特許第6961716号(P6961716)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961716
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20211025BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   G06F3/041 430
   H05K1/02 D
   H05K1/02 N
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-556169(P2019-556169)
(86)(22)【出願日】2018年11月5日
(86)【国際出願番号】JP2018041021
(87)【国際公開番号】WO2019102833
(87)【国際公開日】20190531
【審査請求日】2020年3月9日
(31)【優先権主張番号】特願2017-224591(P2017-224591)
(32)【優先日】2017年11月22日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135183
【弁理士】
【氏名又は名称】大窪 克之
(74)【代理人】
【識別番号】100085453
【弁理士】
【氏名又は名称】野▲崎▼ 照夫
(74)【代理人】
【識別番号】100108006
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】笹川 英人
(72)【発明者】
【氏名】朝川 隆司
【審査官】 円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−141701(JP,A)
【文献】 特開2014−219963(JP,A)
【文献】 特開2008−090112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基材と、
前記支持基材の上に設けられ、複数の電極部を有するセンサ部と、
前記支持基材から外方に延出する延出部と、
前記延出部の第1の主面に沿って設けられ、前記電極部と導通する引き出し配線と、
前記延出部の前記第1の主面に沿って前記引き出し配線と並んで設けられた接地用配線と、
前記延出部の前記第1の主面に対向する第2の主面における先端から前記支持基材側の一部領域に設けられた補強板と、
を備え、
前記延出部の前記第2の主面の法線方向にみた場合、
前記接地用配線の線幅は、前記引き出し配線の線幅よりも太く、
前記補強板の前記支持基材側の端部が作る端部投影線は非直線であり、
前記端部投影線は、
少なくとも前記引き出し配線と重なる第1部分と、
前記接地用配線と重なる部分を有し、前記端部投影線における最も前記支持基材側となる最突出位置を有する第2部分と、
前記接地用配線と重なる部分を有し前記第1部分と前記第2部分との間に設けられた第3部分と、を有し、
前記第1部分は、前記端部投影線が直線または前記支持基材側から前記先端側に向けて後退する部分であり、前記第2部分は前記第1部分よりも前記支持基材側に向けて突出する部分であり、
前記第3部分は、前記端部投影線が前記支持基材側から前記先端側に向けて後退する部分であって前記第1部分と前記第2部分とを屈曲部なく接続し、
前記第3部分と前記第1部分との接続部分は前記引き出し配線よりも前記接地用配線側に形成され、
前記最突出位置は前記接地用配線と重なる入力装置。
【請求項2】
前記第3部分は、前記接地用配線と重なる部分からなる、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記第1部分、前記第2部分および前記第3部分の少なくとも一つは直線である、請求項1または請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
前記第1部分と前記第3部分との間、および前記第2部分と前記第3部分との間は曲線によって接続される、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項5】
前記引き出し配線および前記接地用配線は銀を含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は入力装置に関し、特に指などが接近した位置を検知するタッチセンサを備えた入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
