(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1は、この発明の第1の実施の形態による換気システムの構成を示す概略図である。
【0053】
図1を参照して、換気システム10は、建物2内に入居している複数の飲食店3〜5の厨房13〜15に適用されるものである。厨房13〜15の各々には、ガス調理機器21a〜21cが設置されており、ガス調理機器21a〜21cの各々の上方にはガス調理機器21a〜21cのガス消費量に対応したサイズの排気フード22a〜22cが設置されている。又、厨房13〜15の各々は、ガス調理機器21a〜21cの各々と排気フード22a〜22c毎に設定される複数の換気領域A〜Cを有しており、換気領域A〜Cはそれぞれ後述する必要な換気量を要求するものである。
【0054】
排気フード22a〜22cの各々は、主ダクト25から分岐した枝ダクト26a〜26cの各々に接続されており、主ダクト25にはガス調理機器21a〜21cの使用によって発生する水蒸気や油煙等を換気領域A〜Cの各々から建物2の外部に排出する排気手段として単一の排気ファン23が接続されている。又、厨房13〜15には、図示しない厨房13〜15の外部に設置された外気取得口と連通しており外部の新鮮空気を換気領域A〜Cの各々に給気する給気手段として吹き出し口24a〜24cが設けられている。この実施の形態では、給気ファンのような機械給気ではなく、自然給気されるものとする。
【0055】
更に、ガス調理機器21a〜21cの各々にガスを供給するガス供給管29a〜29cには、情報取得手段として、ガス供給管29a〜29cを流れるガス流量を取得することが可能な外付けの超音波式によるガス流量センサ31a〜31cが取り付けられている。尚、情報取得手段としては、外付けのものに限らずガス供給管に直接埋め込むタイプのもの等を含む既存の様々なガス流量センサを適用することができる。しかしながら、外付けのものを使用することで、ガス供給管へガス流量センサを取り付ける際の大掛かりな工事等が不要となり、コスト的に有利になる。
【0056】
ガス流量センサ31a〜31cの各々は一点鎖線で示すように制御装置32に有線接続されており、取得した情報であるガス流量を制御装置32に送信可能となっている。又、制御装置32は排気ファン23に接続されており、排気ファン23のファンの回転数(稼働量)を制御するものである。より具体的には、制御装置32は、インバータ装置33及びPLC(Programmable Logic Controller)34を含むものであり、ガス流量センサ31a〜31cで取得したガス流量を信号に変えて制御装置32に送信すると、その信号を受信した制御装置32のPLC34が必要な換気量を算出し、インバータ装置33の出力を制御して排気ファン23の稼働量を変化させるものである。
【0057】
次に、換気システム10の具体的な作動の一連の流れについて説明する。
【0058】
図2は、
図1で示した換気システムの作動の流れを示すフロー図である。
【0059】
図1に加えて
図2を参照して、ガス調理機器21a〜21cの各々の使用を開始するとガス供給管29a〜29cを通じてガスが供給される。その際、ガス調理機器21a〜21cの各々に供給されるガス流速をガス流量センサ31a〜31cによって検出する(S101)。
【0060】
次に、ガス流量センサ31a〜31cは検出したガス流速からガス流量を算出して取得する(S102)。ガス流量は、例えばガス流速とガス供給管29a〜29cの断面積との積で求めることができる。
【0061】
次に、ガス流量センサ31a〜31cの各々は、取得したガス流量を制御装置32のPLC34へ例えば4ミリアンペアから20ミリアンペアの範囲でガス流量に比例するように予め設定された電流を信号として流すことで送信する(S103)。
【0062】
PLC34は、ガス流量センサ31a〜31cから送信された信号を受けとると、予め設定されたプログラムに従って、換気領域A〜Cの各々に対応した必要な換気量をそれぞれ算出する(S104)。換気領域A〜Cにおける実際に必要な換気量を算出する方法は特に限定しないが、例えば、理論廃ガス量に基づいて求める方法を利用する以下の式(1)に従って求めてもよい。
【0063】
V
1=N×K×Q・・・(1)
式(1)では、V
1は必要な換気量を、Nは排気フードの形状に応じて定められている定数を、Kは燃料の種類に応じた理論廃ガス量を、Qは燃料消費量を、それぞれ表している。
【0064】
次に、PLC34は、算出した換気領域A〜Cの必要な換気量の内最大のものを選択し、その換気量を満たすことのできる排気ファン23の回転数(稼働量)を決定する(S105)。ここでは必要な換気量が大きい程、排気ファン23の稼働量も大きくなるように設定されている。更に、PLC34は電流量に応じた排気ファン23の稼働量を達成できるだけのインバータ装置33からの出力周波数(4ミリアンペアで最小30Hz〜20ミリアンペアで最大60Hz)と電圧とを決定して、排気ファン23に信号として送信する(S106)。それによって、排気ファン23の稼働量が変化する(S107)。
