(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも1つのアクリル重合体エマルジョンが、前記組成物の総重量に基づいて約30%〜約40%の量で存在し、前記少なくとも1つのアルカリ可溶性重合体及び/又は前記樹脂溶液は、前記組成物の総重量に基づいて約1%〜約4%の量で存在し、前記少なくとも1つの安息香酸エステル可塑剤は、前記組成物の総重量に基づいて約1%〜約3%の量で存在し、前記少なくとも1つのグリコール溶媒は、前記組成物の総重量に基づいて約5%〜約8%の量で存在し、前記少なくとも1つのワックスは、前記組成物の総重量に基づいて約1%〜約6%の量で存在し、前記少なくとも1つの界面活性剤は、前記組成物の総重量に基づいて約0.01%〜約0.1%の量で存在する、請求項12に記載の組成物。
前記少なくとも1つのグリコール溶媒が、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールN−ヘキシルエーテル、及びそれらの任意の2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は以下の図面及び/又は実施例に示される構成の詳細及び構成要素の配置に限定されないことを理解されるべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で行われるか又は実施されることが可能である
【0016】
以下の説明は、当業者が本発明の実施形態を製造し、使用することを可能にするために提示される。例示された実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり、本明細書の包括的な原理は、本発明の実施形態から逸脱することなく他の実施形態及び応用に適用してもよい。従って、本発明の実施形態は、例示された実施形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。以下の詳細な説明は図面を参照して読むべきである。必ずしも縮尺通りではない図面は、選択された実施形態を示し、本発明の実施形態の範囲を限定するものではない。当業者はまた、本明細書で提供される実施例が多くの有用な代替物を有し、本発明の実施形態の範囲内に入ることを認識し得る。
【0017】
本開示は、多目的床用仕上げ組成物及びその方法に関する。本開示は多くの異なる形態で具体化されてもよいが、本開示は本開示の原理の例示としてのみ考慮されるべきであり、本開示を例示の実施形態に限定することを意図するものではないという理解と共にいくつかの特定の実施形態を本明細書で説明する。
【0018】
本明細書で使用される用語「約」は、例えば実社会で濃縮液を製造するか又は使用溶液のために使用される典型的な測定及び液体取り扱い順序によって、これらの手続きにおける故意ではない誤りによって、組成物を製造するか又は方法を実施するために使用される成分の製造社、供給源又は純度の差異を介して、生じる数値的量の変動を指す。用語「約」はまた、特定の初期混合物に起因する組成物についての異なる平衡条件のために異なる量を包含することがある。一実施形態では、用語「約」は、指定された値の±5%の範囲を指す。
【0019】
本明細書で使用される用語「すぐに使える」とは、希釈せずにそのまま使用することを意図した組成物を指す。さらに、このような用語「すぐに使える」は、濃縮物の希釈を指す場合もある。
【0020】
本明細書で使用される用語「重量パーセント(weight percent)」、「重量%(weight%)」、「重量百分率(percent by weight)」、「wt%(% by weight)」、及びそれらの変形は、例えば物質の重量を組成物又は特定の組成物の総重量で割って100を掛けたものとしての物質の濃度を指す。本明細書中で使用される「百分率」、「%」などは、「重量百分率」、「重量%」などと同義であり得ることが理解される。
【0021】
本明細書に記載の組成物は、水を含む。用語「水」は、脱イオン(DI)水又は組成物に適した他の任意の水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書で使用する用語「疎水性グリコール溶媒」は、25℃、1atmで、約0.1〜約20重量%の水への溶解度及び約1mmHg以下の蒸発速度、より好ましくは約0.1mmHg以下の蒸発速度を有する任意のグリコールエーテル溶媒を指す。
【0023】
一実施形態では、組成物は、少なくとも1つの重合体又は重合体エマルジョン、少なくとも1つの可塑剤、及び少なくとも1つの疎水性グリコール溶媒を含む。
[重合体/重合体エマルジョン]
【0024】
