(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、向上した光学的、電気的、機械的信頼性を有するタッチセンサモジュールを提供することである。
【0008】
本発明の課題は、向上した光学的、電気的、機械的信頼性を有するタッチセンサモジュールを含むウィンドウ積層体を提供することである。
【0009】
本発明の課題は、向上した光学的、電気的、機械的信頼性を有するタッチセンサモジュールを含む画像表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1.センシング電極及び前記センシング電極から分岐されるトレースを含むタッチセンサ層と、前記タッチセンサ層上で前記センシング電極を覆う光学層と、前記光学層と離隔するように配置され、前記タッチセンサ層の一端部上で前記トレースと電気的に連結される回路連結構造物と、前記光学層と前記回路連結構造物との間のギャップを埋める着色樹脂パターンとを含む、タッチセンサモジュール。
【0011】
2.前記項目1において、前記光学層は、前記回路連結構造物よりも高い上面を有する、タッチセンサモジュール。
【0012】
3.前記項目2において、前記着色樹脂パターンは、前記光学層および前記回路連結構造物の側壁と接触する、タッチセンサモジュール。
【0013】
4.前記項目3において、前記着色樹脂パターンは、前記回路連結構造物の上面を覆う、タッチセンサモジュール。
【0014】
5.前記項目4において、前記着色樹脂パターンは、前記光学層の上面は覆わない、タッチセンサモジュール。
【0015】
6.前記項目1において、前記トレースの末端部上の、前記光学層の部分が除去されてボンディング領域が定義され、
前記回路連結構造物は、前記ボンディング領域に挿入され、前記トレースの前記末端部と電気的に連結される、タッチセンサモジュール。
【0016】
7.前記項目6において、前記ギャップは、平面方向で前記ボンディング領域における前記回路連結構造物が配置された領域を除いた残りの空間に定義される、タッチセンサモジュール。
【0017】
8.前記項目1において、前記光学層は、偏光子、偏光板、位相差フィルム、反射シート、輝度向上フィルム、または屈折率整合フィルムの少なくとも一つを含む、タッチセンサモジュール。
【0018】
9.前記項目1において、前記回路連結構造物は、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)を含む、タッチセンサモジュール。
【0019】
10.前記項目9において、前記トレースと前記回路連結構造物との間に配置される導電性仲介構造をさらに含む、タッチセンサモジュール。
【0020】
11.前記項目10において、前記導電性仲介構造は、異方性導電フィルム(ACF)を含む、タッチセンサモジュール。
【0021】
12.前記項目1において、前記着色樹脂パターンは、
粘接着性レジンを含む、タッチセンサモジュール。
【0022】
13.ウィンドウ基板と、前記ウィンドウ基板の一つの面上に積層される前記項目1〜12のいずれかに記載のタッチセンサモジュールとを含む、ウィンドウ積層体。
【0023】
14.表示パネルと、前記表示パネル上に積層され、前記項目1〜12のいずれかに記載のタッチセンサモジュールとを含む、画像表示装置。
【0024】
15.前記項目14において、前記タッチセンサモジュールの下に配置されるメインボードをさらに含み、前記タッチセンサモジュールの前記回路連結構造物は、ベンディングされて前記メインボードと電気的に連結される、画像表示装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施形態によるタッチセンサモジュールは、タッチセンサ層の表示領域を覆う光学層と、タッチセンサ層のボンディング領域上に配置される回路連結構造物とを含むことができる。前記光学層と前記回路連結構造物との間のギャップを埋めるように着色樹脂パターンを形成することで、前記ギャップによる光漏れ、反射などにより画像および光学特性に攪乱が生じることを防止することができる。
【0026】
また、前記着色樹脂パターンにより、前記タッチセンサ層に含まれるトレースを保護し、電気的信頼性を向上することができる。前記着色樹脂パターンは、前記回路連結構造物の支持層または接合層でも提供され、前記ボンディング領域における回路連結信頼性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の実施形態は、タッチセンサ層、該タッチセンサ層上に配置される光学層及び回路連結構造物、並びに前記光学層と回路連結構造物との間に形成される着色樹脂パターンを含み、光学的、機械的、電気的安定性が向上したタッチセンサモジュールを提供するものである。
