(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、DUTの自己発熱やバーンインボード本体や子基板からの発熱が増加する傾向にあり、空気の循環だけではバーンインボード内の温度分布が不均一になってしまう、という問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、バーンインボード内の温度分布の均一化を図ることができるバーンインボード及びバーンイン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本発明に係るバーンインボードは、複数のソケットと、前記ソケットが実装された第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の第2の主面と、を有する第1の配線板と、前記第2の主面に接触する補強部材と、前記補強部材に接触する第1のプレートと、前記第1の配線板と前記第1のプレートの間に介在する第2のプレートと、前記第1の配線板と前記第2のプレートとを熱的に接続する熱伝導体と、を備えており、前記補強部材は、前記第2のプレートを前記熱伝導体に向かって押圧しているバーンインボードである。
【0007】
[2]上記発明において、前記補強部材は、本体部と、前記本体部から前記第1の配線板に向かって突出する凸部と、を有し、前記第2のプレートは、前記凸部が挿入された第1の貫通孔を有しており、前記凸部は、前記第1の配線板に接触し、前記本体部は、前記第2のプレートに接触していてもよい。
【0008】
[3]上記発明において、前記第1の配線板は、前記第2の主面に実装された第1のコネクタを有し、前記バーンインボードは、前記第1のコネクタに接続された第2のコネクタを有し、前記第2のプレートと前記第1のプレートとの間に介在する第2の配線板を備えており、前記第2のプレートは、前記第1及び前記第2のコネクタの少なくとも一方が挿入された第2の貫通孔を有していてもよい。
【0009】
[4]また、本発明に係るバーンインボードは、複数のソケットと、前記ソケットが実装された第1の主面と、前記第1の主面とは反対側の面であり、第1のコネクタが実装された第2の主面と、を有する第1の配線板と、前記第2の主面に接触する補強部材と、前記補強部材に接触する第1のプレートと、前記第1のコネクタに接続された第2のコネクタを有し、前記第1の配線板と前記第1のプレートとの間に介在する第2の配線板と、前記第2の配線板と前記第1のプレートとの間に設けられ、前記第2の配線板と前記第1のプレートとを熱的に接続する熱伝導体と、を備えたバーンインボードである。
【0010】
[5]上記発明において、前記第1のプレートは、複数の第3の貫通孔を有していてもよい。
【0011】
[6]上記発明において、前記第1のプレートにおける前記第3の貫通孔の密度は、前記第1のプレートの一端から他端に向かうに従って増加していてもよい。
【0012】
[7]上記発明において、前記第1のプレートにおける単位面積当たりの前記第3の貫通孔の数は、前記第1のプレートの前記一端から前記他端に向かうに従って増加していてもよい。
【0013】
[8]上記発明において、前記第1のプレートにおける複数の前記第3の貫通孔は、前記第1のプレートの前記一端から前記他端に向かうに従って大きくなっていてもよい。
【0014】
[9]上記発明において、前記第1のプレートは、前記第3の貫通孔の周縁に立設された第1のフィンを有していてもよい。
【0015】
[10]上記発明において、前記第1のフィンは、前記第3の貫通孔に対して前記他端側に配置されていてもよい。
【0016】
[11]上記発明において、前記第2のプレートは、複数の第4の貫通孔を有していてもよい。
【0017】
[12]上記発明において、前記第2のプレートにおける前記第4の貫通孔の密度は、前記第2のプレートの一端から他端に向かうに従って増加していてもよい。
【0018】
[13]上記発明において、前記第2のプレートにおける単位面積当たりの前記第4の貫通孔の数は、前記第2のプレートの前記一端から前記他端に向かうに従って増加していてもよい。
【0019】
[14]上記発明において、前記第2のプレートにおける複数の前記第4の貫通孔は、前記第2のプレートの前記一端から前記他端に向かうに従って大きくなっていてもよい。
