【実施例】
【0078】
以下の実施例は、本発明の実施形態を実証するために含まれている。当業者であれば、本開示に鑑みて、提供されている具体的実施形態に多くの変更を加えることができ、依然として本発明の範囲及び概念範囲から逸脱せず類似または同様の結果を得ることができる、ということを理解するはずである。より具体的には、同じまたは同様の結果を得ながら、本明細書に記載の薬剤の代わりに化学的または生理学的に関連する特定薬剤が使用され得ることは明らかであろう。当業者にとって明らかなそのような同様の置き換え及び改変は全て、本発明の範囲及び概念に含まれているとみなされる。
【0079】
実施例1:CTP−DMOの発現及びダイズプロトプラストにおける局在化
ダイズプロトプラストアッセイを用いて、DMO配列(配列番号27)に機能可能に繋げられた5つのうち1つのCTPを含んでいる組換えタンパク質の相対的な葉緑体指向効率を評価した。組換えタンパク質のサイトゾル及び葉緑体での分布を監視するために、組換えのCTPとDMOとの組み合わせ(本明細書においてCTP−DMOと呼ぶ)をコードするカセットに緑色蛍光タンパク質コード配列を、緑色蛍光タンパク質がDMOのカルボキシ末端と融合するように追加した。
【0080】
プロトプラストは、マメ子葉(生殖細胞質A3244)から作製した。未熟なダイズ種子鞘を採取し、滅菌技法を用いて種子(長さ4〜6mm)を取り出した。各種子からの子葉を手作業で取り出し、横に1mmの薄片に切り、0.7Mのマンニトールを含むCPW緩衝液(pH5.8)中で24〜26℃で1時間、40RPMで振盪しながら暗所でインキュベートした。その後、緩衝液を除去して酵素緩衝液(4%のセルラーゼ「オノズカ」R−10、2%のヘミセルラーゼ、0.3%のマセロザイムR−10、CPW緩衝液中(pH5.8、0.49Mのマンニトールを含む))で置き換えた。子葉組織を回転式振盪器上で50rpmで2時間24〜26℃でインキュベートした。このインキュベーションの最後に、プレートを手作業で回し、懸濁液を60umのナイロン製メッシュの二重層で50mL円錐管内へと濾過することにより、ダイズプロトプラストが子葉組織から遊離した。プロトプラストを再懸濁及び遠心分離によって穏やかに1回洗浄した。最終ペレットを緩衝液(4mMのMES(pH5.7)、150mMのNaCl、5mMのCaCl2、0.5Mのマンニトール)中に再懸濁させ、氷上で1時間休めた。その後、プロトプラストを遠心分離し、ペレットを形質転換用緩衝液(0.4Mのマンニトール、15mMのMgCl2、4mMのMES(pH5.7))中に再懸濁させた。体積を調節して1×10,000,000プロトプラスト/mlにした。形質転換は、各構築物に対して12.5μgのDNAを混合することによって成し遂げられた。DNAを穏やかに1.5×1,000,000プロトプラストと混ぜ、次いで等しい体積のPEG緩衝液を添加した。これを5分間インキュベートし、その後、300μlのW5緩衝液(154mMのNaCl、125mMのCaCl
2、5mMのKCl、2mMのMES(pH5.7))で徐々に希釈した。これを5〜10分インキュベートし、その後、900μlのW5緩衝液を徐々に添加した。プロトプラストをペレットにし、WI緩衝液(0.5Mのマンニトール、4mMのMES(pH5.7)、20mMのKCl)中に再懸濁させ、24〜26℃で暗所にてインキュベートした。クリプトン−アルゴンイオン(458、488nm)レーザー、緑色(543nm)ヘリウム−ネオンレーザーならびにFITC及びTexas redフィルターセットを装備したZeiss LSM510 METAレーザー走査型顕微鏡(Carl Zeiss MicroImaging,Inc.,Thornwood,NY)を使用して顕微鏡分析を行った。画像の取得及び解析は、ZEN2012 v.8.1(Carl Zeiss MicroImaging,Inc.,Thornwood,NY)及び40Xの水浸1.2開口数対物レンズを使用して行った。使用した励起波長は、488nm(GFP)及び543nm(葉緑体自家蛍光)であり、出射フィルターは500〜530nm(GFP)及び630〜700nm(葉緑体自家蛍光)であった。各構築物につき少なくとも50個の個々の細胞を構築物の局在性について採点した:サイトゾル、色素体、またはサイトゾルと色素体との両方。結果は、分析した細胞の全数のうちサイトゾルまたは色素体(またはそれらの両方)に局在しているタンパク質を有する細胞の百分率として記録し、表4に示す。
表4.ダイズプロトプラスト指向性アッセイ
【表4】
【0081】
分析した5つのCTP−DMOの組み合わせのうちAPG6 CTP(配列番号1)のみが、色素体のみへのタンパク質の局在化を示す100%の細胞をもたらした。At.CR88 CTP(配列番号3)は、色素体のみへのタンパク質の局在化を示す94%の細胞ならびに、サイトゾル及び色素体へのタンパク質の局在化を示す6%の細胞をもたらした。「A」CTPは、色素体のみへのタンパク質の局在化を示す79%の細胞ならびに、サイトゾル及び色素体への局在化を示す21%の細胞をもたらした。「B」CTPは、色素体のみへのタンパク質の局在化を示す9%の細胞ならびに、サイトゾル及び色素体への局在化を示す91%の細胞をもたらした。「C」CTPは、色素体のみへのタンパク質の局在化を示す18%の細胞ならびに、サイトゾル及び色素体への局在化を示す82%の細胞をもたらした。CTPなしでは、タンパク質はサイトゾル中にのみ存在した。これらの結果は、APG6 CTPが100%の効率でCTP−DMOを色素体に対して標的指向化したこと、及びAt.CR88 CTPが94%の効率でCTP−DMOを色素体に対して標的指向化したことを指し示している。
【0082】
実施例2:遺伝子導入コムギにおけるCTP−DMOプロセシング
DMOに機能可能に繋げられた別個の4つのうち1つのCTPをコードする組換えDNA分子を含むDNA構築物で形質転換された遺伝子導入コムギ植物を使用して、タンパク質発現の評価及びCTPプロセシングの判定を行った。
【0083】
