特許第6961685号(P6961685)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961685少なくとも1つの流体を自動車の洗浄すべき表面に向けて噴霧することが意図された洗浄装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961685
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】少なくとも1つの流体を自動車の洗浄すべき表面に向けて噴霧することが意図された洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/62 20060101AFI20211025BHJP
   B05B 1/16 20060101ALI20211025BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20211025BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   B60S1/62 100
   B05B1/16
   B08B5/02 Z
   B08B3/02 F
   B60S1/62 120B
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2019-516704(P2019-516704)
(86)(22)【出願日】2017年8月3日
(65)【公表番号】特表2019-531964(P2019-531964A)
(43)【公表日】2019年11月7日
(86)【国際出願番号】EP2017069634
(87)【国際公開番号】WO2018059802
(87)【国際公開日】20180405
【審査請求日】2020年6月22日
(31)【優先権主張番号】1659179
(32)【優先日】2016年9月28日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512092737
【氏名又は名称】ヴァレオ システム デシュヤージュ
【氏名又は名称原語表記】VALEO SYSTEMES D’ESSUYAGE
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】ジュゼッペ、グラッソ
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー、コラノフスキ
(72)【発明者】
【氏名】マルセル、トレブー
【審査官】 村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05657929(US,A)
【文献】 特開2016−000599(JP,A)
【文献】 仏国特許出願公開第02720044(FR,A1)
【文献】 特開2015−224032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00−1/68
B05B 1/16
B08B 5/02
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの流体を自動車の洗浄すべき面に向けて、例えば光学検出システムの光学センサに向けて、噴霧することが意図された洗浄装置であって、
洗浄流体及び乾燥流体が、選択的に、各流体用の入口ノズル(110、111)から流入する、少なくとも1つの、流体入口及び分配装置(D)を備え、
前記入口及び分配装置(D)は、中空本体(1)を含み、
前記中空本体(1)の内部には、前記洗浄流体及び前記乾燥流体をそれぞれ分配するための別個の分配チャネル(21、22)と、前記各流体をそのそれぞれの前記入口ノズル(110、111)からそのそれぞれの前記分配チャネル(21、22)まで搬送するための別個の搬送ユニット(112、114、21;113、22)と、が設けられ
前記別個のチャネル(21、22)は、前記入口及び分配装置の前記中空本体(1)に配置された入口及び分配ロッド(2)内に作製される、
ことを特徴とする洗浄装置。
【請求項2】
前記洗浄流体及び前記乾燥流体をそれぞれ分配するための前記別個の分配チャネル(21、22)は、各チャネル用の分配オリフィスを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の洗浄装置。
【請求項3】
一方の入口ノズルは、前記中空本体(1)内に形成されたキャビティ(14)であって前記ロッド(2)が収容されたキャビティ(14)に開口し、
他方の入口ノズルは、前記ロッド(2)内に形成された対応する入口チャネル(22)に収容された搬送チューブ(114)に直接開口する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の洗浄装置。
【請求項4】
前記入口及び分配ロッド(2)を、前記中空本体(1)の内部における非稼働位置と延出位置との間で移動させるための手段を含む、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項5】
前記入口及び分配ロッド(2)を移動させるための前記手段は、前記流体のうちの一方を搬送するための搬送ユニットと共用の手段を備える、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項6】
前記入口及び分配ロッドを移動させるための前記手段は、前記ロッドの位置の弾性復帰用要素(3)を備える、
ことを特徴とする請求項又はに記載の洗浄装置。
【請求項7】
前記乾燥流体分配チャネル(22)は、少なくとも前記搬送チューブ(114)を移動させる位置において実質的に一定の直径を有し、
前記搬送チューブ(114)が収容された前記乾燥流体分配チャネル(22)に摩擦接触するように構成されたシール(116)を受容するように、前記搬送チューブ(114)の外壁に周溝(115)が設けられる、
ことを特徴とする請求項の一項に記載の洗浄装置。
【請求項8】
フィンガ(117)が前記洗浄流体分配チャネル(21)の内部で延び、前記フィンガ(117)は、前記洗浄流体入口ノズル(110)の延長軸に対してオフセットされている、
ことを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の洗浄装置。
【請求項9】
前記洗浄流体分配チャネル(21)は、異なる直径を有する部分を有し、これらの直径は、前記分配ロッドの上流端部からその下流端部に向かって縮小し、前記フィンガ(117)の少なくとも前記下流端部が、前記ロッドに対する前記フィンガの相対移動に応じて、異なる直径を有する部分において延びるように構成される、
ことを特徴とする請求項と組み合わせた請求項に記載の洗浄装置。
【請求項10】