【0020】
[15]上記発明において、前記第2のプレートは、前記第4の貫通孔の周縁に立設された第2のフィンを有していてもよい。
【0021】
[16]上記発明において、前記第2のフィンは、前記第4の貫通孔に対して前記他端側に配置されていてもよい。
【0022】
[17]上記発明において、前記バーンインボードは、前記第1の配線板の外縁に沿って延在する遮蔽部材を備えており、前記遮蔽部材は、平面視において、前記第1の配線板の前記外縁と、前記外縁に沿って並ぶ前記ソケットの列との間に介在していてもよい。
【0023】
[18]上記発明において、前記補強部材は、前記第2の主面において前記ソケット同士の間に対応する領域に接触する格子状の部材であってもよい。
【0024】
[19]上記発明において、前記バーンインボードは、前記第1の配線板が固定されていると共に前記第1のプレートが固定された外枠を備えており、前記補強部材は、前記外枠の内側に配置されていてもよい。
【0025】
[20]本発明に係るバーンイン装置は、上記のバーンインボードを備えたバーンイン装置である。
【発明の効果】
【0026】
本発明では、第1の配線板と第2のプレートの間に熱伝導体が介在し、補強部材が第2のプレートを熱伝導体に向かって押圧することで第1の配線板と第2のプレートが熱的に接続されている。これにより、DUTやバーンインボード本体が発した熱が熱伝導体を通じて第2のプレートに拡散されるため、バーンインボード内の温度分布の均一化を図ることができる。
【0027】
また、本発明では、第1の配線板と第1及び第2のコネクタで接続された第2の配線板が、第1のプレートと熱伝導体により熱的に接続されている。これにより、第2の配線板が発した熱が熱伝導体を通じて第1のプレートに拡散されるため、バーンインボード内の温度分布の均一化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0030】
≪第1実施形態≫
先ず、本発明の第1実施形態におけるバーンイン装置1の全体構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は本発明の第1実施形態におけるバーンイン装置の正面図、
図2は本実施形態におけるバーンイン装置のシステム構成を示すブロック図である。
【0031】
本実施形態におけるバーンイン装置1は、ICチップ等のDUTの初期不良を摘出し、初期不良品の除去を目的としたスクリーニング試験の一種であるバーンイン試験を実施するための装置である。このバーンイン装置1は、
図1及び
図2に示すように、バーンインボード20を収容可能なバーンインチャンバ11と、バーンインボード20に装着されたDUT110(
図2参照)に電源電圧を印加する試験用電源12と、当該DUT110に信号を入力するバーンインコントローラ13と、を備えている。
【0032】
このバーンイン装置1は、バーンインチャンバ11内に収容されたバーンインボード20に装着されたDUT110に熱ストレス(例えば、−55℃〜+180℃程度)を印加ししながら、当該DUT110に電源電圧と信号を印加することで、DUT110のスクリーニングを実行する。
【0033】
バーンインチャンバ11は、
図1に示すように、断熱壁等により区画され、バーンインボード20を収容可能な恒温室111と、当該恒温室111を開閉可能なドア112と、を有している。この恒温室111の中には、バーンインボード20を保持するためのスロット113が複数設けられている。それぞれのスロット113は、バーンインボード20の左右両端を支持する一対のレール114を有している。バーンインボード20は、このレール114の上をスライドしながら、ドア112を介して恒温室111内に搬入される。恒温室111内には、24段のスロット113が2列設けられており、合計で48枚のバーンインボード20を収容することが可能となっている。
【0034】
なお、同図において、一方のドア(図中右側のドア)が図示されておらず、恒温室111が開放された状態で図示されている。これに対し、他方のドア112(図中左側のドア)は閉じた状態で図示されており、これに伴って、図中左側の24段のスロット113は図示されていない。なお、スロット113の数や配置(すなわち、恒温室111内におけるバーンインボード20の収容枚数や位置関係)は、
