(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(a)対向する主要表面と、物理的発泡剤を含有する気体充てん気泡とを有するポリマーフォーム層、および(b)前記ポリマーフォーム層の前記対向する主要表面の少なくとも1つに密封付着された、少なくとも50重量%の1種以上のポリラクチド樹脂を含有する非気泡ポリラクチドシートを含み、
前記ポリマーフォームが、少なくとも1種のポリイソシアネート、水および前記物理的発泡剤を含有するフォーム前駆体混合物の反応生成物である、フォーム断熱材構造。
前記物理的発泡剤が、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素;8個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン;8個までの炭素原子を有するヒドロハロオレフィン;および8個までの炭素原子を有するジアルキルエーテルの1種以上から選択される、請求項1に記載のフォーム断熱材構造。
前記非気泡ポリラクチドシートが、前記ポリラクチド樹脂シート中のポリラクチド樹脂1グラムあたり少なくとも25ジュールのポリラクチド結晶子を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のフォーム断熱材構造。
前記非気泡ポリラクチドシートが、ポリラクチド結晶子を含有し、かつ前記ポリラクチド結晶子が、前記ポリラクチド樹脂と前記物理的発泡剤との共結晶を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のフォーム断熱材構造。
(1)少なくとも50重量%のポリラクチド樹脂を含有し、非気泡ポリラクチドシート中のポリラクチド樹脂1グラムあたり少なくとも25ジュールのポリラクチド結晶子を含有する非気泡ポリラクチドシートの表面に、少なくとも1種のポリイソシアネート、水および物理的発泡剤を含有するフォーム前駆体混合物を適用すること、ならびに(2)前記非気泡ポリラクチドシートと接触させながら、前記フォーム前駆体混合物を硬化して、前記ポリラクチドシートに接着されたポリマーフォーム層を形成することを含むフォーム断熱材構造を製造する方法。
前記フォーム前駆体混合物が、前記非気泡ポリラクチドシート、または前記非気泡ポリラクチドシートおよび金属の層を含む多層構造によって形成された空洞中に分散され、そして前記空洞内で硬化され、前記非気泡ポリラクチドシートおよび前記金属層に接着したポリマーフォーム層が形成される、請求項14に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図中、フォーム断熱材構造1は、主要表面5と、(本図面中では不明瞭な)対向する主要表面を有するポリマーフォーム層2を含む。非気泡ポリラクチドシート3は、ポリマーフォーム層2に密封付着している。
【0014】
「非気泡」とは、ポリラクチドシートが、10体積%以下の空隙体積を有することを意味する。ポリラクチドシートは、より好ましくは、5体積%以下、なおより好ましくは、2体積%以下の空隙体積を有する。
【0015】
「密封付着されている」とは、ポリマーフォーム層2およびポリラクチドシート3の間に、フォーム断熱材構造1内または外への気体の大量輸送が生じる開口が存在しない(存在する場合、製造欠陥を別とする)ことを意味する。そのため、主要表面5を通してポリマーフォーム層2内外に移動する気体は、構造1のその側面に入るか、またはそこから漏出するには、ポリラクチドシート3を通って拡散しなければならない。典型的に、ポリラクチドシート3は、ポリマーフォーム層2に、直接的に、またはあまり好ましくないが、中間接着剤層(図中に示されない)を通して、そこで接着することによって密封付着される。ポリラクチドシート3は、好ましくは、ポリマーフォーム層2の主要表面に直接接触するか、またはそれ自体がポリマーフォーム層2に直接接触する接着剤層に直接接触する。
【0016】
いずれの層の「主要」表面も、最大表面積を有する対向する表面である。いずれの層の「厚さ」または構造全体の「厚さ」は、最小直交寸法である。
【0017】
ポリマーフォーム層2は、気泡有機ポリマー(または有機ポリマーの混合物)である。ポリマーフォームの気泡は、1種以上の気体で充てんされている。気体は、1種以上の揮発した発泡剤を含む。気泡は、好ましくは、主に独立気泡である。例えば、ASTM D6226によって決定されるように、ポリマーフォームの気泡の少なくとも50%、少なくとも75%または少なくとも90%が独立気泡であってよい。
【0018】
物理的発泡剤は、−10℃〜100℃の沸騰温度を有する1種以上の化合物である。物理的発泡剤は、ポリマーフォーム製造の間に揮発し、ポリマーを膨張する気体を発生する。物理的発泡剤は、例えば、3〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルカン、および/または4〜8個の炭素原子を有するシクロアルカンなどの炭化水素を含み得る。物理的発泡剤は、8個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン、例えば、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC−365mfc)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC−227ea)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a);ヒドロハロオレフィン発泡剤、例えば、トリフルオロプロペン、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(1234ze);1,1,3,3−テトラフルオロプロペン;2,2,3,3−テトラフルオロプロペン(1234yf)、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225ye);1,1,1−トリフルオロプロペン;1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225zc);1,1,2,3,3−ペンタフルオロプロペン(1225yc);(Z)−1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロペン(1225yez);1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233zd)および1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブト−2−エン(1336mzzm)、ジアルキルエーテル、例えば、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテルまたはジエチルエーテルなどであってよい。
【0019】
好ましい物理的発泡剤としては、炭化水素、特に、3〜6個の炭素原子を有する1種以上のアルカン、例えば、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサンおよび1種以上のシクロアルカン、例えば、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンおよびシクロオクタンが含まれる。シクロペンタンは、特に好ましい物理的発泡剤である。物理的発泡剤は、ポリマーフォームの気泡中の気体の、例えば、10〜100、25〜100、25〜95または25〜75モルパーセントを構成し得る。