前記洗浄流体分配チャネル(21)の中間部分の前記直径、前記中空本体(1)の前記フィンガ(117)の外径は、前記フィンガ(117)のシール(119)がシールした態様で前記洗浄流体分配チャネル(21)の前記中間部分内で摺動可能であるとともに、前記シール(119)が上流部分内にある時に洗浄流体を通過させ得るように規定される、
ことを特徴とする請求項に記載の洗浄装置。
【請求項11】
前記分配ロッド(2)は、その前記上流端部の付近にリム(20)を備える、
ことを特徴とする請求項乃至1に記載の洗浄装置。
【請求項12】
シール(201)を受容するように前記リム(20)の前記外壁に周溝(200)が設けられ、これにより、前記シール(201)が設けられた前記分配ロッド(2)は、シールした態様で前記中空本体(1)内で摺動可能である、
ことを特徴とする請求項11に記載の洗浄装置。
【請求項13】
前記洗浄装置は、前記別個の分配チャネル(21、22)を含む前記入口及び分配装置(D)の他に、洗浄流体貯蔵タンク(5)と、乾燥流体貯蔵タンク(7)と、前記タンクと前記入口及び分配装置との間での洗浄流体の通流を制御するための要素(8)と、を備え、
前記要素(8)は、
非稼働位置にある前記入口及び分配装置(D)への洗浄流体の流入をブロックするように構成され、
第1に前記入口及び分配装置を洗浄位置に移動させること、及び第2に洗浄流体を噴霧することを目的として、前記入口及び分配装置に洗浄流体を供給するように構成され、且つ、
乾燥流体の供給が洗浄流体の供給から独立して制御され得る状態で、前記キャビティ内に洗浄液をブロックしつつ前記流体入口及び分配装置(D)を前記洗浄位置に保持するように構成される、
ことを特徴とする請求項1乃至1の一項に記載の洗浄装置。
【請求項14】
光学検出システムが設けられた自動車であって、
前記光学検出システムの光学センサを洗浄するための請求項1〜1のいずれか一項に記載の少なくとも1つの洗浄装置を含むことを特徴とする、
自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置の分野に関し、より具体的には、この目的のために使用される光学検出システムの分野に関する。本発明は、より具体的には、少なくとも1つの流体を、自動車の洗浄すべき表面に向けて、例えば光学センサ、又は光学検出システムに向けて噴霧することが意図された洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学検出システムという用語は、人にとって可視の又は不可視のスペクトラム、特に赤外線における発光及び/又は光の検出に基づくカメラ、レーザーセンサ(ライダーとして公知)又は他のセンサ等の光学センサを含むシステムを指すように使用される。
【0003】
このような光学検出システムは、車両(乗り物)のドライバーを特定の運転状況において支援するように、ますます多くの自動車に設けられている。駐車の支援が特定の運転状況の周知の一例である。このような支援をできる限り効果的なものとするために、光学検出システムにより提供されるデータは可能な限り高品質であることが必要である。したがって、このようなデータ獲得を実施する光学部品を洗浄することが必須である。このため、光学検出システムのセンサ(例えば静止カメラのレンズ)を洗浄するための装置が、検出(例えば露出)が実施される直前に洗浄液を前記センサに噴射するように制御され得る。このような洗浄装置は、光学センサの動作を妨げることがあってはならず、且つ車両のスペース的制約に合致するように可能な限りコンパクトでなくてはならない。また、このような光学センサに噴霧されて汚れをそこから除去する洗浄流体は通常液体であるため、このような液体が残し得る痕跡(染み、流跡等)で信号が汚染されるリスクを回避するように、この光学センサを可及的速やかに乾燥させることが有益である。このために、洗浄流体の後に、光学センサに向けて、洗浄流体及びこれが付帯した汚れを当該センサから除去し得る空気流(又は別の乾燥流体)を噴霧することが公知である。したがって、このような洗浄装置は、洗浄流体及び乾燥流体を搬送して分配するための手段を含む。通常、洗浄流体分配回路と乾燥流体(一般的に空気)分配回路は、共通の部分を含む、及び/又は互いに入れ子状になっている。特に、洗浄流体及び乾燥流体を、光学センサの表面に向けて、単独の分配ユニットを介して分配することが公知である。分配ユニットは、分配チャネルにより提供される分配ノズルの形状にあり、その内部で洗浄流体及び乾燥流体が交互に運搬される。この分配チャネルは、分配ノズルの最端部において、単数又は複数の分配オリフィスに開口している。分配オリフィスは、洗浄流体及び乾燥流体が可能な限りセンサの表面の多くに到達するように構成されている。このような構成は必要とされるスペースという点では有利であるが、流体同士が混じり合うというリスクをはらむ。特に、乾燥流体の分配の直前に、洗浄流体が多少とも分配チャネルにトラップされたままであり、光学センサの表面に乾燥流体と同時に到達してしまうことがある。これにより、光学センサの乾燥が不十分となり、その良好な動作が阻害される。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、洗浄流体と乾燥流体とが混じり合うことを回避しつつ、このような洗浄装置の有効性を向上させることである。
【0005】
この目的のために、本発明は、少なくとも1つの流体を自動車の洗浄すべき面に向けて、例えば光学検出システムの光学センサに向けて、噴霧することが意図された洗浄装置であって、洗浄流体及び乾燥流体が選択的に各流体専用の入口ノズルから流入する、少なくとも1つの、流体入口及び分配装置を備えた洗浄装置に関する。前記入口及び分配装置は、前記洗浄流体及び前記乾燥流体をそれぞれ特に前記洗浄すべき表面に向けて分配するための別個の分配チャネルと、前記各流体をそのそれぞれの前記入口ノズルからそのそれぞれの前記分配チャネルまで搬送するための別個の搬送ユニットと、を含む。
【0006】
洗浄すべき表面とは、光学検出システムの光学センサ、カメラのレンズ、又は本体の特殊要素を意味する。
【0007】
本発明の1つの特徴によれば、前記洗浄流体及び前記乾燥流体をそれぞれ分配するための前記別個の分配チャネルは、各チャネル専用の分配オリフィスを含む。
【0008】
前記別個のチャネルは、前記入口及び分配ヘッドの中空本体に配置された入口及び分配ロッド内に作製され得る。
【0009】
前記中空本体は、実質的に円柱状又は円筒状の形状を有し得るとともに、係止リングによって互いに連結された2つの部分から構成され得る。中空本体は、周壁及び上流端部から形成される上流部分と、周壁及び下流端部から形成される下流部分と、上流部分と下流部分との連結を提供する係止リングと、からなることが想定され得る。中空本体の上流部分の周壁と、中空本体の下流部分の周壁は、いずれも実質的に円筒状の形状を有し得るとともに、実質的に同一の内径、外径、及び軸方向寸法を有し得る。ここで、及び以下において、「上流」及び「下流」という用語は、本発明による洗浄装置の入口及び分配ヘッドにおける洗浄及び乾燥流体の流れの方向を指すものであるということを理解されたい。したがって、「上流」という用語は、洗浄及び乾燥流体が流入するヘッドの側を指し、「下流」という用語は、洗浄及び乾燥流体が当該光学センサの表面に向けて分配されるヘッドの側を指す。
