(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記音波受信部は、離隔して複数配置され、前記音波発信部は、それぞれの向かい合う前記音波受信部の前記音波受信面に対して前記音波を発信するように複数の音波発信面が交差するように角度を有して配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の遮音装置。
前記音波発信部及び前記音波受信部は、前記音波の進行方向と交差する方向に延びる柱状体であって、前記音波発信部は、超音波を搬送波として前記音波を出力する超指向性スピーカが前記柱状体の長手方向に沿って複数配列されている、
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遮音装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、空間内の音声や会話の内容を外部から聞き取りにくくすることができる空間を低コストで容易に設置することができる遮音装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の遮音装置は、
音源からの伝播音波の周波数を含む周波数の音波を発信する音波発信部と、
前記音波発信部から発信される前記音波を受信する音波受信部と、が互いに前記音波発信部の音波発信面と前記音波受信部の音波受信面の向きが交差して一対の組となるように連結され、
前記一対の組は、一方の組の前記音波発信面が他方の組の前記音波受信面と離間して向かい合い、前記音源を囲う空間を形成するように複数配置された、
ことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遮音装置において、
複数配置される前記一対の組は、それぞれの前記音波発信部から発信される前記音波が前記伝播音波と混合し前記伝播音波を前記空間の外部で聞き取りにくくする、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の遮音装置において、
前記音波受信部は、離隔して複数配置され、前記音波発信部は、それぞれの向かい合う前記音波受信部の前記音波受信面に対して前記音波を発信するように複数の音波発信面が交差するように角度を有して配置されている、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の遮音装置において、
離隔して配置された複数の前記音波受信部のひとつは、他の前記音波受信部に対して前記空間の外側になるように配置されている、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項3に記載の遮音装置において、
離隔して配置された複数の前記音波受信部のひとつは、他の前記音波受信部に対して前記空間の内側になるように配置されている、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれか1項に記載の遮音装置において、
前記音波発信部及び前記音波受信部は、前記音波の進行方向と交差する方向に延びる柱状体であって、前記音波発信部は、超音波を搬送波として前記音波を出力する超指向性スピーカが前記柱状体の長手方向に沿って複数配列されている、
ことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の遮音装置において、
前記空間の上部に、前記音波発信部と前記音波受信部が互いに対向して前記空間を覆うように更に配置されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、空間内の音声や会話の内容を外部から聞き取りにくくすることができる空間を低コストで容易に設置することができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、空間内から外部へ伝播する音声をマスキングすることができる。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、空間内から外部へ伝播する音声をよりマスキングすることができる。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、空間内では音声を聞き取りやすく、空間外では空間内から外部へ伝播する音声を聞き取りにくくすることができる。