【0029】
また、本発明の実施形態は、前記タッチセンサモジュールを含む、ウィンドウ積層体および画像表示装置を提供するものである。
【0030】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態をより具体的に説明する。ただし、本明細書に添付される図面は、本発明の好適な実施形態を例示するものであって、発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解する一助となる役割を果たすものであるため、本発明は図面に記載された事項のみに限定されて解釈されるものではない。
【0031】
添付の図面では、例えば、保護フィルム又はタッチセンサ層の上面に平行し、例えば、互いに垂直に交差する二つの方向を第1方向及び第2方向と定義する。例えば、前記第1方向は、タッチセンサモジュールの長さ方向に対応し、前記第2方向は、タッチセンサモジュールの幅方向に対応し得る。また、前記第1及び第2方向に垂直な方向を第3方向と定義する。例えば、前記第3方向は、タッチセンサモジュールの厚さ方向に対応し得る。
【0032】
図1は、例示的な実施形態によるタッチセンサモジュールの概略的な構造を示す断面図である。
図2及び
図3は、例示的な実施形態によるタッチセンサモジュールの概略的な構造を示す平面図である。
【0033】
具体的には、
図2は、タッチセンサ層に含まれる電極構造を説明するための平面図であり、説明を容易にするために、光学層、回路連結構造物および着色樹脂パターンの図示を省略する。
図3は、
図2に光学層、回路連結構造物および着色樹脂パターンを追加した状態の平面図である。
図1は、
図3のI−I’に沿って厚さ方向に切断した断面図である。
【0034】
図1〜
図3を参照すると、前記タッチセンサモジュールは、タッチセンサ層100と、該タッチセンサ層100の一端部と連結される回路連結構造物170と、該回路連結構造物170と離隔してタッチセンサ層100上に配置される光学層150と、回路連結構造物170と光学層150との間に形成される着色樹脂パターン185とを含むことができる。
【0035】
一部の実施形態では、タッチセンサ層100は、保護フィルム50上に配置することができる。保護フィルム50は、例えば、無機絶縁フィルム及び/又は有機絶縁フィルムを含むことができる。例えば、環状オレフィン重合体(COP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアクリレート(PAR)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリアリレート(polyallylate)、ポリイミド(PI)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、ポリエーテルスルホン(PES)、セルローストリアセテート(TAC)、ポリカーボネート(PC)、環状オレフィン共重合体(COC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを含む高分子フィルムを保護フィルム50に用いることができる。
【0036】
一実施形態では、保護フィルム50は、タッチセンサ層100を形成するための基材層またはベース層として提供することができる。一実施形態では、保護フィルム50は、タッチセンサ層100の製造工程中、センシング電極、トレースなどを保護するために形成され、前記タッチセンサモジュールの形成後に除去することもできる。
【0037】
図2に示すように、タッチセンサ層100は、センシング電極110,120と、トレース130,135とを含むことができる。例示的な実施形態によると、センシング電極110,120は、相互静電容量(Mutual Capacitance)方式による駆動が可能なように配列することができる。
【0038】
センシング電極110,120が配列された領域によって、タッチセンサ層100からタッチセンシングが実質的に具現される活性領域を定義することができる。前記活性領域は、画像表示装置の画像が具現されるディスプレイ領域と実質的に対応し得る。
【0039】
例示的な実施形態によると、センシング電極110,120は、第1センシング電極110と、第2センシング電極120とを含むことができる。
【0040】
