特許第6961727号(P6961727)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961727
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】関心点コピーの生成
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/906 20190101AFI20211025BHJP
   G06F 16/908 20190101ALI20211025BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20211025BHJP
【FI】
   G06F16/906
   G06F16/908
   G06Q30/02 300
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-568702(P2019-568702)
(86)(22)【出願日】2017年12月20日
(65)【公表番号】特表2020-523699(P2020-523699A)
(43)【公表日】2020年8月6日
(86)【国際出願番号】CN2017117428
(87)【国際公開番号】WO2019056628
(87)【国際公開日】20190328
【審査請求日】2019年12月13日
(31)【優先権主張番号】201710862104.7
(32)【優先日】2017年9月21日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519142480
【氏名又は名称】北京三快在線科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING SANKUAI ONLINE TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】張 華
(72)【発明者】
【氏名】丁 長林
(72)【発明者】
【氏名】陳 紅生
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2014/0074610(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
POI情報を取得することと、
第1ニューラルネットワークモデルによって、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定することと、
第2ニューラルネットワークモデルによって、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成することを含み、
前記第1ニューラルネットワークモデルによって、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定することは、
異なる形式の前記POI情報の特徴をそれぞれ決定することと、
異なる形式の前記POI情報の特徴を組み合わせて、前記POI情報の総合的な特徴を決定することと、
前記第1ニューラルネットワークモデルによって前記総合的な特徴を前記POI情報のトピックワードにマッピングすることを含むことを特徴とする関心点POIコピーの生成方法。
【請求項2】
異なる形式の前記POI情報は、テキスト形式のPOI情報及び/又は画像形式のPOI情報含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項3】
ユーザー定義のトピックワードを決定することをさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記トピックワードに基づいて、POI情報に対応するPOIコピーを生成することは、
前記POI情報により予測して取得したトピックワード及び前記ユーザー定義のトピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成することを含むことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項5】
POI情報を取得するためのPOI情報取得モジュールと、
第1ニューラルネットワークモデルによって、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定するためのトピックワード決定モジュールと、
第2ニューラルネットワークモデルによって、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成するためのコピー生成モジュールを備え
前記トピックワード決定モジュールは、
異なる形式の前記POI情報の特徴をそれぞれ決定するための局所特徴抽出ユニットと、
異なる形式の前記POI情報の特徴を組み合わせて、前記POI情報の総合的な特徴を決定するための総合的な特徴決定ユニットと、
前記第1ニューラルネットワークモデルによって前記総合的な特徴を前記POI情報のトピックワードにマッピングするためのトピックワード決定ユニットと、を含むことを特徴とする関心点POIコピー生成装置。
【請求項6】
