特許第6961768号(P6961768)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961768電子レシートサーバ、情報処理プログラム及び分析方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961768
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】電子レシートサーバ、情報処理プログラム及び分析方法
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/06 20060101AFI20211025BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20211025BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20211025BHJP
【FI】
   G07G1/06 Z
   G07G1/12 341B
   G06Q30/02 300
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2020-133783(P2020-133783)
(22)【出願日】2020年8月6日
(62)【分割の表示】特願2016-228925(P2016-228925)の分割
【原出願日】2016年11月25日
(65)【公開番号】特開2020-187793(P2020-187793A)
(43)【公開日】2020年11月19日
【審査請求日】2020年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】杉山 晃一
(72)【発明者】
【氏名】荒井 康博
【審査官】 木村 麻乃
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−053844(JP,A)
【文献】 特開2015−115022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00−1/12
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子レシートサービスの適用対象とされた取引の内容をそれぞれ表した複数取引分の取引データを記憶する記憶手段と、
対象期間内において前記電子レシートサービスの適用対象とされた取引の件数としての対象件数を前記記憶手段により記憶された複数取引分の前記取引データに基づいて計数する計数手段と、
前記対象期間内における取引の総件数を、前記電子レシートサービスの適用対象以外の取引を含む複数の取引に関して集計した集計データに基づいて判定する判定手段と、
前記総件数に対する前記対象件数の割合として電子化率を算出する算出手段と、
を具備する電子レシートサーバ。
【請求項2】
前記算出手段により算出された電子化率を出力する出力手段、
をさらに備える請求項1に記載の電子レシートサーバ。
【請求項3】
前記出力手段は、前記算出手段により算出された電子化率を、通信ネットワークを介して情報端末に通知する、
請求項2に記載の電子レシートサーバ。
【請求項4】
電子レシートサービスの適用対象とされた取引の内容をそれぞれ表した複数取引分の取引データを記憶する記憶手段とともに電子レシートサーバを構成するコンピュータを、
対象期間内において前記電子レシートサービスの適用対象とされた取引の件数としての対象件数を前記記憶手段により記憶された複数取引分の前記取引データに基づいて計数する計数手段と、
前記対象期間内における取引の総件数を、前記電子レシートサービスの適用対象以外の取引を含む複数の取引に関して集計した集計データに基づいて判定する判定手段と、
前記総件数に対する前記対象件数の割合として電子化率を算出する算出手段と、
して機能させるための情報処理プログラム。
【請求項5】
電子レシートサービスの適用対象とされた取引の内容をそれぞれ表した複数取引分の取引データを記憶する記憶手段とともに電子レシートサーバを構成するコンピュータが、
対象期間内において前記電子レシートサービスの適用対象とされた取引の件数としての対象件数を前記記憶手段により記憶された複数取引分の前記取引データに基づいて計数し、
前記対象期間内における取引の総件数を、前記電子レシートサービスの適用対象以外の取引を含む複数の取引に関して集計した集計データに基づいて判定し、
前記総件数に対する前記対象件数の割合として電子化率を算出する、
分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子レシートサーバ、情報処理プログラム及び分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電子レシートシステムにおいては、POS端末などの登録装置で登録された取引の内容を表した電子データ(以下、取引データと称する)を、電子レシートサーバにて収集し、蓄積している。
