(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
軸線を中心として環状に形成された環状体の一部を構成し、前記環状体の径方向外側かつ水平方向へ突出する第1凸部と、前記環状体の周方向において前記第1凸部と異なる位置から前記径方向外側へ突出する第2凸部と、が設けられた第1本体部と、
前記第1凸部を下方から支持する支持面と、前記径方向外側へ凹み、前記第2凸部が収容される第1凹部と、が設けられた第1ケーシングと、
を備え、
前記環状体の軸方向において前記第1凹部の寸法は前記第2凸部の寸法よりも大きく、
前記環状体の軸線が水平方向に沿って配置され、前記第2凸部が前記第1凹部に収容された状態において、前記第2凸部と前記第1凹部との間に前記軸方向において隙間が設けられる、
タービン組立体。
前記環状体の軸線が水平方向に沿って配置され、前記第2凸部が前記第1凹部に収容された状態において、前記第2凸部の前記第1凹部に収容された部分の鉛直方向の寸法は、前記隙間の寸法よりも大きい、
請求項1に記載のタービン組立体。
前記環状体の軸線が水平方向に沿って配置され、前記第2凸部が前記第1凹部に収容された状態において、前記第2凸部の底面と前記第1凹部の底面との間には鉛直方向における隙間が設けられる、
請求項1から5のいずれか一項に記載のタービン組立体。
軸線を中心として環状に形成された環状体の一部を構成し、前記環状体の径方向外側かつ水平方向へ突出する第1凸部と、前記環状体の周方向において前記第1凸部と異なる位置から前記径方向外側へ突出する第2凸部と、が設けられた第1本体部と、
前記第1凸部を下方から支持する支持面と、前記周方向に沿って設けられ、径方向外側へ凹み、前記第2凸部が収容される周方向溝と、が設けられた第1ケーシングと、
を備える、
タービン組立体の組立方法において、
前記支持面によって前記第1凸部が下方から支持され、かつ、前記周方向溝に前記第2凸部が収容されるように、前記第1本体部を鉛直方向に移動させる移動ステップと、
前記周方向溝の壁面に前記第2凸部が接触するように、前記第1凸部よりも鉛直方向下方の位置において前記第1本体部に軸方向力を作用させて前記第1凸部周りに前記第1本体部を回動させる回動ステップと、
を含むタービン組立体の組立方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態に係る回転機械及び回転機械の組立方法について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
また、ここでは、ガスタービン及びガスタービンの組立方法を例に説明するが、これに限られるものではない。
【0011】
図1は、実施形態に係るガスタービン1の全体構成を概略的に示す図である。
図1に示すように、実施形態に係るガスタービン1は、圧縮機13、複数の燃焼器15及びタービン17を備えている。ガスタービン1は、圧縮機13及びタービン17を貫通して配置された、回転軸であるロータ軸12を備え、複数の燃焼器15はロータ軸12の周りに配置されている。圧縮機13、複数の燃焼器15及びタービン17は、ロータ軸12の軸線AXに沿って、空気の流れ方向上流から下流に向けて順次配置されている。
尚、以下の説明において、ロータ軸12の軸線方向をロータ軸方向、ロータ軸12の軸線AXを中心とする周方向をロータ周方向、ロータ軸12の軸線に直交する方向をロータ径方向という。
【0012】
圧縮機13は、ロータ軸12の回転を利用して圧縮空気を生成可能である。圧縮機13は、圧縮機ケーシング131、複数段の圧縮機静翼133及び複数段の圧縮機動翼135を有する。圧縮機ケーシング131は円筒形状に形成され、その内部をロータ軸12が貫通するとともに、その内部に圧縮機静翼133及び圧縮機動翼135を収容する円筒形状の空間(車室)を有している。また、圧縮機ケーシング131は、その空気流れ方向上流に取入口137を有し、その空気流れ方向下流に吐出口139を有している。取入口137は、空気流れ方向上流から圧縮機ケーシング131の内部に空気を取り入れ可能である。吐出口139は、ロータ軸12を中心とする円環形状に形成され、圧縮機13で生成された圧縮空気を吐出可能である。
【0013】
圧縮機静翼133は、ロータ軸12の軸線AXを中心としてロータ軸方向及びロータ周方向に整列した状態で圧縮機ケーシング131の内周に固定されている。圧縮機動翼135は、ロータ軸方向において圧縮機静翼133と交互に位置するように、ロータ軸12の軸線AXを中心としてロータ軸方向及びロータ周方向に整列した状態で、ロータ軸12の外周に固定されている。
【0014】
複数の燃焼器15の各々は、圧縮機13で生成された圧縮空気を利用して燃焼ガスを生成可能である。燃焼器15には、圧縮空気とともに燃料を供給可能であり、燃料が燃焼することで燃焼ガスが生成される。複数の燃焼器15は、燃焼器ケーシング151の内部に配置されている。燃焼器ケーシング151は、円筒形状に形成され、その内部をロータ軸12が貫通するとともに、その内部に複数の燃焼器15を収容する円筒状の空間(車室)を有している。
【0015】
複数の燃焼器15は、ロータ周方向に配置されている。複数の燃焼器15は、例えば、16個の燃焼器15で構成され、ロータ周方向において等間隔に配置されている。
【0016】
複数の燃焼器15の各々は、燃焼筒153及び尾筒155を有する。燃焼筒153には、圧縮機13で生成された圧縮空気とともに燃料を供給可能であり、燃料が燃焼されることで燃焼ガスが生成される。燃焼筒153は、円筒形状に形成され、燃焼筒の軸線がロータ軸方向に沿って配置されている。燃焼筒153の一端開口が給気口157とされ、当該給気口157が圧縮機13の吐出口139に向けて配置されている。尾筒155は、燃焼筒153で生成された燃焼ガスを燃焼筒153からタービン17に導出可能である。
【0017】
上述した燃焼器15では、高温高圧の圧縮空気が給気口157から燃焼筒153の内部に流れ込むと、圧縮空気がメイン燃焼バーナから噴射された燃料と混合され、予混合気の旋回流を生成する。
【0018】
タービン17は、燃焼ガスを利用してロータ軸12の回転動力を生成可能である。タービン17は、タービンケーシング171、複数段の静翼組立体173及び複数段のタービン動翼175を有する。タービンケーシング171は円筒形状に形成され、その内部をロータ軸12が貫通するとともに、その内部に静翼組立体173及びタービン動翼175を収容する円筒形状の空間(車室)を有している。また、タービンケーシング171は、その空気流れ方向下流に排気室177を有している。排気室177は、排気ディフューザ179を有し、ロータ軸12の回転動力を生成した排気ガスを排出可能である。複数段の静翼組立体173は、ロータ軸12の軸線AXを中心としてロータ軸方向及びロータ周方向に整列した状態でタービンケーシング171の内側に固定されている。複数段のタービン動翼175は、ロータ軸方向において静翼組立体173と交互に位置するように、ロータ軸12の軸線AXを中心としてロータ軸方向及びロータ周方向に整列した状態で、ロータ軸の外周に固定されている。
【0019】
ロータ軸12は、圧縮機側の端部が軸受部121に支持され、排気室側の端部が軸受部123に支持されている。これにより、ロータ軸12は、ロータ軸12の軸線を中心として回転自在である。また、ロータ軸12は、図に明示しないが、圧縮機側の端部に発電機の駆動軸が連結されている。
【0020】
上述したガスタービン1は、圧縮機13の取入口から空気が取り込まれ、かかる空気が複数段の圧縮機静翼133と複数段の圧縮機動翼135を通過することで圧縮される。これにより、圧縮機13を通過した空気は高温高圧の圧縮空気となる。そして、この高温高圧の圧縮空気は、燃焼器15に燃料とともに供給され、燃料が燃焼することで高温高圧の燃焼ガスが生成される。この燃焼ガスがタービン17の複数段の静翼組立体173と複数段のタービン動翼175とを通過することでロータ軸12の回転動力が生成され、ロータ軸12が回転駆動される。そして、ロータ軸12に連結された発電機に回転動力を付与することで発電が行われる。一方、ロータ軸12を回転駆動した後の排気ガスは、排気室の排気ディフューザを経て排気ガスとして大気に放出される。
【0021】
図2は、
図1に示したガスタービン1の要部構成を概略的に示す断面図である。
図3は、
図2に示したガスタービン1のIIIA−IIIB−IIIC−IIID−IIIE−IIIF線断面図であり、
図4は、
