(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
下側キャリッジ(2)、前記下側キャリッジ(2)に対して回転軸(9)を中心として枢動可能な上部構造(8)、カウンターウェイトユニット(24)、および、カウンターウェイト調整装置(19;19a;19b)を備えるクレーン(1;78)であって、
前記カウンターウェイト調整装置(19;19a;19b)が、前記上部構造(8)に固定され、かつ、入れ子式長手方向部材(22)を有する入れ子式骨格(20)と、前記骨格(20)に沿って変位可能に配置されたカウンターウェイトユニット(24)と、前記カウンターウェイトユニット(24)を前記骨格(20)上で従動変位させるための駆動ユニットと、前記骨格(20)を従動入れ子式に伸縮させるために前記駆動ユニットに連結可能な運動ユニット(41;41b)と、を備えるものにおいて、
前記回転軸(9)から離れた前記長手方向部材(22)の後端に片持ち要素(23)が固定されており、前記カウンターウェイトユニット(24)は、前記上部構造(8)の領域内において前記骨格(20)に沿って前記片持ち要素(23)上まで変位可能になっており、前記カウンターウェイトユニット(24)は、前記片持ち要素(23)に固定可能になっており、前記片持ち要素(23)上の前記カウンターウェイトユニット(24)は、前記骨格(20)と共に内方および外方に入れ子式に伸縮可能になっていることを特徴とするクレーン。
前記上部構造(8)の領域内において前記カウンターウェイトユニット(24)を案内しながら変位させるために、前記長手方向部材(22)上に配置されたガイドユニット(35;35b)を備えることを特徴とする、請求項1に記載のクレーン。
前記骨格(20)の長軸に対して特に対称的に、さらに互いに平行に離間して配置された2つの長手方向部材(22)を備えることを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載のクレーン。
前記カウンターウェイトユニット(24)を前記片持ち要素(23)上に係止するための係止ユニット(64)を備えることを特徴とする、請求項1〜4の何れか一項に記載のクレーン。
前記片持ち要素(23)に、特に、前記片持ち要素(23)の下面(66)に係留された追加的な片持ち要素カウンターウェイト(65)を備えることを特徴とする、請求項1〜5の何れか一項に記載のクレーン。
前記運動ユニット(41;41b)は、前記変位要素(39)に接続可能な第1のケーブルウインチシステムを有し、前記第1のケーブルウインチシステムは、前記長手方向部材(22)の第1の入れ子要素(31)に連結可能になっていることを特徴とする、請求項7に記載のクレーン。
前記運動ユニット(41;41b)は、第2のケーブルウインチシステムを有し、前記第2のケーブルウインチシステムは、前記第1の入れ子要素(31)に固定され、特に、前記長手方向部材(22)の基本ボックス(30)を前記第1の入れ子要素(31)内に配置された第2の入れ子要素(32)に接続するようになっていることを特徴とする、請求項8に記載のクレーン。
前記駆動ユニットは、回転軸(67)を中心として回転することができるように駆動される回転要素(68)と、前記回転要素(68)に接続可能な第1の力伝達要素(70)とを有し、特に、前記第1の力伝達要素(70)は、前記カウンターウェイトユニット(24)に接続可能になっていることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載のクレーン。
前記回転要素(68)は、前記運動ユニット(41;41b)に連結するために、特に前記回転軸(67)と直交する連結方向(69)において変位可能になっていることを特徴とする、請求項10に記載のクレーン。
前記運動ユニット(41;41b)は、前記回転要素(68)に接続可能な第2の力伝達要素(72)を有し、前記第2の力伝達要素(72)は、基本ボックス(30)または第1の入れ子要素(31)内に配置された第2の入れ子要素(32)に連結可能になっており、特に、前記回転要素(68)は、前記骨格(20)を入れ子式に伸縮させるために、前記第2の力伝達要素(72)に連結可能になっていることを特徴とする、請求項10または11に記載のクレーン。
下側キャリッジ(2)、前記下側キャリッジ(2)に対して回転軸(9)を中心として枢動可能な上部構造(8)、および、カウンターウェイト調整装置(19;19a,19b)を備えるクレーン(1;78)上のカウンターウェイトユニット(24)を調整する方法であって、前記カウンターウェイト調整装置(19;19a,19b)が、