異なる形式の前記POI情報は、テキスト形式のPOI情報及び/又は画像形式のPOI情報を含むことを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
ユーザー定義のトピックワードを決定するように構成される、ユーザー定義のトピックワード決定モジュールをさらに備え、
前記コピー生成モジュールは、前記トピックワード決定モジュールにより決定されたトピックワード、及び前記ユーザー定義のトピックワード決定モジュールにより決定されたトピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成するように構成されることを特徴とする請求項5又は6に記載の装置。
【請求項8】
メモリ、プロセッサ、及び前記メモリに記憶され、かつプロセッサで動作可能なコンピュータプログラムを含む電子デバイスであって、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するとき、請求項1〜のいずれか一項に記載のPOIコピーの生成方法を実現することを特徴とする電子デバイス。
【請求項9】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体であって、該プログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項1〜のいずれか一項に記載のPOIコピー生成方法は実施されるコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本特許出願は、2017年9月21日に提出され、出願番号が201710862104.7であり、発明の名称が「POIコピーの生成方法及び装置、電子デバイス」である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の内容の全てを参照として本願に援用する。
本願は関心点コピーの生成に関する。
【背景技術】
【0002】
POIの重要な情報を伝えるために、関心点(Point of Interest、POI)コピーを生成して表示することは、ユーザーのクリック率と購入率を向上させる効果的な手段であり、製品の表示又は取引プラットフォームで広く使用されている。ただし、POIコピーの手動書き込みはコストがかかるだけでなく、POIの数が増えると、リアルタイムのパフォーマンスも低下する。また、POIの関連説明情報からPOIコピーを自動的に抽出すると、コピーの抽出効率を向上させるが、関連説明テキストをPOIの関連説明情報からしか抽出できないため、取得したコピーのPOI表現精度が高くない場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本願の実施例は、少なくともある程度まで上記の問題の1つ以上を克服するためのPOIコピー生成方法を提供する。
【0004】
第1の態様では、本願の実施例は、POI情報を取得することと、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定することと、 前記トピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成することを含む関心点POIコピーの生成方法を提供する。
【0005】
第2の態様では、本願の実施例は、POI情報を取得するためのPOI情報取得モジュールと、POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定するためのトピックワード決定モジュールと、前記トピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成するためのコピー生成モジュールを備える、関心点POIコピーの生成装置を提供する。
【0006】
第3の態様では、本願の実施例は、メモリ、プロセッサ、及びメモリに記憶され、かつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子デバイスを提供し、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するとき、 本願の実施例に記載のPOIコピーの生成方法を実現する。
【0007】
第4の態様では、本願の実施例はコンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を提供し、該プログラムがプロセッサで実行されるとき、本願の実施例に記載のPOIコピーの生成方法を実現する。
【0008】
本願の実施例により開示されたPOIコピーの生成方法及び装置は、POI情報を取得した後、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い前記POI情報のトピックワードを決定し、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成し、取得したコピーのPOI表現能力及び表現精度を効果的に向上させることができる。前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、予測したトピックワードを生成されるコピーの入力テキストとして使用することにより、コピーの生成に使用される入力テキストのデータ範囲を効果的に狭め、コピーの生成に使用される入力テキストをより具体的にすることで、生成されたコピーの精度及び表現能力を効果的に向上させることができる。また、トピックワードを自動的に抽出することにより、コピーの生成効率を効果的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例又は従来技術の説明で使用される図面を以下に簡単に説明するが、明らかに、以下の説明における図面は、本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創造的な努力なしにこれらの図面に従って他の図面を得ることができる。