要約すると、当技術分野で知られているように、重合体又は重合体エマルジョンは、塗布される組成物に所望の柔軟性を提供し得る。さらに、重合体が樹脂溶液として提供される場合、重合体は、塗布される組成物に所望の強度を提供し得る。
【0025】
一実施形態では、少なくとも1つの重合体は、組成物の総重量に基づいて、約20%〜約60%、より詳しくは約25%〜約50%、又はさらにより詳しくは約30%〜約40%の量で存在する。
【0026】
さらに、重合体は、組成物の総重量に基づいて、約10%〜約40%、より詳しくは約10%〜約30%、又はさらにより詳しくは約11%〜約16%の量の固形分を有する。
【0027】
好ましい実施形態では、重合体はアクリル重合体エマルジョンであってもよい。適切なアクリル重合体には、アクリル酸又はメタクリル酸とアクリル酸又はメタクリル酸のエステル、メタクリル酸ヒドロキシエチルメタクリロニトリル及びアクリロニトリルとの重合体、共重合体又は三元重合体が挙げられるが、これらに限定されない。追加の単量体を使用してもよい。例えば、追加の単量体には、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、及びアクリル酸2−エチルヘキシルが挙げられる。さらに、メタクリル酸の代わりに追加の不飽和酸単量体が一部置換されておりもよい。適切な不飽和酸単量体には、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、及びイタコン酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0028】
重合体は、ビニル成分も含んでもよい。ビニル成分は、スチレン又はメチルアルケニル芳香族単量体、例えばメチルスチレン又は第3級ブチルスチレンであってもよい。特定の実施形態では、アクリル重合体エマルジョンはスチレンを含む。
【0029】
上述したように、重合体エマルジョンは共重合体として提供してもよい。適切な共重合体は、スチレン/アクリル酸ブチル/メタクリル酸、スチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸、スチレン/アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル、及びスチレン/アクリル酸アクリル酸ブチル/メタクリル酸エチルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0030】
他の適切な重合体としては、スチレン/アクリル酸ブチル/アクリル酸塩/アクリル酸、スチレン/アクリル酸エチル/アクリル酸、及びメチル/スチレン/アクリル酸ブチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸/アクリル酸が挙げられるが、これらに限定されない。
【0031】
他の実施形態では、重合体は酸官能性であり、亜鉛架橋スチレン−アクリル共重合体エマルションとして提供される。本明細書で使用してもよい市販の重合体の例には、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー社 からのDURAPLUS(商標)3、DURAPLUS(商標)3LO及びRHOPLEX(商標)E−3392又はRHOPLEX(商標)1531、OMNOVA SolutionsからのMor−Glo 8又はBASF CorporationからのJoncryl(登録商標)8615が挙げられる。
【0032】
更なる実施形態では、アクリル重合体エマルジョンは、約1nm〜約10μm、又はより詳しくは約10nm〜約500nm、又はさらにより詳しくは約50nm〜約150nmの平均粒径を有する。特定の実施形態では、アクリル重合体エマルジョンは、約150nm未満の平均粒径を有する。
[可塑剤]
【0033】
一般に、可塑剤は、材料の可塑性又は流動性を増加させることができる。その結果、比較的高レベルの可塑剤は、軟質及び弱い膜又は被膜をもたらす可能性がある。あるいは、比較的低いレベルの可塑剤は、脆い被膜を生成する可能性がある。従って、本明細書に開示された試験に照らして、可塑剤は、多目的組成物中に、組成物の総重量に基づいて好ましくは約0.5%〜約5%、より詳しくは約0.7%〜約4%、さらにより詳しくは約1%〜約3%で組み込まれてもよい。
【0034】
