特許第6961843号(P6961843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6961843発光ダイオードシステム用調整可能エンドキャップコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961843
(24)【登録日】2021年10月15日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】発光ダイオードシステム用調整可能エンドキャップコネクタ
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20211025BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20211025BHJP
【FI】
   F21V19/00 110
   F21Y115:10
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2020-567971(P2020-567971)
(86)(22)【出願日】2019年6月6日
(65)【公表番号】特表2021-521614(P2021-521614A)
(43)【公表日】2021年8月26日
(86)【国際出願番号】US2019035890
(87)【国際公開番号】WO2019236923
(87)【国際公開日】20191212
【審査請求日】2021年1月21日
(31)【優先権主張番号】62/681,666
(32)【優先日】2018年6月6日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512041034
【氏名又は名称】エーエムエス スペクトラル ユーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ハウザー
(72)【発明者】
【氏名】ノエル ニューマン
【審査官】 大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】 独国実用新案第202013001592(DE,U1)
【文献】 実開昭63−063907(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED照明システム用の調整可能エンドキャップであって、該LED照明システムが、縦長の本体であって、該縦長の本体の対向する長手方向端間に広がる長手方向軸を画定する該縦長の本体を備え、該調整可能エンドキャップが、
エンドキャップ本体;
該エンドキャップ本体に結合されたピボットベース;および
該ピボットベースに揺動可能に固定された第1の調整可能嵌合部であって、該LED照明システムの長手方向軸に垂直な軸を中心に揺動可能に構成された、クーラント嵌合部である該第1の調整可能嵌合部
を備える、
前記調整可能エンドキャップ。
【請求項2】
前記ピボットベースに揺動可能に固定された第2の調整可能嵌合部をさらに備え、
該第2の調整可能嵌合部が、前記LED照明システムの長手方向軸に対して垂直な軸を中心に揺動可能に構成され、
該第2の調整可能嵌合部が、前記第1の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能である、請求項1に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項3】
前記第2の調整可能嵌合部が、電気嵌合部である、請求項2に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項4】
前記第1の調整可能嵌合部がバンジョー型の嵌合部を備え、かつ前記第2の調整可能嵌合部は、その遠位端に配置され継手を含む中空導管を備え、ここで該中空導管がその近位端において前記ピボットベースに揺動可能に固定される、請求項2に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項5】
前記継手が、前記中空導管の長手方向軸を中心に前記中空導管に対して回転可能である、請求項4に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項6】
前記ピボットベースに揺動可能に固定された第3の調整可能嵌合部をさらに備え、
該第3の調整可能嵌合部が、前記LED照明システムの長手方向軸に対して垂直な軸を中心に揺動可能に構成され、
該第3の調整可能嵌合部が、前記第1の調整可能嵌合部および前記第2の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能である、請求項2に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項7】
前記第2の調整可能嵌合部が、前記第1の調整可能嵌合部と前記第3の調整可能嵌合部との間で前記ピボットベースに固定されている、請求項6に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項8】