【0020】
ポリマーフォーム層2の気泡中の気体は、物理的発泡剤から完全になってもよく、あるいは追加的に、1種以上の他の気体を含有していてもよい。いくつかの実施形態において、気体は、二酸化炭素(例えば、水とイソシアネート基との反応および/またはギ酸もしくはギ酸エステルの分解によって発生したもの)あるいは窒素(例えば、アゾ発泡剤の分解によって発生したもの)などの化学的発泡剤の反応によって発生した1種以上の化合物を含む。気泡中の気体は、追加的に、空気または空気の1種もしくはそれ以上の成分などの他の気体化合物を含んでもよい。そのような他の気体は、存在する場合、例えば、ポリマーフォームの気泡中の気体の5〜75モルパーセントまたは25〜75モルパーセントを構成してもよい。
【0021】
ポリマーフォームは、1種以上の熱可塑性ポリマーおよび/または1種以上の熱硬化性ポリマーを含んでもよい。熱可塑性ポリマーには、例えば、ポリスチレン;スチレン−アクリロニトリルコポリマーおよびスチレン−アクリル酸コポリマーなどのスチレンコポリマー;ポリエチレン;ポリラクチド樹脂;および上記のいずれかの2種以上のブレンドが含まれる。熱硬化性ポリマーには、例えば、ポリイソシアネートの重合によって製造される、ポリウレタン、ポリウレア、ポリウレタン−尿素、ポリイソシアヌレート、ポリウレタン−イソシアヌレート、ポリ尿素−イソシアヌレート、ポリウレタン−尿素−イソシアヌレートなどのイソシアネートベースのポリマーが含まれる。
【0022】
好ましい熱硬化性ポリマーは、少なくとも1種のポリイソシアネート、水、物理的発泡剤および任意の1種以上のポリオールおよび/またはイソシアネート反応性アミンを含む液体フォーム前駆体の反応生成物である。これらの系の中の水は、次に二酸化炭素およびアミンに分解するカルバミン酸を形成するイソシアネートと反応することによって、化学的発泡剤および連鎖延長剤として作用する。発生した二酸化炭素は発泡性気体として作用し、そしてアミンは、別のイソシアネート基と反応して、尿素結合を形成し、それによって、ポリマー鎖が延長される。そのような場合、気体が充てされた気泡は、二酸化炭素および物理的発泡剤の両方を含むであろう。1種以上のポリオールが存在する場合、これらはイソシアネート基と反応し、ウレタン結合を形成する。イソシアネート反応性アミンが存在する場合、これらはイソシアネート基と反応し、尿素結合を形成する。硬質の独立気泡イソシアネートベースフォームを製造するための適切なシステムの例は、例えば、米国特許第5,444,101号、同第6,753,357号および同第8,937,107号、米国特許出願公開第2015/0025164号ならびに国際公開第2013/135746号に記載されている。
【0023】
フォーム密度は、例えば、16〜80kg/m
3または24〜60kg/m
3であってよい。
【0024】
絶縁材フォーム層の厚さは、例えば、少なくとも0.25cm、少なくとも1cmまたは少なくとも2cmであってもよく、かつ50cm、25cm、12cmまたは7.6cm程度であってもよい。
【0025】
非気泡ポリラクチドシート3は、少なくとも50重量%、好ましくは、少なくとも80重量%、より好ましくは、少なくとも90重量%の1種以上のポリラクチド樹脂を含有する。本発明の目的に関して、「ポリラクチド」、「ポリ乳酸」および「PLA」という用語は、ポリマー中にそれらの乳酸単位がどのように形成されるかには関係なく、少なくとも50重量%の重合乳酸単位(すなわち、構造−OC(O)CH(CH
3)−を有するもの)を有するポリマーを示すために、交換可能に使用される。ポリラクチド樹脂は、少なくとも重量80%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%または少なくとも98重量%の乳酸単位を含み得る。
【0026】
ポリラクチドは、(エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラメチレンオキシドなどを含む)アルキレンオキシド、環式ラクトンまたはカーボネートなどのラクチドまたは乳酸と共重合可能である他のモノマーから誘導される繰り返し単位をさらに含有していてもよい。これらの他のモノマーから誘導される繰り返し単位は、ブロックおよび/またはランダム配列に存在することができる。これらの他の繰り返し単位は、適切に、ポリラクチドの約10重量%まで、好ましくは、ポリラクチドの約0〜5重量%、特にポリラクチドの約0〜2重量%を構成していてもよく、かつ不在であってもよい。
【0027】
ポリラクチドは、しばしば重合プロセスの間に分子量制御を提供するために使用される開始剤化合物の残分も含有していてもよい。適切なそのような開始剤としては、例えば、水、アルコール、(エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、他のグリコールエーテル、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ヒドロキシル末端ブタジエンポリマーなどの)種々のポリヒドロキシル化合物、ポリカルボキシル含有化合物、ならびに少なくとも1個のカルボキシルおよび(乳酸または乳酸オリゴマーなどの)1個のヒドロキシル基を有する化合物が含まれる。開始剤残分は、好ましくは、ポリラクチドのいずれの割合も構成することが可能である乳酸または乳酸オリゴマーの場合を除き、ポリラクチドの10重量%以下、特に5重量%以下、特に2重量%以下を構成する。
【0028】
ポリラクチドは長鎖分枝鎖を有し得る。長鎖分枝鎖は、ポリラクチド上のカルボキシル基を、アクリレートポリマーまたはコポリマー上に存在するエポキシド基と反応させることなどの種々の方法でポリラクチド中に導入可能である。適切なアクリレートポリマーまたはコポリマーは、23℃において固体であること、平均2〜約15個の遊離エポキシド基/分子(例えば、約3〜約10個または約4〜約8個の遊離エポキシド基/分子)を含有すること、ならびに少なくとも1種のエポキシ官能性アクリレートまたはメタクリレートモノマーであって、好ましくは、少なくとも1種の追加モノマーと共重合されたものの重合生成物であることを特徴とする。アクリレートポリマーまたはコポリマーは、適切に、約150〜約700、例えば、200〜500または200〜400のエポキシド基あたりの数平均分子量を有する。アクリレートポリマーまたはコポリマーは、適切に、1000〜6000、例えば、約1500〜5000または約1800〜3000の数平均分子量を有する。長鎖分枝鎖を導入するための他の有用なアプローチは、米国特許第5,359,026号および同第7,015,302号ならびに国際公開第06/002372A2号に記載されている。
【0029】
ポリラクチドの数平均分子量は、ポリエチレン標準に対するゲル透過クロマトグラフィーによって測定した場合、例えば、10,000〜200,000g/モルの範囲にあってよい。約30,000〜130,000g/モルの数平均分子量がより好ましい。
【0030】