本明細書で使用するのに特に好ましい可塑剤は、安息香酸エステル及び/又はトリブトキシエチルリン酸塩である。他の適切な可塑剤には、プロピレングリコールジ安息香酸塩、ジプロピレングリコールジ安息香酸塩、ポリプロピレングリコールジ安息香酸塩、エチレングリコールジ安息香酸塩、ジエチレングリコールジ安息香酸塩、ポリエチレングリコールジ安息香酸塩、ネオペンチルグリコールジ安息香酸塩、などが挙げられるが、これらに限定されないエチレン又はプロピレングリコールに基づくグリコールエーテルジ安息香酸塩、及びイソデシル息香酸塩、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル息香酸塩、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソ酪酸塩及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0035】
一実施形態では、少なくとも1つの可塑剤は、安息香酸エステル可塑剤を含む。特定の実施形態では、安息香酸エステル可塑剤は、下記の式に表される。
[式2]
PhCO(O)R
1
(式中、Phはフェニルラジカルを表し、R
1は6つ以下の炭素原子を含む直鎖状又は分枝状炭化水素ラジカルを表す。)
【0036】
一実施形態では、安息香酸エステル可塑剤はジエチレングリコールジ安息香酸塩である。例えば、安息香酸エステル可塑剤は、イーストマン・ケミカル・カンパニーからのBenzoflex(商標)2088であってもよい。
【0037】
適切な安息香酸エステル可塑剤は、モノ安息香酸塩をさらに含んでもよい。モノ安息香酸塩がジ安息香酸塩に完全に変換されない場合、モノ安息香酸塩が組成物中に存在する可能性がある。特に、モノ安息香酸塩は、ジエチレングリコールモノ安息香酸塩、トリエチレングリコールモノ安息香酸塩、ジプロピレングリコールモノ安息香酸塩、及び/又はそれらの任意の2つ以上の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、安息香酸エステル可塑剤は、安息香酸エステル可塑剤の総重量に基づいて約5%未満のジエチレングリコールモノ安息香酸塩を含む。
【0038】
上述したように、一実施形態では、Benzoflex(商標)2088を使用してもよい。Benzoflex(商標)2088は、2−エチルヘキシル安息香酸塩(C8)を含有していなくてもよい。それはまた、他のモノ安息香酸塩の低レベル、即ち、6つ以下の炭素を含有してもよき、具体的には、ジエチレングリコールモノ安息香酸塩、トリエチレングリコールモノ安息香酸塩、ジプロピレングリコールモノ安息香酸塩等が挙げられる。
[溶媒及び疎水性溶媒]
【0039】
組成物は、少なくとも1つの溶媒をさらに含む。好ましい実施形態では、少なくとも1つの溶媒は、グリコール溶媒を含む。そして、最も好ましい実施形態では、少なくとも1つの溶媒及び/又はグリコール溶媒は、疎水性グリコール溶媒を含む。一実施形態では、少なくとも1つの溶媒は、組成物の総重量に基づいて、約0.1%〜約10%、より詳しくは約4%〜約9%、又はさらにより詳しくは約5%〜約8%の量で存在する。前記のように、少なくとも1つの溶媒は、好ましくは、疎水性グリコール溶媒を含む。一実施形態では、少なくとも1つの溶媒は、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールN−ヘキシルエーテル、及びそれらの任意の2つ以上の任意の組み合わせから選択される。
【0040】
他の実施形態では、組成物は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、エチレン/ジエチレングリコール2−エチルヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、及び/又はそれらのブレンドなどのエチレングリコール又はプロピレングリコールに基づくグリコールエーテル系溶媒が挙げられるが、これらに限定されない他の例示的なグリコール溶媒を含んでもよい。疎水性グリコール溶媒にはまた、ベンジルアルコール及び/又は他の同様のアルコールに基づくグリコールエーテルが挙げられる。
【0041】
他の実施形態では、疎水性グリコール溶媒の代替として、他の疎水性溶媒を使用してもよい。例示的な疎水性溶媒としては、フタル酸系溶媒が挙げられる。フタル酸系溶媒としては、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジエチル、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0042】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの溶媒、より詳しくは少なくとも1つの疎水性溶媒は、可塑剤と同様の特性を提供してもよい。さらに、好ましい実施形態では、疎水性溶媒は、組成物に固形分を最小限にするか又は全く提供しない。このように、疎水性溶媒は、可塑剤の特性と類似してもよいが、蒸発して、その結果、組成物の強度を損なうことがない。
