(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも第1の層(1)を有する、吸収性物品に使用するためのトップシート(24)であって、前記第1の層が、第1の表面及び対向する第2の表面を有し、前記第1の層の総重量に対して少なくとも15重量%の天然繊維を含み、
前記第1の層(1)が、複数の孔(5)を有し、前記第1の層(1)が、前記孔(5)の大部分の間にランド領域(8)を含み、
前記孔(5)の前記大部分の間の前記第1の層(1)の前記第1の表面の前記ランド領域(8)上の第1の表面ランド領域接触角が、接触角試験方法に従って70°超であり、 前記トップシートが、流出試験方法に従って40%未満の流出量を有し、
前記孔の前記大部分の孔接触角が、前記接触角試験方法に従って70°以下であり、前記第1の表面ランド領域接触角が、前記孔接触角よりも少なくとも10°高い、トップシート(24)。
コンディショニングプロセス後の前記第1の層(1)の前記第1の表面の前記ランド領域(8)上の第1の表面ランド領域コンディショニング後接触角が、コンディショニング後接触角試験方法に従って50°超である、請求項1又は2に記載のトップシート(24)。
前記孔(5)の前記側壁は、前記孔の直径が、前記第1の層(1)の前記第2の表面上の前記ランド領域(8)に近位の前記孔の上部(6)において、前記第1の層(1)の前記第2の表面上の前記ランド領域(8)から離れて外向きに延在する前記孔の底部(7)における前記孔の直径よりも大きいように、テーパ状である、請求項8に記載のトップシート(24)。
前記第1の層(1)が、前記第1の表面上の前記ランド領域(8)から離れて外向きに延在する複数の突出部(9)を含み、前記複数の突出部(9)が、前記第1の層に三次元形状を付与し、前記孔(5)が、前記突出部の前記大部分の間に位置する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のトップシート(24)。
前記トップシート(24)が、第1の表面及び対向する第2の表面を有する第2の層(2)を更に有し、前記第2の層(2)が、複数の孔(5)及び前記孔(5)の前記大部分の間にランド領域(8)を有し、前記第2の層の前記第1の表面が、前記第1の層(1)の前記第2の表面と向かい合う関係にあり、それにより、前記第2の層(2)の前記孔(5)が、前記第1の層(1)の前記孔(5)と位置合わせされ、前記第1の層(1)及び前記第2の層(2)が、前記第1及び第2の層(1、2)の前記ランド領域(8)内で互いに接触及び接合され、
前記第1の層(1)の前記孔(5)が、前記第2の層(2)の前記孔(5)を少なくとも部分的に貫通し、
前記第2の層が、合成繊維、天然繊維、及び/又はこれらの組み合わせを含み、前記合成繊維が、単一成分繊維、多成分繊維、及びこれらの組み合わせである、請求項10に記載のトップシート(24)。
前記第2の層(2)が、突出部を有しておらず、前記第1の層の前記突出部(9)と一致する前記第2の層(2)の前記領域が平坦であり、前記孔(5)の前記大部分の間の前記第2の層の第2の表面(2)の第2の表面ランド領域接触角が、前記接触角試験方法に従って70°以下である、請求項11に記載のトップシート(24)。
前記第1の層(1)が、キャリアウェブと、ウェブであって、前記ウェブの少なくとも50重量%の天然繊維を含む、ウェブと、からなるスパンレース不織布層であり、前記ウェブの一部が、前記キャリアウェブに入る天然繊維を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のトップシート(24)。
【発明を実施するための形態】
【0027】
用語の定義
本発明で使用する場合、用語「吸収性物品」は、身体から排泄された種々の液状排泄物を吸収し収容するために、着用者の身体に直接当たるように、あるいは近接するように配置される、おむつ、パンツ又は婦人衛生用生理用ナプキンなどの使い捨ての製品を指す。典型的には、これらの吸収性物品は、トップシート、バックシート、及び吸収性コア、並びに、所望により捕捉層、及び/又は分配層及びその他の部材を含み、吸収性コアは、通常、バックシートと捕捉システム又はトップシートとの間に配置される。本発明の吸収性物品は、おむつ又はパンツであってもよい。
【0028】
本明細書で使用する場合、用語「おむつ」は、身体から排泄された液状排泄物を吸収し収容するために、着用者によって胴体下部周りに身に付けられることを目的とした吸収性物品のことを指す。おむつは、小児(例えば、乳児又は幼児)又は成人によって着用されてもよい。おむつは、締着部材を備えて提供されてもよい。
【0029】
本明細書で使用する場合、用語「パンツ」は、小児又は成人の着用者を対象として設計された、固定縁、ウエスト開口部、及びレッグ開口部を有する吸収性物品を指す。着用者の脚を一対のレッグ開口部に挿入し、パンツ型の吸収性物品を着用者の胴体下部周りに滑り込ませることによって、パンツは着用者の適切な位置に配置される。パンツは、限定するものではないが、再取り付け可能な接合材及び/又は再取り付け不可能な接合材(例えば、縫合、溶接、接着剤、粘着性接合材、留め具など)を用いて吸収性物品の部分を互いに結合することを含む任意の好適な手法によって、予め形成されてもよい。パンツは、物品の外周に沿った任意の位置(例えば、側部締着、前側腰部締着)で予め成形されてもよい。
【0030】
親水性又は疎水性の程度は、各場合において、特定の材料との水の接触角を決定することによって測定され得る。
【0031】
用語「親水性」は、本明細書に説明される接触角試験方法に従って70°以下の接触角(即ち、第1の表面ランド領域接触角、第2の表面ランド領域接触角、孔接触角、第1の表面ランド領域コンディショニング後接触角又は第2の表面ランド領域コンディショニング後接触角)を有する材料を指す。
【0032】
用語「疎水性」は、本明細書に説明される接触角試験方法に従って70°超の接触角(即ち、第1の表面ランド領域接触角、第2の表面ランド領域接触角、孔接触角、第1の表面ランド領域コンディショニング後接触角又は第2の表面ランド領域コンディショニング後接触角)を有する材料を指す。
【0033】
本明細書で使用する場合、用語「孔の大部分」は、トップシート内の孔の50%超、又は60%超、又は70%超、又は80%超、又は90%超〜最大100%を意味する。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「突出部の大部分」は、トップシート内の突出部の50%超、又は60%超、又は70%超、又は80%超、又は90%超〜最大100%を意味する。
【0035】
用語「結合領域」は、本発明のトップシートの第1の層及び第2の層が、トップシートを形成するための結合のいくつかの方法によって、一緒に接合されるか、又は互いに取り付けられている領域を意味する。
【0036】
本明細書で使用する場合、用語「不織布ウェブ」は、方向を揃えて、又はランダムに配向した繊維からなるウェブ、シート又はバットを、摩擦、及び/又は粘着、及び/又は接着により結合して製造された材料を指し、紙、並びに、からみ糸若しくはフィラメント糸を含む織物、編物、タフト、ステッチボンド、又は、更なるニードル加工の有無に関わらず湿式縮絨によるフェルトなどの製造物は含まない。繊維は天然由来のものでもよく、又は人工的なものでもよい。繊維は、ステープル若しくは連続フィラメントでもよく、又はその場で形成されてもよい。不織布の多孔質繊維構造は、所望により、液体透過性又は液体不透過性となるように構成されてもよい。
【0037】
用語「スパンレース不織布」は、繊維の互いの結束及び交絡が機械的手段によってではなく、繊維を互いに織り交ぜさせる、針のような、移動するフリース又は布を通過する圧力下の複数の水ジェットによって得られる不織布を意味する。これらのスパンレース不織布は、本質的に、それらの圧密が水圧交絡から結果的に生じるという事実によって定義される。本明細書で使用する場合、「スパンレース不織布」はまた、2つのウェブから形成された不織布を指し、これは、水圧交絡によって互いに組み合わせられる。2つのウェブは、水圧交絡によって1つの不織布に組み合わせられる前に、例えば、パターン付きカレンダーロール及びアンビルロールを使用して結合パターンを付与することによって、熱及び/又は圧力結合などの、結合プロセスが行われ得る。しかしながら、2つのウェブは、水圧交絡のみによって互いに組み合わせられる。
【0038】
典型的には、本明細書で使用する場合、用語「セルロース繊維」は、木材パルプ繊維である天然繊維を指す。適用できる木材パルプとしては、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、及び硫酸塩パルプなどの化学パルプ、並びに、例えば、砕木パルプ、サーモメカニカルパルプ、及び化学的に改質したサーモメカニカルパルプなどの機械パルプが挙げられる。落葉樹(以下、「硬材」とも呼ぶ)及び針葉樹(以下、「軟材」とも呼ぶ)の両方に由来するパルプを使用することができる。硬材繊維及び軟材繊維は、配合することが可能であり、あるいは、層状に堆積させて層状ウェブを提供することもできる。
【0039】
「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」、及び「含む(comprises)」は、非限定的な用語であり、それぞれは、続いて記載される特徴(例えば、構成要素)の存在を特定するが、他の特徴(例えば、当該技術分野において既知の、又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素)の存在を除外しない。動詞「含む(comprise)」に基づくこれらの用語は、特徴がその機能を発揮する様式に実質的に影響を及ぼすような、言及されていない要素、工程、又は成分を除外する、より狭義の用語「から本質的になる(consisting essential of)」及び指定されていない要素、工程、又は成分を除外する用語「からなる(consisting of)」を包含するものと解釈されるべきである。以下に記載する好ましい又は例示的な実施形態はいずれも、特に具体的に示さない限り、特許請求の範囲を限定しない。また、「典型的には」、「通常」、「有利に」などの用語も、特に具体的に示さない限り、特許請求の範囲の範囲を限定することを意図しない特徴を修飾する。
【0040】
天然繊維を含むトップシート:
トップシートは、概して液体透過性であり、身体から排泄される流体を受容し、流体を捕捉システム、分配システム、及び/又は吸収性コアに向かって方向付ける際に役立つように構成されている。トップシートの重要な特性の1つは、吸収性物品によって流体を吸収することができる前に、トップシート上に流体が溜まるのを低減させる能力である。
【0041】
一般には、トップシートは、施された界面活性剤処理によって親水性になるように作られ得、体液は、トップシートに引きつけられた後、下層の捕捉システム、分配システム、及び/又は吸収性コアに流れる。
【0042】
本発明のトップシートは、柔軟であり、生分解性であり、かつアレルギー、刺激、又は発疹を引き起こす可能性が低い特性を有するように知られている天然セルロース繊維である綿又は竹繊維などの天然繊維を含む。天然繊維は、高親水性である。したがって、天然繊維を含むトップシートは、典型的には、高親水性である。しかしながら、この場合、体液は、トップシート上及びその中に長期間にわたって留まり、結果として、ユーザーにとって湿った感触及び皮膚の不快感をもたらす。
【0043】
トップシート上の長期の流体滞留による、例えば、排尿事象中の湿った肌触りの問題を解決するために、天然繊維を含むトップシートは、疎水性コーティングで処理され得る。そのような場合、有孔トップシートが、より速い体液の浸透を可能にするために使用されてきた。有孔トップシートは、概して、トップシート上の流体垂下を低減させるが、それにもかかわらず、孔を有するトップシートはなお、例えば、液体がゆっくりとしか浸透しないか、又は全く浸透しない比較的小さい孔に起因して、比較的高い流出量を有し得る。
【0044】
疎水性コーティングは、着用サイクル全体にわたって乾燥した肌触りを確実にするために、複数の漏れにわたる洗い落としに対して耐性を有する必要がある。トップシートの下の吸収性物品構成要素内への疎水性コーティング物質の洗い落としもまた、物品の流体処理及び保管特性に悪影響を及ぼし得る。
【0045】
比較的大きい孔が着用者の皮膚上の赤色マーキングを増加させ、トップシートの下の構成要素からトップシートの中に戻る、及びトップシートを通過する体液に起因する再湿潤を増加させるため、個々の孔のサイズは、より小さい孔に起因する流出量を増加させずに、比較的小さいことが望ましい。
【0046】
更に、トップシートに対する三次元形状は、トップシートの流出量を低減し、快適性及び審美性を改善するために更に役立ち得る。
【0047】
本発明のトップシートは、物品の使用中に着用者の皮膚に接触する吸収性物品の一部である。トップシートは、当業者には既知であるように、バックシートの部分、吸収性コア、吸収性物品のバリアレッグカフ、及び/又は任意の他の層に接合され得る。更に、トップシートの少なくとも一部分又はその全体を液体透過性とすることができ、これにより液体身体排泄物がその厚みを通して容易に浸透する。
【0048】
本発明のトップシートは、天然繊維を含み、合成繊維を更に含んでもよい。
【0049】
合成繊維は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリヒドロキシアルカノエート、多糖類、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。より具体的には、合成繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、イソフタル酸コポリマー(例えば、テレフタレートシクロへキシレン−ジメチレンイソフタレートコポリマー)、エチレングリコールコポリマー(例えば、エチレンテレフタレートシクロへキシレン−ジメチレンコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシルエーテルエステル、ポリヒドロキシルエーテルアミド、ポリエステルアミド、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。加えて、レーヨン、ポリエチレン、及びポリプロピレン繊維などの他の合成繊維は、本開示の範囲内で使用することができる。
【0050】
好ましくは、合成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ乳酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0051】
更に、合成繊維は、単一成分繊維(即ち、単一合成材料又は混合物が繊維全体を構成)、2成分繊維(即ち、繊維が領域に分割され、領域が2つ以上の異なる合成材料又はその混合物を含む)などの多成分繊維、及びこれらの組み合わせであってもよい。
【0052】
好適な2成分繊維の非限定例は、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート)の共重合体から作製されている繊維であり、Fiber Innovation Technology,Inc.(Johnson City,TN)から市販されている「CoPET/PET」繊維として既知である。
【0053】
トップシートはまた、ポリマー、具体的には、ヒドロキシルポリマーから作製される半合成繊維を含んでもよい。好適なヒドロキシルポリマーの非限定例として、ポリビニルアルコール、デンプン、デンプン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、ビスコースなどのセルロース誘導体、ゴム、アラビナン、ガラクタン、リヨセル(Tencel(登録商標))及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0054】
天然繊維は、麦わら繊維、米わら繊維、亜麻繊維、竹繊維、綿繊維、黄麻繊維、麻繊維、サイザル繊維、バガス繊維、ヘスペルアロエ繊維、茅、海水又は淡水藻類/海藻、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0055】
好ましくは、天然繊維は、綿繊維、竹繊維、又はこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、天然繊維は、綿繊維である。
【0056】
トップシートとしての使用にとって好適な不織布材料のいくつかの例としては、限定されるものではないが、スパンボンドされた不織布、カード不織布、カードエアスルー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチされた不織布、及び容易に変形されることができるように比較的特別な特性を有する不織布が挙げられ得る。
【0057】
