明細書に記述するエアロゾル発生物品は、その近位端に位置するマウスピースを備えてもよい。マウスピースは濾過効率が低いことが好ましく、濾過効率が非常に低いことがより好ましい。マウスピースは単一のセグメントであっても、または構成要素マウスピースであってもよい。あるいは、マウスピースはマルチセグメントマウスピースであっても、または複数構成要素マウスピースであってもよい。
【0054】
マウスピースは、適切な公知の濾過材料を含む1つ以上のセグメントを含むフィルターを含んでもよい。適切な濾過材料は当技術分野で公知であり、酢酸セルロースおよび紙を含むが、これらに限定されない。別の方法としてまたは加えて、マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む1つ以上のセグメントを含みうる。
【0055】
本明細書に記述するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体とマウスピースとの間に移動要素またはスペーサー要素を好ましくはさらに含む。移動要素はエアロゾル発生基体およびマウスピースの一方または両方に当接してもよい。あるいは、移動要素はエアロゾル発生基体およびマウスピースの一方または両方から間隙を介していてもよい。
【0056】
移動要素の包含は、可燃性熱源からエアロゾル発生基体への熱伝達によって発生するエアロゾルの冷却を有利に可能にする。移動要素の包含は、エアロゾル発生物品の全長を、移動要素の長さの適切な選択により所望の値、例えば従来の紙巻たばこの長さに類似した長さに調整することも有利に可能にする。
【0057】
移動要素の長さは、約7mm〜約50mm、例えば約10mm〜約45mm、または約15mm〜約30mmであってもよい。移動要素の長さは、エアロゾル発生物品の所望の全長およびエアロゾル発生物品内のその他の成分の存在および長さに依存して、その他の長さであってもよい。
【0058】
移動要素は少なくとも1つの端の開いた管状中空体を備えることが好ましい。このような実施形態では、使用時、エアロゾル発生物品の中へと引き出される空気は、それがエアロゾル発生物品を通してエアロゾル発生基体からマウスピースまで下流に通過する時に、少なくとも1つの端の開いた管状中空体を通って通過する。移動要素は、可燃性熱源からエアロゾル発生基体への熱の伝達によって発生するエアロゾルの温度で実質的に熱安定している1つ以上の適切な材料から形成される少なくとも1つの端の開いた管状中空体を備えてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、紙、ボール紙、プラスチック、このような酢酸セルロース、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0059】
別の方法としてまたは加えて、本明細書に記述するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体とマウスピースとの間にエアロゾル冷却要素または熱交換器を含んでもよい。エアロゾル冷却要素は複数の長手方向に延びるチャネルを含んでもよい。エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。一定の実施形態では、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはMater−Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含むことが好ましい。
【0060】
本明細書に記述するエアロゾル発生物品は、エアロゾル発生基体と熱源または熱源ホルダーの少なくとも後方部分を取り囲む外側ラッパーを備えてもよい。外側ラッパーは、エアロゾル発生物品が組み立てられるときに、エアロゾル発生物品の熱源ホルダーとエアロゾル発生基体を把持すべきである。外側ラッパーは、エアロゾル形成基体と、熱源と熱源ホルダーの少なくとも後方部分と、エアロゾル発生基体の下流にあるエアロゾル発生物品の任意の他の構成要素とを取り囲むことが好ましい。外側ラッパーは任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。適切な材料は当技術分野で公知であり、紙巻たばこ用紙を含むが、これに限定されない。別の方法としてまたは追加的に、マウスピースはチッピングペーパーによって囲まれてもよい。本明細書に記述するエアロゾル発生物品は公知の方法および機械を使用して組み立てられてもよい。
【0061】
エアロゾル発生物品は、形状において実質的に円筒状でもよい。エアロゾル発生物品は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、この長さと実質的に直交する円周と、を持つ。エアロゾル発生基体は、実質的に円筒形の形状としうる。エアロゾル発生基体は、実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生基体はまた、長さと、この長さと実質的に直交する円周と、も持つ。エアロゾル発生基体は、エアロゾル発生基体の長さがエアロゾル発生物品内の気流の方向と実質的に平行であるように、エアロゾル発生物品内に位置してもよい。移動するセクションまたは要素は実質的に細長くてもよい。
