(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の接着部材の少なくとも一つが、前記配線函の一側に位置し、前記複数の接着部材の他の少なくとも1つが前記配線函の他側に位置する、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
前記複数の接着部材の少なくとも一つが、前記太陽電池モジュールの縦方向において、前記配線函の一側に位置し、前記複数の接着部材の他の少なくとも1つが前記縦方向において前記配線函の他側に位置する、請求項5に記載の太陽電池モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下では、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、様々な形態に変形することができることはもちろんである。
【0009】
図では、本発明を明確かつ簡略に説明するために説明と関係ない部分の図示を省略し、明細書全体を通じて同一または極めて類似の部分に対しては、同一の図面参照符号を使用する。そして、図面では、説明をさらに明確にするために厚さ、広さなどを拡大または縮小して示したところ、本発明の厚さ、広さなどは図面に示されたところに限定されない。
【0010】
そして、明細書全体においてどのような部分が他の部分を"含む"とするとき、特に反対される記載がない限り、他の部分を排除するものではなく、他の部分をさらに含むことができる。また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分 "上に"あるとする時、これは他の部分"真上に"ある場合だけでなく、その中間に他の部分が位置する場合も含む。層、膜、領域、板などの部分が他の部分"真上に"あるとするときは、中間に他の部分が位置しないことを意味する。
【0011】
以下、添付した図面を参考にして本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュールを詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る太陽電池モジュール100を示す前面斜視図であり、
図2は、
図1の太陽電池モジュール100を示す後面斜視図である。そして、
図3は
図1のIII−III線に沿って切断して見た概略的な断面図である。参照で、
図3では配線函30を概略的に示しており、配線函30には、後で、
図4〜
図7を参照して、さらに詳細に示す。
【0013】
図1〜
図3を参照すると、本実施の形態に係る太陽電池モジュール100は、太陽電池12を含む太陽電池パネル10と、太陽電池パネル10に電気的に接続されており、太陽電池パネル10の後面側に装着される配線函30と、配線函30と太陽電池パネル10の間でこれらを付着する接着部材40を含む。本実施の形態においては、接着部材40によって配線函30と太陽電池パネル10との間に接着部材40に対応する厚さを有し、外部に開放されたエアギャップ(air gap)が形成される。そして、太陽電池モジュール100は、太陽電池パネル10の外郭部を固定するフレーム20をさらに含むことができる。太陽電池パネル10とフレーム20との間には、これらを密封と接着するシール部材(図示せず)が位置することができる。
【0014】
本実施の形態に係る太陽電池パネル10は、少なくとも太陽電池12を含み、太陽電池12の前面に位置する前面部材(前面カバー部材)16と、太陽電池12の後面に位置する後面部材(後面カバー部材)18と、太陽電池12を包みながら、前面部材16と後面部材18との間に位置するシール材14を含むことができる。
【0015】
一例として、太陽電池12は、半導体基板(例えば、単結晶半導体基板、さらに具体的に、単結晶シリコンウエハ)と、半導体基板に、または半導体基板上に形成され、互いに反対の導電型を有する第1及び第2導電型領域と、これらにそれぞれ接続される第1及び第2電極を含むことができる。ここで、半導体基板は、低ドーピング濃度のp型またはn型を有することができ、第1及び第2導電型領域の内、一つは、p型を有することができ、他の一つは、n型を有することができる。そして、第1または第2導電型領域は、半導体基板の一部にドーパントをドーピングして形成されるドーピング領域になることができ、半導体基板上に別々に形成され、ドーパントがドープされた半導体層からなることができる。そして、太陽電池12が複数備えられ、太陽電池12の第1電極と、これに隣接した太陽電池12の第2電極は、伝導性接続材122等により接続されて、複数個の太陽電池12が1つの列をなす太陽電池ストリング(string)を形成することができる。太陽電池12の構造と、複数の太陽電池12の接続構造などは知られている様々な構造が適用されることができる。伝導性接続材122としてはリボン、インターコネクタなどの様々な部材が適用されることができる。そして、一つ、または複数個の太陽電池ストリングが太陽電池パネル10に含まれることができる。
【0016】