【0010】
係止リングは、中空本体の上流及び下流部分の周壁を受容して支持するように構成され得るとともに、中空本体の上流及び下流部分をその組立の際に案内するための手段を形成する第1及び第2スリーブを含む。したがって、中空本体の組立において、その上流部分及び下流部分は、第1スリーブ及び第2スリーブにそれぞれ嵌合される。したがって、中空本体の上流部分と下流部分と係止リングは、中空本体の内部を形成するキャビティを規定する。装置は、本発明による装置の外側に対面する当該キャビティをシールするための、特に2つのOリングの形状を取る手段を含み得る。各Oリングは、上流端部の内壁の周縁部、及び下流端部の内壁の周縁部にこの目的のために配置された溝に挿入される。
【0011】
上流端部は、中空本体のキャビティを上流で、その上流部分の周壁に対して実質的に垂直に閉鎖する。互いに別個の洗浄流体入口ノズル及び乾燥流体入口ノズルが、上流方向において上流端部から延びる。これらのノズルは、それらが以下に記載の機能を発揮し得る限り、別に作製され得ること、また両方を上流端部に接続しなくてもよいことを理解されたい。
【0012】
これらの入口ノズルのそれぞれは、実質的に円筒状の形状を有し得るとともに、その回転軸(中心軸)の方向において、対応する流体が流入する入口チャネルが上流から下流に貫通し得る。すなわち、洗浄流体入口ノズルには、洗浄流体入口チャネルが貫通し、乾燥流体入口ノズルには当該乾燥流体が流入する入口チャネルが貫通している。
【0013】
本発明の1つの特徴によれば、一方の入口ノズルが、前記中空本体内に形成されたキャビティであって、前記ロッドが収容されたキャビティに開口し、他方の入口ノズルが前記ロッド内に形成された対応する入口チャネルに収容された搬送チューブに直接開口する。
【0014】
洗浄流体入口ノズルには、キャビティに開口するとともに、特に上流端部と同一平面にある洗浄流体入口チャネルが上流から下流に貫通している。
【0015】
乾燥流体入口ノズルには、搬送チューブが連続している。搬送チューブの下流端部(下流最端部)は、ロッド内に作製された乾燥流体分配チャネル内で延びる。前記乾燥流体入口ノズル及び前記チューブには、当該乾燥流体が流入する入口チャネルが上流から下流に貫通しており、入口チャネルは、ロッド内において乾燥流体分配チャネルに開口している。
【0016】
特にロッドが中空本体内で可動である配置に関して、単独で又は組み合わせて採用される一連の特徴によれば、以下の構成が作製され得る。
‐前記洗浄装置は、前記入口及び分配ロッドを、前記中空本体の内部における非稼働位置と延出位置との間で移動させるための手段を含む。
‐前記入口及び分配ロッドを移動させるための前記手段は、前記流体のうちの一方を搬送するための搬送ユニット、特に洗浄流体搬送ユニットと共用の手段を備える。
‐前記キャビティに開口する前記入口ノズルを介した流体の到達は、当該キャビティの充填及び前記ロッドの移動に寄与する。
‐前記入口及び分配ロッドを移動させるための前記手段は、前記ロッドを位置決めする弾性復帰用要素を備える。
‐前記乾燥流体分配チャネルは、少なくとも前記搬送チューブを移動させる前記部分において実質的に一定の直径を有する。
‐前記搬送チューブが収容された前記乾燥流体分配チャネルに摩擦接触するように構成されたシールを受容するように、前記搬送チューブの前記外壁に周溝が設けられる。
‐前記分配ロッドの上流端部(上流最端部)からその下流端部(下流最端部)に向かって、前記乾燥流体分配チャネルは、少なくとも1つの上流部分と、前記上流部分の直径より小さい直径を有する1つの下流部分とを有する。
‐前記乾燥流体分配チャネルの直径、前記搬送チューブの外径、及び前記搬送チューブの下流端部(下流最端部)の付近に配置された前記Oリングの寸法は、前記搬送チューブがシールした態様で前記乾燥流体分配チャネルの前記上流部分内で移動可能(摺動可能)であるように規定される。
【0017】
本発明の1つの特徴によれば、フィンガが前記洗浄流体分配チャネルの内部で延び、前記フィンガは、前記洗浄流体入口ノズルの延長軸に対してオフセットされている。当該フィンガは、特に、前記装置の延長方向に対して横方向に、前記入口ノズルと前記搬送チューブとの間で配置され得るとともに、実質的に円柱状又は円筒状の形状を有し得る。
【0018】
前記入口及び分配ヘッドの組立において、当該同一の中空本体の前記搬送チューブ及び前記フィンガが、前記乾燥流体分配チャネル及び前記洗浄流体分配チャネルにそれぞれ同時に係合し得るように、前記洗浄流体分配チャネル及び前記乾燥流体分配チャネルは、前記分配ロッドの内部において配置され得る。
【0019】
有利には、前記洗浄流体入口ノズル、前記乾燥流体入口ノズル、前記搬送チューブ、前記洗浄流体入口チャネル、前記乾燥流体入口チャネル、及び前記フィンガの全ては、互いに対して平行である。
【0020】
本発明の1つの特徴によれば、前記洗浄流体分配チャネルは、異なる直径を有する部分を有し、これらの直径は、前記分配ロッドの前記上流端部(上流最端部)からその前記下流端部(下流最端部)に向かって縮小し、前記フィンガの少なくとも前記下流端部が、前記ロッドに対する前記フィンガの相対移動に応じて、異なる直径を有する部分において延びるように構成される。
【0021】
したがって、前記分配ロッドの上流端部(上流最端部)からその下流端部(下流最端部)に向かって、前記洗浄流体分配チャネルは、少なくとも1つの上流部分と、前記上流部分の直径よりわずかに小さい直径を有する1つの中間部分と、前記中間部分の直径より小さい直径を有する下流部分と、を含む。前記洗浄流体分配チャネルの前記中間部分の直径、前記中空本体の前記フィンガの外径、及び当該フィンガの下流端部(下流最端部)の付近に配置された前記Oリングの寸法は、前記フィンガがシールした態様で前記洗浄流体分配チャネルの前記中間部分内で移動可能(摺動可能)であるように規定される。
【0022】
本発明の更なる特徴によれば、前記中空本体の下流端部にはオリフィスが貫通しており、オリフィスの壁は、いずれも、上流において前記中空本体の前記キャビティ内に連続し、下流においてスリーブによって前記中空本体の外部に連続することが想定され得る。スリーブの特徴及び寸法は後記する。
【0023】
単独で、又は上述の及び下記の他の特徴とそれぞれ組み合わせて採用される種々の特徴によれば、以下の構成が作製され得る。
‐前記洗浄流体チャネルの前記中間部分の直径、前記中空本体の前記フィンガの外径、及び当該フィンガの下流端部(下流最端部)の付近に配置された前記Oリングの寸法は、前記フィンガがシールした態様で前記洗浄流体分配チャネルの前記中間部分内で移動可能(摺動可能)であるとともに、前記シールが前記上流部分内にある時に洗浄流体を通過させ得るように規定される。