ポリラクチド樹脂は、いくつかの実施形態において、30℃において、毛細管粘度計上、クロロホルム標準に対して、クロロホルム中のポリラクチド樹脂の1%重量/体積溶液を使用して測定した場合、2〜6、好ましくは、2.5〜5、より好ましくは、3.5〜4.5の相対粘度を有することによって特徴づけられる。
【0031】
好ましいポリラクチドは、L−乳酸およびD−乳酸のランダムコポリマー、L−乳酸およびD−乳酸のブロックコポリマー、またはこれらの2種以上の混合物であり、それぞれの場合において、任意に、開始剤化合物および/または分枝剤の残分を含有する。好ましいポリラクチドは、少なくとも95重量%、特に少なくとも98重量%の繰り返し乳酸単位を含有する。
【0032】
ポリラクチド中の乳酸単位は、L−またはD−鏡像異性体、あるいはその混合物であってよい。L−およびD−乳酸単位は、ポリラクチド樹脂分子中にランダムに、または疑ランダムに分布されていてもよい。
【0033】
乳酸鏡像異性体の比率、およびそれらが共重合される様式(すなわち、ランダム、ブロック、マルチブロック、グラフトなど)は、ポリラクチドの結晶性挙動に影響を与える。
【0034】
いくつかの実施形態で、ポリラクチドは、全て乳酸単位の全重量に基づき、50〜92%の1種の乳酸鏡像異性体および8〜50%の他の乳酸鏡像異性体を含有するか、または75〜92%の1種の乳酸鏡像異性体および8〜25%の他の乳酸鏡像異性体を含有する。
【0035】
他の実施形態において、ポリラクチドは、乳酸単位の全重量に基づき、92〜100%、好ましくは、92〜99.5%、特に、95〜99.5%の1種の乳酸鏡像異性体(すなわち、L−またはD−乳酸単位のいずれか)および8%まで、好ましくは、0.5〜8%、特に0.5〜5%の他の乳酸鏡像異性体を含有する。
【0036】
例えば、ブレンドの所望の結晶化特性を得るために、または所望の分子量分布を得るために、2種以上のポリラクチドのブレンドを使用することができる。
【0037】
したがって、なお他の実施形態において、ポリラクチド樹脂は、95〜100%のL−乳酸単位を含有し、かつ3.5〜4.5の相対粘度を有するポリラクチド樹脂(a)と、混合物の重量に基づき、2〜20重量%の95〜100%のL−乳酸単位を含有し、かつ2〜3.25の相対粘度を有するポリラクチド樹脂(b)との混合物である。別の有用な混合物は、95〜100%のL−乳酸単位を含有し、かつ3.5〜4.5の相対粘度を有するポリラクチド樹脂(a)と、混合物の重量に基づき、2〜25重量%、好ましくは、5〜15重量%の94〜100%のD−乳酸単位を含有するポリラクチド樹脂(c)との混合物である。さらに別の有用な混合物は、ポリラクチド樹脂(a)と、混合物の重量に基づき、2〜20重量%のポリラクチド樹脂(b)と、混合物の重量に基づき、2〜25重量%、好ましくは、5〜15重量%のポリラクチド樹脂(c)を含む。
【0038】
ポリラクチド樹脂は、バージン材料を含んでも、かつ/またはリサイクルされた工業後または消費者後のポリラクチド樹脂を含んでもよい。
【0039】
ポリラクチド樹脂(または樹脂の混合物)は、衝撃変性されていてもよい。衝撃変性とは、樹脂または混合物が、ポリラクチド樹脂自体のものと比較して、樹脂の衝撃強度を増加させる1種以上の添加剤と組み合わせられることを意味する。そのような衝撃変性ポリラクチド樹脂の落槍衝撃強度は、ASTM D1709によって測定した場合、好ましくは、少なくとも4、より好ましくは、少なくとも8ジュールである。添加剤は、一般に、示差走査熱量測定(DSC)によって測定した場合、20℃以下のガラス転移温度(T
g)を有する1種以上のポリマー材料を含む。添加剤のT
gは、0℃以下、−20℃以下または−35℃以下であってよい。
【0040】
衝撃変性剤の例としては、例えば、コア−シェルゴムが含まれる。コア−シェルゴムは、少なくとも1つのゴムコアが少なくとも1つのシェル材料によって包埋されている微粒子材料である。ゴムコアは、0℃以下、好ましくは、−10℃以下のT
gを有する。シェル材料は、DSCによると、少なくとも50℃のT
gを含む。シェル材料は、好ましくは、コア上にグラフト化されるか、または架橋される。ゴムコアは、適切に、コア−シェルゴム粒子の50〜90重量%、特に50〜85重量%を構成する。
【0041】
コア−シェルゴムの製造方法は周知であり、かつ例えば、米国特許第3,655,825号、同第3,678,133号、同第3,668,274号、同第3,796,771号、同第3,793,402号、同第3,808,180号、同第3,843,735号、同第3,985,703号および同第6,989,190号に記載されている。適切な方法は、コアおよびシェルが2つの連続的な乳化重合段階で製造される2段階重合技術である。
【0042】
適切な商業的に入手可能なコア−シェルゴムとしては、Paraloid(商標)KM355およびParaloid(商標)BPM 500コア−シェルゴムを含むParaloid(商標)ブランド名でDow Chemical Companyによって販売されるもの、KaneAce ECO-100などのKaneAce(商標)ブランド名でKanekaによって販売されるもの、ならびにMitsubishi Rayon Co., Ltd.によって販売されるMetablen S2001、S2006、S2501およびW600AなどのMetablen(商標)製品が含まれる。
【0043】
他の衝撃変性剤としては、ポリオレフィン、種々のアクリルゴム、エチレン−アクリル酸コポリマー(ならびにそのアルカリ金属塩)、エチレン−メタクリル酸グリシジルコポリマー、種々のシリコーンゴム、共役ジエンのポリマーおよびコポリマー、ポリウレタンゴムなどが含まれる。
【0044】
衝撃変性剤の適切な量は、ポリラクチド樹脂100重量部あたり少なくとも0.25重量部であり、かつ例えば、ポリラクチド樹脂100重量部あたり25重量部まで、20重量部まで、15重量部まで、または10重量部までである。
【0045】
ポリラクチド樹脂は、1種以上の結晶化促進剤も含み得る。これらには、例えば、結晶核剤として、かつ/または結晶化加速剤として作用する1種以上の添加剤が含まれる。適切な結晶化促進剤の中でも、フォーム断熱材構造を製造するためにポリラクチド樹脂を処理する条件下で熱安定性である(すなわち、溶融または分解しない)微粉固体材料がある。そのような微粉固体材料の例としては、タルク、種々の粘土などの鉱物粉末、ならびに微粒子高融点熱可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーが含まれる。他の結晶化促進剤としては、エチレンビス(ラウリン酸アミド)、エチレンビス(イソオレイン酸アミド)およびエチレンビス(ステアリン酸アミド)を含む、欧州特許第1887044号に記載されるものなどの酸アミド化合物が含まれる。結晶化加速剤としては、例えば、種々のクエン酸エステル、グリセロール脂肪酸エステル、種々のアジピン酸エステルなどを含む、ポリラクチド樹脂のための種々の可塑剤が含まれる。
【0046】
結晶化促進剤は、都合よく、ポリラクチド樹脂100重量部あたり0.01〜10重量部の量で使用される。
【0047】
ポリラクチドシート3は、約45重量%まで、好ましくは、約30重量%までの1種以上の他の熱可塑性ポリマーを含有していてもよい。そのような他の熱可塑性ポリマーは、好ましくは、ポリラクチドシート3に含まれるポリラクチド樹脂と混和性である。
【0048】