前記第1の調整可能嵌合部が90度の揺動範囲を有する、請求項1に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項9】
前記第1の調整可能嵌合部が、揺動範囲内の任意の揺動位置に固定可能である、請求項1に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項10】
前記第1の調整可能嵌合部が、揺動範囲内の複数の所定の揺動位置にのみ固定可能である、請求項1に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項11】
前記LED照明システムが、前記LED照明システムを通るクーラント通路を画定し、前記エンドキャップ本体が、前記第1の調整可能嵌合部と連通し、かつ前記LED照明システムのクーラント通路と連通するように配置されたクーラント通路をその内部に画定している、請求項1に記載の調整可能エンドキャップ。
【請求項12】
LED照明システム用のクーラント嵌合部と電気嵌合部を調整する方法であって、
該クーラント嵌合部をピボットベースに揺動可能に結合すること;
該電気嵌合部を該ピボットベースに揺動可能に結合すること;
該ピボットベースをエンドキャップ本体に固定すること;
クーラント通路が、該クーラント嵌合部と該エンドキャップ本体の後面とを連通するように、該エンドキャップ本体を通る該クーラント通路を画定すること;および
該エンドキャップ本体の後面が、LED照明デバイスに面しかつ該エンドキャップ本体内で画定された該クーラント通路が該LED照明デバイスを通って画定されたクーラント通路と一致するように、該エンドキャップ本体を該LED照明デバイスに固定すること、を含む、前記方法。
【請求項13】
前記クーラント嵌合部を、前記LED照明デバイスの長手方向軸に垂直な軸で揺動させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記電気嵌合部を、前記LED照明デバイスの長手方向軸に垂直な軸で揺動させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記電気嵌合部は、その遠位端に配置され継手を含む中空導管を備え、ここで該中空導管がその近位端において前記ピボットベースに揺動可能に固定され
前記方法が、該中空導管の長手方向軸を中心に該継手を該中空導管に対して揺動させることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
LEDデバイスと該LEDデバイスに結合された調整可能エンドキャップを備えるLED照明システムであって、
該調整可能エンドキャップが、
エンドキャップ本体;
該エンドキャップ本体に結合されたピボットベース;および
該ピボットベースに揺動可能に固定された第1の調整可能嵌合部であって、該LEDデバイスの長手方向軸に垂直な軸を中心に揺動可能に構成された該第1の調整可能嵌合部、
を備え、
該エンドキャップ本体が、該第1の調整可能嵌合部と連通し、かつ該LEDデバイスを通って延びるクーラント通路と連通するように配置されたクーラント通路をその内部に画定している、前記LED照明システム。
【請求項17】
前記ピボットベースに揺動可能に固定された第2の調整可能嵌合部をさらに備え、
該第2の調整可能嵌合部が、前記LEDデバイスの長手方向軸に対して垂直な軸を中心に揺動可能に構成され、
該第2の調整可能嵌合部が、前記第1の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能である、請求項16のLED照明システム。
【請求項18】
前記第1の調整可能嵌合部がバンジョー型の嵌合部を備え、かつ前記第2の調整可能嵌合部が、その遠位端に配置され継手を含む中空導管を備え、ここで該中空導管がその近位端において前記ピボットベースに揺動可能に固定される、請求項17に記載のLED照明システム。
【請求項19】
前記継手が、前記中空導管の長手方向軸を中心に前記中空導管に対して回転可能である、請求項18に記載のLED照明システム。
【請求項20】
前記第1の調整可能嵌合部が、複数の所定の揺動位置にのみ固定可能である、請求項16に記載のLED照明システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(優先権)
本出願は、2018年6月6日に出願された仮出願第62/681,666号明細書に対して35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張するものであり、引用により本明細書中に完全に組み込まれている。
【0002】
(技術分野)
本発明は、一般に、高強度発光ダイオードデバイスに関するものであり、より詳細には、調整可能コネクタを有するコネクタエンドキャップに関するものである。
【0003】
(背景技術)
高強度発光ダイオード(LED)システムは、硬化作用をもたらすために必要な波長の放射線、例えば紫外線を放射するために、硬化システムでしばしば使用される。米国特許第8,641,236号明細書は、そのようなLEDシステムの1つを開示しており、米国特許公開第2017/0102138A1号明細書は、別のそのようなシステムを開示している。米国特許第8,641,236号明細書および米国特許公開第2017/0102138A1号明細書の開示の全体は、本出願の一部として引用により本明細書中に完全に組み込まれている。