‐前記分配ロッドは、その前記上流端部(上流最端部)の付近にリムを備える。
‐前記弾性復帰要素は、前記リムの表面を押圧する。
‐シールを受容するように前記リムの前記外壁に周溝が設けられ、これにより、前記シールが設けられた前記分配ロッドは、シールした態様で前記中空本体内で移動可能(摺動可能)である。
【0024】
有利には、前記中空本体の前記フィンガと前記中空本体内で前記乾燥流体入口ノズルに連続する前記搬送チューブとの間の間隔に実質的に等しい間隔を置いた状態で、前記洗浄流体分配チャネル及び前記乾燥流体分配チャネルは、前記分配ロッドの内部において横方向に配置される。換言すれば、本発明による装置の前記中空本体及び前記ロッドは、当該同一の中空本体の前記搬送チューブ及び前記フィンガが、前記乾燥流体分配チャネル及び前記洗浄流体分配チャネルそれぞれに同時に係合し得るようにそれぞれ構成される。
【0025】
本発明の1つの特徴によれば、前記洗浄装置は、前記別個の分配チャネルを含む前記入口及び分配ヘッドの他に、洗浄流体貯蔵タンクと、乾燥流体貯蔵タンクと、前記タンクと前記入口及び分配装置との間での洗浄流体の通流を制御するための要素と、を備え得る。制御モジュールにより制御される分配器の形状を取り得る前記制御要素は、以下の複数の位置を取るように構成される。
‐非稼働位置にある前記入口及び分配ヘッドへの洗浄流体の流入をブロックし得る位置。
‐第1に前記ヘッドを洗浄位置に移動させること、及び第2に洗浄流体を噴霧することを目的として、前記ヘッドに洗浄流体を供給し得る位置。
‐乾燥流体の供給が洗浄流体の供給から独立して制御され得る状態で、前記キャビティ内に洗浄液をブロックしつつ前記ヘッドを前記洗浄位置に保持し得る位置。
【0026】
また、本発明は、特に光学センサを洗浄するための上述の洗浄装置を含むことを特徴とする自動車用の光学検出システム、及び光学検出システムが設けられた自動車であって、少なくとも1つの流体を前記光学検出システムの光学センサに向けて噴霧することが意図された少なくとも1つの洗浄装置を含むことを特徴とする自動車に関する。
【0027】
本発明の更なる特徴、詳細及び利点とその作用が、添付図面を参照しつつ例示としてなされる以下の説明を読むことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】光学検出システムのセンサ及び対応する洗浄装置の概略斜視図。
図2】上述の非稼働位置にある、本発明による入口及び分配ヘッドの概略断面図。
図3】上述の洗浄位置にある、本発明による入口及び分配ヘッドの概略断面図。
図4】本発明による洗浄装置の液体圧構造物の概略全体図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
最初に、図面は本発明をその実施のために詳細に開示するものであるが、当然ながら必要に応じて本発明をより良く定義し得ることに留意されたい。
【0030】
また、以下の説明において、「上流」及び「下流」という用語は、洗浄流体及び乾燥流体の本発明による洗浄装置内における流れの方向を指すものであることを記憶されたい。したがって、「上流」という用語は、本発明による装置の一側であって、この側を介して洗浄流体及び乾燥流体が装置に流入する側を指し、「下流」という用語は、本発明による装置の一側であって、この側を介して洗浄流体及び乾燥流体が装置の外部に、自動車の光学検出システムの光学センサの表面に向けて分配される側を指す。
【0031】
図1は、本発明による洗浄装置、すなわち、自動車用の光学検出システムSの一部を形成する光学センサCを洗浄するための装置を示す。洗浄装置は、少なくとも1つの流体入口及び分配装置Dを備える。洗浄流体及び乾燥流体が、2つの別個の搬送ユニットを介して、各流体専用の入口ノズル110、111からこの流体入口及び分配装置Dに選択的に流入する。流体入口及び分配装置Dは、矢印Fにより示される方向において、延出位置と後退位置(図1に示す)との間で並進移動に移動可能である。延出位置において、分配オリフィスは光学センサに対面配置される。後退位置において、流体入口及び分配装置は、その保護とセンサの光学検出を妨げないことを目的として装置の本体構造ハウジングBの内部に後退している。
【0032】
図2及び3を参照すると、本発明による洗浄装置の入口及び分配ヘッドが、洗浄流体及び乾燥流体がそれぞれ流入する少なくとも1つの中空本体1と、これらの流体を分配するためのロッド2と、バネタイプの弾性復帰要素3と、を含む。バネの弾性復帰力と、洗浄及び/又は乾燥のために使用される流体であって、入口及び分配ヘッドから流出する前に中空本体を通過して流れる流体の圧力とを理由として、ロッドは、中空本体の内部において移動(摺動)し2つの最端位置の間を並進移動する。
【0033】
図2及び3に示す例において、中空本体1は、実質的に円筒状の全体形状を有するとともに、係止リングによって互いに連結された2つの部分を含む。より具体的には、中空本体1は、周壁10aと上流端部11とから形成される上流部分100と、周壁10bと下流端部12とから形成される下流部分101と、上流部分100と下流部分101との連結を提供する係止リングとから構成される。中空本体1の上流部分100の周壁10aと、中空本体1の下流部分101の周壁10bは、いずれも実質的に円筒状の形状を有するとともに、実質的に同一の内径、外径、及び軸方向寸法を有する。
【0034】
図2及び3により具体的に示す本発明の実施形態によれば、係止リングは、実質的に円筒状の形状を有するとともに、その回転軸の方向に沿って、中央部分130を含む。中央部分130の上流には、中央部分130と同一の内径及び中央部分の外径よりわずかに小さい外径を有する第1スリーブ131が連続する。中央部分130の下流には、中央部分130と同一の内径及び中央部分の外径よりわずかに小さい外径を有する第2スリーブ132が連続する。係止リングの中央部分130の外径は、中空本体1の上流及び下流部分100及び101それぞれの周壁10a、10bの外径と実質的に等しい。同様に、第1及び第2スリーブ131及び132の外径は同一であり、且つそれらの外径は、中空本体1の上流及び下流部分100及び101のそれぞれの周壁10a及び10bの内径よりごくわずかに小さい。軸方向において、係止リングの第1スリーブ131及び第2スリーブ132のそれぞれの寸法は、中空本体1の上流及び下流部分100及び101のそれぞれの周壁10a、10bの内側軸方向寸法に実質的に等しい。したがって、係止リングの中央部分130の外壁と、この同一の係止リングの第1及び第2スリーブ131及び132のそれぞれの外壁とが交わる部分に形成されるショルダ(肩部)は、中空本体の組立において、中空本体1の上流及び下流部分100及び101のそれぞれの周壁10a、10bに対する当接面を形成する。中空本体1の組立において、その上流部分及び下流部分は、第1及び第2スリーブ131、132にそれぞれ嵌合し、これにより、中空本体1の上流及び下流部分の周壁をこの嵌合部内にガイドする形状が実現される。