【0065】
このS101〜S107のサイクルを一定の間隔で繰り返すことで、ガス調理機器21a〜21cの使用状況の変化に合わせた適切な厨房13〜15の局所排気が可能となる。
【0066】
表1−1及び表1−2は、上記で説明した換気システム10のガス調理機器21a〜21cに流れるガス流量と排気ファン23の稼働量との関係を表すものである。
【0068】
【表1-2】
表1−1及び表1−2について、本来ガス調理機器21a〜21cの火力は、火力調整用のつまみ等を回すことで定められた範囲内で無段階に変化し、ガス流量も火力の大きさにほぼ比例して変化するものであるが、ここでは説明を容易にするために、ガス調理機器21a〜21cの火力の大きさを、不使用、小、中、大の4段階に分けて説明する。又、ガス流量に基づいて算出した換気領域A〜C毎の必要な換気量を0〜3の数字で表している。更に、換気領域A〜Cの間で算出した必要な換気量の内最大のものを表では二重枠で囲んで示している。更に、二重枠で示した必要な換気量に対応した排気ファン23の稼働量を0〜3の数字で表している。この0〜3の数字はあくまで換気量や稼働量を4段階で表すものであり、実際の換気量や稼働量を表すものではない。尚、排気ファンは、稼働量0で運転を停止し、稼働量3で稼働量が最大である状態を意味する。加えて、説明のために、ガス調理機器21a〜21cの仕様や排気フード22a〜22cの形状等を含むガス流量を除く条件は全て同一のものとする。
【0069】
図1及び表1−1を参照して、例えば♯1で示すように換気領域A〜Cのガス調理機器21a〜21cが全て不使用の状態では、ガスは流れないこととなる。それにより必要な換気量は0となり、それに対応して排気ファン23の稼働量が0(停止)となるような制御となる。
【0070】
又、表1−2を併せて参照して、♯2で示すように換気領域Aのガス調理機器21aを火力大(ガス流量大)で使用しており、換気領域Bのガス調理機器21bを火力中(ガス流量中)、換気領域Cのガス調理機器21cが不使用(ガス流量無し)の場合、それぞれの必要な換気量は換気領域Aは3、換気領域Bは2、及び換気領域Cは0となる。その中では換気領域Aの必要な換気量が最大であると選択され、それに合わせて排気ファン23の稼働量も3となるような制御となる。又、この状態での稼働量は、ガス調理機器21a〜21cを全て火力大で使用した場合(♯3参照)と同じ稼働量となる。これによってガス調理機器21a〜21c間のガス流量に差があっても換気領域A〜Cのいずれにおいても排気量が不足することがないため、厨房13〜15内の適切な換気が可能となる。
【0071】
尚、吹き出し口24a〜24cの各々からは常に外部から新鮮空気が供給されるようになっており、排気フード22a〜22cから排気された分の空気を補っている。
【0072】
このようにすることで、排気ファン23の稼働量が換気領域A〜C毎のガス流量に基づいて細やかに制御され、換気領域A〜C毎の最大の換気量に基づいて適切な換気が制御されるため、効率的な換気が可能な換気システム10となる。
【0073】
図3は、この発明の第2の実施の形態による換気システムの作動の流れを示すフロー図である。
【0074】
尚、この実施の形態による換気システム40を構成する排気ファン23等の機器の構成は、基本的には第1の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0075】
図1及び
図3を参照して、換気システム40のガス流速の検知(S201)から換気領域A〜C毎の必要な換気量を算出する(S204)までの流れは第1の実施の形態による換気システム10のS101〜S104と同様である。
【0076】
次に、換気システム40のPLC34は、S204で算出した各換気領域A〜Cにおける必要な換気量を合計する。合計の換気量が予め定めた所定の量に達していなければ、合計した換気量に応じた換気ができるように排気ファン23の稼働量を決定する。又、合計の換気量が所定の量に達していれば、排気ファン23の稼働量を最大とするものである(S205)。
【0077】
更に、第1の実施の形態のS106〜S107と同様に、PLC34は電流量に応じた排気ファン23に対する出力周波数と電圧とを決定し、排気ファン23へ信号を送信して(S206)、排気ファン23の稼働量を制御する(S207)。
【0078】
この第2の実施の形態でも、S201〜S207のサイクルを一定の間隔で繰り返すことで、ガス調理機器21a〜21cの使用状況の変化に合わせた適切な厨房13〜15の局所排気が可能となる。
【0079】
表2−1及び表2−2は、上記で説明した換気システム40のガス調理機器21a〜21cに流れるガス流量と排気ファン23の稼働量との関係を説明するものである。
【0081】
【表2-2】
尚、それぞれの数字等の関係や前提条件は第1の実施の形態で述べたものと同一であるので、ここでの説明は省略する。この表2―1及び表2−2においては必要な換気量の合計に対する所定の量を“3”とする。
【0082】