第1センシング電極110は、例えば、前記第2方向(例えば、幅方向)に沿って配列することができる。これにより、複数の第1センシング電極110によって、前記第2方向に延長する第1センシング電極行を形成することができる。また、複数の前記第1センシング電極行を前記第1方向に沿って配列することができる。
【0041】
一部の実施形態では、前記第2方向に隣り合う第1センシング電極110は、連結部115によって互いに物理的又は電気的に連結することができる。例えば、連結部115は、第1センシング電極110と同じレベルで一体に形成され、第1センシング電極110と実質的に単一の部材で提供することができる。
【0042】
第2センシング電極120は、前記第1方向(例えば、長さ方向)に沿って配列することができる。一部の実施形態では、第2センシング電極120のそれぞれは、島(island)タイプの単位電極であり、物理的に離隔することができる。この場合、前記第1方向に隣り合う第2センシング電極120は、ブリッジ電極125によって互いに電気的に連結することができる。
【0043】
複数の第2センシング電極120がブリッジ電極125によって相互に連結され、前記第1方向に配列されることによって、前記第1方向に延長する第2センシング電極列を形成することができる。また、複数の前記第2センシング電極列を前記第2方向に沿って配列することができる。
【0044】
センシング電極110,120及び/又はブリッジ電極125は、金属、合金、または透明導電性酸化物を含むことができる。
【0045】
例えば、センシング電極110,120及び/又はブリッジ電極125は、銀(Ag)、金(Au)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、白金(Pt)、パラジウム(Pd) 、クロム(Cr)、チタニウム(Ti)、タングステン(W)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、バナジウム(V)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni) 、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、又はこれらの合金(例えば、銀−パラジウム−銅(APC))を含むことができる。これらは、単独であるいは2以上を組み合わせて用いることができる。
【0046】
センシング電極110,120及び/又はブリッジ電極125は、例えば、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、インジウム亜鉛スズ酸化物(IZTO)、カドミウムスズ酸化物(CTO)などの透明導電性酸化物を含むこともできる。
【0047】
一部の実施形態では、センシング電極110,120及び/又はブリッジ電極125は、透明導電性酸化物および金属の積層構造を含むことができる。例えば、センシング電極110,120及び/又はブリッジ電極125は、透明導電性酸化物層−金属層−透明導電性酸化物層の3層構造を有することもできる。この場合には、前記金属層によってフレキシブル特性が向上し、抵抗を下げて信号伝達速度を向上することができ、前記透明導電性酸化物層によって耐腐食性、透明性を向上することができる。
【0048】
一部の実施形態では、ブリッジ電極125は、絶縁層(図示せず)上に形成することができる。前記絶縁層は、第1センシング電極110に含まれる連結部115を少なくとも部分的に覆い、連結部115の周辺の第2センシング電極120を少なくとも部分的に覆うことができる。ブリッジ電極125は、前記絶縁層を貫通し、連結部115を挟んで互いに隣り合う第2センシング電極120と電気的に連結することができる。
【0049】
前記絶縁層は、シリコン酸化物、シリコン窒化物などの無機絶縁物質、またはアクリル系樹脂、シロキサン系樹脂のような有機絶縁物質を含むことができる。
【0050】
トレース130,135は、それぞれの前記第1センシング電極行から延長する第1トレース130と、それぞれの前記第2センシング電極列から延長する第2トレース135とを含むことができる。
【0051】
タッチセンサ層100または保護フィルム50の一端部にボンディング領域(B)を割り当てることができる。トレース130,135は、前記活性領域の周辺部から延長し、ボンディング領域(B)に集合することができる。
【0052】
例えば、第1トレース130は、タッチセンサ層100の両側部から各第1センシング電極行から分岐され、前記第1方向に延長することができる。第1トレース130は、前記第2方向にベンディングされた後、さらに前記第1方向にベンディングされ、ボンディング領域(B)に進入することができる。
