特許第6961828号(P6961828)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961828駐車場誘導システムおよび駐車場誘導方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961828
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】駐車場誘導システムおよび駐車場誘導方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20211025BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   G08G1/14
   G01C21/34
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2020-539170(P2020-539170)
(86)(22)【出願日】2018年8月27日
(86)【国際出願番号】JP2018031525
(87)【国際公開番号】WO2020044392
(87)【国際公開日】20200305
【審査請求日】2020年12月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】300016765
【氏名又は名称】シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】内山 晃
【審査官】 白石 剛史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−118703(JP,A)
【文献】 特開2002−123895(JP,A)
【文献】 特開平7−44798(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0178382(US,A1)
【文献】 特開2008−52670(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/14
G01C 21/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場を利用する車両を検出する検出部と、
前記検出部による検出結果に基づいて、前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記駐車場内における所定数の空車スペースを選択する選択部と、
前記所定数の空車スペースを示す画像を表示する表示部と、を備え、
前記選択部は、前記判定部により前記駐車場が混雑状態であると判定された場合、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックのうち、空車スペースを有し、かつ、前記駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設入口により近い駐車ブロックである第1の駐車ブロック
において、前記車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択する、
駐車場誘導システム。
【請求項2】
前記選択部は、前記判定部により前記駐車場が混雑状態でないと判定された場合、前記施設入口に近い方から前記空車スペースを選択する、
請求項1に記載の駐車場誘導システム。
【請求項3】
前記選択部は、前記判定部により判定された混雑状態に応じて前記所定数を決定する、
請求項1または2に記載の駐車場誘導システム。
【請求項4】
前記選択部は、前記第1の駐車ブロックにおいて、空車スペースの数が基準以下の場合、前記第1の駐車ブロックの中から前記所定数より少ない数の空車スペースを選択すると共に、前記第1の駐車ブロックとは異なる前記駐車ブロックの中から残りの数の空車スペースを選択する、
請求項3に記載の駐車場誘導システム。
【請求項5】
前記検出部は、前記駐車場入口に所定時間内に存在する車両の数を検出し、
前記判定部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記駐車場入口に基準以上の連続した車両を検出した場合、前記駐車場が混雑状態であると判定する、
請求項1から4のうちいずれか1項に記載の駐車場誘導システム。
【請求項6】
前記検出部は、前記駐車ブロックの車両の数を検出し、
前記判定部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記駐車ブロックの駐車率が所定値以上の場合、前記駐車場が混雑状態であると判定する、
請求項1から5のうちいずれか1項に記載の駐車場誘導システム。
【請求項7】
前記検出部は、前記駐車場入口から前記駐車場内に入る単位時間当たりの車両の数を検出し、
前記判定部は、前記検出部の検出結果に基づいて、前記単位時間当たりの車の台数が所定台数以上の場合、前記駐車場が混雑状態であると判定する、
請求項1から6のうちいずれか1項に記載の駐車場誘導システム。
【請求項8】
前記検出部は、前記駐車場の複数の駐車スペースと、前記駐車ブロックと、前記駐車スペースの混雑状態でない平常時の優先順位と、混雑状態の優先順位と、車両の有無等の情報とが対応付けられたテーブルを検出結果に基づいて所定のタイミングで更新し、