不織布ウェブは、例えば、エアレイプロセス、湿式プロセス、メルトブロープロセス、スパンボンドプロセス、ニードルパンチプロセス及びカード処理プロセス等の多くのプロセスによって形成され得る。不織布ウェブ中の繊維は、次いで、スパンレースプロセス、水流交絡、カレンダーボンド、スルーエアボンド及びレジンボンドを介して結合され得る。
【0058】
トップシートとしての1つの好適な不織布材料は、延伸性ポリプロピレン/ポリエチレンスパンボンド不織布であり得る。トップシートとしての1つの好適な不織布材料は、ポリプロピレン及びポリエチレンを含むスパンボンド不織布であり得る。繊維は、ポリプロピレンとポリエチレンのブレンドを含んでもよい。あるいは、繊維は、繊維の鞘がポリエチレンで、繊維の芯がポリプロピレンの芯鞘繊維などの複合繊維を含み得る。
【0059】
トップシートは、スパンレース不織布であってもよい。
【0060】
トップシートは、約8〜約60g/m
2、好ましくは約10〜約50g/m
2、より好ましくは約12〜約40g/m
2の坪量を有し得る。
【0061】
第1の層は、8g/m
2〜60g/m
2、又は12g/m
2〜50g/m
2、又は15g/m
2〜40g/m
2の坪量を有し得る。任意選択の第2の層は、5g/m
2〜50g/m
2、又は7g/m
2〜40g/m
2、又は8g/m
2〜35g/m
2の坪量を有し得る。
【0062】
本発明のトップシートは、少なくとも第1の層を有する。好ましくは、トップシートの第1の層は、着用者の皮膚と直接接触している。
【0063】
トップシートは、単一層、2層、又はあまり好ましくないが2つを超える層で形成されてもよい。
【0064】
第1の層:
第1の層は、天然繊維を含み、織布ウェブ又は不織布ウェブであってもよい。第1の層は、合成繊維を更に含んでもよい。
【0065】
合成繊維及び天然繊維のリストは、トップシートについて上記に開示されたリストに対応する。
【0066】
不織布ウェブは、例えば、エアレイプロセス、湿式プロセス、メルトブロープロセス、スパンボンドプロセス、ニードルパンチプロセス、及びカード処理プロセス等の多くのプロセスによって形成され得る。不織布ウェブ中の繊維は、次いで、スパンレースプロセス、水流交絡、カレンダーボンド、スルーエアボンド、及びレジンボンドを介して結合され得る。
【0067】
好ましくは、トップシートの第1の層は、スパンレース不織布である。
【0068】
好ましくは、合成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ乳酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0069】
合成繊維は、単一成分繊維、2成分繊維などの多成分繊維、及びこれらの組み合わせであり得る。
【0070】
好ましくは、天然繊維は、綿繊維、竹繊維、又はこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、天然繊維は、綿繊維である。
【0071】
綿繊維は、良好な液体捕捉、良好な通気性及び良好な柔軟性を有する天然セルロース繊維である。したがって、綿繊維の第1の層を含むトップシートを有することは、トップシートの流体処理特性を改善しながらトップシートの柔軟性を改善する。
【0072】
繊維は、任意の好適なデニール若しくはデニール範囲、及び/又は繊維長さ若しくは繊維長さ範囲を有し得る。
【0073】
第1の層は、第1の層の総重量に対して、少なくとも15重量%、又は少なくとも30重量%、又は少なくとも50重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも75重量%、又は少なくとも95重量%の綿繊維などの天然繊維を含む。第1の層はまた、第1の層の総重量に対して、99重量%〜100重量%の綿繊維などの天然繊維で作製されてもよい。
【0074】
トップシートの第1の層が、物品の使用中に吸収性物品の着用者の皮膚と直接接触し得るため、トップシートの第1の層で綿繊維などの天然繊維の高含有量を有することは、着用者の皮膚に対して柔軟な感触を有することと、着用者の皮膚と接触する生分解性材料の量を増加させ、着用者の皮膚上のアレルギー、刺激、又は発疹のリスクを減少させることと、を可能にする。
【0075】
第1の層は、複数の孔を有する。第1の層は、孔の大部分の間にランド領域を含む。
【0076】
孔の大部分の間の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°超である。第1の層は、疎水性である。
【0077】
好ましくは、孔の大部分の間の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って80°超である。より好ましくは、孔の大部分の間の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って90°超である。なおより好ましくは、孔の大部分の間の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って95°超〜最大130°である。
【0078】
疎水性処理が、第1の層に適用されてもよい。疎水性処理は、石油化学系、又は少なくともある程度天然資源由来のものであってもよい。疎水性処理は、石油系ワックス又はワックスエマルションであってもよい。疎水性処理は、天然産であってもよい。疎水性処理は、天然油、バター又はワックス、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。いくつかの例は、限定されるものではないが、綿種子油、ココナッツ油、アボカド油、ホホバ油、ヒマシ油、大豆油、アーモンド油、ラノリン油、オリーブ油、ヒマワリ種子油、ユーカリ油、シアバター、ココアバター、ムルムルバター、アーモンドバター、アロエバター、マンゴバター、蜜蝋、大豆ワックス、キャンデリラワックス、米糠ワックス、ココナッツワックスである。
【0079】
疎水性処理は、第1の層中に存在する綿繊維の割合が増加するにつれて、使用量が増加され得る。疎水性処理の範囲は、0.1g/m
2〜最大10g/m
2、好ましくは0.5g/m
2〜4g/m
2の坪量であり得る。
【0080】
疎水性処理は、シリコーンポリマー又はポリエーテルなどの疎水性界面活性剤であってもよい。
【0081】
好ましくは、第1の層は、疎水性処理を含む。
【0082】
トップシートの第1の層の総体積の少なくとも60%は、疎水性処理を含み得る。好ましくは、トップシートの第1の層の総体積の少なくとも70%は、疎水性処理を含む。
【0083】
コンディショニングプロセス後の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域コンディショニング後接触角は、コンディショニング後接触角試験方法に従って50°超であり得る。好ましくは、コンディショニングプロセス後の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域コンディショニング後接触角は、本明細書で以下に記載されるコンディショニング後接触角試験方法に従って60°超であり得る。
【0084】
疎水性処理は、キスロールコーティング、スプレー、グラビア印刷、スロットコーティング、浸漬又は当該技術分野において既知の他の適用プロセスを介して適用され得る。
【0085】
疎水性処理は、そのように適用されてもよく、又は最初に溶媒中に溶解され、次いで、適用後に除去されてもよく、又は最初に水に混合されてエマルションを形成し、次いで、適用後に除去されてもよい。疎水性処理が最初に水に混合されてエマルションを形成するとき、乳化剤が必要とされ得る。
【0086】
あるいは、第1の層は、疎水性天然繊維及び親水性天然繊維の混合物を含んでもよい。疎水性天然繊維は、第1の層を形成する前に疎水性処理を用いて処理される親水性天然繊維であってもよい。
【0087】
疎水性天然繊維の量は、親水性天然繊維の量よりも多くてもよい。
【0088】
例えば、第1の層は、第1の層の総重量に対して、5重量%〜40重量%の親水性天然繊維、及び60重量%〜95重量%の疎水性天然繊維の混合物を含んでもよい。
【0089】
あるいは、第1の層は、合成繊維、天然繊維、及び/又はこれらの組み合わせ及び疎水性天然繊維からなる群から選択される親水性繊維の混合物を含んでもよい。疎水性天然繊維は、第1の層を形成する前に疎水性処理を用いて処理される親水性天然繊維であってもよい。
【0090】
疎水性天然繊維の量は、親水性繊維の量よりも多くてもよい。
【0091】
例えば、第1の層は、第1の層の総重量に対して、5重量%〜40重量%の親水性繊維、及び60重量%〜95重量%の疎水性天然繊維の混合物を含んでもよい。
【0092】
あるいは、疎水性処理を伴う洗浄及び/又は脱色によって処理されない綿繊維などの天然疎水性繊維が使用されてもよい。あるいは、当該技術分野において既知のように、疎水性ビスコース繊維が使用されてもよい。
【0093】
あるいは、第1の層は、キャリアウェブと、ウェブの一部がキャリアウェブに入る天然繊維を含む天然繊維を含むウェブと、からなるスパンレース不織布層であってもよい。キャリアウェブは、不織布ウェブであり得る。
【0094】
天然繊維を含むウェブが、キャリアウェブの片側上に形成されてもよい。天然繊維ウェブの天然繊維は、キャリアウェブの繊維ネットワークに入り、繊維網と交絡し得る。当然のことながら、天然繊維は、互いに交絡し得る。キャリアウェブはまた、天然繊維を含むウェブと交絡し得る。
【0095】
キャリアウェブは、異なる種類の合成繊維で作製されてもよい。キャリアウェブは、セルロース繊維から作製されてもよい。
【0096】
合成繊維は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリヒドロキシアルカノエート、多糖類、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。より具体的には、合成繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ(1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート)、イソフタル酸コポリマー(例えば、テレフタレートシクロへキシレン−ジメチレンイソフタレートコポリマー)、エチレングリコールコポリマー(例えば、エチレンテレフタレートシクロへキシレン−ジメチレンコポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシルエーテルエステル、ポリヒドロキシルエーテルアミド、ポリエステルアミド、ポリ乳酸、ポリヒドロキシブチレート、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。加えて、レーヨン、ポリエチレン、及びポリプロピレン繊維などの他の合成繊維は、本開示の範囲内で使用することができる。
【0097】
好ましくは、合成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ乳酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0098】
キャリアウェブは、スパンボンド繊維又はカード繊維を含んでもよい。キャリアウェブは、カードウェブ又はスパンボンドウェブであってもよい。
【0099】
天然繊維を含むウェブは、綿繊維、竹繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される天然繊維を含み得る。好ましくは、天然繊維を含むウェブは、綿繊維を含む。
【0100】
天然繊維を含むウェブは、ステープル繊維を含んでもよい。天然繊維は、ステープル繊維であってもよい。
【0101】
天然繊維を含むウェブは、ウェブの総重量に基づいて、少なくとも70%重量%、若しくは少なくとも80重量%の綿繊維を含み得、ウェブの総重量に基づいて、0重量%〜20%重量%、若しくは1重量%〜10重量%、若しくは1重量%〜5重量%のレーヨン繊維、パルプ繊維、合成繊維(熱溶融性繊維など)などの他の繊維、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0102】
毛細管力は、天然繊維を含むウェブが厚さ方向の第1の層の中心に形成される場合、第1の層の側部から徐々に増加し得る。したがって、トップシートの第1の層は、天然繊維を含むウェブから第1の層の内側への改善された液体処理特性を呈し、それにより、天然繊維を含むウェブが形成される側部は、乾燥した感触を提供する。
【0103】
更に、天然繊維を含むウェブの一部がキャリアウェブに入るため、天然繊維を含むウェブは、引張強度などの強化された機械的強度を有し、したがって、トップシートの機械的強度を改善する。
【0104】
第1の層は、第1の層の総重量に対して少なくとも20重量%の天然繊維と、第1の層の総重量に対して80重量%以下の熱可塑性繊維などの合成繊維と、を含む不織布層であり得る。好ましくは、第1の層は、第1の層の総重量に対して少なくとも30重量%の天然繊維と、第1の層の総重量に対して70重量%以下の熱可塑性繊維などの合成繊維と、を含む。
【0105】
上記のように第1の層を生成するための好ましいプロセスが、次いで、説明され、水流交絡プロセスに対応する。キャリアウェブは、スルーエアボンドプロセス、エアレイプロセス、カード処理プロセス、又は不織布ウェブを形成するために当該技術分野の他の既知のプロセスを介して形成され得る。例えば、スルーエアボンドプロセスを使用することによって、合成繊維の混合物は、カード処理機械を用いてキャリアウェブ内に形成され、所定の温度の熱風は、キャリアウェブを通して送風されて、繊維交絡部を融合させ得る。キャリアウェブは、ワイヤメッシュ無端ベルト上で搬送され得る。
【0106】
別途、天然繊維を含むウェブは、例えば、カード処理機械によって得られ得る。
【0107】
天然繊維を含む結果的に得られたウェブは、移動キャリアウェブ上に重ね合わせられ得、ジェットノズルからの水ジェットは、天然繊維を含むウェブに向けられ得る。水ジェットがウェブに当たると、絡み合いが、天然繊維とキャリアウェブの構成繊維との間に天然繊維を含むウェブ内で生じ得、したがって、スパンレース不織布を形成する。水ジェットはまた、キャリアウェブに向けられてもよく、又は両方のウェブに向けられてもよい。
【0108】
本発明のトップシートは、少なくとも第1の層を有する。第1の層は、第1の層の総重量の少なくとも80重量%の天然繊維、又は第1の層の総重量の少なくとも85重量%の天然繊維、又は第1の層の総重量の少なくとも90重量%の天然繊維、又は更に第1の層の総重量の少なくとも95重量%の天然繊維から最大100重量%の天然繊維を含み得る。
【0109】
好ましくは、天然繊維は、綿繊維及び竹繊維からなる群から選択される。好ましくは、天然繊維は、綿繊維である。
【0110】
第1の層は、合成繊維、天然繊維及び/又はこれらの組み合わせからなる群から選択される5重量%〜40%重量%の親水性繊維と、第1の層の総重量に対して60重量%〜95重量%の疎水性天然繊維と、を含む。
【0111】
疎水性天然繊維は、疎水性処理で処理される親水性天然繊維であってもよい。
【0112】
上記のトップシートは、流出試験方法に従って40%未満の流出量を有する。このトップシートは、十分に乾燥して、体液をほとんど又は全く流出させずに吸収する。トップシートは、低流出量を有し、結果的に、体液漏れのリスクを低減させる。
【0113】
第1の層の構造:
図1aを参照すると、トップシート24は、少なくとも第1の層1を含む。
【0114】
第1の層1は、第1の表面3及び第2の表面4を有し得る。本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、第1の層1の第1の表面3は、物品の使用中に着用者の身体に向かって面し、第1の層1の第2の表面4は、バックシートに向かって面している。
【0115】
第1の層1は、複数の孔5を有する。トップシートの第1の層内の孔は、疎水性の第1の層にもかかわらず、初期の、かつ急速な流体流を可能にする重要な役割を果たす。したがって、疎水性であるトップシートの第1の層は、トップシートの着用者に面する表面上の湿潤を低減させるために孔と協調して機能する。
【0116】
複数の孔5は、第1の層1内に均一に分布され得る。材料の安定性を確保するために、それらの特定の形状及び幅にかかわらず、孔の大部分の間の最小距離は、好ましくは少なくとも0.5mm、より好ましくは少なくとも1.5mmである。この距離は、トップシートの第1の層1の第1の表面3上で測定される。
【0117】
第1の層は、孔5の大部分の間にランド領域8を含む。ランド領域8は、実質的に平坦な領域であり得る。好ましくは、ランド領域8は、平坦な領域である。
【0118】
ランド領域8は、孔5を完全に取り囲み得る。ランド領域は、第1の層の平面全体にわたって略連続グリッドを一緒に形成し得、一方で孔5は、連続グリッド内に分散され、連続グリッドによって取り囲まれる別個の要素であり得る。
【0119】