入力装置として多く利用されるタッチパネルは、検知領域に指などが接近(以下、接近には接触を含むものとする。)した位置を検出するタッチセンサを備えている。例えば、相互容量方式のタッチパネルにおいては、駆動側の電極と出力側の電極とが設けられており、駆動側の電極にドライブパルスを与え、指などの接近による容量変化を出力側の電極で検知している。
【0003】
このようなタッチパネルにおいて、検出用の電極との導通を得るためにパネル周縁部分には支持基材から外方に延出する延出部が設けられる。延出部はフレキシブル配線基板になっており、検知領域の電極と導通する引き出し配線や、接地電位となる接地用配線が形成される。また、延出部の先端には外部のコネクタと接続するための端子が設けられる。タッチパネルをセットする製品によっては、タッチパネルから延出部を湾曲させながら取り回してコネクタと接続する必要が生じる。
【0004】
延出部は比較的薄いため、コネクタとの接続を行う先端部分には補強板が取り付けられている。このような延出部を湾曲させた場合、延出部とともに曲げられる引き出し配線にクラックや断線などの不具合の発生が懸念される。
【0005】
特許文献1には、補強板を装着したフレキシブルプリント基板において、補強板の端部の形状を、幅方向中央部分を凹ませるようにした構成が開示される。特許文献2には、両面フレキシブルプリント基板の一部を屈曲させる際に屈曲開始線近傍で亀裂が入ることを防止するフレキシブルプリント基板が開示される。このフレキシブルプリント基板においては、カバーフィルムから舌状延出片を設けることで屈曲開始線の近傍における曲げ合成を高めている。
【0006】
特許文献3には、断線の発生を抑制するフレキシブル基板が開示される。このフレキシブル基板では、端子の先端位置を変えることで、フレキシブル基板に外力がかかった場合の曲げ応力を分散させる構成となっている。
【0007】
特許文献4には、フレキシブル配線板のカバーフィルムと金属層の境界部の曲げやねじりに対する強度を向上させたフレキシブル配線基板が開示される。このフレキシブル配線基板では、金属層におけるカバーフィルムから露出する境界部近傍において幅が広く形成され、その広く形成された部分の前後方向における長さが、フレキシブル配線板の中央部分では長く、左右両端側に向かって徐々に短く形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平01−157588号公報
【特許文献2】特開平08−018174号公報
【特許文献3】特開2016−057567号公報
【特許文献4】特開2005−093447号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
タッチパネルをセットする製品は多種多様に及んでいる。製品の筐体形状に対応してタッチパネルからコネクタまで接続する延出部の取り回し条件は厳しくなってきており、延出部を小さく曲げる必要も生じている。延出部が小さく曲げられるほど湾曲による応力が引き出し配線に加わり、ダメージが与えられる。引き出し配線へのダメージは検知性能に影響を及ぼすことになる。特に延出部に補強板が設けられている場合、補強板の端部に応力が集中することから、引き出し配線へのクラック発生や断線を防止することがより重要となる。
【0010】
本発明は、補強板が設けられた延出部を湾曲させた場合でも延出部に設けられた引き出し配線へのダメージを抑制できる入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、支持基材と、支持基材の上に設けられ、複数の電極部を有するセンサ部と、支持基材から外方に延出する延出部と、延出部の第1の主面に沿って設けられ、電極部と導通する引き出し配線と、延出部の第1の主面に沿って引き出し配線と並んで設けられた接地用配線と、延出部の第1の主面と対向する第2の主面における先端から支持基材側の一部領域に設けられた補強板と、を備え、延出部の第2の主面の法線方向にみた場合、接地用配線の線幅は、引き出し配線の線幅よりも太く、補強板の支持基材側の端部が作る端部投影線は非直線であり、端部投影線における最も支持基材側となる最突出位置は接地用配線と重なる入力装置である。
【0012】
このような構成によれば、支持基材から延出する延出部を湾曲させた場合、補強板における基材側の端部(基材側端部)における最も支持基材側となる最突出位置の近傍に応力が集中する。基材側端部が作る端部投影線は非直線であり、最突出位置が接地用配線と重なる位置に設けられていることで、延出部を湾曲させた場合の応力の集中箇所を接地用配線の上にすることができ、引き出し配線への応力集中を回避することができる。接地用配線の線幅は引き出し配線の線幅よりも太いため、接地用配線に応力が集中してもダメージは少ない。
【0013】