前記判定部は、前記テーブルを参照して前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定し、
前記選択部は、前記判定部による判定結果に基づいて、前記テーブルを参照して前記優先順位に従って前記空車スペースを選択する、
請求項1から7のうちいずれか1項に記載の駐車場誘導システム。
【請求項9】
駐車場を利用する車両を検出し、
検出結果に基づいて、前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定し、
前記駐車場が混雑状態であると判定した場合、前記混雑状態に基づいて、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックの中から、前記駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設入口からの距離が近い順に前記駐車ブロックを選択し、
選択した前記駐車ブロックに含まれる複数の空車スペースの中から前記車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択し、
選択した所定数の前記空車スペースを示す画像を表示する、
駐車場誘導方法。
【請求項10】
駐車場を利用する車両を検出し、
前記車両の検出結果に基づいて、前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定し、
前記駐車場が混雑状態であると判定した場合、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックのうち、空車スペースを有し、かつ、前記駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設入口により近い駐車ブロックである第1の駐車ブロックにおいて、前記車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択し、
選択した所定数の前記空車スペースを示す画像を表示する、
駐車場誘導方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場誘導システムおよび駐車場誘導方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施設に併設された駐車場は、車両の入出を出入口で管理しているものが多い。このような駐車場において、利用者の車両が増加すると、駐車場内で車両の渋滞が発生する場合や、駐車場に接続する道路に待機する車両による道路交通への影響が発生する場合がある。このため、施設に併設される駐車場における円滑な交通誘導が求められる。これに関連して車両を駐車場内に効率的に駐車させるための技術が知られている。
【0003】
特許文献1には、駐車場から情報を取得し、駐車場と店舗等の施設に連絡する連絡路等と駐車区域との距離が近いものほど優先度が高い駐車区域と決定し、優先度が高い駐車区域から目的地として設定する車内用情報案内装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、駐車場の入口から最も奥側の空車スペースを指定駐車位置として番号を駐車券に印字して車両を案内する駐車場誘導システムが記載されている。
【0005】
特許文献3には、駐車スペースから駐車場の歩行者用出入口との移動距離が短いほど優先度を高く設定し、優先度が高い駐車スペースへの案内表示をする駐車場管理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−063504号公報
【特許文献2】特開2004−118703号公報
【特許文献3】特開平7−249195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
施設に併設された駐車場では、車両が入口の近傍や施設へ通じる入口等の近傍に集中し、駐車場内あるいは駐車場入口で車両の渋滞が発生する。駐車場において、混雑時に空車スペースを探索することは困難であり、後続車が列を成すような混雑時においては交通渋滞の原因となる。
【0008】
しかし、駐車場内の交通渋滞のみを考慮して車両を誘導すると、誘導先は利用者の利便性が低下する駐車スペースであるという課題がある。
【0009】
特許文献1に記載された情報案内装置によれば、混雑時は、混雑した駐車区域の優先度を下げて、混雑していない駐車区域を案内するように構成されているため、混雑時の利用者の利便性が低下する場合がある。
【0010】
特許文献2に記載された駐車場誘導システムによれば、駐車場内で最も奥にある空車スペースを案内するため、利用者の利便性に欠けると共に、混雑時の駐車場内の交通が考慮されておらず、駐車場内に渋滞が発生する可能性がある。
【0011】
特許文献3に記載された駐車場管理システムによれば、利用者の利便性が考慮されているが、駐車場内の車両の流れについて考慮されておらず、利便性の高い駐車スペースに車両が集中し、駐車場内に渋滞が発生する可能性がある。
【0012】