図2に示したガスタービン1のIV−IV線断面図である。
図5は、
図3に示したガスタービン1のV−V線断面図である。尚、
図2は、
図3に示したII−II線断面図となる。
【0022】
図2に示すように、実施形態に係るガスタービン1は、冷却空気マニホールド組立体6、下半ケーシング4A及び上半ケーシング4Bを備えている。
【0023】
冷却空気マニホールド組立体6は、圧縮機13とタービン17との間であって、ロータ軸12の径方向において燃焼器15の内側に設けられる。冷却空気マニホールド組立体6は、軸線CNTを中心として環状に形成される環状体である。冷却空気マニホールド組立体6は、軸線CNTを通る水平面を境に上下に分割可能な構造(上下分割構造)になっており、下半部6Aと上半部6Bとにより冷却空気マニホールド組立体6が構成される。
【0024】
冷却空気マニホールド組立体6は、冷却空気マニホールド3、中間軸カバー51及び内側ディフューザ53を含んで構成される。
【0025】
冷却空気マニホールド3は、ロータ軸12の外周に設けられる環状体であって、軸線CNTを中心とする円筒状に設けられている。冷却空気マニホールド3は、軸線CNTを通る水平面を境に上下に分割可能な構造(上下分割構造)になっており、下半部3Aと上半部3Bとにより冷却空気マニホールド3が構成される。冷却空気マニホールド3の下半部3Aには、水平キー31と、フランジ32Aとが設けられている(水平キー31は
図2に現れるものではないが、理解の便宜のため窓を設けて水平支持面41とともに示している。以下、
図5において同じ。)。
図3に示すように、水平キー31は、冷却空気マニホールド3の径方向外側かつ水平方向に突出する第1凸部であって、水平キー31の下面が軸線CNTを通る水平面上に位置するように下半部3Aの径方向外側に設けられている。
【0026】
図2に示すように、フランジ32Aは、冷却空気マニホールド3の周方向において水平キー31と異なる位置から径方向外側に突出する第2凸部であって、フランジ32Aが水平キー31よりも圧縮機側に位置するように設けられている。冷却空気マニホールド3の上半部3Bには、フランジ32Bが設けられている。フランジ32Bは、冷却空気マニホールド3の軸方向において冷却空気マニホールド3の下半部3Aに設けられたフランジ32Aと同じ位置に設けられている。
【0027】
中間軸カバー51は、冷却空気マニホールド3のタービン側に取り付けられている。中間軸カバー51は、冷却空気マニホールド3と同様にロータ軸12の外周に設けられる環状体であって、軸線CNTを中心とする円環状に設けられている。中間軸カバー51は、冷却空気マニホールド3と同様に軸線CNTを通る水平面を境に上下に分割可能な構造(上下分割構造)になっており、下半部51Aと上半部51Bとにより中間軸カバー51が構成される。よって、中間軸カバー51の下半部51Aは冷却空気マニホールド3の下半部3Aに取り付けられた状態で下半ケーシング4Aに組み付けられ、中間軸カバー51の上半部51Bは冷却空気マニホールド3の上半部3Bに取り付けられた状態で冷却空気マニホールド3の下半部3Aに取り付けられた中間軸カバー51の下半部51Aに取り付けられる。
【0028】
内側ディフューザ53は、中間軸カバー51の圧縮機側であって冷却空気マニホールド3の径方向内側に取り付けられている。内側ディフューザ53は、冷却空気マニホールド3及び中間軸カバー51と同様にロータ軸12の外周に設けられる環状体であって、軸線CNTを中心とする円筒状に設けられている。内側ディフューザ53は、冷却空気マニホールド3及び中間軸カバー51と同様に軸線CNTを通る水平面を境に上下に分割可能な構造(上下分割構造)になっており、下半部53Aと上半部53Bとにより内側ディフューザ53が構成される。よって、内側ディフューザ53の下半部53Aは中間軸カバー51の下半部51Aに取り付けられた状態で下半ケーシング4Aに組み付けられ、内側ディフューザ53の上半部53Bは中間軸カバー51の上半部51Bに取り付けられた状態で中間軸カバー51の下半部51Aに取り付けられた内側ディフューザ53の下半部53Aに取り付けられる。
【0029】
よって、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aは、冷却空気マニホールド3の下半部3A、中間軸カバー51の下半部51A及び内側ディフューザ53の下半部53Aを含み、中間軸カバー51の下半部51Aに冷却空気マニホールド3の下半部3A及び内側ディフューザ53の下半部53Aが取り付けられた状態で取り扱われる。同様に、冷却空気マニホールド組立体6の上半部6Bは、冷却空気マニホールド3の上半部3B、中間軸カバー51の上半部51B及び内側ディフューザ53の上半部53Bを含み、中間軸カバー51の上半部51Bに冷却空気マニホールド3の上半部3B及び内側ディフューザ53の上半部53Bが取り付けられた状態で取り扱われる。
【0030】
上述した中間軸カバー51の径方向内側にはシールリング保持環7が取り付けられている。シールリング保持環7は、冷却空気マニホールド3、中間軸カバー51及び内側ディフューザ53と同様にロータ軸12の外周に設けられる環状体であって、軸線CNTを中心とする円筒状に設けられている。シールリング保持環7は、冷却空気マニホールド3、中間軸カバー51及び内側ディフューザ53と同様に軸線CNTを通る水平面を境に上下に分割可能な構造(上下分割構造)になっており、下半部7Aと上半部7Bとによりシールリング保持環7が構成される。よって、シールリング保持環7の下半部7Aは下半ケーシング4Aに冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aが取り付けられた後に冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aに取り付けられる。
【0031】
図3に示すように、下半ケーシング4Aは、冷却空気マニホールド組立体6を収容するケーシング4の下半部分であって、半円筒状の収容空間を有している。下半ケーシング4Aは、水平支持面41及び溝45(
図5参照)を有している。水平支持面41は、水平キー31を下方から支持する支持面であって、
図3に示す例では、軸線CNTを通る水平面上に設けられているが、水平支持面41は、水平キー31を水平に支持するものであれば、軸線CNTを通る水平面に設けられるものに限られるものではない。
図5に示すように、溝45は、冷却空気マニホールド組立体6の径方向外側に凹み、フランジ32Aが収容される第1凹部である。
【0032】
図7に示すように、冷却空気マニホールド組立体6の軸方向において溝45の寸法W1はフランジ32Aの寸法W2よりも大きく、
図8に示すように、冷却空気マニホールド組立体6の軸線CNTが水平方向に沿って配置され、フランジ32Aが溝45に収容された状態において、フランジ32Aと溝45との間に冷却空気マニホールド組立体6の軸方向において隙間が設けられる。
【0033】
図2に示すように、上半ケーシング4Bは、冷却空気マニホールド組立体6を収容するケーシング4の上半部分であって、下半ケーシング4Aとともにケーシング4を構成する。上半ケーシング4Bには、周方向溝42Bが設けられている。周方向溝42Bは、フランジ32Bが収容される溝であって、冷却空気マニホールド組立体6の軸方向において下半ケーシング4Aに設けられた周方向溝42Aと同じ位置に冷却空気マニホールド組立体6の周方向に沿って設けられている。
【0034】
上述した実施形態に係るガスタービン1によれば、水平支持面41が水平キー31を下方から支持することで、下半ケーシング4Aが冷却空気マニホールド組立体6を支持する。
また、溝45にフランジ32Aが収容されるので、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aのモーメントによる倒れ(姿勢変化)を抑制でき、ガスタービン1の組立・分解中において冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの姿勢を保持できる。よって、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aと下半ケーシング4Aとを結合構造とする必要がなくなり、ガスタービン1の組立・分解を容易に行える。
【0035】