図1に示す例に限定されず、試験効率等を考慮して任意に設定することができる。
【0035】
また、各スロット113の奥にはコネクタ115(
図2参照)が設けられており、このコネクタ115には、スロット113に挿入されたバーンインボード20のコネクタ43が嵌合することが可能となっている。
【0036】
図2に示すように、このコネクタ115は、試験用電源12及びバーンインコントローラ13に電気的に接続されている。なお、
図2には、1枚のバーンインボード20しか図示していないが、他のバーンインボード20も、同様の要領で、試験用電源12及びバーンインコントローラ13に接続されている。
【0037】
さらに、
図1に示すように、バーンインチャンバ11は、エバポレータ116と、ヒータ117と、ファン118とからなる温度調整手段を備えており、この温度調整手段により恒温室111内の温度を調整することが可能となっている。具体的には、恒温室111内の空気は、ファン118によって、
図1に示す矢印の方向に送風されて循環されながら、エバポレータ116によって冷却されたり、ヒータ117によって加熱されたりすることで、恒温室111内の温度調整が行われる。本実施形態では、恒温室111内の空気は、ファン118によって、バーンインボード本体40の第1の辺411から第2の辺412に向かって送風される(
図3(a)参照)。こうしたエバポレータ116、ヒータ117、及びファン118の動作は、バーンインコントローラ13によって制御されている。
【0038】
試験用電源12は、上記のコネクタ115,43を介して、バーンインボード20上の各DUT110に電源電圧を印加するように接続されており、バーンインコントローラ13によって制御されている。
【0039】
バーンインコントローラ13は、DUT110への印加電圧及び印加信号の制御や恒温室111内の温度調整の制御に加えて、バーンイン試験中に異常な反応があったDUT110を不良品と判断し、当該DUT110のシリアルナンバ(例えば、スロット113の番号とバーンインボード20上の位置とに対応したもの)を記憶して、試験結果をフィードバックすることが可能となっている。
【0040】
次に、本発明の第1実施形態におけるバーンインボード20の構成について、
図3〜
図6を参照しながら説明する。
図3(a)及び
図3(b)は本実施形態におけるバーンインボード20を示す図、
図4はバーンインボード20の分解斜視図、
図5は
図3(a)のV-V線に沿った断面図、
図6は
図3のVI-VI線に沿った断面図である。
【0041】
本実施形態におけるバーンインボード20は、
図3(a)〜
図4に示すように、ソケット30と、バーンインボード本体40と、外枠50と、ボトムカバー60と、を備えている。本実施形態におけるバーンインボード本体40が本発明における「第1の配線板」の一例に相当し、本実施形態におけるボトムカバー60が本発明における「第1のプレート」の一例に相当する。
【0042】
バーンインボード本体40は、複数のソケット30が実装された略矩形状の配線板である。複数のソケット30は、バーンインボード本体40の上面41にマトリクス状(本例では16行12列)に配列されている。特に図示しないが、それぞれのソケット30は、DUT110の端子に接触するピンを有しており、DUT110を装着することが可能となっている。
【0043】
図5及び
図6に示すように、このバーンインボード本体40の下面42は、ソケット30に対応する第1の領域421と、当該第1の領域421の周囲に設けられた第2の領域422と、を含んでいる。第1の領域421には、バーンイン試験で使用されるコンデンサ等の各種の電子部品44が実装されている。一方、第2の領域422は、ソケット30同士の間のスペースに対応している。
【0044】
このバーンインボード本体40の下面42には、外枠50を介して、ボトムカバー60が固定されている。この外枠50は、バーンインボード本体40の外縁に対応した矩形状のフレームであり、ネジ止め等によってバーンインボード本体40に固定されている。この外枠50の開口51内に、後述する熱伝導シート70、熱伝導プレート80、及び、補強枠90が配置されている(