図1】本願の一実施例に係るPOIコピー生成方法のフローチャートである。
図2】本願の別の実施例に係るPOIコピー生成方法のフローチャートである。
図3】本願の一実施例に係るディープ畳み込みニューラルネットワークモデルの構造概略図である。
図4】本願の一実施例に係るPOIコピー生成装置の構造概略図である。
図5】本願の別の実施例に係るPOIコピー生成装置の構造概略図である。
図6】本願のさらに別の実施例に係るPOIコピー生成装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明確かつ完全に説明する。説明された実施例は、すべての実施例ではなく、本願の実施例の一部であることは明らかである。本願の実施例に基づいて、創造的な努力なしに当業者によって得られる他のすべての実施例は、本出願の保護範囲にある。
【0011】
図1に示すように、本願により開示されたPOIコピーの生成方法は、ステップ100〜ステップ120を含んでもよい。
【0012】
ステップ100では、POI情報を取得する。
【0013】
場合によって、POI(Point of Interest、関心点)には観光地、料理、製品などの異なる実用的な意味が与えられている。POI情報は、画像形式、テキスト形式などの様々な形式を含んでもよい。異なる形式のPOI情報は、POIの異なる次元の情報を表示してもよい。例えば、画像形式のPOI情報を使用して、最初の画像などのPOIの画像を表示してもよい。テキスト形式のPOI情報を使用して、POIの名称、説明、コメントなどの情報を表示してもよい。
【0014】
POI情報は、コピーを生成するためのソースデータである。料理コピーの生成を例にとると、コピーを生成するために取得されたソースデータは、この料理の画像、名称、味及び食材の説明、ユーザーのコメントなどの情報を含んでもよい。
【0015】
ステップ110では、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定する。
【0016】
まず、バッグオブワーズモデルによってテキスト形式のPOI情報を実数ベクトルとして識別し、テキスト形式のPOI情報の特徴を抽出し、特徴抽出方法によって画像形式のPOI情報の特徴を抽出し、次に、異なる形式のPOI情報の特徴を統合して、POI情報の総合的な特徴表現を取得し、最後に、SVM分類モデルなどの事前にトレーニングされたニューラルネットワークモデルを用いて、取得したPOI情報の総合的な特徴に対応するトピックワードを該POIのトピックワードとして決定する。
【0017】
本願の実施例では、ニューラルネットワークモデルを事前にトレーニングし、最初の画像、名称、コメント、説明などの任意の1つ以上のPOI情報を前記ニューラルネットワークモデルに入力し、前記ニューラルネットワークモデルを介して前記POI情報に対し、特徴抽出及びトピックワードの決定を行い、トピック傾向予測を完了して前記POI情報のトピックワードを出力する。
【0018】
ステップ120では、前記トピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成する。
【0019】
機械翻訳のような方法を使用して、前記トピックワードに基づいて前記POI情報のコピーを生成してもよい。コーディング−デコーディングに基づくディープニューラルネットワークモデルなどのディープニューラルネットワークモデルを、ディープラーニング方法によって事前にトレーニングしてもよい。前記コーディング−デコーディングに基づくディープニューラルネットワークモデルを使用して、ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルにより出力されたトピックワードを入力として、前記ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルのPOI情報に対応するコピーを生成して入力する。
【0020】
アテンションメカニズムに基づくseq2seq(sequence to sequence)ディープニューラルネットワークモデルなどのコーディング−デコーディングベースのニューラルネットワークモデルを使用してもよい。モデルトレーニングを行うとき、出現する可能性のあるトピックワードシーケンスを入力として、対応するコピーを出力として、seq2seqディープニューラルネットワークモデルをトレーニングする。例えば、コーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルをトレーニングするためのトレーニングデータの形式は[input:トピックワードシーケンス;output:コピー]であってもよい。ここで、トピックワードはテキストであってもよい。