本発明は、上記事情を考慮してなされたものであり、利用者の利便性を向上させるとともに、駐車場内での混雑を緩和させることができる駐車場誘導システムおよび駐車場誘導方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、駐車場を利用する車両を検出する検出部と、前記検出部による検出結果に基づいて、前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果に基づいて、前記駐車場内における所定数の空車スペースを選択する選択部と、前記所定数の空車スペースを示す画像を表示する表示部と、を備え、前記選択部は、前記判定部により前記駐車場が混雑状態であると判定された場合、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックのうち、空車スペースを有し、かつ、前記駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設入口により近い駐車ブロックである第1の駐車ブロック
において、前記車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択する、駐車場誘導システムである。
【0014】
また、本発明の一態様は、駐車場を利用する車両を検出し、検出結果に基づいて、前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定し、前記駐車場が混雑状態であると判定した場合、前記混雑状態に基づいて、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックの中から、前記駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設入口からの距離が近い順に前記駐車ブロックを選択し、選択した前記駐車ブロックに含まれる複数の空車スペースの中から前記車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択し、選択した所定数の前記空車スペースを示す画像を表示する、駐車場誘導方法である。
【0015】
また、本発明の一態様は、駐車場を利用する車両を検出し、前記車両の検出結果に基づいて、前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定し、前記駐車場が混雑状態であると判定した場合、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックのうち、空車スペースを有し、かつ、前記駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設入口により近い駐車ブロックである第1の駐車ブロックにおいて、前記車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択し、選択した所定数の前記空車スペースを示す画像を表示する、駐車場誘導方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、利用者の利便性を向上させるとともに、駐車場内での混雑を緩和させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】駐車場誘導システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】駐車場のレイアウトの一例を示す図である。
図3】駐車スペースと優先順位とが対応付けられたテーブルの一例を示す図である。
図4】駐車スペースと施設入口との間の距離のデータが加えられたテーブルの一例を示す図である。
図5】検出された駐車車両の有無が反映されたテーブルの一例を示す図である
図6】駐車車両が存在する駐車場の状態の一例を示す図である。
図7】駐車車両が存在する駐車場の空車スペースを示す映像コンテンツの一例を示す図である。
図8】誘導処理の過程のテーブルの一例を示す図である。
図9】誘導処理の過程の駐車場の状態の一例を示す図である。
図10】2つの駐車ブロックの空車スペースを示す映像コンテンツの一例を示す図である。
図11】駐車場誘導システムにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る駐車場誘導システム1の実施形態について説明する。
【0019】
駐車場誘導システムは、例えば、施設等に併設された駐車場において、施設入口の付近に車両を誘導しつつ、駐車場における交通を円滑にするシステムである。図1は、駐車場誘導システム1の構成の一例を示すブロック図である。駐車場誘導システム1は、例えば、駐車場を利用する車両を感知する検出部10と、検出部10の判定結果に基づいて車両を誘導するための演算を行う配信サーバ20と、配信サーバ20の演算結果に基づいて車両を誘導するための表示を行う表示部30とを備える。
【0020】
検出部10は、例えば、駐車場を利用する車両の混雑度合を検出するための複数のセンサを備える。複数のセンサは、例えば、駐車場における入口、出口、車両通路、各駐車スペースに設けられた車両を感知するセンサである。センサは、例えば、カメラ、音波センサ、光学式センサ、電磁界センサ等またはこれらを組合せて用いられる。センサは、駐車場の形態や取り付け場所に合わせて天井、路面等、所定の機器に設置される。検出部10は、例えば、駐車場の入口において待機する車両の台数を検出する第1センサ12を備える。