【0053】
一部の実施形態では、第1トレース130は、タッチセンサ層100の前記両側部に交互に分布することができる。タッチセンサ層100の前記両側部に第1トレース130が均一に分布するので、例えば、タッチセンサ層100が屈曲される場合に発生するストレスを均一に分散させることができる。また、第1トレース130が前記両側部に交互に配置されるので、隣り合う第1トレース130間の整列マージンを増加させることができる。
【0054】
第2トレース135は、各第2センシング電極列から分岐し、ボンディング領域(B)に前記第1方向に延長することができる。
【0055】
トレース130,135の末端部は、ボンディング領域(B)内に集合され、回路連結構造物170と電気的に連結される接続部(パッド部または端子部)で提供することができる。第1トレース130及び第2トレース135からそれぞれ第1接続部140及び第2接続部145が定義され、ボンディング領域(B)内に配置され得る。
【0056】
トレース130,135は、センシング電極110,120と実質的に同一または類似の導電性物質を含むことができる。
【0057】
光学層150は、タッチセンサ層100上に積層されてセンシング電極110,120を覆うことができる。一部の実施形態では、
図3に示すように、光学層150は、ボンディング領域(B)を除いて、タッチセンサ層100の実質的な全面上に形成することができる。
【0058】
例えば、タッチセンサ層100の全体上面を覆うように光学層150をタッチセンサ層100と結合した後、ボンディング領域(B)を覆う光学層150部分を除去して、ボンディング領域(B)内に配置された接続部140,145が露出し得る。
【0059】
光学層150は、画像表示装置の画像の視認性を向上させるために、当該技術分野で公知のフィルムまたは層構造物を含むことができる。光学層150の非限定的な例としては、偏光板、偏光子、位相差フィルム、反射シート、輝度向上フィルム、屈折率整合フィルムなどが挙げられる。これらは、単独であるいは2以上の複層構造で含むことができる。一部の実施形態では、光学層150は、偏光板を含むことができる。
【0060】
回路連結構造物170は、ボンディング領域(B)を介してタッチセンサ層100の接続部140,145と電気的に連結することができる。一部の実施形態では、トレース130,135の末端に連結された接続部140,145と回路連結構造物170に含まれた回路配線を、例えば、異方性導電フィルム(ACF)のような導電性仲介構造160によって互いに電気的に連結することができる。
【0061】
回路連結構造物170は、例えば、フレキシブルプリント回路基板(FPCB)を含むことができる。例示的な実施形態によると、回路連結構造物170は、コア層175と、該コア層175の底面及び上面上にそれぞれ形成される下部回路配線174aと上部回路配線174bとを含むことができる。一実施形態では、コア層175を貫通し、下部回路配線174aおよび上部回路配線174bを連結する貫通ビア176を形成することもできる。
【0062】
コア層175は、樹脂または液晶高分子を含むことができる。回路配線174a,174bは、例えば、銅(Cu)または銅合金などの金属を含むことができる。下部回路配線174a及び上部回路配線174bの表面は、それぞれ、下部カバーレイ層172a及び上部カバーレイ層172bによってカバーすることができる。
【0063】
例示的な実施形態によると、下部カバーレイ層172aの一部を除去し、下部回路配線174aを露出させることができる。露出した下部回路配線174a部分を導電性仲介構造160上に整列した後、回路連結構造物170上に加圧及び/又は加熱する工程を含むボンディング工程を行い、回路連結構造物170をタッチセンサ層100と接合させることができる。
【0064】
例示的な実施形態によると、
図1及び
図3に示すように、光学層150と回路連結構造物170との間には、整列マージン及び前記ボンディング工程による光学層150の損傷を防ぐためにギャップ(gap)180が形成され得る。
【0065】
一部の実施形態では、光学層150と回路連結構造物170との間の離隔空間をギャップ180と定義することができる。
図3に示すように、平面方向でボンディング領域(B)における回路連結構造物170により覆われていない残りの部分をギャップ180と定義することができる。
【0066】
例示的な実施形態によると、ギャップ180内には、着色樹脂パターン185を形成することができる。着色樹脂パターン185は、ギャップ180の内部を少なくとも部分的に埋めることができる。
【0067】