【0004】
このようなLEDシステムでは、電源やクーラント供給装置に接続する必要がある。LEDデバイスの一端には、クーラント供給デバイスとデバイスに入力される電力を結合するための外部嵌合部を備えたコネクタエンドキャップが設けられている。
【0005】
これらの高輝度LEDシステムは、様々な機械やアセンブリで使用されている。このように、従来のLEDシステムでは、LEDデバイスを電源とクーラントの両方に適切に接続するために、カスタマイズされた嵌合部を必要としている。このようなカスタマイズは、専用嵌合部の設計とアセンブリのためにコスト増となる。したがって、高輝度LEDシステムのエンドキャップには、適応性のある嵌合部を提供することが求められている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の概要)
本開示は、電源およびクーラントの両方のための調整可能嵌合部を有する、高輝度LED照明システムのための調整可能エンドキャップを含む。調整可能エンドキャップは、エンドキャップ本体と、エンドキャップ本体に結合されたピボットベースと、ピボットベースに揺動可能に固定された1つ以上の調整可能嵌合部とを含む。クーラントと電気の両方の嵌合部を設けることができる。エンドキャップ本体は、LEDデバイスのクーラントおよび電気的通路と連通する通路をその内部に画定する。クーラント嵌合部と電気嵌合部は、LEDデバイスの長手方向軸に対して横方向に揺動可能である。1つの実施例では、各嵌合部のために90度の揺動範囲を設けることができる。
【0007】
本開示はまた、LED照明システムのための調整可能エンドキャップを含む。調整可能エンドキャップは、エンドキャップ本体と、エンドキャップ本体に結合されたピボットベースと、ピボットベースに揺動可能に固定された第1の調整可能嵌合部とを備えることができる。第1の調整可能嵌合部は、LEDデバイスの長手方向軸に垂直な軸を中心に揺動可能に構成され得る。
【0008】
第2の調整可能嵌合部は、ピボットベースに揺動可能に固定され得る。第2の調整可能嵌合部は、LEDデバイスの長手方向軸に垂直な軸を中心に揺動可能に構成され得る。第2の調整可能嵌合部は、第1の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能であってもよい。
【0009】
第1の調整可能嵌合部は、クーラント嵌合部であってもよく、第2の調整可能嵌合部は、電気嵌合部であってもよい。第1の調整可能嵌合部は、バンジョー型の嵌合部を含むことができる。第2の調整可能嵌合部は、その遠位端に配置された継手を含む中空導管を含むことができる。継手は、中空導管の長手方向軸を中心に中空導管に対して回転可能であってもよい。
【0010】
第3の調整可能嵌合部は、ピボットベースに揺動可能に固定され得る。第3の調整可能嵌合部は、LEDデバイスの長手方向軸に垂直な軸を中心に揺動可能に構成され得る。第3の調整可能嵌合部は、第1の調整可能嵌合部及び第2の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能であってもよい。第3の調整可能嵌合部は、クーラント嵌合部であってもよく、電気嵌合部であってもよい。
【0011】
第2の調整可能嵌合部は、第1の調整可能嵌合部と第3の調整可能嵌合部との間でピボットベースに固定されている。
【0012】
調整可能嵌合部は、90度、90度未満、または90度以上の揺動範囲を有することができる。調整可能嵌合部は、揺動範囲内の任意の揺動位置に固定することができる。調整可能嵌合部は、代替的に、揺動範囲内の複数の所定の揺動位置にのみ固定することができる。固定タイプには、1つの嵌合部から様々なものがある。
【0013】
LEDデバイスは、LEDデバイスを通るクーラント通路を画定することができる。エンドキャップ本体は、第1の嵌合部と連通し、LEDデバイスのクーラント通路と連通するように配置されたクーラント通路をその内部に画定することができる。
【0014】
本開示はさらに、LED照明システムのためのクーラント嵌合部および電気嵌合部を調整する方法を含む。方法は、クーラント嵌合部をピボットベースに揺動可能に結合すること、電気嵌合部をピボットベースに揺動可能に結合すること、ピボットベースをエンドキャップ本体に固定すること、クーラント通路がクーラント嵌合部に連通し、エンドキャップ本体の後面に連通するようにエンドキャップ本体にクーラント通路を画定すること、エンドキャップ本体の後面がLED照明デバイスに面し、エンドキャップ本体に画定されたクーラント通路がLED照明デバイスを通って画定されたクーラント通路と整列するようにエンドキャップ本体をLED照明デバイスに固定すること、を含むことができる。
【0015】
クーラント嵌合部及び電気嵌合部は、LED照明デバイスの長手方向軸に垂直な軸で、それぞれ独立して揺動可能であってもよい。
【0016】
電気導管は、その遠位端に配置された継手を含む中空導管を含むことができる。方法は、さらに、中空導管の長手方向軸を中心に中空導管に対して継手を揺動すること、を含むことができる。
