(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、非特許文献1に記載のサービスでは、利用者と宿泊施設の1対1の関係になるため、運送業務の効率化を図るのが難しい面があった。また、利用者側の手間は軽減されるものの、宿泊施設側の手間が増えるため、ほとんど利用されていないのが現状である。
【0005】
本発明は、利用者の手荷物を効率的に運送することが可能な手荷物運送システム、手荷物運送方法、及び手荷物運送プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る手荷物運送システムは、利用者の手荷物を運送するサービスを実現するシステムであって、前記サービスに関する情報を記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された情報を用いて、前記手荷物の運送の申し込みを行うためのウェブ申し込みページを利用者端末に提供する提供部と、前記利用者端末より前記手荷物の運送の申し込み情報を受け付ける受け付け部と、所定の締め切り時刻になると、前記受け付け部により受け付けられた申し込み情報に基づいて、該申し込み情報に対応する手荷物を集荷する集荷先を発地とし、当該手荷物を運送する配送先を着地とする
とともに、受け付けた申し込み情報に含まれる発地を予め決められた順に選択して着地までの当日配送のミルクラン路線を決定する決定部と、前記決定部により決定されたミルクラン路線を出力する出力部とを備え
、前記発地ごとにQRコード(登録商標)が印字された預り札が提供され、前記QRコードを前記利用者端末より読み込むことで前記ウェブ申し込みページにアクセス可能となることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様に係る手荷物運送方法は、利用者の手荷物を運送するサービスを実現する方法であって、コンピュータが、前記サービスに関する情報を記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップで記憶された情報を用いて、前記手荷物の運送の申し込みを行うためのウェブ申し込みページを利用者端末に提供する提供ステップと、前記利用者端末より前記手荷物の運送の申し込み情報を受け付ける受け付けステップと、所定の締め切り時刻になると、前記受け付けステップで受け付けられた申し込み情報に基づいて、該申し込み情報に対応する手荷物を集荷する集荷先を発地とし、当該手荷物を運送する配送先を着地とする
とともに、受け付けた申し込み情報に含まれる発地を予め決められた順に選択して着地までの当日配送のミルクラン路線を決定する決定ステップと、前記決定ステップで決定されたミルクラン路線を出力する出力ステップとを実行する
際に、前記発地ごとにQRコード(登録商標)が印字された預り札が提供され、前記QRコードを前記利用者端末より読み込むことで前記ウェブ申し込みページにアクセス可能となることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様に係る手荷物運送プログラムは、上述した手荷物運送システムとしてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、利用者の手荷物を効率的に運送することが可能な手荷物運送システム、手荷物運送方法、及び手荷物運送プログラムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付し説明を省略する。
【0012】
(概要)
図1は、本発明の実施形態における手荷物運送システムの概要を示す図である。この手荷物運送システムは、利用者1の手荷物4を運送するサービスを実現するシステムである。具体的には、運送会社2のドライバー(配達員)が特定エリア内のホテル3を専用車で回って、宿泊者(利用者1)の手荷物4を集荷し、駅まで当日配送する。その配送ルートであるミルクラン路線を効率化し、ホテル発の当日配送の実現を目指す。
【0013】
例えば、
図1に示すように、利用者1は、スマートフォン等の利用者端末10を用いて、ウェブ申し込みページから手荷物4の当日配送を申し込む。通常であれば送り状に記載することをウェブ申し込みページにおいて入力し、決済を完了することによって、ほぼ集荷依頼に近い情報を利用者1、運送会社2、ホテル3間で共有することができる。
【0014】