孔は、形状が変化してもよい。例えば、第1の層の第1の表面から見たときの孔の形状は、円形、楕円形、矩形、又は多角形であってもよい。好ましくは、孔は、円形形状、楕円形形状、又は多角形形状を有する。
【0120】
孔の三次元形状は、円筒形(例えば、円形又は楕円形基部を有する)、角柱(例えば、多角形基部を有する)、又は切頭円錐若しくは角錐であってもよい。
【0121】
孔5は、
図1bに示されるように、側壁を有していない単純な開口部であってもよい。
【0122】
あるいは、本発明の孔5の大部分は、
図1aに示されるように、第1の層の第2の表面のランド領域8から離れて、外向きに延在する側壁を含み得る。
【0123】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、孔の側壁の方向は、吸収性物品の吸収性コアに向かってもよく、又はあまり好ましくないが、物品の使用中に着用者の皮膚に向かってもよい。
【0124】
孔の側壁の延在量は、第1の層の第1の表面を越えて少なくとも0.1mm、好ましくは第1の層の第1の表面を越えて少なくとも0.2mmであるべきである。孔の側壁は、漏斗又はチャネルを形成し得る。
【0125】
複数の孔5は、第1の層の第1の表面3に近位の頂部6、及び第1の層の第2の表面4に近位の底部7を有する側壁を含み得る。
【0126】
あるいは、
図1bに示されるように、複数の孔5は、第1の層の第1の表面3に近位の頂部6、及び第1の層の第2の表面4に近位の底部7を有してもよい。
【0127】
用語「孔の頂部」は、第1の層の第1の表面に近位である孔の一部を意味する。
【0128】
用語「孔の底部」は、第1の層の第2の表面に近位、又は孔の底縁に近位である孔の一部を意味する。
【0129】
孔は、テーパ状であってもよく、孔の直径が、孔の底縁の開口部の直径よりも、孔の頂部及び第2の表面の近位でより大きいように、円錐形状とされてもよい。
【0130】
このようなテーパ状構成は、再湿潤のリスク、即ち、体液がトップシート(吸収性コアなど)の下の構成要素からトップシート内に戻る、及びトップシートを通過するリスクを低減させるために役立つ。有孔疎水性トップシートの場合、再湿潤は、主に孔を通して生じる。孔のテーパ形状は、吸収性コアに向かう孔の直径が第1の層の孔の直径よりも小さいため、再湿潤を低減させるために役立ち得る。
【0131】
複数の孔はまた、幅が変化してもよい。
【0132】
片側上で、孔の大部分の間の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角が、接触角試験方法に従って70°超である。
【0133】
孔の大部分の間の第1の層の第2の表面上の第2の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°超であり得る。
【0134】
孔の大部分の総開口面積は、第1の層の表面積の5%〜50%の範囲内であり得る。
【0135】
これらの広い幅の孔は、着用者に面する表面から吸収性構造体に向かう様々な粘度の体液、特に糞便の液体輸送を容易にするために提供される。これらの広い幅の孔は、低吸収能力を有するトップシートの第1の層の疎水性特性を補う。
【0136】
孔の大部分の間の第1の層の第1の表面上の第1の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°超であり得る。孔の大部分の間の第1の層の第2の表面上の第2の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°超であり得る。
【0137】
孔の大部分上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。具体的には、孔の大部分の頂部及び底部上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。
【0138】
孔の大部分の間の第1の層の第1の表面上の第1の表面ランド領域接触角は、第1の層の孔の大部分上の孔接触角とは、少なくとも10°、又は少なくとも15°だけ異なり得る。
【0139】
親水性処理は、孔の大部分に適用され得る。親水性処理は、親水性ポリマーであってもよい。親水性処理は、BASFのPluronic(登録商標)界面活性剤、BASFのTetronic(登録商標)界面活性剤、及びこれらの組み合わせなどの親水性界面活性剤であってもよい。
【0140】
孔の大部分は、親水性界面活性剤を含み得る。
【0141】
親水性処理は、穿孔ピンプロセスを介して、又は印刷プロセスを介して、又はトップシートの少なくとも2つの層の間の親水性ホットメルト接着剤を介して、孔の大部分に適用され得る。
【0142】
例えば、穿孔ピンプロセスは、3つのロールを有するプロセスに対応し得、第1のロールは、浴から親水性界面活性剤を取り出し、それを、穿孔ロールの針を濡らす中間ロールに移す。このような穿孔ロール針は、孔の側壁を濡らしながら、不織布層内に孔を作成し得る。過剰な親水性界面活性剤は、真空ローラで除去され得る。
【0143】
トップシートの第1の層の孔は、少なくとも4%の親水性開口面積、好ましくは少なくとも6%の親水性開口面積、より好ましくは少なくとも8%の親水性開口面積を有し得る。
【0144】
第1の層の孔の少なくとも20%が、親水性であってもよく、好ましくは第1の層の孔の少なくとも30%が、親水性であってもよく、より好ましくは、第1の層の孔の少なくとも50%、又は少なくとも75%、又は少なくとも90%が、親水性であってもよい。更により好ましくは、孔の100%が親水性であってもよい。孔に適用される親水性ポリマーの量は、第1の層の第1の総表面積(投影面積、即ち、三次元表面構成を考慮した面積ではない)に基づいて、0.01〜10g/m
2の範囲であり得る。
【0145】
孔の大部分が親水性であるとき、孔の大部分の幅は、孔寸法試験方法に従って、1.5mm未満、又は1.2mm未満、又は1mm未満、又は0.8mm未満であり得る。孔の大部分の幅は、本明細書で以下に記載される孔寸法試験方法に従って0.5mm以下であり得る。
【0146】
親水性処理で孔を処理することによって、体液は、孔によって吸収性物品の内側領域に向かって迅速に運ばれる。更に、比較的小さい幅の孔を有することは、トップシートによって既に吸収されている体液の皮膚に向かう逆流に対するバリアとして作用する。更に、小さい幅の孔は、着用者の皮膚に圧力マークを有するリスクを低減させる。
【0147】
したがって、上記のトップシートは、吸収性物品の着用者に面する表面上への再湿潤の低減、及びより良好な液体捕捉などの改善された流体処理特性を提供する。
【0148】
孔の大部分が親水性であるとき、トップシートは、本明細書で以下に記載される毛細管排出試験方法に従って、30cm水柱で2g/g未満の排出取り込みを有し得る。
【0149】
好ましくは、トップシートは、毛細管排出試験方法に従って、30cm水柱で1.5g/g未満の排出取り込みを有する。より好ましくは、トップシートは、毛細管排出試験方法に従って、cm水柱で1g/g未満の排出取り込みを有し得る。
【0150】
疎水性の第1の層及び親水性の孔を有するトップシートは、体液がその厚さを通って吸収性物品の内側領域に向かう迅速な通過を可能にする。
【0151】
トップシートのパラメータ:
本発明のトップシートは、流出試験方法に従って40%未満の流出量を有する。好ましくは、トップシートは、流出試験方法に従って20%未満の流出量を有する。より好ましくは、トップシートは、流出試験方法に従って15%未満の流出量を有する。
【0152】
流出試験方法は、吸収性物品の着用者が尿などの体液を吸収性物品のトップシート上に排出するときの使用条件を再現する。流出量が多いとき、それは、排出された体液がトップシートによって吸収されず、例えば、吸収性物品の後方腰部領域上又は吸収性物品の前方腰部領域上に漏れを生じさせることを意味する。
【0153】
本発明のトップシートを用いると、体液の流出量は、比較的少ない。したがって、本発明のトップシートが吸収性物品に使用されるとき、吸収性物品の後方腰部領域上又は前方腰部領域上の漏れのリスクが低減される。
【0154】
三次元の第1の層
図2によると、第1の層1は、複数の突出部9を含み得る。第1の層1は、複数の孔5を含む。第1の層1は、孔5の大部分の間にランド領域8を含む。ランド領域は、実質的に平坦な領域であり得る。好ましくは、ランド領域8は、平坦な領域である。
【0155】
突出部9の大部分は、トップシート24の第1の層1のランド領域8から突出して、ランド領域8から基部16及び対向する遠位部分17を形成し得る。突出部9の対向する遠位部分17は、突出部9の基部から離間される頂部ピークを形成する遠位端まで延在し得る。突出部9の大部分の基部16は、円形突出部のための外周が円周であるように画定され得、各突出部は、第1の層1のランド領域8から外向きに突出し始める。
【0156】
突出部9の大部分は、第1のZ方向高さを有し得る。
【0157】
第1の層1は、第1の表面3及び第2の表面4を有し得る。突出部9の大部分は、第1の層1の第1の表面3上に位置し得る。突出部9の大部分は、第1の層1の第1の表面3から外向きに延在し得る。
【0158】
複数の突出部9は、第1の層1の第1の表面3上に均一に分布され得る。突出部9の大部分は、第1の層1の完全な表面全体に提供されてもよく、又は第1の層1の一部分のみに提供されてもよい。
【0159】
突出部9の大部分は、複数のランド領域8及び/又は複数の孔5によって取り囲まれ得る。
【0160】
突出部9及びランド領域8の大部分は、MD(機械方向)方向に平行な方向に配向されなくてもよい。
【0161】
複数の突出部9は、三次元形状を第1の層1に付与し得る。複数のランド領域8、複数の孔5、及び複数の突出部9は、トップシート24の第1の層1の第1の表面3上に三次元表面を形成し得る。
【0162】
あるいは、あまり好ましくないが、突出部9は、第1の層1の第2の表面4から外向きに延在してもよい。この場合、突出部9は、以下に説明されるように、「陥没部」と名付けられ得る。複数のランド領域8、複数の孔5、及び複数の突出部9は、トップシート24の第1の層1の第2の表面4上に三次元表面を形成し得る。
【0163】
突出部9の大部分は、中空であり得る。
【0164】
第1の層1の第1の表面3から見るとき、突出部9の大部分は、第1の層1のランド領域8から同一方向に突出し得る。
【0165】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、複数の突出部は、物品が使用中に着用者の皮膚に向かって突出し、吸収性物品の吸収性コアから離れ得る。
【0166】
あるいは、あまり好ましくないが、本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、複数の突出部は、吸収性物品の吸収性コアに向かって突出してもよい。
【0167】
断面図から、即ち、Z方向から見た際、突出部9の大部分は、任意の好適な形状を有し得、円筒形、球根形状、円錐形状及びキノコ形状が挙げられるが、これらに限定されない。
【0168】
上方から見た際、突出部9の大部分は、円形状、ダイヤモンド形状、丸められたダイヤモンド形状、アメリカンフットボール形状、卵形状、クローバー形状、三角形状、涙滴形状、及び楕円形状の突出部を含むが、これらに限定されない、任意の好適な形状を有し得る。好ましくは、突出部9の大部分は、ドーム形状を有する。
【0169】
突出部9の大部分は、一体となって1つ以上のグラフィックスを形成してもよい。グラフィックスを有することにより、介護人に対して、吸収性物品が液状排泄物を多く吸収可能であるという認識を与えやすくすることができる。
【0170】
更に、突出部9の大部分は、一体となってロゴ、例えば、Pampers Heartロゴなどの、1つ以上のグラフィックスを形成してもよい。
【0171】
2つ以上の隣接する突出部9は、第1の層1の縦方向軸に略垂直の方向に、又は第1の層1の縦方向軸に略平行な方向に、1つ以上のランド領域8及び/又は1つ以上の孔5によって分離され得る。
【0172】
第1の層1の第1の表面3から外向きに延在する突出部9の大部分は、トップシート24の第1の層1の総面積の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、ただし95%以下を表し得る。
【0173】
突出部9の大部分は、約300μm〜約6000μm、好ましくは約500μm〜約5000μm、より好ましくは約750μm〜約3000μmの範囲内のZ方向高さを有し得る。
【0174】
突出部9の大部分は、繊維を全く含まないか又はほとんど含まない突出部の一部分である内側空隙容積14を含み得る。空隙容積14は、トップシートの通気性を改善し得る。突出部9の大部分は、体液を受容するための空隙容積を提供し得る。
【0175】
本明細書に説明されるトップシート24が吸収性物品に組み込まれるとき、トップシートは、分配層などの下層と密接に接触し得る。下層は、圧密されていない乾式繊維構造体の乾式繊維又は湿式繊維構造体で作製され得る。突出部9の空隙容積14は、その中に糞便が吸収されて捕捉されることを可能にし得る。
【0176】
突出部9の大部分は、基部16の内側部分の2つの側壁から測定される開口部を形成する基部16の突出部基部幅WB
1によって画定され得る。突出部9の大部分は、遠位部分17が実質的に円形形状であるときに、内側突出部の2つの側壁の間を測定した最大内部幅であるか、又は内側突出部の側壁の最大直径である、内側空隙容積14の幅WD
2によって画定され得る。反対側の遠位部分17の空隙容積14の最大内幅WD
2は、突出部9の基部16の突出部基部幅WB
1より大きくてもよい。突出部9の大部分の基部16の突出部基部幅WB
1は、0.5mm〜15mm、又は0.5mm〜10mm、又は0.5mm〜5mm、又は0.5mm〜3mmの範囲であり得る。基部16の突出部基部幅WB
1及び遠位部分17の幅WD
2の寸法の測定は、顕微鏡写真上でなされ得る。
【0177】
トップシートのこの三次元の第1の層は、より優れた柔軟性をトップシートに提供する。また、突出部が、着用者の皮膚と体液との間に空間を本質的に生じさせるため、着用者の皮膚をランド領域内の体液から離して維持することにも役立つ。
【0178】
第1の層の疎水性、孔の幅、及び孔の親水性に関する上記と同じ特性が、トップシートの三次元の第1の層に適用される。
【0179】
図3によると、第1の層1は、第1の層1の第1の表面3から外向きに突出する複数の突出部9、又は第1の層1の第2の表面4から外向きに突出する複数の陥没部13を含み得る。
【0180】
あるいは、第1の層1は、第1の層1の第1の表面3から外向きに突出する複数の突出部9、及び第1の層1の第2の表面4から外向きに突出する複数の陥没部13を含み得る。
【0181】
用語「陥没部」は、トップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、着用者の皮膚から離れて突出するトップシートの突出部に対応する。
【0182】
第1の層1は、複数の突出部9、複数の孔5、複数の陥没部13、及び複数のランド領域8を含み得る。
【0183】
複数のランド領域8、複数の陥没部13、複数の孔5及び複数の突出部9は、第1の層1の第1の側部3上に三次元表面を一緒に形成し得る。
【0184】
あるいは、第1の層は、複数の陥没部13、複数の孔5、及び複数のランド領域8を含み得る。複数のランド領域8、複数の陥没部13及び複数の孔5は、第1の層1の第2の側部4上に三次元表面を一緒に形成し得る。
【0185】
複数の陥没部13は、1つ以上のランド領域8、1つ以上の孔、及び/又は1つ以上の突出部9によって分離され得る。
【0186】
第1の層の孔5は、第1の層1の陥没部13の大部分の間、及び/又は第1の層1の陥没部13の大部分内に位置し得る。あるいは、いくつかの陥没部13は、その中に孔5を有していなくてもよい。
【0187】
陥没部13の大部分は、その中に、ランド領域8から最遠位の場所に孔5を画定し得る。
【0188】
ランド領域8は、隣接する突出部9、隣接する陥没部13及び/又は隣接する孔5の中間に位置付けられ得る。
【0189】
ランド領域8は、トップシート24の第1の層1を通る略連続グリッドを形成し得るが、突出部9、孔5及び/又は陥没部13は、トップシート24の第1の層1の全体にわたってグリッド内に分散された別個の要素であり得る。
【0190】
陥没部の大部分は、約200μm〜約3000μm、好ましくは約300μm〜約2000μm、より好ましくは約500μm〜約1500μm、更により好ましくは約700μm〜約1000μmの範囲内のZ方向高さを有し得る。
【0191】
突出部9のZ方向の高さは、陥没部13のZ方向の高さと等しいか又はそれより高くてもよい。
【0192】
第1の層及び第2の層:
トップシートは、第1の層と向かい合う関係にある第2の層を有し得る。第1の層は、上記のように第1の層に対応し、第1の層について上述した全ての態様は、第1及び第2の層を含むトップシート内の第1の層に等しく適用可能である。
【0193】