【0017】
本開示は、さらに、LED照明システムを含む。LED照明システムは、LED照明デバイスと、LED照明デバイスに結合された調整可能エンドキャップと、を備えることができる。調整可能エンドキャップは、本願に開示された構成または特徴のいずれかを備えることができる。
【0018】
本発明のために実施される詳細な技術および好ましい実施形態が、当業者が請求された発明の特徴をよく理解できるように、添付図面と共に以下の段落に記載されている。本明細書に記載された特徴および以下に解説される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、特定の組み合わせだけでなく、他の組み合わせまたは分離して使用できることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
(図面の簡単な説明)
図1】実施形態に係るLEDデバイス用の調整可能エンドキャップの斜視図である。
図2】実施形態に係るLEDデバイス用の調整可能エンドキャップの別の斜視図である。
図3】実施形態に係るLEDデバイス用の調整可能エンドキャップの後方断面図である。
図4】実施形態に係るLEDデバイス用の調整可能エンドキャップの分解斜視図である。
図5】実施形態に係るLEDデバイス用の調整可能エンドキャップの別の分解斜視図である。
図6】実施形態に係るLEDデバイス用の調整可能エンドキャップの側面図である。
図7】実施形態に係るLEDデバイス用の調整可能エンドキャップの別の側面図である。
【0020】
本発明は、様々な変更および代替的な形態を適用可能であるが、その具体的な態様は、図面に例示の方法で示され、詳細に説明されるであろう。しかしながら、その意図は、本発明を記載された特定の例示的な実施形態に限定されるものではないことが理解されるべきである。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の思想および範囲内にあるすべての改変、等価物、および代替物をカバーするものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(詳細な説明)
以下の説明では、本発明をその例示的な実施形態を参照して説明する。しかしながら、これらの実施形態は、本発明を、これらの実施形態に記載された任意の特定の例、実施形態、環境、アプリケーション、または特定の実施形態に限定することを意図するものではない。したがって、これらの実施形態の説明は、本発明を限定するものではなく、例示の目的に過ぎない。
【0022】
図1〜7に示すように、高輝度LED照明システムのための調整可能エンドキャップ100は、一般に、エンドキャップ本体102と、ピボットベース104と、調整可能嵌合部106、108、110と、を備える。
【0023】
エンドキャップ本体102は、図4〜5に示されるように、エンドキャップ本体102を形成するために一緒に組み立てられる複数の個別部品から形成することができる。また、エンドキャップ本体102は、単一の部品を指すこともある。
【0024】
エンドキャップ本体102は、図2〜3に示されるように、エンドキャップ100の裏面(LEDデバイスに隣接する側)と連通する通路116をその内部に画定し、嵌合部がLEDデバイス内の対応する通路に接続することを可能にする。通路116は、LEDデバイスとの間で水または他の種類のクーラントが通過するためのクーラント導管であってもよい。また、電気コネクタ開口部118が、電気配線または導管の通過を可能にするために、そこに画定されている。
【0025】
エンドキャップ本体102の上には、ピボットベース104が配置されている。ピボットベース104には嵌合部106、108、110が取り付けられている。より詳細には、ピボットベース104は、左右対称のハーフ104Aと104B(図4〜5に示されている)に分割されている。クーラント嵌合部106、108の1つが、ピボットベースの各ハーフ104A、104Bに取り付けられており、一方、電気嵌合部110は、ピボットベースの各ハーフの間で横方向に固定されている。
【0026】
電気嵌合部110は、クーラント嵌合部106、108間の中央に置かれている。ただし、嵌合部106、108、110は他の順序で再配置されていてもよい。さらに、エンドキャップ100は、様々な追加の実施形態において、単一の嵌合部、2つの嵌合部、または図示された3つの嵌合部よりも多くの嵌合部のために構成され得る。
【0027】
使用しない嵌合部にはプラグを取り付けることができる。
【0028】
各嵌合部106、108、110の揺動軸は、LEDデバイスの長手方向軸に対して垂直である。図に示す揺動範囲は約90度である。しかしながら、揺動軸は、様々な実施形態において、嵌合部とピボットベースとの間に設けられるクリアランスに応じて、より大きく(例えば120度)または90度より小さく(例えば60度)することができる。嵌合部106、108、110は、それぞれの移動範囲に沿った任意の位置に設定することができるか、あるいは、限定された数の画定された固定位置間を移動することができる。これらの離散的に画定された位置を定めるために、ディテントまたはストップをピボットベース104に設けることができる。各嵌合部は、ピボットベース104に対して、または嵌合部が揺動するシャフトに対して締められたロックスクリューのようなロック機構を介して、それぞれの揺動範囲内の所望の位置にロックまたは固定することができる。