その後、利用者1は、手荷物4を預けにホテル3のフロントに行く。簡単な預り札5に氏名と連絡先を記載し、預り札5を手荷物4に取り付け、フロントに手荷物4を預け、控えを受け取る。この控えと引き換えに、駅の手ぶら観光カウンターなどで手荷物4を当日受取することができるようになっている。
【0015】
現状は、ホテル着(往路)のみの当日配送が実現され、ホテル発(復路)の当日配送は実現されていない。ホテル発(復路)の当日配送が実現されれば、チェックイン前に手ぶらで動けるだけでなく、チェックアウト後も手ぶらで動くことが可能となる。
【0016】
(預り札)
図2は、本発明の実施形態における預り札5の説明図である。
図2に示すように、預り札5は、手荷物4を預かる際の目印(タグ)である。預り札5には、氏名と連絡先の記入欄があり、預り札5自体と控え5bとを切り離し可能な構造になっている。
【0017】
預り札5は、運送会社2側で作成してホテル3に提供するのが望ましい。預り札5にQRコード5a(登録商標)またはバーコードを印字し、ウェブ申し込みページにアクセスするためのURLを埋め込んでおく。ホテル3ごとに専用のQRコード5aを印字しておけば、ホテル3ごとに異なる情報を利用者端末10に提供することができる。ウェブ申し込みページでは、送り状に相当する情報を入力させるが、この入力はほぼ選択項目とし、手入力は最小限にする。例えば、手荷物4の発送地(発地)の選択項目を設け、宿泊しているホテル3が最初から選択された状態としておけば、利用者1の手間が省ける。
【0018】
(全体の処理の流れ)
図3は、本発明の実施形態における処理の流れの説明図である。
図3では、利用者1側の処理を上段に、ホテル3側の処理を中段に、運送会社2側の処理を下段に示している。
【0019】
まず、利用者1側の処理について説明する。利用者1は、利用者端末10を用いて、手荷物4の運送の申し込みを行うためのウェブ申し込みページから「入力」「決済」「同意」を行う。「入力」とは、通常であれば送り状に記載することをウェブ申し込みページから入力することである。「決済」とは、ウェブ申し込みページにおいて料金決済を行うことである。「同意」とは、ウェブ申し込みページにおいて利用規約(代理引受を含む。)に同意することである。利用者1は、預り札5に氏名や連絡先を記入して、ホテル3のフロントで手荷物4を渡し、控え5bを受け取る。この控えと引き換えに、駅の手ぶら観光カウンターなどで手荷物4を当日受取することができるようになっている。
【0020】
次に、ホテル3側の処理について説明する。ホテル3は、運送会社2と集荷依頼の状況(運行状況を含む。)を共有している。この共有方法は様々あり、特に限定されるものではない。例えば、運送会社2側のコンピュータからホテル3側のコンピュータに対して集荷依頼の状況を示す情報がインターネットを介して通知されるようにしてもよい。ホテル3の従業員は、利用者1から手荷物4を受け取ると、控え5bを利用者1に渡し、手荷物4を保管する。その後、運送会社2のドライバーが定期訪問したときに、保管している手荷物4を引き渡す。
【0021】
次に、運送会社2側の処理について説明する。所定の締め切り時刻(例えば6時)になると、運送会社2のドライバーに配送リストLが渡される。配送リストLは、ホテル名、手荷物4の個数、氏名など、手荷物4を配送するうえで必要な情報が記載されたリストである。配送リストLは、運送会社2の営業所などで紙に印刷されてもよいし、電子データとしてドライバーの携帯端末に表示されてもよい。ドライバーは、例えば11時から16時の間に、集荷依頼があったホテル3を定期訪問する。配送リストLを見ながら個数や氏名などの情報を確認して、預り札5の取り付けられた手荷物4を集荷し、所定の受渡時刻(例えば17時)までに手荷物4を駅に配達する。
【0022】
(新しい法的論理)
図4は、利用者1の手荷物4を運送するサービスを実現するための法的論理の説明図である。従来は、
図4(a)に示すように、ホテル3と運送会社2との間で取次店の契約を結んでいたが、その場合は現金の精算・送り状情報の確認・採寸等の雑務が発生し、ホテル3側に負担が生じる課題があった。無償にすればこれら雑務は不要となるが、無償であるのに取次店の契約を結ぶことになり、法人の押印根拠に乏しい。
【0023】
本実施形態では、