ポリラクチドシート3は、着色剤、防腐剤、酸化防止剤ならびに他の安定剤および/または殺生剤などの他の成分を含有していてもよい。これらは、ポリラクチド樹脂100重量部あたり10重量部まで構成されてもよい。
【0049】
ポリラクチドシート3は、ポリラクチド結晶子を含んでもよい。ポリラクチド結晶子は、ポリラクチドシート中のポリラクチド鎖の順序によって形成される、約140℃〜240℃の結晶質融解温度を有する結晶である。結晶質融解温度の範囲は、ポリラクチド樹脂中で形成する異なる結晶質構造の数を示し、事実、結晶子は、しばしば、それらの融解温度に影響を与える様々な量の結晶欠陥を有する。140℃〜約195℃の融解温度を有するポリラクチド結晶子は、一般に、高エナンチオ純度の単一ポリラクチド樹脂がそれ自体で結晶化する時に形成される「PLAホモ結晶」である。約200℃〜240℃の融解温度を有するポリラクチド結晶子は、典型的に、主にD−乳酸鏡像異性体を含有する別のポリラクチド樹脂と一緒に、主にL−乳酸鏡像異性体を含有するポリラクチド樹脂が結晶化する時に、または結晶を形成するために十分な乳酸単位のエナンチオ純度のブロックを有するブロックコポリマーから形成する「ステレオコンプレックス」結晶子である。ポリラクチドシート3は、いずれかの種類または両種類のポリラクチド結晶を含有していてもよい。下記のポリラクチド/発泡剤共結晶もポリラクチドの結晶の範囲内に含まれる。
【0050】
ポリラクチドシート中の結晶化度は、都合よく、示差走査熱量測定(DSC)法を使用して測定される。そのような結晶化度の量は、本明細書中では、J/gの単位で表され、すなわち、試料中のポリラクチド結晶のジュールでの溶融エンタルピーを、試料中のポリラクチドのグラムの重量で割ったものである。DSC測定をするための都合のよい試験プロトコルは、Star V. 6.0ソフトウェアを作動して、Mettler Toledo DSC 821e熱量計または同等の装置上で空気下、20℃/分において25℃〜225℃まで5〜10ミリグラムの試料を加熱することである。
【0051】
いくつかの実施形態において、ポリラクチドシート3は、シートに存在するポリラクチド樹脂1グラムあたり10J(J/g)以下のポリラクチド結晶子を含有する。他の実施形態において、ポリラクチドシートは、少なくとも10J/g、少なくとも25J/gまたは少なくとも35J/gのポリラクチド結晶子を含有する。
【0052】
ポリラクチドシート3に存在する結晶化の量は、特定のポリラクチド樹脂の存在、核剤および/または可塑剤の存在ならびにシートの熱および処理履歴を含む因子に依存するであろう。ポリラクチド樹脂のガラス転移温度とその結晶質融解温度との間の温度までその製造の間またはその後にシートを加熱することは、結晶子の形成を促進する。処理の間のポリマーの配向も結晶形成を促進する。
【0053】
図に示される実施形態は、ポリマーフォーム層2の対向する主要表面に付着された任意の対向する層4を含む。一般に、対向する層4が、存在する場合、ポリマーフォーム層2への大気気体の拡散およびポリマーフォーム層2からの発泡剤の漏出に対するバリアを提供することが好ましい。対向する層4は、好ましくは、非気泡(上記で定義される通り)であり、かつ例えば、直接的に、またはあまり好ましくないが、任意の中間接着剤層(図中に示されない)を通して、そこに接着することによって、ポリマーフォーム層2に密封付着される。対向する層4は、好ましくは、ポリマーフォーム層2の主要表面に直接接触するか、またはそれ自体がポリマーフォーム層2に直接接触する接着剤層に直接接触する。
【0054】
いくつかの実施形態において、対向する層4は、ポリラクチドシート3に関して記載される通り、非気泡ポリラクチドシートである。代わりに、対向する層4は、金属層;熱可塑性または熱硬化性樹脂であり得る異なるポリマー(例えば、ポリラクチド樹脂ではないポリマー)の層;複合材料;木、紙はボール紙などのセルロース材料;ガラスなどのセラミック材料などであってもよい。いくつかの実施形態において、対向する層4は、1種以上のリサイクルされた工業後および/または消費者後のポリマーを含む。対向する層4は多層構造であってもよい。
【0055】
ポリマーフォーム層2の端部6などの周辺端部は、発泡剤の漏出に対するバリアを提供する端部カバー(示されていない)によって被覆される。特に好ましい実施形態において、ポリラクチドシート3、対向する層4およびエッジカバーは、一緒になって、ポリマーフォーム層2の全表面を包囲するシール容器を形成する。エッジカバーは、存在する場合、所望であれば、対向する層4および/またはポリラクチドシート3に集積化されていてもよい。
【0056】
ポリラクチドシート3は、上記の少なくとも1つの非気泡ポリラクチド樹脂層および1つ以上の追加の層を含有する多層構造であってもよい。追加の層は、ポリラクチド樹脂の層、または対向する層4に関して記載されるような別の材料の層であってよい。そのような多層構造において、ポリマーフォーム層2に面する層は、上記されたような非気泡ポリラクチドシートである。ポリラクチドシート3の予想外の良好なバリア特性のため、そのような追加の層が良好なバリア特性を有する必要はない。そのような追加の層は、気泡または非気泡であってよい。いくつかの実施形態において、そのような追加の層の1つ以上は、1種以上のリサイクルされた工業後および/または消費者後のポリマーを含む。
【0057】
ポリラクチドシート3は、好ましくは、1Hzの周波数および5℃/分のランプ速度で、動的機械分析(DMA)によって測定される場合、少なくとも10MPaの貯蔵弾性率を示す。特定の実施形態において、ポリラクチドシート3は、100℃において少なくとも10MPaの貯蔵弾性率、120℃において少なくとも10MPaの貯蔵弾性率、80℃においての少なくとも50MPaの貯蔵弾性率、100℃においての少なくとも50MPaの貯蔵弾性率、120℃においての少なくとも50MPaの貯蔵弾性率、80℃においての少なくとも100MPaの貯蔵弾性率、100℃においての少なくとも100MPaの貯蔵弾性率または120℃においての少なくとも100MPaの貯蔵弾性率を示す。
【0058】
ポリラクチドシート3は、好ましくは、少なくとも60℃、好ましくは、少なくとも80℃、より好ましくは、少なくとも90℃の第1の熱変形温度を示す。第1の熱変形温度は、2分ごとにカメラで試料の画像を撮影して、25℃〜125℃で1℃/分にてオーブン中でシートを加熱することによって測定される。画像は、その部分の変形または移動が最初に観察される温度(第1の変形温度(FDT))を決定するために視覚的に調査される。
【0059】
ポリラクチドシート3は、例えば、0.05〜10mm以上、好ましくは、が0.4〜10mmまたは0.8〜5mmでの厚さを有し得る。ポリラクチドシート3が多層構造の層である場合、好ましくは、0.05〜9mm、より好ましくは、0.15〜5mm、なおより好ましくは、0.8〜2mmの厚さを有し、かつ多層構造は、好ましくは、0.4〜10mm、より好ましくは、0.8〜5mmの全厚さを有する。
【0060】
ポリラクチドシート3および対向する層4は、図中、平面幾何構造を有するように示されるが、これは必要ではない。ポリラクチドシート3および対向する層4の一方または両方は、非平面幾何構造を有してもよく、そして種々の機能的または他の所望の特徴を含むように複雑な形状に形成されてもよい。同様に、ポリマーフォーム層2は非平面幾何構造を有してもよく、そして一定の厚さを有さなくてもよい。