当該電子レシートシステムによるサービスは、利用者登録を行った利用者に対して提供されている。しかしながら、登録装置で登録される取引の全てが利用者に対して行われるとは限らない。つまり、電子レシートサーバでは、登録装置で登録される取引の一部に関する取引データしか収集することができない。
【0003】
このため、利用者に関する取引が登録装置で登録される全ての取引に対してどのような傾向を持つのかを、電子レシートサーバで収集した取引データから分析することが困難であった。
このような事情から、利用者に関する取引が登録装置で登録される全ての取引に対してどのような傾向を持つのかを、会員以外の取引に関する取引データを電子レシートサーバでは用いることなく分析できることが望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015−72672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電子レシートサービスの利用者に関する取引が登録装置で登録される全ての取引に対してどのような傾向を持つのかを、会員以外の取引に関する取引データを電子レシートサーバでは用いることなく分析できる電子レシートサーバ、情報処理プログラム及び分析方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電子レシートサーバは、記憶手段、計数手段、判定手段及び算出手段を備える。記憶手段は、電子レシートサービスの適用対象とされた取引の内容をそれぞれ表した複数取引分の取引データを記憶する。計数手段は、対象期間内において電子レシートサービスの適用対象とされた取引の件数としての対象件数を記憶手段により記憶された複数取引分の取引データに基づいて計数する。判定手段は、対象期間内における取引の総件数を、電子レシートサービスの適用対象以外の取引を含む複数の取引に関して集計した集計データに基づいて判定する。算出手段は、総件数に対する対象件数の割合として電子化率を算出する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る電子レシートシステムの構成と、当該電子レシートシステムに含まれるPOS端末及び電子レシートサーバの要部回路構成とを示すブロック図。
図2】POS端末のプロセッサによる登録・会計処理のフローチャート。
図3】取引レシートの一例を示す図。
図4】POS端末のプロセッサによる集計処理のフローチャート。
図5】精算レシートの一例を示す図。
図6】POS端末のプロセッサによるエージェント処理のフローチャート。
図7】電子レシートサーバのプロセッサによる更新処理のフローチャート。
図8】電子レシートサーバのプロセッサによる分析処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の一例について図面を用いて説明する。なお、本実施の形態では、登録装置としてPOS(point-of-sale)端末を用いた電子レシートシステムを例に説明する。
図1は本実施形態に係る電子レシートシステム100の構成と、当該電子レシートシステム100に含まれるPOS端末101及び電子レシートサーバ102の要部回路構成とを示すブロック図である。
【0009】
POS端末101と電子レシートサーバ102とは、通信ネットワーク200を介してデータ通信が可能である。通信ネットワーク200は、典型的にはインターネットであるが、他の周知の様々な方式のものを適宜に用いることができる。なお、図1では1つのPOS端末101のみを示しているが、複数のPOS端末101がそれぞれ通信ネットワーク200に接続されて電子レシートシステム100に含まれる。
【0010】
POS端末101は、プロセッサ1、メインメモリ2、補助記憶デバイス3、時計部4、入力デバイス5、表示デバイス6、バーコードリーダ7、プリンタ8、通信インタフェース9及び伝送路10を備える。プロセッサ1と、メインメモリ2、補助記憶デバイス3、時計部4、入力デバイス5、表示デバイス6、バーコードリーダ7、プリンタ8及び通信インタフェース9とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む伝送路10によって接続される。
【0011】
POS端末101においては、プロセッサ1、メインメモリ2および補助記憶デバイス3が伝送路10によって接続されることにより、POS端末101を制御するコンピュータを構成している。
プロセッサ1は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ1は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、POS端末101としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ2は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ2は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ2は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。またメインメモリ2は、プロセッサ1が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ2は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ1によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。揮発性のメモリ領域には、買上商品リストを記憶する領域、いわゆる登録処理領域が含まれる。