図4〜
図6参照)。
【0045】
ボトムカバー60は、アルミニウムや銅などの熱伝導性に優れた金属材料から構成されている。このボトムカバー60は、バーンインボード本体40と実質的に平行に延在しており、バーンインボード本体40の下面42と対向するように、外枠50に固定されている。特に限定されないが、本実施形態では、外枠50の内面に形成された溝に沿ってボトムカバー60の両端がスライド挿入されることで、ボトムカバー60が外枠50に固定されている。このボトムカバー60によって、バーンインボード本体40の裏面が保護されている。
【0046】
さらに、本実施形態のバーンインボード20は、
図4〜
図6に示すように、熱伝導シート70と、熱伝導プレート80と、補強枠90と、を備えている。本実施形態における熱伝導シート70が本発明における「熱伝導体」の一例に相当し、本実施形態における熱伝導プレート80が本発明における「第2のプレート」の一例に相当し、本実施形態における補強枠90が本発明における「補強部材」の一例に相当する。
【0047】
熱伝導シート70は、バーンインボード本体40の下面42においてソケット30に対応する第1の領域421に貼り付けられている。この熱伝導シート70は、電気絶縁性を有すると共に柔軟性を有する個片状のシートである。特に限定されないが、この熱伝導シート70を構成する材料としては、例えば、金属或いはセラミックス等の熱伝導性を有するフィラーを分散保持させたシリコーンゴムを例示することができる。この熱伝導シート70は、電子部品44を覆いつつバーンインボード本体40の下面42に密着している。なお、熱伝導シート70の位置は、ソケット30に対応していなくてもよい。
【0048】
熱伝導プレート80は、バーンインボード本体40とボトムカバー60との間に介在している単一の板状の部材であり、バーンインボード本体40と実質的に平行に延在していると共に、ボトムカバー60と実質的に平行に延在している。この熱伝導プレート80は、アルミニウムや銅などの熱伝導性に優れた金属材料から構成されている。この熱伝導プレート80は、外枠50の開口51よりも小さな外形を有しており、当該外枠50に固定されることなく、開口51内に配置されている。
【0049】
この熱伝導プレート80には上述の熱伝導シート70が密着しており、熱伝導シート70を介してバーンインボード本体40と熱伝導プレート80とが熱的に接続されている。また、この熱伝導プレート80は、補強枠90の突出部92(後述)が挿入される貫通孔81を有している。本実施形態における貫通孔81が、本発明における「第1の貫通孔」の一例に相当する。
【0050】
このように、本実施形態では、熱伝導プレート80が熱伝導シート70を介してバーンインボード本体40と熱的に接続されている。このため、バーンイン試験においてDUT110やバーンインボード本体40が発した熱が熱伝導シート70を通じて熱伝導プレート80に拡散されるため、バーンインボード20内の温度分布の均一化を図ることができる。
【0051】
補強枠90は、電気絶縁性を有する樹脂材料等からなる格子状の枠体である。この補強枠90は、バーンインボード本体40及びボトムカバー60のいずれにも固定されずに、バーンインボード本体40とボトムカバー60との間に介在するように、外枠50の開口51内に配置されている。すなわち、この補強枠90は、バーンインボード本体40とボトムカバー60とによって挟持されている。
【0052】
本実施形態では、
図4に示すように、補強枠90の個々の格子93が、複数のソケット30に対応するように複数の熱伝導シート70を包含している。しかしながら、特にこれに限定されず、例えば、個々の格子93が、一つのソケット30に対応するように一つの熱伝導シート70のみを包含してもよい(
図6参照)。
【0053】
図4〜
図6に示すように、この補強枠90は、本体部91と、当該本体部91からバーンインボード本体40に向かって突出する突出部92とを有している。本体部91の下端912が、ボトムカバー60の上面61と接触している。また、突出部92は、上述の熱伝導プレート80に設けられた貫通孔81を貫通しており、当該突出部92の先端921が、バーンインボード本体40の下面42に接触している。