【0043】
必要に応じて、溶媒系には、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−ドデシル−2−ピロリドンなどのピロリドン系溶媒、又は他の適切な溶媒が挙げられる。溶媒系にはまた、必要に応じて、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソ酪酸塩が挙げられる。
[ワックス]
【0044】
組成物は、組成物の総重量に基づいて約1%〜約10%の範囲の量で、より好ましくは約1%〜約6%の範囲の量で本明細書中で組み合わせて使用される少なくとも1つのワックス及び/又はワックスエマルジョンをさらに含んでもよい。
【0045】
前記のように、組成物は、少なくとも1つのワックス又はワックスエマルジョンをさらに含んでもよい。適切なワックスとしては、植物、例えば、野菜、動物、昆虫、合成及び/又はミネラルワックスが挙げられるが、これらに限定されない。適切なワックスの具体例としては、キャンデリラワックス、フィッシャー−トロプシュワックス、酸化石油ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンワックス、カカオバター由来ワックス、綿実ワックス、ステアリンワックス、日本ワックス、ベイベリーワックス、マートルワックス(myrtle wax)、メース由来のワックス、パームカーネルワックス、蜜ろう、鯨ろう、中国昆虫ろう、羊脂から作られたワックス(wax made from mutton tallow)、ポリエチレンワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポリプロピレンワックス、プロピレンとアクリル酸及び/又はメタクリル酸及び/又は無水マレイン酸の共重合体に基づくワックス 、エチレンとアクリル酸エステル及び/又は無水マレイン酸の共重合体に基づくワックス、エチレンとアクリル酸及び/又はメタクリル酸及び/又は無水マレイン酸の共重合体に基づくワックス、エチレンとスチレン及び/又は他のビニル単量体の共重合体に基づくワックス、ヤシ油又は大豆油の水素化から得られるワックス、パラフィン、セレシン、モンタン、オゾケライト等のミネラルワックスを挙げられるが、これらに限定されない。
[水]
【0046】
多目的組成物中に、水及び他の溶媒が存在してもよい。本明細書の組成物は、典型的には、水、より詳しくは脱イオン水を、少なくとも約30重量%、最も好ましくは約40重量%〜約50重量%の範囲の量で組み込む。
[その他の構成要素]
【0047】
本明細書で使用される用語「添加剤」は、他の物質又は生成物の特性を改変する能力のために、別の物質又は生成物に添加され得る化合物又は物質を指す。例えば、添加剤は乳化剤であってもよい。本明細書で使用される用語「乳化剤」は、その運動安定性を増加させることによってエマルジョンを安定化させる物質を指す。乳化剤の1つのクラスは、「界面活性化剤」又は界面活性剤として知られている。
【0048】
組成物はさらに、約0.001%〜約5%の範囲の量、好ましくは約0.01%〜約2%の範囲の量、最も好ましくは、約0.05%〜約1%の範囲の量の少なくとも1つの界面活性剤又はフルオロ界面活性剤を含んでもよい。本明細書で使用される用語「界面活性剤」は、2つの液体間の界面張力を低下させる化合物を指す。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性及び/又は他のタイプの界面活性剤であってもよい。非イオン性界面活性剤は、界面活性剤を形成する分子は帯電していない界面活性剤を指す。非イオン性界面活性剤は、長鎖アルコール、例えば脂肪アルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール(主にセチルアルコール及びステアリルアルコールからなる)及びオレイルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤は、オクタエチレングリコールモノドデシルエーテル又はペンタエチレングリコールモノドデシルエーテルなどのポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル:-CH
3-(CH
2)
10-16-(O−C
2H
4)
1-25-OHが挙げられるが、これらに限定されない。非イオン性界面活性剤はまた、ポリオキシプロピレングリコールアルキルエーテル:-CH
3-(CH
2)
10-16-(O−C
3H
6)
