特許第6961653号(P6961653)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961653
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】抽出装置、抽出方法及び抽出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20211025BHJP
【FI】
   G06Q30/02 398
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-185494(P2019-185494)
(22)【出願日】2019年10月8日
(65)【公開番号】特開2021-60880(P2021-60880A)
(43)【公開日】2021年4月15日
【審査請求日】2020年3月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年7月29日ヤフー株式会社内(東京都千代田区紀尾井町1番3号東京ガーデンテラス紀尾井町紀尾井タワー)において発表。
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鍵山 仁
(72)【発明者】
【氏名】林 大作
【審査官】 宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−076203(JP,A)
【文献】 特開2018−156352(JP,A)
【文献】 特開2013−125541(JP,A)
【文献】 原 淳史,一般社団法人 人工知能学会 第29回全国大会論文集CD−ROM [CD−ROM] 2015年度 人工知能学会全国大会(第29回)論文集 ,日本,2015年06月02日,1-4
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報検索に関するサービスを提供する第1ドメインから所定の第2ドメインに遷移した利用者前記第1ドメインで入力した検索クエリを示す第1行動情報であって、前記検索クエリに対応する検索結果に含まれる遷移先のうち、前記利用者が選択した遷移先を示す第1行動情報と、前記利用者前記第2ドメインで所定の行動を行うまでに行った行動を示す第2行動情報であって、前記第2ドメインにおいて前記利用者が閲覧したコンテンツを示す第2行動情報とを取得し、前記第1行動情報が示す遷移先と、前記第2行動情報が示すコンテンツとが一致する場合は、当該第1行動情報と当該第2行動情報とを同一の利用者に関する行動情報とする取得部と、
前記第1行動情報と前記第2行動情報とに基づいて、前記第2ドメインにおいて前記所定の行動を行う利用者を行動利用者として特定し、前記第1ドメイン若しくは前記第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の割合を検索クエリごとに算出し、算出した割合が所定の条件を満たす検索クエリを抽出する抽出部と
を有することを特徴とする抽出装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記第1ドメインに属する情報処理装置が収集した前記第1行動情報を取得するとともに、前記第2ドメインに属する情報処理装置が収集した第2行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の抽出装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記利用者が前記第2ドメインで入力した検索クエリを示す第2行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の抽出装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記利用者が前記第2ドメインで所定の取引対象を購入するまでに行った行動を示す第2行動情報を取得する
ことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1つに記載の抽出装置。
【請求項5】
前記抽出部は、
所定期間内における利用者の行動を示す前記第1行動情報と前記第2行動情報とに基づいて、前記第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出する
ことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1つに記載の抽出装置。
【請求項6】
前記抽出部は、
前記行動利用者が入力した検索クエリごとに、前記第1ドメイン若しくは前記第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した行動利用者の数と、前記第1ドメイン若しくは前記第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した利用者の数との差、または、前記第1ドメイン若しくは前記第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した利用者の割合と、前記第1ドメイン若しくは前記第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した行動利用者の割合との差が所定の条件を満たす場合は、当該検索クエリを抽出対象とする
ことを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1つに記載の抽出装置。
【請求項7】
利用者が検索クエリとして入力した際に前記第2ドメインと関連するコンテンツが配信されるターゲットクエリの候補として、前記抽出部により抽出された検索クエリを出力する出力部
を有することを特徴とする請求項1〜のうちいずれか1つに記載の抽出装置。
【請求項8】
抽出装置が実行する抽出方法であって、
情報検索に関するサービスを提供する第1ドメインから所定の第2ドメインに遷移した利用者前記第1ドメインで入力した検索クエリを示す第1行動情報であって、前記検索クエリに対応する検索結果に含まれる遷移先のうち、前記利用者が選択した遷移先を示す第1行動情報と、前記利用者前記第2ドメインで所定の行動を行うまでに行った行動を示す第2行動情報であって、前記第2ドメインにおいて前記利用者が閲覧したコンテンツを示す第2行動情報とを取得し、前記第1行動情報が示す遷移先と、前記第2行動情報が示すコンテンツとが一致する場合は、当該第1行動情報と当該第2行動情報とを同一の利用者に関する行動情報とする取得工程と、