【0021】
seq2seqディープニューラルネットワークモデルは、機械翻訳と自然言語処理の分野で大きな進歩を遂げた。ベイズ定理による条件付き確率の公式に基づいて、seq2seqはエンコーダ及びデコーダからなり、エンコーダはソースシーケンスAを固定長の特徴ベクトルにコーディングしてもよく、このベクトルを入力としてデコーダに伝送して目標シーケンスBを取得する。使用されるアテンションメカニズムは主に2種類あり、1つはBahdanauにより提案された加算アテンションメカニズムであり、他の1つはLuongにより提案された乗算アテンションメカニズムである。アテンションメカニズムに基づくseq2seqモデルの特徴は、コーディング側で双方向巡回ニューラルネットワーク(又はその変形)を用いて入力シーケンスに対してコーディング表現を行い、コンテキスト全体に対してモデリング表現をよりよく行うことができ、アテンションメカニズムを導入して、目標シーケンスにおけるワードと入力シーケンスにおけるワードとのアライメント情報をよく利用することができる。モデルは時系列に依存する性質があるため(つまり、後続の出力が前のすべての入力に関連する)、時系列の逆伝播アルゴリズムを使用してモデルを学習することができる。seq2seqディープニューラルネットワークモデルをトレーニングする特定の実施形態については、当業者によく知られている関連技術を参照することができ、ここでは繰り返して説明しない。
【0022】
POI情報のトピックワードを決定した後、前記トピックワードをテキストシーケンスに組み合わせてコーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルに入力して、前記コーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルから対応するコピーを出力する。
【0023】
本願の実施例により開示されたPOIコピー生成方法は、コピーの生成に使用されるPOI情報を取得した後、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行うことにより、前記POI情報のトピックワードを決定し、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成し、取得したコピーのPOI表現能力及び表現精度を効果的に向上させることができる。また、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行うことによりトピックワードを取得し、トピックワードをコピーの生成に使用される入力テキストとして、コピーの生成に使用される入力テキストのデータ範囲を効果的に狭め、生成されたコピーの精度及び表現能力を向上させることができる。さらに、トピックワードを自動的に抽出することにより、コピーの生成効率を効果的に向上させることができる。
【0024】
図2に示すように、本願の別の具体的な実施例で開示されたPOIコピーの生成方法は、ステップ200からステップ230を含んでもよい。
【0025】
ステップ200では、コピーの生成に使用されるPOI情報を取得する。
【0026】
コピーの生成に使用されるPOI情報を取得する特定の実施形態については、上記を参照することができ、ここでは、繰り返して説明しない。
【0027】
コピーの生成に使用されるPOI情報を取得した後、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定する。次に、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成する。異なるニューラルネットワークモデルを使用して、それぞれトピックワードの抽出及びコピーの生成を行ってもよい。例えば、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定することは、第1ニューラルネットワークモデルによって、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定することを含んでもよい。前記トピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成することは、第2ニューラルネットワークモデルによって、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成することを含んでもよい。
【0028】
ステップ210では、第1ニューラルネットワークモデルによって、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定する。
【0029】
本願の実施例では、まず、第1ニューラルネットワークモデルをトレーニングしてもよい。
【0030】
POIの2つのトピック、例えば、終日営業か否か、環境が美しいか否かを同時に判断する場合、どのトピックについても、是と否を判断する二項分類問題である。「終日営業か否か」を例にとると、終日であるか又は非終日である。POIについての複数のトピックを決定する必要がある場合、複数の二項分類問題に対処する必要がある。したがって、1つのモデルで複数の二項分類問題を同時に解決し、POIの様々なトピックを同時に予測することには、多目的分類問題を解決できる多目的分類モデルを使用する必要がある。本願の実施例では、トピック傾向予測を行うための第1ニューラルネットワークモデルは、ディープ畳み込みニューラルネットワークに基づく多目的分類モデルであってもよい。