上記入力装置において、端部投影線は、少なくとも引き出し配線と重なる第1部分と、接地用配線と重なり最突出位置を有する第2部分と、接地用配線と重なる部分を有し第1部分と第2部分との間に設けられた第3部分と、を有していてもよい。これにより、延出部を湾曲させた場合、最突出位置を有する第2部分に応力を集中させることができる。第3部分は接地用配線と重なる部分からなることが、引出配線への応力集中をより安定的に回避する観点から好ましいことがある。
【0014】
上記入力装置において、第1部分、第2部分および第3部分の少なくとも一つは直線であってもよい。これにより、延出部を湾曲させた場合に最突出位置の近傍に応力を集中させる補強板の構成において、直線を有する形状により製造の簡素化を図ることができる。
【0015】
上記入力装置において、第3部分は、端部投影線が支持基材側から先端側に向けて後退する部分であって第1部分と第2部分とを屈曲部なく接続するよう設けられていてもよい。端部投影線に屈曲部があると、延出部を湾曲させた場合に応力がこの部分で局所的に高くなることがあるため、屈曲部を有しないようにすることにより、延出部を湾曲させた場合に第2部分の最突出位置に応力を集中させ、最突出位置から離れるに従い応力を徐々に減少させることができる。
【0016】
上記入力装置において、第1部分と第2部分との間、および第2部分と第3部分との間は曲線によって接続されていてもよい。これにより、第1部分、第2部分および第3部分の接続部分が滑らかな曲線で繋がれ、接続部分での応力集中を緩和することができる。
【0017】
上記入力装置において、第1部分は、端部投影線が直線または支持基材側から先端側に向けて後退する部分であり、第2部分は、端部投影線が直線または先端側から支持基材側に向けて突出する部分であってもよい。これにより、延出部を湾曲させた場合に最突出位置の近傍に応力を集中させる補強板の構成において、第1部分と重なる引き出し配線への応力集中を効果的に回避しつつ、第2部分と重なる延出部の幅方向端部への応力集中を効果的に回避することができる。
【0018】
上記入力装置において、引き出し配線および接地用配線は銀を含んでいてもよい。銀を含む配線パターンは湾曲によるダメージを受けやすい。上記のような補強板の構成を採用することで、銀を用いた引き出し配線および接地用配線であっても湾曲によるダメージを受け難くなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、補強板が設けられた延出部を湾曲させた場合でも延出部に設けられた引き出し配線へのダメージを抑制できる入力装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】(a)および(b)は、本実施形態に係る入力装置を例示する斜視図である。
図2】本実施形態に係る入力装置を例示する模式平面図である。
図3】延出部の拡大模式平面図である。
図4】延出部の湾曲状態を例示する模式断面図である。
図5】(a)〜(c)は、端部投影線の例を示す模式平面図である。
図6】端部投影線の他の例を示す模式平面図である。
図7】入力装置の適用例を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、同一の部材には同一の符号を付し、一度説明した部材については適宜その説明を省略する。
【0022】
(入力装置の構成)
図1(a)および(b)は、本実施形態に係る入力装置を例示する斜視図である。
図1(a)には延出部を湾曲させる前の状態が示され、図1(b)には延出部を湾曲させた後の状態が示される。
図2は、本実施形態に係る入力装置を例示する模式平面図である。
図3は、延出部の拡大模式平面図である。なお、説明の都合上、図3において、補強板30を引き出し配線41および接地用配線45と重ねて示している。
【0023】
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態に係る入力装置1は、支持基材15と、支持基材15に設けられたセンサ部10と、支持基材15から外方に延出する延出部20と、延出部20の第1の主面S1に沿って設けられる引き出し配線41および接地用配線45と、延出部20の第1の主面S1と対向する第2の主面S2に設けられる補強板30とを備える。
【0024】