前記第1行動情報と前記第2行動情報とに基づいて、前記第2ドメインにおいて前記所定の行動を行う利用者を行動利用者として特定し、前記第1ドメイン若しくは前記第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の割合を検索クエリごとに算出し、算出した割合が所定の条件を満たす検索クエリを抽出する抽出工程と
を含むことを特徴とする抽出方法。
【請求項9】
情報検索に関するサービスを提供する第1ドメインから所定の第2ドメインに遷移した利用者前記第1ドメインで入力した検索クエリを示す第1行動情報であって、前記検索クエリに対応する検索結果に含まれる遷移先のうち、前記利用者が選択した遷移先を示す第1行動情報と、前記利用者前記第2ドメインで所定の行動を行うまでに行った行動を示す第2行動情報であって、前記第2ドメインにおいて前記利用者が閲覧したコンテンツを示す第2行動情報とを取得し、前記第1行動情報が示す遷移先と、前記第2行動情報が示すコンテンツとが一致する場合は、当該第1行動情報と当該第2行動情報とを同一の利用者に関する行動情報とする取得手順と、
前記第1行動情報と前記第2行動情報とに基づいて、前記第2ドメインにおいて前記所定の行動を行う利用者を行動利用者として特定し、前記第1ドメイン若しくは前記第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の割合を検索クエリごとに算出し、算出した割合が所定の条件を満たす検索クエリを抽出する抽出手順と
をコンピュータに実行させるための抽出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出装置、抽出方法及び抽出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して様々な情報を利用者に提供する技術が知られている。このような技術の一例として、利用者が入力した検索キーワードに対応する広告を提供する検索連動型広告の技術が知られている。また、広告を閲覧した利用者が入力した検索キーワードのうち、入力頻度が高い検索キーワードを、検索連動型広告のキーワードとする技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5577385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した技術では、利用者を所定の行動へと誘導しているとは言えない場合がある。
【0005】
例えば、上述した従来技術では、第1利用者が入力した検索キーワードが、広告を閲覧した第2利用者による入力頻度が高い検索キーワードと一致する場合に、広告を第1利用者に提供する。しかしながら、このような従来技術では、広告を閲覧する可能性が高い利用者に広告を提供しているに過ぎず、広告に関連する取引対象のウェブコンテンツ(所謂ランディングページ)の閲覧や、取引対象を購入するといった所定の行動へと適切に誘導しているとは言えない。
【0006】
ここで、ある取引対象のウェブコンテンツを閲覧した利用者は、その取引対象を購入する可能性が高いと推定される。このため、取引対象のウェブコンテンツを閲覧した利用者に対し、取引対象の広告を提供するといった手法が考えられる。例えば、クッキー等の技術を用いて、所定の取引対象と対応する第1ドメイン内での利用者の行動を収集し、収集した行動に基づいて、利用者が第2ドメインに属するウェブコンテンツを閲覧した際に、所定の取引対象に関する広告を提供するといったリターゲティングの手法が考えられる。
【0007】
しかしながら、このようなリターゲティングの技術では、第2ドメインのサーバ装置が、第1ドメイン内での利用者の行動を収集するために、所謂サードパーティークッキーが発行されることとなる。このようなサードパーティークッキーは、プライバシーの観点から、使用を制限される傾向にあるため、第2ドメインのサーバ装置が第1ドメイン内での利用者の行動を収集することができなくなる恐れがある。
【0008】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者を所定の行動へと誘導する効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願にかかる抽出装置は、情報検索に関するサービスを提供する第1ドメインから所定の第2ドメインに遷移した利用者の前記第1ドメインにおける行動を示す第1行動情報と、前記利用者の前記第2ドメインにおける行動を示す第2行動情報とを取得する取得部と、前記第1行動情報と前記第2行動情報とに基づいて、前記第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出する抽出部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
実施形態の一態様によれば、利用者を所定の行動へと誘導する効率を向上させることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態に係る抽出処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る情報管理装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る行動情報データベースの一例を示す図である。
図5図5は、特徴量を用いた検索クエリの抽出処理の一例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る抽出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図7図7は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願に係る抽出装置、抽出方法及び抽出プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願にかかる抽出装置、抽出方法及び抽出プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0013】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の抽出装置等により実現される抽出処理を説明する。図1は、実施形態に係る抽出処理の一例を示す図である。なお、図1では、本願に係る抽出装置の一例である情報提供装置10によって、実施形態に係る抽出処理などが実現されるものとする。
【0014】