図3に示すように、ギャップ180は、平面方向で折れた溝形状を有することができ、着色樹脂パターン185は、前記折れた溝形状のギャップ180を連続的に埋めることができる。
【0068】
着色樹脂パターン185は、例えば、硬化性樹脂または
粘接着性樹脂を含むレジン組成物をギャップ180内に充填した後、熱硬化または紫外線硬化の工程によって硬化して形成することができる。前記レジン組成物は、着色剤をさらに含むことができる。前記着色剤は、染料及び/又は顔料を含むことができる。前記レジン組成物は、有機硬化性組成物の分野で公知の溶媒、光重合性単量体、重合開始剤、硬化剤などをさらに含むことができる。
【0069】
一実施形態では、着色樹脂パターン185は、画像表示装置のベゼルパターン、遮光パターン、画素隔壁などを形成するためのブラックインク系の組成物を使用して形成することができる。
【0070】
前述したように、光学層150及び回路連結構造物170をタッチセンサ層100と共に結合またはモジュール化する場合には、光学層150の損傷防止及び回路連結構造物170の整列マージンのために、ギャップ180として説明した離隔距離が必要となることがある。この場合には、ギャップ180によって光漏れ現象が発生することがある。また、ギャップ180によってトレース130,135が部分的に露出することがあり、これにより、光反射により画像品質が低下したり、トレース130,135が画像表示装置のユーザに視認されることもある。
【0071】
これに対して、例示的な実施形態によると、着色樹脂パターン185がギャップ180を埋めることにより、ギャップ180での光漏れ及び反射現象を遮断することができる。また、着色樹脂パターン185は、
粘接着性を有することができるので、回路連結構造物170の支持パターンまたは固定パターンとして機能することもできる。
【0072】
一部の実施形態では、タッチセンサ層100は、前述したセンシング電極110,120およびトレース130,135を覆うパッシベーション層(図示せず)をさらに含むことができる。光学層150は、前記パッシベーション層上に形成され、ボンディング領域(B)上に形成された前記パッシベーション層の部分を除去した後、回路連結構造物170をボンディング領域(B)に接合することができる。
【0073】
この場合には、ギャップ180によってトレース130,135が前記パッシベーション層から部分的に露出し得る。しかし、着色樹脂パターン185により、露出したトレース130,135を保護できるので、トレース130,135の酸化、機械的損傷による信号伝達の不良または抵抗の増加を防止することができる。
【0074】
図4は、一部の例示的な実施形態によるタッチセンサ層の概略的な構造を示す平面図である。
【0075】
図4を参照すると、タッチセンサ層100のセンシング電極127およびトレース137は、自己静電容量(Self Capacitance)方式で駆動するように配列することができる。
【0076】
タッチセンサ層100は、それぞれ独立した島(island)パターン形状を有し、個々のセンシングドメインで提供されるセンシング電極127を含むことができる。また、トレース137は、それぞれのセンシング電極127に分岐され、ボンディング領域(B)に延長することができる。トレース137の末端部は、ボンディング領域(B)で集合して回路連結構造物170と電気的に連結することができる。
【0077】
図5は、一部の例示的な実施形態によるタッチセンサモジュールの概略的な構造を示す断面図である。
図1〜
図3で説明したものと実質的に同一または類似の構成及び/又は構造については、詳細な説明を省略する。
【0078】
図5を参照すると、着色樹脂パターン187は、ギャップ180を埋めると共に、回路連結構造物170の上面を部分的に覆うことができる。例えば、前述したレジン組成物を、ギャップ180を十分に埋めるように形成した後、硬化し、着色樹脂パターン187が回路連結構造物170の前記上面とも接触するように形成することができる。
【0079】
着色樹脂パターン187が回路連結構造物170の前記上面および側壁と共に接触することにより、回路連結構造物170の末端部での固定力を向上することができる。これにより、回路連結構造物170の剥離、クラックなどの損傷をより効果的に抑制することができる。
【0080】
図1及び
図5に示すように、光学層150の高さは回路連結構造物170の高さよりも大きくすることができる。これにより、回路連結構造物170のボンディング工程時の光学層150の上面の損傷を抑制することができる。また、
