特許第6961752号(P6961752)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961752駆動装置のハウジング、駆動装置、カメラ装置及び電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961752
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】駆動装置のハウジング、駆動装置、カメラ装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/04 20210101AFI20211025BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20211025BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20211025BHJP
【FI】
   G02B7/04 E
   G02B7/02 Z
   G03B17/02
【請求項の数】13
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2020-85704(P2020-85704)
(22)【出願日】2020年5月15日
(65)【公開番号】特開2020-190725(P2020-190725A)
(43)【公開日】2020年11月26日
【審査請求日】2020年5月15日
(31)【優先権主張番号】201910214390.5
(32)【優先日】2019年3月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】316006783
【氏名又は名称】新思考電機有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】趙 露
(72)【発明者】
【氏名】周 聚鶴
【審査官】 越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2016−0021562(KR,A)
【文献】 特開2008−058659(JP,A)
【文献】 韓国特許第10−2016−0021562(KR,B1)
【文献】 特開2018−072449(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101315456(CN,A)
【文献】 中国実用新案第207992539(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/04
G02B 7/02
G03B 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導磁材料により作られ、軸方向を有し、外形が多角形になっており、外周側壁及び前記外周側壁の前側に連結するハウジング頂壁を備え、前記ハウジング頂壁には、光を通すための開口部が形成されている駆動装置のハウジングであって、
各々のコーナー部に少なくとも一つの階段部をさらに備え、
前記階段部は、
前記軸方向の交差方向に沿って延伸した階段平壁、及び
前記階段平壁から前側又は後側に延伸した階段立壁を備え、
前記階段部は、第1階段部及び第2階段部を備え、
前記第1階段部は、前記ハウジング頂壁の外周側から後側に延伸した第1階段立壁、及び前記第1階段立壁の後側から前記軸方向の交差方向に沿って延伸した第1階段平壁を備え、
前記第2階段部は、前記第1階段平壁から後側に延伸した第2階段立壁、及び前記第2階段立壁の後側から前記軸方向の交差方向に沿って延伸した第2階段平壁を備えており、
前記第2階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面により磁石取付部が形成される
ことを特徴とする駆動装置のハウジング。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記各々のコーナー部において第1階段部及び角エッジ部を備え、
前記第1階段部は、前記ハウジング頂壁の外周側から後側に延伸した第1階段立壁、及び前記第1階段立壁の後側から前記軸方向の交差方向に沿って延伸した第1階段平壁を備え、
前記角エッジ部は、前記第1階段平壁を頂壁とし、前記第1階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面により磁石取付部が形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置のハウジング。
【請求項3】
前記第2階段立壁は、前記ハウジングの後側に延伸される
ことを特徴とする請求項に記載の駆動装置のハウジング。
【請求項4】
前記ハウジングは、前記各々のコーナー部において角エッジ部を備え、
前記角エッジ部は前記第2階段平壁を頂壁とする、