図1の説明に先立って、図2を用いて、実施形態に係る情報提供システム1について説明する。図2は、実施形態に係る情報提供システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報提供システム1は、情報提供装置10と、端末装置100と第1ドメインサーバ200と、第2ドメインサーバ300とを含む。情報提供装置10、端末装置100、第1ドメインサーバ200及び第2ドメインサーバ300は、ネットワークNを介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。なお、図2に示した情報提供システム1には、複数台の情報提供装置10、複数台の端末装置100、複数台の第1ドメインサーバ200及び複数台の第2ドメインサーバ300が含まれていてもよい。
【0015】
情報提供装置10は、ドメインに属する情報処理装置(ドメインサーバ)の管理者や、ドメインと関連するコンテンツ(例えば、広告)の配信を仲介する事業者(例えば、広告代理店)に対し、当該コンテンツが配信されるターゲットクエリを出力する情報処理装置である。例えば、情報提供装置10は、各ドメインにおける利用者の行動(例えば、各ドメインにおいて利用者が入力した検索クエリ、閲覧したコンテンツ、遷移先のドメインなど)を示す行動情報を管理する。そして、情報提供装置10は、ドメインサーバの管理者等から受け付けたドメインにおけるコンバージョンの設定と、各利用者の行動情報とに基づき、コンバージョンした利用者が入力した検索クエリのうち、特徴的な検索クエリを出力する。
【0016】
端末装置100は、利用者によって利用される情報処理装置である。端末装置100は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。なお、図1に示す例において、端末装置100は、利用者によって利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである場合を示す。
【0017】
また、端末装置100は、第1ドメインサーバ200や第2ドメインサーバ300によって提供される情報を、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。なお、端末装置100は、情報の表示処理を実現する制御情報を第1ドメインサーバ200や第2ドメインサーバ300から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。
【0018】
第1ドメインサーバ200は、利用者に情報検索に関するサービスを提供する第1ドメインに属する情報処理装置である。例えば、第1ドメインサーバ200は、第1ドメインにおける利用者の行動を示す第1行動情報を管理する。
【0019】
第2ドメインサーバ300は、利用者に各種コンテンツを提供するドメインであって、第1ドメインを取得した事業者とは異なる事業者により取得されたドメインである第2ドメインに属する情報処理装置である。例えば、第2ドメインサーバ300は、第2ドメインにおける利用者の行動を示す第2行動情報を管理する。なお、第2ドメインサーバ300が提供するコンテンツは、例えば、ポータルサイト、ニュースサイト、オークションサイト、天気予報サイト、ショッピング(電子商取引)サイト、ファイナンス(株価)サイト、路線検索サイト、地図提供サイト、旅行サイト、飲食店紹介サイト、SNS(Social Networking Service)サイト、ウェブブログなどに関するコンテンツであってもよい。また、第2ドメインサーバ300が利用者に提供するコンテンツは、例えば、端末装置100にインストールされた各種アプリケーション(以下、「アプリ」と記載する場合がある)に関するコンテンツであってもよい。具体的には、ポータルアプリ、ニュースアプリ、オークションサイト、天気予報アプリ、ショッピングアプリ、ファイナンス(株価)アプリ、路線検索アプリ、地図提供アプリ、旅行アプリ、飲食店紹介アプリ、SNSアプリ、ブログ閲覧アプリ等に関するコンテンツであってもよい。また、第2ドメインサーバ300が利用者に提供するコンテンツは、利用者に提供される広告に関連するコンテンツ(例えば、ランディングページ)や、各種事業者に関連するコンテンツ(例えば、ホームページ)などであってもよい。
【0020】
なお、第1ドメインサーバ200及び第2ドメインサーバ300は、端末装置100に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、第1ドメインサーバ200及び第2ドメインサーバ300から配信される所定のアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。
【0021】
以下、図1を用いて、情報提供装置10が行う抽出処理について説明する。なお、以下の説明では、端末装置100を利用する利用者に応じて、端末装置100を端末装置100−1〜100−N(Nは任意の自然数)として説明する。例えば、端末装置100−1は、利用者ID「U1」により識別される利用者(利用者U1)により利用される端末装置100である。また、以下では、端末装置100−1〜100−Nについて、特に区別なく説明する場合には、端末装置100と記載する。また、以下の説明では、端末装置100を利用者と同一視する場合がある。すなわち、以下では、利用者を端末装置100と読み替えることもできる。
【0022】
また、以下の説明では、第2ドメインサーバ300が、ショッピングサイトに関するコンテンツを提供する第2ドメインに属するものとする。
【0023】
まず、第1ドメインサーバ200は、利用者U1が入力した検索クエリと、選択した遷移先とを収集する(ステップS1)。例えば、図1の例において、第1ドメインサーバ200は、第1ドメインにおいて利用者U1が検索クエリ#1−1−1、検索クエリ#1−1−2の順に検索クエリを入力したことを示す情報、並びに、検索クエリ#1−1−2に対応する検索結果に含まれるコンテンツのうち、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−1(遷移先)を利用者U1が選択したことを示す情報を収集する。
【0024】
続いて、第1ドメインサーバ200は、利用者U2が入力した検索クエリと、選択した遷移先とを収集する(ステップS2)。例えば、図1の例において、第1ドメインサーバ200は、第1ドメインが提供するサービスにおいて利用者U2が検索クエリ#2−1−1、検索クエリ#2−1−2の順に検索クエリを入力したことを示す情報、並びに、検索クエリ#2−1−2に対応する検索結果に含まれるコンテンツのうち、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−2を利用者U2が選択したことを示す情報を収集する。
【0025】
同様に、第1ドメインサーバ200は、第1ドメインが提供するサービスを利用する他の各利用者についても、入力した検索クエリと選択した遷移先とを収集する。