補助記憶デバイス3は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス3は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disc drive)、SSD(solid state drive)などである。補助記憶デバイス3は、プロセッサ1が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ1での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス3は、アプリケーションプログラムを記憶する。
【0012】
POS端末101の補助記憶デバイス3に記憶されるプログラムには、制御プログラムP1及びエージェントプログラムP2を含む。制御プログラムP1は、アプリケーションプログラムの1つである。制御プログラムP1は、後述する取引データ処理に係わる各種の動作のための制御処理について記述している。エージェントプログラムP2は、アプリケーションプログラムの1つである。エージェントプログラムP2は、制御プログラムP1に基づく取引データ処理から引き渡されるプリントデータから後述するレシートデータ及び集計データを生成するための後述する情報処理について記述している。
【0013】
POS端末101の譲渡は一般的に、制御プログラムP1が補助記憶デバイス3に記憶された状態にて行われる。なお、このケースでは、制御プログラムP1がメインメモリ2に記憶されても良い。しかし、制御プログラムP1がメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に記憶されない状態で、あるいは制御プログラムP1とは別の制御プログラムがメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に記憶された状態でPOS端末101が譲渡される場合もある。この場合には、制御プログラムP1は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡される。あるいはネットワークを介して制御プログラムP1が譲渡される。そして、この制御プログラムP1が、上記の別途に譲渡されたPOS端末101のメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に書き込まれてもよい。
【0014】
エージェントプログラムP2は、典型的には、POS端末101の譲渡時には、補助記憶デバイス3に記憶されない。エージェントプログラムP2は、例えば通信ネットワーク200を介して、電子レシートサーバ102又は別のサーバからPOS端末101にダウンロードされて補助記憶デバイス3に書き込まれる。ただし、エージェントプログラムP2は、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して譲渡されてもよい。あるいは、POS端末101の譲渡は、エージェントプログラムP2がメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に記憶された状態にて行われてもよい。このケースでは、エージェントプログラムP2がメインメモリ2に記憶されても良い。
【0015】
時計部4は、計時動作を常時行い、現在の日付および時刻を表した日時情報を出力する。
入力デバイス5は、操作者による操作を受けて、その操作に応じた入力情報を出力する。入力デバイス5としては、例えばキーボード、マウス、あるいはタッチパネルなどが利用できる。
表示デバイス6は、操作者に対して提示すべき各種の情報を表した画像を表示する。表示デバイス6としては、例えばLCD(liquid crystal display)又はタッチパネルなどが利用できる。
【0016】
バーコードリーダ7は、スマートレシートサービスの会員を識別するための会員コードを表したバーコードを読み取る。当該バーコードは、典型的には会員が所持する情報端末が搭載する表示器に表示される。バーコードリーダ7は、商品に表示され、商品を識別する商品コードを表したバーコードを読み取るためのデバイスと共用であってもよいし、そのためのデバイスがバーコードリーダ7とは別に備えられてもよい。
プリンタ8は、レシート用紙に対して各種の文字列及び画像などを印刷する。そしてプリンタ8は、印刷済みのレシート用紙をPOS端末101の外部へと排出することにより、レシートを発行する。プリンタ8としては、例えばサーマルプリンタ又はドットインパクトプリンタなどを利用できる。