入力装置1は、例えばタッチパネルである。入力装置1は、液晶などの表示装置(図示せず)の上に取り付けられていてもよいし、加飾部(図示せず)の上に取り付けられていてもよい。センサ部10は、例えば静電容量式のタッチセンサであり、検知領域SAに指などが接近した場合の静電容量の変化によって位置検出を行う。センサ部10は、成形樹脂などの支持基材15の上に配置され、支持基材15は、PET(Polyethylene Terephthalate)、COP(シクロオレフィンポリマー)、COC(環状オレフィンコポリマー)などの透光性を有する可撓性フィルム、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの硬質の透光性板材などで形成される。支持基材15における検知領域SAには、透光性電極部である第1電極11および第2電極12を備える。
【0025】
第1電極11は支持基材15の表面に沿った一方向(例えば、X方向)に延在し、第2電極12は支持基材15の表面に沿い一方向と直交する方向(例えば、Y方向)に延在する。第1電極11および第2電極12は互い絶縁される。本実施形態では、Y方向に所定のピッチで複数の第1電極11が配置され、X方向に所定のピッチで複数の第2電極12が配置される。
【0026】
第1電極11および第2電極12を構成する電極のパターンは各種あるが、本実施形態では、第1電極11および第2電極12のそれぞれは複数の島状電極部を有する。各島状電極部は例えば菱形に近い形状を有している。第1電極11および第2電極12には透光性導電材料(ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO、導電性ナノ材料、網目状に形成された金属材料など)が用いられる。
【0027】
支持基材15の検知領域SAの外側である周辺エリアには、第1電極11および第2電極12と導通する取り回しパターン150が延在している。取り回しパターン150は引き出し配線41と導通することで、第1電極11および第2電極12に対する導通線を周辺エリアから延出部20の先端部まで延ばしている。
【0028】
延出部20は、支持基材15の縁部分から外方に延出して設けられる部分であり、支持基材15と一体であっても、別体として支持基材15に接続されていてもよい。延出部20には、PET、COP、COCなどの可撓性を有するフィルム材料が用いられる。
【0029】
延出部20には、第1電極11および第2電極12と導通する複数の引き出し配線41が互いに平行に設けられている。各引き出し配線41は延出部20の第1の主面S1に沿って支持基材15側から先端に向けて延在している。また、延出部20には、複数の引き出し配線41と隣り合うように接地用配線45が設けられる。例えば、接地用配線45は、延出部20の幅方向における両側にそれぞれ設けられる。接地電位となる接地用配線45の線幅は、引き出し配線41の線幅よりも太く設けられる。本実施形態では、引き出し配線41および接地用配線45は銀(Ag)を含む材料によって形成される。引き出し配線41および接地用配線45として銀を含む材料を用いることで、ITOなどに比べて低抵抗化を図ることができる。
【0030】
補強板30は、延出部20の第2の主面(引き出し配線41および接地用配線45が設けられた第1の主面S1とは反対側の対向面)S2における先端から支持基材15側(以下、単に「基材側」とも言う。)の一部に設けられる。補強板30は、支持基材15の強度を補うためのもので、PET、COP、COCなどの可撓性フィルム、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂などの硬質の板材などで形成される。例えば、本実施形態において延出部20の厚さは約50μm、補強板30の厚さは約300μmである。延出部20の先端部分に補強板30が設けられていることにより、図1(b)に示すように、延出部20をコネクタ50に確実に差し込むことができるようになる。
【0031】
ここで、本実施形態において、延出部20の第2の主面S2の法線方向を第1方向D1と言うことにする。入力装置1において、補強板30を第1方向D1にみた場合、補強板30の支持基材15側の端部(基材側端部)が作る端部投影線310は非直線となっている。すなわち、端部投影線310は、引き出し配線41と重なる部分では直線的であるが、それ以外の部分に非直線部分を有しているため、全体形状として非直線である。その結果として、引き出し配線41が設けられている延出部20の幅方向中央部では相対的に先端側に位置し、接地用配線45が設けられている延出部20の幅方向端部では相対的に基材側に位置する。
【0032】
図3に示すように、端部投影線310における最も基材側となる最突出位置310Pは、第1方向D1にみて接地用配線45と重なる。本実施形態では、延出部20の幅方向における両側に接地用配線45が設けられており、それぞれの接地用配線45と重なるように最突出位置310Pが設けられる。
【0033】