第2の層は、天然繊維、合成繊維、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布又は不織布ウェブであってもよい。好ましくは、第2の層は、天然繊維、合成繊維、又は天然繊維と合成繊維との組み合わせの不織布ウェブである。
【0194】
合成繊維及び天然繊維のリストは、トップシートについて上記に開示されたリストに対応する。
【0195】
好ましくは、合成繊維は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリ乳酸、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0196】
合成繊維は、単一成分繊維、2成分繊維などの多成分繊維、及びこれらの組み合わせであり得る。
【0197】
好ましくは、天然繊維は、綿繊維、竹繊維、又はこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは、天然繊維は、綿繊維である。
【0198】
繊維は、任意の好適なデニール若しくはデニール範囲、及び/又は繊維長さ若しくは繊維長さ範囲を有し得る。
【0199】
第2の層は、複数の孔を有し得る。第1の層は、複数の孔を有する。第2の層は、第1の層の孔と少なくとも部分的に位置合わせされた複数の孔を有し得る。第1の層の孔は、第2の層の孔に対応し得る。第2の層の全ての孔は、第1の層の孔と位置合わせされ得る。これは、第1の層及び第2の層が向かい合う関係に配置された後に、第1の層及び第2の層の孔を同時に形成することによって達成され得る。
【0200】
第2の層の複数の孔は、第2の層内に均一に分布され得る。
【0201】
第1の層は、孔においてトップシートの第2の層を少なくとも部分的に貫通し得る。あるいは、第1の層は、孔においてトップシートの第2の層を貫通してもよい。この特性は、以下に説明されるプロセスに従って容易化され得る。
【0202】
あるいは、第1の層は、孔においてトップシートの第2の層を貫通しなくてもよい。この特性は、米国特許第5628097号に説明されているプロセスなどの代替プロセス、又はホールパンチャを使用することによって形成され得る。
【0203】
第1の層及び第2の層の複数の孔は、側壁を有していない単純な開口部であってもよい。
【0204】
あるいは、本発明の複数の孔は、第1の層の第2の表面から外向きにそこを越えて延在し、かつ第2の層の第2の表面から外向きにそこを越えて延在する側壁を含んでもよい。
【0205】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、これらの側壁の方向は、吸収性物品の吸収性コアに向かってもよく、又はあまり好ましくないが、物品の使用中に着用者の皮膚に向かってもよい。
【0206】
第1の層及び第2の層の孔の側壁の延在量は、第1の層の第1の表面を越えて少なくとも0.1mm、好ましくは第1の層の第1の表面を越えて少なくとも0.2mmであるべきである。第1の層及び第2の層の孔の側壁は、漏斗又はチャネルを形成し得る。
【0207】
図4aを参照すると、トップシート24は、第1の層1及び第2の層2を含み得る。第1の層は、第1の表面3及び第2の表面4を含み得る。第2の層は、第1の表面10及び第2の表面11を含み得る。
【0208】
第2の層2の第1の表面10は、第1の層1の第2の表面4と接触し得る。
【0209】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、第2の層2の第1の表面10は、着用者の身体に向かって面し、第2の層2の第2の表面11は、バックシートに向かって面している。
【0210】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、第1の層1は、物品の使用中に着用者の身体に向かって面し、第2の層2は、バックシートに向かって面している。
【0211】
第2の層2は、複数の孔5を有し得る。第1の層1は、複数の孔5を有する。第1及び第2の層の孔5は、頂部及び底部を有し得る。
【0212】
第2の層2は、第1の層1の孔5と少なくとも部分的に位置合わせされたか、又は完全に位置合わせされた複数の孔5を有し得る。第1の層1及び第2の層2の孔5は、同じであり得る。第2の層2の複数の孔5は、第1の層1の孔5と同じ幅及び/又は長さを有し得る。
【0213】
第1の層1の孔の側壁は、
図4bに示されるように、複数の孔5内の第2の層2の孔の側壁よりも短くてもよい。したがって、孔5の側壁の底部において、孔5は、第2の層2によってのみ形成され得る。
【0214】
第1の層1は、孔5の大部分の間にランド領域8を含む。第2の層2は、孔5の大部分の間にランド領域12を含み得る。第1の層1のランド領域8は、第2の層2のランド領域12と位置合わせされ得る。
【0215】
第1の層1のランド領域8及び第2の層2のランド領域12は、第1の層1及び第2の層2の孔5を完全に取り囲み得る。
【0216】
第1の層1のランド領域8及び第2の層2のランド領域12は、実質的に平坦な領域であり得る。好ましくは、第1の層1のランド領域8及び第2の層2のランド領域12は、平坦な領域である。
【0217】
ランド領域(8、12)は、第1の層1及び第2の層2を通る略連続グリッドを一緒に形成し得るが、一方で孔5は、第1の層1及び第2の層2の全体にわたって分散された別個の要素であり得る。
【0218】
第1の層1は、いかなる突出部も有していなくてもよい。これは、第1の層が、第1の層の表面を越えて外向きに延在し得る、孔から離れた任意の隆起領域を含まなくてもよいことを意味する。しかしながら、第1の層は、複数の突出部を有することが好ましい。
【0219】
第2の層2は、いかなる突出部も有していなくてもよい。これは、第2の層が、第2の層の表面を越えて外向きに延在し得る、孔から離れた任意の隆起領域を含まなくてもよいことを意味する。第2の層が突出部を有しておらず、第1の層の突出部と一致する第2の層2の領域が平坦であることが好ましい。したがって、中空空間が、第1の層及び第2の層の突出部の間に形成され得る。
【0220】
第1の層及び第2の層は、ランド領域(8、12)及び/又は孔5で、互いに接触し得、互いに接合され得る。
【0221】
第1の層及び第2の層は、機械的結合、接着剤結合、圧力結合、熱結合、両層に加熱気体を通過させること、又は接合して当該技術分野で既知のトップシートを形成する他の方法により、一緒に接合されるか、又は互いに取り付けられてもよい。
【0222】
好ましくは、第1の層は、ホットメルト接着剤によって結合領域内で第2の層に取り付けられる。
【0223】
結合領域は、ランド領域(8、12)及び/又は孔5にあり得る。
【0224】
第1の層及び第2の層は、らせん状、スロットコーティング、又はスプレーの形態で塗布されたホットメルト接着剤で互いに取り付けられ得る。ホットメルト接着剤の坪量は、少なくとも1g/m
2、好ましくは少なくとも5g/m
2、より好ましくは少なくとも7g/m
2であり得る。ホットメルト接着剤の坪量は、20g/m
2以下であり得る。
【0225】
ホットメルト接着剤は、親水性であり得る。親水性ホットメルト接着剤は、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、及びこれらの組み合わせ又は当該技術分野において既知の他のホットメルト接着剤からなる群から選択され得る。
【0226】
第1の層及び第2の層を取り付ける親水性ホットメルト接着剤を有することは、液体の低流出量を有することに役立ち得る。したがって、本発明のトップシートが吸収性物品に使用されるとき、吸収性物品の後方腰部領域上又は前方腰部領域上の漏れのリスクが低減される。
【0227】
ホットメルト接着剤が第1の層及び/又は第2の層のランド領域に塗布されるとき、ホットメルト接着剤はまた、孔の頂部及び/又は側壁に到達し得る。
【0228】
片側上で、孔の大部分の間の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角が、接触角試験方法に従って70°超である。孔の大部分の間の第2の層の第2の表面のランド領域上の第2の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。
【0229】
第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分の幅は、孔寸法試験方法に従って、1.5mm未満、又は1.2mm未満、又は1mm未満、又は0.8mm未満であり得る。孔の大部分の幅は、本明細書に以下に記載される孔寸法試験方法に従って0.5mm以下であり得る。このような孔を有する場合、第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分は、親水性であり得る。
【0230】
親水性処理が、孔5の大部分に適用され得る。親水性処理は、親水性ポリマーであってもよい。親水性処理は、BASFのPluronic(登録商標)界面活性剤、BASFのTetronic(登録商標)界面活性剤、及びこれらの組み合わせなどの親水性界面活性剤であってもよい。
【0231】
第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分は、親水性界面活性剤を含み得る。
【0232】
親水性処理は、上記に説明されたような穿孔ピンプロセスを介して、又は印刷プロセスを介して、又はトップシートの2つの層の間の親水性ホットメルト接着剤を介して、孔の大部分に適用され得る。
【0233】
第1の層及び第2の層の孔の少なくとも20%が、親水性であってもよく、好ましくは第1の層及び第2の層の孔の少なくとも30%が、親水性であってもよく、より好ましくは、第1の層及び第2の層の孔の少なくとも50%、又は少なくとも75%、又は少なくとも95%が、親水性であってもよい。更により好ましくは、第1の層及び第2の層の孔の100%が、親水性である。
【0234】
孔の大部分上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。具体的には、孔の大部分の頂部及び底部上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。
【0235】
三次元の第1の層及び第2の層
図5を参照すると、トップシートは、三次元の第1の層1及び平坦な第2の層2を含み得る。第1の層は、第1の表面3及び第2の表面4を含み得る。第2の層は、第1の表面10及び第2の表面11を含み得る。
【0236】
第2の層2の第1の表面10は、第1の層1の第2の表面4と接触して接合され得る。
【0237】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、第2の層2の第1の表面10は、物品の使用中に着用者の身体に向かって面し、第2の層2の第2の表面11は、バックシートに向かって面している。
【0238】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、第1の層1は、物品の使用中に着用者の身体に向かって面し、第2の層2は、バックシートに向かって面している。
【0239】
第2の層2は、複数の孔5を有し得る。第1の層1は、複数の孔5を有する。第1の層の孔5及び第2の層の任意選択の孔は、頂部及び底部を有し得る。
【0240】
第2の層2は、第1の層1の孔5と少なくとも部分的に位置合わせされたか、又は完全に位置合わせされた複数の孔5を有し得る。第1の層1及び第2の層2の孔5は、同じであり得る。第2の層2の複数の孔5は、少なくとも部分的に、又は全てが、第1の層1の孔5と同じ幅及び/又は長さを有してもよい。
【0241】
第1の層1の孔の側壁は、第2の層2内の孔の側壁よりも短くてもよい。したがって、孔5の底部において、孔5は、第2の層2によってのみ形成され得る。
【0242】
第1の層1は、複数の突出部9を有し得る。第1の層1は、実質的に平坦な領域であり得るランド領域8を含む。好ましくは、ランド領域8は、平坦な領域である。
【0243】
突出部9及びランド領域8の大部分は、MD(機械方向)方向に平行な方向に配向されなくてもよい。
【0244】
突出部9の大部分は、トップシート24の第1の層1のランド領域8から突出して、ランド領域8から基部及び対向する遠位部分を形成し得る。突出部9の対向する遠位部分は、突出部9の基部から離間される頂部ピークを形成する遠位端まで延在し得る。
【0245】
突出部9の大部分は、第1の層1の第1の表面3上に位置し得る。突出部9の大部分は、複数のランド領域8によって、及び/又は複数の孔5によって、取り囲まれ得る。複数のランド領域8、複数の孔及び複数の突出部は、トップシート24の第1の層1に三次元形状を付与し得る。
【0246】
複数の突出部9は、第1の層1の第1の表面3上に均一に分布され得る。
【0247】
突出部9の大部分は、中空であり得る。第1の層1の第1の表面3から見るとき、突出部9の大部分は、第1の層1のランド領域8から同一方向に突出し得る。
【0248】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、複数の突出部は、吸収性物品の吸収性コアから離れるように突出し得る。
【0249】
あるいは、あまり好ましくないが、本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、複数の突出部は、吸収性物品の吸収性コアに向かって突出してもよい。
【0250】
断面図から、即ち、Z方向から見た際、突出部9の大部分は、任意の好適な形状を有し得、円筒形、球根形状、円錐形状及びキノコ形状が挙げられるが、これらに限定されない。
【0251】
上方から見た際、突出部9の大部分は、円形状、ダイヤモンド形状、丸められたダイヤモンド形状、アメリカンフットボール形状、卵形状、クローバー形状、三角形状、涙滴形状、及び楕円形状の突出部を含むが、これらに限定されない、任意の好適な形状を有し得る。
【0252】
突出部9の大部分は、一体となって1つ以上のグラフィックスを形成してもよい。グラフィックスを有することにより、介護人に対して、吸収性物品が液状排泄物を多く吸収可能であるという認識を与えやすくすることができる。
【0253】
更に、突出部9の大部分は、一体となってロゴ、例えば、Pampers Heartロゴなどの、1つ以上のグラフィックスを形成してもよい。
【0254】
第2の層2は、孔5の大部分の間にランド領域12を含み得る。第1の層1のランド領域8は、第2の層2のランド領域12と位置合わせされ得る。
【0255】
第1の層1のランド領域8及び第2の層2のランド領域12は、第1の層1及び第2の層2の孔5を完全に取り囲み得る。
【0256】
第1の層1のランド領域8及び第2の層2のランド領域12は、実質的に平坦な領域であり得る。好ましくは、第1の層1のランド領域8及び第2の層2のランド領域12は、平坦な領域である。
【0257】
第2の層2は、突出部を有していなくてもよく、第1の層の突出部と一致する第2の層の領域は、平坦であってもよい。
【0258】
第1の層1及び第2の層2は、第1の層1の突出部9の少なくとも大部分の間で互いに接触し得る。第1の層及び第2の層は、ランド領域(8、12)及び/又は孔5で互いに接触し得る。
【0259】
第2の層が突出部を有していない場合、第1の層及び第2の層は、突出部領域内で接触していなくてもよい。
【0260】
突出部9の大部分は、繊維を全く含まないか又はほとんど含まない突出部の一部分である内側空隙容積14を含み得る。空隙容積14は、トップシートの通気性を改善し得る。突出部9の大部分は、体液を受容するための空隙容積を提供し得る。
【0261】
第1の層及び第2の層は、機械的結合、接着剤結合、圧力結合、熱結合、両層に加熱気体を通過させること、又は当該技術分野で既知のような接合してトップシートを形成する他の方法により、一緒に接合されるか、又は互いに取り付けられてもよい。
【0262】
好ましくは、第1の層は、ホットメルト接着剤によって結合領域内で第2の層に取り付けられる。
【0263】
結合領域は、ランド領域(8、12)及び/又は孔5にあり得る。
【0264】
第1の層及び第2の層は、らせん状、スロットコーティング、又はスプレーの形態で塗布されたホットメルト接着剤で互いに取り付けられ得る。ホットメルト接着剤の坪量は、少なくとも1g/m
2、好ましくは少なくとも5g/m
2、より好ましくは少なくとも7g/m
2であり得る。
【0265】
ホットメルト接着剤は、親水性であり得る。親水性ホットメルト接着剤は、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、及びこれらの組み合わせ、又は当該技術分野において既知の他のホットメルト接着剤からなる群から選択され得る。
【0266】
第1の層及び第2の層を取り付ける親水性ホットメルト接着剤を有することは、液体の低流出量を有することに役立ち得る。したがって、本発明のトップシートが吸収性物品に使用されるとき、吸収性物品の後方腰部領域上又は前方腰部領域上の漏れのリスクが低減される。