ことを特徴とする請求項に記載の駆動装置のハウジング。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記各々のコーナー部において内周側壁を更に備え、
前記内周側壁は、前記ハウジング頂壁の内周側から後側に延伸し、前記内周側壁と前記磁石取付部を形成する前記階段立壁は、前記軸方向に直交する方向において互いに対向する
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の駆動装置のハウジング。
【請求項6】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の駆動装置のハウジングと、
前記磁石取付部に設けられる磁石と、
前記ハウジング内に設けられるレンズ支持体と、
前記レンズ支持体の前側と後側の少なくとも一つの側において前記レンズ支持体を支持する弾性片と、
前記レンズ支持体の外周側に設けられるコイルと、
前記ハウジングの後側においてそのハウジングを支持するベースと、を備え、
前記磁石は、前記磁石取付部における前記階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面にそれぞれ密着する側面を有する
ことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
前記磁石は、台形を呈し、磁石外周側壁、磁石内周側壁及び前記磁石外周側壁と前記磁石内周側壁を連結する二つの磁石斜め側壁を有し、
前記磁石外周側壁を前記台形の上底とし、前記磁石内周側壁を前記台形の下底とし、二つの前記磁石斜め側壁を前記台形の斜辺とし、
前記磁石外周側壁、二つの前記磁石斜め側壁は、前記磁石取付部における前記階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面にそれぞれ密着し、
前記磁石内周側壁は、前記ハウジングが囲む空洞の内部に向かって設けられる
ことを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ハウジングは、外形が矩形を呈する
ことを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記磁石の前記磁石内周側壁、及び前記ハウジング頂壁の内周側から後側に延伸して前記磁石内周側壁に対向する内周側壁は、それぞれ弧状面をなしている
ことを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記階段平壁の後側面は、前記磁石の前側の位置決め面として設けられる
ことを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記階段平壁に、前記レンズ支持体を支えるための前側弾性片が設けられる
ことを特徴とする請求項に記載の駆動装置。
【請求項12】
請求項6乃至11のいずれか一項に記載の駆動装置を備えたことを特徴とするカメラ装置。
【請求項13】
請求項12に記載のカメラ装置を備えたことを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置のハウジング、駆動装置、カメラ装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器におけるカメラ装置は、駆動装置に設けられたコイルに通電すると発生する磁場と、磁石が発生する磁場との相互作用によって、レンズを電子機器内で移動できるように駆動させて、合焦を実現している。
【0003】
例えば、特許文献1には、略直方体状のハウジングを備えて、当該ハウジングの四つの角部に三角柱形状の磁石が設けられたカメラのレンズ駆動装置が記載されている。
【0004】
また、図1には、従来における他のレンズ駆動装置のハウジング9が示され、ハウジング9は直方体形状を呈している。ハウジング9の四つの角部91には、ハウジングの前面90から下に凹んだ階段92が設けられ、磁石はハウジング9内の角部91にそれぞれ吸着されて、階段92の底面920により位置決めが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国公開特許第CN101315456A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の駆動装置では、ハウジングの角部に設けられた磁石は、ハウジングの形状に合わせて三角柱形状に作られるので、占用スペースが大きい。それで、レンズ駆動装置の外形スペースの大きさを小さくするために磁石のサイズを小さくすると、減磁が生じやすい。
【0007】