【0019】
請求項5に記載の発明によれば、空間外では空間内から外部へ伝播する音声をより聞き取りにくくすることができる。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、空間にマスキング音による面状の遮音壁を形成することができる。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、空間の上方にマスキング音による面状の遮音壁を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、理解の容易のために説明に必要な要素以外の図示は適宜省略されている。
【0026】
「第1実施形態」
(1)遮音装置の構成
図1(a)は本実施形態に係る遮音装置が適用された空間の一例を示す斜視図、(b)は(a)に示す空間の平面模式図、
図2(a)は音波発信部の内部構成を示す横断面模式図、(b)は縦断面模式図、
図3(a)は音波受信部の内部構成を示す横断面模式図、(b)は縦断面模式図、
図4(a)は一対の組となるように連結された音波発信部及び音波受信部を示す横断面模式図、(b)は一対の組となるように連結された音波発信部及び音波受信部と、他方の組の音波発信部及び音波受信部とが離隔して向かい合うように配置された状態を示す平面模式図である。
以下、図面を参照しながら本実施形態に係る遮音装置について説明する。
【0027】
遮音装置1は、
図1に示すように、音源Sからの伝播音波SA(
図5 参照)の周波数を含む周波数の音波を発信する音波発信部10と、音波発信部10から発信される音波を受信する音波受信部20と、が互いに音波発信部10の音波発信面10A、10Bと音波受信部20の音波受信面20A、20B(
図4 参照)の向きが交差して一対の組となるように連結され、音源Sを囲う空間R(図中 二点鎖線で示す)を形成するように複数配置されている。
【0028】
遮音装置1で囲まれた空間R(図中 二点鎖線で示す)の一例としては、
図1(b)に示すように、机Dが配置され、会議、商談、打ち合わせ等を行う会話空間であり、空間R内においては、発言を行う人が音源Sとなって、周波数100〜5000HZ前後の発言音としての伝播音波SAが発生する。本実施形態に係る遮音装置1においては、音波発信部10から音波受信部20に向かって伝播音波SAの周波数を含む周波数の音波が発信され、発言音と混合されることで、空間Rの外部では発言音が聞き取りにくく、会話内容が不明瞭となる。
【0029】
音波発信部10は、
図2に示すように、柱状の本体11と、本体11の内部に設置されたスピーカ12からなる。本体11は、遮音装置1として配置される床面からの高さが、空間Rとして必要な高さと略同等とされ、例えば1500mm〜2000mm、直径がスピーカ12をその内部に収容できる大きさ、例えば100mm〜150mmの柱状体であり、材質は、金属、樹脂、木製等のいずれであってもよい。
【0030】
スピーカ12は、発振回路・増幅装置(不図示)から供給されるマスキング音信号を音波に変換して超音波を搬送波としてマスキング音を放音する超指向性スピーカである。
図2(b)に示すように、本体11は、一面に開口部11aを有し、開口部11aには、スピーカ12が、本体11の長手方向(高さ方向)に沿って、複数配列されている。これにより、空間Rにマスキング音からなる面状の遮音壁を形成している。
【0031】
また、スピーカ12は、
図2(a)に示すように、平面視において、マスキング音が放音される方向が交差するように角度(
図2(a)中 Θ参照)を有して配置されている。各スピーカ12は、音波発信部10の音波発信面10A、10Bを構成し、後述するように、音波発信部10と離間して向かい合う音波受信部20の離隔して配置される音波受信面20A、20Bのそれぞれに対してマスキング音(
図4(b)中 M1A、M1B参照)を発信する。これにより、空間Rから外部に伝播する発言音を聞き取りにくくしている。
【0032】
音波受信部20は、
図3に示すように、柱状の本体21と、本体21の内部に配置された吸音材22からなる。本体21は、互いに向かい合う音波発信部10の本体11と略同じ高さとされ、例えば1500mm〜2000mm、直径が例えば100mm〜150mmの柱状体であり、材質は、金属、樹脂、木製等のいずれであってもよい。