図8に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、冷却空気マニホールド組立体6の軸線CNTが水平方向に沿って配置され、フランジ32Aが溝45に収容された状態において、フランジ32Aの溝45に収容された部分の鉛直方向の寸法Hは、隙間の寸法ΔWよりも大きい。
【0036】
このような構成によれば、溝45にフランジ32Aが収容された状態が確保されるので、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aのモーメントによる倒れ(姿勢変化)を抑制でき、ガスタービン1の組立・分解中において冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの姿勢を保持できる。よって、ガスタービン1の組立・分解を容易に行える。
【0037】
図5に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、下半ケーシング4Aには周方向溝42Aとサイドピン用の穴43とが設けられる。周方向溝42Aは、冷却空気マニホールド組立体6の周方向に沿って設けられ、フランジ32Aが収容される下半ケーシング4Aを冷却空気マニホールド組立体6の径方向に貫通する。サイドピン用の穴43は、サイドピン用の穴43の冷却空気マニホールド組立体6の径方向内側において周方向溝42Aと連通する。サイドピン用の穴43には冷却空気マニホールド組立体6の径方向外側からサイドピン44が挿入される。これにより、溝45の冷却空気マニホールド組立体6の軸方向の寸法は、サイドピン用の穴43に挿入されたサイドピン44のフランジ32Aに対向する面44a1(
図7参照)により画定される。
【0038】
このような構成によれば、溝45の軸方向の寸法は、サイドピン用の穴43に挿入されたサイドピン44のフランジ32Aに対向する面44a1により画定されるので、サイドピン用の穴43にサイドピン44を挿入することで、溝45の軸方向の寸法を画定できる。また、周方向溝42Aにフランジ32Aが収容された後に、サイドピン用の穴43にサイドピン44を挿入できるので、溝45の冷却空気マニホールド組立体6の軸方向の寸法調整を容易にできる(サイドピン44を切削調整できる)。さらに、周方向溝42Aにフランジ32Aが収容された後に溝45の冷却空気マニホールド組立体6の軸方向の寸法をより細かく設定できる。
【0039】
図7に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、サイドピン44のフランジ32Aに対向する面44a1は、サイドピン44の先端部に形成された切り欠き44aに設けられている。
【0040】
このような構成によれば、サイドピン44のフランジ32Aに対向する面44a1は、サイドピン44の先端部に形成された切り欠き44aに設けられているので、溝45の軸方向の寸法は、サイドピン44の先端部に形成された切り欠き44aによって画定される。換言すると、サイドピン用の穴43にサイドピン44を挿入することで、周方向溝42Aの一方の壁面42a1とサイドピン44の切り欠き44aに設けられた面44a1とにより溝45の軸方向の寸法を画定できる。また、周方向溝42Aにフランジ32Aが収容された後に、サイドピン用の穴43にサイドピン44を挿入できるので、周方向溝42Aの一方の壁面42a1とサイドピン44の切り欠き44aに設けられた面44a1とにより画定される溝45の軸方向の寸法調整を容易にできる(サイドピン44の切り欠き44aに設けた面44a1を切削調整できる)。さらに、周方向溝42Aにフランジ32Aが収容された後に周方向溝42Aの一方の壁面42a1とサイドピン44の切り欠き44aに設けられた面44a1とにより画定される溝45の軸方向の寸法W1をより細かく設定できる。
【0041】
図9に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、水平キー31の冷却空気マニホールド組立体6の軸方向における位置は、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの重心Gの冷却空気マニホールド組立体6の軸方向における位置と異なる。
【0042】
このような構成によれば、ガスタービン1の組立・分解時において、フランジ32Aが周方向溝42Aの壁面42a2に干渉するので、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aのモーメントによる倒れ(姿勢変化)を抑制でき、ガスタービン1の組立・分解時において冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの姿勢を保持できる。よって、ガスタービン1の組立・分解を容易に行える。
【0043】
図8に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、冷却空気マニホールド組立体6の軸線CNTが水平方向に沿って配置され、フランジ32Aが溝45に収容された状態において、フランジ32Aの底面と溝45の底面との間には鉛直方向における隙間が設けられる。
【0044】
このような構成によれば、フランジ32Aの底面と溝45の底面との間には鉛直方向における隙間が設けられるので、フランジ32Aの底面が溝45の底面に接触(干渉)するのを防止できる。これにより、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの下半ケーシング4Aに対する姿勢を調整できる。
【0045】
図9に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、第2凸部(フランジ32A)は水平キー31よりも鉛直方向下方に設けられる。
【0046】
ガスタービン1において、水平キー31から冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの重心がずれていた場合に発生するモーメントM1を打ち消すモーメントM2を効果的に発生させるためには、
図9に示すように、支点としての水平キー31からの腕の長さを十分に確保した位置に第2凸部(フランジ32A)を設けることが望まれる。
このガスタービン1によれば、第2凸部(フランジ32A)は水平キー31よりも鉛直方向下方に設けられることで、支点としての水平キー31からの腕の長さを十分に確保した位置に第2凸部(フランジ32A)を設けることができる。よって、水平キー31から冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの重心がずれていた場合に冷却空気マニホールド組立体6に発生するモーメントM1を打ち消すモーメントM2を第2凸部(フランジ32A)が存在することによって、冷却空気マニホールド組立体6に効果的に発生させることができる。
【0047】
図3に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、下半ケーシング4Aには、トルクピン用の穴46Aが設けられている。トルクピン用の穴46Aは下半ケーシング4Aを冷却空気マニホールド組立体6の径方向に貫通する第2穴である。トルクピン用の穴46Aは、例えば、軸線CNTの直下に設けられている。また、実施形態に係るガスタービン1では、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aには、トルクピン用の溝33Aが設けられている。トルクピン用の溝33Aは、冷却空気マニホールド組立体6の径方向内側に凹む第2凹部である。トルクピン用の溝33Aは、例えば、冷却空気マニホールド3の下半部3Aに設けられたフランジ32Aに設けられている。トルクピン用の溝33Aは、例えば、軸線CNTの直下において冷却空気マニホールド組立体6の軸方向にフランジ32Aを横切るように設けられている。また、実施形態に係るガスタービン1は、トルクピン34Aを備える。トルクピン34Aは、トルクピン用の穴46A及びトルクピン用の溝33Aに冷却空気マニホールド組立体6の径方向外側から挿入される。
【0048】
このような構成によれば、トルクピン34Aがトルクピン用の穴46A及びトルクピン用の溝33Aに冷却空気マニホールド組立体6の径方向外側から挿入されることで、下半ケーシング4Aに対して冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aが冷却空気マニホールド組立体6の周方向において拘束される。つまり、下半ケーシング4Aに対して冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aを冷却空気マニホールド組立体6の周方向において固定できる。