1-25-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤はまた、デシルグルコシド、ラウリルグルコシド、及びオクチルグルコシドなどのグルコシドアルキルエーテル:-CH
3-(CH
2)
10-16-(O−グルコシド)
1-3-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、さらにSigma AldrichからのTriton X−100などのポリオキシエチレングリコールオクチルフェノールエーテル:-C
8H
17-(C
6H
4)-(O−C
2H
4)
1-25-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤はまた、ノノキシノール−9(Nonoxynol−9)などのポリオキシエチレングリコールアルキルフェノールエーテル:-C
9H
19-(C
6H
4)-(O−C
2H
4)
1-25-OHが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、さらにラウリン酸グリセリルのようなグリセロールアルキルエステルが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレングリコールソルビタンアルキルエステル(例えばポリソルベート)、ソルビタンアルキルエステル(例えばスパン(span))、コカミド(Cocamide)MEA、コカミドDEA、ドデシルジメチルアミン酸化物、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体(例えばポロキサマー)、又はポリエトキシル化獣脂アミン(例えば、POEA)が挙げられる。
【0049】
あるいは、アニオン性界面活性剤は、アニオン性官能基、例えば硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、カルボン酸塩、などを含む界面活性剤を指す。顕著なアルキル硫酸塩としては、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、及び関連するアルキルエーテル硫酸のラウレス硫酸ナトリウム(ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)として知られている)及びミレス硫酸ナトリウムが挙げられる。アニオン性界面活性剤はまた、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸塩(PFOS)、ペルフルオロブタンスルホン酸塩、及び直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAB)などのドキュセートが挙げられる。アニオン性界面活性剤はまた、アルキルアリールエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルリン酸塩が挙げられる。アニオン性界面活性剤の例としては、デュポン(DuPont)(商標)から入手可能である、Capstone(登録商標)FS−60、Capstone(登録商標)FS−61、Capstone(登録商標)FS−64、Capstone(登録商標)FS−65、Capstone(登録商標)FS−34及びCapstone(登録商標)FS−35などの商品名:Capstone(登録商標)下にフルオロ界面活性剤が挙げられる。アニオン性界面活性剤及びフルオロ界面活性剤もまた、最小限の泡立ちを有する乳化剤として使用してもよい。
【0050】
組成物は、約0.001%〜約1%の範囲の量、最も好ましくは約0.001%〜約0.3%の範囲の量の消泡剤又は泡立ち防止剤をさらに含んでもよい。適切な消泡剤には、不溶性油、ポリジメチルシロキサンエマルション及び分散液及び他のシリコン、特定のアルコール、ステアリン酸塩及びグリコールが挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、適切な消泡剤は、Wacker Chemie AGから入手可能なWacker Silfoam(登録商標)SE−21、SE−24及びSD−168、BYKから入手可能なBYK(登録商標)024及びMUNZINGから入手可能なAGITAN(登録商標)786が挙げられる。
【0051】
組成物は、約0.001%〜約1%の範囲の量、最も好ましくは約0.001%〜約0.01%の範囲の量の芳香剤をさらに含んでもよい。本明細書で使用される用語「芳香剤」は、一般に、例えば、花、ハーブ(herb)、ブロサム(blossom)又は植物の抽出によって得られる天然由来のもの、人工的に誘導又は生成されるもの(例えば、天然油及び/又は油成分の混合物)、及び合成により生成された物質、例えば、臭気物質を含む、任意の水溶性芳香剤物質又はそのような物質の混合物を指すことがある。適切な芳香剤はまた、市販の芳香剤が挙げられるが、これに限定されない。