以上に鑑みて、本発明の目的は、駆動装置の性能に影響を与えないことを前提に、磁石の使用量を削減することができる駆動装置のハウジング、駆動装置、カメラ装置、及び電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明による駆動装置のハウジングは、導磁材料により作られ、軸方向を有し、外形が多角形になっており、外周側壁及び前記外周側壁の前側に連結するハウジング頂壁を備え、前記ハウジング頂壁には、光を通すための開口部が形成されている駆動装置のハウジングであって、前記ハウジングは各々のコーナー部に少なくとも一つの階段部をさらに備え、前記階段部は、前記軸方向の交差方向に沿って延伸した階段平壁、及び前記階段平壁から前側又は後側に延伸した階段立壁を備え、前記階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面により磁石取付部が形成される。
【0009】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記ハウジングは、前記各々のコーナー部において第1階段部及び第2階段部を備え、前記第1階段部は、前記ハウジング頂壁の外周側から後側に延伸した第1階段立壁、及び前記第1階段立壁の後側から前記軸方向の交差方向に沿って延伸した第1階段平壁を備え、前記第2階段部は、前記第1階段平壁から後側に延伸した第2階段立壁、及び前記第2階段立壁の後側から前記軸方向の交差方向に沿って延伸した第2階段平壁を備えており、前記第2階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面により磁石取付部が形成される。
【0010】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記ハウジングは、前記各々のコーナー部において第1階段部及び角エッジ部を備え、前記第1階段部は、前記ハウジング頂壁の外周側から後側に延伸した第1階段立壁、及び前記第1階段立壁の後側から前記軸方向の交差方向に沿って延伸した第1階段平壁を備え、前記角エッジ部は、前記第1階段平壁を頂壁とし、前記第1階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面により磁石取付部が形成される。
【0011】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記第2階段立壁は、前記ハウジングの後側に延伸されている。
【0012】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記ハウジングは、前記各々のコーナー部において角エッジ部を備え、前記角エッジ部は前記第2階段平壁を頂壁とする。
【0013】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記ハウジングは、前記各々のコーナー部において内周側壁を更に備え、前記内周側壁は、前記ハウジング頂壁の内周側から後側に延伸し、前記内周側壁と前記磁石取付部を形成する前記階段立壁は、前記軸方向に直交する方向において互いに対向する。
【0014】
また、上記の目的を達成するために、本発明による駆動装置は、上述したハウジングと、前記磁石取付部に設けられる磁石と、前記ハウジング内に設けられるレンズ支持体と、前記レンズ支持体の前側と後側の少なくとも一つの側において前記レンズ支持体を支持する弾性片と、前記レンズ支持体の外周側に設けられるコイルと、前記ハウジングの後側においてそのハウジングを支持するベースと、を備え、前記磁石は、前記磁石取付部における前記階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面にそれぞれ密着する側面を有する。
【0015】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記磁石は、台形を呈し、磁石外周側壁、磁石内周側壁及び前記磁石外周側壁と前記磁石内周側壁を連結する二つの磁石斜め側壁を有し、前記磁石外周側壁を前記台形の上底とし、前記磁石内周側壁を前記台形の下底とし、二つの前記磁石斜め側壁を前記台形の斜辺とし、前記磁石外周側壁、二つの前記磁石斜め側壁は、前記磁石取付部における前記階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する前記外周側壁の内周壁面にそれぞれ密着し、前記磁石内周側壁は、前記ハウジングが囲む空洞の内部に向かって設けられている。
【0016】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記ハウジングは、外形が矩形を呈する。
【0017】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記磁石の前記磁石内周側壁、及び前記ハウジング頂壁の内周側から後側に延伸して前記磁石内周側壁に対向する内周側壁は、それぞれ弧状面をなしている。
【0018】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記階段平壁の後側面は、前記磁石の前側の位置決め面として設けられている。