このように本実施の形態では、太陽電池12にシリコン単結晶半導体太陽電池を使用することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、薄膜太陽電池、染料感應太陽電池、タンデム型太陽電池、化合物半導体太陽電池など、様々な構造の太陽電池を太陽電池12で使用することができる。そして、複数個の太陽電池12を備えることを例示したが、一つの太陽電池12だけを備えることも可能である。
【0017】
前面部材16は、シール材14(第1シール材14a)上に位置して太陽電池パネル10の前面を構成し、後面部材18は、シール材14(第2シール材14b)上に位置して太陽電池パネル10の後面を構成する。前面部材16と後面部材18は、太陽電池12の前面と後面で太陽電池12を保護する層として、防水、絶縁及び紫外線遮断機能をする。
【0018】
例えば、前面部材16は、優れた耐久性、絶縁特性、防湿性、光透過性等を有するガラス基板で有り得る。後面部材18は、フィルムまたはシートなどの形態を有することができる。例えば、後面部材18が、ベース部材と、ベース部材の少なくとも一面に形成される樹脂層を含むことができる。このとき、後面部材18がTPT(Tedlar/PET/Tedlar)タイプであるか、ポリエチレンテレフタレート(PET)の少なくとも一面に形成されたポリフッ化ビニリデン(poly vinylidene fluoride、PVDF)樹脂などで構成されることができる。ポリフッ化ビニリデンは、(CH2CF2)
nの構造を有する高分子として、ダブル(Double)フッ素分子構造を有するため、機械的性質、耐候性、耐紫外線性に優れる。しかし、本発明は、後面部材18の物質等に限定されるものではない。
【0019】
シール材14は、水分と酸素が太陽電池12に流入されることを防止し、太陽電池パネル10の各要素を化学的に結合する。シール材14は、透光性と接着性を有する絶縁物質をベース物質で含む。本明細書でベース物質とは、各層内で最も多く重量%で含まれた物質を意味する。例えば、シール材14は、エチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)、ポリビニルブチラール、ケイ素樹脂、エステル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、アイオノマー(ionomer)などで構成されることができる。
【0020】
前述したように、複数の層で構成された太陽電池パネル10を安定的に固定するために、太陽電池パネル10の外郭部が固定されるフレーム20が位置することができる。フレーム20は、太陽電池パネル10の縁に沿って形成されて、太陽電池パネル10の外郭部を保護することができる。
【0021】
本実施の形態において、フレーム20は、太陽電池パネル10の少なくとも一部が挿入されるパネル挿入部22と、パネル挿入部22から外部の方向に延長される延長部24を含むことができる。延長部24は、フレーム20の強度を増加させ架台、支持体または床面等に固定される部分である。このようにパネルを挿入部22と延長部24を備えると、太陽電池モジュール100のインストール時、太陽電池パネル10が損傷するのを防止することができる。
【0022】
さらに具体的に、パネル挿入部22は、太陽電池パネル10の前面に位置した前面部分222、太陽電池パネル10の側面に位置した側面部224、太陽電池パネル10の後面に位置した後面部分226が互いに接続されて、この内部に太陽電池パネル10の外郭部が位置するようにすることができる。一例として、パネル挿入部22は、二回折り曲げられて内部に太陽電池パネル10の端が位置するようにする「U」字形状を有することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、前面部分222、側面部分224及び後面部分226の内、いずれか1つ、または一部が位置しないこともある。そのほかにも様々な変形が可能である。
【0023】
パネル挿入部22から後方に延びる延長部24は、パネル挿入部22から後方の方向に延長され、側面部224と平行に形成される(または側面部分224と同一平面上に形成される)第1部分242と、第1部分242から内部の方向に折り曲げ延長されて、太陽電池パネル10の後面または後面部分226と一定の間隔を置いて位置する第2部分244を含むことができる。第2部分244は、太陽電池パネル10の後面または後面部分226と平行したり、これと傾斜するように形成されることがある。これにより、延長部24は、一度折り曲げ形成されて後面部分226と延長部24との間に空間を形成する「L」字断面形状を有することができる。
【0024】
そして、太陽電池パネル10の後面に位置し、太陽電池12に電気的に接続される配線函30は、太陽電池パネル10によって生成された電気エネルギーを外部に伝達するための様々な部品、部材、または回路などが備えられる。このような配線函30は、接着部材40によって付着されることができる。
【0025】
一例として、配線函30は、太陽電池パネル10の後面に位置することができ、太陽電池パネル10の上端部に隣接して位置することができる。このとき、配線函30の厚さ(T1)と配線函30を、太陽電池パネル10に付着する接着部材40の厚さ(またはエアギャップ(