図4(b)に示すように、利用者1(宿泊客)の代理で運送会社2が手荷物4を集荷しに行く。すなわち、ホテル3と利用者1(宿泊客)との間には宿泊約款が結ばれており、その中に預り荷物(委託物)について明記されている。このような明記がなくても、ホテル等の場屋営業者は、商事委託というかたちで民法または商法で責任関係について明記されているため、従来は、むしろ取次店契約と宿泊約款の中に、荷物を預かる点で重複している要素があった。そこで、本実施形態では、利用者1(宿泊客)の代理で運送会社2が手荷物4を集荷することについて利用者1の「同意」を得ることにしている。これにより、運送会社2が運送約款の集荷をすることで、ホテル3は、取次店でなくても利用者1(宿泊客)から手荷物4を引き受けて運送会社2に引き渡すまでの役務を全うすることができる。
【0024】
(効果)
以上のように、本発明の実施形態における手荷物運送システムによれば、ミルクラン路線の全体で出される手荷物4を運送会社2側で一括して管理することができるため、利用者1の手荷物4を効率的に運送することが可能となる。また、このようなサービスを運送会社2主導で実現することができる点も特徴的である。すなわち、運送会社2にとって都合のいい場所に個人の手荷物4が置かれるのであれば、専用の便(ミルクラン専用車)を用意して手荷物4を集荷しに行く。ミルクラン専用車をバスに例えると、ホテル3は停留所であり、手荷物4は乗客である。バスの定期運行のように、手荷物4(乗客)を決まった場所に届ける。手荷物4の授受がないホテル3(乗る人も降りる人もいない停留所)を素通りすれば、効率化が図れるのはもちろん、環境にもやさしい効果がある。
【0025】
なお、本発明の実施形態における手荷物運送システムの適用範囲は、近距離の手荷物預かりに限定されるものではない。すなわち、スマートフォンで申し込んだ内容が運送約款と連動して、全国網に広がる送り状を使ったサービスに適用してもよい。
【0026】
また、本発明の実施形態でいう発着地は、宿泊施設や交通施設に限定されるものではなく、様々な拠点を発着地として採用することができる。例えば、観光地で遊んで夕方に帰る利用者1が駅で手荷物4を受け取れるようにしてもよい。また、免税店で買い物をした利用者1がクルーズ船の出発までにクルーズターミナルで手荷物4を受け渡すようにしてもよい。様々なシチュエーションを組み合わせ、利便性の向上を図ることが可能である。
【0027】
≪実施例≫
以下、実施例を挙げて、更に具体的に説明する。この実施例は、本発明の理解を容易にするために例示するものであり、この内容に限定されないことは言うまでもない。
【0028】
(ミルクラン路線例)
図5は、実施例におけるミルクラン路線を示す図である。ここでは、ホテルA〜Jで集荷して〇〇駅に当日配送する場合を例示している。ホテルA〜Jは、〇〇駅周辺のホテル3である。運送会社2のドライバーは、ミルクラン専用車でホテルA→B→C→D→E→F→G→H→I→Jの順に訪問し、最後に〇〇駅に手荷物4を届ける。
【0029】
(構成例)
図6は、実施例における手荷物運送システム20の構成を示す機能ブロック図である。この手荷物運送システムは、運送会社2の管理下にあるコンピュータにより実現されるシステムであり、機能的には、記憶部21と、提供部22と、受け付け部23と、決定部24と、出力部25と、通信部26とを備える。記憶部21は、発着地情報21A、申し込み情報21B、ホテル情報21C、運送約款情報21Dなど、利用者1の手荷物4を運送するサービスに関する情報を記憶する記憶装置である。提供部22は、記憶部21に記憶された情報を用いて、手荷物4の運送の申し込みを行うためのウェブ申し込みページを利用者端末10に提供する。受け付け部23は、利用者端末10より手荷物4の運送の申し込み情報21Bを受け付ける。提供部22および受け付け部23は、Webサーバにより実現される機能部である。決定部24は、所定の締め切り時刻になると、受け付け部23により受け付けられた申し込み情報21Bの物量に連動して、手荷物4を運送する当日配送のミルクラン路線(配送ルート)を決定する。出力部25は、決定部24により決定されたミルクラン路線を出力する。ここでいう出力には、印刷と表示の両方が含まれる。通信部26は、外部システムとの間で各種情報を送受信する。その他の機能部(例えば、情報を入力する入力部など)も備えていることはもちろんである。
【0030】
このように、実施例における手荷物運送システム20は、主に、運送会社2の管理下にあるコンピュータにより実現されるが、その他のものを含んでもよい。例えば、ホテル3側のコンピュータ、利用者端末10、預り札5、配送リストLなどを手荷物運送システム20の一部と考えることもできる。
【0031】
(各種情報例)
図7は、実施例における発着地情報21Aを示す図である。