【0267】
ホットメルト接着剤が第1の層及び/又は第2の層のランド領域に塗布されるとき、ホットメルト接着剤はまた、孔の頂部及び/又は側壁に到達し得る。
【0268】
片側上で、孔の大部分の間の第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角が、接触角試験方法に従って70°超である。孔の大部分の間の第2の層の第2の表面のランド領域上の第2の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。
【0269】
第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分の幅は、孔寸法試験方法に従って、1.5mm未満、又は1.2mm未満、又は1mm未満、又は0.8mm未満であり得る。孔の大部分の幅は、本明細書に以下に記載される孔寸法試験方法に従って0.5mm以下であり得る。このような孔を伴うと、第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分は、親水性であり得る。
【0270】
親水性処理が、孔5の大部分に適用され得る。親水性処理は、親水性ポリマーであってもよい。親水性処理は、BASFのPluronic(登録商標)界面活性剤、BASFのTetronic(登録商標)界面活性剤、及びこれらの組み合わせなどの親水性界面活性剤であってもよい。
【0271】
第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分は、親水性界面活性剤を含み得る。
【0272】
親水性処理は、穿孔ピンプロセスを介して、又は印刷プロセスを介して、又はトップシートの2つの層の間の親水性ホットメルト接着剤を介して、孔の大部分に適用され得る。
【0273】
第1の層及び第2の層の孔の少なくとも20%が、親水性であってもよく、好ましくは第1の層及び第2の層の孔の少なくとも30%が、親水性であってもよく、より好ましくは、第1の層及び第2の層の孔の少なくとも50%、又は少なくとも75%、又は少なくとも95%が、親水性であってもよい。更により好ましくは、第1の層及び第2の層の孔の100%が、親水性である。
【0274】
孔の大部分上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。具体的には、孔の大部分の頂部及び底部上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。
【0275】
第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分の幅は、孔寸法試験方法に従って、1.5mm未満、又は1.2mm未満、又は1mm未満、又は0.8mm未満であり得る。孔の大部分の幅は、本明細書に以下に記載される孔寸法試験方法に従って0.5mm以下であり得る。このような孔を伴うと、孔の大部分は、上記のように親水性であり得る。
【0276】
三次元トップシート
図6を参照すると、トップシート24は、上記のような第1の層1と、向かい合う関係の上記のような第2の層2と、を含む積層体であり得る。言い換えると、第1の層1及び第2の層2は、積層体を形成するように接合される。
【0277】
第1の層1は、第1の表面3及び第2の表面4を有し得る。第2の層2は、第1の表面10及び第2の表面11を有し得る。
【0278】
第1の層1及び第2の層2は、第1の層1の第2の表面4が第2の層2の第1の表面10と接触するように、向かい合う関係で位置合わせされ得る。
【0279】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、第1の層1は、着用者の身体に向かって面し、第2の層2は、バックシートに向かって面している。
【0280】
第1の層1及び第2の層は、同時に機械的に変形され、組み合わせられて、突出部を有するトップシートを提供し得る。これは、第1の層1及び第2の層2の両方が、同時に機械的に変形及び組み合わせられ得ることを意味する。
【0281】
第1の層1は、複数の突出部9を含み得る。第2の層は、複数の突出部9を含み得る。
【0282】
第1の層の複数の突出部9は、第2の層2の複数の孔9と少なくとも部分的に位置合わせされ得るか、又は完全に位置合わせされ得る。第1の層1及び第2の層2の突出部9は、同じであり得る。
【0283】
突出部9は、第1の層1の繊維から形成され、トップシート24の第2の層2の繊維からも少なくとも部分的に形成され得る。
【0284】
第2の層が突出部を同様に含む場合、複数の突出部9は、第2の層2に三次元形状を付与し得る。同時に、複数の突出部9は、第1の層1に三次元形状を付与し得る。トップシート24は、三次元トップシートであり得る。
【0285】
図6に示されるように、突出部9の大部分は、開口部を形成し、突出部基部幅を有する基部16と、反対側の遠位部分17と、突出部9の大部分の基部16と遠位部分17との間の1つ以上の側壁15と、を含み得る。基部16、遠位部分17、及び1つ以上の側壁15は、突出部9の大部分が基部16に開口部のみを有するように、繊維によって形成され得る。
【0286】
第1の層1の第1の表面3から外向きに延在する突出部9の大部分は、トップシート24の第1の層1の総面積の少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、ただし95%以下を表し得る。
【0287】
第2の層2は、複数の孔5を有し得る。第1の層1は、複数の孔5を有する。孔5は、頂部及び底部を有し得る。
【0288】
第2の層2は、第1の層1の孔5と少なくとも部分的に位置合わせされた複数の孔5を有し得る。第1の層1及び第2の層2の孔5は、同じであり得る。第2の層2の複数の孔5は、第1の層1の孔5と同じ幅及び/又は長さを有し得る。
【0289】
第1の層1は、複数の孔5内の第2の層2よりも短くてもよい。したがって、孔5の底部において、孔5は、第2の層2によってのみ形成され得る。
【0290】
第1の層1は、実質的に平坦な領域であり得るランド領域8を含み得る。第2の層2は、実質的に平坦な領域であり得るランド領域12を含み得る。第1の層1のランド領域8は、第2の層2のランド領域12と位置合わせされ得る。好ましくは、第1の層1のランド領域8及び第2の層2のランド領域12は、平坦な領域である。第2の層はまた、これらの領域内に、第2の層が第1の層の突出部と一致する平坦領域を有し得る。
【0291】
突出部9の大部分は、第1の層1のランド領域8から、かつ第2の層2のランド領域12から突出し得る。
【0292】
突出部9及びランド領域8の大部分は、MD(機械方向)方向に平行な方向に配向されなくてもよい。
【0293】
突出部9の大部分は、複数のランド領域(8、12)によって、及び/又は複数の孔5によって、取り囲まれ得る。
【0294】
複数の突出部9は、第1の層1の第1の表面3に沿って均一に分布され得る。
【0295】
突出部9の大部分は、中空であり得る。第1の層1の第1の表面3から見るとき、突出部9の大部分は、第1の層1のランド領域8から同一方向に突出し得る。
【0296】
本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、複数の突出部は、吸収性物品の吸収性コアから離れるように突出し得る。
【0297】
あるいは、本明細書に説明されるトップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、複数の突出部は、吸収性物品の吸収性コアに向かって突出してもよい。
【0298】
断面図から、即ち、Z方向から見た際、突出部9の大部分は、任意の好適な形状を有し得、円筒形、球根形状、円錐形状及びキノコ形状が挙げられるが、これらに限定されない。
【0299】
上方から見た際、突出部9の大部分は、円形状、ダイヤモンド形状、丸められたダイヤモンド形状、アメリカンフットボール形状、卵形状、クローバー形状、三角形状、涙滴形状、及び楕円形状の突出部を含むが、これらに限定されない、任意の好適な形状を有し得る。好ましくは、突出部9の大部分は、ドーム形状を有する。
【0300】
突出部9の大部分は、一体となって1つ以上のグラフィックスを形成してもよい。グラフィックスを有することにより、介護人に対して、吸収性物品が液状排泄物を多く吸収可能であるという認識を与えやすくすることができる。
【0301】
更に、突出部9の大部分は、一体となってロゴ、例えば、Pampers Heartロゴなどの、1つ以上のグラフィックスを形成してもよい。
【0302】
突出部9の大部分は、第1の層1及び第2の層2が一致して一緒に嵌まるなどの、第1の層1を第2の層2と係合させることから作製され得る。
【0303】
第1の層及び第2の層は、機械的結合、接着剤結合、圧力結合、熱結合、両層に加熱気体を通過させること、又は接合して当該技術分野で既知のトップシートを形成する他の方法により、一緒に接合されるか、又は互いに取り付けられてもよい。
【0304】
好ましくは、第1の層は、ホットメルト接着剤によって結合領域内で第2の層に取り付けられる。
【0305】
結合領域は、ランド領域(8、12)、突出部9及び/又は孔5にあり得る。
【0306】
第1の層及び第2の層は、らせん状、スロットコーティング、又はスプレーの形態で塗布されたホットメルト接着剤で互いに取り付けられ得る。ホットメルト接着剤の坪量は、少なくとも1g/m
2、好ましくは少なくとも5g/m
2、より好ましくは少なくとも7g/m
2であり得る。
【0307】
ホットメルト接着剤は、親水性であり得る。親水性ホットメルト接着剤は、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEPS)、及びこれらの組み合わせ又は当該技術分野において既知の他のホットメルト接着剤からなる群から選択され得る。
【0308】
ホットメルト接着剤が第1の層及び/又は第2の層のランド領域に塗布されるとき、ホットメルト接着剤はまた、孔の頂部及び/又は側壁に到達し得る。
【0309】
突出部9の大部分は、繊維を全く含まないか又はほとんど含まない突出部の一部分である内側空隙容積14を含み得る。空隙容積14は、トップシートの通気性を改善し得る。突出部9の大部分は、体液を受容するための空隙容積を提供し得る。
【0310】
本明細書に説明されるトップシート24が吸収性物品に組み込まれるとき、トップシートは、分配層などの下層と密接に接触し得る。下層は、圧密されていない乾式繊維構造体の乾式繊維又は湿式繊維構造体で作製され得る。突出部9の空隙容積14は、その中に糞便が吸収されて捕捉されることを可能にし得る。
【0311】
突出部9の大部分は、基部16の内側部分の2つの側壁から測定される開口部を形成する基部16の突出部基部幅WB
1によって画定され得る。突出部9の大部分は、遠位部分17が実質的に円形形状であるときに、内側突出部の2つの側壁の間を測定した最大内部幅であるか、又は内側突出部の側壁の最大直径である、内側空隙容積14の幅WD
2によって画定され得る。反対側の遠位部分17の空隙容積14の最大内幅WD
2は、突出部9の基部16の突出部基部幅WB
1より大きくてもよい。突出部9の大部分の基部16の突出部基部幅WB
1は、0.5mm〜15mm、又は0.5mm〜10mm、又は0.5mm〜5mm、又は0.5mm〜3mmの範囲であり得る。基部16の突出部基部幅WB
1及び遠位部分17の幅WD
2の寸法の測定は、顕微鏡写真上でなされ得る。
【0312】
第1の層1及び第2の層2は、第1の層1の第1の表面3から外向きに突出する複数の突出部9、又は第2の層2の第2の表面11から外向きに突出する複数の陥没部13を含み得る。
【0313】
あるいは、第1の層1及び第2の層2は、第1の層1の第1の表面3から外向きに突出する複数の突出部9、及び第2の層2の第2の表面11から外向きに突出する複数の陥没部13を含み得る。
【0314】
用語「陥没部」は、トップシートが吸収性物品に組み込まれるとき、着用者の皮膚から離れて突出するトップシートの突出部に対応する。
【0315】
第1の層1及び第2の層2は、複数の陥没部、複数の孔5、複数の突出9、及び複数のランド領域(8、12)を含み得る。
【0316】
あるいは、第1の層1及び第2の層2は、複数の陥没部、複数の孔5、及び複数のランド領域(8、12)を含み得る。
【0317】
孔5は、陥没部の大部分の間、及び/又は陥没部の大部分内に位置し得る。いくつかの陥没部は、その中に孔5を有していなくてもよい。
【0318】
陥没部の大部分は、その中に、ランド領域12から最遠位の場所に孔5を画定し得る。
【0319】
ランド領域12は、隣接する突出部9、隣接する陥没部及び/又は隣接する孔5の中間に位置付けられ得る。
【0320】
複数の陥没部は、1つ以上のランド領域12、1つ以上の孔、及び/又は1つ以上の突出部9によって分離され得る。
【0321】
第1の層の複数の陥没部は、第2の層の複数の陥没部と位置合わせされ得る。第1の層及び第2の層の複数の陥没部は、同じであり得る。
【0322】
第1の層及び第2の層は、陥没部において互いに接触し得る。
【0323】
陥没部の大部分は、約200μm〜約3000μm、好ましくは約300μm〜約2000μm、より好ましくは約500μm〜約1500μm、更により好ましくは約700μm〜約1000μmの範囲内のZ方向高さを有し得る。
【0324】
突出部9のZ方向高さは、陥没部のZ方向高さ以上であり得る。
【0325】
孔の大部分の間の第1の層の第1の表面上の第1の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°超であり得る。
【0326】
孔の大部分の間の第2の層の第2の表面上の第2の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。
【0327】
第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分の幅は、孔寸法試験方法に従って、1.5mm未満、又は1.2mm未満、又は1mm未満、又は0.8mm未満であり得る。孔の大部分の幅は、本明細書に以下に記載される孔寸法試験方法に従って0.5mm以下であり得る。このような孔を伴うと、第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分は、親水性であり得る。
【0328】
親水性処理が、孔5の大部分に適用され得る。親水性処理は、親水性ポリマーであってもよい。親水性処理は、BASFのPluronic(登録商標)界面活性剤、BASFのTetronic(登録商標)界面活性剤、及びこれらの組み合わせなどの親水性界面活性剤であってもよい。
【0329】
第1の層1及び第2の層2の孔5の大部分は、親水性界面活性剤を含み得る。
【0330】
親水性処理は、上記に説明されたような穿孔ピンプロセスを介して、又は印刷プロセスを介して、又はトップシートの2つの層の間の親水性ホットメルト接着剤を介して、孔の大部分に適用され得る。
【0331】
第1の層及び第2の層の全孔の少なくとも40%が、親水性であってもよく、好ましくは第1の層及び第2の層の全孔の少なくとも50%が、親水性であってもよく、より好ましくは、第1の層及び第2の層の全孔の少なくとも60%が、親水性であってもよい。更により好ましくは、第1の層及び第2の層の全孔の100%が、親水性である。
【0332】
孔の大部分上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。具体的には、孔の大部分の頂部及び底部上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°以下であり得る。
【0333】
機械的変形、結果として生じる突出部及び孔
当該技術分野において既知の複数の異なる方法を使用して、本開示の有孔不織布、即ち、有孔トップシートを作成し、孔を有する三次元不織布材料を作成することができる。これらの方法は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月14日公開のProcter and Gamble Companyにより出願された国際出願第2017/156200号に説明されている。
【0334】
本開示のトップシートの三次元の有孔の第1の層、又は本開示のトップシートの第1の層及び第2の層の積層体はまた、以下に説明されるように、高速で工業的に生産され得る。
【0335】
図7は、本開示の基材を形成するためのプロセスの一例の概略図である。
図8は、第1及び第2のロールの一部分の噛み合い係合の図である。
図9は、第1のロールの一部分の図である。
図10は、第2のロールの一部分の図である。
【0336】
図7〜