【0029】
図示されているクーラント嵌合部106、108は、雌型のバンジョー型嵌合部である。もちろん、雄型のバンジョー嵌合部または他の適切なタイプの嵌合部を設けることができる。他のタイプの嵌合部にバンジョー嵌合部用のアダプタを設けることもできる。
【0030】
電気嵌合部110は、その遠位端に配置された継手114を有する中空導管112を備えている。導管112の近位端は、ピボットベース104に揺動可能に結合されている。継手114を形成する遠位端は、図示のように雌フードとして構成することができる。しかしながら、任意の他のタイプの適切な電気的継手またはアダプタを設けることができる。電気嵌合部110は、上述したクーラント嵌合部106、108と同様に揺動可能である。さらに、継手114は、導管112の長手方向軸を中心に導管112に対して回転することができるか、あるいは、導管は、導管の長手方向軸に沿ってピボットベースに対して回転することができる。
【0031】
電気継手114は、導管112を介さずにピボットベース104に揺動可能に直接結合することもできる。
【0032】
使用時には、調整可能コネクティングエンドプレート100は、米国特許第8,641,236号または米国特許公開第2017/0102138A1号に開示されているようなLEDデバイスの長手方向端部に配置されている。また、LEDデバイスの対向端は、開示されたコネクティングエンドプレート100を受けることができるか、あるいは、クロスオーバーエンドプレートを設けることができる。クーラント嵌合部106、108および/または電気嵌合部110は、特定の設置位置に適合するように揺動可能である。例えば、クーラント供給ラインは、LEDデバイスの長手方向軸に対して垂直にアプローチするように配置されてもよい。このように、クーラント嵌合部106、108は、それに応じて収容するように揺動可能である。電気供給ラインも同様に収容することができる。導管112の長さは、必要に応じて変更したり、導管112に延長部を追加したりすることができる。
【0033】
図6および7は、エンドキャップ本体102に対して様々な方向から見たクーラント嵌合部106、108および電気嵌合部110を示している。例えば、図6では、電気嵌合部110が水平面に方向づけられているのに対し、図7では、電気嵌合部110が90度移動して垂直面に方向づけられている。一方、エンドキャップ本体102に対するクーラント嵌合部106、108の位置は移動していない。各嵌合部106、108、110は互いに独立して移動するので、それぞれの接続部に対して最適に配置することができる。
【0034】
したがって、本発明によれば、多くの状況において、高出力LEDシステムのための専用接続や嵌合部の必要性を排除または低減することができることが理解されよう。
【0035】
本発明は、その思想または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化することができ、それ故、本実施形態は、すべての点で例示的であり、制限的ではないと考えられることが望まれる。当業者は、本明細書に記載された特定の実施形態に対する他の等価物を認識することができるが、該等価物は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
LED照明システム用の調整可能エンドキャップであって、
エンドキャップ本体;
該エンドキャップ本体に結合されたピボットベース;および
該ピボットベースに揺動可能に固定された第1の調整可能嵌合部であって、該LEDデバイスの長手方向軸に垂直な軸を中心に揺動可能に構成された該第1の調整可能嵌合部
を備える、前記調整可能エンドキャップ。
(態様2)
前記ピボットベースに揺動可能に固定された第2の調整可能嵌合部をさらに備え、
該第2の調整可能嵌合部は、前記LEDデバイスの長手方向軸に対して垂直な軸を中心に揺動可能に構成され、
該第2の調整可能嵌合部は、前記第1の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能である、態様1に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様3)
前記第1の調整可能嵌合部は、クーラント嵌合部であり、前記第2の調整可能嵌合部は、電気嵌合部である、態様2に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様4)
前記第1の調整可能嵌合部がバンジョー型の嵌合部を備え、前記第2の調整可能嵌合部がその遠位端に配置された継手を含む中空導管を備える、態様2に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様5)
前記継手が、前記中空導管の長手方向軸を中心に前記中空導管に対して回転可能である、態様4に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様6)