【0052】
前述したように、本明細書に開示される組成物は、高引張強度と組み合わせた高伸び率を含む驚くべき予期しない結果をもたらす、床用仕上げ剤と床用下塗り剤を1つの組成物に混合して、その結果、他の仕上げ剤及び床用下塗り剤と比較して比較的良好なブラックヒールマーク及びスカッフの耐性を有する比較的軟質膜を提供し得る。
【0053】
図1は、本開示の一実施形態による多目的床用仕上げ組成物の、ケーニッヒ硬度(即ち、Konig)又はブラックヒールマーク /スカッフ(即ち、BHM/Scuff)等級と、引張強度(即ち、Tensile)、伸び率(即ち、%elongation)、重合体と樹脂の比(即ち、Polymer:resin)、重合体に対する可塑剤の百分率(即ち、Plasticizer)、及び重合体に対する疎水性溶媒の百分率(即ち、Solvent)との間の関係を示すグラフを示す。
図1に反映されたデータから、これらの特定のパラメータは、多目的床用組成物の性能に影響を及ぼし得ることが判明した。具体的には、引張強度、伸び率、及び/又はブラックヒールヒールマーク及び/又はスカッフ等級を最適化するためのパラメータは、それぞれの組成物内で使用される、重合体、可塑剤、及び/又は疎水性溶媒の特定の比、相対重量百分率、及び/又は相対的な固形分の百分率であってもよい。
【0054】
本明細書に記載されている更なる試験、及び
図1に照らして、組成物の成分の百分率及び比率は、本明細書に記載の組成物に対して最適化された。さらに、組成物の有効性を観察するために複数の試験を行い、本明細書でより詳細に検討する。
【0055】
特定の実施形態では、組成物は、好ましくは約100%〜約140%の範囲の伸び率、及び少なくとも約1000psiの引張強度を有してもよい。
【0056】
特定の実施形態では、多目的床用組成物は、すぐに使える製品の形態である。従って、他の実施形態では、床を仕上げ及び下塗りする方法を説明することができ、床を本明細書に記載の組成物と接触させるステプを含んでもよい。
【0057】
当業者であれば、特定の実施形態及び実施例に関連して本発明を前記説明してきたが、本発明は必ずしもそのように限定されず、他の多くの実施形態、実施例、及び使用、並びに実施形態、実施例及び使用からの変更及び逸脱は、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとすることが理解される。本明細書に引用された各特許及び刊行物の全開示は、そのような各特許又は刊行物が個々に参照により本明細書に組み込まれているかのように、参照により組み込まれる。本発明の様々な特徴及び利点は、下記の特許請求の範囲に記載されている。
[実施例]
【0058】
実施例は、多目的床用組成物の特定の実施例を当業者に説明することを意図しており、特許請求の範囲に記載された開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。組成物は、以下の非限定的な例を含んでもよい。
【0059】
表1は、本発明の多目的床用組成物を開発するために試験されたいくつかの組成物を列挙する。表1の数字は、組成物の総重量に基づく各組成物中の特定の化学物質の重量百分率である。以下に示すように、以下の7つの組成物、即ち、組成物1〜7が製造され、続いて本明細書に記載の相対性能試験に使用された。さらに、表2は本明細書に使用される組成物及び特定の化学物質を固形分の百分率として列挙する。例えば、組成物2を床に塗布した後、組成物の約79.78%が蒸発し、それに塗布された床上の組成物の約20.22%が残る。その結果、組成物2は、組成物固形分の百分率及び/又は固形分の百分率20.22%を有する。
【0060】
表1を参照すると、組成物1〜6は、比較的類似の化学成分を有するが、それらの相対的重量百分率に関して異なる。特に、組成物1〜6は、水、3つの溶媒(即ち、溶媒1〜3)、2つの重合体エマルジョン(即ち、重合体エマルジョン1〜2)、2つの可塑剤(即ち、可塑剤1〜2)、2つのワックスエマルジョン(即ち、ワックスエマルジョン1〜2)、界面活性剤、消泡剤、芳香剤などを使用する。別法として、組成物7は、第3の可塑剤、即ち、可塑剤3、及び別のワックスエマルジョン、即ち、ワックスエマルジョン3を使用する。さらに、組成物7は、疎水性溶媒、即ち、溶媒2〜3、消泡剤、又は芳香剤が含まない。
【0061】