【0035】
したがって、中空本体1の上流部分100、下流部分101、及び係止リングは、中空本体1の内部を形成するキャビティ14を規定する。本発明による装置の外側に対面するキャビティ14をシールするための手段が、係止リングと、中空本体の上流部分100及び下流部分110との間にそれぞれ挿入され得る。そして、これらのシール手段は、特に2つのOリング、15a及び15bの形状をそれぞれ取り得る。各リングは、上流端部11の内側表面の周囲、及び下流端部12の内側表面の周囲にこれを目的として配置された溝に挿入される。
【0036】
中空本体1の組立において、係止リングの第1スリーブ131の最端部、及び第2スリーブ132の最端部がこれらのOリングを付勢し、これにより中空本体のキャビティ14がシールした態様で閉鎖される。この閉鎖は、係止リングを中空本体の上流及び下流部分に係止する追加の手段によって強化され得る。例えば、追加の手段は図2及び3に図示しないネジであって、中空本体の上流部分の周壁10aとと係止リングの第1スリーブ131との間、及び/又は中空本体の下流部分の周壁10bと係止リングの第2スリーブ132との間に径方向に挿入される。
【0037】
上流端部11は、キャビティ14及び中空本体1を、上流側で、前記中空本体1の上流部分100の周壁10aに対して実質的に垂直に閉塞する。洗浄流体入口ノズル110及び乾燥流体入口ノズル111が、上流端部11から、キャビティ14に対して反対方向に延びる。
【0038】
図2及び3に示す例において、これらのノズルのそれぞれは実質的に円筒状の形状を有し、対応する流体が流入する入口チャネルが上流から下流に貫通している。すなわち、洗浄流体入口ノズル110には、洗浄流体入口チャネル112が上流から下流に貫通し、乾燥流体入口ノズル111には、当該乾燥流体が流入する入口チャネル113が上流から下流に貫通している。
【0039】
洗浄流体入口チャネル112は、キャビティ14に上流端部11の内壁と同一平面において開口する。上述のように、入口チャネル112を介してキャビティに到達した洗浄流体の存在は、当該キャビティに収容された分配ロッドに圧力が加えられることに寄与し、これにより分配ロッドはその最端位置同士の間で移動する。
【0040】
洗浄流体入口ノズル110は上流端部11から延び、キャビティ14に開口するチャネルを有するのに対し、乾燥流体入口ノズル111は、中空本体1のキャビティ14の内部で、搬送チューブ114に連続する。搬送チューブ114は、乾燥流体入口ノズル111と同軸状に延びるとともに、ロッド2に作製されたダクトの中空本体の内部に配置されている。
【0041】
乾燥流体入口チャネル113は、これが開口するロッド2の内部で、当該搬送チューブ114の下流最端部まで延びる。したがって、洗浄流体入口チャネル112と乾燥流体入口チャネル113は、キャビティ14内に、又はロッド2内に別個に開口している。
【0042】
周溝115が、搬送チューブ114の外壁において、その下流最端部の付近に、例えばOリングであるシール116を受容するように配置される。シール116の機能は後述する。
【0043】
有利には実質的に円柱状又は円筒状であるフィンガ117が、上流端部11の内側表面から、搬送チューブ114に対して平行に、又は実質的に平行に延びる。フィンガ17は、搬送チューブ114と洗浄流体入口チャネル112の貫通オリフィスとの間に実質的に配置される。有利には、フィンガ117の回転軸は、乾燥流体入口チャネル113の軸、及び洗浄流体入口チャネル112の軸に対して実質的に平行である。搬送チューブ114のレイアウトに応じて、フィンガ17は、これがロッドに作製されたダクトに収容されるように配置される。
【0044】
換言すれば、特に図2及び3に示すように、搬送チューブ114、洗浄流体入口チャネル112及び乾燥流体入口チャネル113、並びにフィンガ117の全ては互いに対して平行である。搬送チューブ114は乾燥流体入口チャネル113に連続しているが、フィンガは洗浄流体入口チャネル112に対してオフセットしている。
【0045】
周溝118が、フィンガ117の外壁において、その下流最端部の付近に、例えばOリングであるシール119を受容するように配置される。シール119の機能は後述する。
【0046】
図示の実施形態において、フィンガ117の長さ、すなわち、これが上流端部11から延びる距離は、チューブ114の長さよりわずかに大きい。特に、チューブ114の下流最端部分を超えて延びるフィンガ117の下流最端部分は、その下流最端部でわずかに細くなっている。換言すれば、フィンガ117は、その下流最端部に、小径の終端付属部1170を含んでいる。
【0047】
本発明によれば、中空本体1の下流端部12には、オリフィス120が穿孔されており、その壁は、スリーブ121によって、中空本体のキャビティ14内にある上流部と、中空本体1の外側にある上流部とで連続している。スリーブ121の外径は、バネがキャビティ14内で当該スリーブの周囲に挿入可能であるように、バネ3に対して規定されている。スリーブ121の他の形状及び寸法の詳細は後述する。
【0048】
洗浄及び乾燥流体分配ロッド2について、更に詳細に説明する。
【0049】
図2及び3により具体的に示す例において、分配ロッド2は、実質的に円柱状又は円筒状の形状を有する。その外径は、中空本体1の下流部分101のスリーブ121の内径よりわずかに小さく、これにより、分配ロッド2は、前記スリーブ内でこれと軸方向に整列しつつ自由に移動可能(摺動可能)となっている。本発明によれば、分配ロッド2は、その上流最端部の付近に、分配ロッド2の外周から突出するリム20を含む。
【0050】
分配ロッド2には、2つの別個のチャネル、すなわち洗浄流体分配チャネル21及び乾燥流体分配チャネル22が、上流から下流に貫通している。洗浄流体分配チャネル21及び乾燥流体分配チャネル22は、それぞれ、分配ロッド2の下流最端部において、図示しない単数又は複数の別個の分配オリフィスに開口している。換言すれば、ロッド内の第1チャネルは、特に洗浄流体の通流に専用とされ、光学センサの洗浄のために噴霧される流体は、この第1チャネルに作製された単数又は複数の分配オリフィスから流出する。一方、ロッド内で第1チャネルの隣に配置され、且つ第1チャネルとは別個の第2チャネルは、特に乾燥流体の通流に専用とされ、センサの乾燥のために噴霧される流体は、当該第2チャネルに特に作製された単数又は複数の分配オリフィスから流出する。
【0051】