【0061】
フォーム断熱材構造1は種々の方法で製造可能である。1つの方法において、種々の層は、別々に製造され、そして例えば、接着剤の使用によって、1つ以上の層を加熱軟化して、次いで、それらが互いに接着するように、それらを一緒にラミネートすることによって、または同様の方法によって、一緒に組み立てられて構造が形成される。
【0062】
別の方法において、フォーム断熱材構造1は、種々の層が同時に押出され、そして種々の層を表す押出物が、それらが一緒に接着するように、なお加熱軟化されながら、一緒にされて、構造が形成される、共押出成形プロセスで製造可能である。
【0063】
他の方法において、フォーム断熱材構造1は、(1)ポリラクチドシート3の表面またはポリラクチドシート3および対向する層4の両方に、少なくとも1種のポリイソシアネート、水および物理的発泡剤を含有するフォーム前駆体混合物を適用すること、ならびに(2)ポリラクチドシート3またはポリラクチドシート3および対向する層4の両方と接触させながら、フォーム前駆体混合物を硬化して、ポリラクチドシート3またはポリラクチドシート3および対向する層4の両方と接触したポリマー断熱フォーム層2を形成することを含む、現場注入法によって製造される。これは、冷蔵庫および冷凍庫キャビネットおよびドアなどの製品部分、ならびに冷却器などのより小さい断熱製品を製造するための好ましい方法である。
【0064】
例えば、冷蔵庫および冷凍庫などの製品は、本発明に従って、ポリラクチドシート3を含むインナーライナー、および対向する層4に対応する外側シェルを別々に製造することによって製造することができる。インナーライナーおよび外側シェルは、それらの間に空洞が形成されるように一緒に配置される。次いで、断熱材フォーム層2は、空洞中にフォーム前駆体混合物を導入し、そして前駆体を反応させることによって製造される。前駆体混合物が反応すると、発泡剤によって気体が発生するため、それは膨張して空洞を充てんし、次いで、硬化して、ポリマーフォーム層2が形成される。
【0065】
フォーム前駆体混合物の硬化は、通常、発熱であって、したがって、反応の発熱のため、有意な温度上昇が生じる。これによって、ポリラクチドシート3は、例えば、60〜160℃以上に達し得る高温に曝露される。半結晶質ポリラクチド樹脂(すなわち、ポリラクチド1グラムあたり25J/gのポリラクチド結晶子を含有するもの)は、非晶質樹脂(すなわち、ポリラクチド1グラムあたり25J/g未満、好ましくは、10J/g未満のポリラクチド結晶子を含有するもの)より良好に、これらの温度に耐える。したがって、本発明の断熱材構造を製造するために現場発泡プロセスが利用され、ポリラクチドシート3は、好ましくは、少なくとも25J/gのポリラクチド結晶子を含有する。
【0066】
平面ポリラクチドシートは、それによって、ポリラクチド樹脂および(例えば、衝撃変性剤および結晶化促進剤を含む)シートの他の成分が組み合わされて、そしてポリラクチド樹脂の結晶質融解温度より高い温度まで加熱される押出成形プロセスを使用して、溶融混合物をダイに通過させ、シートを製造し、その後、シートを冷却し、ポリラクチド樹脂を固体化させることによって都合よく製造される。所望であれば、押出された多層シートは、さらにその厚さを調節するために、カレンダー加工されてもよく、ニップローラーの間を通過してもよく、または他の処理がされてもよい。
【0067】
非平面幾何構造を有するポリラクチドシート3は、熱成形法によって平面多層シートから製造可能である。熱成形法において、ポリラクチドシートは、ポリラクチド樹脂のガラス転移温度より高い温度まで加熱することによって軟化され、雄型または雌型上に軟化したシートを配置し、そして型の上でシートを延伸および/または圧力形成して、熱成形された部分を形成する。そのようなプロセスにおいて、ポリラクチドシートは、例えば、それが100℃〜200℃、120℃〜200℃、または120℃〜180℃の表面温度に達するまで加熱されて、次いで型の上で形成されてもよい。表面温度は、赤外線温度計または赤外線熱画像カメラを使用してポリラクチドシートの表面から放出される赤外線放射を検出することによって、都合よく測定される。
【0068】
PLA結晶子は、ガラス転移温度およびPLA結晶子の結晶質融解温度の間の温度範囲内にシートを維持することによって、ポリラクチドシート3において形成可能である。少なくとも25J/gの結晶化度を有するポリラクチドシート3を生成するために、適切な条件としては、例えば、30秒〜5分間、好ましくは、45秒〜5分間、より好ましくは、60秒〜3分間、80℃〜160℃、好ましくは、80℃〜140℃、より好ましくは、90℃〜130℃の温度でシートを維持することを含む。
【0069】
逆に、非晶質ポリラクチドシート3は、結晶化条件に長期間曝露することを回避することによって製造される。シートは、それが処理温度から冷却される時に結晶化が生じる温度範囲を必ず通過するため、上記の押出成形および/または熱成形ステップの間にいくらか少量の結晶化度は生じるであろう。しかしながら、そのような場合、有意な結晶化が生じる前に、それをクエンチするために樹脂を急速に冷却することによって、結晶化を最小化することができる。
【0070】
ポリラクチドシート3は、熱成形ステップの間に結晶化可能である。これは、熱成形された部分を結晶化するための離型後の処理ステップを回避するために、しばしば望ましい。いくつかの結晶化は、熱成形のための調製において、ポリラクチドシートを加熱するステップの間に生じ得る。いくつかの応力誘発性結晶化は、シートが形成プロセスの間で伸張される時に生じ得る。型の上でのさらなる結晶化は、特に、ポリラクチドシートの温度が、60℃〜160℃、好ましくは、80℃〜140℃、より好ましくは、90℃〜130℃の範囲内に維持され、かつそのような温度における型の上でのシートの滞留時間が、30秒〜10分間、好ましくは、45秒〜5分間、より好ましくは、60秒〜2分間である場合、生じることが可能である。
【0071】
熱成形法は、例えば、Throneによって、“Thermoforming Crystallizing Poly(ethylene terephthalate) (CPET)”, Advances in Polymer Technology, Vol. 8, 131-146 (1988)に記載されるものなどの装置および一般方法を使用して実行することができる。延伸は、好ましくは、減圧を使用して実行される。型は、雄型形成を提供するプロセスの間に、雌半型中に挿入される雄半型を含み得る。シートをあらかじめ伸張することが望まれてもよく;その場合、圧力キャップまたは他のプレ伸張デバイスが使用され、そしてシートを型に延伸する前に開始されてもよい。その部分が形成され、そしてそのT
g未満まで冷却したら、それを離型し、必要であればトリミングされる。
【0072】
本発明のフォーム断熱材構造は、冷蔵庫および冷凍庫などの製品のキャビネットおよびドアとして有用であり;冷却器および他の断熱コンテナを製造するために有用であり;建築物および他の構成物の断熱壁、屋根、天井を製造するために有用であり;断熱船体、冷凍車などの断熱のため、および断熱構造として有用である。
【0073】