【0021】
検出部10は、この他に各駐車スペースにおいて車両を検出するための第2センサ14を備える。第2センサは、例えば、駐車スペース内の車両の有無を検出する。第2センサは、例えば、駐車場が屋内の場合、駐車スペースの天井に設けられ、駐車場が屋外の場合、路面や路面から起立して設けられた筐体等に設けられる。第2センサは、高所に設けられたカメラによる画像解析に基づいて、複数の駐車スペースの車両の有無を検出するものであってもよい。
【0022】
検出部10は、この他、入口や出口において車両の出入りを検出するセンサ(不図示)や、駐車場内の車両通路において車両を検出するセンサ(不図示)が設けられる。検出部10は、第1センサ12と、第2センサ14との検出結果を配信サーバ20に出力する。
【0023】
配信サーバ20は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等の端末装置により実現される。配信サーバ20は、検出部10と表示部30とに通信可能に接続されている。配信サーバ20は、検出部10から出力された検出結果を取得する。配信サーバ20は、検出結果に基づいて、表示部30に車両を誘導するための表示内容を表示させる。
【0024】
配信サーバ20は、必ずしも駐車場に設置されていなくてもよく、駐車場と離れた遠隔地から通信回線を通じて検出部10や表示部30と通信するものであってもよい。配信サーバ20は、判定部22と、選択部24とを備える。
【0025】
判定部22は、例えば、検出部10の検出結果に基づいて駐車場が混雑状態であるか否かを判定する。ここで、車両の混雑とは、例えば、少なくとも下記(1)−(3)の状態をいう。(1)駐車場内または駐車場入口において、駐車するために通行または停車している車両が所定台数以上存在している状態。言い換えれば、駐車スペースに駐車されていない車(これから駐車する車等)が多い状態。(2)駐車場内の駐車スペースに所定の駐車率以上で車両が駐車している状態。(3)駐車場入口から駐車場内に入る、単位時間当たりの車の台数が多い状態。
【0026】
判定部22は、例えば(1)の状態を判定するため、駐車場入口に設置された第1センサ12により検出された車両の検出結果に基づいて、所定台数(例えば、3台)以上の連続した車両を検出した場合、駐車場が混雑状態であると判定する。
【0027】
判定部22は、例えば(2)の状態を判定するため、各駐車スペースに設けられた第2センサにより検出された車両の検出結果に基づいて、駐車率が所定値以上の場合、駐車場が混雑状態であると判定する。
【0028】
この他、判定部22は(3)の状態を判定するため、第1センサ12により検出された車両の検出結果に基づいて、駐車場入口から駐車場内に入る単位時間当たりの車の台数が所定台数以上の場合、駐車場が混雑状態であると判定してもよい。
【0029】
選択部24は、車両を駐車場内において渋滞が生じないように誘導するために、複数の空車スペースの中から適切な空車スペースを選択する。駐車場の利用者は、自己の利便性を追求して施設入口から近い位置の駐車スペースを望むことが多い。施設入口とは、例えば、駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設に通じる通路や入口設備である。しかし、施設入口に近い位置から空車スペースを選択して誘導すると、施設入口付近の駐車スペースに車両が集中して渋滞を生じさせる可能性がある。
【0030】
ところが、交通渋滞を考慮し、単に駐車場の奥側から駐車させるような誘導をすると、例えば、施設入口から遠い駐車スペースが誘導される等の事態が発生する場合があり、利用者の利便性が低下する。そこで、選択部24は、利用者の利便性と渋滞の抑制とのバランスに基づいて空車スペースを選択する。
【0031】
選択部24は、例えば、判定部22により駐車場が混雑状態であると判定された場合、複数の駐車ブロックに設けられた複数の車両通路の中から一つの車両通路を選択する。選択部24は、例えば、施設入口から近い順に車両通路を選択する。
【0032】
次に、選択部24は、選択した車両通路に接続する複数の空車スペースの中から車両の進行方向に向かって奥側から車両を駐車させる空車スペースを選択する。選択部24の詳細な処理については後述する。
【0033】
配信サーバ20は、選択した空車スペースの画像を表示部30に表示させる。表示部30は、後述のように、空車スペースの内から既に算出した優先順位に従って上位3か所の空車スペースをマーキングする映像コンテンツを表示する。
【0034】
表示部30は、例えば、第1表示部32と、第2表示部34とを備える。第1表示部32は、例えば、駐車場の入口付近に設置され、車両が駐車場に入場した際に、空車スペースの情報を表示し、ドライバーに対して視覚的な誘導を行う(図2参照)。
【0035】
第2表示部34は、例えば、駐車場内の車両通路において車両が駐車場内を一周して入口に戻る位置においてドライバーが視認可能な位置に設置される(図2参照)。第2表示部34には、ドライバーが誘導された駐車スペースを通過した場合や、誘導された駐車スペースに他車が駐車してしまった場合、ドライバーが再度駐車スペースに駐車するための情報が表示される。
【0036】