有利には、洗浄流体分配チャネル21と乾燥流体分配チャネル22とは平行であり、分配ロッド2において、中空本体1における搬送チューブ114とフィンガ117との間の間隔に実質的に同一である間隔を置いて配置される。換言すれば、本発明による装置の中空本体及びロッドは、搬送チューブ114及びフィンガ117が、乾燥流体分配チャネル22及び洗浄流体分配チャネル21にそれぞれ同時に係合し得るように各々構成されている。
【0052】
このようにして、2つの別個の洗浄及び乾燥流体搬送ユニットが形成されている。乾燥流体搬送ユニットは、一列に並んだ、入口チャネル113が貫通する入口ノズル111及び搬送チューブ114と、特にロッド2内に作製された分配チャネル22であって、搬送チューブ14が開口する分配チャネル22と、から構成される。乾燥流体は、洗浄流体に接触することなく、且つロッド2の外側に接触することなく、入口ノズル111から乾燥流体分配チャネルに作製された分配オリフィスまでまっすぐに流れる。また、洗浄流体搬送ユニットは、非整列要素(一直線上に並んでいない要素)の連続体から構成される。すなわち、入口ノズル110はロッド2内に特に作製された分配チャネル21であって、洗浄流体入口ノズルに対応するフィンガが収容された分配チャネル21と整列していない。洗浄流体は、入口ノズル111から洗浄流体分配チャネルに作製された分配オリフィスまで流れるが、最初にチャンバ14に流入し、ここでロッド2の外側に接触する。ここで、洗浄流体搬送ユニットは、入口ロッドを移動するための手段を部分的に形成する。なぜならば、チャンバ14に流入した洗浄流体は、ロッドに流れ込みその分配オリフィスを介して分配されることを保留しつつ、バネにより及ぼされる弾性復帰力に対抗してロッドを押圧するからである。したがって、移動手段は、洗浄流体と、チャンバを当該洗浄流体で加圧により充填する手段と、弾性復帰要素を形成するバネとから構成される。
【0053】
分配ロッド2の上流最端部からその下流最端部まで、洗浄流体分配チャネル21は、本発明による装置において、少なくとも1つの大径の上流部分と、上流部分の直径よりわずかに小さい直径を有する1つの中間部分と、中間部分の直径及び上流部分の直径の両者より小さい直径を有する下流部分と、を有する。より具体的には、洗浄流体分配チャネル21には、その上流部分と中間部分とが交わる部分に第1ショルダ(第1肩部)210が形成され、その中間部分とその下流部分とが交わる部分に第2ショルダ(第2肩部)211が形成されている。分配チャネル21の上流部分の直径と中間部分の直径との差は比較的小さいが、この同一の分配チャネル21の中間部分の直径と下流部分の直径との差はかなり大きく、これにより、当該洗浄流体分配チャネルの下流部分は、そのボトルネックゾーンを構成していることに留意されたい。
【0054】
洗浄流体分配チャネル21の中間部分の直径は、フィンガ117の外径よりごくわずかに大きい。より具体的には、本発明によれば、洗浄流体分配チャネル21の中間部分の直径、中空本体1のフィンガ117の外径、及び当該フィンガ117の下流最端部の付近に配置されたOリング119の寸法は、前記フィンガ117がシールした態様で洗浄流体分配チャネル21の中間部分内で移動可能(摺動可能)であるように規定されている。
【0055】
上記の結果、洗浄流体分配チャネル21の上流部分を規定する壁とフィンガ117との間にスペース212が形成され、これにより、洗浄流体は、当該スペースにおいてキャビティ14と第1ショルダ210との間で自由に通流可能であることを理解されたい。
【0056】
乾燥流体分配チャネル22は、特に、キャビティ14からの洗浄流体が当該乾燥流体分配チャネルに沿って流れることを十分に許容する搬送チューブ114の周囲に形成されたスペースが存在しないという点で、洗浄流体分配チャネル21と異なっている。分配ロッド2の上流最端部からその下流端部まで、乾燥流体分配チャネル22は、本発明による装置において、少なくとも1つの上流部分と、上流部分の直径より小さい直径を有する下流部分とを有する。より具体的には、乾燥流体分配チャネル22には、その上流部分と下流部分とが交わる部分に、ショルダ(肩部)220が形成されている。この同一の分配チャネルの上流部分の直径と下流部分の直径との差は比較的大きいこと、及び当該乾燥流体分配チャネルの下流部分はそのボトルネックゾーンを構成することに留意されたい。
【0057】
乾燥流体分配チャネル22の直径は、その上流部分において、当該乾燥流体が流入する入口ノズル111から継続する搬送チューブ114の外径よりごくわずかに大きい。より具体的には、本発明によれば、乾燥流体分配チャネル22の上流部分の直径、搬送チューブ114の外径、及び当該搬送チューブ114の下流最端部の付近に配置されたOリング116の寸法は、搬送チューブがシールした態様で乾燥流体分配チャネル22の上流部分内で移動可能(摺動可能)であるように規定され、このため、上述のようにスペースが形成されない。
【0058】
本発明によれば、分配ロッド2の上流最端部付近に位置する分配ロッド2のリム20は、中空本体1の係止リング13の内径より、すなわち換言すれば、この同一の中空本体のキャビティ14の直径よりわずかに小さい外径を有する。
【0059】
周溝200が、シール201を受容するようにリム20の外壁に配置される。本発明によれば、分配ロッド2のリム20の外径及びシール201は、シール201が設けられた分配ロッド2がシールした態様で中空本体1のキャビティ14内で移動可能(摺動可能)であるように規定されている。図示のように、シール201はリップシールである。
【0060】
本発明による装置の組立は以下のように実施され得る。
【0061】
最初に、下流端部23とスリーブ13とを、2つの部品の間で対応するOリング15bを圧縮することにより組み付ける。次いで、バネ3を、前記下流端部12の内側表面に押し付けるようにして下流端部12のスリーブ121の周囲に配置する。
【0062】
次いで、リム20に収容されたシール201が設けられた分配ロッド2を、中空本体1の下流部分101のスリーブ121に挿入する。そこで、分配ロッド2は、その外径と前記スリーブの内径とを理由として、これと軸方向に整列したまま自由に移動(摺動)するように嵌合する。シール201は、係止リングの内壁に対して圧縮され、これにより、分配ロッドは自由ではあるが、シールした態様で係止リング内で移動可能(摺動可能)となる。フランジ20は、バネ3に対する当接面と、上流端部壁に対して反対側の自由端部とを有する。これにより、バネ3は、中空本体1に対するロッド2の位置決めに寄与する。
【0063】
次いで、中空本体1の上流部分100を、上流端部11に配置されたOリング15aに押し付けた状態で係止リングの第1スリーブ131に嵌合させる。この動作において、これらの種々の要素のそれぞれの寸法を理由として、フィンガ117及び搬送チューブ114は、分配ロッド2に配置された洗浄流体分配チャネル21及び乾燥流体分配チャネル22にそれぞれ同時に係合する。
【0064】
このようにして構成されたユニットは、本発明による装置の入口及び分配装置を形成する。
【0065】