【0019】
好ましくは、本発明の実施形態において、前記階段平壁において、前記レンズ支持体を支えるための前側弾性片が設けられている。
【0020】
また、上記の目的を達成するために、本発明によるカメラ装置は、上述した駆動装置を備える。
【0021】
さらに、上記の目的を達成するために、本発明による電子機器は、上述したカメラ装置を備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、駆動装置のハウジングのコーナー部において磁石とハウジングの接触面を増大することで磁場損失を減少し、導磁作用を増やすことができる。同じアンペル力を発生する場合、即ち、駆動装置の性能に影響を与えない状態において、従来の駆動装置に比べ、例えば磁石の厚さを減少するなど、磁石のサイズを減少することによって磁石の使用量の削減ができて、材料を節約してコストダウンし、コイル内の通電電流の強さを減少することができる。これにより、エネルギーが節約できて発熱を低減することができる。コイルへの通電電流が同じく、磁石の大きさが同じである条件下で、従来の駆動装置に比べ、本発明の駆動装置はより大きいアンペル力を発生することができ、これにより、コイルに対しより大きい推力を発生することができる。コイルによりレンズ支持体及びレンズを駆動して直線移動させるとき、より大重量のレンズを駆動することができ、ユーザーの高解像度レンズへの需要を満足させることができる。そして、第1階段部及び第2階段部を設置したので、ハウジングの角部スペースの大きさが更に減少できて、電子機器の小型化要求を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の上記の特徴及びその他の特徴、性質及び利点は、以下の図面及び実施例に基づく説明からより明らかになるであろう。
図1】従来の駆動装置におけるハウジングの斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による駆動装置の分解模式図である。
図3】本発明の一実施形態による駆動装置のハウジングの斜視図である。
図4】本発明の一実施形態による駆動装置の上面図である。
図5図4におけるA−A方向の断面図である。
図6】ハウジングの他の実施形態の斜視図である。
図7】ハウジングの更に他の実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下には、上記主題の技術案を実施する複数の異なる実施形態又は実施例を開示している。なお、開示内容を簡略化するために、各構成要素及び配列の具体的な実施例を以下に説明しているが、これらは例に過ぎず、本発明の保護範囲について限定するものではないことは言うまでもない。例えば、明細書では後述する第1特徴が第2特徴の上方又は上面に形成され、第1及び第2特徴が直接関連する方式で形成された実施形態を含んでもよく、第1及び第2特徴の間に付加的特徴を形成する実施形態を含んで、第1及び第2特徴の間が直接関連しなくもよい。また、これらの開示内容では、異なる例において図面の符号及び/又は文字を繰り返す可能性がある。この繰り返しは、簡潔さと明瞭さのためであり、それ自体は議論される様々な実施形態及び/又は構造間の関係を表すものではない。さらに、第1構成要素が第2構成要素と関連して、又は組み合わせて説明される場合、この説明には、第1及び第2構成要素同士が直接関連し、又は組み合わされる実施形態が含まれ、1つ又は複数の他の介在要素の追加により第1及び第2構成要素同士が間接的に関連し、又は組み合わされることを含んでもよい。
【0025】
なお、使用する場合、以下の説明で上、下、左、右、前、後、頂、底、正、反、時計回り及び反時計回りは便宜上使用されることであり、特定の固定方向を意味するものではないことに注意すべきである。実際、これらは対象の各部分間の相対的な位置及び/又は方向を反映するために使用される。
【0026】
本実施形態の駆動装置はカメラ装置に設けられ、レンズをその光軸に沿って移動できるよう駆動して、合焦を行う。図2には一実施形態による駆動装置の分解図が示され、駆動装置は、ハウジング1と、カバーであるハウジング1を支持するベース2と、を備え、ハウジング1内には前側弾性片3、後側弾性片4、レンズ支持体5、磁石6及びコイル7がそれぞれ設けられている。図2に示す一点鎖線はレンズ8の光軸を示すものであり、レンズ8の中心を通り、駆動装置の軸及びハウジング1の軸に対応する。本実施形態において、レンズ8の光軸方向の被写体側を前側、その反対側を後側とする。
【0027】
図3には駆動装置におけるハウジング1の斜視図が示され、図3に示すように、駆動装置のハウジング1は、外形が多角形を呈し、駆動装置の光軸方向に沿った軸方向を有する。本実施形態では四角形である。ハウジング1は、外周側壁16及び外周側壁16の前側に連結しているハウジング頂壁17を有する。ハウジング頂壁17には、カメラ装置の中を光が通過できるよう開口部10が設けられている。