図10を参照すると、本開示のトップシートの第1の層は、1つ以上の層基材399(非三次元)を、2つの噛み合いロール504及び506によって形成されるニップ502に通過させ、三次元基材400を形成することによって形成されてもよい。ロール504及び506は、加熱されてもよい。第1のロール504は、(第2のロールと組み合わせられて)基材400内に孔を作成してもよく、第2のロール506は、(第1のロールと組み合わせられて)基材400内に突出部を作成してもよい。第1のロール504は、第1のロール504から径方向外向きに延在する複数の突出部508を含んでもよい。第1のロール504はまた、第1のロール504の径方向外側表面に形成された複数の陥没部510を含んでもよい。第2のロール506は、第2のロール506から径方向外向きに延在する複数の突出部512を含んでもよい。第2のロール506はまた、第2のロール506の径方向外側表面に形成された複数の陥没部514を含んでもよい。第1のロール504上の突出部508は、第2のロール506上の突出部512とは異なるサイズ、形状、高さ、面積、幅、及び/又は寸法を有してもよい。第1のロール504に形成された陥没部510は、第2のロール506に形成された陥没部514とは異なるサイズ、形状、高さ、面積、幅、及び/又は寸法を有してもよい。第1のロール504の陥没部510は、突出部512を少なくとも部分的に受容するように構成され得、それにより基材400に突出部を作成する。具体的には、突出部512が陥没部510内に係合する際、径方向の表面間に十分な深さの空間が残留するため、突出部での基材の厚さは、陥没部の厚さよりも大きい。この特徴は、突出部を形成している基材の部分を圧縮することと比較して、より柔らかい感触を有し、かつより高い突出部を提供する。第2のロール506の陥没部514は、突出部508を少なくとも部分的に受容するように構成され得、それによりトップシートの第1の層内に孔を作成する。
【0337】
あるいは、別の方法を使用して、本開示のトップシートの三次元の有孔の第1の層、又は本開示のトップシートの第1及び第2の層の積層体を形成することができる。
【0338】
図11を参照すると、第1の基材200は、本発明の第1の層1を形成するために、A及びBと名付けられた一対のロールを通過し得る。ロールA及びBの速度は、5〜600メートル/分であり得る。ロールAの温度範囲は、40〜200℃であり得る。ロールBの温度範囲は、30〜200℃であり得る。ロールAは、ロールAから径方向外向きに延在する複数の突出部201を含み得る。ロールAはまた、ロールAの径方向外側表面に形成された複数の陥没部202を含み得る。ロールAの陥没部202の深さは、0.5〜10mmであり得、ロールAの突出部201の深さは、0.5〜9mmであり得る。ロールBは、ロールBから径方向外向きに延在する複数の突出部203を含み得る。ロールBはまた、ロールBの径方向外側表面に形成された複数の陥没部204を含み得る。ロールBの複数の突出部203の遠位端は、ピン205の形状を有し得る。
【0339】
ロールA上の突出部201は、ロールB上の突出部203とは異なるサイズ、形状、高さ、面積、幅、及び/又は寸法を有し得る。ロールAに形成された陥没部202は、ロールBに形成された陥没部204とは異なるサイズ、形状、高さ、面積、幅、及び/又は寸法を有し得る。ロールAの陥没部202は、ロールBの突出部203を少なくとも部分的に受容するように構成され得、それにより第1の基材200内に突出部を作成する。ロールAは、ロールBの突出部203のピン205の形状を受容するために、陥没部領域内に複数の孔を含み得る。したがって、複数の孔5が、第1の基材200の各突出部の間で第1の基材200に形成される。ロールA及びロールBを通過した後、第1の基材200は、複数の突出部9と、各突出部の間の複数の孔5と、を含み得る。
【0340】
第2の基材206は、凹状ローラCによってもたらされ得る。ホットメルト接着剤は、第2の基材206が第1の基材200と接触する前に、装置Dによって第2の基材206の第1の表面上に添加され得る。ロールCは、ロールBの突出部203のピン205の形状を受容するために、複数の穴を含み得る。
【0341】
第2の基材206は、ロールC及びロールBを通過し得、ロールBの突出部203で第1の基材200と接触し得る。ロールBの突出部203がピンの形状を有し得るため、複数の孔は、第2の基材206上にも作成され得る。第2基材206の複数の孔5は、第1の基材200の孔5と少なくとも部分的に位置合わせされ得る。
【0342】
プロセスの最後に、三次元の有孔の第1の層1を得ることができ、これは、第1の層の突出部9の大部分の間で第2の層2と接触し得る。
【0343】
第1の基材200はまた、ロールA及びBの間で一緒に係合された第1の層1及び第2の層2であり得、同時に機械的に変形され、一緒に組み合わせられて、本発明の三次元トップシート24を形成し得る。
【0344】
複数の突出部を有するトップシートの第1の層を形成するために、第1の層1はまた、第1及び第2の形成部材の間で係合され、機械的に変形されて、三次元形状を有する第1の層を形成し得る。この方法は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月14日公開のProcter and Gamble Companyにより出願された国際出願第2017/156203号に説明されている。第1の層は、したがって、突出部9を形成する変形を含み得る。
【0345】
あるいは、第1の層1及び第2の層2を有する三次元トップシート24を形成するために、第1の層1及び第2の層2は、第1及び第2の形成部材の間で一緒に係合され、同時に機械的に変形され、一緒に組み合わせられて、トップシート24を形成し得る。この方法は、参照により本明細書に組み込まれる、2017年9月14日公開のProcter and Gamble Companyにより出願された国際出願第2017/156203号に説明されている。
【0346】
吸収性物品
本発明のトップシートが使用され得る典型的な使い捨て吸収性物品は、着用者の身体に接して又はその近位に配置されて、身体から排出された様々な排泄物を吸収して収容する、おむつ20の形態で
図12〜
図16に表される。
【0347】
より詳細には、
図12は、例示的なおむつ20を広げた状態の平面図であり、おむつ20の構造をより明瞭に示すために、おむつの一部が切り取られている。本発明の構造体は多種多様のおむつ又はその他の吸収性物品内に含まれてもよいため、このおむつ20は例示の目的のためにのみ示されている。
【0348】
図12及び
図13に示されるように、吸収性物品、ここでは、おむつは、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート26、トップシート24とバックシート26との間に位置付けられている吸収性コア28を含み得る。吸収性コア28は、吸収性物品によって受け止められた液体を吸収して収容することができ、超吸収性ポリマー粒子66及び/若しくはセルロース繊維などの、吸収性材料60、並びに吸収性物品において一般的に用いられるその他の吸収性材料及び非吸収性材料(例えば、超吸収性ポリマー粒子を固定化する熱可塑性接着剤)を含んでもよい。吸収性材料及び非吸収性材料は、トップシートに向かって面する上部コアカバー層56及びバックシートに向かって面する下部カバー層58などによって、基材(例えば、1つ以上の不織布、組織など)内に包まれ得る。そのような上部及び下部コアカバー層は、不織布、組織などで作製されてもよく、例えば、それらの外周に沿って連続的に又は不連続的に互いに取り付けられ得る。
【0349】
吸収性コアは、1つ以上の基材層(不織布ウェブ又はティッシュペーパー)と、1つ以上の基材層上に配設される超吸収性ポリマー粒子と、超吸収性ポリマー粒子上に典型的に配設される熱可塑性組成物とを含み得る。典型的には、熱可塑性組成物は、熱可塑性接着剤材料である。一実施形態では、熱可塑性接着剤材料は、1つ以上の基材層上の超吸収性ポリマー粒子と少なくとも部分的に接触して、1つ以上の基材層と少なくとも部分的に接触している、繊維性層を形成する。超吸収性ポリマー粒子及び/又は熱可塑性接着剤材料のそれぞれの基材層への接着を高めるために、超吸収性ポリマー粒子を適用する前に、1つ以上の基材層上に補助接着剤が付着される場合がある。吸収性コアは、超吸収性ポリマー粒子が1つ以上の基材層と1つ以上のカバー層との間に含まれるように、1つ以上のカバー層も含むことができる。1つ以上の基材層及びカバー層は、不織布ウェブを含んでもよく、又は不織布ウェブで構成されてもよい。吸収性コアは、臭気制御化合物を更に含むことができる。
【0350】
吸収性コアは、1つ以上の基材層、超吸収性ポリマー粒子、熱可塑性組成物、必要に応じて補助接着剤、必要に応じてカバー層、及び必要に応じて臭気制御化合物から本質的になってもよい。
【0351】
吸収性コアはまた、不織布ウェブ又はティッシュペーパーなどの1つ以上の基材層内に包み込まれ得る、超吸収性ポリマー粒子及びエアフェルトの混合物を含んでもよい。このような吸収性コアは、吸収性材料の30重量%〜95重量%、又は50重量%〜95重量%の超吸収性ポリマー粒子を含んでもよく、吸収性材料の5重量%〜70重量%、又は5重量%〜50重量%のエアフェルトを含んでもよい(これらの割合に関して、任意の包囲基材層は、吸収性材料とは見なされない)。吸収性コアはまた、エアフェルトを含まなくてもよく、吸収性材料の100重量%の超吸収性ポリマー粒子を含んでもよい。
【0352】
本発明の吸収性物品、特に、おむつ及びパンツは、捕捉層52、分配層54、又はそれら両方の組み合わせ(本明細書では総じて捕捉分配システム「ADS」50と呼ばれる)を含み得る。
【0353】
親水性ホットメルト接着剤が、トップシートを捕捉層及び/又は分配層及び/又は吸収性コアに結合するために使用され得る。これは、流出量を低減させるために役立ち得る。
【0354】
ADS50の機能は、典型的には、効率的な方法で液体を迅速に捕捉し、それを吸収性コアに分配することである。ADSは、1つ、2つ又はそれよりも多い層を含み得る。
【0355】
ADSは、超吸収性ポリマーを含まなくてもよい。先行技術は、多くの種類の捕捉−分配システムを開示しており、例えば、国際公開第2000/59430号、同第95/10996号、米国特許第5700254号、国際公開第02/067809号を参照されたい。しかしながら、超吸収性ポリマー粒子はまた、ADSによって含まれてもよい。
【0356】
分配層54の機能は、吸収性コアの吸収性能がより効率的に利用され得るように、排泄された流動液を物品内のより大きい表面にわたって広げることである。分配層は、合成又はセルロース繊維系の比較的密度の低い不織布材料によって作製され得る。分配層は、30〜400g/m
2、特に、80〜300g/m
2の平均坪量を有し得る。
【0357】
分配層54は、例えば、少なくとも50重量%、又は60重量%、又は70重量%、又は80重量%、又は90重量%の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は、捲縮、加撚、若しくはカールされてもよく、又は捲縮、加撚、及びカールを含むこれらの組み合わせであってもよい。架橋セルロース繊維は、製品のパッケージ内の圧縮に対して、又は例えば、乳児の体重未満の使用状況下において、第1の吸収性層に対して、高い復元力、及びそれ故高い抵抗性を付与する。これは、コアに、比較的高い空隙容積、透過性、及び液体吸収作用を提供するため、漏出が低減され、乾燥性が改善される。
【0358】
架橋セルロース繊維を含む分配層54は、他の繊維を含んでもよいが、この層は、層の重量に対して、少なくとも50重量%、又は60重量%、又は70重量%、又は80重量%、又は90重量%、又は更には最大100重量%の架橋セルロース繊維を含んでもよい。かかる架橋セルロース繊維の混合層の例は、70重量%の化学架橋セルロース繊維、10重量%のポリエステル(PET)繊維、及び20重量%の未処理パルプ繊維を含んでもよい。別の例では、架橋セルロース繊維の層は、70重量%の化学架橋セルロース繊維、20重量%のリヨセル繊維、及び10重量%のPET繊維を含んでもよい。別の例では、層は、68重量%の化学架橋セルロース繊維、16重量%の未処理パルプ繊維、及び16重量%のPET繊維を含んでもよい。
【0359】
吸収性物品20は、捕捉層52を更に含んでもよく、その機能は、流体をトップシートから離して素早く捕捉し、着用者に優れた乾燥性を提供することである。捕捉層52は、典型的には、トップシートの真下、かつ分配層の下に配置される。捕捉層は、典型的には、スパンボンド、メルトブローン、及び更にスパンボンドされた層、又は代替的に、カーディングを施された化学結合された不織布を含む、例えば、SMS又はSMMS材料など、不織布材料であってもよく、又はそれを含んでもよい。不織布材料は、具体的にはラテックス結合されていてもよい。例示的な上部捕捉層52が米国特許第7786341号に開示される。使用される繊維が、中実で丸形又は丸形で中空のPETステープルファイバー(6デニール繊維と9デニール繊維との50/50又は40/60の混合)である場合は特に、カーディングされた樹脂結合不織布が使用され得る。例示的な結合剤は、ブタジエン/スチレンラテックスである。
【0360】
捕捉層52は、ラテックス結合剤、例えばスチレン−ブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)によって、安定化され得る。かかる格子状構造を得るための方法は、例えば、欧州特許第149880号(Kwok)及び米国特許出願公開第2003/0105190号(Diehlら)で既知である。結合剤は、捕捉層52中に、12重量%、14重量%又は16重量%を超えて存在してもよいが、捕捉層の30重量%以下、又は25重量%以下で存在してもよい。SBラテックスは、GENFLO(商標)3160(OMNOVA Solutions Inc.;(Akron,Ohio))の商品名にて入手可能である。
【0361】
上述した第1の捕捉層に加えて、更なる捕捉層が使用されてもよい。例えば、組織層(tissue layer)が、第1の捕捉層と分配層との間に配置されてもよい。この組織は、上述した捕捉層と比較して、向上した毛管作用による分配特性を有してもよい。組織層と第1の捕捉層は同じサイズのものであってもよく、又は異なるサイズのものであってもよく、例えば、組織層は、第1の捕捉層よりも更に吸収性物品の後ろに延びていてもよい。親水性組織の例は、供給業者Havixによるセルロース繊維製の13〜15g/m
2の高湿潤強度である。
【0362】
おむつはまた、特に、脚部開口部の区域内における、液体及びその他の身体排泄物の改善された収容をもたらす伸縮性脚部カフ32及び/又はバリア脚部カフ34を含んでもよい。通常、各脚部カフ32及びバリアカフ34は、
図12及び
図13上に誇張した形で表されている、1本以上のゴムひも33及び35を含むことになる。更に、おむつ20は、複合おむつ構造体を形成するために取り付けられる後側耳部40、前側耳部46及び/又はバリアカフ34などの他の構造を含んでもよい。おむつは、ランディング区域44(例えば、面ファスナシステムにおけるループを提供する不織布ウェブ)と協働する、接着テープタブ、又はフック要素を含むテープタブなどの、テープタブ42を含み得る、接着ファスナシステム又は機械的ファスナシステム(例えば、面ファスナシステム)などの、ファスナシステムを更に含んでもよい。更に、おむつは、後側弾性腰部構造及び前側弾性腰部構造、側面パネル又はローション塗布などの、他の要素を含んでもよい。
【0363】
図12及び
図13に示される、おむつ20は、第1の腰部領域36、第1の腰部領域36と反対側の第2の腰部領域38、及び第1の腰部領域36と第2の腰部領域38との間に位置する股あて領域37に概念上分割することができる。縦方向中心線80は、おむつをその長さに沿って2等分する想像線である。横断中心線90は、完全に扁平になったおむつの平面内の縦線80と垂直で、おむつの長さの中央を通る想像線である。おむつ20の周辺はおむつ20の外縁部によって画定される。おむつの縦方向縁部はおむつ20の縦方向中心線80と概ね平行に延びてもよく、末端縁部は縦方向縁部間に、おむつ20の横断中心線90と概ね平行に延びる。
【0364】
試験方法
接触角試験方法:
1cm×2cmの矩形状の試験片を使い捨て吸収性製品のトップシートから切り出し、試験片の表面に触れないように、又は材料の構造を乱さないように注意する。試験片は、物品の縦方向中心線と位置合わせされた長さ(2cm)を有する。試験片を、鉗子を用いて縁部から優しく取り扱い、両面テープを用いてSEM試験片ホルダー上に皮膚に面する面を上にして平らに装着する。小型の家庭用エアブラシ装置を用いて生成した微細なミストの水滴を試験片に噴霧する。液滴を生成するために使用される水は、少なくとも18MΩ−cmの抵抗率を有する蒸留脱イオン水である。エアブラシは、液滴が各々約2pLの体積を有するように調整される。約0.5mgの水滴を、均等にかつ緩やかに試験片上に付着させる。水滴を塗布した直後に、装着した試験片を液体窒素中にくぐらせて凍結させる。凍結後、試料を−150℃のCryo−SEMプレップチャンバに移し、Au/Pdでコーティングして、−150℃のCryo−SEMチャンバ内に移す。Hitachi S−4700 Cry−SEM又は同等の機器を用いて、繊維上の液滴の高分解能画像を得る。液滴は無作為に選択されるが、繊維表面から延びる液滴の投影がほぼ最大となるように、顕微鏡内で配向されている場合にのみ、液滴が撮像されるのに適している。