【0031】
POI情報を入力として、前記POI情報に対応するトピックワードシーケンスを出力として、前記入力及び出力からなるトレーニングデータに基づいて、畳み込みニューラルネットワークに基づく多目的分類モデルをトレーニングすることができる。トレーニングデータの形式は[input:画像、テキストシーケンス;output:トピックワードシーケンス]であってもよい。POI情報は画像及びテキストシーケンスを含んでもよい。トレーニングデータを用いてディープ畳み込みニューラルネットワークモデルをトレーニングするとき、逆伝播アルゴリズムを用いてもよい。
【0032】
前記ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルは少なくとも1つのデータ処理チャンネル、例えば、テキスト処理チャンネル又は画像処理チャンネルを含んでもよい。図3に示すように、前記データ処理チャンネルは、テキスト処理チャンネル310及び画像処理チャンネル320を含んでもよい。各データ処理チャンネルは、異なる形式のPOI情報を処理するための独立した畳み込みモジュールである。例えば、テキスト処理チャンネル310は、名称、説明、コメントなどのテキスト形式のPOI情報を処理する。画像処理チャンネル320は、POIの最初の画像などの画像形式のPOI情報を処理する。2つのデータ処理チャンネルはそれぞれトレーニングしてもよく、例えば、入力された画像部分を用いて画像処理チャンネル320をトレーニングし、入力されたテキストシーケンス部分を用いてテキスト処理チャンネル310をトレーニングする。当業者に周知のディープ畳み込みニューラルネットワークモデルトレーニング方法を参照して、ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルをトレーニングしてもよく、ここでは、繰り返して説明しない。
【0033】
あるPOIのコピーを抽出する場合、該POIのPOI情報、例えば、最初の画像、名称、コメント、説明などのいずれか一項又は複数項を前記ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルの入力として、例えば、[input:画像,テキストシーケンス]の形式で前記ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルに入力し、前記ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルによって前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報に対応する少なくとも1つのトピックワードを出力する。
【0034】
第1ニューラルネットワークモデルによって、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定することは、異なる形式のPOI情報の特徴をそれぞれ決定することと、前記異なる形式のPOI情報の特徴を組み合わせて、前記POI情報の総合的な特徴を決定することと、前記第1ニューラルネットワークモデルによって、前記総合的な特徴を前記POI情報のトピックワードにマッピングすることを含んでもよい。前記異なる形式のPOI情報は、テキスト形式のPOI情報及び/又は画像形式のPOI情報を含んでもよい。
【0035】
例えば、ディープ畳み込みニューラルネットワークモデル(即ち、第1ニューラルネットワークモデル)における各データ処理チャンネルによって、対応する形式のPOI情報に対してトピック傾向予測を行い、様々な形式のPOI情報の特徴をそれぞれ抽出する。料理の画像、名称、説明などの料理のPOI情報を例にとると、ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルは、料理の画像を画像処理チャンネルに割り当てて処理させ、料理の名称、説明テキストをテキスト処理チャンネルに割り当てて処理させる。
【0036】
画像処理チャンネルは、vgg16畳み込みニューラルネットワーク及びImageNetデータセットを用いて事前にトレーニングされたモデルなどの、2次元畳み込み及び最大プーリング(Maximum Pooling)により交互に積み重ねられたネットワーク構造を用いてもよい。画像処理チャンネルは入力された料理の画像を処理した後、実数ベクトルV1を取得して、入力された料理画像の特徴、即ち、画像形式のPOI情報の特徴を示す。畳み込みニューラルネットワークにおいて、畳み込み層の役割は、局所領域の特徴を抽出することであり、各フィルターが特徴抽出器に相当する。複数の特徴を抽出する必要がある場合、複数のフィルター(畳み込みカーネルとも呼ばれる)を同時に使用することができる。各特徴抽出器により抽出して得られた出力、即ち、ベクトル、行列、テンソルなどは、特徴マップと呼ばれる。さらに、同じフィルターは、入力データ全体に対して同じ重みセットを使用してもよく、これが畳み込み層のもう1つの重要な特性「重み共有」である。該特性により、モデルの接続数を大幅に削減できる。畳み込み層は接続の数を大幅に削減できるが、畳み込み操作後に取得された各特徴マップのニューロンの数は大幅に削減されていない。したがって、後ろに分類器が接続されると、分類器の入力次元が依然として高く、過剰適合が発生しやすい。この問題を解決するために、本願のディープ畳み込みニューラルネットワークモデルは、畳み込み層の後に、プーリング操作、即ち、サブサンプリングを追加して、サブサンプリング層を形成する。サブサンプリング層は、特徴の次元を大幅に削減できるため、過剰適合を回避することができる。