図7に示すように、発着地情報21Aは、手荷物4の発着地に関する情報であり、QRコード5aに埋め込まれている情報と対応付けられていてもよい。ここでは、説明を簡単にするため、QRコード5aに埋め込まれて情報を「0001」「0002」「0003」…等の連続番号としている。発地はホテルA〜Jであり、着地は〇〇駅である。例えば、ホテルA専用の預り札5のQRコード5aに「0001」を埋め込んでおけば、発地としてホテルAが選択され、着地として〇〇駅が選択されたウェブ申し込みページを提供することができる。発地は、ホテル3以外の宿泊施設(旅館など)でもよいし、着地は、〇〇駅以外の交通施設(空港など)でもよい。
【0032】
図8は、実施例における申し込み情報21Bを示す図である。
図8に示すように、申し込み情報21Bは、手荷物4の運送の申し込み情報であり、通常であれば送り状に記載する様々な情報が含まれる。ここでは、ミルクラン路線に含まれるホテルA〜Jごとに、そのホテル3に預けられた手荷物4の個数の情報と、その手荷物4を預けた利用者1の氏名の情報とが対応付けられている。図示していないが、申し込み情報21Bには、利用規約に同意している旨の情報(例えば、利用者1の代理で運送会社2が手荷物4を集荷することについて利用者1が同意している旨の情報)が含まれてもよい。もちろん、「同意」が得られている場合のみ、申し込み情報21Bが生成されるようにしてもよい。
【0033】
図9は、実施例におけるホテル情報21Cを示す図である。
図9に示すように、ホテル情報21Cは、ホテル3に関する情報である。ここでは、ミルクラン路線に含まれるホテルA〜Jごとに、取次店契約の有無を示す情報が対応付けられている。ホテル3の住所や電話番号などの情報が対応付けられていてもよいことは言うまでもない。
【0034】
(動作例)
図10は、実施例における手荷物運送システム20の動作を示すシーケンス図である。以下、
図10を用いて、手荷物運送システム20の構成をその動作とともに説明する。
【0035】
まず、手荷物運送システム20には各種情報が記憶され、運送会社2側で作成された預り札5がホテル3側に提供されているものとする(ステップS1→S2)。利用者1が預り札5に印字されているQRコード5aを利用者端末10より読み込むと、QRコード5aに対応するウェブ申し込みページが要求され、そのウェブ申し込みページが利用者端末10に提供される(ステップS3→S4→S5→S6)。これにより、利用者1がウェブ申し込みページにおいて入力・決済・同意を行うと、申し込み情報21Bが利用者端末10から運送会社2に送信(集荷依頼)され、利用者1、運送会社2、ホテル3間で集荷依頼の状況が共有される(ステップS7→S8→S9)。その後、所定の締め切り時刻になると、申し込み情報21Bの物量に連動して、手荷物4を運送する当日配送のミルクラン路線が決定され、そのミルクラン路線が出力されて運送会社2のドライバーに提供される(ステップS10→S11→S12)。
【0036】
図11は、実施例における決定部24の動作を示すフローチャートである。以下、
図11を用いて、
図10のステップS10〜S12の具体例を説明する。
【0037】
まず、決定部24は、所定の締め切り時刻になると、記憶部21に記憶されている申し込み情報21Bを参照し、申し込み情報21Bに含まれるホテルA〜Jを順に選択する(ステップS21→S22→・・・→S26→S22→・・・)。例えば、当該ホテル3に預けられた手荷物4が0個であり(ステップS23:YES)、且つ当該ホテル3が“必ず行くホテル”でない場合(ステップS24:NO)、当該ホテル3を集荷対象から除外してもよい(ステップS25)。この実施例では、ホテル3Cとホテル3Fに預けられた手荷物4の個数は0個であるが(
図8参照)、ホテル3Fは取次店契約がある(
図9参照)。そのため、ホテル3Fは“必ず行くホテル”であるとして、ホテル3Cだけを集荷対象から除外してもよい(ステップS25)。これにより、除外されなかったホテルA,B,D〜Jに預けられた手荷物4の個数(数量)を合計し、その合計数量によっては便数を増発する(ステップS27→S28)。便数が1である場合は、1台のミルクラン専用車でホテルA→B→D→E→F→G→H→I→Jの順に訪問し、最後に〇〇駅に手荷物4を届けることになる(ステップS29)。
【0038】
以上のように、手荷物運送システム20によれば、運送会社2側で配送ルートを最適化することができる。運送会社2は、荷量はもちろん、発着地や時間帯などによっても、集荷に行く/行かないを自由に決定することが可能である。
【0039】
(ハードウェア構成例)