本発明のフォーム断熱材構造は、ポリラクチドシートを通しての大気気体および発泡剤の遅い拡散のため、経時的な断熱材効率の驚くほど遅い損失が生じる。典型的に、構造が老化すると、熱伝導率またはk因子の初期上昇が示される。k因子のこの初期上昇は、例えば、約数日から2週間にわたって示され得、そして、k因子の増加をもたらす、構造の構成およびそれが均衡するフォームへの拡散の間に捕捉される空気および湿分の拡散に起因すると考えられる。このようなk因子の初期上昇は、外側シェル構造によってポリマーフォームが包埋されるフォーム断熱材構造の典型である。
【0074】
HIPSまたは類似のシェルを有する従来のフォーム断熱材構造に関して、k因子の初期の急速増加が完了すると、有意であるが、より段階的なk因子の増加が経時的に観察される。それらの従来のフォーム構造において、このようなより段階的な増加は、フォームの独立気泡への空気および湿分の拡散、ならびに独立気泡からの発泡剤の遅い拡散に起因する。このような機構は、例えば、The Earth Technologies Forum, Washington, D.C., October 26-28, 1998において公開された、Wilkes et al., “Aging of Polyurethane Foam Refrigerator Panels-Initial Results with Third Generation Blowing Agents”によって説明される。
【0075】
上記のそれらの従来のフォーム断熱材構造とは異なり、本発明のフォーム断熱材構造のk因子は、捕捉された空気の均衡のため、その初期増加の後に経時的に非常にゆっくりと変化する。k因子の増加レートは、長時間、しばしばゼロに近い。
【0076】
本発明は、いずれかの理論に限定されないが、ポリラクチド樹脂シートの優れたバリア特性は、少なくとも一部は、ポリラクチド樹脂と物理的発泡剤との共結晶の形成に起因し得る。物理的発泡剤がポリマーフォーム層2から漏出し、そしてポリラクチドシート3中に移行すると、発泡剤は、ポリラクチド樹脂との共結晶を形成すると考えられる。したがって、ポリラクチド樹脂は、物理的発泡剤と結晶質複合体(Σ型共結晶)を形成し、その結果、ホストポリラクチド樹脂による共結晶の包埋が生じる(P. Shaiju et al., Macromolecules 2016, 49, 224-233 and Hironori Marubayashi, et al., J. Phys. Chem. B 2013, 117, 385-397を参照のこと)。これらの共結晶の存在は、ポリラクチドシートのバリア特性に寄与すると考えられる。ポリラクチドシートを通しての物理的発泡剤の損失は、それが共結晶中に、または共結晶によって捕捉されるため、遅くなる。ポリラクチドシート中の物理的発泡剤の捕捉およびその後の共結晶によって、ポリマーフォーム層からシート中への物理的発泡剤の移動を防ぐか、あるいは少なくとも遅らせるバリアが生じる。
【0077】
したがって、別の態様において、本発明は、ポリラクチド樹脂と、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素;4〜8個の炭素原子を有するシクロアルカン;8個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン;8個までの炭素原子を有するヒドロハロオレフィン;および8個までの炭素原子を有するジアルキルエーテルの1種以上から選択される化合物との共結晶を含有するポリラクチド物品である。ポリラクチド合成樹脂/発泡剤共結晶の存在は、例えば、Shaiju et al., Macromolecules 2016, 49, 224-233によって記載されるようなX線散乱法を使用して決定することができる。
【0078】
また本発明は、ポリラクチド樹脂を含有するポリラクチド物品中でポリラクチド樹脂と化合物との共結晶を製造する方法であって、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素;8個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン;8個までの炭素原子を有するヒドロハロオレフィン;および8個までの炭素原子を有するジアルキルエーテルの1種以上から選択される化合物を、ポリラクチド物品の表面と接触させること、ならびに化合物をポリラクチド物品中に拡散させ、共結晶を製造することを含む方法でもある。
【0079】
拡散ステップは、−40℃〜160℃の温度、好ましくは、−30℃〜160℃の温度で実行することが可能であり、かつ−20℃〜40℃の温度で実行されてよい。拡散ステップは、亜大気、大気または超大気圧で実行することが可能である。拡散ステップは、1分〜10年以上の期間で実行することが可能である。ポリラクチド樹脂は、正味のポリラクチド樹脂、上記されたような衝撃変性されたポリラクチド樹脂、あるいはポリラクチド樹脂と1種以上の他の成分との他のブレンドであってもよい。ブレンドである場合、ブレンドは、少なくとも50重量%、少なくとも75重量%または少なくとも90重量%のポリラクチド樹脂を含有し得る。
【0080】
いくつかの実施形態において、化合物をポリラクチド樹脂物品の表面に適用するステップは、ポリラクチド樹脂物品の表面を、化合物を含有する独立気泡を有するポリマーフォームと接触させることによって実行される。そのような場合、化合物は、ポリマーフォームを製造するために使用される発泡剤であってもよい。ポリマーフォームは、上記された種類のいずれであってもよい。
【0081】
以下の実施例は本発明を例証するが、いずれかの様式に制限するようには意図されない。全ての部およびパーセンテージは、他に明記されている場合を除いて、重量による。
【0082】
ポリラクチドAは、3.5〜4.5の相対粘度を有する、95.5%のL−乳酸単位および4.5%のD−乳酸単位を含有する、直鎖ランダムコポリマーである。
【0083】
ポリラクチドBは、2〜3.25の相対粘度を有する、99.5%のL−乳酸鏡像異性体単位および0.5%のD−乳酸鏡像異性体単位を含有する、直鎖ランダムコポリマーである。
【0084】
ポリラクチドCは、1%のL−乳酸鏡像異性体単位および99%のD−乳酸鏡像異性体単位を含有する、直鎖ランダムコポリマーである。
【0085】
ポリラクチドDは、3.5〜4.5の相対粘度を有する、99.75%のL−乳酸単位および0.25%のD−乳酸単位を含有する、直鎖ランダムコポリマーである。
【実施例】
【0086】
実施例1
95重量%のポリラクチドA、2.5重量%の二酸化チタン粒子および2.5重量%のコア−シェルゴムの混合物を、一軸スクリュー押出機上で、厚さ1.2mmの複製非気泡シートにする。押出成形されたシートは、それぞれ、ポリラクチド樹脂1グラムあたり10ジュール未満のポリラクチド結晶化度を含有する。
【0087】
厚さ50mmの独立気泡の硬質ポリウレタンフォームを、現場注入法で押出ポリラクチドシート間に形成し、フォーム層が中央にある3層サンドウィッチ構造を形成する。ポリウレタンフォームは、シクロペンタンの存在下、ポリイソシアネート、ポリオール混合物および水を反応させることによって得られた生成物であり、したがって、その気泡中に二酸化炭素およびシクロペンタンの混合物を含有する。フォーム層の全ての露出した端部は、気体不透過性の金属テープで被覆されている。
【0088】