【0049】
実施形態に係るガスタービン1では、トルクピン用の穴46Aは、周方向溝42Aと連通している。
このような構成によれば、トルクピン34Aをトルクピン用の穴46Aに挿入すると、トルクピン34Aが周方向溝42Aを通り、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aに設けられたトルクピン用の溝33Aに挿入される。
【0050】
実施形態に係るガスタービン1では、上半ケーシング4Bには、トルクピン用の穴46Bが設けられている。トルクピン用の穴46Bは上半ケーシング4Bを冷却空気マニホールド組立体6の径方向に貫通する第3穴である。トルクピン用の穴46Bは、例えば、軸線CNTの直上に設けられている。また、実施形態に係るガスタービンでは、冷却空気マニホールド組立体6の上半部6Bには、トルクピン用の溝33Bが設けられている。トルクピン用の溝33Bは、冷却空気マニホールド組立体6の径方向内側に凹む第2凹部である。トルクピン用の溝33Bは、例えば、冷却空気マニホールド3の上半部3Bに設けられたフランジ32Bに設けられている。トルクピン用の溝33Bは、例えば、軸線CNTの直上において冷却空気マニホールド組立体6の軸方向にフランジ32Bを横切るように設けられている。また、実施形態に係るガスタービン1は、トルクピン34Bを備える。トルクピン34Bは、トルクピン用の穴46B及びトルクピン用の溝33Bに冷却空気マニホールド組立体6の径方向外側から挿入される。
【0051】
このような構成によれば、トルクピン34Bがトルクピン用の穴46B及びトルクピン用の溝33Bに冷却空気マニホールド組立体6の径方向外側から挿入されることで、上半ケーシング4Bに対して冷却空気マニホールド組立体6の上半部6Bが冷却空気マニホールド組立体6の周方向において拘束される。つまり、上半ケーシング4Bに対して冷却空気マニホールド組立体6の上半部6Bを冷却空気マニホールド組立体6の周方向において固定できる。
【0052】
実施形態に係るガスタービン1では、トルクピン用の穴46Bは、周方向溝42Bと連通している。
このような構成によれば、トルクピン34Bをトルクピン用の穴46Bに挿入すると、トルクピン34Bが周方向溝42Bを通り、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aに設けられたトルクピン用の溝33Bに挿入される。
【0053】
実施形態に係るガスタービン1では、サイドピン用の穴43は、軸線CNTと交差して鉛直方向に延びる基準線RLの両側に設けられる。例えば、サイドピン用の穴43は、下半ケーシング4Aの下方域であって、基準線RLの両側に各々一つずつ設けられている。
【0054】
このような構成によれば、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aは、軸線CNTと交差して鉛直方向に延びる基準線RLの両側において支持されるので、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aはバランスよく支持可能となる。
【0055】
図5示すように、実施形態に係るガスタービン1では、水平キー31とフランジ32Aとが軸方向において離れた位置に設けられる。
【0056】
ガスタービン1において、熱伸びを許容するためには冷却空気マニホールド組立体6の軸方向において溝45とフランジ32Aとの寸法差(軸方向寸法差ΔW)がある程度必要となるが、
図10に示すように、溝45とフランジ32Aとの寸法差(軸方向寸法差ΔW)を大きくすると、冷却空気マニホールド組立体6のモーメントによる倒れ(Δθ)も大きくなってしまう。
一方、溝45とフランジ32Aとの寸法差(軸方向寸法差ΔW)が同じでも、水平キー31からフランジ32A(溝45)までの距離Rを大きくすると、冷却空気マニホールド組立体6のモーメントによる倒れ(Δθ)は小さくなる。換言すると、冷却空気マニホールド組立体のモーメントによる倒れ(Δθ)が一定でも、水平キー31からフランジ32A(溝45)までの距離Rが大きければ、溝45とフランジ32Aとの寸法差(軸方向寸法差ΔW)を大きくできる。
このガスタービン1によれば、水平キー31とフランジ32A(溝45)とを冷却空気マニホールド組立体6の軸方向において離れた位置(例えば、
図10においてDだけ離れた位置)に設けることで、水平キー31とフランジ32A(溝45)との距離Rを大きくとることができるので、冷却空気マニホールド組立体6の軸方向における溝45とフランジ32Aの寸法差を十分な量確保しつつ冷却空気マニホールド組立体6のモーメントによる倒れ(Δθ)を上限以下に収めることができる。
【0057】
図11に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、フランジ32A,32Bにはトルクピン用の溝33A,33Bと異なる位置において、冷却空気マニホールド組立体6の周方向に複数のスリット36A,36Bが設けられている。複数のスリットは、例えば、冷却空気マニホールド組立体6の周方向に冷却空気マニホールド組立体6の全周に亘り設けられており、径方向外側から径方向内側に向けて凹んで設けられている。
【0058】
このような構成によれば、フランジ32A,32Bには、トルクピン用の溝33A,33Bと異なる位置において、周方向に複数のスリット36A,36Bが設けられているので、冷却空気マニホールド3のオーバル変形を低減できる。
【0059】
図4に示すように、実施形態に係るガスタービン1では、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aには、ジャッキボルト用のフランジ35が設けられる。ジャッキボルト用のフランジ35は、フランジ32Aと冷却空気マニホールド組立体6の軸方向で異なる位置において、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aから冷却空気マニホールド組立体6の径方向外側に突出する第3凸部である。
図5に示すように、ジャッキボルト用のフランジ35は、例えば、水平キー31よりも重力方向下方の位置においてフランジ32Aよりもタービン側に設けられている。ジャッキボルト用のフランジ35には第1面35aが設けられる。第1面35aは、冷却空気マニホールド組立体6の軸方向のうちジャッキボルト用のフランジ35からみてフランジ32Aが存在する側である冷却空気マニホールド組立体6の軸方向フランジ32A側を向き、ジャッキボルト用のフランジ35には冷却空気マニホールド組立体6の軸方向と平行なボルト穴351が設けられている。ボルト穴351にはジャッキボルトJBが嵌合可能である。一方、下半ケーシング4Aには、第2面47aが設けられる。第2面47aは、冷却空気マニホールド組立体6の軸方向のうち冷却空気マニホールド組立体6の軸方向フランジ32A側と反対側を向き、第1面35aと対向する。
【0060】
このような構成によれば、ジャッキボルト用のフランジ35に設けられた第1面35aと下半ケーシング4Aに設けられた第2面47aとの間の冷却空気マニホールド組立体6の軸方向距離を調整することで、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの姿勢を調整できる。
【0061】
実施形態に係るガスタービン1では、第1面35aと第2面47aとの間に伸縮部材(図示せず)を備える。伸縮部材は、例えば、油圧ジャッキであり、第1面35aと第2面47aとの間の冷却空気マニホールド組立体6の軸方向距離を変更可能である。
【0062】
このような構成によれば、伸縮部材によってジャッキボルト用のフランジ35に設けられた第1面35aと下半ケーシング4Aに設けられた第2面47aとの間の冷却空気マニホールド組立体6の軸方向距離を調整することで、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの姿勢を調整できる。
【0063】
図12及び
図13は、実施形態に係るガスタービン1の組立方法を概略的に示す模式図である。
図12に示すように、実施形態に係るガスタービン1の組立方法は、移動ステップ及び回動ステップを含む。
【0064】