【0054】
この補強枠90と上述のボトムカバー60によって、ソケット30へのDUT110の挿抜時におけるバーンインボード本体40の撓みが抑制される。この際、板状の突出部92の先端921が、バーンインボード本体40の下面42の第2の領域422に接触している。このため、ソケット30同士の間のスペースを小さくすることができ、バーンインボード20におけるソケット30の実装密度の低下を抑制している。
【0055】
また、この補強枠90の本体部91の下端912がボトムカバー60の上面61と接触していると共に、当該本体部91の上端911が熱伝導プレート80に接触している。このため、ボトムカバー60によって熱伝導プレート80が補強枠90を介して押圧されており、熱伝導プレート80と熱伝導シート70との密着性や熱伝導シート70とバーンインボード本体40との密着性の向上が図られている。また、本実施形態では、撓み抑制のための補強枠90を利用して熱伝導シート70と熱伝導プレート80を押圧するので、部品点数の増加を抑制することもできる。
【0056】
さらに、本実施形態のバーンインボード20は、遮蔽部材101,102を備えている。
【0057】
一方の遮蔽部材101は、
図3(a)、
図3(b)及び
図6に示すように、バーンインボード本体40の上面41に、当該バーンインボード本体40の第3の辺413に沿って延在している。ここで、マトリクス状に配列された複数のソケット30は、この第3の辺413に沿って並んだ複数のソケット30から構成された第1のソケット列31を含んでいる。遮蔽部材101は、この第1のソケット列31と、バーンインボード本体40の第3の辺413との間に介在しており、第1のソケット列31と第3の辺413との間のスペースを埋めている。なお、この第3の辺413は、上述の第1及び第2の辺411,412に実質的に直交している。
【0058】
同様に、他方の遮蔽部材102も、バーンインボード本体40の上面41に、当該バーンインボード本体40の第4の辺414に沿って延在している。マトリクス状に配列された複数のソケット30は、この第4の辺414に沿って並んだ複数のソケット30から構成された第2のソケット列32を含んでいる。遮蔽部材102は、この第2のソケット列32と、バーンインボード本体40の第4の辺414との間に介在しており、第2のソケット列32と第4の辺414との間のスペースを埋めている。なお、この第4の辺414は、上述の第3の辺413と同様に、第1及び第2の辺411,412に実質的に直交している。
【0059】
いずれの遮蔽部材101,102も、金属材料或いは樹脂材料から構成されたダミーのブロック状の部材であり、ソケット30と実質的に同一の高さを有している。こうした遮蔽部材101,102を設けることで、ファン118によりバーンインボード20に供給される風の多くが、バーンインボード本体40の上面41においてソケット30が実装されていない領域のみを通過してしまうことを抑制することができる。これにより、ソケット30及びDUT110に当たる風を多くすることができ、温度分布の更なる均一化を図ることができる。
【0060】
≪第2実施形態≫
図7は本発明の第2実施形態におけるバーンインボードの断面図である。
【0061】
本実施形態では、バーンインボード本体40がコネクタ45を有している点と、バーンインボード20Bがドータボード46を備えている点が第1実施形態と相違するが、それ以外の構成は同様である。以下に、第2実施形態におけるバーンインボード20Bについて第1実施形態との相違点についてのみ説明し、第1実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
本実施形態におけるバーンインボード20Bは、第1実施形態で説明したバーンインボード20の構成に加えて、ドータボード46を備えている。
【0063】
図7に示すように、ドータボード46は、バーンインボード本体40の下面42と対向するように配置されている。バーンインボード本体40の下面42には、電子部品44に加えて、コネクタ45が実装されている。また、ドータボード46の上面461にも、電子部品47とコネクタ48が実装されている。コネクタ45,48は、相互に対向するように配置されており、相互に接続されている。このコネクタ45,48を介してバーンインボード本体40とドータボード46とが電気的に接続されている。なお、ドータボード46の下面462に電子部品が実装されていてもよい。