【0026】
続いて、情報提供装置10は、第1ドメインにおける各利用者の行動を示す第1行動情報(例えば、第1ドメインが各利用者に付与したクッキー(cookie)に基づく第1行動情報)を第1ドメインサーバ200から取得する(ステップS3)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、ステップS1において第1ドメインサーバ200が収集した情報を第1行動情報#1として取得する。また、情報提供装置10は、ステップS2において第1ドメインサーバ200が収集した情報を第1行動情報#2として取得する。同様に、情報提供装置10は、第1ドメインにおける他の各利用者の行動を示す第1行動情報を取得する。
【0027】
続いて、第2ドメインサーバ300は、利用者U1が入力した検索クエリと、取引対象の購入履歴とを収集する(ステップS4)。例えば、図1の例において、第2ドメインサーバ300は、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−1(ランディングページ)を利用者U1が閲覧したことを示す情報、利用者U1が第2ドメインにおいて検索クエリ#1−2−1を入力したことを示す情報、並びに、検索クエリ#1−2−1の入力後に利用者U1が取引対象#Aを購入したことを示す情報を収集する。
【0028】
続いて、第2ドメインサーバ300は、利用者U2が入力した検索クエリと、取引対象の購入履歴とを収集する(ステップS5)。例えば、図1の例において、第2ドメインサーバ300は、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−2(ランディングページ)を利用者U2が閲覧したことを示す情報、第2ドメインにおいて利用者U2が検索クエリ#2−2−1を入力したことを示す情報、並びに、検索クエリ#2−2−1の入力後に利用者U2が取引対象#Aを購入したことを示す情報を収集する。
【0029】
同様に、第2ドメインサーバ300は、第2ドメインが提供するコンテンツを利用する他の各利用者についても、入力した検索クエリと取引対象の購入履歴とを収集する。
【0030】
続いて、情報提供装置10は、第2ドメインにおける各利用者の行動を示す第2行動情報(例えば、第2ドメインが各利用者に付与したクッキーに基づく第2行動情報)を第2ドメインサーバ300から取得する(ステップS6)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、ステップS4において第2ドメインサーバ300が収集した情報を第2行動情報#1として取得する。また、情報提供装置10は、ステップS5において第2ドメインサーバ300が収集した情報を第2行動情報#2として取得する。同様に、情報提供装置10は、第2ドメインにおける他の各利用者の行動を示す第2行動情報を取得する。
【0031】
続いて、情報提供装置10は、同一利用者の第1行動情報と第2行動情報とを特定する(ステップS7)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、第1行動情報が示す遷移先と第2行動情報が示すコンテンツ(ランディングページ)とが一致する場合、当該第1行動情報と当該第2行動情報とが同一利用者に関する行動情報であると特定する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、利用者が第1ドメインからコンテンツ#A−1に遷移したことを示す第1行動情報#1と、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−1を利用者がランディングページとして閲覧したことを示す第2行動情報#1とが同一の利用者U1に関する行動情報であると特定する。また、情報提供装置10は、利用者が第1ドメインからコンテンツ#A−2に遷移したことを示す第1行動情報#2と、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−2を利用者がランディングページとして閲覧したことを示す第2行動情報#2とが同一の利用者U2に関する行動情報であると特定する。
【0032】
なお、情報提供装置10は、利用者が第1ドメインから遷移した日時を示す第1行動情報と、第2ドメインのコンテンツを利用者が閲覧した日時を示す第2行動情報を取得し、第1行動情報が示す遷移先及び第2行動情報が示すコンテンツが一致するか否かと、第1行動情報が示す日時及び第2行動情報が示す日時の一致性とに基づき、同一利用者の第1行動情報と第2行動情報とを特定してもよい。
【0033】
続いて、情報提供装置10は、第2ドメインで所定の取引対象を購入した行動利用者を特定する(ステップS8)。ここで、図1の例において、第2ドメインサーバ300の管理者が第2ドメインにおけるコンバージョンとして「取引対象#Aの購入」を設定したものとする。この場合、情報提供装置10は、第2ドメインで取引対象#Aを購入した利用者#1及び#2を行動利用者として特定する。
【0034】
続いて、情報提供装置10は、行動利用者が各ドメインで入力した検索クエリと、利用者全体が各ドメインで入力した検索クエリとの比較結果に基づいて、特徴的な検索クエリを抽出する(ステップS9)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、行動利用者が入力した検索クエリのうち、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて入力した行動利用者の数と、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて入力した利用者(第1ドメイン若しくは第2ドメインを利用する利用者)の数とが所定の条件を満たす検索クエリを抽出する。具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、行動利用者が入力した検索クエリごとに、同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の数と、同一若しくは類似する検索クエリを入力した利用者の数とを特定し、特定した利用者の数に対する特定した行動利用者の数の割合を算出する。そして、情報提供装置10は、行動利用者が入力した検索クエリのうち、算出した割合が所定の閾値以上である検索クエリを抽出する。
【0035】