移動ステップは、水平支持面41によって水平キー31が下方から支持され、かつ、周方向溝42Aにフランジ32Aが収容されるように、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aを鉛直方向に移動させるステップである。移動ステップでは、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aが下半ケーシング4Aに収容され、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aが下半ケーシング4Aに支持される。水平キー31から冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの重心がずれている場合に冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aは支点としての水平キー31周りに傾いて下半ケーシング4Aに支持される。
【0065】
回動ステップは、周方向溝42Aの壁面にフランジ32Aが接触するように、水平キー31よりも鉛直方向下方の位置において冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aに軸線CNT方向に力(軸方向力)を作用させて水平キー31周りに冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aを回動させるステップである。回動ステップでは、ジャッキボルト用のフランジ35に設けられたボルト穴351にジャッキボルトJBを嵌合し、ボルト穴351に嵌合したジャッキボルトJBを回転させることで、下半ケーシング4Aから反力を得る。これにより、冷却空気マニホールド組立体6の下半部の倒れ(姿勢)が矯正される。
【0066】
上述した実施形態に係るガスタービン1の組立方法によれば、水平支持面41によって水平キー31が下方から支持され、かつ、周方向溝42Aにフランジ32Aが収容されるように、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aを鉛直方向に移動させることで、下半ケーシング4Aが冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aを下方から支持する。
また、ガスタービン1の組立中に周方向溝42Aの壁面にフランジ32Aが接触するように、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aを回動させることで、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの姿勢が適正に保持される。よって、ガスタービン1の組み立てを容易に行うことができる。
【0067】
実施形態に係るガスタービン1の組立方法は、更に、ピン挿入ステップ及びクリアランス計測ステップを含む。
【0068】
ピン挿入ステップは、サイドピン用の穴43にサイドピン44を挿入するとともにトルクピン用の穴46Aにトルクピン34Aを挿入するステップである。ピン挿入ステップでは、ロータ軸12の軸方向において溝45が画定されるので、ロータ軸12の軸方向において溝45の寸法が確定し、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの姿勢が確定する。また、ピン挿入ステップでは、下半ケーシング4Aに対して冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aの周方向が拘束される。
【0069】
クリアランス計測ステップは、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6Aに対してシールリング保持環7及びロータ軸12を設置するとともに、ロータ軸12の設置前とロータ軸12の設置後にロータ軸12とシールリング保持環7のクリアランスを計測するステップであり、クリアランスが適正でない場合には水平キー31とサイドピン44を切削調整する。クリアランス計測ステップでは、ロータ軸12とシールリング保持環7のクリアランスが適正に調整され、ロータ軸12が設置される。
【0070】
上述した実施形態に係るガスタービン1の組立方法によれば、ロータ軸12とシールリング保持環7のクリアランスが適正に調整され、ロータ軸12が設置される。
【0071】
図13に示すように、実施形態に係るガスタービン1の組立方法は、更に、設置ステップ及びクリアランス確認ステップを含む。
【0072】
設置ステップは、冷却空気マニホールド組立体6の上半部6B及び上半ケーシング4Bを設置するステップである。上半ケーシング4Bを設置するステップでは、フランジ32Bが周方向溝42Bに収容されるように、上半ケーシング4Bを鉛直方向に移動させる。そして、トルクピン用の穴46Bにトルクピン34Bを挿入する。設置ステップでは、冷却空気マニホールド組立体6の上半部6B及び上半ケーシング4Bが設置され、上半ケーシング4Bに対して冷却空気マニホールド組立体6の上半部6Bの周方向が拘束される。
【0073】
クリアランス確認ステップでは、上半ケーシング4Bを設置後にロータ軸12とシールリング保持環7のクリアランスを計測するステップであり、クリアランスが適正であることを確認後に、ジャッキボルト用のフランジ35に設けられたボルト穴351からジャッキボルトJBを取り外すことで一連の組立を終了する。
【0074】
実施形態に係るガスタービン1の分解方法は、ガスタービン1の組立方法のステップと反対にステップを進めればよいが、クリアランス確認ステップ及びクリアランス計測ステップは不要である。
【0075】
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
例えば、上述したガスタービン1では、冷却空気マニホールド組立体6を環状体の例として説明したが、環状体はこれに限られるものではなく、例えば、環状体には冷却空気マニホールド3も含まれる。
例えば、上述したガスタービン1の組立方法では、冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A及び上半部6Bを組立単位として説明したが、冷却空気マニホールド3の下半部3A及び上半部3Bを組立単位とし、その後、中間軸カバー51の下半部51A、内側ディフューザ53の下半部53A、中間軸カバー51の上半部51B、及び内側ディフューザ53の上半部53Bを組み付けるものとしてもよい。
【0076】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば、以下のように把握される。
【0077】
[1]の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、
軸線(CNT)を中心として環状に形成された環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の一部を構成し、前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の径方向外側かつ水平方向へ突出する第1凸部(水平キー31)と、前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の周方向において前記第1凸部(水平キー31)と異なる位置から前記径方向外側へ突出する第2凸部(フランジ32A)と、が設けられた第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)と、
前記第1凸部(水平キー31)を下方から支持する支持面(水平支持面41)と、前記径方向外側へ凹み、前記第2凸部(フランジ32A)が収容される第1凹部(周方向溝42Aとサイドピン44とによって画定される溝45)と、が設けられた第1ケーシング(下半ケーシング4A)と、
を備え、
前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の軸方向において前記第1凹部(溝45)の寸法(W1)は前記第2凸部(フランジ32A)の寸法(W2)よりも大きく、
前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の軸線(CNT)が水平方向に沿って配置され、前記第2凸部(フランジ32A)が前記第1凹部(溝45)に収容された状態において、前記第2凸部(フランジ32A)と前記第1凹部(溝45)との間に前記軸方向において隙間が設けられる。
【0078】