【0037】
テキスト処理チャンネルは、1次元畳み込み層に最大プーリング(Maximum Pooling)ネットワーク構造を追加して、入力された料理の名称、説明テキストを処理した後、入力された料理の名称、説明テキストの特徴、即ち、テキスト形式のPOI情報の特徴を表す別の実数ベクトルV2を取得する。
【0038】
次に、各形式のPOI情報の特徴を組み合わせて、前記POI情報の総合的な特徴を決定する。画像処理チャンネルで取得した画像特徴V1を3次元特徴ベクトル[1、2、3]とし、テキスト処理チャンネルで取得したテキスト特徴V2を2次元特徴ベクトル[4、5]として例を挙げると、画像形式のPOI情報の特徴[1、2、3]とテキスト形式のPOI情報の特徴[4、5]を組み合わせて、前記POI情報の総合的な特徴[1、2、3、4、5]を取得することができる。
【0039】
最後に、ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルの全結合層によって、前記総合的な特徴を前記POI情報のトピックワードにマッピングする。図3に示すように、前記ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルは、畳み込み層311、321及びプーリング層312、322の後に全結合層330がある。前記ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルは、ディープ畳み込みニューラルネットワークに基づく多目的分類器を含んでもよい。全結合層(fully connected layers、FC)は、畳み込みニューラルネットワークにおいて「分類器」の役割を果たす。畳み込み層、プーリング層の操作は、ソースデータを隠れ層の特徴空間にマッピングし、一方、全結合層は、隠れ層の特徴空間の「分散特徴」をサンプルマーク空間、即ち、出力空間にマッピングする。
【0040】
全結合層330は入力されたPOI情報の総合的な特徴に基づいて、POI情報のトピックワードリストを予測することができる。全結合層は多目的分類器を実装するため、該層の各ノードも独立した二項分類器であり、sigmoidで活性化することができ、異なるノード間で互いに独立している。したがって、ネットワーク全体の最終損失関数は、sigmoidベースのクロスエントロピーを使用することができる。これに基づいて、逆伝播アルゴリズムを使用してネットワーク全体をトレーニングすることができる。全結合層は、POI情報の総合的な特徴に基づいて、POI情報に対応するトピックワードリストを予測することができる。例えば、特徴[1、2、3、4、5]に基づいて、前記料理のPOI情報のトピックワードリストを予測する。
【0041】
各POI情報は複数のトピックワードに対応してもよく、複数のトピックワードがトピックワードシーケンスの形式で出力されてもよい。
【0042】
ステップ220では、第2ニューラルネットワークモデルによって、前記トピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成する。
【0043】
前記第2ニューラルネットワークモデルは、コーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルであってもよい。
【0044】
前記トピックワードに基づいてPOI情報に対応するPOIコピーを生成することは、上記説明を参照することができ、ここでは、繰り返して説明しない。
【0045】
必要に応じて、図2に示すように、第2ニューラルネットワークモデルによって、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成するステップ220の前に、前記方法は、ユーザー定義のトピックワードを決定するステップ230を含んでもよい。
【0046】
ユーザー情報を分析した後、ユーザーの興味や好みなどに関連するトピックワードを、ユーザー定義のトピックワードとして抽出することができる。または、実際の必要に応じて、人為的に記述したトピックワードをユーザー定義のトピックワードとする。
【0047】