図1及び表2―1を参照して、例えば、♯4で示すように換気領域Aのガス調理機器21a及び換気領域Bのガス調理機器21bの各々が火力小(ガス流量小)で使用され、換気領域Cのガス調理機器21cが不使用(ガス流量なし)の場合、それぞれの必要な換気量は換気領域A及び換気領域Bは1、換気領域Cは0となる。これらの必要な換気量を合計すると2となり、所定の量“3”に達していないため、この必要な換気量の合計に対応して排気ファン23の稼働量が2となるような制御となる。
【0083】
又、表2−2を併せて参照して、♯5で示すように換気領域Aのガス調理機器21aを火力大(ガス流量大)で使用し、換気領域Bのガス調理機器21bを火力中(ガス流量中)で使用し、換気領域Cのガス調理機器21cを火力小(ガス流量小)で使用した場合、必要な換気量は換気領域Aでは3、換気領域Bでは2、及び換気領域Cでは1となる。これらの必要な換気量を合計すると6となる。これは所定の量“3”を超えているため、排気ファン23の稼働量が最大(稼働量3)となるような制御となる。
【0084】
尚、この実施の形態では換気領域A〜Cの必要な換気量を合計すると各換気領域A〜Cの必要な換気量を超える数字が算出される場合があり、表2−1及び表2−2で示すものについては最大で9(♯6で示す換気領域A〜Cのガス調理器21a〜21cが火力大(ガス流量大)で使用される場合)となる。しかしながら、その際も排気ファン23の稼働量を0〜9の10段階に変更するのではなく、4段階のまま対応するものとする。
【0085】
このようにすることで、排気ファン23の稼働量が換気領域A〜C毎のガス流量に基づいて細やかに制御され、換気領域A〜C毎の換気量の合計に基づいて適切な換気が制御されるため、効率的な換気が可能な換気システム40となる。
【0086】
尚、換気システム40では、換気領域A〜C毎の必要な換気量の合計に基づいて排気ファン23の稼働量を決定するため、ガス供給管29a〜29cに応じて個別に設置していたガス流量センサ31a〜31cに代えて、分岐前の親ガス供給管28に1つ設けるような構成としてもよい。すると、ガス流量センサの設置個数を抑えることができ、コスト的に有利になる。
【0087】
図4は、この発明の第3の実施の形態による換気システムの構成を示す概略図である。
【0088】
図4を参照して、換気システム50は、建物52内に入居している複数の飲食店53、54の厨房63、64の全般的な換気を行うために用いられるものである。
【0089】
厨房63、64の各々の天井には、建物52の外部から取り入れた新鮮空気を給気するための吹き出し口となる給気口81a、81bと、厨房63、64の内部の人の呼吸や作業によって発生した二酸化炭素や臭気等を含む汚れた空気を建物52の外部に排気するための吸い出し口となる排気口82a、82bとが設置されている。厨房63、64には、給気口81a、81b及び排気口82a、82b毎に設定される複数の換気領域D、Eが含まれており、換気領域D、Eはそれぞれ後述する必要な換気量を要求するものである。
【0090】
又、給気口81a、81bの各々は、給気用主ダクト86から分岐した給気用枝ダクト87a、87bの各々に接続されており、給気用主ダクト86には建物52の外部の新鮮空気を厨房63、64の換気領域D、Eに給気するための給気手段として単一の給気ファン83が接続されている。又、排気口82a、82bの各々は、排気用主ダクト88から分岐した排気用枝ダクト89a、89bの各々に接続されており、厨房63、64内の汚れた空気を換気領域D、Eの各々から建物52の外部に排出する排気手段として単一の排気ファン84が接続されている。
【0091】
更に、厨房63、64の天井の各々には、情報取得手段として、厨房63、64内の滞留人数を取得する人の滞留状況検知装置である滞留人数計測器91a、91bが取り付けられている。尚、滞留人数計測器91a、91bの種類は特に限定しないが、例えば赤外線式の人感センサと組み合わせて作動するカウンター装置で滞留人数を計測するものや、カメラによる画像処理で人の空間内の出入りを検知して滞留人数を計測するもの等既存の様々な仕様のものを適用できる。
【0092】
滞留人数計測器91a、91bの各々は一点鎖線で示すように制御装置92、95の各々に有線接続されており、取得した情報である滞留人数を制御装置92、95の各々に送信可能となっている。制御装置92は給気ファン83に接続されており、給気ファン83のファンの回転数(稼働量)を制御するものである。又、制御装置95は排気ファン84に接続されており、排気ファン84のファンの回転数(稼働量)を制御するものである。
【0093】
より具体的には、給気ファン83側の制御装置92はインバータ装置93及びPLC94を含み、排気ファン84側の制御装置95はインバータ装置96及びPLC97を含むものである。滞留人数計測器91a、91bが取得した滞留人数を信号に変えて制御装置92、95の各々に送信すると、その信号を受信した制御装置92、95のPLC94、97が必要な換気量を算出し、インバータ装置93、96の各々の出力を制御して給気ファン83及び排気ファン84の稼働量を変化させる。
【0094】
次に、換気システム50の具体的な作動の一連の流れについて説明する。