【0062】
エアロゾル発生物品は、望ましい任意の長さを持ちうる。例えば、エアロゾル発生物品の全長は、およそ65mm〜およそ100mmとしうる。エアロゾル発生物品は、所望の任意の外径を有してもよい。例えば、エアロゾル発生物品の外径は、およそ5mm〜およそ12mmとしうる。
【0063】
フィルター、移動要素、エアロゾル冷却要素、および熱交換器のうちの1つ以上は、エアロゾル発生物品内に含まれるよりはむしろ、本発明のホルダーの中に組み込まれてもよい。フィルター、移動要素、エアロゾル冷却要素、および熱交換器のうちの1つ以上がホルダーの中に組み込まれる場合、エアロゾル発生物品の長さが減少されてもよい。一部の好ましい実施形態において、ホルダーは、フィルター、移動要素、エアロゾル冷却要素、および熱交換器のうちの1つ以上を備えてもよく、ホルダーは再使用可能である。
【0064】
本明細書で使用されるすべての科学的および技術的な用語は、別途指定のない限り、当技術分野で一般に使用される意味を持つ。本明細書で提供した定義は、本明細書で頻繁に使用される特定の用語の理解を容易にするために提供されている。
【0065】
単数形(「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」)は本明細書で使用される場合、複数形の対象を有する実施形態を含蓄するが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。
【0066】
「または」は一般的に、本明細書で使用される場合、「および/または」を含めた意味で使用されるが、その内容によって明らかに別途定められている場合はその限りではない。「および/または」という用語は、列挙された要素の1つまたはすべて、または列挙された要素のうちの任意の2つ以上の組み合わせを意味する。
【0067】
「有する、持つ(have)」、「有している、持っている(having)」、「含む(include)」、「含まれる(including)」、「備える(comprise)」、「備える(comprising)」、またはこれに類するものは本明細書で使用される場合、制約のない意味で使用され、一般的に「含むが、これに限定されない」を意味する。「から本質的に成る」、「から成る」、およびこれに類するものは、「含む」およびこれに類するものに包摂されることが理解されるであろう。
【0068】
「好ましい」および「好ましくは」という語は、ある特定の状況下で、ある特定のメリットをもたらし得る本発明の実施形態を指す。ただし、同一またはその他の状況下で、その他の実施形態もまた好ましいものでありうる。その上、1つ以上の好ましい実施形態の列挙は、その他の実施形態が有用ではないことを暗に意味するものではなく、請求の範囲を含む本開示の範囲からその他の実施形態を除外するものではない。
【0069】
次に、本開示で説明される1つ以上の態様を図示する図面を参照する。ただし、図面に描かれていないその他の態様が本開示の範囲および主旨に則るものと理解される。図内で使用されている類似した番号は、類似した構成要素、工程、およびこれに類するものに言及する。ただし、所定の図で一つの構成要素に言及するために一つの番号を使用することは、別の図で同じ番号が付けられたその構成要素を制限するものではないことが理解される。さらに、異なる図面において構成要素を指すために異なる番号を使用することは、その異なる番号の付いた構成要素が他の番号の付いた構成要素と同一または類似したものであり得ないことを示すことを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
【0071】
概略図の縮尺は必ずしも正確なものではなく、図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。
【0072】
次に
図1を参照すると、エアロゾル発生物品100は、近位端103と遠位端105の間に延びる。エアロゾル発生物品100は、エアロゾル発生物品100の遠位端105に位置する可燃性熱源102と、可燃性熱源102の下流にあるエアロゾル発生基体104と、エアロゾル発生基体104の下流にあり、エアロゾル発生物品100の近位端103に位置するマウスピース106と、を含む。
【0073】
エアロゾル発生物品100は、当接して同軸に整列された、可燃性熱源102、エアロゾル発生基体104、エアロゾル冷却要素107、熱を伝達するための細長い膨張チャンバ108、およびマウスピース106を備え、これらが、例えば、紙巻たばこ用紙の外側ラッパー110内で包まれる。可燃性熱源102は円筒形である。
【0074】
エアロゾル発生基体104は、可燃性熱源102のすぐ下流に位置し、例えば、エアロゾル形成体としてのグリセリンを含みフィルタープラグラップで囲まれた、均質化したたばこ材料の円筒形プラグを含む。アルミ箔の管から成る熱伝導性要素112は、可燃性熱源102の後方部分およびエアロゾル発生基体104の当接した前方部分を囲み、それらに接触する。細長い膨張チャンバ108は、エアロゾル発生基体104の下流に位置し、円筒形のボール紙の端の開いた管を備える。マウスピース106は、膨張チャンバ108の下流に位置し、フィルタープラグラップで取り囲まれた酢酸セルローストウ109の円筒形プラグを含む。