システムにユーザー定義のトピックワードを入力した場合、前記トピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成することは、前記POI情報に基づいて予測して得られたトピックワード、及び前記ユーザー定義のトピックワードに基づいて、POI情報に対応するPOIコピーを生成することを含んでもよい。言い換えれば、第1ニューラルネットワークモデルによって予測したトピックワード、及びユーザー定義のトピックワードを第2ニューラルネットワークモデルに同時に入力して、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成する。例えば、ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルによる前記POI情報のトピック傾向予測によって決定されたトピックワードが「クリーンな環境、味が辛い」であり、ユーザー定義のトピックワードが「味が辛い」であると仮定する場合、ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルによるPOI情報のトピック傾向予測によって決定されたトピックワードと、ユーザー定義のトピックワードとを組み合わせて、「クリーンな環境、味が辛い」と「味が辛い」とを取得して、それらをコーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルの入力とし、コピーを生成する。このようにして、味のトピックが強化され、最終的なコピーはユーザーの好みに沿ったものになる。
【0048】
本願の実施例により開示されたPOIコピー生成方法によれば、POI情報を取得した後、第1ニューラルネットワークモデルによって前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定し、ユーザー定義のトピックワードを組み合わせて、前記POI情報の所属のPOIのコピーを生成し、得られたコピーのPOIの表現能力及び表現精度を効果的に向上させることができる。
【0049】
さらに、ユーザーのニーズに応じてトピックワードを柔軟に補足することにより、コピーの生成に使用されるトピックワードをユーザーの好みにより一致させることができ、POIのクリック率をさらに増加させる。ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルに複数のデータ処理チャンネルを設定して、各データ処理チャンネルを独立した個別の畳み込みモジュールに対応させることにより、様々な形式のPOI情報を処理可能であり、生成されたコピーの精度及び表現力をさらに向上させた。
【0050】
各POIのトピックワードシーケンスは、最終的なコピーの生成を支配するように、コーディングーデコーディングベースのニューラルネットワークの入力として直接使用してもよく、生成されたコピーに直感的なソースの説明を提供することもできる。また、コーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルによる最終出力コピーのスタイルを移行する必要がある場合、コーディングーデコーディングベースのニューラルネットワークモデルを再びトレーニングするだけで済む。これにより、コピースタイルの移行を簡単にし、必要に応じて複数のスタイルを柔軟に切り替えることができる。
【0051】
図4に示すように、本願の一実施例により開示されたPOIコピー生成装置は、POI情報を取得するためのPOI情報取得モジュール410と、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定するためのトピックワード決定モジュール420と、前記トピックワードに基づいて、POI情報に対応するPOIコピーを生成するためのコピー生成モジュール430とを備えてもよい。
【0052】
前記トピックワード決定モジュール420はさらに、第1ニューラルネットワークモデルによって前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定するように使用されてもよい。前記第1ニューラルネットワークモデルは、ディープ畳み込みニューラルネットワークに基づく多目的分類器のようなディープ畳み込みニューラルネットワークモデルであってもよい。また、前記第1ニューラルネットワークモデルは、テキスト処理チャンネル及び/又は画像処理チャンネルのような複数のデータ処理チャンネルを含んでもよい。前記テキスト処理チャンネルは、1次元畳み込み層に最大プーリング層を加えたネットワーク構造を採用してもよい。 前記画像処理チャンネルは、2次元畳み込み層と最大プーリング層により交互に積み重ねられるネットワーク構造を採用してもよい。
【0053】
前記コピー生成モジュール430はさらに、第2ニューラルネットワークモデルによって、前記トピックワードに基づいて前記POI情報に対応するPOIコピーを生成するように使用されてもよい。前記第2ニューラルネットワークモデルは、コーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルであってもよい。
【0054】
図5に示すように、前記トピックワード決定モジュール420は、異なる形式のPOI情報の特徴をそれぞれ決定するための局所特徴抽出ユニット4201と、前記異なる形式のPOI情報の特徴を組み合わせて、前記POI情報の総合的な特徴を決定するための総合的な特徴決定ユニット4202と、前記第1ニューラルネットワークモデルによって、前記総合的な特徴を前記POI情報のトピックワードにマッピングするためのトピックワード決定ユニット4203とを含んでもよい。前記異なる形式のPOI情報は、テキスト形式のPOI情報及び/又は画像形式のPOI情報を含んでもよい。
【0055】