図17の線3700によって示されるように、撮られた画像から、液滴と繊維との間の接触角を直接決定する。
【0365】
このような方法は、第1の層の第1の表面(又は任意選択の第2の層の第1の表面上)のランド領域上で実施されて、第1の表面ランド領域接触角を測定する。同様に、方法は、第1の層の第2の表面のランド領域上で実施されて、第2の表面ランド領域接触角を測定し得る。2つの隣接する孔の間の中間のランド領域上に位置する10個の別個の液滴が撮像され、それらから20個の接触角測定が実施され(各撮像された液滴の各側部に対して1つ)、これらの20個の接触角測定の算術平均が計算され、それぞれ、第1の表面ランド領域接触角として、又は第2の表面ランド領域接触角として報告される。
【0366】
このような方法はまた、孔に対して実施されて、孔接触角を測定する。3つの別個の孔の頂部付近に位置する10個の別個の液滴、及び同じ3つの別個の孔の底部付近に位置する10個の液滴が撮像され、それらから40個の接触角測定が実施され(各撮像された液滴の各側部に対して1つ)、これらの40個の接触角測定の算術平均が計算され、孔接触角として報告される。
【0367】
パーセント有効面積、孔寸法及び孔間距離測定試験方法:
有効孔寸法、パーセント有効面積、及び孔間距離の測定値を、フラットベッドスキャナを用いて得た孔試験片画像から得る。スキャナは解像度6400dpi及び8ビットグレースケールの反射モードで走査可能である(好適なスキャナはEpson America Inc.(Long Beach CA)のEpson Perfection V750 Pro又はその等価物である)。スキャナは、画像解析プログラムを実行するコンピュータと連動する(好適なプログラムは、National Institute of Health(USA)のImageJ v.1.47、又はその等価物である)。試験片画像は、取得されたNIST認定定規の画像に対して距離較正される。孔試験片は、画像を取得する前に黒色ガラスタイル(HunterLab、Reston、VAから入手可能なP/N 11−0050−30、又は等価物)の裏地を貼られる。次いで、結果的に得られたグレースケール画像が、閾値階調値を介して2値画像に変換され、試験片材料領域からの開口孔領域の分離を可能にし、画像解析プログラムを使用してこれらの領域を解析した。全ての試験は、約23±2℃及び約50±2%の相対湿度に維持された調湿室内で行われる。
【0368】
試料の調製:
試験片を得るために、吸収性物品が、平面構成の固い平坦面にテープで貼り付けられる。存在するあらゆる脚部の弾性体は、物品の平らな配置を容易にするために切断され得る。物品の吸収性コアの上に位置する領域の外側境界は、有孔層上で識別され、マークされる。有孔層の試験片は、かみそり刃を用いて物品の外周の周囲を切断することによって、物品の下層から取り出される。有孔層試験片は、孔の歪みを回避するように、縦及び横方向の伸長が維持されるように丁寧に取り出される。必要であれば、低温スプレー(Cyto−Freeze(Control Company(Houston TX)、又は等価物など)を使用して、試験片を下層から取り除いてもよい。5つの実質的に同様の物品から得られた5つの複製試験片を分析のために調製する。有孔基材の原材料を、吸収性物品上で用いる場合と同じ加工条件下で及び同じ程度に延伸又は活性化させることによって、試験用に調製する。試料は、試験前に、約23℃±2℃及び相対湿度約50%±2%で2時間にわたって調湿される。
【0369】
画像の取得:
定規が、スキャナガラスの側面に平行に配向されるようにスキャナベッド上に配置される。定規の画像(較正画像)は、6400dpi(約252画素/mm)の解像度及び8ビットグレースケールの反射モードで取得される。較正画像は、非圧縮のTIFF書式ファイルとして保存される。較正画像を取得した後、定規がスキャナガラスから除去され、全ての試験片が同じ走査条件下で走査される。有孔試験片は、試験片の外向きの表面がスキャナのガラス面に向いている状態で、スキャナベッドの中央に平らに寝かせて配置される。試験片の角及び縁は、取り外し前の物品に対するように、その元の縦方向及び横方向の伸張が復元されるように固設される。試験片は、有孔試験片層の機械方向(MD)及び横断方向(CD)がスキャナのガラス表面の側面と平行かつ垂直に位置合わせされ、結果的に得られた試験片画像が頂部から底部まで垂直に通るMDを有するように配向される。黒色ガラスタイルが試験片の頂部上に配置され、スキャナ蓋が閉じられ、試験片全体の走査画像が取得される。画像は、圧縮前のTIFF書式ファイルとして保存される。残りの4つの複製試験片が走査され、同様の様式で保存される。解析前に、全ての試験片画像が、物品の吸収性コアの上に位置していた有孔領域内に含まれる最大矩形視野に切り出される。
【0370】
パーセント有効孔面積計算:
較正画像ファイルが画像解析プログラム内で開かれ、直線距離較正は、撮像された定規を使用して実施される。この距離較正スケールが、解析前に全ての後続の試験片画像に適用される。試験片画像は、画像解析プログラム内にあり、距離スケールは、距離較正を使用して設定される。次に、8ビットグレースケール画像が、次の手段で2値画像(孔領域に対応する「ゼロ」又は「黒」を用いて)に変換される。階調(GL)値のヒストグラム(0〜255の範囲であり、1つのビンが階調iごとの傾向P
iを含む)がちょうど2つの極大値を有する場合、閾値階調値tは、P
t−1>P
t及びP
t≦P
t+1である値として定義される。ヒストグラムが2つよりも多い極大値を有する場合、ヒストグラムは、サイズ3の窓付き算術平均を使用して反復的に平滑化され、この平滑化は、ちょうど2つの極大値が存在するまで反復的に実施される。閾値階調値tは、P
t−1>P
t及びP
t≦P
t+1である値として定義される。この手順は、開口穴の暗画素ピークと試験片材料のより明るい画像ピークとの間に位置する最小母集団の階調(GL)値を識別する。ヒストグラムがゼロ又は1つの極大値のいずれかを含有する場合、方法は、更に続行することができず、出力パラメータは、定義されない。
【0371】
別個の孔領域の各々は、画像解析プログラムを使用して解析される。全ての個々の孔面積が、画像の縁に沿った部分的な孔を含んで、0.01mm
2単位まで測定及び記録される。0.3mm
2未満の面積の孔は、いずれも「無効」として定義され、破棄される。完全及び部分的な孔を含む、残りの孔、いわゆる「有効」孔面積が合計される。次いで、この合計が、画像に含まれる総面積で除算される。この値が100%で乗算され、有効面積として0.01%単位まで報告される。
【0372】
残りの4つの試験片画像が同様に解析される。5つの複製試験片に対して、0.01%単位まで平均パーセント有効面積値が計算され報告される。
【0373】
有効孔寸法測定:
較正画像(定規を含む)ファイルが画像解析プログラム内で開かれる。元画像の解像度が、双三次補間法を使用して、6400dpi〜640dpi(約25.2画素/mm)にサイズ変更される。直線距離較正が、撮像された定規を使用して実施される。この距離較正スケールが、解析前に全ての後続の試験片画像に適用される。1つの試験片画像が選択され、画像解析プログラム内で開かれる。元の画像の解像度は、双三次補間法を使用して6400dpi〜640dpi(約25.2画素/mm)にサイズ変更され、距離スケールが、較正画像を使用して確立された直線距離較正に従って設定される。次に、8ビットグレースケール画像が、次の手段で2値画像(孔領域に対応する「ゼロ」又は「黒」を用いて)に変換される。階調(GL)値のヒストグラム(0〜255の範囲であり、1つのビンが階調iごとの傾向P
iを含む)がちょうど2つの極大値を有する場合、閾値階調値tは、P
t−1>P
t及びP
t≦P
t+1である値として定義される。ヒストグラムが2つよりも多い極大値を有する場合、ヒストグラムは、サイズ3の窓付き算術平均を使用して反復的に平滑化され、この平滑化は、ちょうど2つの極大値が存在するまで反復的に実施される。閾値階調値tは、P
t−1>P
t及びP
t≦P
t+1である値として定義される。この手順は、開口穴の暗画素ピークと試験片材料のより明るい画素ピークとの間に位置する最小母集団の階調(GL)値を識別する。ヒストグラムがゼロ又は1つの極大値のいずれかを含有する場合、方法は、更に続行することができず、出力パラメータは、定義されない。次に、2つのモルフォロジー演算が2値画像上で実施される。まず、クロージング(黒色孔領域画素に接触している任意の白色背景画素を黒色孔領域画素に変換し、それによって、孔領域の外周の周囲に画素の層を追加する膨張処理、続いて、白色背景画素に接触している任意の黒色孔領域画素を除去し、それによって、孔領域の外周の周囲の画素の層を除去する収縮処理、繰り返し=1、画素数=1)が実施され、開口穴内の散在繊維を取り除く。続いて、オープニング(収縮処理、続いて、膨張処理、繰り返し=1、画素数=1)が実施され、孤立した黒色画素を取り除く。画像の縁は、収縮工程の間にパッドされて、黒色の境界線の画素が処理中に維持されることを確保する。最後に、黒色孔領域内に包囲された残る全ての空隙が埋められる。
【0374】
別個の孔領域の各々は、画像解析ソフトウェアを使用して解析される。画像の縁に沿った任意の部分的な孔は、完全な孔のみが解析されるように排除される。0〜180度のその対応する配向角度と共に、個々の孔面積、外周部、フェレ径(孔の長さ)、及び最小フェレ径(孔の幅)の全てが、測定及び記録される。個々の孔面積が0.01mm
2単位まで、孔外周及びフェレ径(長さ及び幅)が0.01mm単位まで、並びに角度が0.01度単位まで記録される。0.3mm
2未満の面積の孔は、いずれも「無効」として破棄される。残りの「有効」孔の数が記録され、画像の面積で除算される。この商は、孔密度値として、1cm
2あたり0.1個の孔の単位まで記録される。MD(画像中では垂直)と位置合わせされた孔の配向角度は、90度として定義される。左から右にかけて増加する正勾配を有する孔は、0〜90度の角度を有する。左から右にかけて減少する負勾配を有する孔は、90〜180度の角度を有する。個々の孔の角度は、元の配向角度から90度を減算し、その絶対値を取ることによって、絶対孔角度を計算するために使用される。これらの測定に加えて、その長さをその幅で除算した商として各孔について定義されたアスペクト比が記録される。この解析は、4つの複製試験片の残りの画像の各々について繰り返される。有効孔寸法(面積、外周、長さ、幅、及び角度)、絶対孔角度及びアスペクト比測定値の各々についての統計的平均及び標準偏差が、全ての試験片から記録された孔値の全てを使用して計算され、報告される。有効孔寸法、絶対孔角度、アスペクト比測定値の各々についてのパーセント相対標準偏差(RSD)が、標準偏差を平均値で除算して100%を乗算することによって計算され、報告される。
【0375】
孔間距離の測定
孔間の平均値、標準偏差、中央値、及び最大距離は、孔寸法測定のために解析された各試験片の2値画像を更に解析することによって測定される。各画像について、ボロノイ操作が、サイズ変更され空間的に較正された2値画像(上記のもの)に対して実施される。ボロノイ操作は、領域又は「セル」が2つの最も近いパターンの孔の境界線と等しい距離を有する画素の線を境界とする画像を生成し、これらの境界線の画素値が2値画像のユークリッド距離マップ(EDM)から出力され、全ての他の画素値がゼロである。(EDMは、2値画像中の各孔間画素が、最も近いパターンの孔からの画素の距離と等しい値と置換される、変換された画像である。)ボロノイ変換された画像内に存在する非ゼロ距離値(即ち、境界線に沿ったユークリッド距離値)の統計解析が実施される。画像について結果的に得られた平均値、標準偏差、中央値及び最大孔間距離が計算され、次いで、孔特徴間の完全距離を反映するために2の倍数で乗算される。これらの統計的指標は、0.01mm単位まで報告される。この手順は、全ての試験片画像について繰り返される。標準偏差を平均値で除算して100%で乗算することによる孔間距離のパーセント相対標準偏差(RSD)。
【0376】
コンディショニング後接触角試験方法:
トップシート試験片が、吸収性物品の縦方向の中心線及び横方向の中心線の交点を中心として吸収性物品から取り出されるが、吸収性物品からトップシートを取り出す目的で、かみそり刃が、10±1cm×10±1cmの領域の外周の周囲で吸収性物品の下層からトップシートを切除するために使用される。10±1cm×10±1cmの領域が縦方向の中心線及び横方向の中心線の交点から切除されることを可能にするにはトップシートが不十分なサイズである場合、抽出され得るトップシートの最大の正方形が切除され、以後、トップシート試験片として使用される。試験片は、その縦方向及び横方向の伸張が維持されるように、慎重に取り出される。必要であれば、低温スプレー(Cyto−Freeze(Control Company,Houston TX)など)を使用して、トップシート試験片を下層から取り出すことができる。
【0377】
溶液(「コンディショニング溶液」)は、蒸留水、純度99%超のNaCl、及び純度96%超のコール酸ナトリウムを使用することによって、0.9重量%のNaCl及び0.3重量%のコール酸ナトリウムを用いて調製される。コンディショニング溶液は、40±2℃に加熱され、この試料調製の全体にわたってこの温度で保持される。温度維持されたコンディショニング溶液の100(+/−10)mLは、直径150〜180mmのガラス容器内に充填される。試験片は、試験片を溶液の表面下に保つことによってコンディショニング溶液を含むガラス容器内に入れられ、ガラス容器は、40(+/−2)℃で30±2分間、人工気候チャンバ内に配置される。
【0378】
試験片は、次いで、清浄な金属ピンセットを使用して溶液から取り出され、吸い取り紙(試験片よりも大きい)上に配置される。吸い取り紙が部分的に湿ると、新しい吸い取り紙が使用される。これは、更なる湿りが吸い取り紙に移されなくなるまで繰り返される。試験片は、次いで、直径150〜180mmの乾燥清浄ガラス容器に移され、ガラス容器は、40(+/−2)℃で30(+/−2)分間、人工気候チャンバに配置される。試験片は、次いで、室温まで冷却される。矩形試験片は、1cm×2cmを測定して、接触角法に従って、コンディショニングされた試験片から切断される。上記の接触角試験方法に従って測定された、コンディショニング後の試験片の第1の表面ランド領域接触角は、第1の表面ランド領域コンディショニング後接触角として報告される。同様に、上記の接触角試験方法に従って測定された、コンディショニング後の試験片の第2の表面ランド領域接触角は、第2の表面ランド領域コンディショニング後接触角として報告される。
【0379】
流出試験方法:
流出量は、WSP80.9(05)の親水性不織布を試験するための基本的な方法、不織布流出量の標準試験方法に従って測定される。傾斜角度は、25°+/−1°に設定される。25±0.5gの総質量の試験液が使用される。
【0380】
トップシート試料が、吸収性物品の縦方向の中心線及び横方向の中心線の交点を中心として吸収性物品から取り出されるが、吸収性物品からトップシートを取り出す目的で、かみそり刃が、100mm×280mmの領域の外周の周囲で吸収性物品の下層からトップシートを切除するために使用される。試験片は、その縦方向及び横方向の伸張が維持されるように、慎重に取り出される。必要であれば、低温スプレー(Cyto−Freeze(Control Company,Houston TX)など)を使用して、トップシート試験片を下層から取り出すことができる。幅100mmのトップシート層は、2つの140mm幅の参照濾紙の層の上に中心に置かれる。
【0381】
吸収性物品の寸法が100mm×280mmの領域の切除を可能にするものではない場合、最大の可能な矩形トップシート領域が、上記の手順で吸収性物品から切除されることになる。複数の試験片は、複数の吸収性物品から取り出されることになり、2つの別個の試験片の間の各隣接する側部上の5mm幅の重なり合いによって互いに接続されることになる。両面テープ接着剤は、一緒にステッチされている2つの層の間の、5mm幅の重複領域内に配置されることになる。この手順は、WSP80.9手順における親水性不織布を試験するための基本的な方法に従って使用される100mm×280mmの領域を作成することを可能にすることになる。試験に関して、試験液を供給する管は、任意の重複領域間に、機械方向又は横断方向に配置されることになる。
【0382】
毛細管排出試験方法
毛細管排出試験方法が、300mmH
2Oの差圧で3つの試験片によって保持された流体(g/g)の平均量を決定するために使用される。この方法は、段階的に制御された差圧の使用、及び多孔質試験片の内外への関連する流体移動の測定を行う。差圧の300mmH