図6の参照符号G、以下同じ)の厚さ)の合計が延長部24の高さ(H1)(さらに具体的に、第1部分242の高さ)より小さいことがある。そして配線函30の厚さ(T1)は、フレーム20の延長部24の高さ(H1)より小さいことができる。ここで、延長部24の高さ(H1)は、太陽電池パネル10の後面から延長部24の第2部分244の外部面までの距離として定義されることができる。これにより、配線函30が第2部分244の外面より突出しないように位置することができる。つまり、配線函30の後面(太陽電池パネル10から離れて位置した面)は、第2部分244の外面と同一平面上に位置するか、これより太陽電池パネル10の近くに位置することができる。これにより、太陽電池モジュール100の体積を最小化し、太陽電池パネル10の後方側のスペースを効率的に活用することができる。
【0026】
このとき、本実施の形態においては、配線函30の一部が太陽電池パネル10の上端部に隣接したフレーム20の延長部24の内部に位置して延長部24に結合されることができる。このとき、延長部24の内部に位置する配線函30の部分で配線函30の後面が第2部分244の内面と同じかそれより太陽電池パネル10の近くに位置するようにして、配線函30が、一部が延長部24の内部に容易に位置することができる。これについては後でさらに詳細に説明する。
【0027】
前述したように、 本実施の形態において配線函30は、接着部材40によって太陽電池パネル10に付着されるが、このとき、接着部材40は、配線函30と太陽電池パネル10との間で外部に開放されたエアギャップ(G)を形成する役割も共に遂行する。これを
図4〜
図7を参照して、詳細に説明する。
【0028】
図4は
図2のA部分を拡大して示した分解斜視図であり、
図5は、
図2のA部分を拡大して示すものの、配線函30を、太陽電池パネル10から分離して、太陽電池パネル10に対向する配線函30の前面(front surface)が見えるように示した分解回転斜視図である。そして、
図6は
図2のB方向から見た太陽電池パネル10、配線函30及び接着部材40を示した概略的な部分側面図である。
図7は、
図1に示した太陽電池モジュール100に含まれた配線函30と接着部材40を概略的に示す平面図である。参照で、簡略な図示のために
図7においては、太陽電池パネル10に対向する配線函30の前面を示しており、ケース32の内部に位置した回路部34は、示しながった。
【0029】
本実施の形態において配線函30は、内部空間を有するケース32と、ケース32の内部に位置する回路部34を含むことができる。
【0030】
図においては、ケース32が、第1及び第2ケース部(32c、32d)が備えられてこれらが分離された状態では、第1及び第2ケース部(32c、32d)によって形成された内部空間部に回路部34を入れたり抜いたりすることが可能するようにし、これらが結合された状態では、内部空間部内に回路部34が安定的に収容されるようにすることができる。第1及び第2ケース部(32c、32d)は、これらが当接する部分(一例として、フランジ部分)で、これらの間に位置する接着部分32eによって互いに接着されることができる。それでは、ケース32の内部空間部を密封して安定的に密閉が可能なようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1及び第2ケース部(32c、32d)が締結部材によって互いに固定されるか、接着部分32eと締結部材を共に使用して固定することができる。その他の様々な方法によって、第1及び第2ケース部(32c、32d)を固定することができる。
【0031】
回路部34は、端子342、バイパスダイオード344、インバータ部材346及び回路基板348の内、少なくとも一つを含むことができる。端子342は、伝導性接続材122が接続されて、太陽電池パネル10によって生成された電気エネルギーの伝達を受けることができる。バイパスダイオード344は、太陽電池12の内、一部が動作しない場合に迂回経路を提供することができる。インバータ部材346は、直流電圧を交流電圧に変換したり、一定の大きさの直流または交流電圧を異なる大きさの直流または交流電圧に変換することができる。特に、インバータ部材346は、太陽電池パネル10から生成された直流電圧を交流電圧に変換する直流−交流インバータを含むことができる。回路基板348は、配線函30の内部に位置した様々な部品、部材、または回路など(例えば、端子342、バイパスダイオード344、インバータ部材346など)が固定されるか、及び/または互に電気的に接続されるようにすることができる。
【0032】
本実施の形態においては、配線函30が、従来のジャンクションボックスの少なくとも一部と、従来のインバータ(一例として、従来のマイクロインバータ)の少なくとも一部を両方を含むように一体化することができる。一例としては、1つのケース32内に端子342、バイパスダイオード344、インバータ部材346及び回路基板348が全てが備えられることを例示した。すなわち、本実施の形態に係る配線函30は、ジャンクションボックス配線函、バイパスダイオード配線函、一体型ジャンクションボックス、インバータ一体型ジャンクションボックスなどに命名することができる。