上記の結果、分配ロッド2と中空本体1との相対位置は、この同一の中空本体1のキャビティ14内において、バネ3の復帰力と分配ロッド2のリム20の上流表面に及ぼされ得る力との間で確立される均衡によって規定される。換言すれば、洗浄流体分配チャネル21及び乾燥流体分配チャネル22それぞれの内部におけるフィンガ117と搬送チューブ114との相対位置は、バネ3の復帰力と分配ロッド2のリム20に及ぼされ得る力との間で確立され得る均衡により同様に制御される。分配ロッド2のリム20の上流表面に加えられる力の強度に応じて、分配ロッドは、バネ3を圧縮しつつ、又は圧縮せずに、中空本体1の下流部分101のスリーブ121を通過して下流に移動(摺動)する、又はしないであろう。分配ロッド2のリム20の上流表面に全く力が加えられていない場合、分配ロッドは第1最端位置、すなわち非稼働位置にあり、バネは完全に弛緩しているであろう。逆に、バネ3を可能な限り圧縮させると、分配ロッド2は、中空本体1の下流部分のスリーブ121を通過して可能な限り下流まで移動(摺動)し、第2最端位置、すなわち洗浄位置に到達するであろう。
【0066】
図2は、上述の非稼働位置にある本発明による装置を示す。バネ3の復帰力のみが分配ロッド2に及ぼされて、ロッドは中空本体1の上流部分付近に保持されており、当該バネ3は完全に弛緩している。この位置は、洗浄流体及び乾燥流体が上述の入口及び分配ヘッドに流入していない状態に対応する。分配ロッド2と中空本体1との当該相対位置において、フィンガ117は洗浄流体分配チャネル21に係合し、これによりその下流端部付近に配置されたOリング119は、前記洗浄流体分配チャネルの中間部分に位置しており、これにより当該部分はシールした態様で閉鎖されている。したがって、洗浄流体入口ノズル110に存在し得る流体は、この非稼働位置において、洗浄流体分配チャネル21の下流部分に通流することはできない。図2に示すように、洗浄流体入口ノズル110とこの同一の流体を分配するための分配チャネル21の下流部分との間のシール作用は、分配ロッド2の上流最端部が上流端部11の内面を押圧することによるシール作用によって補足(補助)されていることに留意されたい。また、図2に示すように、上流端部11の内壁と、分配ロッド2の上流最端部と、この同一の分配ロッドのリム20の上流表面と、係止リングの第1スリーブ131の内壁とがともに入口チャンバ4を規定していることに留意されたい。この入口チャンバ4は、分配ロッドのリム20の周囲に配置されたシール201の存在により、及び係止リングの第1スリーブ131が押圧するシール15aの存在によりシールされている。図2に示す非稼働位置において、上述のように、この入口チャンバ4は、洗浄流体分配チャネル21の中間部分におけるフィンガ117の位置により、分配チャネルの下流部分に対面した状態でシールされている。これに対し、図2に示す非稼働位置において、乾燥流体入口ノズル111に存在する流体は、乾燥流体分配チャネル22の下流最端部まで自由に通流することができる。
【0067】
図3は、上述の洗浄位置にある本発明による装置を示す。流体が矢印Aにより示す方向において洗浄流体入口ノズル110を介して流入すると、流体は上述の入口チャンバ4に流れ込み、ここで、分配ロッドのリム20の上流表面に対して、当該分配ロッドを中空本体1において上流壁から離間するように下流に移動(摺動)させつつバネ3を圧縮する力を及ぼし、これにより入口チャンバ4の容積が増加する。中空本体1に対して分配ロッド2が下流に移動(摺動)することにより、フィンガ117が洗浄流体分配チャネル21の上流部分に向かって、分配ロッド内で相対的に移動(摺動)する。ここで、分配ロッド2のみが移動し、変化するのは分配ロッドの種々の部品と中空本体1の種々の部品との相対位置のみであることを理解されたい。
【0068】
本発明による装置の種々の部品の寸法は、洗浄流体分配チャネル21の上流部分に向かうフィンガ117の相対移動(相対摺動)において、フィンガ117の下流最端部に配置されたOリング119が、上流方向において、洗浄流体分配チャネル21の上流部分と中間部分とが交わる部分により規定された第1ショルダ210を通過して、これにより前記分配チャネルの前記上流部分に配置されるように規定されている。当該上流部分の直径は当該分配チャネルの中間部分の直径よりわずかに大きいため、分配チャネルにおけるフィンガ117の移動(相対摺動)は、もはやシールされなくなる。したがって、洗浄流体は、当該分配チャネル21の下流部分に、及び対応する分配オリフィスに、そして洗浄すべき光学センサの表面に流れることができる。ここで、フィンガ117の最端部においてより小さい直径を有する付属部1170の存在により、Oリング119が第1ショルダ210を通過する際に生成され得る「吸引」効果が防止されることで、洗浄流体の通流が向上され得ることに留意されたい。洗浄流体分配チャネル21の上流部分におけるフィンガ117の相対移動(相対摺動)は、ノズル110を介した流体の流入が停止するまで、又は、図3に示すように、分配ロッドのリム20の下流表面が中空本体1のスリーブ121の上流最端部を押圧するまで継続する。この洗浄位置において、分配ロッド2は、中空本体1の下流に延び出した最端位置にあり、これは、下流最端部に配置された洗浄流体分配オリフィス及び乾燥流体分配オリフィスが、それぞれ洗浄すべき光学センサの表面に可能な限り近接した位置に対応する。
【0069】
洗浄流体の流入が停止すると、バネ3の復帰力によりバネはその当初位置に戻るまで弛緩し、リム20の下流表面をスリーブ121に対して反対方向に押す。この移動において、分配ロッド2は、今度は本発明による装置の上流方向に移動(摺動)し、入口チャンバ4の容積が縮小する。入口チャンバは、特に洗浄流体分配チャネル21を介して空になる。これは、フィンガ117の下流最端部に配置されたOリング119が、今度は下流方向において、洗浄流体分配チャネル21の上流部分と中間部分とが交わる部分により規定された第1ショルダ210を通過し、当該Oリング119が前記分配チャネルの前記中間部分に配置されるまで継続する。洗浄流体分配チャネル21に対するフィンガ117の移動(摺動)は再びシールされ、洗浄流体はもはやこの同一の分配チャネルの下流部分に、又は対応する分配オリフィスに流れることができなくなる。
【0070】
これらの種々の動作に際して、中空本体1のキャビティ14において乾燥流体入口ノズル11に連続する搬送チューブ114は、フィンガ117と同様に、分配ロッドに対して、及び特に乾燥流体分配チャネル22に対して移動することに留意されたい。したがって、所定量の洗浄流体が入口チャンバ4に流入すると、搬送チューブ114は、分配チャネル22においてその上流部分に向かって移動(摺動)する。そしてこの流入が停止すると、搬送チューブは、この同一の乾燥流体分配チャネル22においてその下流部分に向かって移動(摺動)する。有利には、搬送チューブ114及び分配ロッド2の各寸法は、これら2つの要素の相対位置がどのようなものであっても、前記乾燥流体分配チャネル22における当該搬送チューブの相対移動(相対摺動)がシールされたままであるように規定される。また、図2及び3に示すように、乾燥流体入口ノズル111を介して流入する流体は、分配ロッド2と中空本体1との相対位置がいかなるものであっても、乾燥流体分配チャネル22の下流部分に、及び対応する分配オリフィスに、そして光学装置の当該表面に、自由に流れ得ることに留意されたい。