【0064】
本実施形態では、熱伝導プレート80に貫通孔82が形成されている。コネクタ45,48は、この貫通孔82に挿入されており、その結果、ドータボード46は、熱伝導プレート80とボトムカバー60との間に介在している。本実施形態におけるドータボード46が本発明における「第2の配線板」の一例に相当し、本実施形態における貫通孔82が本発明における「第2の貫通孔」の一例に相当する。
【0065】
本実施形態では、第1実施形態と同様に、熱伝導プレート80が熱伝導シート70を介してバーンインボード本体40と熱的に接続されている。このため、バーンイン試験においてDUT110及びバーンインボード本体40が発した熱が熱伝導シート70を通じて熱伝導プレート80に拡散されるため、バーンインボード20B内の温度分布の均一化を図ることができる。
【0066】
≪第3実施形態≫
図8は本発明の第3実施形態におけるバーンインボードの分解斜視図、
図9は本発明の第3実施形態におけるバーンインボードの断面図、
図10は本発明の第3実施形態におけるボトムカバーの変形例を示す平面図である。
【0067】
本実施形態では、(1)熱伝導プレート80の有無、(2)熱伝導シート70の設置位置、及び、(3)ボトムカバー60の構成、が第2実施形態と相違するが、それ以外の構成は同様である。以下に、第3実施形態におけるバーンインボード20Cについて第2実施形態との相違点についてのみ説明し、第2実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0068】
本実施形態におけるバーンインボード20Cは、
図8及び
図9に示すように、第2実施形態におけるバーンインボード20Bと異なり、熱伝導プレート80を備えていない。また、熱伝導シート70は、ドータボード46の下面462とボトムカバー60との間に介在している。この熱伝導シート70は、ドータボード46の下面462とボトムカバー60の上面61に密着している。
【0069】
また、本実施形態におけるボトムカバー60は、複数の貫通孔62を備えている。
図8に示すように、この複数の貫通孔62は、ボトムカバー60の第1の辺641から第2の辺642に向かうに従って、ボトムカバー60における単位面積当たりの貫通孔62の数が増加するように、ボトムカバー60に形成されている。これにより、貫通孔62の密度が、第1の辺641から第2の辺642に向かうに従って増加している。ここで、貫通孔62の密度とは、ボトムカバー60の下面64の単位面積当たりにおける貫通孔62の開口面積の割合を意味する。なお、本実施形態では、この複数の貫通孔62が実質的に同一の大きさを有しているが、特にこれに限定されない。
【0070】
貫通孔62について、個々の貫通孔62の開口面積をそれぞれ変化させてもよい。すなわち、
図10に示すように、複数の貫通孔62が、ボトムカバー60の第1の辺641から第2の辺642に向かうに従って大きくなるように、ボトムカバー60に形成されていてもよい。この場合にも、貫通孔62の密度が、第1の辺641から第2の辺642に向かうに従って増加している。
【0071】
なお、本例では、バーンイン試験において、ファン118から供給される風は、ボトムカバー60の第1の辺641から第2の辺642に向かって流れる。この際、本実施形態では、ボトムカバー60における貫通孔62の密度が第1の辺641から第2の辺642に向かうに従って増加している。このため、風上である第1の辺641側において貫通孔62を介して導入される風の量と、風下である第2の辺642側において貫通孔62を介して導入される風の量とを同等にすることができ、ファン118から供給される風がバーンインボード本体40及びドータボード46に均一に当たるようになるため、バーンインボード20C内の温度分布の均一化を図ることができる。
【0072】