通信インタフェース9は、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行う。通信インタフェース9としては、例えばインターネットを介したデータ通信のための周知の処理を行うように構成された周知のものを用いることができる。
【0017】
電子レシートサーバ102は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インタフェース24及び伝送路25を備える。プロセッサ21と、メインメモリ22、補助記憶デバイス23及び通信インタフェース24とは、アドレスバス、データバス、制御信号線等を含む伝送路25によって接続される。
【0018】
電子レシートサーバ102においては、プロセッサ21、メインメモリ22および補助記憶デバイス23が伝送路25によって接続されることにより、電子レシートサーバ102を制御するコンピュータを構成している。
プロセッサ21は、上記コンピュータの中枢部分に相当する。プロセッサ21は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、電子レシートサーバ102としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
メインメモリ22は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ22は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。
またメインメモリ22は、プロセッサ21が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを不揮発性または揮発性のメモリ領域で記憶する場合もある。メインメモリ22は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ21によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。
補助記憶デバイス23は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス23は、典型的にはHDDであるが、EEPROM、SSD、あるいはその他の周知の各種の記憶デバイスを利用できる。補助記憶デバイス23は、プロセッサ21が各種の処理を行う上で使用するデータや、プロセッサ21での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス23は、アプリケーションプログラムを記憶する。
【0019】
補助記憶デバイス23の記憶領域の一部は、レシートデータベースDB1及び集計データベースDB2として使用される。レシートデータベースDB1は、電子レシートサービスの会員に提示する電子レシート画面を生成するための各種の情報を記憶する。集計データベースDB2は、後述する集計データに含まれた各種の情報を記憶する。
【0020】
電子レシートサーバ102は例えば、ハードウェアとしてサーバ用の汎用のコンピュータ装置を用い、上記のアプリケーションプログラムをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23に書き込むことによって実現できる。なお、アプリケーションプログラムは、電子レシートサーバ102の譲渡の際にメインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されていてもよいし、上記の汎用のコンピュータ装置とは別に譲渡されてもよい。後者の場合、アプリケーションプログラムは、磁気ディスク、光磁気ディスク、光ディスク、半導体メモリなどのようなリムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介して譲渡される。
【0021】
通信インタフェース24は、通信ネットワーク200を介したデータ通信を行う。通信インタフェース24としては、例えばインターネットを介したデータ通信のための周知の処理を行うように構成された周知のものを用いることができる。
【0022】
次に以上のように構成された電子レシートシステム100の動作について説明する。なお、以下に説明する各種の処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0023】
POS端末101が通常の動作モードに設定され、かつ待機状態にあるとき、操作者により取引の内容を登録するための操作が開始されると、プロセッサ1は制御プログラムP1に従った制御処理の1つとしての登録・会計処理を実行する。
【0024】
図2はプロセッサ1による登録・会計処理のフローチャートである。