遺伝子導入コムギ植物は、プロモーターに機能可能に繋げられたDMOタンパク質に機能可能に繋げられた異なる4つのうち1つのCTPを含有するDNA構築物を各々が含んでいる4つの異なる植物形質転換用ベクターを使用して生産した。Agrobacterium tumefaciensを使用し、当業者に知られている方法を用いて、Samson生殖細胞質(PVP1994)のコムギ由来の前培養した未熟胚を形質転換し、遺伝子導入小植物体を生産した。各々の固有の事象のゲノム中の導入遺伝子コピー数を確認する分子分析のために葉の試料を採取し、導入遺伝子のコピーを1つ有するR0植物を自殖してR1種子を採集した。
【0084】
種子(50g)を粉砕し、次いでそれを250mlの抽出用緩衝液(1xTBE(89mMのトリス−ホウ酸、2mMのEDTA、pH8.4)、200mMのNaCl、10%のグリセリン、1mMのフェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)、5mMのベンズアミジン、2mMのジチオスレイトール(DTT)、cOmplete(商標)プロテアーゼ阻害剤(Roche Diagnostics Corporation,Indianopolis,IN))に添加し、Polytron(登録商標)(VWR,Radnor,PA)で約20秒間均質化し、次いで4℃で1〜2時間、振盪しながらインキュベートした。混合物を4℃で25分間9,000rpmで遠心分離し、上清を10%及び55%の飽和硫酸アンモニウム(AS)で順次沈殿させ、各沈殿ステップにおいて18,000rpmで20分間遠心分離をした。10%AS沈殿からのペレットは廃棄した。
【0085】
10〜55%画分からのペレットを30mlのPBS(0.1Mのリン酸ナトリウム、0.15MのNaCl)中に1錠のcOmplete(商標)プロテアーゼ阻害剤と共に溶かした。溶解したペレットを遠心分離し、上清を0.22umの膜で濾過した。DMOに対するヤギポリクローナル抗体血清をPierce(商標)プロテインA/Gアガロース樹脂(ThermoFisher Scientific,Grand Island,NY)の1:1懸濁液と混合し、1.5時間後に、抗DMO Abで負荷されたプロテインA/Gアガロース樹脂をPBSで3回洗浄し、約30mlの10〜55%AS濾過済み画分に添加した。インキュベート後に樹脂を遠心沈降させ、PBSで3回洗浄し、その後、1mlのPBS中に再懸濁させ、微量遠心分離管へ移して再びペレット化した。
【0086】
最終ペレットを2XのLaemmli緩衝液中に再懸濁させ、5分間煮沸し、トリス−グリシン緩衝液中10%のSDS−PAGEゲルに185V(一定)で試料を流した。4℃及び100Vで30分間、CAPSトランスファー緩衝液を使用してSDS−PAGEゲル中のタンパク質をPVDF膜へ移した。PVDF膜に結合したタンパク質をクーマシーブルーで約30秒間染色し、10〜55%AS画分中の各DMOタンパク質に対応するバンドをPVDFブロットから切り出してアミノ末端タンパク質配列解析に使用した。アミノ末端タンパク質配列決定は自動化エドマン分解化学によって行い、各解析は自動化エドマン分解化学を用いて15サイクル実施した。140C微小勾配ポンプ及びPerkin Elmer Series200 UV/可視検出器を備えたApplied Biosystems 494 Procise(登録商標)配列決定システムをProcise Control(バージョン2.1)ソフトウェア(ThermoFisher Scientific,Grand Island,NY)で制御して解析に使用した。SequencePro(登録商標)(バージョン2.1)タンパク質配列解析ソフトフェアを使用してクロマトグラフィーデータを収集した。各タンパク質について予測タンパク質の予測配列と一致する少なくとも8つのアミノ酸が認められた場合に同一性を成立させた。アミノ末端配列決定の結果を表5に示す。
表5.組換えタンパク質のアミノ末端配列決定
【表5】
【0087】
DMO、DMO+1、DMO+10及びDMO+12という名称は、プロセシング後にCTPのそれぞれ0、1、10または12個のアミノ酸がDMOのアミノ末端に残留していることがタンパク質配列決定によって示されたことを指し示すために使用した。DMO−1という名称は、プロセシング後にDMOの最初のメチオニンが除去されたことを指し示すために使用した。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAPG6 CTP(配列番号1)について2つの固有の事象を試験した。両試料とも、プロセシング後にDMOのアミノ末端に残留しているCTPの1つのアミノ酸を示した(DMO+1)。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAt.CR88 CTP(配列番号3)について3つの固有の事象を試験した。3つの試料は全て、プロセシング後にDMOのアミノ末端に残留しているCTPの0個または1つのアミノ酸を示した(DMO及びDMO+1)。DMO(配列番号19)に機能可能に繋げられたCTP4(配列番号4)から試験した事象は、プロセシング後にDMOのアミノ末端に残留しているCTPの12個のアミノ酸を示した(DMO+12)。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたOs.Waxy CTP(配列番号6)について2つの固有の事象を試験した。1つの試料は、プロセシング後にDMOのアミノ末端に残留しているCTPの10個のアミノ酸を示し(DMO+10)、1つは、プロセシング後にDMOの最初のメチオニンが除去されたことを示した(DMO−1)。これらの結果は、遺伝子導入植物において発現した場合にAPG6 CTP及びAt.CR88 CTPがDMOから効率的にプロセシングされることを指し示している。
【0088】
実施例3:遺伝子導入Brassica napusにおけるCTP−DMO発現
DMOに機能可能に繋げられた別個の3つのうち1つのCTPをコードする組換えDNA分子を含むDNA構築物の、ジカンバ耐性をもたらす能力を、遺伝子導入Brassica napus植物で評価した。
【0089】