本願の実施例により開示されたPOIコピー生成装置は、POI情報を取得した後、前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、前記POI情報のトピックワードを決定し、前記トピックワードに基づいて、POI情報に対応するPOIコピーを生成し、取得したコピーのPOI表現能力及び精度を効果的に向上させることができる。前記POI情報に対してトピック傾向予測を行い、トピックワードを取得し、トピックワードをコピーの生成に使用される入力テキストとして使用することにより、コピーの生成に使用される入力テキストのデータ範囲を効果的に狭め、コピーの生成に使用される入力テキストをより具体的にし、生成されたコピーの精度及び表現能力を向上させることができる。また、トピックワードを自動的に抽出することにより、コピーの生成効率を効果的に向上させることができる。
【0056】
ディープ畳み込みニューラルネットワークモデルに複数のデータ処理チャンネルを配置して、各データ処理チャンネルを独立した個別の畳み込みモジュールに対応させることにより、様々な形式のPOI情報を処理可能であり、これにより、生成されたコピーの精度及び表現力をさらに向上させることができる。
【0057】
予測した各POIのトピックワードシーケンスは、最終的なコピーの生成を支配するように、コーディング−デコーディングベースのニューラルネットワークの入力として直接使用してもよく、生成されたコピーに直感的なソースの説明を提供することもできる。また、コーディング−デコーディングベースのディープニューラルネットワークモデルによる最終出力コピーのスタイルを移行する必要がある場合、コーディングーデコーディングベースのニューラルネットワークモデルを再びトレーニングするだけで済む。これにより、コピースタイルの移行を簡単にし、必要に応じて複数のスタイルを柔軟に切り替えることができる。
【0058】
図6に示すように、図5に示すPOIコピー生成装置に基づいて、本願の別の実施例により開示されたPOIコピー生成装置は、ユーザー定義のトピックワードを決定するためのユーザー定義のトピックワード決定モジュール440をさらに備えてもよい。この場合、前記コピー生成モジュール430は、前記トピックワード決定モジュール420によって決定されたトピックワード、及び前記ユーザー定義のトピックワード決定モジュール440によって決定されたトピックワードに基づいて、前記POI情報に対応するPOIコピーを生成するようにさらに使用されてもよい。
【0059】
本願の実施例により開示されたPOIコピー生成装置は、ユーザーのニーズに応じてトピックワードを柔軟に補完することにより、コピーの生成に使用されるトピックワードをユーザーの好みにより合致させることができ、POIのクリック率をさらに向上させることができる。
【0060】
同様に、本願は、メモリ、プロセッサ、及び前記メモリに記憶され、かつプロセッサで実行可能なコンピュータプログラムを含む電子デバイスをさらに開示する。 ここで、前記プロセッサによって前記コンピュータプログラムを実行することにより、前記POIコピー生成方法を実施することができる。前記電子デバイスは、モバイル端末、スマートフォン、ナビゲーター、パーソナルデジタルアシスタント、タブレットなどであってもよい。
【0061】
本願は、コンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体をさらに開示する。ここで、該プログラムがプロセッサによって実行されるとき、上記のPOIコピー生成方法のステップを実施することができる。
【0062】
本明細書の各実施例は漸進的に説明されており、各実施例は他の実施例との違いに焦点を合わせており、各実施例間の同一又は類似の部分は相互に参照するだけでよい。装置の実施例については、方法の実施例と基本的に同様であるため、説明は比較的単純であり、関連する部分は方法の実施例の説明を参照するだけでよい。
【0063】
以上、本願によって提供されたPOIコピー生成方法及び装置を詳細に説明し、本明細書では具体的な例を用いて、本願の原理及び実施形態を説明したが、上記実施例の説明は、本願の方法及びその核となる概念を理解するように助けることのみを目的としており、当業者にとって、本願の趣旨によれば、具体的な実施形態及び適用範囲において変更することができ、したがって、本明細書の内容は本願を制限するものとして解釈されるべきではない。
【0064】
以上の実施形態の説明を通じて、当業者は、様々な実施形態がソフトウェアに必要な一般的なハードウェアプラットフォームを加えて実現されてもよく、当然ながら、ハードウェアによって実現することができることを明確に理解できる。そのような理解に基づいて、上記の技術的解決手段は、本質的にソフトウェア製品の形で、又は先行技術に貢献する部分がソフトウェア製品の形で具体化することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、ROM / RAM、磁気ディスク、光ディスクなどのコンピュータ可読記憶媒体に記憶可能であり、一台のコンピュータデバイス(パーソナルコンピュータ、サーバー、又はネットワークデバイスなどであってもよい)に、様々な実施例又は実施例の一部で説明されている方法を実行させるための複数の命令を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6