Act1としてプロセッサ1は、登録処理を行う。この登録処理は、取引が商品の売買であるとするならば、買上商品を商品リストに追加して行く処理であり、周知の処理をそのまま用いることができる。この登録処理においてプロセッサ1は、登録された取引の内容を表したデータを補助記憶デバイス3に蓄積記憶させる。なお、この登録処理の最中に、電子レシートサービスの会員を識別するための会員コードの入力が行われる場合がある。この場合、プロセッサ1は、入力された会員コードをメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に保存する。かくして制御プログラムP1に基づく制御処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは登録手段として機能する。
【0025】
Act2としてプロセッサ1は、会計処理を行う。会計処理は、例えば決済金額などのような取引の決済のための条件を決定する勘定処理と、当該勘定処理で決定した条件に従った決済のための決済処理とである。勘定処理及び決済処理のいずれについても、周知の処理をそのまま用いることができる。この会計処理においてプロセッサ1は、その結果を、取引の内容を表したデータに関連付けて補助記憶デバイス3に蓄積記憶させる。なお、この会計処理の最中に、上記の会員コードの入力が行われる場合がある。この場合、プロセッサ1は、入力された会員コードをメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に保存する。
【0026】
Act3としてプロセッサ1は、取引レシートの発行をエージェントプログラムP2に基づく処理(以下、エージェント処理と称する)に対して要求する。具体的にはプロセッサ1は、Act1にて登録された取引の内容及びAct2での会計処理の結果などを表したレシートをプリンタ8に発行させるためのプリントデータを生成する。そしてプロセッサ1は、上記の生成したプリントデータに基づくレシートのプリントをエージェント処理に対して要求する。なおプロセッサ1は、Act1又はAct2の最中において会員コードをメインメモリ2又は補助記憶デバイス3に保存しているならば、その会員コードを取引レシートに表す。
【0027】
図3は取引レシートの一例を示す図である。
図3に示す取引レシートR1は、Act1又はAct2の最中において会員コードが入力された場合の例を示している。「9900123456789」なる文字列C1が会員コードを表す。当該文字列C1の前には、それが会員コードであることを表す語句としての「ID」なる文字列C2が付加されている。Act1又はAct2の最中において会員コードが入力されなかった場合にプロセッサ1は、会員コードを表す文字列C1及び語句「ID」を表す文字列C2をいずれも取引レシートに含めない。
【0028】
一方、POS端末101が集計モードに設定され、かつ集計の実行が操作者により指示されると、プロセッサ1は制御プログラムP1に従った制御処理の1つとしての集計処理を開始する。
【0029】
図4はプロセッサ1による集計処理のフローチャートである。
Act11としてプロセッサ1は、1日毎などの予め定められた期間内に登録・会計処理が行われた全ての取引を対象として、予め定められた事項について集計する。一例としてプロセッサ1は、当日これまでに決済された取引について、その件数、売り上げた商品の総点数、売り上げた金額の総額、あるいは売り上げた商品の部門毎の点数及び金額などを求める。この集計は、補助記憶デバイス3に前述のように登録・会計処理によって蓄積記憶されたデータを分析することにより行われる。ここでの集計の詳細は、制御プログラムP1の設計者又はPOS端末101の管理者などにより任意に定められてよい。かくして制御プログラムP1に基づく制御処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは集計手段として機能する。
【0030】
Act12としてプロセッサ1は、精算レシートの発行をエージェントプログラムP2に基づくエージェント処理に対して要求する。具体的にはプロセッサ1は、Act11としての集計の結果などを表したレシートをプリンタ8に発行させるためのプリントデータを生成する。そしてプロセッサ1は、上記の生成したプリントデータに基づくレシートのプリントをエージェント処理に対して要求する。
【0031】
図5は精算レシートの一例を示す図である。
図5に示す精算レシートR2は、上記した具体例で求めた各種の情報を表している。
【0032】
プロセッサ1は、登録・会計処理又は集計処理によりエージェント処理に対する要求が行われたならば、エージェントプログラムP2に基づいてエージェント処理を開始する。
【0033】
図6はプロセッサ1によるエージェント処理のフローチャートである。
Act21としてプロセッサ1は、登録・会計処理又は集計処理から引き継いだプリントデータを解析し、取引レシート又は精算レシートに表される語句を抽出する。
Act22としてプロセッサ1は、上記の抽出した文字列に「ID」が含まれるか否かを確認する。前述したように、会員コードの入力がなされた登録・会計処理で生成されたプリントデータには、語句「ID」を表す文字列が含まれる。プロセッサ1は、「ID」を抽出しているならばYesと判定し、Act23へと進む。
【0034】