【0028】
ここで、ハウジング1の各々のコーナー部11には、ハウジング1の厚み方向に沿って下に凹んで、各々のコーナー部11でそれぞれ階段状を呈する少なくとも一つの階段部が形成されている。階段部は、ハウジングの軸方向との交差方向に沿って延伸した階段平壁、及び階段平壁から前側又は後側に延伸した階段立壁を有し、階段立壁の内周壁面及びそれに隣接する外周側壁16により磁石取付部が形成される。
【0029】
図3に示すような実施形態において、ハウジング1は、各コーナー部11において、ハウジング1の厚み方向に沿って下に複数回凹んで、複数の階段部を形成している。階段部は、第1階段部12及び第2階段部13を有し、第1階段部12は、ハウジング頂壁17から後側に延伸した第1階段立壁121、及び第1階段立壁121の後側からハウジング1の軸方向の交差方向に沿って延伸した第1階段平壁122を有する。第2階段部13は、第1階段平壁122から後側に延伸した第2階段立壁131、及び第2階段立壁131の後側からハウジング1の軸方向の交差方向に沿って延伸した第2階段平壁132を有する。これによって、二つの階段状の第1階段部12及び第2階段部13が形成される。ここで、第1階段立壁121及び第2階段立壁131は前述した階段立壁であり、第1階段平壁122及び第2階段平壁132は前述した階段平壁である。第2階段立壁131の内周壁面及びそれに隣接する外周側壁16の内周壁面により、磁石6を装着するための磁石取付部130が形成される。
【0030】
図4は本実施形態による駆動装置の上面図であり、図5図4におけるA−A方向に沿う断面図である。図2図5に示すように、レンズ支持体5は、ハウジング1内に設けられ、レンズ8を支持するために使われる。前側弾性片3は、レンズ支持体5とハウジング1との間に設けられ、後側弾性片4は、レンズ支持体5とベース2との間に設けられ、前側弾性片3及び後側弾性片4は、ハウジング1内でレンズ支持体5を弾性的に支持するとともに、レンズ支持体5が駆動力の作用下で光軸方向(即ち、ハウジング1の軸方向)に沿って移動することを可能とする。ここで、図示と異なる実施形態において、前側弾性片3及び後側弾性片4は、レンズ支持体5の前側、後側の少なくとも一つの側に設けられても、レンズ支持体5を弾性的に支持する役割を果たせる。
【0031】
コイル7は、レンズ支持体5の外周を取り囲むようにハウジング1の軸方向を巻回軸として巻回して設けられ、通電されるとレンズ支持体5の外周面に磁気回路を形成する。ハウジング1は、導磁材料により作られ、磁石6がハウジング1の内周側のコーナー部11に吸着される。磁石6は、磁石取付部130における第2階段立壁131の内周壁面とそれに隣接する外周側壁16の内周壁面にそれぞれ密着できる側面60を有する。装着する際、磁石6の側面60は、第2階段立壁131の内周壁面とそれに隣接する外周側壁16の内周壁面にそれぞれ吸着され、磁石6とハウジング1との取付を完成する。なお、巻回軸を光軸と直交する方向に有する四つのコイル7をレンズ支持体5の外周に固定して、磁石6と対向させてもよい。
【0032】
図1と、図3及び図5と、を比べて見ると、図1に示された従来の駆動装置のハウジング9において、磁石はハウジング9の角部側面910に吸着されることで取り付けられるが、図3及び図5に示すように、本実施形態において、磁石6は、磁石6の側面60が第2階段立壁131の内周壁面とそれに隣接する外周側壁16の内周壁面に接触して吸着される。磁石6の側面60が磁場密集エリアであるため、磁石6の側面60をハウジング1に直接接触させることで隙間の存在で発生する磁場損失を避けることができ、これにより、更に優れた導磁作用を実現することができる。コイル7に電流を流して磁気回路が形成されると、磁石6は、通電されたコイルにアンペル力を発生させて、コイル7を駆動して移動させる。即ち、レンズ支持体5及びレンズを移動させる。磁気回路において、磁束が多いほど、同じ電流から発生するアンペル力が大きく、それゆえ磁場損失を避けることはより多い磁束を得ることができることであり、それによってより大きいアンペル力を発生することができる。詳しくは以下の表1を参照されたい。
【0033】
【表1】
【0034】
表1において、磁石サイズ変化量は図2に示す如く、磁石6は、台形の形状に形成されており、これは三角形形状のヘッド部分を切断した後の形状に相当し、切除された部分の辺長をL1とすると、L1は、三角形形状に対する台形形状の磁石サイズ変更の変化量に相当する。第2階段部は、直角部から三角形を切除した後の形状に相当し、L2は切除された三角形の斜辺の辺長である。
【0035】