【0095】
図5は、
図4で示した換気システムの作動の流れを示すフロー図である。
【0096】
図4に加えて
図5を参照して、まず滞留人数計測器91a、91bが厨房63、64への人の出入りを検知し、厨房63、64内の滞留人数を情報として取得する(S301)。
【0097】
次に、滞留人数計測器91a、91bは、取得した滞留人数を制御装置92、95のPLC94、97へ送信する(S302)。
【0098】
PLC94、97は、滞留人数計測器91a、91bから送信された信号を受けとると、予め設定されたプログラムに従って、換気領域D、Eの各々に対応した必要な換気量をそれぞれ算出する(S303)。換気領域D、Eにおける実際に必要な換気量を算出する方法は特に限定しないが、例えば、一人当たりの占有面積から求める方法を利用する以下の式(2)に従って求めてもよい。
【0099】
V
2=20×S÷O・・・(2)
式(2)では、V
2は必要な換気量を、20は成人男性が静かに座っているときの二酸化炭素排出量に基づいた必要換気量の定数を、Sは居室の床面積を、Oは建物区分によって定められた一人当たりの占有面積をそれぞれ表している。
【0100】
次に、PLC94、97は、換気領域D、Eの必要な換気量の内最大のものを選択し、その換気量を満たすことのできる給気ファン83及び排気ファン84の回転数(稼働量)を決定する(S304)。ここでは必要な換気量が大きい程、給気ファン83及び排気ファン84の稼働量も大きくなるように設定されている。更に、PLC94、97は滞留人数に応じた給気ファン83及び排気ファン84の各々の稼働量を達成できるだけのインバータ装置93、96の各々からの出力周波数(最小30Hz〜最大60Hz)と電圧とを決定して、給気ファン83及び排気ファン84の各々に信号として送信する(S305)。それによって、給気ファン83及び排気ファン84の稼働量が変化する(S306)。
【0101】
この第3の実施の形態においても、S301〜S306のサイクルを一定の間隔で繰り返すことで、厨房63、64の全般的な換気について厨房63、64内の人の数の変化に合わせた適切な換気が可能となる。
【0102】
この実施の形態における換気領域D、Eの各々における滞留人数と給気ファン83及び排気ファン84の稼働量との具体的な関係は、第1の実施の形態の表1−1及び表1−2において説明したガス調理機器21a〜21cの各々の火力(ガス流量)と排気ファン23の稼働量との関係に置き替えることができるため、ここでの説明は省略する。
【0103】
このようにすることで、給気ファン83及び排気ファン84の稼働量が換気領域D、E毎の滞留人数に基づいて細やかに制御され、換気領域D、E毎の最大の換気量に基づいて適切な換気が制御されるため、効率的な給気及び排気が可能な換気システム50となる。又、給気ファン83及び排気ファン84の双方を制御するため、給気量及び排気量のバランスの維持が容易となる。
【0104】
図6は、この発明の第4の実施の形態による換気システムの作動の流れを示すフロー図である。
【0105】
尚、この実施の形態による換気システム100を構成する排気ファン84等の機器の構成は、基本的には第3の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0106】
図4及び
図6を参照して、換気システム100の滞留人数計測器91a、91bによる厨房63、64内の滞留人数の取得(S401)から制御装置92、95による換気領域D、Eの必要な換気量の算出(S403)までの流れは、第3の実施の形態による換気システム50のS301〜S303と同様である。
【0107】
次に、換気システム100の制御装置92、95はS403で算出した各換気領域D、Eにおける必要な換気量を合計する。合計の換気量が予め定めた所定の量に達していなければ、合計した換気量に応じた換気ができるように給気ファン83及び排気ファン84の稼働量を決定する。又、合計の換気量が所定の量に達していれば、給気ファン83及び排気ファン84の稼働量を最大とするものである(S404)。
【0108】
更に、第3の実施の形態のS305〜S306と同様に、PLC94、97は滞留人数に応じた給気ファン83及び排気ファン84の各々に対する出力周波数と電圧とを決定し、給気ファン83及び排気ファン84の各々へ信号を送信して(S405)、給気ファン83及び排気ファン84の各々の稼働量を制御する(S406)。
【0109】
この第4の実施の形態においても、S401〜S406のサイクルを一定の間隔で繰り返すことで、厨房63、64の全般的な換気について厨房63、64内の人の数の変化に合わせた適切な換気が可能となる。
【0110】
この実施の形態における換気領域D、Eの各々における滞留人数と給気ファン83及び排気ファン84の稼働量との具体的な関係は、第2の実施の形態の表2−1及び表2−2において説明したガス調理機器21a〜21cの各々の火力(ガス流量)と排気ファン23の稼働量との関係に置き替えることができるため、ここでの説明は省略する。
【0111】