Act23としてプロセッサ1は、取引データを生成する。取引データは、Act21にて抽出した文字列を、当該文字列がどのような情報を表すかを示す識別名に関連付けてなるデータ組を、予め定められたフォーマットで含んだデータである。つまり取引データは、登録処理により登録された内容を構造化形式で表したデータである。取引データのデータ形式は、電子レシートサービスのサービス提供者などにより任意に定められてよいが、例えばJSON(JavaScript object notation)形式(「JavaScript」は登録商標)とすることが想定される。かくしてエージェントプログラムP2に基づく制御処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータは生成手段として機能する。
【0035】
Act24としてプロセッサ1は、上記のように生成した取引データを電子レシートサーバ102へと送信する。具体的にはプロセッサ1は、取引データを送信するように通信インタフェース9に指示する。この指示を受けて通信インタフェース9は、取引データを、電子レシートサーバ102を宛先として通信ネットワーク200へと送出する。かくしてエージェントプログラムP2に基づく制御処理をプロセッサ1が実行することによって、プロセッサ1を中枢部分とするコンピュータと通信インタフェース9との協働により送信手段としての機能が実現される。そしてプロセッサ1は、取引データを送信し終えたならば、エージェント処理を終了する。
【0036】
一方でプロセッサ1は、Act21で抽出した文字列に「ID」が含まれないならばAct22でNoと判定し、Act25へと進む。
Act25としてプロセッサ1は、上記の抽出した文字列にキーワードが含まれるか否かを確認する。キーワードは、取引レシートに含まれることがなく、集計レシートには含まれる語句として予め定められる。精算レシートを図5に示す精算レシートR2のようなものとするならば、キーワードは例えば「精算」とすることが想定される。そしてキーワードが含まれるならばYesと判定し、Act26へと進む。
【0037】
Act26としてプロセッサ1は、集計データを生成する。集計データは、Act21にて抽出した文字列を、当該文字列がどのような情報を表すかを示す識別名に関連付けてなるデータ組を、予め定められたフォーマットで含んだデータである。集計データのデータ形式は、電子レシートサービスのサービス提供者などにより任意に定められてよいが、例えばJSON形式とすることが想定される。ただし、集計データのデータ型式は、取引データのデータ型式と異なっていてもよい。
【0038】
Act27としてプロセッサ1は、上記のように生成した集計データを電子レシートサーバ102へと送信する。具体的にはプロセッサ1は、集計データを送信するように通信インタフェース9に指示する。この指示を受けて通信インタフェース9は、集計データを、電子レシートサーバ102を宛先として通信ネットワーク200へと送出する。そしてプロセッサ1は、集計データを送信し終えたならば、Act28へと進む。
【0039】
なおプロセッサ1は、キーワードが含まれないためにAct25にてNoと判定したならば、Act23,Act24及びAct26,Act27をいずれも実行することなしにAct28へと進む。会員コードが入力されることがないままに完了した登録・会計処理において生成された取引データを引き継いでいる場合、プロセッサ1はこのようにAct25からAct28へと進むことになる。
【0040】
Act28としてプロセッサ1は、登録・会計処理又は集計処理から引き継いだプリントデータに基づいてプリントするようにプリンタ8に指示する。そしてプロセッサ1は、エージェント処理を終了する。
【0041】
かくして、会員コードの入力がなされた登録・会計処理に対しては、取引データが電子レシートサーバ102へと送信されて、取引レシートの発行はなされない。会員コードの入力がなされなかった登録・会計処理に対しては、取引レシートが発行され、取引データの送信は行われない。集計処理に対しては、集計データが電子レシートサーバ102へと送信されるとともに、精算レシートが発行される。ただし、プロセッサ1は、Act24からAct28へと進むようにし、会員コードの入力がなされた登録・会計処理に対しても、取引レシートを発行してもよい。
【0042】
通信インタフェース9から通信ネットワーク200へと送出された取引データ又は集計データが、通信ネットワーク200を伝送されて電子レシートサーバ102へと到達すると、当該取引データ又は集計データを通信インタフェース24が受信する。
電子レシートサーバ102においてプロセッサ21は、通信インタフェース24がデータの受信を開始すると、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されたアプリケーションプログラムに従った更新処理を開始する。
【0043】
図7はプロセッサ21による更新処理のフローチャートである。
Act31としてプロセッサ21は、通信インタフェース24により受信された取引データ又は集計データをメインメモリ22又は補助記憶デバイス23に保存する。そしてプロセッサ21は、通信インタフェース24が取引データ又は集計データの全てを受信し終え、その取引データ又は集計データの全てを保存し終えたならば、Act32へと進む。