【0033】
図3(b)に示すように、本体21は、一面に開口部21aを有し、開口部21aには、吸音材22が、本体21の長手方向(高さ方向)に沿って配置されている。
吸音材22としては、スピーカ12から放音されるマスキング音を一定程度吸収できるものであり、例えば、グラスウール、ロックウール、ウレタンフォーム、フェルト、石綿板、木毛板など、音が通り抜けるときに音のエネルギーを減衰させる各種の材料を用いることができる。
このような吸音材22を本体21の開口部21aに沿って配置することで、スピーカ12から発信した音波を吸音材22により吸収して、空間Rに面状の遮音壁を形成している。
【0034】
このように構成される音波発信部10及び音波受信部20は、音波発信部10の音波発信面10A、10Bと、2つの音波受信部20の音波受信面20A、20Bの向きが交差して一対の組となるように支持フレーム30で連結されている。具体的には、
図4(a)に示すように、音波発信部10の音波発信面10Aと音波発信部10に隣接する音波受信部20の音波受信面20Aの向きが略直角になるように配置され、音波発信部10の音波発信面10Bと音波発信部10と離隔する音波受信部20の音波受信面20Bの向きが略直角になるように配置されている。
【0035】
この一対の組となった音波発信部10−1及び音波受信部20−1は、
図4(b)に示すように、他方の組の音波発信部10−2及び音波受信部20−2と離間して向かい合うように配置され、一方の組の音波発信部10−1から放音されたマスキング音が他方の組の音波受信部20−2で受信される。具体的には、一方の組の音波発信部10−1の音波発信面(スピーカ12A)10−1Aから発信された音波M1A(図中 実線で示すM1A参照)は、離隔して向かい合うように配置された他方の組の音波受信部20−2Aで受信され、音波発信面(スピーカ12B)10−1Bから発信された音波M1B(図中 実線で示すM1B参照)は、音波受信部20−2Bで受信される。
【0036】
(2)遮音装置の作用
図5は一対の組となった音波発信部10及び音波受信部20が音源Sを囲う空間R(図中 二点鎖線で示す)を形成するように複数配置された遮音装置1を示す平面模式図である。
図5に示すように、遮音装置1は、音波発信部10及び音波受信部20が一対の組となって、一方の組の音波発信部10から放音されたマスキング音としての音波Mが他方の組の音波受信部20で受信されるように離隔して互いに向かい合うように配置されている。
【0037】
図5において、一方の組の音波発信部10−1の音波発信面(スピーカ12A)10−1Aから発信された音波M1A(図中 実線で示すM1A参照)は、離隔して向かい合うように配置された他方の組の音波受信部20−2Aで受信され、音波発信面(スピーカ12B)10−1Bから発信された音波M1Bは、音波受信部20−2Bで受信される。そして、空間R(図中 二点鎖線で示す)の音源S(図中 破線で示す)から発せられる発言音は伝播音波SA(図中 破線で示すSA参照)として一部が空間Rの外部に向かって伝播するが、音波発信部10−1の音波発信面(スピーカ12A)10−1Aから発信された音波M1A及び音波発信面(スピーカ12B)10−1Bから発信された音波M1Bと混合され、空間Rの外部では発言音が不明瞭になり聞き取りにくくなる。
【0038】
また、
図5に示すように、他方の組の音波発信部10−2の音波発信面(スピーカ12A)10−2Aから発信された音波M2Aは、離隔して向かい合うように配置された別の他方の組の音波受信部20−3Aで受信され、音波発信面(スピーカ12B)10−2Bから発信された音波M2Bは、音波受信部20−3Bで受信される。そして、空間Rの音源Sから発せられる発言音は伝播音波SAとして一部が空間Rの外部に向かって伝播するが、音波M2A及び音波M2Bと混合され、空間Rの外部では発言音が不明瞭になり聞き取りにくくなる。
【0039】
同様に、
図5に示すように、別の他方の組の音波発信部10−3の音波発信面(スピーカ12A)10−3Aから発信された音波M3Aは、離隔して向かい合うように配置された更に別の他方の組の音波受信部20−4Aで受信され、音波発信面(スピーカ12B)10−3Bから発信された音波M3Bは、音波受信部20−4Bで受信される。そして、空間Rの音源Sから発せられる発言音は伝播音波SAとして一部が空間Rの外部に向かって伝播するが、音波M3A及び音波M3Bと混合され、空間Rの外部では発言音が不明瞭になり聞き取りにくくなる。