このようにすることで、給気ファン83及び排気ファン84の稼働量が換気領域D、E毎の滞留人数に基づいて細やかに制御され、換気領域D、E毎の換気量の合計に基づいて適切な換気が制御されるため、効率的な給気及び排気が可能な換気システム100となる。又、給気ファン83及び排気ファン84の双方を制御するため、給気量及び排気量のバランスの維持が容易となる。
【0112】
尚、第3及び第4の実施の形態の厨房63、64の各々には、
図4に示すように第1の実施の形態と同様のガス調理機器71a、71b、排気フード72a、72b、排気ファン73及び吹き出し口74a、74bが設置されている。そのため、第3及び第4の実施の形態の換気システム50、100と共に、厨房の局所換気用に第1及び第2の実施の形態で述べた換気システム10、40のいずれかを併用して導入することも可能である。
【0113】
図7は、この発明の第5の実施の形態による換気システムの構成を示す概略図である。
【0114】
図7を参照して、換気システム110は、大型商業施設112の階層毎のフロア113〜115の全体的な換気に用いられるものである。
【0115】
フロア113〜115の各々の天井には、大型商業施設112の外部から取り入れた新鮮空気を給気するための吹き出し口となる給気口121a〜121cと、フロア113〜115の内部の人の呼吸や動作によって発生した汚れた空気を大型商業施設112の外部に排気するための吸い出し口となる排気口122a〜122cが設置されている。フロア113〜115は、その内部の空間全体が給気口121a〜121c及び排気口122a〜122c毎に設定される複数の換気領域F〜Hに相当しており、換気領域F〜Hはそれぞれ後述する必要な換気量を要求するものである。
【0116】
給気口121a〜121cの各々は、給気用主ダクト126から分岐した給気用枝ダクト127a〜127cの各々に接続されており、給気用主ダクト126には大型商業施設112の外部の新鮮空気をフロア113〜115の換気領域F〜Hに給気するための給気手段として単一の給気ファン123が接続されている。給気ファン123はエアハンドリングユニット125の一部であり、温度調整や湿度調整を行う空調部138と接続され、外部の新鮮空気はこの空調部138を通して最適な温度や湿度に調整されてから給気ファン123を通して送風される。又、排気口122a〜122cの各々は、排気用主ダクト128から分岐した排気用枝ダクト129a〜129cの各々に接続されており、フロア113〜115内の汚れた空気を換気領域F〜Hの各々から大型商業施設112の外部に排出する排気手段として単一の排気ファン124が接続されている。この排気ファン124を通してフロア113〜115の内部から吸い出される空気の一部は還気として再度エアハンドリングユニット125に供給される。
【0117】
更に、フロア113〜115の天井の各々には、情報取得手段として、フロア113〜115内の滞留人数を取得する人の滞留状況検知装置である滞留人数計測器131a〜131cが取り付けられている。尚、滞留人数計測器131a〜131cの種類は特に限定せず、第3の実施の形態で述べたような人感センサにカウンター装置を組み合わせたものや、カメラによる画像処理を利用するもの等既存の様々な仕様のものを適用できる。
【0118】
滞留人数計測器131a〜131cの各々は一点鎖線で示すように制御装置132、135の各々に有線接続されており、取得した情報である滞留人数を制御装置132、135の各々に送信可能となっている。制御装置132は給気ファン123に接続されており、給気ファン123のファンの回転数(稼働量)を制御するものである。又、制御装置135は排気ファン124に接続されており、排気ファン124のファンの回転数(稼働量)を制御するものである。
【0119】
より具体的には、給気ファン123側の制御装置132はインバータ装置133及びPLC134を含み、排気ファン124側の制御装置135はインバータ装置136及びPLC137を含むものである。滞留人数計測器131a〜131cが取得した滞留人数を信号に変えて制御装置132、135の各々に送信すると、その信号を受信した制御装置132、135のPLC134、137が必要な換気量を算出し、インバータ装置133、136の各々の出力を制御して給気ファン123及び排気ファン124の稼働量を変化させる。
【0120】
次に、換気システム110の具体的な作動の一連の流れについて説明する。
【0121】
図8は、
図7で示した換気システムの作動の流れを示すフロー図である。
【0122】
図7に加えて
図8を参照して、まず滞留人数計測器131a〜131cがフロア113〜115の人の出入りを検知し、フロア113〜115内の滞留人数を情報として取得する(S501)。
【0123】
次に、滞留人数計測器131a〜131cは、取得した滞留人数を制御装置132、135のPLC134、137へ送信する(S502)。
【0124】