遺伝子導入Brassica napus植物は、プロモーターに機能可能に繋げられたDMOに機能可能に繋げられた異なる3つのうち1つのCTPを含有するDNA構築物を各々が含んでいる3つの異なる植物形質転換用ベクターを使用して生産した。Brassica napus品種65037稔性回復系統をAgrobacterium媒介形質転換のために使用し、R0植物を温室で栽培した。固有の事象を導入遺伝子のコピー数に関して選別した。導入遺伝子のコピーを1つ有するR0植物を自殖してR1種子を採取した。
【0090】
ベクター鎖による1コピーの導入遺伝子、または2コピーの導入遺伝子を有するR0植物を使用してジカンバ耐性を評価した。ジカンバ耐性は、温室条件下で20%以下のジカンバ損傷として示される。植木鉢に入ったR0事象を3つの群に分け、ジカンバ(Clarity(登録商標))を3つの量:(1)ジカンバなし、(2)1ポンド酸当量/エーカーのジカンバ(2X量)、または(3)2ポンド酸当量/エーカーのジカンバ(4X量)のうちの1つで散布した。遺伝子導入植物に噴霧し、21日後に損傷評価を記録した。DMO(配列番号21)に機能可能に繋げられた「A」CTPを含有する植物は、ジカンバに耐性である事象を示さなかった。DMO(配列番号21)に機能可能に繋げられたRbcS CTP(配列番号5)を含有する植物は、2X量のジカンバ対する耐性を有する、9個のうち8個の事象及び、4X量のジカンバに対する耐性を有する、7個のうち7個の事象を示した。DMO(配列番号20)に機能可能に繋げられたAPG6 CTP(配列番号1)を含有する植物は、2X量のジカンバ対する耐性を有する、14個のうち7個の事象及び、4X量のジカンバに対する耐性を有する、18個のうち6個の事象を示した。結果を表6に示す。
表6.R0のBrassica napusにおけるジカンバ耐性
【表6】
【0091】
1コピーの導入遺伝子を有するR0植物においてジカンバ耐性を評価した。温室内で植物にジカンバ(Clarity)を1ポンド酸当量/エーカー(2X量)で噴霧し、ジカンバ耐性を14〜21日後に判定した。DMO(配列番号20)に機能可能に繋げられたAPG6 CTPを含有する植物は、ジカンバに対する耐性を有する、31個のうち13個の事象を示した。DMO(配列番号21)に機能可能に繋げられたRbcS CTPを含有する植物は、ジカンバに対する耐性を有する、17個のうち13個の事象を示した。DMO(配列番号21)に機能可能に繋げられた「A」CTPを含有する植物は、ジカンバに対する耐性を有する、18個のうち7個の事象を示した。結果を表7に示す。
表7.R0のBrassica napusにおけるジカンバ耐性
【表7】
【0092】
DMO(配列番号20)に機能可能に繋げられたAPG6 CTP(APG6+DMO)を含有する28個のR1植物の各々からの10個の種子及び、DMO(配列番号21)に機能可能に繋げられたRbcS CTP(RbcS+DMO)を含有する17個のR1植物の各々からの10個の種子を温室内で栽培した。植付け日に2ポンド酸当量/エーカーのジカンバ(4X)、それに続いてV3段階に1ポンド酸当量/エーカーのジカンバ(2X)、そして第1開花期(植物の90%超が抽苔したとともに約25%が少なくとも1つの開いた花を有することとして定義される)に1ポンド酸当量/エーカーのジカンバ(2X)を、植物に噴霧した。各噴霧から7日後に損傷評価を行い、噴霧された対照と比較したときの損傷率として表した。APG6+DMOを含有する植物では、3回の評価期の各々においてジカンバ損傷評価が20%以下である2つの事象からの子孫が合計9つあった。RbcS+DMOを含有する植物では、3回の評価期の各々において20%未満のジカンバ耐性を有する植物が16個の事象をまたいで77個あった。
【0093】
R0事象から採取した葉を使用してタンパク質特性評価を行った。葉の組織を液体窒素中ですり潰し、10%の2−メルカプトエタノールと5mMのDTTとを含有する2XのLaemmli緩衝液(BioRad,Hercules,CA)2回分を使用して抽出した。試料を煮沸し、10μlを4〜20%のCriterion(商標)プレキャストゲル(BioRad,Hercules,CA)に装填し、250Vで45分間トリス/グリシン/SDS緩衝液で流した。ゲル中のタンパク質を400mAで30分間、20%のメタノールを含有するトリス/グリシン緩衝液中でPVDF膜へ移した。ポリクローナルウサギ抗DMO抗血清とHRP結合抗ウサギ二次抗体とを使用してDMOタンパク質を検出した。SuperSignal(商標)West Pico Chemiluminescentキット(ThermoFisher Scientific,Grand Island,NY)を使用して信号を検出した。APG6−DMOを含有する3つの事象の各々において、完全にプロセシングされたDMOタンパク質の予測される大きさである約38kDaの単一のバンドが存在していた。RbcS−DMOを含有する6つの事象の各々において、約38kDa及び約41kDaの2つのバンドが存在していた。41kDaのバンドは、DMO+27と一致し、RbcS−DMOを含有するダイズにおいて以前に報告されている(米国特許第7,838,729号)。「A」CTP−DMOを含有する全ての事象においてはDMOタンパク質の発現は非常に低く、長い間露光した後に検出された信号は約50kDaのバンドと約39kDaのバンドであった。50kDaのバンドは、プロセシングされていない「A」CTP−DMOの予測される大きさの近似である。これらの結果は、APG6−DMOが、完全にプロセシングされたDMOと一致する予測される大きさの単一のバンドを生じさせた、ということを指し示している。
【0094】
組換えタンパク質を、APG6−DMOまたはRbcS−DMOを含有するR0植物の葉の組織から精製した。記載したエドマン分解化学を用いてアミノ末端配列解析を実施した。アミノ末端配列解析は、ウェスタンブロットで見受けられたDMOバンドの大きさと一致する、RbcS−DMOを含有する植物に存在しているDMO+27及びDMO−1のDMOアミノ末端配列の存在を裏付けた。アミノ末端配列解析は、ウェスタンブロットで見受けられたDMOバンドの大きさと一致する、APG6−DMOを含有する植物において唯一のDMOアミノ末端配列DMO+1の存在を裏付けた。この結果は、APG6 CTPの使用が植物において機能可能に繋げられたDMOの完全なプロセシングをもたらすことを裏付けている。