前記のように、化学成分は、本明細書に列挙され記載された成分から選択され得る。例えば、可塑剤1は、安息香酸エステル、トリブトキシエチルリン酸塩、及び/又はプロピレングリコールジ安息香酸塩、ジプロピレングリコールジ安息香酸塩、ポリプロピレングリコールジ安息香酸塩、エチレングリコールジ安息香酸塩、ジエチレングリコールジ安息香酸塩、ポリエチレングリコールジ安息香酸塩、ネオペンチルグリコールジ安息香酸塩、などが挙げられるがそれらに限定されないエチレン又はプロピレングリコールに基づくグリコールエーテルジ安息香酸塩、及びイソデシル息香酸塩、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル息香酸塩、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソ酪酸塩及びこれらの組み合わせ又は本明細書に開示される任意の他の可塑剤であってもよい。従って、実施形態の範囲を包含するために、化学成分は、表1及び2の一般的及び特定の用語で記載されており、特定の化学物質に限定されるべきではない。それに基づいて、本明細書で開示されるような多くの化学物質が多目的床用仕上げ剤の所望の特性を提供し得ることが理解されるべきである。
【0064】
表3及び表4には、前記組成物の測定された特性が列挙されている。表3及び表4の数字の項目は、それぞれの組成物中の特定の化学物質の相対百分率、比率、又は割合に相関する。例えば、組成物2の重合体中の固形分に対する疎水性溶媒は、疎水性溶媒の合計(即ち、0.82%)を、重合体エマルジョンの合計(即ち、16.335%)で除し、100を掛けることによって算出してもよい。重合体中の固形分に対する可塑剤の百分率は、可塑剤の固形分の合計(即ち、1.65%)を、重合体エマルションの合計(即ち、16.335%)で割って100を掛けることによって算出してもよい。さらに、本実施形態では、重合体エマルジョン2はアルカリ可溶性樹脂である。その結果、組成物2の重合体と樹脂の比は、重合体1中の固形分の百分率(即ち、14.85%)を重合体2中の固形分の百分率(即ち、1.485%)で割ることによって算出してもよい。さらに、表2に示すように、全固形分に対する特性、即ち、全固形分に対する可塑剤、及び全固形分に対する重合体2を算出するために、w/o芳香剤値の合計が使用されたことに留意すべきである。
【0065】
さらに、前述したように、少なくとも1つの重合体、少なくとも1つの可塑剤、少なくとも1つの疎水性溶媒、及びそれらの組成は、床用仕上げ剤と床用下塗り剤の両方の所望の特性を有する被膜組成物の開発において不可欠であった。これを念頭に置いて、重合体と樹脂の比、重合体に対する可塑剤の百分率、及び重合体に対する疎水性溶媒の百分率特性は、多目的床用組成物の引張強度、伸び率、及び耐久性に直接関連すると判定された。このように、表4は、比較及び容易にするためのこれらの特定の特性を列挙した表3の要約版である。
【0066】
1つについては、重合体は組成物に必要な柔軟性を付与することができ、樹脂は所望の強度を提供し得る。従って、重合体と樹脂の比は、組成物の柔軟性と強度との間の比較を提供する。さらに、可塑剤は、材料の可塑性又は流動性を増加させることができる。その結果、比較的高レベルの可塑剤は、より軟質で弱い膜を生成することができる。しかし、可塑剤が不足すると、脆い組成物が生成することがある。従って、重合体に対する可塑剤の百分率は、可塑剤の最適量の指標を提供し得る。最後に、前述したように、疎水性溶媒は、塗布中に可塑剤と同様の特性を提供し得るが、溶液を揮発性として残し、固形分の百分率に寄与しない可能性がある。従って、疎水性溶媒は、塗布中に可塑剤と類似してもよいが、乾燥後の組成物の引張強度を損なうことはない。
【0069】
表1の組成物を以下のように試験した。最初に、伸び率、引張強度、及び厚さを、当技術分野において知られている方法によって各組成物について測定した。例えば、この特定の実施形態では、300mlの各組成物を13インチ×13インチのパンに均一に散布し、周囲条件で1週間、続いて120°Fでオーブンで約12時間硬化させた。塗布後、各組成物は、インストロン(Instron)(登録商標)試験データ及び/又はASTM国際試験方法を使用して試験を施して、各組成物の伸び率及び引張強度を測定した。具体的には、ASTM国際指定番号D638−03でのプラスチックの引張特性の標準試験方法が使用され、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0070】
さらに、各組成物について硬度試験を行い、試験した組成物のケーニッヒ値を測定した。これらの測定の間、各組成物1mlは、組成物の塗布の16日後にケーニッヒ試験を施した。
【0071】