【0033】
これにより、配線函30には、太陽電池12と外部(例えば、他の太陽電池モジュール100または電力網)との接続のための構造が一緒に備えられることができる。さらに具体的に、ケース32は、太陽電池12との接続のための伝導性接続材122が通過する第1貫通ホール32aと、配線函30によって生成された交流電圧を外部に伝達する一つの交流出力ケーブル36が通過する第2貫通ホール32bを備えることができる。これにより、配線函30の構造及び設置工程を単純化することができ、既存のジャンクションボックスとインバータを接続するための二つの直流出力ケーブルを除去して、直流ケーブルによって発生することができる損傷などを防止することができる。これにより、太陽電池モジュール100の構造を単純化し、安定性を向上することができる。
【0034】
しかし、本発明がこれに限定されるものではない。従って、本実施の形態の配線函30は、端子またはバイパスダイオードを含むジャンクションボックスの内、少なくとも一部の役割だけを行うことができ、インバータ部材を含むインバータまたはマイクロインバータの少なくとも一部の役割だけを行うこともできる。
【0035】
本実施の形態において配線函30は、接着部材40によって太陽電池パネル10上に付着及び固定されるが、このとき、太陽電池パネル10と配線函30との間に一定の厚さまたは間隔を有し、外部に開放されたエアギャップ(G)を有するように付着及び固定される。ここで、外部に開放されたエアギャップ(G)は、配線函30と太陽電池パネル10の間に位置したエアギャップ(G)が配線函30の外部と連通することを意味し、平面で見たときに配線函30と太陽電池パネル10の間これの外部に位置する空気が流入したり、配線函30と太陽電池パネル10の間に位置する空気が外部に流出することができる構造を意味する。一例として、接着部材40は、配線函30と太陽電池パネル10との間での開曲線またはオープンループ(open loop)の形態を有することができる。
【0036】
さらに具体的に、配線函30と太陽電池パネル10との間に位置する接着部材40によって外部と連通される空気流路(AP)を形成するエアギャップ(G)が形成され、エアギャップ(G)は、接着部材40の厚さに対応する厚さを有することができる。ここで、対応する厚さを有するとすることは、接着部材40と同じ厚さを有することだけでなく、接着部材40の厚さと若干の違いを有するが接着部材40によってエアギャップ(G)が形成されたと見ることができる程度の誤差を有する厚さを有する場合を含む。
【0037】
さらに具体的に、接着部材40が、互いに全体的に離隔される複数の接着部材40を含み、複数の接着部材40によって太陽電池パネル10と配線函30の間に空気が流入したり、流出される空気出入口(AE)を少なくとも2つ備える空気流路(AP)が形成されることができる。このように、少なくとも2つ備えられる空気出入口(AE)の内、少なくとも一つは、外部の空気が流れてくる流入口として機能し、他の少なくとも一つは、外部に空気が流れて出る流出口で機能することができる。この時、空気出入口(AE)が流入口と流出口の内、どのような役割をするかが決まったわけではなく、空気の流れ、周囲の環境等により、空気出入口(AE)が、ある時期には入口として作用することもあり、他の時期には、流出口で作用することもある。また、空気出入口(AE)が流入口と流出口の役割を同時に行うこともできる。
【0038】
接着部材40は、優れた接着特性によって太陽電池パネル10と配線函30を接着して安定的に固定することができる様々な物質で構成されることができる。例えば、接着部材40に接着物質で構成されるシーラントなどを使用することができ、一例として、シリコン樹脂を含むシリコン樹脂系のシーラントなどを使用することができる。本実施の形態において、接着部材40は、第1接着部材42と第2接着部材44を含むことができるが、第1接着部材42と第2接着部材44は、互いに同一の物質で構成されることもでき、互いに異なる物質で構成することもできる。例えば、第2接着部材44が、第1接着部材42より優れた防水特性を有するシーラントで構成されて、第2接着部材44が安定的に第1貫通ホール32aを密封するようにすることができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。第1及び第2接着部材(42、44)については、後でさらに詳細に説明する。
【0039】
このような接着部材40を太陽電池パネル10の後面または配線函30の前面に塗布し、力を与えて、太陽電池パネル10と配線函30を最大限に密着すれば、接着部材40を用いて、太陽電池パネル10と配線函30を固定することができる。これにより、材料コストを節減し、製造工程を単純化しながらも、接着部材40の接着特性、密封特性を向上することができる。
【0040】