第1表示部32および第2表示部34は、例えば、駐車場内における駐車スペースへの誘導情報等の表示対象を表示するディスプレイ装置である。表示部30は、は、例えば、液晶ディスプレイ、LED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ、電光掲示板等の表示装置が用いられる。
【0037】
次に、駐車場誘導システム1の具体的な動作について説明する。駐車場には多種多様なレイアウトが想定される。以下に示す駐車場のレイアウトおよび各装置の配置関係の一例を前提にして駐車場誘導システム1の動作を説明する。
【0038】
図2に示されるように、駐車場Pは、多数の駐車スペースSを含む複数の駐車ブロックが区画されている。本実施形態において、車両通路Rからアクセスする多数の駐車スペース群を駐車ブロックの単位として定義し、5つの駐車経路に対応して駐車ブロックB1〜B5が設定されている。
【0039】
車両通路Rは、例えば、各駐車ブロックにおいて一方通行で設定されている。車両通路Rは、両方向に通行可能に設定されていてもよい。その場合車両通路Rは、通行方向毎に定義される。車両通路Rの通行方向、レイアウトは、駐車場P内の交通を円滑にするために駐車場Pのレイアウトに合わせて設定される。
【0040】
各駐車スペースPn(n:自然数)には、施設入口Eからの距離に応じて番号が付与されている。図3に示されるように、配信サーバ20の記憶装置(不図示)には、各駐車スペースPn、駐車ブロック、平常時(混雑状態でない状態)の優先順位、混雑時の優先順位、車両の有無等の情報が対応付けられたテーブルTが設定されている。テーブルTは、検出部10により、検出結果に基づいて、駐車場Pの駐車状況によって車両の有無の情報が所定のタイミングで常時更新される。
【0041】
図4に示されるように、平常時のテーブルTにおける優先順位は、例えば、テーブルTに各駐車スペースPnと施設入口Eとの間の距離データを追加したテーブルT1を用いて算出される。
【0042】
判定部22は、検出部10の検出結果を反映したテーブルTを参照して、駐車場Pが混雑状態であるか否かを判定する。判定部22は、第1センサ12の検出結果に基づいて、駐車場の入口Iが混雑しているか否かを判定する。判定部22により駐車場の入口Iが混雑していないと判定された場合、選択部24は、平常時の誘導処理を開始する。
【0043】
選択部24は、平常時の誘導処理においてテーブルTを参照して、表示部30に推奨する車両が駐車されていない駐車スペースPn(空車スペース)の中から優先順位の高い上位の3か所の空車スペースを抽出する。即ち、選択部24は、平常時に施設入口Eに近い方から空車スペースを選択する。
【0044】
図2の例では、施設入口Eと各駐車スペースPnとの間の距離が等しい値となっている箇所があるが、この場合はどちらを高位に設定してもよい。本実施形態では、各駐車スペースPnに割り当てたナンバーの値が小さい方を高位として設定している。
【0045】
選択部24は、3か所の空車スペースをマーキングする映像コンテンツ(表示内容)のデータを生成し、第1表示部32および第2表示部34に送信する。第1表示部32および第2表示部34は、表示内容のデータを受信し、所定数の空車スペースの映像コンテンツ(画像)を表示してドライバーに対して視覚的な誘導を行う。
【0046】
駐車スペースPnの空き状態は、常時変動しているので、第1表示部32および第2表示部34に表示された3つの駐車スペースPn(空車スペース)のうち、1つ以上の駐車スペースPnに車両が駐車された場合、選択部24は、再度テーブルTを参照し、残りの駐車スペースの中から優先順位の高い順に3箇所の駐車スペースを選択する。
【0047】
選択部24は、選択した空車スペースの情報を第1表示部32および第2表示部34に表示させ、車両を誘導する。
【0048】
このような処理を行っている間においても、第1センサ12の検出結果による入口Iの混雑状態は、判定部22により常時判定されている。更に、第2センサ14の検出結果による駐車スペースPnの混雑状態は、判定部22により常時判定されている。
【0049】
判定部22は、第2センサ14の出力値に基づいて、各駐車スペースPnにおける車両の有無の情報を取得する。そして、判定部22は、取得した情報に基づいて、駐車スペースPnの駐車率を演算し、駐車スペースPnの駐車率を演算する。
【0050】
判定部22により入口Iまたは駐車スペースPnが混雑状態であると判定された場合、選択部24は、空車状況は保存しつつ、作成途中もしくは配信準備している誘導処理のコンテンツは破棄して、強制的に混雑時の誘導処理を開始する。
【0051】
まず、選択部24は、駐車場内の各車両通路を駐車ブロック毎に分ける処理を行う。選択部24は、例えば、テーブルT(図3参照)を参照し、各駐車スペースPnのグループ分けを行う。各駐車スペースPnの属するグループは、例えば、各駐車スペースPnに番号を付与する際に、各車両通路の位置との関連に基づいて予め設定される。設定されたグループは、テーブルTに記録されている。
【0052】
次に、選択部24は、テーブルTを参照し、各駐車ブロックに平常時の優先順位に基づいた序列を設定する。選択部24は、平常時の優先順位をテーブルT1(図4参照)に基づいて施設入口までの距離によって算出する。優先順位が1位の駐車スペースが含まれる車両通路Rは、平常時において優先順位が最も高い通路であると想定される。
【0053】