このような構成によれば、支持面(水平支持面41)が第1凸部(水平キー31)を下方から支持することで、第1ケーシング(下半ケーシング4A)が第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)を下方から支持する。
また、第1凹部(溝45)に第2凸部(フランジ32A)が収容されるので、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)のモーメントによる倒れ(姿勢変化)を抑制でき、タービン組立体(ガスタービン1)の組立・分解中において第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の姿勢を保持できる。よって、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)と第1ケーシング(下半ケーシング4A)とを結合構造とする必要がなくなる。
【0079】
[2]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の軸線(CNT)が水平方向に沿って配置され、前記第2凸部(フランジ32A)が前記第1凹部(溝45)に収容された状態において、前記第2凸部(フランジ32A)の前記第1凹部(溝45)に収容された部分の鉛直方向の寸法(H)は、前記隙間の寸法(ΔW)よりも大きい。
【0080】
このような構成によれば、第1凹部(溝45)に第2凸部(フランジ32A)が収容された状態が確保されるので、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)のモーメントによる倒れ(姿勢変化)を抑制でき、タービン組立体(ガスタービン1)の組立・分解中において第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の姿勢を保持できる。よって、タービン組立体(ガスタービン1)の組立・分解を容易に行える。
【0081】
[3]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]又は[2]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第1ケーシング(下半ケーシング4A)には、前記周方向に沿って設けられ、前記第2凸部(フランジ32A)が収容される周方向溝(42A)と、前記第1ケーシング(下半ケーシング4A)を前記径方向に貫通する第1穴(サイドピン用の穴43)と、が設けられ、
前記第1穴(サイドピン用の穴43)は、前記第1穴(43)の前記径方向内側において前記周方向溝(42A)と連通し、
前記第1穴(43)に前記径方向外側から挿入されるサイドピン(44)を備え、
前記第1凹部(溝45)の前記軸方向の寸法は、前記第1穴(43)に挿入された前記サイドピン(44)の前記第2凸部(フランジ32A)に対向する面(44a1)により画定される。
【0082】
このような構成によれば、第1凹部(溝45)の軸方向の寸法は、第1穴(43)に挿入されたサイドピン(44)の第2凸部(フランジ32A)に対向する面(44a1)により画定されるので、第1穴(43)にサイドピン(44)を挿入することで、第1凹部(溝45)の軸方向の寸法を画定できる。また、周方向溝(42A)に第2凸部(フランジ32A)が収容された後に、第1穴(43)にサイドピン(44)を挿入できるので、第1凹部(溝45)の軸方向の寸法調整を容易にできる(サイドピン(44)を切削調整できる)。さらに、周方向溝(42A)に第2凸部(フランジ32A)が収容された後に第1凹部(溝45)の軸方向の寸法をより細かく設定できる。
【0083】
[4]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[3]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記サイドピン(44)の第2凸部(フランジ32A)に対向する面(44a1)は、前記サイドピン(44)の先端部に形成された切り欠き(44a)に設けられている。
【0084】
このような構成によれば、サイドピン(44)の前記第2凸部(フランジ32A)に対向する面(44a1)は、前記サイドピン(44)の先端部に形成された切り欠き(44a)に設けられているので、第1凹部(溝45)の軸方向の寸法は、サイドピン(44)の先端部に形成された切り欠き(44a)によって画定される。換言すると、第1穴(43)にサイドピン(44)を挿入することで、第1凹部(溝45)の一方の壁面とサイドピン(44)の切り欠き(44a)に設けられた面(44a1)とにより第1凹部(溝45)の軸方向の寸法を画定できる。また、周方向溝(42A)に第2凸部(フランジ32A)が収容された後に、第1穴(サイドピン用の穴43)にサイドピン(44)を挿入できるので、周方向溝(42A)の一方の壁面とサイドピン(44)の切り欠き(44a)に設けられた面(44a1)とにより画定される第1凹部(溝45)の軸方向の寸法調整を容易にできる(サイドピン(44)の切り欠き(44a)に設けた面を切削調整できる)。さらに、周方向溝(42A)に第2凸部(フランジ32A)が収容された後に周方向溝(42A)の一方の壁面とサイドピン(44)の切り欠き(44a)に設けられた面(44a1)とにより画定される第1凹部(溝45)の軸方向の寸法をより細かく設定できる。
【0085】
[5]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[3]又は[4]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第1凸部(水平キー31)の前記軸方向における位置は、前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の重心の前記軸方向における位置と異なる。
【0086】
このような構成によれば、タービン組立体(ガスタービン1)の組立・分解時において、第2凸部(フランジ32A)が周方向溝(42A)の壁面に干渉するので、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)のモーメントによる倒れ(姿勢変化)を抑制でき、タービン組立体(ガスタービン1)の組立・分解時において第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の姿勢を保持できる。よって、タービン組立体(ガスタービン1)の組立・分解を容易に行える。
【0087】
[6]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[5]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の軸線(CNT)が水平方向に沿って配置され、前記第2凸部(フランジ32A)が前記第1凹部(溝45)に収容された状態において、前記第2凸部(フランジ32A)の底面と前記第1凹部(溝45)の底面との間には鉛直方向における隙間が設けられる。
【0088】
このような構成によれば、第2凸部(フランジ32A)の底面と第1凹部(溝45)の底面との間には鉛直方向における隙間が設けられるので、第2凸部(フランジ32A)の底面が第1凹部(溝45)の底面に接触(干渉)するのを防止できる。これにより、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の第1ケーシング(下半ケーシング4A)に対する姿勢を調整できる。
【0089】
[7]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[6]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第2凸部(フランジ32A)は前記第1凸部(水平キー31)よりも鉛直方向下方に設けられる。
【0090】
[1]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)において、第1凸部(水平キー31)から第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の重心がずれていた場合に発生するモーメントを打ち消すモーメントを効果的に発生させるためには、支点としての第1凸部(水平キー31)からの腕の長さを十分に確保した位置に第2凸部(フランジ32A)を設けることが望まれる。