続いて、情報提供装置10は、取引対象と関連する検索クエリとして、抽出した検索クエリを出力する(ステップS10)。例えば、図1の例において、情報提供装置10は、利用者が検索クエリとして入力した際に第2ドメインと関連するコンテンツ(例えば、広告)が配信されるターゲットクエリの候補として、ステップS9において抽出した検索クエリを、所定の出力対象OP(例えば、第2ドメインサーバ300の管理者(広告主)や広告代理店など)に出力する。
【0036】
以上のように、実施形態に係る情報提供装置10は、第1ドメイン及び第2ドメインのそれぞれにおいて収集された利用者の行動情報に基づき、第2ドメインにおいてコンバージョンした利用者が入力した検索クエリのうち、特徴的な検索クエリを出力する。これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、サードパーティークッキーの使用が制限される場合であっても他のドメインにおける利用者の行動を収集し、収集した行動に応じて訴求効果の高いターゲティング広告を配信することを可能とする。すなわち、実施形態に係る情報提供装置10は、利用者を所定の行動(コンバージョン)へと誘導する効率を向上させることができる。
【0037】
〔2.情報管理装置の構成〕
次に、図3を用いて、情報提供装置10の構成について説明する。図3は、実施形態に係る情報管理装置の構成例を示す図である。図3に示すように、情報提供装置10は、通信部20と、記憶部30と、制御部40とを有する。
【0038】
(通信部20について)
通信部20は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部20は、ネットワークNと有線または無線で接続され、端末装置100、第1ドメインサーバ200、第2ドメインサーバ300等との間で情報の送受信を行う。
【0039】
(記憶部30について)
記憶部30は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、記憶部30は、行動情報データベース31を有する。
【0040】
(行動情報データベース31について)
行動情報データベース31は、利用者の各ドメインにおける行動情報を記憶する。ここで、図4を用いて、行動情報データベース31が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る行動情報データベースの一例を示す図である。図4の例では、行動情報データベース31は、「行動情報ID」、「ドメイン情報」、「利用者情報」、「行動情報」、「行動日時」といった項目を有する。
【0041】
「行動情報ID」は、行動情報を識別するための識別情報を示す。「ドメイン情報」は、行動情報の取得元であるドメインを示す。「利用者情報」は、「ドメイン情報」に格納されたドメインを利用した利用者に関する情報を示し、例えば、利用者を識別するための識別情報などの情報を含む。
【0042】
「行動情報」は、「ドメイン情報」に格納されたドメインにおける利用者の行動を示し、例えば、利用者が入力した検索クエリ、遷移先のコンテンツ、閲覧したコンテンツなどの情報を含む。「行動日時」は、「行動情報」に格納された各行動を利用者が行った日時を示す。
【0043】
すなわち、図5では、利用者情報「UID#1−1」によって識別される利用者が、「第1ドメイン」において「日時#1」に「検索クエリ#1−1−1」を入力したことを示す行動情報が「ID#1」によって識別される例を示す。
【0044】
(制御部40について)
制御部40は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報提供装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部40は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部40は、図3に示すように、取得部41と、抽出部42と、出力部43とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0045】
(取得部41について)
取得部41は、情報検索に関するサービスを提供する第1ドメインから所定の第2ドメインに遷移した利用者の第1ドメインにおける行動を示す第1行動情報と、利用者の第2ドメインにおける行動を示す第2行動情報とを取得する。例えば、図1の例において、取得部41は、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−1(遷移先)を利用者U1が選択したことを示す第1行動情報を第1ドメインサーバ200から取得し、行動情報データベース31に格納する。また、取得部41は、利用者U1における各利用者の行動を示す第2行動情報を第2ドメインサーバ300から取得し、行動情報データベース31に格納する。なお、取得部41は、第1ドメインにおける利用者の行動と、各行動を行った日時とを示す第1行動情報、並びに、第2ドメインにおける利用者の行動と、各行動を行った日時とを示す第2行動情報を取得してもよい。
【0046】
また、取得部41は、第1ドメインに属する情報処理装置が収集した第1行動情報を取得するとともに、第2ドメインに属する情報処理装置が収集した第2行動情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、第1ドメインサーバ200が収集した第1行動情報を取得するとともに、第2ドメインサーバ300が収集した第2行動情報を取得する。
【0047】
また、取得部41は、利用者が第1ドメインで入力した検索クエリを示す第1行動情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、第1ドメインにおいて利用者U1が入力した検索クエリを示す第1行動情報を取得する。なお、取得部41は、第1ドメインにおいて利用者が入力した検索クエリの順番を示す第1行動情報を取得してもよい。
【0048】
また、取得部41は、検索クエリに対応する検索結果に含まれる遷移先のうち、利用者が選択した遷移先を示す第1行動情報を取得し、第2ドメインにおいて利用者が閲覧したコンテンツを示す第2行動情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、第1ドメインにおいて利用者U1が入力した検索クエリを示す情報、並びに、当該検索クエリに対応する検索結果に含まれるコンテンツのうち、利用者U1が選択した遷移先を示す情報を第1行動情報として取得する。また、取得部41は、第2ドメインが提供するコンテンツのうち利用者U1が閲覧したコンテンツを示す第2行動情報を取得する。
【0049】