【0095】
実施例4:遺伝子導入トウモロコシにおけるCTP−DMO発現
DMOに機能可能に繋げられた別個の2つのCTPのうちの1つをコードする組換えDNA分子を含んでいるDNA構築物の発現を、遺伝子導入トウモロコシ細胞及び植物において分析した。
【0096】
トウモロコシ葉肉プロトプラストの一過性形質転換を用いて、CTP−DMOの2つの組み合わせの相対DMO発現を評価した。DNA構築物は、DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたCTPがAPG6(配列番号1)またはCTP4(配列番号4)のどちらかであることを別とすれば同一であった。プロトプラストは、本質的には実施例1に記載されているとおりに作製した。形質転換後に細胞を採取し、DMOタンパク質レベルを酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)で決定した。CTP−DMOの各組み合わせについて、4つの形質転換プロトプラスト試料からのタンパク質を、1ミリグラム(mg)の全タンパク質あたりのナノグラム(ng)DMOとして測定した。APG6−DMOで形質転換されたプロトプラストは、CTP4−DMOで形質転換されたプロトプラストと比較してDMOのレベルが約4倍高かった。データを表8に示す。
【0097】
DNA構築物を使用して遺伝子導入トウモロコシ植物を生産し、R0植物を栽培した。8つの固有の単一コピー事象に相当するR0植物から葉の試料を採集し、DMOレベルを測定する定量的ELISAのために使用した。APG6−DMOを含有する事象において、R0の葉の組織におけるDMO発現は、CTP4−DMOを含有する事象と比較して約4倍高かった。データを表8に示す。
【0098】
遺伝子導入トウモロコシ植物において発現したDMOに関してアミノ末端配列決定を行った。CTP4−DMOまたはAPG6−DMOを発現している遺伝子導入トウモロコシ植物からタンパク質を精製し、本質的には実施例2に記載されているとおりにエドマン分解配列決定のために準備した。アミノ末端配列解析は、CTP4−DMOを含有する植物において存在しているDMO+6、DMO+7及びDMO+12のDMOアミノ末端配列を裏付けた。アミノ末端配列解析は、APG6−DMOを含有する植物において存在しているDMO及びDMO+1のDMOアミノ末端配列を裏付けた。これらの結果は、DMOのアミノ末端に残留しているCTPアミノ酸がより少ないことから立証されるように、CTP4と比較してAPG6ではCTPのプロセシングがより完全であることを指し示している。データを表8に示す。
表8.トウモロコシにおけるDMOタンパク質発現
【表8】
【0099】
APG6−DMOまたはCTP4−DMOのどちらかをコードする組換えDNA分子を含有するDNA構築物を使用して、Agrobacterium媒介形質転換により、当業者に知られている方法を用いて遺伝子導入トウモロコシを生産した。ジカンバ耐性は、遺伝子導入F1雑種植物の圃場試験において評価した。圃場試験は、各々2回繰り返される、2つの場所での4つの処理を含んでいた。4つの処理は、(1)V2及びその後のV4及びその後のV8での2ポンド酸当量/エーカー(4X)のジカンバ(Clarity(登録商標)の散布)、(2)V2及びその後のV4及びその後のV8での4ポンド酸当量/エーカー(8X)のジカンバの散布、(3)V2及びその後のV4及びその後のV8での8ポンド酸当量/エーカー(16X)のジカンバの散布、ならびに(4)V2及びその後のV4及びその後のV8での16ポンド酸当量/エーカー(32X)のジカンバの散布であった。処理から十日後に作物損傷を評価してV段階ごとの作物損傷率(CIPV2、CIPV4またはCIPV8)として測定した。期間の最後に穀粒を採取し、収穫高をブッシェル/エーカーとして測定した。CIPV評価と収穫高との両方について、確率5%(p=0.05)での最小有意差(LSD)を計算した。APG6−DMOを含有するF1雑種植物に散布した最も高いジカンバ量(16X及び32X)は、CTP4−DMOを含有する植物と比較してより少ない生長損傷及びより高い穀粒収穫高を示した。データを表9に示す。
表9.F1雑種のジカンバ損傷及び収穫高についての圃場試験
【表9】
【0100】
実施例5:遺伝子導入ワタ及びダイズにおけるCTP−DMO発現
タンパク質翻訳効率(タンパク質合成)を増強しかつタンパク質蓄積を増大させるべくAPG6 CTPを最適化した。最適化されたAPG6 CTP(配列番号2)は、APG6 CTP(配列番号1)の位置3及び4においてスレオニン(T)からセリン(S)へのアミノ酸変更を有する。ダイズにおいて各々DMOに機能可能に繋げられた2つのCTPを比較するために、DNA構築物を作った。
【0101】
APG6 CTPを除けば同一である2つのDNA構築物を使用して、遺伝子導入ダイズ植物を生産した。1つ目のDNA構築物は、DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)を有していた。2つ目のDNA構築物は、DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられた最適化APG6(配列番号2)を有していた。各DNA構築物を使用して、Agrobacterium媒介形質転換方法によってA3555ダイズを形質転換した。形質転換後、導入遺伝子の単一のコピーを含有するR0遺伝子導入植物をPCRアッセイによって同定した。単一コピーR0植物を温室内で栽培し、R1種子を採取した。2つのDNA構築物を各々使用して生産した4つの事象について1つの事象あたり10個のR1種子と、AG3555種子とを、標準的温室栽培条件下での発芽後ジカンバ処理に対する作物耐性の評価のために植付けた。V4段階においてジカンバ(Clarity)を1120g活性成分/ヘクタールで散布した。処理から10日後に作物損傷評価を行った。組換えタンパク質レベル測定及びアミノ末端配列解析のためにジカンバ耐性ダイズ植物からの葉の試料を得た。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAPG6 CTP(配列番号1)を有する単一コピージカンバ耐性R1遺伝子導入ダイズ植物については、DMOタンパク質レベルが13.35±2.7ng/mgであることがELISAによって判明した。