PLC134、137は、滞留人数計測器131a〜131cから送信された信号を受けとると、予め設定されたプログラムに従って、換気領域F〜Hの各々に対応した必要な換気量をそれぞれ算出する(S503)。換気領域F〜Hにおける実際に必要な換気量を算出する方法は特に限定しないが、例えば、第3の実施の形態で述べたものと同様に1人当たりの占有面積から求める方法を利用する式(2)に従って求めてもよい。
【0125】
次に、PLC134、137は、換気領域F〜Hの必要な換気量の内最大のものを選択し、その換気量を満たすことのできる給気ファン123及び排気ファン124の回転数(稼働量)を決定する(S504)。ここでは必要な換気量が大きい程、給気ファン123及び排気ファン124の稼働量も大きくなるように設定されている。更に、PLC134、137は滞留人数に応じた給気ファン123及び排気ファン124の各々の稼働量を達成できるだけのインバータ装置133、136の各々からの出力周波数(最小30Hz〜最大60Hz)と電圧とを決定して、給気ファン123及び排気ファン124の各々に信号として送信する(S505)。それによって、給気ファン123及び排気ファン124の稼働量が変化する(S506)。
【0126】
この第5の実施の形態においても、S501〜S506のサイクルを一定の間隔で繰り返すことで、フロア113〜115の全般的な換気について、フロア113〜115内の滞留人数の変化に合わせた適切な換気が可能となる。
【0127】
この実施の形態における換気領域F〜Hの各々における滞留人数と給気ファン123及び排気ファン124の稼働量との具体的な関係は、第1の実施の形態の表1−1及び表1−2において説明したガス調理機器21a〜21cの各々の火力(ガス流量)と排気ファン23の稼働量との関係に置き替えることができるため、ここでの説明は省略する。
【0128】
このようにすることで、給気ファン123及び排気ファン124の稼働量が換気領域F〜H毎の滞留人数に基づいて細やかに制御され、換気領域F〜H毎の最大の換気量に基づいて適切な換気が制御されるため、効率的な給気及び排気が可能な換気システム110となる。又、給気ファン123及び排気ファン124の双方を制御するため、給気量及び排気量のバランスの維持が容易となる。
【0129】
図9は、この発明の第6の実施の形態による換気システムの作動の流れを示すフロー図である。
【0130】
尚、この実施の形態による換気システム140を構成する給気ファン123等の機器の構成は、基本的には第5の実施の形態と同様であるため、ここでの説明は繰り返さず、その相違点を中心に説明する。
【0131】
図7及び
図9を参照して、換気システム140のフロア113〜115内の滞留人数の取得(S601)から換気領域F〜Hの必要な換気量を算出する(S603)までの流れは、第5の実施の形態による換気システム110のS501〜S503と同様である。
【0132】
次に、換気システム140のPLC134、137は、S603で算出した各換気領域F〜Hにおける必要な換気量を合計する。合計の換気量が予め定めた所定の量に達していなければ、合計した換気量に応じた換気ができるように給気ファン123及び排気ファン124の稼働量を決定する。又、合計の換気量が所定の量に達していれば、給気ファン123及び排気ファン124の稼働量を最大とするものである(S604)。
【0133】
更に、第5の実施の形態のS505〜S506と同様に、PLC134、137は滞留人数に応じた給気ファン123及び排気ファン124の各々に対する出力周波数と電圧とを決定し、給気ファン123及び排気ファン124の各々へ信号を送信して(S605)、給気ファン123及び排気ファン124の各々の稼働量を制御する(S606)。
【0134】
この第6の実施の形態においても、S601〜S606のサイクルを一定の間隔で繰り返すことで、フロア113〜115の全般的な換気についてフロア113〜115内の滞留人数の変化に合わせた適切な換気が可能となる。
【0135】
この実施の形態における換気領域F〜Hの各々における滞留人数と給気ファン123及び排気ファン124の稼働量との具体的な関係は、第2の実施の形態の表2−1及び表2−2において説明したガス調理機器21a〜21cの各々の火力(ガス流量)と排気ファン23の稼働量との関係に置き替えることができるため、ここでの説明は省略する。
【0136】
このようにすることで、給気ファン123及び排気ファン124の稼働量が換気領域F〜H毎の滞留人数に基づいて細やかに制御され、換気領域F〜H毎の換気量の合計に基づいて適切な換気が制御されるため、効率的な給気及び排気が可能な換気システム140となる。又、給気ファン123及び排気ファン124の双方を制御するため、給気量及び排気量のバランスの維持が容易となる。
【0137】
尚、上記の各実施の形態では、制御装置と給気ファン及び排気ファンとの有線接続に関する具体的な接続方式は特定しなかったが、既存の様々な接続方式を採用できる。例えば、電力線を通信回線として利用するコンセントLAN(Power Line Communications、以下「PLC」と略す)を用いた接続方式を採用すれば、有線LANと比べて設置が容易であり、且つ無線LANと比べて安定した通信環境を確保することができる。このPLCを用いた接続態様は、信号の送信側であるガス流量センサや滞留人数計測器といった情報取得手段に第1のPLCアダプターを接続する。又、信号の受信側である制御装置に第2のPLCアダプターを接続する。第1のPLCアダプター及び第2のPLCアダプターを既存のコンセントに差し込むことで、電力線を介して情報取得手段から制御装置への信号の送信が行われる。