端部投影線310は、少なくとも引き出し配線41と重なる第1部分311と、接地用配線45と重なり最突出位置310Pを有する第2部分312と、接地用配線45と重なり第1部分311と第2部分312との間に設けられた第3部分313とを有する。図3に示す例では、第1部分311、第2部分312および第3部分313のそれぞれは直線状に設けられているが、第1部分311は第2部分312よりも先端側(基材側とは反対側)に位置し、第3部分313は斜めに設けられる。なお、各部分における「直線状」とは、その部分における端部投影線について、うねりがあってもそのうねりの長さが引き出し配線41の幅よりも十分に広く、粗さに相当する細かい凹凸があっても隣り合う凸部の間隔が引き出し配線41の幅よりも十分に狭いことをいう。
【0034】
図3に示すように、端部投影線310は全体として基材側から先端側に向けて後退して設けられており、先端側から最も基材側に向けた最突出位置310Pが接地用配線45と重なるようになっている。このような端部投影線310を有する補強板30を設けることで、延出部20を湾曲させた場合、湾曲による応力を最突出位置310Pの近傍に集中させることができる。
【0035】
本実施形態では、端部投影線310の最突出位置310Pが接地用配線45と重なる位置に設けられているため、延出部20を湾曲させた場合の応力の集中箇所を接地用配線45の上にすることができる。つまり、延出部20を湾曲させた場合の応力を接地用配線45の上に集中させることで、引き出し配線41の上には集中しないようにすることができる。接地用配線45の線幅は引き出し配線41の線幅よりも太いため、接地用配線45に応力が集中しても電気的特性へのダメージは少ない。
【0036】
図4は、延出部の湾曲状態を例示する模式断面図である。
補強板30が設けられた延出部20の先端側を湾曲させた場合、支持基材15における補強板30の縁の延長上を支点Aとして支持基材15、引き出し配線41および接地用配線45に応力が加わる。この際、引き出し配線41および接地用配線45が湾曲の外側になっていると引っ張り応力によってクラックCが発生する可能性がある。
【0037】
本実施形態では、端部投影線310の最突出位置310Pを接地用配線45と重なる位置に設けているため、延出部20を湾曲させた場合の応力を最突出位置310Pの近傍に集中させることができる。最突出位置310Pの近傍に応力が集中して接地用配線45にたとえクラックCが発生したとしても、接地用配線45の線幅は引き出し配線41の線幅に比べて太くなっているため、多少のクラックCが発生しても電気的特性へのダメージは少ない。したがって、延出部20を湾曲させた際の応力の影響が線幅の細い引き出し配線41に及ぶことを回避することができる。
【0038】
図5(a)〜(c)は、端部投影線の例を示す模式平面図である。
図5では、端部投影線310の一部と引き出し配線41および接地用配線45との位置関係を模式的に示している。
図5(a)に示す端部投影線310は、端部投影線310を構成する第1部分311、第2部分312および第3部分313のうち、第3部分313の端部投影線310が基材側から先端側に後退した部分になっており、第1部分311と第2部分312とを屈曲部なく接続している例である。
【0039】
このような端部投影線310を構成することで、延出部20を湾曲させた場合に最突出位置310Pの近傍に応力を集中させることができるとともに、最突出位置310Pから離れるに従い応力を徐々に減少させることができる。特に、最突出位置310Pよりも先端側に第1部分311が位置するため、第1部分311と重なる引き出し配線41への応力集中を効果的に抑制することができる。第3部分313に屈曲部があると、この部分において応力が局所的に集中することがあるため、第3部分313が屈曲部を有しないことにより、最突出位置310Pの近傍に応力を集中させることがより安定的に実現される。
【0040】
図5(b)に示す端部投影線310では、第1部分311と第3部分313との間、および第2部分312と第3部分313との間が曲線によって接続されている。第1部分311、第2部分312および第3部分313のほとんどは直線によって構成されているが、各部分の接続部分が滑らかな曲線によって構成される。
【0041】