このとき、太陽電池パネル10と配線函30に力を与えても接着部材40は、一定の厚さを有しながら残存するので、接着部材40の厚さに対応する間隔だけ配線函30と太陽電池パネル10が互いに離隔されるので、この部分がエアギャップ(G)を構成することになる。このとき、接着部材40の厚さ、またはエアギャップ(G)の厚さ(または高さ)は、0.1mm以上で有り得る。エアギャップ(G)の厚さが0.1mm未満であれば、エアギャップ(G)による効果が十分に実現されないことがある。エアギャップ(G)の効果をさらに考慮すると、エアギャップ(G)の厚さが0.5mm以上で有り得る。そして前述のように、エアギャップ(G)の厚さは、延長部24の高さ(
図3の参照符号H1、以下同じ)より小さいのに、一例として、10mm以下で有り得る。このとき、接着部材40の厚さが厚くなって材料コストまたは固定安定性などが低下することを考慮すると、エアギャップ(G)または接着部材40の厚さが5mm以下(一例として、3nm以下)で有り得る。しかし、本発明に限定されるものではない。
【0041】
このように接着部材40によってエアギャップ(G)を形成すれば、配線函30が、エアギャップ(G)を形成するための別途の構造(例えば、凹部/凸部など)を備えなくてもよい。これにより、太陽電池パネル10に対向する配線函30の前面が屈曲を有さない平らな面になることができる。これによれば配線函30が安定した構造を有することができ配線函30の内部に存在する回路部34を制約なく自由に配置することができる。そしてアラインメント公差などを大きく考慮せずに接着部材40を塗布することができ、製造工程を単純化することができる。仮に配線函30の前面が屈曲を有しても屈曲の高さは接着部材40またはエアギャップ(G)の厚さより小さいことがある。それでは、配線函30の屈曲がエアギャップ(G)を介して空気の流れに干渉しない。一方、従来のように配線函の前面に凹部、凸部などのような構造を形成すると、配線函の内部に位置する回路部の形状、配置などを、これを考慮して変更しなければならないし配線函と太陽電池パネルの固定のための部材などを精密にアラインしなければならない。
【0042】
このとき、空気流路(AP)の最小幅(すなわち、複数の接着部材40で互いに隣接する部分との間の幅)(w)が接着部材40の厚さ(つまり、エアギャップ(G)の厚さ(G)))より大きくなることができる。参照で、
図7においては、第1接着部材42と第2接着部材44との間で空気流路(AP)が最小幅(w)を有することを例示したが、空気流路(AP)の最小幅(w)は、さまざまな位置に形成することができる。これにより、空気流路(AP)による空気の流動が円滑に行われるようにすることができる。そして接着部材40の幅は、接着部材40の厚さより大きいことができる。これにより、接着部材40によって太陽電池パネル10と配線函30を安定的に固定することができる。そして接着部材40を用いて、太陽電池パネル10と配線函30を固定するときに、太陽電池パネル10と配線函30を互いに密着するので、接着部材40の厚さが減って接着部材40の幅が大きくなることができる。
【0043】
本実施の形態においては、 複数の接着部材40が開放された端部を有する第1接着部材42を複数で備えたり、及び/または開放された端部を有する少なくとも一つの第1接着部材42と平面的に見たときに閉鎖された空間(closed space)を有するように形成された第2接着部材44を含むことができる。これにより、複数の第1接着部材42の間及び/またはそして第1接着部材42と第2接着部材44の間が空気が流動する空気流路(AP)で作用することになる。一方、従来は、1つの接着部材が配線函の端に沿って全体的につながって内部に1つの閉鎖された空間だけを備えので、接着部材によって形成された閉鎖された空間は、外部に連通されず、互いに分離区画された状態を維持した。
【0044】
図4〜
図7においては、一例として、複数の第1接着部材42と第2接着部材44を備えたことを例示した。これにより、空気流路(AP)が複数の第1接着部材42との間、それと第1接着部材42と第2接着部材44の間に形成されて空気が複数の経路で流れ放熱特性を向上することができる。
【0045】
ここで、第2接着部材44は、内部に閉鎖された空間を備えるように一つに接続された構造を有することができる。このような第2接着部材44は、配線函30またはケース32のシールが必要な部分を囲むよう位置することができるが、一例として、本実施の形態において、第2接着部材44が第1貫通ホール32aを囲んで密封する。すなわち、第2接着部材44は、平面的に見るときに閉鎖された空間を備えることができるが、閉鎖された空間の内部に第1貫通ホール32aが位置することができる。これにより、ケース32に形成された第1貫通ホール32aによってケース32の内部に伝導性接続材122が位置するようにしながらも、第2接着部材44によってケース32の内部空間と外部空間を区画し分離することができる。これにより、第1貫通ホール32aを有するケース32を安定的に密閉させ、優れた気密特性、密封特性及び防水特性を有するようにする。また、第2接着部材44によってケース32を太陽電池パネル10に固定して固定安定性を向上することができる。
【0046】