最適化APG6 CTP(配列番号2)を有する単一コピージカンバ耐性R1遺伝子導入ダイズ植物については、DMOタンパク質レベルが18.55±3.1ng/mgであることがELISAによって判明した。陰性対照A3555ダイズ葉組織ではDMOタンパク質は検出されなかった。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAPG6 CTP(配列番号1)を有する単一コピーR1遺伝子導入ダイズ植物のジカンバ損傷評価は3.6%であった。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられた最適化APG6 CTP(配列番号2)を有する単一コピーR1遺伝子導入ダイズ植物のジカンバ損傷評価は2.7%であった。陰性対照A3555ダイズのジカンバ損傷評価は99.8%であった。単一コピージカンバ耐性R1遺伝子導入ダイズ植物からの葉の試料を(実施例2及び4に記載されているような)アミノ末端配列決定のために使用した。アミノ末端配列解析は、APG6−DMO及び最適化APG6−DMOのプロセシングがDMOタンパク質のアミノ末端からのCTPの完全なプロセシングをもたらしたことを裏付けた。DMOレベル、ジカンバ損傷及びAPG6−DMOプロセシングは、DMOに機能可能に繋げられた場合にAPG6及び最適化APG6がどちらもジカンバに対する耐性をもたらし、両CTPが植物において完全にプロセシングされる、ということを指し示した。データを表10に示す。
表10.R1ダイズ温室試験
【表10】
【0102】
APG6 CTPを別とすれば同一である2つのDNA構築物を使用して遺伝子導入ワタ植物を生産した。1つ目のDNA構築物は、DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)を有していた。2つ目のDNA構築物は、DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられた最適化APG6 CTP(配列番号2)を有していた。Agrobacterium媒介形質転換によって各DNA構築物を当業者に知られている方法を用いてワタに形質転換した。形質転換後、導入遺伝子の単一のコピーを含有するR0ワタ遺伝子導入植物をPCRアッセイによって同定し、温室内で栽培し、R1種子を採取した。各構築物について10の事象から1つの事象あたり10個のR1種子と、DP393ワタからの種子とを、ジカンバの発芽後散布に対する作物耐性の評価のために植付けた。V4段階において、ジカンバ(Clarity)を1120g活性成分/ヘクタールで散布した。処理から9日後に作物損傷率評価を行った。タンパク質レベル測定及び、APG6−DMOまたは最適化APG6−DMOのアミノ末端配列解析のために、耐性ワタ植物からの葉の試料を使用した。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAPG6 CTP(配列番号1)を有する単一コピージカンバ耐性R1遺伝子導入ワタ植物では、ELISAによって検出されたDMOタンパク質レベルが176.2±103ng/mgであった。最適化APG6 CTP(配列番号2)を有する単一コピージカンバ耐性R1遺伝子導入ワタ植物では、ELISAによって検出されたDMOタンパク質レベルが136.5±58.6ng/mgであった。陰性対照DP393ワタ葉組織においてはDMOタンパク質は検出されなかった。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられたAPG6 CTP(配列番号1)を有する単一コピーR1遺伝子導入ワタ植物のジカンバ損傷は2.6%であった。DMO(配列番号18)に機能可能に繋げられた最適化APG6 CTP(配列番号2)を有する単一コピーR1遺伝子導入植物のジカンバ損傷は2.2%であった。陰性対照DP393ワタの損傷は85%であった。単一コピージカンバ耐性R1植物からの葉の試料を(実施例2及び4に記載されているような)アミノ末端配列決定のために使用した。アミノ末端配列解析は、APG6−DMO及び最適化APG6−DMOのプロセシングがDMOタンパク質のアミノ末端からのCTPの完全なプロセシングをもたらしたことを裏付けた。DMOタンパク質発現レベル、ジカンバ損傷ならびに、APG6−DMO及び最適化APG6−DMOのアミノ末端プロセシングは、DMOに機能可能に繋げられた場合にAPG6及び最適化APG6がどちらもジカンバに対する耐性をもたらし、両CTPが植物において完全にプロセシングされる、ということを指し示した。データを表11に示す。
表11.R1ワタ温室試験
【表11】
【0103】
実施例6:遺伝子導入トウモロコシにおけるCTP−PPO発現
除草剤細菌スクリーニング系を使用して、PPO除草剤に対して耐性である新規PPOを同定した。このスクリーニング系は、PPO除草剤に対して感受性でないPPOを同定するために、PPO除草剤を含むLB液体培地でのノックアウトE.coli株の増殖アッセイを用いるものであった。
【0104】
確立されたPPO活性を含んでいる細菌発現用ベクターでノックアウトE.coli株を形質転換し、LB液体培地で培養した。精製された結晶形態にある、3つの異なるPPO化学サブクラスを表す5つの異なるPPO除草剤(アシフルオルフェン(1mM)、フルミオキサジン(0.5mM)、ラクトフェン(0.5mM)、ホメサフェン(1mM)及びS−3100(100μM))のうちの1つを培地に添加した。組換えタンパク質を発現させ、E.coli増殖速度を測定した。ゼロ時間から24時間まで、選択された時点においてPPO除草剤の存在下及び非存在下で種々の変異型について増殖曲線(OD600)を測定した。形質転換されたノックアウトE.coli株の、PPO除草剤の存在下でのLB培地での増殖は、E.coliの形質転換に使用した遺伝子が除草剤非感受性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(iPPO)をコードしていることを指し示した。
【0105】