【0040】
そして、
図5に示すように、更に別の他方の組の音波発信部10−4の音波発信面(スピーカ12A)10−4Aから発信された音波M4Aは、離隔して向かい合うように配置された一方の組の音波受信部20−1Aで受信され、音波発信面(スピーカ12B)10−4Bから発信された音波M4Bは、音波受信部20−1Bで受信される。そして、空間Rの音源Sから発せられる発言音は伝播音波SAとして一部が空間Rの外部に向かって伝播するが、音波M4A及び音波M4Bと混合され、空間Rの外部では発言音が不明瞭になり聞き取りにくくなる。
【0041】
本実施形態においては、音波受信部20−2Bが音波受信部20−2Aに対して、空間Rの外側に位置するように配置されているために、音波発信面(スピーカ12B)10−1Bから発信される音波M1Bは空間Rの外側に向かって進行する。そのために、音波M1Bは、伝播音波SAの一部と伝播方向が重なり、伝播音波SAとマスキング音である音波M1Bとの親和性が高くなる。これにより、空間Rの外部では伝播音波SAとマスキング音である音波M1Bとが融合して知覚されて、空間R内の発言音がより聞き取りにくくなる。
【0042】
空間Rを囲うように配置された他方の組の音波発信部10−2Bから発信され別の他方の組の音波受信部20−3Bで受信される音波M2B、別の他方の組の音波発信部10−3Bから発信され更に別の他方の組の音波受信部20−4Bで受信される音波M3B、及び更に別の他方の組の音波発信部10−4Bから発信され一方の組の音波受信部20−1Bで受信される音波M4Bについても、同様に伝播音波SAの一部と伝播方向が重なり、伝播音波SAとマスキング音である音波M2B、M3B、M4Bとの親和性が高くなる。
これにより、本実施形態に係る遮音装置1においては、空間Rの外部では伝播音波SAとマスキング音である音波M1B、M2B、M3B、M4Bとが融合して知覚されて、空間R内の発言音がより聞き取りにくくなる。
【0043】
このように、本実施形態に係る遮音装置1は、互いに音波発信部10の音波発信面10A、10Bと音波受信部20の音波受信面20A、20Bの向きが交差して一対の組となるように連結された状態で、音源Sを囲う空間Rを形成するように4隅に配置され、空間R内の音声や会話の内容を外部から聞き取りにくくすることができる空間Rを低コストで容易に設置することができる。
【0044】
「変形例1」
図6は一対の組となった音波発信部10及び音波受信部20が音源Sを囲う空間Rを形成するように複数配置された変形例1の遮音装置1Aを示す平面模式図である。
変形例1に係る遮音装置1Aは、
図6に示すように、音波受信部20−2Bが音波受信部20−2Aに対して、空間R(図中 二点鎖線で示す)の内側に位置するように配置され、音波発信面10−1Bから発信される音波M1B(図中 実線で示すM1B参照)は空間Rの内側に向かって進行する。そのために、音波M1Bは、空間R内で、伝播音波SAの一部と伝播方向が重なり、伝播音波SA(図中 破線で示すSA参照)とマスキング音である音波M1Bとの親和性が高くなる。これにより、空間R内で発生する発言音がマスキング音である音波M1Bにより空間Rの外部へ漏れにくくなる。
【0045】
図6に示すように、空間Rを囲うように配置された他方の組の音波発信部10−2Bから発信され別の他方の組の空間Rの内側に位置する音波受信部20−3Bで受信される音波M2B、別の他方の組の音波発信部10−3Bから発信され更に別の他方の組の空間Rの内側に位置する音波受信部20−4Bで受信される音波M3B、及び更に別の他方の組の音波発信部10−4Bから発信され一方の組の空間Rの内側に位置する音波受信部20−1Bで受信される音波M4Bについても、同様に伝播音波SAの一部と伝播方向が重なり、伝播音波SAとマスキング音である音波M2B、M3B、M4Bとの親和性が高くなる。
これにより、空間R内で発生する発言音がマスキング音であるM1B、M2B、M3B、M4Bにより空間Rの外部へ漏れにくくなる。
【0046】
「変形例2」
図7は(a)は変形例2に係る遮音装置1Bが適用された空間の一例を示す斜視図、(b)は(a)に示す空間の側面模式図である。
変形例2に係る遮音装置1Bは、