前記ピボットベースに揺動可能に固定された第3の調整可能嵌合部をさらに備え、
該第3の調整可能嵌合部は、前記LEDデバイスの長手方向軸に対して垂直な軸を中心に揺動可能に構成され、
該第3の調整可能嵌合部は、前記第1の調整可能嵌合部および前記第2の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能である、態様2に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様7)
前記第2の調整可能嵌合部は、前記第1の調整可能嵌合部と前記第3の調整可能嵌合部との間で前記ピボットベースに固定されている、態様6に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様8)
前記第1の調整可能嵌合部が90度の揺動範囲を有する、態様1に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様9)
前記第1の調整可能嵌合部が、揺動範囲内の任意の揺動位置に固定可能である、態様1に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様10)
前記第1の調整可能嵌合部は、揺動範囲内の複数の所定の揺動位置にのみ固定可能である、態様1に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様11)
前記LEDデバイスが、前記LEDデバイスを通るクーラント通路を画定し、前記エンドキャップ本体が、前記第1の嵌合部と連通するように配置され、前記LEDデバイスのクーラント通路と連通するように配置されたクーラント通路をその内部に画定している、態様1に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様12)
LED照明システム用のクーラント嵌合部と電気嵌合部を調整する方法であって、
該クーラント嵌合部をピボットベースに揺動可能に結合すること;
該電気嵌合部を該ピボットベースに揺動可能に結合すること;
該ピボットベースをエンドキャップ本体に固定すること;
クーラント通路が、該クーラント嵌合部と該エンドキャップ本体の後面とを連通するように、該エンドキャップ本体に該クーラント通路を画定すること;および
該エンドキャップ本体の後面が、LED照明デバイスに面し、該エンドキャップ本体に画定された該クーラント通路が該LED照明デバイスを通って画定されたクーラント通路と一致するように、該エンドキャップ本体を該LED照明デバイスに固定すること、
を含む、前記方法。
(態様13)
前記クーラント嵌合部を、前記LED照明デバイスの長手方向軸に垂直な軸で揺動させること、をさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様14)
前記電気嵌合部を、前記LED照明デバイスの長手方向軸に垂直な軸で揺動させること、をさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様15)
前記電気導管が、その遠位端に配置された継手を含む中空導管を備え、
前記方法が、該中空導管の長手方向軸を中心に該継手を該中空導管に対して揺動させること、をさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様16)
LEDデバイスと該LEDデバイスに結合された調整可能エンドキャップを備えるLED照明システムであって、
該調整可能エンドキャップが、
エンドキャップ本体;
該エンドキャップ本体に結合されたピボットベース;および
該ピボットベースに揺動可能に固定された第1の調整可能嵌合部であって、該LEDデバイスの長手方向軸に垂直な軸を中心に揺動可能に構成された該第1の調整可能嵌合部、
を備え、
該エンドキャップ本体は、該第1の嵌合部と連通し、該LEDデバイスを通って延びるクーラント通路と連通するように配置されたクーラント通路をその内部に画定している、前記LED照明システム。
(態様17)
前記ピボットベースに揺動可能に固定された第2の調整可能嵌合部をさらに備え、
該第2の調整可能嵌合部は、前記LEDデバイスの長手方向軸に対して垂直な軸を中心に揺動可能に構成され、
該第2の調整可能嵌合部は、前記第1の調整可能嵌合部とは独立して揺動可能である、態様16の調整可能エンドキャップ。
(態様18)
前記第1の調整可能嵌合部がバンジョー型の嵌合部を備え、前記第2の調整可能嵌合部がその遠位端に配置された継手を含む中空導管を備える、態様17に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様19)
前記継手が、前記中空導管の長手方向軸を中心に前記中空導管に対して回転可能である、態様18に記載の調整可能エンドキャップ。
(態様20)
前記第1の調整可能嵌合部は、複数の所定の揺動位置にのみ固定可能である、態様16に記載の調整可能エンドキャップ。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7