【0138】
又、上記の各実施の形態では、制御装置と給気ファン及び排気ファンとは有線接続されているものであったが、これに限らず無線接続されているものであってもよい。
【0139】
更に、上記の各実施の形態では説明しなかったが、枝ダクト内に可変風量制御装置や風量調整ダンパー、シャッター等を設けて、制御装置と接続して給気ファンや排気ファンと連動して作動するようにしてもよい。このようにすると。ダクト内を通過する風量をより適切に制御することができ、効率的な換気システムとなる。
【0140】
更に、上記の各実施の形態では、給気ファン及び換気ファンの稼働量はインバータ制御されるものであったが、これに限らず、ポールチェンジによってファンの回転数を変える等他の手段によって制御されるものであってもよい。
【0141】
更に、上記の第1及び第2の実施の形態では、情報取得手段として用いる超音波式のガス流量センサに関する具体的な測定方式については特に言及しなかったが、伝搬時間差方式やドップラー方式等の既存の様々な測定方式のものを採用できる。
【0142】
更に、上記の第1及び第2の実施の形態では、ガス流量と排気ファンの稼働量との対応関係を4段階で説明したが、これに限らず、他の段階によるものであってもよい。又、ガス流量と排気ファンの稼働量とが連続的に増減するものであってもよい。
【0143】
更に、上記の第1及び第2の実施の形態では、換気領域毎の必要な換気量を決定する際には、理論廃ガス量により求める方法を用いたが、これに限らず、排気フードの面風速に基づいて求める方法を採用してもよい。その際には、求めた必要な換気量をガス調理機器に流れるガス流量が最大となる状態に対応させるようにして、ガス調理機器に流れるガス流量が小さくなるのに比例させて必要な換気量が小さくなるように設定すればよい。
【0144】
更に、上記の第1及び第2の実施の形態では、給気は自然給気によって行われるものであったが、これに限らず、給気ファンを用いた機械給気を採用することもできる。その場合、上記で説明した換気システムを適用して、給気ファンの稼働量を制御してもよい。
【0145】
更に、上記の第3から第6の実施の形態では、換気システムは給気ファンと排気ファンの双方を制御するものであったが、これに限らず、いずれか一方を制御するものであってもよい。
【0146】
更に、上記の第3及び第4の実施の形態では、換気システムは給気ファンと排気ファンの双方を使用するものであったが、排気ファンのみ使用して、給気は自然給気による方法としてもよい。
【0147】
更に、上記の第5及び第6の実施の形態では、換気システムは給気ファンと排気ファンの双方を使用するものであったが、給気ファンのみ使用して、排気は自然排気による方法としてもよい。又、排気ではなく全てエアハンドリングユニットに還気するようにして、再度給気するような方法としてもよい。
【0148】
更に、上記で説明した換気システムは、上記の各実施の形態で説明したものに限らず、単一ダクト方式であれば様々な場所で使用される種々の換気装置や空調装置に適用できる。例えば、ガス調理機器に代えて電気調理機器が設置された厨房の換気に適用してもよい。その場合、給気ファンや排気ファンの稼働量は、電気調理機器に流れる電流量に基づいて算出された換気領域毎の必要な換気量に基づいて変化する。
【0149】
更に、上記の各実施の形態では、換気領域は1つの厨房や1つのフロアに対して1つずつ設けられる構成であったが、これに限らない。1つの厨房や1つのフロアの中に複数の換気領域が設けられるようなものであってもよい。
【0150】
更に、上記の各実施の形態では、給気手段は吹き出し口や給気ファンといった特定のものを使用しているが、これに限らず、換気領域に給気を行うものであれば他の手段によるものであってもよい。
【0151】
更に、上記の各実施の形態では、排気手段は排気ファンを使用しているが、これに限らず、換気領域からの排気を行うものであれば他の手段によるものであってもよい。
【0152】
更に、上記の各実施の形態では、情報取得手段は換気領域毎の必要な換気量の算出に用いる所定の情報を取得するものであり、第1及び第2の実施の形態ではガス流量センサでガス流量を取得し、第3から第6の実施の形態では、滞留人数計測器で滞留人数を取得するものであったが、これに限らない。必要な換気量の算出に用いられるものであれば、他の情報取得手段によって他の情報を取得するものであってもよい。例えば、第3から第6の実施の形態では、人の滞留状況検知装置として二酸化炭素濃度計を使用し、複数の換気領域毎の二酸化炭素量を測定して、その濃度に応じて換気領域毎の必要な換気量を決定して排気ファンや給気ファンの稼働量を制御するものであってもよい。このようにすることで、給気ファン及び排気ファンの稼働量が換気領域毎の二酸化炭素濃度に基づいて細やかに制御され、換気領域毎の最大の換気量又は換気領域毎の換気量の合計に基づいて適切な換気が制御されるため、効率的な給気及び排気が可能な換気システムとなる。又、上述した電気調理機器が設置された厨房の換気を行う場合、第1及び第2の実施の形態で述べたガス流量センサの代わりに電流センサを取り付けて、電流センサで電池調理機器に流れる電流量を取得するようなものであってもよい。