【0075】
使用時、ユーザーは、エアロゾル発生基体を加熱してエアロゾルを発生する可燃性熱源に点火する。ユーザーがマウスピース106を吸入すると、紙巻きたばこ紙110内であってエアロゾル発生基体104に隣接する入口孔113を通してエアロゾル発生基体104を通り、膨張チャンバ108を通り、マウスピース106を通って、ユーザーの口腔へと空気が吸い込まれる。
【0076】
次に
図2A、2B、3A、3B、4A、4B、5Aおよび5Bを参照すると、ホルダー200は、本体210、スリーブ220、マウスピース230、管240、第1のばね250および第2のばね260を含む。本体210の上で摺動可能に配置されるスリーブ220は、換気領域222および換気領域222の下流にある消火領域224を含む。マウスピース230は、伸縮式である。管240は、マウスピース230と本体210の中に配置される。ばね250は本体210およびスリーブ220と相互作用して、スリーブを消火位置に向けて付勢する。ばね260は、本体210およびマウスピース230と相互作用して、マウスピース230を使用位置に付勢する。
【0077】
図2Aおよび2Bにおいて、ホルダー200は、熱源102を有するエアロゾル発生物品100がホルダー200の本体210の通路の中へと挿入されうる、挿入位置にある。スリーブ220が格納されると、エアロゾル発生物品100の挿入が可能となる。
【0078】
図3Aおよび3Bにおいて、ホルダー200は、エアロゾル発生物品100の熱源102がスリーブ220の換気領域222と整列される、使用位置にある。換気領域222は、熱源102を囲み、熱源102が点火されて熱源102の燃焼を維持することを許容するのに十分な空気の流れを提供する。
【0079】
図4Aおよび4Bにおいて、ホルダー200は、エアロゾル発生物品100の熱源102がスリーブ220の消火領域224と整列される、消火位置にある。消火領域224は、熱源102を囲み、熱源への空気の流れを制限して熱源102を消火する。
【0080】
図5Aおよび5Bにおいて、ホルダー200は、マウスピース230の口側の端が遠位に折り畳まれて、管240を本体210の通路内で遠位に前進させ、エアロゾル発生物品100を本体210の通路から取り出す、取り出し位置にある。同時にマウスピース230の口側の端をプレスする一方で、ユーザーがスリーブ220を把持すると、スリーブ220が格納される原因となり、スリーブ220も格納される。別の方法として、スリーブを移動して、マウスピースを押下する前に格納位置にロックしてもよい。
【0081】
次に
図6および7を参照すると、本体210の外部表面は長手方向チャネル211と、チャネル211から離れて、かつこれと連続的に延びる、スロット213とを画定する。また、本体210の外部表面は、スリーブ220を本体210の周りに保持するための長手方向溝215も画定する。スリーブ220は、溝215によって摺動可能に受けられるように構成される戻り止め223を備える。溝215の長さおよび戻り止め223の厚さは、それに沿ってスリーブ223を本体210の上で動かすことができる距離を画定する。スリーブ220の内部表面は、本体210のチャネル221に摺動可能に受けられる戻り止め221を画定する。戻り止め221がチャネル211とスロット213の交差と整列されると、スリーブ220は本体210の長手方向軸の周りを回転して戻り止め221をスロット213内にロックしうる。
【0082】
次に
図8を参照すると、ホルダーは、スリーブ200の内部表面から延びるシール300を含んでもよく、シール300は、熱源102の下流でエアロゾル発生物品100と係合するように配置および構成される。スリーブ220は、シール300の下流にある貫通孔229を画定する。孔229を通って流れる空気は、エアロゾル発生物品100の空気入口113に入りうる。空気は、物品100内のエアロゾル発生物品を通過して、揮発性化合物の基体からの放出を増大し、ユーザーへの揮発性化合物の送達を増大する、または揮発性化合物の基体からの放出を増大して揮発性化合物のユーザーへの送達を増大する。シール300は、熱源102からの燃焼ガスが物品100を通って引き出された空気中に入ることを制限または阻止しうる。
図8に図示する貫通孔229およびシール300は、
図2〜5および7に図示するスリーブ200に含まれてもよい。
【0083】
従って、エアロゾル発生物品用のホルダーのための、方法、システム、装置、アセンブリおよび物品が説明される。本発明の様々な修正および変形が、本発明の範囲および主旨を逸脱することなく、当業者に明らかになるであろう。本発明は特定の好ましい実施形態に関連して記述してきたが、当然のことながら、本発明は主張の通り、こうした特定の実施形態に不当に限定されるべきではない。実際に、機械的技術およびエアロゾル発生物品製造または関連分野の当業者にとって明らかである、本発明を実施するための記述された方法の様々な改良は、以下の特許請求の範囲内に収まるものであることが意図される。