選択部24は、各駐車ブロックB内の駐車スペースPnの中から、平常時の優先順位が最も高い駐車スペースPnの順位を駐車ブロックB1〜B5の中で比較する。但し、優先順位が高いとは番号が小さいことをいう。
【0054】
選択部24は、駐車ブロックB1を除いて残りの駐車ブロックB2〜B5に同様の処理を実施し、次に施設入口Eに近い通路を算出する処理を最後まで行う。
【0055】
選択部24は、駐車ブロック内に含まれる駐車スペースの内、優先順位が最も高い駐車スペースの優先順位を各駐車ブロックの代表的な優先順位として各駐車ブロックに順位付けする。そのような順位付けによれば、駐車ブロックB1:1位、駐車ブロックB2:17位、駐車ブロックB3:33位、駐車ブロックB4:49位、駐車ブロックB5:56位となる。選択部24は、駐車ブロックB1、駐車ブロックB2、駐車ブロックB3、駐車ブロックB4、駐車ブロックB5の順に各駐車ブロックを順位付けする。
【0056】
このような処理により、選択部24は、混雑時の処理において、複数の駐車ブロックB1〜B5を、施設入口Eから距離が近い順に順位付けし、順位に従って駐車ブロックを選択する。選択部24は、この序列を作成した後、混雑時の処理に用いられる各駐車ブロックB1〜B5内にある駐車スペースPnの優先順位を算出する。選択部24は、混雑時の優先順位を例えば、駐車場入口から各駐車スペースから駐車場入口までの経路に沿った距離が長いものが高くなる順に設定する(図4参照)。
【0057】
具体的には、各駐車ブロックB1〜B5内において、選択部24は、車両通路の進行方向に向かって奥側の駐車スペースPnから優先順位が高くなるように優先順位を順位付けする。即ち、選択部24は、各駐車ブロックB1〜B5において、駐車場Pの最も奥に位置する駐車スペースを最高位の優先順位に設定する。
【0058】
選択部24は、駐車場が混雑状態である場合、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックのうち、空車スペースを有し、かつ、施設入口Eにより近い駐車ブロックである駐車ブロックにおいて、車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択する。
【0059】
通常時の誘導処理において、駐車場全体の全ての駐車スペースPnに対して1〜62まで優先順位を算出しているのに対して、上述した混雑時の誘導処理は、駐車スペースPnの混雑状態に応じて各駐車ブロックB1〜B5内において1〜m(mは、誘導する空車スペースの数)までの優先順位を算出しているため、処理が低減される。
【0060】
このような処理により、選択部24は、駐車ブロックB1の中だけで所定数の空車スペースを表示する映像コンテンツ(画像)を作成し、表示部30に配信を行う。所定数とは、優先順位に従った上位3つ空車スペースの数である。
【0061】
駐車ブロックB1は、施設入口Eに最も近い通路であるが、駐車ブロックB1内で平常時の優先順位が下位である駐車スペースと、駐車ブロックB2内で同じ優先順位が高位である駐車スペースとの施設入口Eまでの距離を比較するとその差において大差はない。そのため、駐車ブロックB1に誘導された車両が集中している場合、駐車ブロックB2においては駐車ブロックB1に比して比較的スムーズに駐車できる可能性が高い。
【0062】
そこで、駐車ブロックB1内の空車スペースの数が駐車ブロックの駐車スペースPnの数に比して基準(1/2)以下になった場合、選択部24は、駐車ブロックB1の優先順位が上位から所定数(例えば3つ)の空車スペースを抽出する処理に加え、駐車ブロックにおける優先順位が次に高い駐車ブロックB2の上位から3つの空車スペースを誘導対象に加える処理を行う。基準の値や所定数は、適宜変更されてもよい。
【0063】
このように、選択部24は、誘導する対象の空車スペースを計6箇所表示する映像コンテンツを作成し、表示部30に表示させて車両を誘導する結果、駐車場Pにおける渋滞を緩和することができる。
【0064】
選択部24は、表示部30に表示中の空車スペースが埋まった場合、新たに映像コンテンツを生成するにあたり、上述したように優先順位が最高位の駐車ブロックの中から更に優先順位に基づいて空車スペースの抽出を行う。このとき、選択部24は、最高位の駐車ブロックが既に満車である場合、次位の駐車ブロックの空車スペースから抽出する。
【0065】
表示部30に誘導表示される空車スペースの最大数は、多過ぎるとドライバーがどのスペースに駐車すれば良いか困惑する可能性がある。そのため、例えば、空車スペースの表示数を最大6箇所と定めて駐車ブロックB1に続き駐車ブロックB2の空車スペースの数が1/2となっても、選択部24は、空車スペースの表示数の拡大は行わないように処理を続行する。
【0066】
即ち選択部24は、(第1の)駐車ブロックB1において、空車スペースの数が基準以下の場合、駐車ブロックB1の中から所定数より少ない数の空車スペースを選択すると共に、駐車ブロックB1とは異なる駐車ブロックB2の中から残りの数の空車スペースを選択する。
【0067】
また、この処理は一時的な混雑に対応する処理であるため、第1センサ12の検出結果に基づいて、駐車場入口で連続している車両が3台以下であると判定部22により判定された場合、選択部24は、直ちに通常時の誘導処理を開始する。
【0068】