配列番号40〜49として提供される10個のPPOは全て、PPO除草剤の存在下でLB培地中のノックアウトE.coli株に対して正常な増殖速度を与えることが分かり、これらのタンパク質が除草剤非感受性プロトポルフィリノーゲンオキシダーゼ(iPPO)であることを指し示していた。WH_PPO(配列番号60)を発現しているノックアウトE.coli株は、5つのPPO除草剤全てに対して感受性であり、アッセイは各除草剤について感受性PPOと非感受性PPOとを区別することができるということが確認された。
【0106】
植物内でPPO H_N10(配列番号43)を発現させるために4つの植物形質転換用ベクターを作出した。形質転換用構築物1及び11は、プロモーターとリーダーとイントロンとの同じ組み合わせ、同じ3’UTR配列、同じPPO H_N10(配列番号43)を有していたが、CTP配列が異なっており、ダイズの形質転換に使用した。形質転換用構築物6及び16は、プロモーターとリーダーとイントロンとの同じ組み合わせ、同じ3’UTR配列、同じPPO H_N10(配列番号43)を有していたが、CTP配列が異なっており、トウモロコシの形質転換に使用した。表12に、PPO H_N10植物形質転換用構築物の構成を示す。
表12.PPO H_N10を有する構築物の構成
【表12】
【0107】
遺伝子導入トウモロコシ植物においてPPO酵素を発現させ、遺伝子導入植物をPPO除草剤耐性に関して分析した。配列番号40〜59として提供されるPPO酵素のうちの1つをコードする組換えDNA分子を含んでいる植物形質転換用ベクターを構築した。PPO酵素をコードするDNA配列は、開始コドンとして一般的に知られているメチオニンのコドンを5’末端に含んでいてもよく、または、コード配列の5’末端に葉緑体輸送ペプチド配列を機能可能に繋げることを容易にするためにこのコドンが除去されてもよい。アミノ末端にメチオニンを含有するPPO酵素タンパク質配列の例は配列番号40〜49として提供される。アミノ末端にメチオニンを含んでいないPPO酵素タンパク質配列の例は配列番号50〜59として提供される。植物形質転換のために、推定上のPPO酵素をコードするヌクレオチド配列を双子葉発現または単子葉発現に最適化した。形質転換用ベクター内のPPO酵素のタンパク質配列及びヌクレオチド配列に対応する配列番号を表2に示してある。
【0108】
トウモロコシ植物内試験のために、Agrobacterium tumefaciens及び当該技術分野において知られている標準的方法を用いてトウモロコシ(LH244)を形質転換した。2つの構築物構成のうちの1つにおいてH_N10(配列番号43)を発現している単一コピーR0植物を異系交配することによって生じた遺伝子導入F1植物を、除草剤耐性に関して温室内で試験した。植物をV3生育段階において40グラム/ヘクタールのS−3100で処理し、処理から7日後に損傷評価を行った。構築物6の構成(PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1))でH_N10(配列番号43)を発現している遺伝子導入トウモロコシ植物は、18個のうち13個の、高耐性植物(10%以下の損傷)を生む事象をもたらしたが、構築物16の構成(PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられた12G088600TP(配列番号38))は、高耐性植物を生む事象を全くもたらさなかった。
【0109】
2つの構築物構成(構築物6及び16)のうちの1つにおいてH_N10(配列番号43)を発現している単一コピーR0植物を異系交配させることによって生産した遺伝子導入F1植物を除草剤耐性に関して圃場で試験した。このF1集団は分離していた(50%はヘミ接合体、50%は欠失)ので、遺伝子導入植物の選抜は損傷評価の前には行わなかった。そのような集団の全体平均損傷評価は、非遺伝子導入型植物と遺伝子導入植物との区別が難しいため、同質の遺伝子導入集団と比較してより高くなると予測される。試験は、2つの場所で1つの構築物あたり3つの処理を2回繰り返し行うものであった。非遺伝子導入型トウモロコシ植物を陰性対照として使用した。除草剤散布処理は以下のとおりであった:処理1は、V2及びその後のV4及びその後のV8での0.036ポンド活性成分/エーカーのS−3100の散布であり、処理2は、V2及びその後のV4及びその後のV8での0.072ポンド活性成分/エーカーのS−3100の散布であり、処理3は、V2及びその後のV4及びその後のV8での0.144ポンド活性成分/エーカーのS−3100の散布であった。V2生育段階(CIPV2)及びV4生育段階(CIPV4)において処理後5〜7日目に作物損傷率評価を行った(誤差V2及び誤差V4は、最小有意差(LSD)の半分である)。両方の場所での作物損傷評価をまとめ合わせた。非遺伝子導入型植物及び、PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられた構築物16(12G088600TP(配列番号38)を使用して生じさせた事象を有する植物は全て、3つの処理の各々においてV2及びV4のどちらの除草剤散布の後でも94.6〜99.5%の損傷を示した。構築物6(PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1))を使用して生じさせた事象を有する植物は、V2除草剤散布後にたった30〜50%の損傷しか示さず、V4除草剤散布後には全く損傷を示さなかった。データを表13に示す。
表13.PPO H_N10(配列番号43)を含有するF1トウモロコシの有効性圃場試験
【表13】
【0110】
F1遺伝子導入トウモロコシの温室及び圃場でのデータから、PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられた12G088600TP(配列番号38)が遺伝子導入植物において発現した場合の損傷率と比較して、PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)は、遺伝子導入植物において発現した場合に損傷率の低減をもたらす、ということが実証された。
図1を参照されたい。
【0111】