また、取得部41は、第1行動情報が示す遷移先と、第2行動情報が示すコンテンツとが一致する場合は、当該第1行動情報と当該第2行動情報とを同一の利用者に関する行動情報としてもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、利用者が第1ドメインからコンテンツ#A−1に遷移したことを示す第1行動情報#1と、第2ドメインが提供するコンテンツ#A−1を利用者がランディングページとして閲覧したことを示す第2行動情報#1とが同一の利用者U1に関する行動情報であると特定する。なお、取得部41は、同一の利用者に関する行動情報と特定した第1行動情報と第2行動情報とを紐付けた紐付け情報を行動情報データベース31に格納してもよい。
【0050】
また、取得部41は、利用者が第2ドメインで入力した検索クエリを示す第2行動情報を取得してもよい。例えば、図1の例において、取得部41は、第2ドメインにおいて利用者U1が入力した検索クエリを示す第2行動情報を取得する。なお、取得部41は、第2ドメインにおいて利用者が入力した検索クエリの順番を示す第2行動情報を取得してもよい。
【0051】
また、取得部41は、利用者が第2ドメインで所定の行動を行うまでに行った行動を示す第2行動情報を取得してもよい。例えば、取得部41は、第2ドメインサーバ300の管理者等が第2ドメインにおけるコンバージョンとして設定した所定の行動(例えば、所定のコンテンツの閲覧)を利用者が行うまでの行動を示す第2行動情報を取得する。
【0052】
また、取得部41は、利用者が第2ドメインで所定の取引対象を購入するまでに行った行動を示す第2行動情報を取得してもよい。例えば、取得部41は、第2ドメインサーバ300の管理者等が第2ドメインにおけるコンバージョンとして設定した取引対象を購入するまでに行った利用者の行動を示す第2行動情報を取得する。
【0053】
(抽出部42について)
抽出部42は、第1行動情報と第2行動情報とに基づいて、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出する。例えば、抽出部42は、行動情報データベース31を参照し、第2ドメインにおいて利用者が所定の行動を行うまでの第1ドメイン及び第2ドメインにおける行動の特徴として、利用者が第1ドメイン若しくは第2ドメインで閲覧したコンテンツや、利用者が第1ドメイン若しくは第2ドメインで入力した検索クエリの内容、利用者が第1ドメイン及び第2ドメインをまたいで閲覧したコンテンツの順番、利用者が第1ドメイン及び第2ドメインをまたいで入力した検索クエリの順番などの情報を抽出する。
【0054】
また、抽出部42は、所定期間内における利用者の行動を示す第1行動情報と第2行動情報とに基づいて、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出してもよい。例えば、抽出部42は、利用者が第2ドメインにおいて所定の行動を行うまでの期間であって、第1ドメインサーバ200及び第2ドメインサーバ300が利用者の行動を収集可能な任意の期間における利用者の行動を示す第1行動情報と第2行動情報とに基づいて、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出する。
【0055】
また、抽出部42は、第2行動情報に基づいて、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者を行動利用者として特定し、特定した行動利用者が第1ドメイン若しくは第2ドメインで入力した検索クエリの特徴を抽出してもよい。例えば、図1の例において、抽出部42は、第2ドメインで所定の取引対象を購入した利用者を行動利用者として特定し、特定した行動利用者が各ドメインで入力した検索クエリと、第1ドメイン若しくは第2ドメインを利用する利用者全体が各ドメインで入力した検索クエリとの比較結果に基づいて、特徴的な検索クエリを抽出する。
【0056】
また、抽出部42は、同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の割合を検索クエリごとに算出し、算出した割合が所定の条件を満たす検索クエリを抽出してもよい。例えば、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリごとに、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の数を特定し、行動利用者全体の数に対する特定した行動利用者の数の割合を算出する。そして、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリのうち、算出した割合が所定の閾値以上である検索クエリを抽出する。
【0057】
また、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリごとに、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した行動利用者の数と、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した利用者の数との差、または、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した利用者の割合と、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した行動利用者の割合との差が所定の条件を満たす場合は、当該検索クエリを抽出対象としてもよい。
【0058】
例えば、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリごとに、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の数と、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した利用者の数とを特定する。そして、抽出部42は、特定した行動利用者の数と、特定した利用者の数との差が所定の閾値以内である検索クエリを抽出対象とする。
【0059】
また、例えば、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリごとに、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の数と、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて同一若しくは類似する検索クエリを入力した利用者の数とを特定する。そして、抽出部42は、行動利用者全体の数に対する特定した行動利用者の数の割合と、利用者全体に対する特定した利用者の数の割合との差が所定の閾値以上である検索クエリを抽出対象とする。
【0060】