一例として、第2接着部材44は、平面的に見るとき、円形、多角形などのような形状を有することができる。図では、第1貫通ホール32aがおおよその四角形に形成され、第2接着部材44がおおよその四角形に形成されたことを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、第2接着部材44は、第1貫通ホール32aを外部と断絶させる様々な構造、形状を有することができる。
【0047】
そして、第1接着部材42は、第2接着部材44とは異なり、内部に閉鎖された空間を備えないように形成されたすべての構造を含むことができる。第1接着部材42は、開放された端部を有する直線、曲線、アイランド(island)など、様々な形状を有することができる。このとき、第1接着部材42の端部が曲線部を有するか、ラウンドになった形状になることができる。これは、前述したように、接着部材40を塗布した後、太陽電池パネル10と配線函30を密着したので、第1接着部材42が厚さ方向に押されて、平面方向(幅方向及び/または長さ方向)に押し出されながら、第1接着部材42の端部で丸く広がって出たからである。これによれば、空気出入口と隣接する第1接着部材42の端部がとがった形状ではなく、緩やかな形状を有し空気の流れを妨害しないことができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、接着部材40の端部がこれと異なる形状を有することも可能である。
【0048】
本実施の形態において、
図7の点線の矢印で示すように、空気流路(AP)が少なくとも第1貫通ホール32aが位置する一側(
図7の上部側)と反対の他側を通るよう接着部材40が配置されることができる。配線函30の構造を単純化するために、第1貫通ホール32aを一側に位置させて回路部34(特に、回路基板348)は、他側に、さらに多く配置することができるが、回路部34から熱が多く発生することができるので、少なくとも一つの空気流路(AP)は、配線函30の他側(つまり、回路部34)を通るように配置すべき放熱特性を向上することができるからである。参照で、
図7においては、さまざまな空気流路(AP)の内、1つだけを例示として示したものであり実際には、複数の接着部材40によって、様々な空気流路(AP)が存在する。
【0049】
これにより、第1貫通ホール32aを囲む第2接着部材44が配線函30の一側(
図7の上部側)に位置し、これと離隔される第1接着部材42の内、少なくとも1つが配線函30の他側(
図7の下部側)に位置することができる。これにより、伝導性接続材122が通過される配線函30の構造を単純化しながらも、放熱特性を向上することができる。そしてこれによれば、太陽電池パネル10の縦方向で複数の接着部材40の内、少なくとも一つ(すなわち、第2接着部材44)が配線函30の一側に位置し、他の少なくとも一つ(すなわち、第1接着部材42の内、少なくとも一つ)が配線函30の他側に位置する。これにより、太陽電池パネル10の縦方向で高さの段差などが発生して配線函30の固定安定性が低下することを防止することができる。これは、太陽電池パネル10の横方向よりは、縦方向で配線函30と太陽電池パネル10の間隔に差が発生する場合に、固定安定性が低下することがあることを考慮したものである。
【0050】
図7においては、一例として、複数の第1接着部材42がそれぞれ配線函30の角付近に一つずつ位置し、第1接着部材42のそれぞれが配線函30の角の形状に対応するように折り曲げられた形状を有することを例示した。これによれば、安定的に配線函30を固定しながら、エアギャップ(G)が均一な厚さを有しながら安定的に形成されるようにすることができる。
【0051】
しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、接着部材40の形状、配置等は、様々な形状を有することができる。
図8〜
図11を参照して、様々な変形例を説明する。他の例として、
図8に示すように、第1接着部材42が他側で1つのみ配置され、短い長さに形成されることができる。それでは、一側に位置した第2接着部材44と他側に位置した第1接着部材42によりバランスを維持しながらも接着部材40の面積を最小化し、材料コストを節減することができる。また別の例として、
図9に示すように、第1接着部材42が他側から両側にそれぞれ一つずつ配置されることができる。それでは、接着部材40の形成のための材料のコストを最小化しながらも、配線函30を均衡的に固定することができる。また別の例として、
図10に示すように、第1接着部材42が他側で1つのみ配置されながら、他側端に沿って長く続く形状を有するように長く形成されることができる。これによれば、1回の塗布によって、第1接着部材42を形成しながらも、配線函30を安定的に固定することができる。また別の例として、
図11に示すように、第1貫通ホール32aを備えない場合には、第2接着部材44を備えないで複数の第1接着部材42を用いて配線函30を、太陽電池パネル10に固定しながら、エアギャップ(G)を形成することもできる。その他の様々な変形が可能である。
【0052】