次に、駐車場Pが混雑状態の場合、選択部24において実行される駐車ブロックを分ける処理について説明する。まず駐車ブロック分けを実施する際、1つの車両通路の始点から終点までに車両通路に接続する多数の駐車スペースPnを含む領域を一つの駐車ブロックとして定義される。駐車ブロックは、例えば、計5つ設定される(図2参照)。
【0069】
混雑状態における誘導処理において、選択部24は、優先順位の序列の高い駐車ブロックB1の車両通路R1に対して、駐車場の入口Iからの経路に沿った距離の長い駐車スペースPnを抽出する。これにより、駐車場誘導システム1は、駐車場内での渋滞を緩和しつつ、施設入口Eにできるだけ近い駐車スペースに車両を誘導できる。
【0070】
次に、上述したように、駐車場の入口Iから連続する3台の車両が入場した後の駐車場誘導システム1の処理について説明する。上記条件に加えて、これらの3台の車両より先に駐車場P内において駐車している車両も存在し、駐車場P内は程よく混雑した状態となっているものとする。
【0071】
図5に示されるように、これらの3台の入場以前の駐車場Pの混雑状況は、テーブルTに記録されている。図6に示されるように、選択部24は、テーブルTを参照し、駐車場Pの駐車スペースPnの状態の情報を取得する。
【0072】
上記の状況から、選択部24は、テーブルTを参照し、まず駐車ブロックにおける優先順位の序列において最高位である駐車ブロックB1を選択する。
【0073】
選択部24は、例えば、駐車ブロックB1の空車スペースの中から優先順位に基づいて、上位3箇所の駐車スペースP13,P14,P5を抽出する。図7に示されるように、選択部24は、駐車スペースP13,P14,P5が強調された誘導用の映像コンテンツIMを作成し、表示部30に表示させる。
【0074】
この後、誘導された3台の車両は、駐車場Pに入場し、映像コンテンツIMに表示された駐車スペースP13,P14,P5に向かって進行する。このとき、選択部24は、例えば、駐車ブロックB1において、3台連なる車両の先頭車両が奥側の駐車スペースP13から駐車するように駐車スペースP13においてランプを点灯させる等の誘導処理を行わせてもよい。
【0075】
選択部24は、例えば、先頭車両が駐車スペースP13に駐車した後、同様に、次の後続車両が奥側の駐車スペースP14から駐車するように駐車スペースP14においてランプなどの誘導灯を点灯させる等の誘導処理を行わせてもよい。
【0076】
仮に、上記のような処理を行わずに混雑時の優先順位を、単純に、駐車場入口からの経路に沿った距離の長い方から高い順位をつける方法を用いて算出した場合、車両は、例えば、駐車ブロックB3の中から、駐車スペースP48や駐車スペースP40等に誘導される。
【0077】
このような誘導処理によれば、例えば、駐車ブロックB1の駐車スペースに空車スペースがあったとしても画一的に行われ、車両が駐車ブロックB1の駐車スペースに誘導されることはない。
【0078】
この他、仮に図6の混雑時の優先順位を、施設入口Eからの経路に沿った距離の短い方から高い順位をつける方法を用いて算出した場合、車両は、例えば、駐車ブロックB1の中から、駐車スペースP2,P7,P8等に誘導される。例えば、前を走行する車両が駐車スペースP2に駐車のための操作を行っている間に後続の車両が待機するため、渋滞が発生する可能性がある。
【0079】
一方、駐車場誘導システム1によれば、駐車ブロックに順位を付けて処理を行い、更に施設入口Eに近い駐車ブロックB1等の中でも、奥から詰めて駐車するように空きスペースを選択する処理を行うことができる。その結果、駐車場誘導システム1によれば、駐車場Pが混雑状態となっても、駐車場内での渋滞を緩和しつつ、利用者にとって利便性の高い施設入口Eに近い駐車スペースに車両を誘導することができる。
【0080】
図8及び図9に示されるように、3台の車両が空車スペースに駐車した状態の後の処理について説明する。例えば、第1センサ12により5台の連続した車両が検出され、判定部22により混雑状態にあると判定された場合、選択部24は、検出された車両の台数に応じて以下の処理を行う。選択部24は、上述したように、駐車スペースの優先順位に基づいて、駐車ブロックB1を選択する。
【0081】
選択部24は、駐車ブロックB1において、空車スペースの数が駐車スペースの数の基準以下の場合、他の駐車ブロックに分散させて駐車させるよう次の順位の駐車ブロックB2を選択し、駐車ブロックB2の中から分散させる空きスペースを選択する。
【0082】
選択部24は、例えば、最初に選択した駐車ブロックB1において、空車スペースの数が駐車スペースの数に比して基準以下の場合、駐車ブロックB1の中から所定数より少ない数の空車スペースを選択すると共に、次の順位の駐車ブロックの中から残りの数の空車スペースを選択する。
【0083】
この状況では駐車ブロックB1の空車スペースの数が駐車スペースの数の基準(例えば、1/2の数)を下回っているので、選択部24は、例えば、駐車ブロックB1から所定数の半分の上位3箇所の空車スペースを選択し、駐車ブロックB2から上位3箇所の空車スペースを選択する。
【0084】
図10に示されるように、表示部30は、選択された計6箇所の空車スペースの映像コンテンツIMを表示する。
【0085】