表1に示したデータから分かるように、ハウジングのコーナー部サイズの内側縮小変化量L2が1mmであり、それに対応する磁石サイズ変化量L1も1mmであって、コイル7が移動していない移動量が0mmの場合、ハウジングのコーナー部サイズが内側に縮小された駆動装置の実施例では、発生したアンペル力は0.019788Nである。これに対し、ハウジングのコーナー部サイズが内側に縮小されていない従来の駆動装置の実施例では、発生したアンペル力は0.019106Nである。このように、ハウジングの上蓋のコーナー部サイズが内側縮小された駆動装置の実施例で発生するアンペル力は、従来の駆動装置が発生するアンペル力より大きい。対応して、コイル7が上側へそれぞれ0.05〜0.25mm移動するとき、ハウジングのコーナー部サイズが内側縮小された駆動装置の実施例で発生するアンペル力は、いずれも従来の駆動装置が発生するアンペル力より大きい。
【0036】
【表2】
【0037】
表2において、以下の公式により、従来の駆動装置が発生するアンペル力に対し、ハウジングのコーナー部サイズが内側に縮小された駆動装置が発生するアンペル力による効率向上を算出する。
効率向上=(ハウジングのコーナー部サイズが内側に縮小された駆動装置が発生するアンペル力−従来の駆動装置が発生するアンペル力)/従来の駆動装置が発生するアンペル力
表2に記載のデータから分かるように、ハウジングのコーナー部サイズの内側縮小変化量L2が1mmで、コイルの上側への移動量が0〜0.25mmであるとき、効率向上は、2.72%〜3.57%であり、ハウジングのコーナー部サイズの内側縮小変化量L2が1.2mmまで増え、コイルの上側への移動量が0〜0.25mmであるとき、効率向上は、4.40%〜5.47%であり、ハウジングのコーナー部サイズの内側縮小変化量L2が1.5mmまで増え、コイルの上側への移動量が0〜0.25mmであるとき、効率向上は、10.37%〜12.50%である。このような変化傾向から分かるように、コイルの上側への移動量が同じ場合、ハウジングのコーナー部サイズの内側縮小変化量L2が大きくなればなるほど効率向上も大きくなる。
【0038】
表1と表2に記載のデータの比較から分かるように、駆動装置のハウジング1のコーナー部11に第1階段部12及び第2階段部13を設けることで、第2階段部13での磁石6とハウジング1との接触面を増やし、磁場損失を減少させ、導磁作用を増強することができる。同等量のアンペル力を発生しようとする場合、即ち、駆動装置の性能に影響を与えない状態において、従来の駆動装置に比べ、例えば磁石6の厚みを薄くするなど、磁石6のサイズを小さくすることによって磁石6の使用量の削減ができて、材料及びコストを節約することができる。また、コイル7へ通電する電流量を減少させることもでき、エネルギーの節約及び発熱の低減を図ることができる。コイル7へ通電する電流が同じで、磁石6の大きさも同じである条件下で、従来の駆動装置に比べ、本実施形態による駆動装置が発生するアンペル力がより大きく、コイル7に対して更に大きな推力を発生する。コイル7がレンズ支持体5及びレンズ8を直線運動するように駆動するとき、より大重量のレンズを駆動することができ、高解像度レンズへの需要を満足させることができる。そして、第1階段部12及び第2階段部13を設けたため、ハウジング1の角部スペースを更に小さくすることができ、電子機器の小型化要求を満たすことができる。
【0039】
本実施形態の一実施例は上記のようであるが、本実施形態の他の実施例において、駆動装置のハウジングは多くの点において上記実施例よりももっと多くの詳細を有することができ、且つ、これらの詳細の少なくとも一部は様々な変化を有してもよい。以下、幾つかの実施形態又は実施例に基づいて、この詳細及び幾つかの変化中の少なくとも一部について説明する。
【0040】
詳しくは図3に示すように、ハウジング1は内周側壁14を更に有し、内周側壁14は、ハウジング頂壁17の内周側に設けられた開口部10の縁部から後側に延伸し、且つ、内周側壁14は、各第2階段立壁131に対応して設けられ、ハウジング1の軸方向に直交する方向において、第2階段立壁131と互いに対向して設けられている。詳しくは、内周側壁14は、各磁石6に対応してハウジング1の軸の外側に設けられ、磁石6の磁場によって、内周側壁14の所在領域が有効磁場領域となる。図5のように、コイル7は磁石6と内周側壁14との間に設けられ、内周側壁14と磁石6におけるコイルに対向する一面との間で磁気回路が形成され、コイル7に電流を流したとき、磁気回路は通電されたコイルに対しアンペル力を発生して、コイル7を駆動させる。
【0041】
本実施形態において、ハウジング1は、各々のコーナー部11において角エッジ部18を更に有し、角エッジ部18は、第2階段平壁132からハウジングの後側に延伸してなり、第2階段平壁132を頂壁とする。ここで、角エッジ部18の2本の直線辺の辺長は、ハウジングのコーナー部サイズの内側縮小変化量L2である。
【0042】