前述した実施の形態においては、第1接着部材42又は第2接着部材44が全体的に均一な幅を有することを例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第1接着部材42又は第2接着部材44で幅が変わる部分または互いに異なる幅を有する複数の部分を含むことができる。このように、第1接着部材42又は第2接着部材44の幅を調節することにより、空気流路(AP)をさらに効果的に形成することができる。
【0053】
そして、図においては、第1接着部材42又は第2接着部材44が同一または類似の幅を有するものと例示した。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、第2接着部材44の幅を第1接着部材42より大きくして、第2接着部材44によって、第1貫通ホール32aを安定的に密封することができる。または、開放端部を有する第1接着部材42の幅を第1貫通ホール32aを全体的に囲む第2接着部材44より大きくして、第1接着部材42による接着力を向上しながらも空気流通路(AP)を安定的に形成することができる。
【0054】
再び
図4〜
図7を参照すると、本実施の形態においては、ケース32がフレーム20との固定のための締結部320を備えることができる。締結部320は、締結部材38によってフレーム20に結合される部分である。本実施の形態では、締結部320がケース32(例えば、第1ケース部32dまたは第2ケース部32e)の少なくとも一部を構成するようにケース32と一体に形成されることができる。それでは、締結部320を備えるケース32を形成することにより、別の工程なしに所望する構造を有するケース32を製造することができる。
【0055】
締結部320は、ケース32でフレーム20に隣接した部分(図では上端部)から延長されて、フレーム20と、少なくとも一面(特に、フレーム20の第2部分244)に接触することができる。それでは、締結部320と第2部分244に締結ホール(320a、244a)を形成し、この締結ホール(320a、244a)に締結部材38(例えば、ねじ、スクリューなど)を締結することにより、ケース32をフレーム20に固定することができる。これにより、ケース32とフレーム20を単純な構造によって強固に固定することができる。
【0056】
一例として、本実施の形態において締結部320は、フレーム20の第2部分244に締結される締結部分322を含む。そして締結部320は、締結部分322からケース32(一例として、第1ケース部32c)まで接続される延長部分324を含むことができる。延長部分324は、締結部分322から折り曲げられて、太陽電池パネル10の方向に延長される第1延長部分324aと、第1延長部分から折り曲げられて、太陽電池パネル10と平行な面を有するように延長される第2延長部分324bと、第2延長部分から折り曲げられて、太陽電池パネル10の後方に延長され、第1ケース部32cまで延長される第3延長部分324cを含むことができる。
【0057】
締結部分322は、 フレーム20の第2部分244に接触(または密着)されるように位置することができる。一例として、締結部分322が第2部分244の内部面(つまり、後面部分226または太陽電池パネル10の方向の面)に密着するように位置して延長部24の内部空間に締結部320が位置するようにすることができる。このとき、第2部分244と、第2部分244の内部面に密着される締結部分322の互いに対応する位置に締結ホール(244a、320a)が位置することになる。そして締結部分322の側縁には、第2部分244の係止溝244bを貫通する係止部320bが形成されることができる。それでは、締結部分322の係止部320bを第2部分244の係止溝244bに挟むことにより締結部320を所望する位置に合わせた後、締結部材38で締結部320と第2部分244を互いに固定することができる。本実施の形態において係止部320bは、第2部分244を通過するように、太陽電池パネル10と遠ざかる方向に突出する突出部で構成され、係止溝244bは、係止部320bが位置する部分に対応して形成された溝で構成されることができる。これによって、簡単な構造を用いて、締結部320と第2部分244の位置を容易に合わせることができる。そして係止部320bが締結部分322の両側端にそれぞれ一つずつ位置し、係止溝244bがこれに対応するように2つ位置して、アライメントの特性をさらに向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、締結部320とフレーム20の締結構造、係止部320b及び係止溝244bの構造、形状、位置、数などは多様に変形が可能である。
【0058】
第1延長部分324aは、フレーム20(さらに正確には、第1部分242)に接触(または密着)することができる。さらに具体的には、第1延長部分324Aが第1部分242の内面に互いに接触(または密着)することができる。それでは、締結部320とフレーム20がさらに強固に互いに固定されることができる。
【0059】
第2延長部分324bは、太陽電池パネル10またはフレーム20と離隔して位置することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではない。
【0060】