かくしてアプリケーションプログラムに基づく処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータと通信インタフェース24との協働により受信手段としての機能が実現される。
【0044】
Act32としてプロセッサ21は、受信されたデータが取引データであるか否かを確認する。そしてプロセッサ21は、取引データであるためにYesと判定したならば、Act33へと進む。
Act33としてプロセッサ21は、Act31で保存したデータに表された各種データを反映するようにレシートデータベースDB1を更新する。
【0045】
プロセッサ21はこれに対して、受信されたデータが集計データであるためにAct32にてNoと判定したならば、Act34へと進む。
Act34としてプロセッサ21は、Act31で保存したデータに表された各種データを反映するように集計データベースDB2を更新する。
プロセッサ21は、Act33又はAct34での更新を終えたならば、図7に示す更新処理を終了する。
【0046】
なお、プロセッサ21は、電子レシートシステム100に含まれた複数のPOS端末101のいずれから取引データ又は集計データが送信された場合であっても、上記の更新処理を実行する。かくして、複数のPOS端末101で、会員コードの入力を伴った登録・会計処理が行われる毎に、その登録・会計処理での登録内容及び会計結果の情報がレシートデータベースDB1に追加される。また、複数のPOS端末101で集計処理が行われて集計レシートが発行される毎に、その集計レシートに表される情報が集計データベースDB2に追加される。かくしてアプリケーションプログラムに基づく処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータと補助記憶デバイス23との協働により記憶手段としての機能が実現される。
【0047】
プロセッサ21は、所定の分析タイミングになると、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶されたアプリケーションプログラムに従った分析処理を開始する。分析タイミングは任意であってよい。分析タイミングは一例として、例えば図示しない情報端末から通信ネットワーク200を介して分析処理の実行を要求されたタイミングとすることが想定される。また分析タイミングは一例として、時計部4が出力する日時情報が分析タイミングとして定められた日時を示すものとなったタイミングとすることが想定される。
【0048】
図8はプロセッサ21による分析処理のフローチャートである。
Act41としてプロセッサ21は、対象期間を設定する。対象期間をどのように設定するかは任意であってよく、予め定められたルールに従って行われればよい。例えばプロセッサ21は、「前日の1日間」のように予め定められた条件に従って対象期間を設定することが想定される。またはプロセッサ21は、上記の情報端末の操作者による指示に応じた対象期間を設定することが想定される。
Act42としてプロセッサ21は、対象期間内において電子レシートサービスの適用対象とされた取引の件数としての対象件数をレシートデータベースDB1に基づいて計数する。
【0049】
Act43としてプロセッサ21は、対象期間内における取引の総件数を集計データベースDB2に基づいて判定する。
Act44としてプロセッサ21は、上記の総件数に対する上記の対象件数の割合として電子化率を算出する。そしてプロセッサ21は、これをもって分析処理を終了する。
【0050】
なおプロセッサ21は、算出した電子化率を、メインメモリ22又は補助記憶デバイス23に記憶させる。そしてプロセッサ21は、当該電子化率を必要に応じて出力する。例えばプロセッサ21は、分析処理の実行を要求した情報端末に通信ネットワーク200を介して電子化率を通知する。例えばプロセッサ21は、予め通知先として設定された情報端末に通信ネットワーク200を介して電子化率を通知する。例えばプロセッサ21は、図示しない情報端末からの要求に応じて、当該情報端末に対して電子化率を通知する。
かくしてアプリケーションプログラムに基づく分析処理をプロセッサ21が実行することによって、プロセッサ21を中枢部分とするコンピュータは分析手段として機能する。
なお、図8に示す分析処理は、一例である。分析処理の内容は任意であってよい。プロセッサ21は、互いに異なる複数の分析処理を選択的に実行してもよい。
【0051】
以上のように電子レシートシステム100によれば、例えば上記の電子化率のような情報を分析処理により得ることができ、電子レシートサービスの利用者に関する取引がPOS端末101で登録される全ての取引に対してどのような傾向を持つのかを、会員以外の取引に関する取引データを用いることなく分析できる。特に上記の電子化率により、全ての取引の中での電子レシートサービスの利用状況を把握することが可能である。
【0052】
また電子レシートシステム100によれば、集計処理の結果を表した精算レシートを発行するために生成されるプリントデータから集計データを生成するので、集計処理のための機能は、例えば日計精算レポートのような周知の精算レシートを生成するための既存の機能をそのまま用いることができる。