次に、耐久性試験を実施してBHM(即ち、ブラックヒールマーク)又はスカッフの耐性を測定した。この場合、当技術分野で理解されているように、スネルカプセル(Snell capsule)試験が行われた。この特定の耐久性試験の間、白色ビニル組成物タイル(「VCT」)に、試験される組成物の4つの被膜を用いて4時間硬化させて、スネルカプセル(即ち、転動回転装置)内で60rpmで50サイクルに行った。スネルカプセルは、足の動きを刺激するように作用する複数の黒色ゴムキューブをその中に含んでもよい。試験後、各タイルには、標準と比較しVCT上のマークの存在を示す等級が割り当てられた。例えば、10等級は、観察可能なブラックヒールマーク及び/又はスカッフィングのないことに対応する。対照的に、3等級以下は、ブラックヒールマーク及び/又はスカッフの耐性が低く低い耐久性を示した。
【0072】
組成物1〜7を、Sealed AirからのSignature(登録商標)超高速床用仕上げ剤(即ち、実施例S)、Sealed AirからのVectra(登録商標)床用仕上げ剤(即ち、実施例V)、Sealed AirからのJonCrete
TM/MC無光沢コンクリート下塗り剤(即ち、実施例J)、Spartan(登録商標)からのISHINE(即ち、実施例I)、3M(商標)からのビニールプロテクター(即ち、実施例V)、Betco(登録商標)からのHybrid(登録商標)(即ち、実施例H)、Buckeye(登録商標)からのCastleguard(登録商標)(即ち、実施例C)、など従来技術の既知の床用下塗り剤及び床用仕上げ剤と比較した。表5は、組成物1〜7及び市販の従来技術の組成物の測定された伸び率、引張強度、ケーニッヒ値、BHM/スカッフ等級、及び厚さを列挙する。上述したように、伸び率は、組成物の柔軟性を定量化し、引張強度は、組成物の強度又は耐久性を表すことがある。最適な組成物は、BHM又はスカッフマークに耐えるために十分な強度及び耐久性を有するが、ブラックヒールマーク、スカッフを除去、及び/又は光沢を改善することによって、修復性(即ち、膜の緩衝、バニシングなどに対応する能力)のために十分に柔軟な組成物を提供し得る伸び率及び引張強度を示すことができる。表5に示すように、市販の床用仕上げ剤、例えば実施例S及び実施例Vは、比較的高い引張強度及び比較的高いBHM及びスカッフ等級を有する。しかし、従来技術の床用仕上げ剤は、伸び率が不十分であり、それらを脆くする。あるいは、市販の床用下塗り剤、例えば実施例Jは、比較的高い伸び率を有するが、不十分な引張強度及びBHM/スカッフ等級を有する組成物を提供する。
【0073】
さらに、いくつかの組成物は複数の試験を施した。その結果、いくつかの組成物は、組成物1及び実施例Sなどの特定の値の範囲を含み、従って、最小及び最大測定値を表す。
【0075】
上述したように、
図1は、ケーニッヒ硬度又はBHM及びスカッフ等級と、引張強度、伸び率、重合体と樹脂の比、重合体中の固形分に対する可塑剤の百分率及び重合体中の固形分に対する疎水性溶媒の百分率との関係を示す。
図1に示すように、ケーニッヒ硬度は、相対的に負であったが、適度に小さく、引張強度と相関していた。そのため、ケーニッヒ硬度は、組成物の相対的な耐久性や強度を付与するには不十分であると判断された。さらに、適度に小さい相関が発見された結果、所望のケーニッヒ値、即ち、低いケーニッヒ値が、高い引張強度及び/又は好ましいBHM/スカッフ等級で依然として観察できることが決定された。
【0076】
最適なBHM/スカッフ等級は、少なくとも約1000psiの引張強度及び少なくとも約70%、最も好ましくは少なくとも約100%の伸び率で、約9.89であると決定された。最適な結果を達成するために、重合体と樹脂の比は約25〜約35の範囲であり、重合体中の固形分に対する可塑剤の百分率は約20%〜約25%の範囲であり、重合体中の固形分に対する疎水性溶媒の百分率は約7%〜約12%である。好ましい実施形態では、重合体と樹脂の比は約30であり、重合体中の固形分に対する可塑剤の百分率は約20%であり、重合体中の固形分に対する疎水性溶媒の百分率は約10%である。その理由から、組成物1は、多目的床用組成物の好ましい実施形態を提供する。
【0077】
前述したように、特定の実施形態及び実施例に関連して本発明を上述したが、本発明は必ずしもそのように限定されず、他の多くの実施形態、実施例、使用、並びに実施形態、実施例及び使用からの変更及び逸脱は、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとする。本明細書に引用された各特許及び刊行物の全開示は、そのような各特許又は刊行物が個々に参照により本明細書に組み込まれているかのように、参照により組み込まれる。本発明の様々な特徴及び利点は、添付の特許請求の範囲に記載されている。