図6はハウジング1の他の実施形態による構成図であって、図3に示す構成と比べ、ハウジング1のコーナー部11aにも角エッジ部18a及び一つの第1階段部12aが形成され、第1階段部12aは、ハウジング頂壁17aの外周側から後側に延伸した第1階段立壁121a及び第1階段立壁121aの後側からハウジング1の軸方向に交差する方向に延伸した第1階段平壁122aを有し、角エッジ部18aは、第1階段平壁122aを頂壁とし、第1階段立壁121aの内周壁面とそれに隣接する外周側壁16aの内周壁面は共に、磁石6を装着する磁石取付部130aを形成する点で異なる。このように配置しても、従来のハウジングにおいて磁石をコーナー部に設置する方式と同じく、磁石6とハウジング1との接触面を増大する効果が得られ、磁場損失を減少し、導磁作用を強くすることができる。図6に示す実施形態において、ハウジング1の内周側壁14aは、ハウジング1の軸方向に直交する方向において第1階段立壁121aと互いに対向するように設けられている。
【0043】
図7はハウジング1の更に他の実施形態による構成図であって、図3に示す実施形態の構成に比べ、ハウジング1のコーナー部11bにおいて、第2階段立壁131bはハウジング1の後側まで直接延伸してもよく、これにより、図3に示す構成に比べ、角エッジ部18を少なくすることができる。このとき、第2階段立壁131bの内周壁面とそれに隣接する外周側壁16bの内周壁面により磁石取付部130bを形成し、第1階段平壁122bは装着するときに磁石6に対し位置決めを行うことができる。もちろん、このような配置によっても、磁石6とハウジング1との接触面を増大することができる。図7に示すような実施形態において、ハウジング1の内周側壁14bは、ハウジング1の軸方向に直交する方向において第2階段立壁131bと互いに対向するように設けられている。
【0044】
最初の実施形態に戻り、図2及び図3に示すように、磁石6は図示のように台形を呈し、磁石6の側面60は、磁石外周側壁601、磁石内周側壁602及び磁石外周側壁601と磁石内周側壁602を連結する二つの磁石斜め側壁603を有する。ここで、磁石外周側壁601は台形の上底となり、磁石内周側壁602は台形の下底となり、二つの磁石斜め側壁603が台形の二つの斜辺となる。磁石外周側壁601及び二つの磁石斜め側壁603は、装着状態で、磁石取付部130における第2階段立壁131の内周壁面及びそれに隣接する二つの外周側壁16の内周壁面にそれぞれ密着する。また、磁石内周側壁602はハウジング1に囲まれた空洞の内部に向かって設けられ、磁石内周側壁602と内周側壁14との間に磁気回路が形成されるようにする。同じく、図6に示す実施形態において、磁石外周側壁601及び二つの磁石斜め側壁603は、装着状態で、磁石取付部130aにおける第1階段立壁121aの内周壁面及びそれに隣接する二つの外周側壁16aの内周壁面にそれぞれ密着する。図7に示す実施形態において、磁石外周側壁601及び二つの磁石斜め側壁603は、装着状態で、磁石取付部130bにおける第2階段立壁131bの内周壁面及びそれに隣接する二つの外周側壁16bの内周壁面にそれぞれ密着する。
【0045】
最初の実施形態において、ハウジング1は図3に示すように直方体に形成され、磁石6は、ハウジング1の四つのコーナー部11にそれぞれ設けられている。図示構成と異なる構成を有する他の実施形態において、ハウジング1は他の適切な多角形体の形であってもよい。
【0046】
また図3に示すように、磁石6の磁石内周側壁602及び内周側壁14はそれぞれ弧状面を呈し、また、図2に示すように、コイル7も磁石6の磁石内周側壁602及び内周側壁14に対向する面も弧状面を呈している。弧状面はコイル7に対向するので、弧状面を設けることにより磁石6と内周側壁14がコイルに更に均一に対向し、磁石6とコイル7との距離を減少し、更に磁場損失を低減することができる。
【0047】
更に、図3に示すように、磁石6の前側表面が第1階段部12の第1階段平壁122の後側面により規制されるため、第1階段平壁122の後側面は、磁石6の前側の位置決め面として設けられ、第1階段平壁122は磁石6の前側に対し位置決めの役割を果たす。
【0048】
図5に示すように、前側弾性片3は第1階段部12の第1階段平壁122とレンズ支持体5との間に設けられており、第1階段平壁122は前側弾性片3を支持するように配置されている。
【0049】
なお、駆動装置はカメラ装置に設けられており、レンズ8はカメラ装置のレンズである。カメラ装置の実施形態として、カメラ装置は、例えばノートパソコン、携帯電話などの電子機器に設けられる。
【0050】
本発明は、上記のように好ましい実施例を開示しているが、本発明を限定するためのものではなく、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱せず、変更や修正がなされ得る。従って、本発明の技術案の内容から逸脱しない限り、本発明の技術に基づいて以上の実施例に対して実質的に行う任意の修正、同等の変更及び修飾は、いずれも本発明の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7