APG6(配列番号1)、CTP D、またはCTP Eに機能可能に繋げられた、PPO H_N40(配列番号54)かまたはPPO H_N90(配列番号50)かのどちらかを植物内で発現させるために、植物形質転換用ベクターを作出した。Agrobacterium tumefaciens及び、当該技術分野において知られている標準的方法を用いて、トウモロコシ(01DKD2)を形質転換した。結果として生じるR0植物から採取した葉の試料をPCRによって分析して、導入遺伝子挿入物のコピー数を決定した。固有の形質転換事象を含有する各R0植物に、40g活性成分/ヘクタールまたは80g活性成分/ヘクタールのS−3100をおおよそのV5生育段階において噴霧し、処理から4〜7日後に損傷評価を行った。噴霧した植物の全数のうち、10%以下の損傷(高耐性)または20%以下の損傷(耐性)を有する植物の数を記録した。単一コピー事象であると判定されかつ20%以下の損傷で噴霧を経た植物を自殖及び異系交配へと進めた。データを表14に示す。
表14.遺伝子導入トウモロコシにおけるCTP−PPO除草剤耐性評価
【表14】
【0112】
結果は、H_N40(配列番号54)またはH_N90(配列番号50)に機能可能に繋げられた場合にCTP DまたはCTP Eで形質転換された植物と比較してAPG6(配列番号1)が一貫してより高い除草剤耐性をもたらしたことを示している。APG6は、H_N40に機能可能に繋げられた場合、80g活性成分/ヘクタールでのS−3100に対して高耐性である21.4〜40.2%の遺伝子導入植物及び耐性である41.1〜58.9%の遺伝子導入植物をもたらした。APG6は、H_N90に機能可能に繋げられた場合、40g活性成分/ヘクタールでのS−3100に対して高耐性である49.1%の遺伝子導入植物及び耐性である56.3%の遺伝子導入植物をもたらした。CTP Dは、H_N40に機能可能に繋げられた場合、80g活性成分/ヘクタールでのS−3100に対して高耐性である0%の遺伝子導入植物及び耐性である2.2%の遺伝子導入植物をもたらした。CTP Eは、H_N40に機能可能に繋げられた場合、より低い除草剤量である40g活性成分/ヘクタールでのS−3100に対して高耐性である0〜8%の遺伝子導入植物及び耐性である12.9〜32.1%の遺伝子導入植物をもたらした。
【0113】
PPO H_N10に機能可能に繋げられたAPG6を発現している遺伝子導入F1雑種トウモロコシを、異なる7つの様々なPPO除草剤:S−3100、ホメサフェン、アシフルオルフェン、ラクトフェン、フルミオキサジン、スルフェントラゾン及びサフルフェナシルに対する耐性について評価した。陰性対照としての雑種トウモロコシ種子と共に、5つの固有の事象を表す貯蔵種子を温室内の植木鉢に植付けた。
【0114】
発芽前の除草剤耐性について試験するために、次の2つの量のうちの一方でPPO除草剤を個別に散布することを1処理あたり6回繰り返した:S−3100(80または160g活性成分/ヘクタール)、ホメサフェン(Reflex(登録商標)、840または1680g活性成分/ヘクタール)、フルミオキサジン(Valor(登録商標)SX、210または420g活性成分/ヘクタール)、スルフェントラゾン(Spartan(登録商標)4L、840または1680g活性成分/ヘクタール)及びサフルフェナシル(Sharpen(登録商標)、200または400g活性成分/ヘクタール)。処理から20日後に作物損傷率について植物を評価し、トウモロコシ種子を陰性対照として含めた。PPO H_N10に機能可能に繋げられたAPG6を有する遺伝子導入植物は、発芽前に散布した種々のPPO除草剤についての損傷評価が0〜5.8%の範囲であり、PPO H_N10に機能可能に繋げられたAPG6が5つ全てのPPO除草剤についてどちらの除草剤量においてもトウモロコシに優れた発芽前耐性をもたらすことを指し示した。陰性対照トウモロコシ植物の損傷評価は、サフルフェナシルを除けば(それはこの除草剤が従来のトウモロコシ植物用に市販されていることから予想される)、17.5〜94.2%の範囲であった。標準誤差を+/−として示してデータを表15に示す。
表15.トウモロコシにおけるPPO除草剤発芽前損傷評価
【表15】
【0115】
発芽後(V3〜V4)除草剤耐性について試験するために、次の3つの量のうちの1つでPPO除草剤を個別に散布することを1処理あたり6回繰り返した:S−3100(40、80または160g活性成分/ヘクタール)、ホメサフェン(Reflex(登録商標)、420、840または1680g活性成分/ヘクタール)、アシフルオルフェン(Ultra Blazer(登録商標)、420、840または1680g活性成分/ヘクタール)、ラクトフェン(Cobra(登録商標)、220、440または880g活性成分/ヘクタール)、フルミオキサジン(Valor(登録商標)SX、105、210または420g活性成分/ヘクタール)、スルフェントラゾン(Spartan(登録商標)4L、420、840または1680g活性成分/ヘクタール)及びサフルフェナシル(Sharpen(登録商標)、100、200または400g活性成分/ヘクタール)。処理から14日後に作物損傷率について植物を評価し、従来の雑種トウモロコシ種子を陰性対照として含めた。PPO H_N10に機能可能に繋げられたAPG6を有する遺伝子導入植物の、発芽後に散布した種々のPPO除草剤についての損傷評価は、損傷評価が13.8%であった1680g活性成分/ヘクタールのホメサフェンを除けば、0.5〜5.8%の範囲であり、PPO H_N10に機能可能に繋げられたAPG6が7つ全てのPPO除草剤について全ての除草剤量においてトウモロコシに優れた発芽後耐性をもたらすことを指し示した。陰性対照トウモロコシ植物の損傷評価は36.7〜100%の範囲であった。標準誤差を+/−として示してデータを表16に示す。
表16.トウモロコシにおけるPPO除草剤発芽後損傷評価
【表16】
【0116】
実施例7:遺伝子導入ダイズにおけるCTP−PPO発現
種々のCTPに機能可能に繋げられたPPO酵素を遺伝子導入ダイズ植物において発現させ、遺伝子導入植物をPPO除草剤耐性について分析した。
【0117】
PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられた12G088600TP(配列番号38)か、またはPPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)かのどちらかを植物内で発現させるために、植物形質転換用ベクターを作出した。これらの植物形質転換用ベクターとAgrobacterium tumefaciensを使用し、当該技術分野において知られている標準的方法を用いて、ダイズA3555を形質転換した。再生されたR0遺伝子導入小植物体を温室内で栽培し、自殖させ、R1種子を採集した。温室内で遺伝子導入R1植物に対して、V4及びR1において施す3つの除草剤処理:(1)5グラム活性成分/ヘクタールのS−3100、(2)10グラム活性成分/ヘクタールのS−3100、または(3)30グラム活性成分/ヘクタールのS−3100のうちの1つによって噴霧を行った。処理から10日後に作物損傷評価を行った。PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)を発現している遺伝子導入植物の損傷評価は、5、10及び30g活性成分/ヘクタールの量でそれぞれ、V4段階での4.2%、7.8%及び9.4%から、R1段階での3%、6.5%及び15.7%までの範囲であった。PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられた12G088600TP(配列番号38)を発現している遺伝子導入植物の平均損傷評価は、5、10及び30g活性成分/ヘクタールの量でそれぞれ82.7%、92.7%及び98.2%であり、R1段階での評価には生き残らなかった。陰性対照植物の平均損傷評価は、5、10及び30g活性成分/ヘクタールの量でそれぞれ同程度の89%、98%及び100%であり、R1段階での評価には生き残らなかった。データを表17に示す。
表17.R1ダイズのPPO除草剤試験
【表17】
【0118】
APG6(配列番号1)、CTP F、及びCTP Hの3つの異なるCTPのうちの1つに機能可能に繋げられたPPO H_N90(配列番号47)を植物内で発現させるために、植物形質転換用ベクターを作出した。これらの植物形質転換用ベクター及びAgrobacterium tumefaciensを使用し、当該技術分野において知られている標準的方法を用いて、ダイズA3555を形質転換した。再生されたR0遺伝子導入小植物体を温室内で栽培し、結果として生じるR0植物から採取した葉の試料をPCRで分析して、事象の単一のコピーを含有する植物を同定した。温室内で、各々が固有の事象に相当している遺伝子導入単一コピーR0植物に対して、おおよそのV3段階で施す20g活性成分/ヘクタールのS−3100の除草剤処理によって噴霧を行った。処理から14日後に損傷評価を高耐性(10%以下の損傷)または耐性(20%以下の損傷)とみなされる数値として得た。PPO H_N90(配列番号47)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)を発現している遺伝子導入植物は、高耐性である21.4%の個別の事象と耐性である57.1%とをもたらした。PPO H_N90(配列番号47)に機能可能に繋げられたCTP Fを発現している遺伝子導入植物は、高耐性である11.7%の個別の事象と耐性である41.1%とをもたらした。PPO H_N90(配列番号47)に機能可能に繋げられたCTP Hを発現している遺伝子導入植物は、高耐性または耐性である固有の事象を全くもたらさなかった。データを表18に示す。
表18.R0ダイズにおけるS−3100有効性評価
【表18】
【0119】
このデータは、PPO酵素に機能可能に繋げられた特異的なCTPが除草剤耐性の獲得に極めて重要であることを実証し、かくして、CTPの選択の重要性及び、除草剤耐性遺伝子導入植物の生産における使用のためにAPG6 CTPが他のCTPよりも予想外に優れていることが示された。
【0120】
実施例8:遺伝子導入ワタにおけるCTP−PPO発現
PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)を遺伝子導入ワタ植物において発現させるために、植物形質転換用ベクターを作出し、遺伝子導入植物をPPO除草剤耐性について分析した。植物形質転換用ベクター及びAgrobacterium tumefaciensを当該技術分野において知られている標準的方法と共に用いて、ワタDP393を形質転換した。再生されたR0遺伝子導入小植物体を温室内で栽培し、結果として生じるR0植物から採取した葉の試料をPCRで分析して、事象の単一のコピーを含有する植物を同定した。温室内で、各々が固有の事象に相当している遺伝子導入単一コピーR0植物に対して、V2段階で施す20g活性成分/ヘクタールのS−3100の除草剤処理によって噴霧を行った。さらに、温室内で遺伝子導入多コピー(2コピー/植物以上)に対して、V2段階で施す20g活性成分/ヘクタールのS−3100の除草剤処理によって噴霧を行った。処理から3日後に損傷評価を行った。
【0121】
陰性対照であるワタDP393は、20g活性成分/ヘクタールのS−3100による除草剤処理から3日後に損傷が100%であった。これとは対照的に、21個の単一コピーR0植物は平均損傷が26.7%であった。21個の単一コピーR0植物の損傷の分布は次のとおりであった:3つの植物は損傷なし、3つの植物は10%の損傷、3つの植物は15%の損傷、2つの植物は20%の損傷、7つの植物は30%の損傷、3つの植物は40%の損傷。多コピーR0植物については、14個の植物が除草剤処理を受け、平均損傷は10.4%であった。14個の多コピー植物の損傷の分布は次のとおりであった:5つの植物は損傷なし、3つの植物は5%の損傷、1つの植物は10%の損傷、2つの植物は15%の損傷、1つの植物は20%の損傷、1つの植物は30%の損傷、1つの植物は40%の損傷。このデータは、PPO H_N10(配列番号43)に機能可能に繋げられたAPG6(配列番号1)を発現しているR0遺伝子導入ワタが、V2段階で施された20g活性成分/ヘクタールの除草剤S−3100の散布に対して耐性であったことを実証する。