なお、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリごとに所定の特徴量を算出し、算出した特徴量に基づき検索クエリを抽出してもよい。ここで、図5を用いて、特徴量を用いた検索クエリの抽出処理を説明する。図5は、特徴量を用いた検索クエリの抽出処理の一例を示す図である。
【0061】
図5に示すように、まず、抽出部42は、第2ドメインで所定の取引対象を購入した行動利用者を特定する。例えば、図5の例において、抽出部42は、取得部41により取得された第2行動情報のうち、第2ドメインの所定の取引対象の購入完了ページに設定されたコンバージョンタグ(CVタグ)により通知される情報を含む第2行動情報に対応する利用者を行動利用者と特定する。
【0062】
続いて、抽出部42は、行動利用者の第1行動情報及び第2行動情報から、行動利用者が所定の取引対象を購入するまでに第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて入力した検索クエリを特定する。
【0063】
続いて、抽出部42は、行動利用者における入力割合と、第1ドメイン若しくは第2ドメインを利用する利用者全体における入力割合とに基づく特徴量が所定の閾値以上である検索クエリを抽出対象とする。例えば、図5の例において、抽出部42は、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて検索クエリ「AAA」と同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の数を特定し、行動利用者全体の数に対する特定した行動利用者の数の割合(行動利用者における入力割合)「5.33%」を算出する。また、抽出部42は、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて検索クエリ「AAA」と同一若しくは類似する検索クエリを入力した利用者の数を特定し、第1ドメイン若しくは第2ドメインを利用する利用者全体の数に対する特定した利用者の数の割合(利用者全体における入力割合)「0.17%」を算出する。そして、行動利用者における入力割合「5.33%」を利用者全体における入力割合「0.17%」で除算した値「32.0」を検索クエリ「AAA」の特徴量として算出する。同様に、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリごとに特徴量を算出し、特徴量が所定の閾値以上である検索クエリを抽出対象とする。
【0064】
(出力部43について)
出力部43は、利用者が検索クエリとして入力した際に第2ドメインと関連するコンテンツが配信されるターゲットクエリの候補として、抽出部42により抽出された検索クエリを出力する。例えば、図1の例において、出力部43は、利用者が検索クエリとして入力した際に第2ドメインと関連するコンテンツが配信されるターゲットクエリの候補として、抽出部42により抽出された検索クエリを、所定の出力対象OPに出力する。
【0065】
なお、出力部43は、抽出部42により抽出された検索クエリに基づき、第2ドメインと関連するコンテンツが配信されるターゲットの利用者の候補を出力してもよい。例えば、出力部43は、行動利用者以外の利用者であって、第1行動情報若しくは第2行動情報に抽出部42により抽出された検索クエリを含む利用者を、第2ドメインと関連するコンテンツが配信対象の候補として出力する。
【0066】
〔3.抽出処理のフロー〕
ここで、図6を用いて、実施形態に係る情報提供装置10の抽出処理の手順について説明する。図6は、実施形態に係る抽出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0067】
図6に示すように、情報提供装置10は、第1ドメインから第2ドメインへと遷移した利用者の第1行動情報と第2行動情報とを取得する(ステップS101)。続いて、情報提供装置10は、第2ドメインで所定の行動を行った利用者の行動の特徴を抽出する(ステップS102)。続いて、情報提供装置10は、抽出した特徴を示す情報を、所定の行動と関連性を有する行動の特徴を示す情報として出力し(ステップS103)、処理を終了する。
【0068】
〔4.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0069】
〔4−1.ドメインについて〕
上述の実施形態において、上述の実施形態において、第1ドメイン及び第2ドメインの2つのドメインおける利用者の行動を示す行動情報を取得部41が取得し、取得された行動情報に基づき抽出部42が第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出する例を示したが、取得部41及び抽出部42の機能はこのような例に限定されず、2以上の任意の数のドメインにおける利用者の行動を示す行動情報に基づき、いずれかのドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出してもよい。
【0070】
〔4−2.各ドメインにおける利用者の行動について〕
上述の実施形態において、取得部41が、第1ドメイン及び第2ドメインにおける利用者の行動として、入力した検索クエリや、遷移先、コンテンツの閲覧、取引対象の購入などといった情報を取得する例を示したが、取得部41の機能はこのような例に限定されない。例えば、取得部41は、各ドメインに属する情報処理装置が収集可能な情報であればどのような情報を利用者の行動を示す情報として取得してもよい。具体的な例を挙げると、取得部41は、各ドメインにおいて利用者が行った所定の要求(例えば、問い合わせや、資料請求など)や、各ドメインにおいて利用者が入力した文字列(例えば、コメントや、レビューなど)の内容、各ドメインが提供するコンテンツでの利用者の滞在時間などを、各ドメインにおける利用者の行動を示す情報として取得する。
【0071】
〔4−3.第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者について〕
上述の実施形態において、抽出部42が、第2ドメインで所定の取引対象を購入した利用者(行動利用者)の行動の特徴を抽出する例を示したが、抽出部42の機能はこのような例に限定されない。例えば、抽出部42は、第2ドメインサーバ300の管理者等により設定された各種の行動を第2ドメインで行う利用者の行動の特徴を抽出してもよい。具体的な例を挙げると、抽出部42は、第2ドメインの所定のコンテンツを閲覧した利用者や、第2ドメインに所定の要求を行った利用者、第2ドメインで文字列を入力した利用者、第2ドメインが提供するコンテンツでの滞在時間が所定の閾値以上である利用者の行動の特徴を抽出する。