[7]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)によれば、第2凸部(フランジ32A)は前記第1凸部(水平キー31)よりも鉛直方向下方に設けられることで、支点としての第1凸部(水平キー31)からの腕の長さを十分に確保した位置に第2凸部(フランジ32A)を設けることができる。よって、第1凸部(水平キー31)から第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の重心がずれていた場合に発生するモーメントを打ち消すモーメントを第2凸部(フランジ32A)が効果的に発生させることができる。
【0091】
[8]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[7]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第1ケーシング(下半ケーシング4A)には、前記径方向に貫通する第2穴(トルクピン用の穴46A)が設けられ、
前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)には前記径方向内側に凹む第2凹部(トルクピン用の溝33A)が設けられ、
前記第2穴(トルクピン用の穴46A)及び前記第2凹部(トルクピン用の溝33A)に前記径方向外側から挿入されるトルクピン(34A)を備える。
【0092】
このような構成によれば、トルクピン(34A)が第2穴(トルクピン用の穴46A)及び第2凹部(トルクピン用の溝33A)に環状体(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の径方向外側から挿入されることで、第1ケーシング(下半ケーシング4A)に対して第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)が環状体(冷却空気マニホールド組立体の下半部6A)の周方向において拘束され、第1ケーシング(下半ケーシング4A)に対して第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)を環状体(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の周方向において固定できる。
【0093】
[9]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[8]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)とともに前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)を構成する第2本体部(冷却空気マニホールド組立体6の上半部6B)を備える。
【0094】
このような構成によれば、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)に第2本体部(冷却空気マニホールド組立体6の上半部6B)を組み付けることで環状体(冷却空気マニホールド組立体6)が完成する。
【0095】
[10]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[8]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第2穴(トルクピン用の穴46A)は、前記前記周方向に沿って設けられた周方向溝(42A)と連通している。
【0096】
このような構成によれば、トルクピン(34A)を第2穴(トルクピン用の穴46A)に挿入すると、トルクピン(34A)が周方向溝(42A)を通り、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)に設けられた第2凹部(トルクピン用の溝33A)に挿入される。
【0097】
[11]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[8]又は[10]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第2凸部は前記周方向に延在するフランジ(32A)を含み、前記フランジ(32A)には前記第2凹部(トルクピン用の溝33A)が設けられている。
【0098】
このような構成によれば、トルクピン(34A)を第2穴(トルクピン用の穴46A)に挿入すると、トルクピン(34A)がフランジ(32A)に設けられている第2凹部(トルクピン用の溝33A)に挿入される。
【0099】
[12]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[11]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第2凸部(フランジ32A)と前記第1凹部(溝45)は、前記軸線(CNT)と交差して鉛直方向に延びる基準線(RL)の両側に設けられる。
【0100】
このような構成によれば、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)は、軸線(CNT)と交差して鉛直方向に延びる基準線(RL)の両側において支持されるので、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)はバランスよく支持可能となる。
【0101】
[13]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[12]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第1凸部(水平キー31)と前記第2凸部(フランジ32A)とが前記軸方向において離れた位置に設けられる。
【0102】
[1]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)において、熱伸びを許容するためには軸方向において第1凹部(溝45)と第2凸部(フランジ32A)との寸法差(軸方向寸法差ΔW)がある程度必要となるが、第1凹部(溝45)と第2凸部(フランジ32A)との寸法差(軸方向寸法差ΔW)を大きくすると、環状体(冷却空気マニホールド組立体6)のモーメントによる倒れ(Δθ)も大きくなってしまう。
一方、第1凹部(溝45)と第2凸部(フランジ32A)との寸法差(軸方向寸法差ΔW)が同じでも、第1凸部(水平キー31)から第2凸部(フランジ32A)までの距離Rを大きくすると、環状体(冷却空気マニホールド組立体6)のモーメントによる倒れ(Δθ)は小さくなる。換言すると、環状体(冷却空気マニホールド組立体6)のモーメントによる倒れ(Δθ)が一定でも、第1凸部(水平キー31)から第2凸部(フランジ32A)までの距離Rが大きければ、第1凹部(溝45)と第2凸部(フランジ32A)との寸法差(軸方向寸法差ΔW)を大きくできる。
[13]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)によれば、第1凸部(水平キー31)と第2凸部(フランジ32A)とを軸方向において離れた位置に設けることで、第1凸部(水平キー31)と第2凸部(フランジ32A)との距離Rを大きくとることができるので、環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の軸方向において第1凹部(溝45)と第2凸部(フランジ32A)との寸法差(軸方向寸法差ΔW)を十分な量確保しつつ環状体(冷却空気マニホールド組立体6)のモーメントによる倒れ(Δθ)を上限以下に収めることができる。
【0103】
[14]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[11]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記フランジ(32A)には、前記第2凹部(トルクピン用の溝33A)と異なる位置において、前記周方向に複数のスリット(36A)が設けられている。
【0104】
このような構成によれば、フランジ(32A)には、第2凹部(トルクピン用の溝33A)と異なる位置において、環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の周方向に複数のスリット(36A)が設けられているので、環状体(冷却空気マニホールド3)のオーバル変形を低減できる。