図7に示すように、音源Sからの伝播音波SAの周波数を含む周波数の音波を発信する音波発信部10と、音波発信部10から発信される音波を受信する音波受信部20と、が互いに音波発信部10の音波発信面と音波受信部20の音波受信面の向きが交差して一対の組となるように連結され、音源Sを囲う空間Rを形成し、空間Rの上部に、音波発信部10と音波受信部20が互いに対向して空間Rを覆うように更に配置されている。
【0047】
図7(b)に示すように、空間R上部の音波発信部10の音波発信面(スピーカ12A)10Aから発信された音波M1Aは、離隔して向かい合うように配置された音波受信部20Aで受信され、音波発信面(スピーカ12B)10Bから発信された音波M1B(図中 実線で示すM1B参照)は、音波受信部20Bで受信される。そして、空間R(図中 二点鎖線で示す)の音源Sから発せられる発言音は伝播音波SA(図中 破線で示すSA参照)として一部が空間Rの上部から外部に向かって伝播するが、音波発信部10の音波発信面(スピーカ12A)10Aから発信された音波M1A及び音波発信面(スピーカ12B)10Bから発信された音波M1Bと混合され、空間Rの外部では発言音が不明瞭になり聞き取りにくくなる。特に、空間Rの上部から上方の天井等に向かって伝播する伝播音波SAが天井面で反射して空間Rの外部へ伝播した場合であっても、空間Rの外部では発言音が不明瞭になり聞き取りにくくなる。
【0048】
「第2実施形態」
図8(a)は本実施形態に係る遮音装置1Cが適用された空間の一例を音波発信部に視点をおいて示す斜視図、(b)は音波受信部に視点をおいて示す斜視図、
図9(a)は向き合って配置されたアーチ状体における音波発信部10から音波受信部20に向かって発信された音波の進行を示す平面模式図、(b)はアーチ状体の内面における音波の発信を示す側面模式図である。
【0049】
遮音装置1Cは、
図8に示すように、音波発信部10及び音波受信部20が、音波Mの進行方向と交差する方向に湾曲したアーチ状体であって、音波発信部10には、超音波を搬送波として音波Mを出力する超指向性スピーカ12がアーチ状体の湾曲方向に沿って複数配列されている。音波受信部20には、吸音材22がアーチ状体の湾曲方向に沿って埋め込まれている。
【0050】
アーチ状体は、
図9(a)に示すように、互いに向かい合って配置され、一方のアーチ状体の超指向性スピーカ12から発信される音波Mは、他方のアーチ状体に埋め込まれた吸音材22に吸収されるように進行し、アーチ状体の間では、空間R(図中 二点鎖線で示す)からの伝播音波SAとマスキング音としての音波Mが混合し、空間Rの外部においては、発言音が聞き取りにくくなる。
【0051】
それぞれのアーチ状体には、径方向に湾曲した内面の一方側に超音波を搬送波として音波Mを出力する超指向性スピーカ12Aが複数配列され、径方向に湾曲した内面の他方側には、超指向性スピーカ12Aから発信される音波Mを吸収する吸収材22Aが埋め込まれている。
【0052】
図9(b)に示すように、それぞれのアーチ状体の径方向に湾曲した内面の一方側に配置された超指向性スピーカ12Aから発信される音波M(図中 実線で示すM参照)は、アーチ状体の径方向に湾曲した内面の他方側に配置された吸音材22Aに向かって進行し、空間R(図中 二点鎖線で示す)からの伝播音波SAとマスキング音としての音波Mが混合し、空間Rの外部においては、発言音が聞き取りにくくなる。
【0053】
このように、本実施形態によれば、音源Sからの伝播音波SAの周波数を含む周波数の音波を発信するアーチ状体の音波発信部10と、音波発生部10から発信される音波Mを受信するアーチ状体の音波受信部20とが互いに対向して音源Sを囲う空間Rを形成することで、空間Rを会議、商談、打ち合わせ等を行う会話空間とすることができる。
会話空間で発せられる発言音は、空間Rから外部へ伝播する伝播音波SAとなるが、マスキング音としての音波Mと混合されることで、空間Rの外部においては、発言音が聞き取りにくくなる。
【解決手段】音源からの伝播音波の周波数を含む周波数の音波を発信する音波発信部と、音波発信部から発信される音波を受信する音波受信部と、が互いに音波発信部の音波発信面と音波受信部の音波受信面の向きが交差して一対の組となるように連結され、音源を囲う空間を形成するように複数配置され、複数配置される一対の組は、一方の組の音波発信面が他方の組の音波受信面と離間して向かい合うように配置され、それぞれの音波発信部から発信される音波が伝播音波と混合し伝播音波を空間の外部で聞き取りにくくする。