【0072】
〔5.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報提供装置10は、取得部41と、抽出部42と、出力部43とを有する。取得部41は、情報検索に関するサービスを提供する第1ドメインから所定の第2ドメインに遷移した利用者の第1ドメインにおける行動を示す第1行動情報と、利用者の第2ドメインにおける行動を示す第2行動情報とを取得する。抽出部42は、第1行動情報と第2行動情報とに基づいて、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出する。出力部43は、利用者が検索クエリとして入力した際に第2ドメインと関連するコンテンツが配信されるターゲットクエリの候補として、抽出部42により抽出された検索クエリを出力する。
【0073】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、サードパーティークッキーの使用が制限される場合であっても他のドメインにおける利用者の行動を取得し、取得した行動に応じて訴求効果の高いターゲティング広告を配信することを可能とするため、利用者を所定の行動へと誘導する効率を向上させることができる。
【0074】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、取得部41は、第1ドメインに属する情報処理装置が収集した第1行動情報を取得するとともに、第2ドメインに属する情報処理装置が収集した第2行動情報を取得する。また、取得部41は、利用者が第1ドメインで入力した検索クエリを示す第1行動情報を取得する。また、取得部41は、検索クエリに対応する検索結果に含まれる遷移先のうち、利用者が選択した遷移先を示す第1行動情報を取得し、第2ドメインにおいて利用者が閲覧したコンテンツを示す第2行動情報を取得する。また、取得部41は、第1行動情報が示す遷移先と、第2行動情報が示すコンテンツとが一致する場合は、当該第1行動情報と当該第2行動情報とを同一の利用者に関する行動情報とする。また、取得部41は、利用者が第2ドメインで入力した検索クエリを示す第2行動情報を取得する。また、取得部41は、利用者が第2ドメインで所定の行動を行うまでに行った行動を示す第2行動情報を取得する。また、取得部41は、利用者が第2ドメインで所定の取引対象を購入するまでに行った行動を示す第2行動情報を取得する。
【0075】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、各ドメインにおける利用者の各種の行動に基づいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出することを可能とするため、所定の行動を行う利用者の行動の特徴を精度よく把握するができる。
【0076】
また、実施形態に係る情報提供装置10において、例えば、抽出部42は、所定期間内における利用者の行動を示す第1行動情報と第2行動情報とに基づいて、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出する。また、抽出部42は、第2行動情報に基づいて、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者を行動利用者として特定し、特定した行動利用者が第1ドメイン若しくは第2ドメインで入力した検索クエリの特徴を抽出する。また、抽出部42は、同一若しくは類似する検索クエリを入力した行動利用者の割合を検索クエリごとに算出し、算出した割合が所定の条件を満たす検索クエリを抽出する。また、抽出部42は、行動利用者が入力した検索クエリごとに、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した行動利用者の数と、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した利用者の数との差、または、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した利用者の割合と、第1ドメイン若しくは第2ドメインにおいて当該検索クエリを入力した行動利用者の割合との差が所定の条件を満たす場合は、当該検索クエリを抽出対象とする。
【0077】
これにより、実施形態に係る情報提供装置10は、第2ドメインにおいて所定の行動を行う利用者の行動の特徴を抽出することにより、抽出した行動の特徴を用いた情報配信を可能とするため、利用者を所定の行動へと誘導する効率を向上させることができる。
【0078】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る情報提供装置10は、例えば、図7に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置10を例に挙げて説明する。図7は、情報提供装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0079】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0080】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0081】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0082】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0083】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部40の機能を実現する。また、HDD1400には、情報提供装置10の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0084】
〔7.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0085】
また、上述した情報提供装置10は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0086】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0087】
10 情報提供装置
20 通信部
30 記憶部
31 行動情報データベース
40 制御部
41 取得部
42 抽出部
43 出力部
100 端末装置
200 第1ドメインサーバ
300 第2ドメインサーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7