【0153】
更に、上記の各実施の形態では説明しなかったが、この発明は次のような流体交換システムとしても表現できる。第1、第3及び第5の実施の形態に対応する制御が可能なものとしては、所定の空間(厨房、大型商業施設のフロア)に存在する流体(空気)の交換(換気)を行うための流体交換システムであって、上記所定の空間に含まれ、各々が交換すべき流体の流量(必要な換気量)が規定された複数の流体交換領域(換気領域)と、上記流体交換領域の各々に接続され、上記流体交換領域へ上記流体を供給する単一の第1の交換手段(吹き出し口、給気ファン)と、上記流体交換領域の各々に接続され、上記流体交換領域から上記流体を排出する単一の第2の交換手段(排気ファン)と、上記流量の算出に用いる所定の情報(ガス流量、滞留人数)を上記流体交換領域毎に取得する情報取得手段(ガス流量センサ、滞留人数計測器)と、上記取得された上記所定の情報に基づいて算出された上記流体交換領域毎の複数の流量の内、最大のものに基づいて上記第1の交換手段及び上記第2の交換手段の少なくとも一方の稼働量を制御する制御手段とを備えたものであると言える。
【0154】
このようにすることで、流体交換領域毎の最大の流量に基づいて適切な流体の交換が制御されるため、効率的な流体の交換が可能な流体交換システムとなる。
【0155】
又、第2、第4及び第6の実施の形態に対応する制御が可能なものとしては、所定の空間(厨房、大型商業施設のフロア)に存在する流体(空気)の交換(換気)を行うための流体交換システムであって、上記所定の空間に含まれ、各々が交換すべき流体の流量(必要な換気量)が規定された複数の流体交換領域(換気領域)と、上記流体交換領域の各々に接続され、上記流体交換領域へ上記流体を供給する単一の第1の交換手段(吹き出し口、給気ファン)と、上記流体交換領域の各々に接続され、上記流体交換領域から上記流体を排出する単一の第2の交換手段(排気ファン)と、上記流量の算出に用いる所定の情報を上記流体交換領域毎に取得する情報取得手段(ガス流量センサ、滞留人数計測器)と、上記取得された上記所定の情報に基づいて算出された上記流体交換領域毎の複数の流量の合計が所定の量に達すると、上記第1の交換手段及び上記第2の交換手段の少なくとも一方の稼働量が最大となるように制御する制御手段とを備えたものであると言える。
【0156】
このようにすることで、流体交換毎の流量の合計に基づいて適切な流体の交換が制御されるため、効率的な流体の交換が可能な流体交換システムとなる。
【0157】
更に、このような流体交換システムは、気体以外の様々な流体を交換するシステムとしても適用できる。例えば水の交換に関する実施の形態の一例として次のようなものが想定される。魚類等を飼育している施設内を所定の空間として、流体交換領域を施設内に設置された複数の水槽を流体交換領域として設定する。各水槽はそれぞれ交換すべき水の流量が規定されている。水槽の各々には、水槽内へ新鮮な水を供給する単一の第1の交換手段である給水用ポンプと、水槽内から汚染された水を排出する単一の第2の交換手段である排水用ポンプが接続されている。又、各水槽には情報取得手段として水質測定器が取り付けられており、交換すべき水の流量の算出に用いる所定の情報である塩分濃度、pH値やアンモニウム濃度といった水質の情報(所定の情報)を水槽毎に取得する。交換すべき水の流量は水質が悪化するのに応じて大きくなるものである。加えて、給水用ポンプ及び排水用ポンプには、それらの稼働量の制御手段として、例えばインバータ装置及びPLCからなる制御装置が接続されている。制御装置は、取得された水質の情報に基づいて算出された水槽毎の複数の交換すべき水の流量の内、最大のものに基づいて給水用ポンプ及び排水用ポンプの少なくとも一方の稼働量の制御を行ったり、複数の交換すべき水の流量の合計が所定の量に達すると、給水用ポンプ及び排水用ポンプの少なくとも一方の稼働量が最大となるような制御を行う。
【解決手段】 換気システム10は、各々が必要な換気量を要求する複数の換気領域A〜Cを含む厨房13〜15に適用される。換気システム10は、油煙等を換気領域A〜Cから排出するための排気ファン23、排気ファン23にダクトを介して接続された排気フード22a〜22c、ガス調理機器21a〜21c、ガス調理機器21a〜21cにガスを供給するガス供給管29a〜29cに取り付けられたガス流量センサ31a〜31c、及びガス流量センサ31a〜31cと排気ファン23との各々に接続された制御装置32を備えている。制御装置32は、ガス流量センサ31a〜31cで取得したガス流量に基づいて換気領域A〜C毎の必要な換気量を算出して、その最大のものに基づいて排気ファン23の稼働量を制御する。