【0105】
[15]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[14]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)には、前記第2凸部(フランジ32A)と前記軸方向で異なる位置において、前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)から前記径方向外側へ突出する第3凸部(ジャッキボルト用のフランジ35)が設けられ、
前記第3凸部(ジャッキボルト用のフランジ35)には、前記軸方向のうち前記第3凸部(ジャッキボルト用のフランジ35)からみて前記第2凸部(フランジ32A)が存在する側である前記軸方向第2凸部(フランジ32A)側を向く第1面(35a)が設けられ、
前記第1ケーシング(下半ケーシング4A)には、前記軸方向のうち前記軸方向第2凸部(フランジ32A)側と反対側を向き、前記第1面(35a)に対向する第2面(47a)が設けられる。
【0106】
このような構成によれば、第3凸部(ジャッキボルト用のフランジ35)に設けられた第1面(35a)と第1ケーシング(下半ケーシング4A)に設けられた第2面(47a)との間の環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の軸方向距離を調整することで、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の姿勢を調整できる。
【0107】
[16]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[15]に記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記第1面(35a)と前記第2面(47a)との間に設置され、前記第1面(35a)と前記第2面(47a)との間の前記軸方向の距離を変更可能な伸縮部材(例えば、油圧ジャッキ)を備える。
【0108】
このような構成によれば、伸縮部材(例えば、油圧ジャッキ)によって第3凸部(ジャッキボルト用のフランジ35)に設けられた第1面(35a)と第1ケーシング(下半ケーシング4A)に設けられた第2面(47a)との間の軸方向の距離を調整することで、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の姿勢を調整できる。
【0109】
[17]別の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)は、[1]から[16]のいずれか一つに記載のタービン組立体(ガスタービン1)であって、
前記環状体は、少なくともガスタービンの中間軸カバー(51)と冷却空気マニホールド(3)とを含む冷却空気マニホールド組立体(6)からなる。
【0110】
このような構成によれば、冷却空気マニホールド組立体(6)を第1ケーシング(下半ケーシング4A)に容易に設置できる。
【0111】
[18]の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)の組立方法は、
軸線(CNT)を中心として環状に形成された環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の一部を構成し、前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の径方向外側かつ水平方向へ突出する第1凸部(水平キー31)と、前記環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の周方向において前記第1凸部(水平キー31)と異なる位置から前記径方向外側へ突出する第2凸部(フランジ32A)と、が設けられた第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)と、
前記第1凸部(水平キー31)を下方から支持する支持面(水平支持面41)と、前記周方向に沿って設けられ、径方向外側へ凹み、前記第2凸部(フランジ32A)が収容される周方向溝(42A)と、が設けられた第1ケーシング(下半ケーシング4A)と、
を備える、
タービン組立体(ガスタービン1)の組立方法において、
前記支持面(水平支持面41)によって前記第1凸部(水平キー31)が下方から支持され、かつ、前記周方向溝(42A)に前記第2凸部(フランジ32A)が収容されるように、前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)を鉛直方向に移動させる移動ステップと、
前記周方向溝(42A)の壁面(42a1)に前記第2凸部(フランジ32A)が接触するように、前記第1凸部(水平キー31)よりも鉛直方向下方の位置において前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)に軸方向力を作用させて前記第1凸部(水平キー31)周りに前記第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)を回動させる回動ステップと、
を含む。
【0112】
このような方法によれば、支持面(水平支持面41)によって第1凸部(水平キー31)が下方から支持され、かつ、周方向溝(42A)に第2凸部(フランジ32A)が収容されるように、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)を鉛直方向に移動させることで、第1ケーシング(下半ケーシング4A)が第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)を下方から支持する。
また、タービン組立体(ガスタービン1)の組立中に周方向溝(42A)の壁面に第2凸部(フランジ32A)が接触するように、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)を回動させることで、第1本体部(冷却空気マニホールド組立体6の下半部6A)の姿勢が適正に保持される。よって、タービン組立体(ガスタービン1)の組み立てを容易に行うことができる。
【0113】
[19]の態様に係るタービン組立体の組立方法は、[18]の態様に係るタービン組立体(ガスタービン1)の組立方法であって、
前記第1ケーシング(下半ケーシング4A)には、前記第1ケーシング(下半ケーシング4A)を前記径方向に貫通する第1穴(43)が設けられ、
前記第1穴(43)は、前記第1穴(43)の前記径方向内側において前記周方向溝(42A)と連通し、
前記回動ステップの後、前記第1穴(43)に前記径方向外側からサイドピン(44)を挿入し、
前記第1穴(43)に挿入された前記サイドピン(44)の前記第2凸部(フランジ32A)に対向する面(44a1)により、前記第2凸部(フランジ32A)が収容される第1凹部(溝45)の前記環状体の軸方向の寸法を画定する第1凹部画定ステップを含む。
【0114】
このような方法によれば、第1穴(43)にサイドピン(44)を挿入することで、第2凸部(フランジ32A)が収容される第1凹部(溝45)の環状体(冷却空気マニホールド組立体6)の軸方向の寸法が画定できる。また、周方向溝(42A)に第2凸部(フランジ32A)が収容された後に、第1穴(43)にサイドピン(44)を挿入できるので、第1凹部(溝45)の軸方向の寸法調整を容易にできる(サイドピン(44)を切削調整できる)。さらに、周方向溝(42A)に第2凸部(フランジ32A)が収容された後に第1凹部(溝45)の軸方向の寸法をより細かく設定できる。
【解決手段】タービン組立体は、軸線を中心として環状に形成された環状体の一部を構成し、前記環状体の径方向外側かつ水平方向へ突出する第1凸部と、前記環状体の周方向において前記第1凸部と異なる位置から前記径方向外側へ突出する第2凸部と、が設けられた第1本体部と、前記第1凸部を下方から支持する支持面と、前記径方向外側へ凹み、前記第2凸部が収容される第1凹部と、が設けられた第1ケーシングと、を備え、前記環状体の軸方向において前記第1凹部の寸法は前記第2凸部の寸法よりも大きく、前記環状体の軸線が水平方向に沿って配置され、前記第2凸部が前記第1凹部に収容された状態において、前記第2凸部と前記第1凹部との間に前記軸方向において隙間が設けられる。