端部投影線310において直線が多いほど補強板30の製造が容易となる。また、第1部分311、第2部分312および第3部分313の接続部分を滑らかな曲線で繋ぐことで、接続部分での応力集中を緩和することができる。すなわち、各部分間の曲率が高い(曲率半径が小さい)ほど接続部分で局所的に応力が集中しやすいため、このように滑らかな曲線で構成することによって応力を分散させて、引き出し配線41および接地用配線45へのクラック発生を抑制することができる。また、直線状の第1部分311が接地用配線45とも重なるように位置し、基材側を向く凹型の第3部分313はその全体が接地用配線45と重なっている。すなわち、端部投影線310が非直線状となる部分を全て接地用配線45に集中させて、端部投影線310が非直線状となる部分と引き出し配線41との距離を十分に確保している。このように構成することによって、延出部20を湾曲させた場合に引き出し配線41において応力集中が生じる可能性を特に低くすることができる。
【0042】
図5(c)に示す端部投影線310では、第2部分312が最突出位置310Pから外側に向かうほど先端側に近づくよう傾斜している。第2部分312がこのように傾斜していることで、延出部20を湾曲させた場合に、第2部分312の最外端部312P(延出部20の幅方向の外端に重なる部分)に応力が集中する可能性が安定的に低減される。最外端部312Pにおいて応力が過度に集中すると、補強板30の延出部20からの剥離など配線の破断とは異なるタイプの不具合が生じることが懸念される。したがって、端部投影線310が図5(c)に示す構成を有することにより、こうした不具合の発生が生じる可能性を安定的に低減させることができる。
【0043】
図6は、端部投影線の他の例を示す模式平面図である。なお、説明の都合上、図6において、補強板30を引き出し配線41および接地用配線45と重ねて示している。
図6に示す端部投影線310では、第1部分311が基材側から先端側に向けて漸次後退させた部分であり、第2部分312が直線または先端側から基材側に向けて突出した部分になっている。
【0044】
このような端部投影線310の形状によって、延出部20を湾曲させた場合に最突出位置310Pの近傍に応力を集中させるとともに、第1部分311が直線で構成される場合に比べて第1部分311と重なる引き出し配線41への応力集中を効果的に回避することができる。
【0045】
(適用例)
図7は、入力装置の適用例を示す模式図である。
図7には、自動車等の移動体VのインストルメントパネルPおよびフロアコンソールFに本実施形態の入力装置1を適用した例が示される。
入力装置1の検知領域SAは、インストルメントパネルPからフロアコンソールFにかけて連続して設けられていてもよいし、インストルメントパネルPの部分と、フロアコンソールFの部分とに分割されていてもよい。
【0046】
例えば、インストルメントパネルPには加飾フィルム200の加飾層22が設けられていない部分(非形成領域22b)があり、ここに表示装置100が配置される。表示装置100の上には検知領域SAが設けられ、タッチパネルとして機能する。インストルメントパネルPやフロアコンソールFには、加飾層22によるボタン表示部221が設けられていてもよい。これにより、加飾層22のボタン表示部221をタッチすることで各種の操作を行うことができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、補強板30が設けられた延出部20を湾曲させた場合でも延出部20に設けられた引き出し配線41へのダメージを抑制できる入力装置1を提供することが可能となる。
【0048】
なお、上記に本実施形態を説明したが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。例えば、延出部20の幅は支持基材15の幅よりも狭い例を示したが、支持基材15と同等の幅であってもよい。また、延出部20に設けられる接地用配線45は、延出部20の幅方向における中央部分に設けられていてもよい。この場合には第2部分312は延出部20の中央部分に設けられる。また、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものや、各実施形態の特徴を適宜組み合わせたものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0049】
1…入力装置
10…センサ部
11…第1電極
12…第2電極
15…支持基材
20…延出部
22…加飾層
22b…非形成領域
30…補強板
41…引き出し配線
45…接地用配線
50…コネクタ
100…表示装置
150…取り回しパターン
200…加飾フィルム
221…ボタン表示部
310…端部投影線
310P…最突出位置
311…第1部分
312…第2部分
312P…最外端部
313…第3部分
A…支点
C…クラック
D1…第1方向
F…フロアコンソール
P…インストルメントパネル
S1…第1の主面
S2…第2の主面
SA…検知領域
V…移動体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7