また、本実施形態では、コネクタ45,48によってバーンインボード本体40と接続されたドータボード46が、熱伝導シート70を介してボトムカバー60と熱的に接続されている。このため、バーンイン試験においてドータボード46が発した熱が熱伝導シート70を通じてボトムカバー60に拡散されるため、バーンインボード20C内の温度分布の均一化を図ることができる。すなわち、本実施形態では、このボトムカバー60が、第1及び第2実施形態で説明した熱伝導プレート80の機能を兼ねている。
【0073】
なお、ボトムカバー60の構成はこれに限定されず、バーンイン試験において局所的に高温となる箇所が存在する場合、当該箇所近傍における単位面積当たりの貫通孔62の開口面積が大きくなるようにしてもよい。つまり、ボトムカバー60において貫通孔62の密度が不均一となっていてもよい。また、貫通孔62の大きさを、DUTの自己発熱の量に応じて決めてもよい。
【0074】
≪第4実施形態≫
図11は本発明の第4実施形態におけるバーンインボードの断面図である。
【0075】
本実施形態では、ボトムカバー60の複数の貫通孔62の周縁にフィン63が設けられている点が第3実施形態と相違するが、それ以外の構成は同様である。以下に、第4実施形態におけるバーンインボード20Dについて第3実施形態との相違点についてのみ説明し、第3実施形態と同様の構成である部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0076】
本実施形態におけるバーンインボード20Dは、
図11に示すように、第3実施形態におけるバーンインボード20Cと異なり、ボトムカバー60の貫通孔62の周縁に立設されたフィン63を有している。フィン63は、貫通孔62の周縁のうちの第2の辺642側の部分に設けられている。本実施形態における貫通孔62が、本発明における「第3の貫通孔」の一例に相当し、本実施形態におけるフィン63が、本発明における「第1のフィン」の一例に相当する。
【0077】
本実施形態では、ファン118から供給される、第1の辺641から第2の辺642に向かって流れる風がフィン63に当たり、このフィン63によって貫通孔62の中に風が取り込まれるので、バーンインボード20D内の温度分布の均一化を図る貫通孔62の機能を向上することができる。
【0078】
また、本実施形態では、第3実施形態と同様に、コネクタ45,48によってバーンインボード本体40と接続されたドータボード46が、熱伝導シート70を介してボトムカバー60と熱的に接続されている。このため、バーンイン試験においてドータボード46が発した熱が熱伝導シート70を通じてボトムカバー60に拡散されるため、バーンインボード20D内の温度分布の均一化を図ることができる。
【0079】
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0080】
例えば、
図12に示すバーンインボード20Eのように、熱伝導プレート80が複数の貫通孔83を有していてもよい。この際、上述の第3実施形態の貫通孔62と同様の要領で、貫通孔83の密度が熱伝導プレート80の一端から他端に向かうに従って増加するように、複数の貫通孔83を熱伝導プレート80に形成してもよい。
【0081】
また、
図12に示すバーンインボード20Eのように、熱伝導プレート80が、貫通孔83の周縁にフィン84を有していてもよい。この際、上述の第4実施形態のフィン63と同様の要領で、フィン84が、貫通孔83の周縁のうち他端側の部分に設けられていてもよい。
【0082】
なお、
図12は本発明の第1実施形態におけるバーンインボードの変形例を示す断面図である。本実施形態における貫通孔83が、本発明における「第4の貫通孔」の一例に相当し、本実施形態におけるフィン84が、本発明における「第2のフィン」の一例に相当する。
【0083】
また、特に図示しないが、
図12に示すバーンインボード20Eにおいて、第3実施形態の貫通孔62と同様に、ボトムカバー60が、複数の貫通孔を有していてもよい。また、第4実施形態のフィン63と同様に、ボトムカバー60が、貫通孔の周縁にフィンを有していてもよい。
【0084】
また、特に図示しないが、
図7に示す第2実施形態のバーンインボード20Bが、バーンインボード本体40と熱伝導プレート80との間に介在する熱伝導シート70に加えて、ドータボード46とボトムカバー60との間に介在する別の熱伝導シート70(
図9参照)を備えていてもよい。