2Oでの第1の排出サイクル中に各試験片によって保持された流体(g/g)が測定され、3つの同様の試験片から得られた平均値がパラメータCDP300として報告される。
【0383】
方法の原理
均一な円筒形細孔について、細孔の半径は、方程式、差圧=(2γcosΘ)/rによる、細孔を満たす又は空にするために必要とされる差圧に関連し、
式中、γ=液体表面張力、Θ=接触角、r=細孔半径である。
【0384】
天然及び製造された多孔質材料に含有される細孔は、多くの場合、空隙、孔、又は導管などの用語で考えられ、これらの細孔は、一般的には完全に円筒形ではなく、均一でもない。それにもかかわらず、上記の方程式を使用して、差圧を有効細孔半径に関連させ、差圧の関数として材料の内外への液体移動を監視することによって、多孔質材料中の有効細孔半径分布を特徴付けることができる。(不均一な細孔が有効細孔半径の使用によって均一に近似されるため、この一般的な方法論は、顕微鏡などの他の方法によって得られる空隙寸法の測定と正確に一致する結果を生じさせない場合がある)。
【0385】
毛細管排出試験方法は、上記の原理を使用し、参照により本明細書に組み込まれる、「Liquid Porosimetry:New Methodology and Applications」 by B.Miller and I.Tyomkin published in The Journal of Colloid and Interface Science(1994),volume 162,pages 163−170に説明されている装置及び手法を使用して実施化される。この方法は、周囲(「lab」)気圧と試料試験チャンバ内の試験片を取り囲むわずかに上昇した気圧(正差圧)との間の空気圧差が変化する際の、多孔質材料を出入りする液体体積の増分を測定することに依存する。試験片は、試料チャンバの乾燥に導入され、試料チャンバは、流体ブリッジが開放された後に試験片への流体の取り込みを防止するために十分な正差圧(実験室に対して)で制御される。流体ブリッジを開放した後、空気圧差は、0まで段階的に減少させられ、このプロセスでは、細孔の部分集団が、それらの有効細孔半径に従って液体を捕捉する。試験片内の流体の質量が最大である最小差圧に到達した後、差圧が開始圧力に向かって再び段階的に増加させられ、液体が試験片から排出される。この後者の排出シーケンス中(最小差圧、又は最大の対応する有効細孔半径から、最大差圧、又は最小の対応する有効細孔半径まで)、この方法では、各差圧での試料による流体保持率(g/g)が決定される。空の状態の間にチャンバ上で測定された各特定の圧力段階についての任意の流体移動を補正した後、各圧力段階の試料による流体保持率(g/g)は、この特定の段階と関連付けられた保持された液体の平衡量(g)を、試料の乾燥重量(g)で除算することによって決定される。
【0386】
試料コンディショニング及び試験片調製
トップシート試験片が、吸収性物品の縦方向及び横方向の中心線の交点を中心として吸収性物品から取り出されるが、吸収性物品からトップシートを取り出す目的で、かみそり刃が、7±1cm×7±1cmの領域の外周の周囲で吸収性物品の下層からトップシートを切除するために使用される。(7±1cm×7±1cmの領域が縦方向及び横方向の中心線の交点から切除されること可能にするにはトップシートが不十分なサイズである場合、抽出され得るトップシートの最大の正方形が切除され、以後、トップシート試験片として使用される)。試験片は、その縦方向及び横方向の伸張が維持されるように、慎重に取り出される。トップシートが2つの層で作製される場合、第1の層が、第1の層の総重量に対して少なくとも15重量%の天然繊維を含み、分離され、毛細管排出試験方法の測定に使用される。必要であれば、低温スプレー(Cyto−Freeze(Control Company,Houston TX)など)を使用して、トップシート試験片を下層から取り出すことができる。直径50mmの円形試料は、吸収性物品から取り出されたトップシート試験片から得られる。
【0387】
毛細管排出試験方法は、23℃±2.0℃の温度かつ50%±5%の相対湿度の部屋内でコンディショニングされた試料に対して実施され、全ての試験は、同じ環境条件下かつそのような調湿室内で実施される。しわ、裂け目、穴などの欠陥を有する損傷した製品又は試料は、いずれも試験されない。本明細書に記載のとおり調整された試料は、本発明の目的上、乾燥試料であると見なされる。3つの試験片が、任意の所与の被試験材料について測定され、これら3つの複製の結果が平均されて最終的な報告値を得る。3つの複製試験片の各々は、直径50mmを有する。
【0388】
装置
本方法に好適な装置は、「Liquid Porosimetry:New Methodology and Applications」by B.Miller and I.Tyomkin published in The Journal of Colloid and Interface Science(1994),volume 162,pages 163−170に説明されている。更に、0mm H
2O〜1200mm H
2Oの差圧の試料チャンバ圧を制御することができる任意の圧力制御スキームが、この参照で説明される圧力制御サブシステムの代わりに使用されてもよい。好適な全体的な機器類及びソフトウェアの一例は、TRI/Autoporosimeter(Textile Research Institute(TRI)/Princeton Inc.of Princeton,N.J.,U.S.A.)である。TRI/オートポロシメータ(TRI/Autoporosimeter)は、多孔質材料の細孔容積分布(例えば、有効細孔半径1〜1000μmの範囲内の異なるサイズの細孔容積)を測定するための自動コンピュータ制御機器である。Automated Instrument Software Releases 2000.1若しくは2003.1/2005.1若しくは2006.2、又はData Treatment Software Release 2000.1(TRI Princeton Inc.から入手可能)などのコンピュータプログラム、及びスプレッドシートプログラムが、測定されたデータをキャプチャ及び解析するために使用され得る。
【0389】
方法手順
使用される湿潤液体は、脱気された0.9%のNaCl溶液である。液密度は、1.01g/cm
3であり、表面張力γは、72.3±1mN/mとされ、接触角cosΘ=0.37である。1.2μmの特徴的細孔径を有する90mm直径の混合セルロース−エステルフィルタ膜(例えば、Millipore Corporation of Bedford,MA,Catalogue #RAWP09025)が、試料チャンバの多孔質フリット(Mott Corp.,Farmington,CT製の直径90mm、厚さ6.4mmのMonelプレート又は等価物)に取り付けられる。
【0390】
当業者であれば、システムが気泡を含まないように、試験流体並びにフリット/膜/管系統の脱気が重要であることは既知である。
【0391】
414gの金属重量が、試料の頂部上に配置されて、測定中に2.068kPaの一定の拘束圧を及ぼす。
【0392】
試験中に実行される差圧のシーケンスは、mmH
2Oにおいて、800、400、380、360、340、320、300、280、265、250、235、220、205、190、175、160、145、130、115、100、90、80、70、60、55、50、45、40、35、30、25、20、15、10、5、0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、115、130、145、160、175、190、205、220、235、250、265、280、300、320、340、360、380、400、800である。
【0393】
1つの圧力段階から次の段階に移る基準は、試験片からの流体取り込み/排出が、15秒間、10mg/分未満であると測定されることである。
【0394】
別個の「ブランク」測定が、この方法手順に従って、膜/フリットアセンブリ上に試験片又は重量が存在しない空の試料チャンバ上で実施される。観察された任意の流体移動は、圧力段階の各々で記録される(g)。試験片の流体保持率データは、試験片の測定の対応する値からこの「ブランク」測定値の流体保持値を減算することによって、空の試料チャンバと関連付けられた任意の流体移動について補正される。
【0395】
毛細管排出パラメータの決定
上記のように、3つの試験片の各々に関して、300mmH
2Oの差圧でのその第1の排出サイクル中に各試験片によって保持された毛細管流体(g)が、空のチャンバの任意の影響について補正され、次いで、試験片の乾燥質量によって除算されて、g/gの単位の乾燥試料質量によって正規化された、排出された毛細管流体に達する。3つの試料から排出された、正規化された毛細管流体の3つの値の算術平均が、g/gのパラメータCDP300(30cm水柱での排出取り込み)として報告される。
【実施例】
【0396】
以下は、本発明及び比較例のトップシートの非限定的な実施例である。これらの実施例は、単に説明のために示すものであり、本発明を限定するものと解釈すべきでなく、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく多くの改変が可能であり、当業者にはこれらのことが理解されよう。
【0397】
試料の調製:
以下の実施例は全て、第2の層に適用された、疎水性ホットメルト接着剤を用いて接着された、第1の層及び第2の層の2つの層を含むトップシートである。第1の層は、三次元層であるが、第2の層は、平坦である。第1の層の孔は、第2の層の孔と位置合わせされる。各実施例のトップシートは、上記のプロセスに従って形成される(
図7〜
図11参照)。疎水性界面活性剤を使用するあらゆる実施例について、疎水性界面活性剤は、同じである。
【0398】
実施例1は、100%綿スパンレース不織布である第1の層と、SMS不織布(スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド)である第2の層と、を含むトップシートである。第1の層は、浸漬プロセスを介して疎水性界面活性剤で処理される。第2の層は、親水性である。第1の層の坪量は、30g/m
2である。第2の層の坪量は、8g/m
2である。第2の層に適用されるホットメルト接着剤の坪量は、1g/m
2である。
【0399】
実施例2は、100%綿スパンレース不織布である第1の層と、SMS不織布(スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド)である第2の層と、を含むトップシートである。第1の層は、浸漬プロセスを介して疎水性界面活性剤で処理される。第2の層は、親水性である。第1の層の坪量は、30g/m
2である。第2の層の坪量は、8g/m
2である。第2の層に適用されるホットメルト接着剤の坪量は、2.5g/m
2である。第2の層は、スプレーによって2.7g/m
2の親水性界面活性剤で処理され、次いで、第2の層は、乾燥される。それは、孔をより親水性にする。
【0400】
実施例3は、100%綿スパンレース不織布である第1の層と、6及び9デニールのPET繊維を有する樹脂結合カード不織布である第2の層と、を含むトップシートである。第1の層は、浸漬プロセスを介して疎水性界面活性剤で処理される。第2の層は、親水性である。第1の層の坪量は、30g/m
2である。第2の層の坪量は、33g/m
2である。第2の層に適用されるホットメルト接着剤の坪量は、2.5g/m
2である。第2の層は、スプレーによって5.4g/m
2の親水性界面活性剤で処理され、次いで、第2の層は、乾燥される。それは、孔をより親水性にする。
【0401】
実施例4は、100%綿スパンレース不織布である第1の層と、SMS不織布(スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド)である第2の層と、を含むトップシートである。第1の層の坪量は、30g/m
2である。第2の層の坪量は、8g/m
2である。第2の層に適用されるホットメルト接着剤の坪量は、1g/m
2である。第1の層は、親水性である。第2の層は、親水性である。
【0402】
実施例5は、100%綿スパンレース不織布である第1の層と、2デニールのPE/PET2成分繊維を有するカードエアスルー不織布である第2の層と、を含むトップシートである。第1の層は、浸漬プロセスを介して疎水性界面活性剤で処理される。第2の層は、親水性である。第1の層の坪量は、30g/m
2である。第2の層の坪量は、50g/m
2である。第2の層に適用されるホットメルト接着剤の坪量は、2g/m
2である。親水性界面活性剤は、ピンプロセスを介して孔に付着される。
【0403】
実施例6は、100%綿スパンレース不織布である第1の層と、CoPET繊維で作製されたカードエアスルー不織布である第2の層と、を含むトップシートである。第1の層は、浸漬プロセスを介して疎水性界面活性剤で処理される。第2の層は、親水性である。第1の層の坪量は、35g/m
2である。第2の層の坪量は、40g/m
2である。第2の層に適用されるホットメルト接着剤の坪量は、2g/m
2である。親水性界面活性剤は、ピンプロセスを介して孔に付着される。
【0404】
実施例1及び4は、比較例である。実施例2、3、5及び6は、本発明によるトップシートである。
【0405】
結果:
ランド領域上の第1の表面ランド領域接触角、孔上の孔接触角、流出量、CDP300、孔の幅、長さ、外周及び面積が、本明細書に開示される対応する試験方法に従って測定される。
【0406】
【表1】
*)この値について、上記試験方法から逸脱して、7液滴のみを測定した。
**)この値について、上記試験方法から逸脱して、5液滴のみを測定し、そのうち3つを孔の頂部、2つを底部で測定した。
***)この値について、上記試験方法から逸脱して、5液滴のみを測定した。
【0407】
孔の大部分の間の実施例1、2及び3のトップシートの第1の層の第1の表面のランド領域上の第1の表面ランド領域接触角は、接触角試験方法に従って70°超である。したがって、実施例1、2及び3の第1の層は、疎水性である。
【0408】
実施例1のトップシートの孔の大部分上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°超である。実施例1のトップシートの孔の大部分は、疎水性である。
【0409】
実施例2、3及び6のトップシートの孔の大部分上の孔接触角は、接触角試験方法に従って70°未満である。実施例2、3及び6のトップシートの孔の大部分は、親水性である。
【0410】
比較例1は、本発明の実施例3と比較して高流出量を示す。したがって、実施例1のトップシートが吸収性物品に使用されるとき、漏れのリスクが高い。
【0411】
本発明の実施例3のトップシートは、流出試験方法に従って40%未満の流出量を有する。したがって、本発明の実施例3のトップシートは、十分に乾燥し、体液をほとんど流出させずに吸収する。結果的に、トップシートが吸収性物品に使用されるとき、体液漏れのリスクが低減される。
【0412】
本発明の実施例3のトップシートは、体液のより良好な吸収を可能にする。本発明の実施例3のトップシートは、着用者の皮膚との液状排泄物の接触を低減させる。したがって、本発明の実施例3のトップシートは、着用者の皮膚と接触するときに十分に乾燥している。
【0413】
更に、本発明の実施例3及び実施例2のトップシートは、コンディショニング後接触角試験方法に従って50°超のトップシートの第1の層のランド領域上の第1の表面ランド領域コンディショニング後接触角を有する。それは、長い着用時間後に湿潤/再湿潤の問題のないトップシートを有することを可能にする。
【0414】
比較例4は、低流出量を有するが、毛細管排出試験方法に従って、30cm水柱における2g/g超の排出取り込みを有する。したがって、実施例4のトップシートは、吸収性物品に使用されるとき、吸収性物品の内側領域に向かうその厚さを通る体液の迅速な通過を可能にせず、結果的に湿ったトップシート及びより湿った肌触りをもたらす。
【0415】
本発明の実施例5のトップシートは、流出試験方法に従って40%未満の流出量と、毛細管排出試験方法に従って30cm水柱における2g/g未満の排出取り込みと、を有する。したがって、本発明の実施例5のトップシートは、十分に乾燥し、体液をほとんど流出させずに吸収する。
【0416】
本発明の実施例6のトップシートは、流出試験方法に従って40%未満の流出量と、毛細管排出試験方法に従って30cm水柱における2g/g未満の排出取り込みと、を有する。したがって、本発明の実施例6のトップシートは、十分に乾燥し、体液をほとんど流出させずに吸収する。
【0417】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0418】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0419】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。