【0071】
本発明による洗浄装置の液体圧構造物を、特に図4を参照して説明する。本発明による装置の液体圧構造物は、洗浄流体貯蔵タンク5と、当該流体を通流させるためのポンプ6とを含む。ポンプで汲み出された洗浄流体は、後述する分配器8が装着された第1パイプ60に送られる。分配器は、タンクと流体入口及び分配装置Dとの間における洗浄流体の通流を制御するための要素の全部又は一部を形成する。
【0072】
また、液体圧構造物は、乾燥流体を貯蔵するための、又はこのような流体の流れを得るためのタンク7と、収容タンクから洗浄装置の内部に乾燥流体を送るように配置された第2パイプ70と、を備える。タンク7には、必要に応じて、自動車の光学検出システムの光学センサの乾燥に適する圧縮空気の流れを得ることを可能にするコンプレッサが設けられる。
【0073】
分配器8は、洗浄流体の洗浄流体入口ノズル110への流入と、乾燥流体の乾燥流体入口ノズル111への流入を交互に制御することを可能にする。このために、分配器8は、少なくとも3つの異なる位置を取るように制御される。各位置は、本発明による装置の作動状態、すなわち、非稼働位置、外方すなわち充填位置、及び復帰又は空位置に対応する。非稼働位置において、第1パイプ60は第1位置P1において分配器に連結され、洗浄流体はいずれの方向においても分配器に流入しない。外方すなわち充填位置において、第1パイプ60は第2位置P2において分配器に連結され(図4に示す)、洗浄流体は外方方向においてのみ貯蔵タンクから入口及び分配装置に通流し得る。復帰又は空位置において、第1パイプ60は第3位置P3において分配器に連結され、洗浄流体は入口及び分配装置から貯蔵タンクに向かう方向においてのみ通流し得る。
【0074】
この分配器は、図示しない制御モジュールにより制御される。制御モジュールは、分配器の状態の変更を制御するように構成され、分配器とともに、貯蔵タンクと流体入口及び分配装置との間における少なくとも洗浄流体の通流を制御する要素を形成する。
【0075】
これらの制御要素は、非稼働位置にある入口及び分配装置への洗浄流体の流入をブロックするように構成され、第1に入口及び分配装置を洗浄位置に移動させること、第2に洗浄流体を噴霧することを目的として、入口及び分配装置に洗浄液を供給するように構成され、且つ乾燥流体の供給が洗浄流体の供給から独立して制御され得る状態で、キャビティ内に洗浄流体をブロックしつつ入口及び分配装置を洗浄位置に保持するように構成される。
【0076】
非稼働位置において、洗浄流体の流入(送り込み)を制御する手段は閉鎖され、流体は本発明による入口及び分配装置に流入しない。同時に、乾燥流体の流入は、図示しない好適な弁によってブロックされる。
【0077】
外方位置において、分配器8は、ロッドのリムを押してロッドの延長部を中空本体の外部に押し出すのに十分な第1の量の洗浄流体が入口及び分配装置に向かって流入することを可能とする。同時に、乾燥流体の流入(送り込み)を制御する手段が閉鎖される。より具体的には、この状態において、分配器8によって入口チャンバ4に流入する第1の量の洗浄流体は、洗浄流体分配チャネル21に対するフィンガ117の相対移動により、フィンガ117の下流最端部付近に配置されたOリング119が、ショルダ210を通過して当該分配チャネルの上流部分に配置され、これにより、洗浄流体が下流部分に、対応する分配オリフィスに、そして洗浄すべき光学部品の表面に流れることができるように、上述の制御手段によって規定される。この状態において、流体ロッド2は、下流に延び出したその最端位置にある。分配器8は、洗浄流体が洗浄流体分配チャネル21を経由して噴霧されるまで、入口及び分配装置の当該充填位置に留まる。
【0078】
光学センサの乾燥が必要となったら、洗浄流体が到達することを停止するように、且つ特にこの時点でチャンバ4に存在する流体が戻ることをブロックするように、分配器8は非稼働位置に戻るように制御される。本発明によれば、分配オリフィスが洗浄すべき光学センサの付近に配置された状態で分配ロッド2が延び出した洗浄位置に留まり、これにより乾燥流体が光学センサに可能な限り接近して噴霧されることが必須であることを理解されたい。洗浄流体はブロックされているので、バネの復帰力があっても洗浄流体は入口チャンバから噴射され得ない。フィンガがバネの影響下で移動(摺動)し、フィンガ117の周囲に配置されたOリングが洗浄流体分配チャネル21の中間部分内の位置を取るまでに、ごく微量の流体が洗浄流体分配チャネル21により噴射されるのみである。
【0079】
この非稼働位置において、次いで乾燥流体の入口及び分配装置への流れを許容する又はブロックする弁が制御される。乾燥流体が、洗浄流体が通流した分配チャネルとは別の分配チャネルを通過して光学センサに向けて噴霧される。十分な量の乾燥流体が噴霧されたら、乾燥流体の到着がブロックされるとともに、分配器8はチャンバ4に存在する洗浄流体を排出するように空位置に制御される。これにより、分配ロッドが中空本体1の内部で後退する。乾燥流体の通流は洗浄流体の通流から独立しており、これにより乾燥流体の供給は洗浄流体の供給と同時であってもこれに続いてもよく、噴霧される乾燥流体が残留する洗浄流体の存在によって湿気を帯びることがないことに留意されたい。
【0080】
本発明は、分配器タイプの制御手段の単純な使用及び上述の入口及び分配装置の新規な構成により、少なくとも1つの流体を、自動車の洗浄すべき表面に、例えば光学検出システムの光学センサに向けて噴霧することが意図された洗浄装置であって、制御が簡単であり、洗浄動作において洗浄流体と乾燥流体とが混じり合うリスク、また特に流入前に残留する洗浄流体によって湿気を帯びた乾燥流体を噴霧するリスをク回避する洗浄装置を製造することを可能とする。したがって、本発明は、このような洗浄の有効性及び品質を向上させるとともに、当該センサにより提供される信号の品質やこれに関連する運転支援を向上させることが可能である。
【0081】
しかしながら、本発明は、上述及び図示の手段や構成に限定されるものではなく、全ての同等の手段や構成、及びこのような手段のあらゆる組み合わせに適用される。特に、本発明を、入口及び分配装置及びその部品の全体的幾何学構成が円柱状または円筒状の幾何学的構成である実施形態について説明したが、上述の種々のシールや機能を生成する要素が存在する限り、本発明は明瞭にあらゆるタイプの幾何学的構成や形状に適用される。
図1
図2
図3
図4