図5に示す実施形態のように、回路連結構造物170の上面と接触するように着色樹脂パターン187を形成することができる。着色樹脂パターン187は、光学層150の側壁の一部のみに接触し、光学層150の上面を覆わなくてもよい。これにより、光学層150の性能に影響を与えることなく、回路連結構造物170を安定的に支持することができる。
【0081】
図6は、例示的な実施形態によるタッチセンサモジュールが結合された画像表示装置を説明するための概略断面図である。
【0082】
図6を参照すると、画像表示装置は、表示パネル360とメインボード370とを含み、前述の例示的な実施形態によるタッチセンサモジュールを含むことができる。前記タッチセンサモジュールは、タッチセンサ層100と、該タッチセンサ層100の活性領域または表示領域をカバーする光学層150とを含むことができる。
【0083】
回路連結構造物170の一端部は、着色樹脂パターン185を挟んで光学層150と離隔して、ボンディング領域(B)に形成された導電性仲介構造160を介してタッチセンサ層100と電気的に連結することができる。
【0084】
例示的な実施形態によると、回路連結構造物170の他端部は、タッチセンサ層100の下にベンディングされ、画像表示装置の厚さ方向に延長することができる。回路連結構造物170の前記他端部は、さらに画像表示装置の長さ方向にベンディングされ、メインボード370と電気的に連結することができる。例えば、回路連結構造物170は、メインボード370の底面に形成されたボンディングパッド375と接続することができる。
【0085】
例示的な実施形態によると、着色樹脂パターン185を、光学層150と回路連結構造物170との間に形成することができる。これにより、回路連結構造物170が急激にベンディングされても、ギャップ180が拡張したり、回路連結構造物170が剥離または脱落することを防止できる。
【0086】
一部の実施形態では、回路連結構造物170の前記他端部は、表示パネル360とメインボード370との間に挿入し、メインボード370の上面に形成された回路部材と電気的に連結することもできる。
【0087】
図7は、例示的な実施形態によるウィンドウ積層体および画像表示装置を示す概略図である。
【0088】
ウィンドウ積層体250は、ウィンドウ基板230、および前述の例示的な実施形態によるタッチセンサモジュールを含むことができる。前記タッチセンサモジュールは、例えば、タッチセンサ層200と、該タッチセンサ層200の表示領域上に積層される光学層210とを含むことができる。
図7では、説明を容易にするために回路連結構造物170の図示を省略しており、
図6で説明したように、画像表示装置内に配置することができる。
【0089】
ウィンドウ基板230は、例えば、ハードコートフィルムを含み、一実施形態では、ウィンドウ基板230の一つの面の周辺部上に遮光パターン235を形成することができる。遮光パターン235は、例えば、カラー印刷パターンを含むことができ、単層または複層構造を有することができる。遮光パターン235によって、画像表示装置のベゼル部または非表示領域を定義することができる。
【0090】
光学層210は、
図1〜
図3で説明したように、画像表示装置に含まれる様々な光学フィルムまたは光学構造物を含むことができ、一部の実施形態ではコーティング型の偏光子または偏光板を含むことができる。前記コーティング型の偏光子は、重合性液晶化合物および二色性染料を含む液晶コート層を含むことができる。この場合、光学層210は、前記液晶コート層に配向性を付与するために配向膜をさらに含むことができる。
【0091】
例えば、前記偏光板は、ポリビニルアルコール系の偏光子および前記ポリビニルアルコール系の偏光子の少なくとも一つの面に貼り付けられた保護フィルムを含むことができる。
【0092】
光学層210は、ウィンドウ基板230の前記一つの面と直接接合するか、第1
粘接着層220を介して貼り付けることもできる。
【0093】
タッチセンサ層200は、フィルムまたはパネルの形でウィンドウ積層体250に含むことができる。一実施形態では、タッチセンサ層200は、第2
粘接着層225を介して光学層210と結合することができる。
【0094】
図7に示すように、ユーザの視認側からウィンドウ基板230、光学層210、タッチセンサ層200の順に配置することができる。この場合には、タッチセンサ層200のセンシング電極が、偏光子または偏光板を含む光学層210の下に配置されるので、パターン視認現象をより効果的に防止することができる。
【0095】
一実施形態では、ユーザの視認側からウィンドウ基板230、タッチセンサ層200、光学層210の順に配置することもできる。