得られたアセンブリ(実施例1)の熱伝導率は、10℃の平均気温においてDIN 52616に従って測定する。次いで、23±2℃の温度および50±5%の相対湿度において大気圧空気下で629日間、アセンブリを老化させる。熱伝導率は老化期間の間および終了時に周期的に測定する。
【0089】
比較のため、ポリラクチドシートを同等の厚さの非気泡高衝撃ポリスチレン(HIPS)の層で置き換えた類似のアセンブリ(比較試料A)を調製し、そして同様の様式で評価する。
【0090】
試験結果は次の通りである。
【0091】
【表1】
【0092】
アセンブリは、最初に、それぞれ類似の熱伝導率を有し、そしてそれぞれの場合において、老化の最初の27日間で初期値の約5%の増加がある。上記の通り、これは、フォーム構造の構成およびフォーム中への均衡の間に捕捉される大気気体に起因すると考えられる。追加の老化によって、実施例1および比較試料Aの熱伝導率は劇的に分岐する。比較試料Aは、評価の全期間に熱伝導率の規則的かつ大きい増加を示し続け、これは、HIPS層を通しての大気気体および発泡剤の段階的な拡散に起因する。他方、実施例1では、そのような増加は示さない。実施例1の挙動は、初期期間の後、それが停止しない場合、ポリマーフォーム層中へ、またはポリマーフォーム層からの気体の拡散が非常に低いレベルまで減少することを示唆する。
【0093】
実施例2
約80%のポリラクチドA、約10%のポリラクチドBおよび約10%のポリラクチドCの乾燥ブレンド混合物を、一軸スクリュー押出機上で1.3mmのシートへと押出成形する。押出成形されたシートは、シートをクエンチし、そして10J/g未満の結晶化度を維持するために35〜40℃に設定された冷却ロール上で形成される。
【0094】
1つのシートの第1変形温度は約56℃である。
【0095】
複製シート試料を、オフライン、ロール供給Kiefel熱成形機上で熱成形する。延伸比約4倍でカップ金型[2.75インチ(ベース)×3.5インチ(トップ)×2.25インチ(高さ)]を使用して、部分を熱成形する。シートを、表1に示される表面温度まで加熱し、次いで、カップ金型中で熱成形する。金型温度は90℃である。型上での滞留時間は30秒である。
【0096】
熱成形された部分の壁およびベースの結晶化度はDSCによって測定される。上記の通り、熱成形された部分に第1変形試験(FDT)を受けさせる。結果は、表1に示される通りである。
【0097】
【表2】
【0098】
熱成形された部分のFDTは、半結晶質ポリラクチドシートが、現場注入プロセスにおいて本発明のフォーム断熱材構造を製造するために使用されるために十分熱安定性であることを示す。このようなポリラクチド樹脂ブレンドの熱成形において、127℃〜168℃の広範な処理ウィンドウが使用可能である。
【0099】
実施例3
実施例2に記載された一般的な方法でポリラクチドシート試料を押出成形する。成分は、i)約80%のポリラクチドD;ii)8〜10%のポリラクチドB、iii)8〜10%のポリラクチドC、iv)2〜3%の二酸化チタン粉末およびv)0.2〜0.5%のエチレンビス(ステアリン酸アミド)である。この混合物は、実施例2の樹脂ブレンドよりも迅速に結晶するように配合される。
【0100】
表2で示されるように、いくらか高いシート温度が達成されることを除いて、実施例2に記載のものと同様の様式でシートの複製試料を熱成形する。結晶化度およびFDTは、実施例2と同様に決定される。結果は、表2に示される通りである。
【0101】
【表3】
【0102】
再び、熱成形された部分のFDTは、熱成形されたシートが、現場注入プロセスにおいて本発明のフォーム断熱材構造を製造するために使用されるために、およびシートを12〜24時間、50℃〜60℃まで加熱するステップを含む熱サイクル試験を受ける時に不変のまま維持されるために十分熱安定性であることを示す。実施例3において使用されるような急速結晶化システムにおいて、いくらか高い処理温度を使用することができる。
【0103】
特定の実施形態
1.(a)対向する主要表面と、物理的発泡剤を含有する気体充てん気泡とを有するポリマーフォーム層、および(b)ポリマーフォーム層の上記対向する主要表面の少なくとも1つに密封付着された、少なくとも50重量%の1種以上のポリラクチド樹脂を含有する非気泡ポリラクチドシートを含む、フォーム断熱材構造。
【0104】
2.物理的発泡剤が、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素;8個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン;8個までの炭素原子を有するヒドロハロオレフィン;および8個までの炭素原子を有するジアルキルエーテルの1種以上から選択される、実施形態1のフォーム断熱材構造。
【0105】
3.物理的発泡剤が、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素を含む、実施形態1のフォーム断熱材構造。
【0106】
4.物理的発泡剤が、シクロペンタンを含む、実施形態3のフォーム断熱材構造。
【0107】
5.ポリマーフォームが、少なくとも1種のポリイソシアネート、水および物理的発泡剤を含有するフォーム前駆体混合物含有の反応生成物である、実施形態1〜4のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0108】
6.非気泡ポリラクチドシートが、ポリラクチド樹脂シート中のポリラクチド樹脂1グラムあたり10ジュール以下のポリラクチド結晶子を含有する、実施形態1〜5のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0109】
7.非気泡ポリラクチドシートが、ポリラクチド樹脂シート中のポリラクチド樹脂1グラムあたり少なくとも25ジュールのポリラクチド結晶子を含有する、実施形態1〜6のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0110】
8.非気泡ポリラクチドシートが、ポリラクチド結晶子を含有し、かつポリラクチド結晶子が、ポリラクチド樹脂と物理的発泡剤との共結晶を含む、実施形態1〜7のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0111】
9.ポリラクチド樹脂が、衝撃変性されている、実施形態1〜8のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0112】
10.ポリラクチド樹脂が、コア−シェルゴムを含む、実施形態1〜9のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0113】
11.ポリラクチド樹脂が、少なくとも1種の結晶化促進剤を含む、実施形態1〜10のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0114】
12.非気泡ポリラクチドシートが、0.5〜10mmの厚さを有する、実施形態1〜11のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0115】
13.非気泡ポリラクチドシートが、100℃において少なくとも50MPaの貯蔵弾性率を有する、実施形態1〜12のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0116】