第1延長部分324aと第2延長部分324bに貫通孔320cが形成(一例として、連続形成)され、複数の回数で折り曲げる締結部320の加工がさらに容易に行われるようすることができる。加工容易性を向上することができるように貫通孔320cが複数個形成されることができるが、本発明がこれに限定されるものではない。また、貫通孔320cの形状、大きさ等は大きく限定されない。
【0061】
前述したように、締結部320が締結部分322の他に、第1〜第3延長部分(324a、324b、324c)を含み数回折り曲げられて形成されると、締結部320が高い強度を有する補強部材のように作用することができる。これにより、フレーム20と締結されるケース32の部分が十分な強度を有することができる。また、第1〜第3延長部分(324a、324b、324c)を備えることになると、第1〜第3延長部分(324a、324b、324c)によって一側が開口された空間が定義される。すなわち、 第1〜第3延長部分(324a、324b、324c)によってU字状の空間を形成し、内部空間の三面が 第1〜第3延長部分(324a、324b、324c)によって囲んで第3延長部分324cと締結部分322との間(すなわち、第2延長部分324bの前面に位置する空間)を開口することができる。このように、第1〜第3延長部分(324a、324b、324c)によって定義した空間は、外部(例えば、他の太陽電池モジュール100または電力網)と接続されるトランクケーブル(図示せず)が通過するかまたは固定される空間またはトランクケーブルが位置する空間を提供することができる。
【0062】
このように締結部320をフレーム20に加えて固定することにより、配線函30をさらに強固に固定することができる。このとき、接着部材40は、少なくとも締結部320が位置した一側と反対の他側に位置することができる。そすれば、固定安定性を向上することができる。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、ケース32が締結部320を備えなくて配線函30がフレーム20に加えて、固定されないことも可能である。
【0063】
本実施の形態に係れば、配線函30を、太陽電池パネル10に固定する接着部材40によって太陽電池パネル10と配線函30との間に外部に開放されたエアギャップ(G)を形成することができる。それでは、太陽電池モジュール100が動作するとき、回路部34または回路基板348等により配線函30から発生した熱が外部に開放されたエアギャップ(G)によって形成された空気流路(AP)を介して移動しながら対流冷却が行われるようにする。これにより、配線函30で発生した熱によって配線函30が位置した部分で温度が上昇することを防止することができる。これにより、配線函30が位置した部分での高い温度によって太陽電池モジュール100の出力と効率が低下することを防止することができ、太陽電池モジュール100の出力と信頼性を向上することができる。このとき、接着部材40による、簡単な構造によって、エアギャップ(G)を形成することができ、別の構造物を使用したり、配線函30に凸部、凹部などを形成する場合に比べて、設計自由度と安定性を向上することができ、製造工程を単純化し、製造コストを低減することができる。
【0064】
以下、本発明の実験例により本発明をさらに詳細に説明する。本発明の実験例は、本発明を例示するためのものだけ、本発明がこれに限定されるものではない。
【0066】
接着部材を用いて、太陽電池パネルに配線函を取り付けるが、接着部材を
図7に示すように、外部に開放されたエアギャップを有するように塗布した。
【0068】
接着部材を用いて、太陽電池パネルに配線函を取り付けするが、接着部材を配線函のすべての縁に沿って連続的に塗布して内部に閉鎖された空間を有するように塗布して外部に開放されたエアギャップを有さないようにした。
【0069】
実施例1と比較例1に係る太陽電池モジュールと配線函が位置した部分と配線函が位置しないが、配線函に隣接して位置する部分の温度差を時間の経過に沿って測定し、その結果を
図12に示す。
【0070】
図12を参照すると、 実施例1に係る太陽電池モジュールは、比較例1に係る太陽電池モジュールに比べて配線函が位置した部分と配線函が位置しない部分の温度差が非常に小さいことがわかる。このことから、実施例1に係れば、外部に開放されたエアギャップによって放熱効果を向上することができることが分かる
【0071】
前述したところに係る特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも一つの実施の形態に含み、必ずしも一つの実施の形態のみに限定されるものではない。さらに、各実施の形態において例示された特徴、構造、効果などは、実施の形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施の形態に対しても組み合わせ、または変形して実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に係る内容は、本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。