【0053】
この実施形態は、次のような種々の変形実施が可能である。
会員コードであることを表す語句は「ID」には限らず、例えば「会員コード」などの別の語句としてもよい。なお、Act22においてプロセッサ1は、会員コードであることを表す語句として予め定められた語句が有るか否かを確認することとする。
プロセッサ1は、エージェント処理を行わずに、登録・会計処理及び集計処理において、取引データ及び集計データを生成、送信してもよい。
アプリケーションプログラムに基づいてプロセッサ1及びプロセッサ21が実現する各機能は、その一部または全てをロジック回路などのようなプログラムに基づかない情報処理を実行するハードウェアにより実現することも可能である。また上記の各機能のそれぞれは、上記のロジック回路などのハードウェアにソフトウェア制御を組み合わせて実現することも可能である。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1] 登録装置と、電子レシートサーバとを含み、
前記登録装置は、
取引の内容を登録する登録手段と、
会員の取引に関して前記登録手段により登録された内容の少なくとも一部を表した取引データを生成する生成手段と、
前記会員以外に対して行われる取引を含む複数の取引に関して集計して集計データを得る集計手段と、
前記生成手段により生成された前記取引データ及び前記集計手段により得られた前記集計データを前記電子レシートサーバに宛てて送信する送信手段と、
を具備し、
前記電子レシートサーバは、
前記送信手段により送信された前記取引データ及び前記集計データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された複数取引分の前記取引データを蓄積して記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された複数取引分の前記取引データについて、前記受信手段により受信された前記集計データを用いて分析する分析手段と、
を具備する電子レシートシステム。
[付記2] 前記集計手段は、前記取引が前記会員に対して行われるか否かに拘わらずに、前記登録手段で登録された全ての取引の件数を表すデータを前記集計データとして得て、
前記分析手段は、前記集計データが表す件数に対する前記記憶手段に記憶された前記取引データの数の割合を求める、
付記1に記載の電子レシートシステム。
[付記3] 前記生成手段は、前記登録手段により登録された内容を表したレシートのプリントデータから上記内容を構造化形式で表した取引データを生成し、
前記集計手段はさらに、前記集計の結果を表した前記レシートとは別の印刷物のプリントデータを生成し、当該プリントデータから前記集計結果を構造化形式で表したデータとして前記集計データを得る、
付記1又は付記2に記載の電子レシートシステム。
[付記4] 取引の内容を登録する登録手段と、
会員の取引に関して前記登録手段により登録された内容の少なくとも一部を表した取引データを生成する生成手段と、
前記会員以外に対して行われる取引を含む複数の取引に関して集計して集計データを得る集計手段と、
前記生成手段により生成された前記取引データ及び前記集計手段により得られた前記集計データを送信する送信手段と、
を具備した登録装置とともに電子レシートシステムを構成する電子レシートサーバであって、
前記送信手段により送信された前記取引データ及び前記集計データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された複数取引分の前記取引データを蓄積して記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された複数取引分の前記取引データについて、前記受信手段により受信された前記集計データを用いて分析する分析手段と、
を具備する電子レシートサーバ。
[付記5] 電子レシートサーバとともに電子レシートシステムを構成する登録装置であって、
取引の内容を登録する登録手段と、
会員の取引に関して前記登録手段により登録された内容の少なくとも一部を表したデータとして前記取引データを生成する生成手段と、
前記会員以外に対して行われる取引を含む複数の取引に関して集計して前記集計データを得る集計手段と、
前記生成手段により生成された前記取引データ及び前記集計手段により得られた前記集計データを前記電子レシートサーバに宛てて送信する送信手段と、
を具備する登録装置。
【符号の説明】
【0055】
1,21…プロセッサ、2,22…メインメモリ、3,23…補助記憶デバイス、4…時計部、5…入力デバイス、6…表示デバイス、7…バーコードリーダ、8…プリンタ、9,24…通信インタフェース、10,25…伝送路、100…電子レシートシステム、101…POS端末、102…電子レシートサーバ、200…通信ネットワーク。
図1
図2
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図6
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図8