14.非気泡ポリラクチドシートが、少なくとも80℃の第1の変形温度を有する、実施形態1〜13のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0117】
15.非気泡ポリラクチドシートが多層構造の層であり、非気泡ポリラクチドシートが、0.15〜9mmの厚さを有し、かつ多層構造が、0.8〜10mmの全厚さを有する、実施形態1〜14のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0118】
16.多層構造が、100℃において少なくとも50MPaの貯蔵弾性率を有する、実施形態15のフォーム断熱材構造。
【0119】
17.多層構造が、少なくとも80℃の第1の変形温度を有する、実施形態15または16のフォーム断熱材構造。
【0120】
18.非気泡ポリラクチドシートが、熱成形によって製造される非平面幾何構造を有する、実施形態1〜17のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0121】
19.非気泡ポリラクチドシートが、ポリマーフォーム層のそれぞれの対向主要表面に密封付着されている、実施形態1〜18のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0122】
20.金属層が、ポリマーフォーム層の対向主要表面に密封付着されている、実施形態1〜18のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0123】
21.ポリマーフォーム層が、0.25〜12cmの厚さを有する、実施形態1〜20のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0124】
22.製品キャビネットまたはドアの全体または一部を構成する、実施形態1〜21のいずれか1つのフォーム断熱材構造。
【0125】
23.(1)少なくとも50重量%のポリラクチド樹脂を含有し、非気泡ポリラクチドシート中のポリラクチド樹脂1グラムあたり少なくとも25ジュールのポリラクチド結晶子を含有する非気泡ポリラクチドシートの表面に、少なくとも1種のポリイソシアネート、水および物理的発泡剤を含有するフォーム前駆体混合物を適用すること、ならびに(2)非気泡ポリラクチドシートと接触させながら、フォーム前駆体混合物を硬化して、ポリラクチドシートに接着されたポリマーフォーム層を形成することを含む方法。
【0126】
24.物理的発泡剤が、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素;6個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン;6個までの炭素原子を有するヒドロハロオレフィン;および6個までの炭素原子を有するジアルキルエーテルの1種以上から選択される、実施形態23の方法。
【0127】
25.物理的発泡剤が、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素を含む、実施形態23の方法。
【0128】
26.物理的発泡剤が、シクロペンタンを含む、実施形態25の方法。
【0129】
27.ポリラクチド樹脂が、衝撃変性されている、実施形態23〜26のいずれか1つの方法。
【0130】
28.ポリラクチド樹脂が、コア−シェルゴムを含む、実施形態27の方法。
【0131】
29.ポリラクチド樹脂が、少なくとも1種の結晶化促進剤を含む、実施形態23〜28のいずれか1つの方法。
【0132】
30.非気泡ポリラクチドシートが、0.8〜10mmの厚さを有する、実施形態23〜29のいずれか1つの方法。
【0133】
31.非気泡ポリラクチドシートが、100℃において少なくとも50MPaの貯蔵弾性率を有する、実施形態23〜30のいずれか1つの方法。
【0134】
32.非気泡ポリラクチドシートが、少なくとも80℃の第1の変形温度を有する、実施形態23〜31のいずれか1つの方法。
【0135】
33.非気泡ポリラクチドシートが多層構造の層であり、非気泡ポリラクチドシートが、0.15〜1.5mmの厚さを有し、かつ多層構造が、0.5〜10mmの全厚さを有する、実施形態23〜29のいずれか1つの方法。
【0136】
34.多層構造が、100℃において少なくとも50MPaの貯蔵弾性率を有する、実施形態33の方法。
【0137】
35.多層構造が、少なくとも80℃の第1の変形温度を有する、実施形態33または34の方法。
【0138】
36.非気泡ポリラクチドシート、熱成形によって製造される非平面幾何構造を有する、実施形態23〜35のいずれか1つの方法。
【0139】
37.フォーム前駆体混合物が、非気泡ポリラクチドシート、または非気泡ポリラクチドシートおよび金属の層を含む多層構造によって形成された空洞中に分散され、そして空洞内で硬化され、非気泡ポリラクチドシートおよび金属層に接着したポリマーフォーム層が形成される、実施形態23〜36のいずれか1つの方法。
【0140】
38.フォーム断熱材構造が、製品キャビネットまたはドアの全体または一部を形成する、実施形態23〜37のいずれか1つの方法。
【0141】
39.ポリラクチド樹脂と、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素;4〜8個の炭素原子を有するシクロアルカン;8個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン;8個までの炭素原子を有するヒドロハロオレフィン;および8個までの炭素原子を有するジアルキルエーテルの1種以上から選択される化合物との共結晶を含有するポリラクチド物品。
【0142】
40.化合物が、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素を含む、実施形態39のポリラクチド物品。
【0143】
41.化合物が、シクロペンタンを含む、実施形態39のポリラクチド物品。
【0144】
42.少なくとも25J/gの共結晶を含むPLA結晶子を含む、実施形態39〜41のいずれか1つのポリラクチド物品。
【0145】
43.ポリラクチド樹脂を含有するポリラクチド物品中でポリラクチド樹脂と化合物との共結晶を製造する方法であって、3〜8個の炭素原子を有する炭化水素;8個までの炭素原子を有するフルオロカーボン、ヒドロフルオロカーボン、フルオロクロロカーボンまたはヒドロフルオロクロロカーボン;8個までの炭素原子を有するヒドロハロオレフィン;および8個までの炭素原子を有するジアルキルエーテルの1種以上から選択される化合物を、ポリラクチド物品の表面と接触させること、ならびに化合物をポリラクチド物品中に拡散させ、共結晶を製造することを含む方法。
【0146】
44.化合物が、シクロペンタンを含む、実施形態43の方法。
【0147】
45.ポリラクチドが、衝撃変性されている、実施形態43または44の方法。
【0148】
46.化合物をポリラクチド物品の表面に適用するステップが、ポリラクチド物品の表面を、化合物を含有する独立気泡を有するポリマーフォームと接触させることによって実行される、実施形態43〜45のいずれか1つの方法。