【0096】
前記画像表示装置は、表示パネル360と、該表示パネル360上に結合され、例示的な実施形態によるタッチセンサモジュールとを含む、前述したウィンドウ積層体250を含むことができる。
【0097】
表示パネル360は、パネル基板300上に配置された画素電極310と、画素定義膜320と、表示層330と、対向電極340と、エンキャプセレーション層350とを含むことができる。
【0098】
パネル基板300は、柔軟性の樹脂物質を含むことができ、この場合、前記画像表示装置は、フレキシブルディスプレイで提供され得る。
【0099】
パネル基板300上には薄膜トランジスタ(TFT)を含む画素回路が形成され、前記画素回路を覆う絶縁膜を形成することができる。画素電極310は、前記絶縁膜上で、例えばTFTのドレイン電極と電気的に連結することができる。
【0100】
画素定義膜320は、前記絶縁膜上に形成され、画素電極310を露出させて画素領域を定義することができる。画素電極310上には表示層330が形成され、表示層330は、例えば液晶層または有機発光層を含むことができる。
【0101】
画素定義膜320および表示層330上には、対向電極340を配置することができる。対向電極340は、例えば、画像表示装置の共通電極またはカソード(cathode)で提供することができる。対向電極340上には、表示パネル360を保護するためにエンキャプセレーション層350を積層することができる。
【0102】
一部の実施形態では、表示パネル360とウィンドウ積層体250は、
粘接着層260を介して結合することもできる。例えば、
粘接着層260の厚さは、第1及び第2
粘接着層220,225のそれぞれの厚さよりも大きくすることができ、−20〜80℃での粘弾性が約0.2MPa以下であってもよい。この場合には、表示パネル360からのノイズを遮蔽することができ、屈曲時に界面応力を緩和してウィンドウ積層体250の損傷を抑制することができる。一実施形態では、前記粘弾性は、約0.01〜0.15MPaであってもよい。
【0103】
以下、本発明の理解を助けるために好適な実施例を含む実験例を提示するが、これらの実施例は本発明を例示するものに過ぎず、添付の特許請求の範囲を制限するものではない。これらの実施例に対し、本発明の範疇および技術思想の範囲内で種々の変更および修正を加えることが可能であることは当業者にとって明らかであり、これらの変形および修正が添付の特許請求の範囲に属することも当然のことである。
【0104】
実施例
87μmのPET保護フィルムに貼り付けられ、ITOを含む0.46μm厚さのセンシング電極パターンおよびトレースを含むタッチセンサのサンプル(東友ファインケム社製)を用意した。
【0105】
前記タッチセンサのサンプル上に、厚さ86μmのTAC保護フィルム上に厚さ20μmのポリビニルアルコール(PVA)偏光子を貼り付けた偏光板を接合した。前記タッチセンサのサンプルの末端部のトレースが露出するように、偏光板の一部を除去してボンディング領域を形成した。前記ボンディング領域を介してFPCBを偏光板と離隔距離が0.3mmになるように貼り付け、ギャップを形成した。
【0106】
前記ギャップ内には、ブラックインク組成物(Dymax社製、製品名:9951LR)を充填し、紫外線硬化により着色樹脂パターンを形成し、タッチセンサモジュールを製造した。
【0107】
比較例1
実施例における着色樹脂パターンの形成を省略し、ボンディング領域におけるFPCBを除いた領域の残りの部分(ギャップ部分)を偏光子がカバーするようにタッチセンサモジュールを製造した。
【0108】
比較例2
ブラックインク組成物の代わりに、透明樹脂組成物(Loctite社製、製品名:ECCOBOND DS 3318BK)を使用した以外は、実施例と同様の方法でタッチセンサモジュールを製造した。
【0109】
実験例:反射率及び色度の評価
実施例及び比較例のタッチセンサモジュールの反射率および色度(CIE色座標値)を、ST−4000DLX(Minolta)装置を用いて測定した。具体的には、タッチセンサモジュールの全上面を通した反射率として400nm〜700nmにおける平均反射率を測定し、タッチセンサモジュールの全上面を通した平均色座標値を測定した。測定結果は、下記表1に示す。
【0111】
表1を参照すると、偏光子とFPCBとの間のギャップ内に着色樹脂パターンを形成した実施例の場合には、ギャップを偏光子が埋める比較例1、及びギャップを透明樹脂パターンが埋める比較例2と比較して反射率が減少し、ボンディング領域での色感の差異が減少し、電極視認現象、光漏れ現象などが発生しなかった。