図12は、手荷物運送システム20のハードウェア構成図である。手荷物運送システム20は、1つのコンピュータで実装されてもよく、あるいは複数のコンピュータで実装されてもよい。手荷物運送システム20には、例えば、CPU(Central Processing Unit、プロセッサ)201と、メモリ202と、ストレージ203(HDD:Hard Disk Drive、SSD:Solid State Drive)と、通信装置204と、入力装置205と、出力装置206とを備える汎用的なコンピュータシステムを用いることができる。このコンピュータシステムにおいて、CPU201がメモリ202上にロードされた所定のプログラムを実行することにより、手荷物運送システム20の各機能が実現される。このようなプログラムは、HDD、SSD、USB(Universal Serial Bus)メモリ、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などのコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶することも、ネットワークを介して配信することもできる。
【0040】
≪まとめ≫
以上説明したように、手荷物運送システム20は、利用者1の手荷物4を運送するサービスを実現するシステムであって、サービスに関する情報を記憶する記憶部21と、記憶部21に記憶された情報を用いて、手荷物4の運送の申し込みを行うためのウェブ申し込みページを利用者端末10に提供する提供部22と、利用者端末10より手荷物4の運送の申し込み情報21Bを受け付ける受け付け部23と、所定の締め切り時刻になると、受け付け部23により受け付けられた申し込み情報21Bの物量に連動して、手荷物4を運送する当日配送のミルクラン路線を決定する決定部24と、決定部24により決定されたミルクラン路線を出力する出力部25とを備える。これにより、ミルクラン路線の全体で出される手荷物4を運送会社2側で一括して管理することができるため、利用者1の手荷物4を効率的に運送することが可能となる。
【0041】
具体的には、決定部24は、複数のホテル3を発地とし、1つの交通施設を着地とする当日配送のミルクラン路線を決定してもよい。これにより、ホテル発の当日配送を実現することが可能となる。
【0042】
また、ホテル3にQRコード5aが印字された預り札5が提供され、QRコード5aを利用者端末10より読み込むことでウェブ申し込みページにアクセス可能となってもよい。これにより、ホテル3側、利用者1側の手間が省けるのはもちろん、QRコード5aを運送会社2側で設定すれば、さらに運送会社2がイニシアティブをとりやすくなる。
【0043】
また、記憶部21は、運送会社2側の設定により、QRコード5aごとに異なる情報を対応付けて記憶してもよい。これにより、ウェブ申し込みページにおいて発着地などを入力する手間が省けるため、さらに利用者1側の手間が省ける。
【0044】
また、提供部22は、送り状に記載すべき事項を入力可能なウェブ申し込みページを提供し、受け付け部23は、送り状に記載すべき事項を電磁的方法により受け付けてもよい。これにより、手書きの送り状なしにサービスを提供することができる。特に訪日客にとって送り状の記載は面倒であるため、非常に実用的価値が高いサービスと言える。
【0045】
また、申し込み情報21Bには、利用者1の代理で運送会社2が手荷物4を集荷することについて利用者1が同意している旨の情報が含まれてもよい。これにより、運送会社2が運送約款の集荷をすることで、ホテル3は、取次店でなくても利用者1(宿泊客)から手荷物4を引き受けて運送会社2に引き渡すまでの役務を全うすることができる。
【0046】
なお、本発明は、手荷物運送システム20として実現することができるだけでなく、手荷物運送システム20が備える特徴的な機能部をステップとする手荷物運送方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させる手荷物運送プログラムとして実現したりすることもできる。このようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのはいうまでもない。
【0047】
≪その他の実施形態≫
上記のように、本発明の実施形態について記載したが、開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。すなわち、本発明の実施形態は、ここでは記載していない様々な実施形態などを含む。