駐車ブロックB1は施設入口Eに最も近い通路であるが駐車スペースには限りがあるため、駐車ブロックB1の車両通路R1の始点付近で駐車すると混雑となる可能性がある。従って、選択部24は、駐車ブロックB2に車両を分散させることで駐車場Pにおいて渋滞が発生することを防いでいる。
【0086】
結果的に、駐車場入場から施設入口入場に至るまでの時間を考慮すれば、駐車ブロックB1で前方車両の駐車を待つ時間を取られることより、少し距離が離れた駐車ブロックに車両を分散させた方がスムーズに駐車が可能となり、利用者の駐車に要する時間が短縮される。
【0087】
次に、駐車場誘導システム1において実行される処理の流れについて説明する。図11は、駐車場誘導システム1において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0088】
選択部24は、テーブルTを参照して駐車スペースPnの優先順位を取得する(ステップS100)。検出部10は、駐車場Pを利用する車両の台数を検出する(ステップS102)。判定部22は、検出部10の検出結果に基づいて、駐車場Pが混雑状態であるか否かを判定する(ステップS104)。
【0089】
ステップS104で否定的な判定を得た場合、選択部24は、優先順位に従って空車スペースを選択する(ステップS106)。表示部30は、空車スペースに誘導する表示内容を表示する(ステップS108)。ステップS108の後、処理はステップS102に戻される。ステップS104で肯定的な判定を得た場合、選択部24は、複数の駐車スペースを車両通路毎に駐車ブロックに分ける(ステップS110)。
【0090】
選択部24は、優先順位に基づいて、駐車ブロックの順位を決定する(ステップS112)。選択部24は、駐車ブロックの順位に応じて駐車ブロックを選択する(ステップS114)。選択部24は、選択した駐車ブロックの空車スペースの数が基準以上か否かを判定する(ステップS116)。
【0091】
ステップS116で肯定的な判定を得た場合、選択部24は、最初に選択した駐車ブロックから3箇所の空車スペースを選択する(ステップS118)。ステップS118の後、処理はステップS122に進められる。
【0092】
ステップS116で否定的な判定を得た場合、選択部24は、最初に選択した駐車ブロックから3箇所の空車スペースを選択し、次の順位の駐車ブロックから3箇所の空車スペースを選択する(ステップS120)。表示部30は、空車スペースに誘導する表示内容を表示する(ステップS122)。
【0093】
判定部22は、第2センサ14の出力値に基づいて、表示中の駐車スペースが埋まったか否かを判定する(ステップS124)。ステップS124で肯定的な判定を得た場合、処理はステップS114に戻される。ステップS124で否定的な判定を得た場合、判定部22は、検出部10の出力値に基づいて、駐車場Pの混雑が続いているか否かを判定(ステップS126)。
【0094】
ステップS126で肯定的な判定を得た場合、処理はステップS114に戻される。ステップS126で否定的な判定を得た場合、処理はステップS102に戻される。
【0095】
上述した判定部22および選択部24の各構成要素は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0096】
即ち、配信サーバ20において実行されるプログラムは、
駐車場を利用する車両を検出し、
検出結果に基づいて、前記駐車場が混雑状態であるか否かを判定し、
前記駐車場が混雑状態であると判定した場合、複数の車両通路に応じた複数の駐車ブロックのうち、空車スペースを有し、かつ、前記駐車場の駐車場入口と異なる位置に設けられた施設入口により近い駐車ブロックである第1の駐車ブロックにおいて、前記車両通路の進行方向に向かって奥側から空車スペースを選択し、
選択した所定数の前記空車スペースを示す画像を表示する、
処理を配信サーバ20に搭載されるコンピュータに実行させる。
【0097】
上述したように、駐車場誘導システム1によれば、利用者の利便性を向上させるとともに、駐車場内での混雑を緩和させることができる。駐車場誘導システム1によれば、駐車場のリアルタイムの混雑状態の変化に応じて利用者の利便性と渋滞の緩和とが比較考量された車両の誘導を行うことができる。
【0098】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、先述した優先順位の定義は、施設入口からの距離だけでなく、例えば駐車場出口からの距離に基づいて設定してもよい。この他、施設入口から近い場所から駐車させることではなく、駐車場奥の方から詰めて駐車させる処理を行わせるように変更してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1…駐車場誘導システム
10…検出部
12…第1センサ
14…第2センサ
20…配信サーバ
22…判定部
24…選択部
30…表示部
32…第1表示部
34…第2表示部
B、B1〜B5…駐車ブロック
E…施設入口
IM…映像コンテンツ
P…駐車場
PC…パーソナルコンピュータ
Pn…駐車スペース
Rn…車両通路
S…駐車スペース
T、T1…テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
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図11