前記上部構造(8)に固定され、かつ、入れ子式長手方向部材(22)を有する入れ子式骨格(20)と、前記骨格(20)に沿って変位可能に配置されたカウンターウェイトユニット(24)と、前記カウンターウェイトユニット(24)を前記骨格(20)上で従動変位させるための駆動ユニットと、特にクレーン(1;78)上において前記骨格(20)を従動入れ子式に伸縮させるために前記駆動ユニットに連結可能な運動ユニット(41;41b)と、を備える方法において、
第1のステップで、前記カウンターウェイトユニット(24)を前記上部構造(8)の領域内において前記骨格(20)に沿って、前記回転軸(9)から離れた前記長手方向部材(22)の後端に配置された片持ち要素(23)上まで変位させ、次いで、この位置に固定し、第2のステップで、前記駆動ユニットによって、前記片持ち要素(23)上の前記カウンターウェイトユニット(24)を前記上部構造(8)に対して前記骨格(20)と共に内方および外方に入れ子式に伸縮させることを特徴とする、方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、クレーン上のカウンターウェイトを調整するための選択肢を改良し、特にカウンターウェイトの調整のための経費を低減させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴を備えるカウンターウェイト調整装置を有するクレーンおよび請求項13に記載の特徴を含む方法によって達成される。
【0009】
本発明によれば、下側キャリッジ、下側キャリッジに対して回転軸を中心として枢動可能な上部構造、カウンターウェイトユニット、および、カウンターウェイト調整装置を備えるクレーンであって、カウンターウェイト調整装置は、上部構造に固定された入れ子式骨格であって、入れ子式長手方向部材を有する入れ子式骨格と、骨格に沿って変位可能に配置されたカウンターウェイトユニットと、カウンターウェイトユニットを骨格上において従動変位させるための駆動ユニットと、骨格を従動入れ子式に伸縮させるために駆動ユニットに連結可能な運動ユニットと、を備える、クレーンにおいて、回転軸から離れた長手方向部材の後端に片持ち要素が固定されており、カウンターウェイトユニットは、上部構造の領域内において骨格に沿って片持ち要素上まで変位可能になっており、カウンターウェイトユニットは、片持ち要素に固定可能になっており、片持ち要素上のカウンターウェイトユニットは、骨格と共に内方および外方に入れ子式に伸縮可能になっている。特に、骨格を入れ子式に伸縮させるための追加的な駆動ユニットが不要である。特に、単一の駆動ユニットしか設けられていない。特に、クレーンのカウンターウェイトの全体、すなわち、特に中心のバラスト、上部構造カウンターウェイト、およびスーパーリフトカウンターウェイトを1つのカウンターウェイトに組み合わせ、このカウンターウェイトをクレーンの上部構造の上に配置することができる。これは、カウンターウェイトの変位に関する効率を増大させる。カウンターウェイト変位装置は、效果的なカウンターウェイト変位を可能にする。特に、追加的なカウンターウェイトは、不要である。カウンターウェイトの調整が改良される。カウンターウェイトユニットは、骨格上に変位可能に配置されている。骨格は、入れ子式である。骨格を入れ子式に伸縮させることによって、特に骨格の伸縮した部分と一緒にカウンターウェイトを追加的に変位させることができる。特に、カウンターウェイト調整は、2段階で行われる。第1の段階では、カウンターウェイトユニットの変位は、骨格上において、特に、片持ち要素の端位置に達するまで行われる。特に、第1の段階では、骨格は、入れ子式に伸縮されない。第2の段階では、カウンターウェイトの変位は、骨格の入れ子式伸縮によって行われる。カウンターウェイトユニットは、多数の部品を有するように設計されるとよく、特に複数のカウンターウェイト要素を有することができる。これらのカウンターウェイト要素は、特に上下方向において、特に二次元的に互いに積層されている。カウンターウェイトユニットは、互いに隣接して配置された、特に互いに離間して配置された2つのカウンターウェイト要素の積層体を有することもできる。カウンターウェイトユニットは、特にゼロの値を取る最小釣合半径から最大カウンターウェイト半径まで変位することができる。最小カウンターウェイト半径は、負の値を取ることもある。これは、カウンターウェイトが上部構造上において回転軸とジブとの間に配置されることを意味する。この変位は、駆動ユニットによってのみ行われる。カウンターウェイト半径は、回転軸からの半径距離によって画定される。なお、この回転軸に関連して、上部構造がクレーンの下側キャリッジ上に回転可能に配置されている。カウンターウェイト調整装置によって、カウンターウェイトユニットの位置をクレーンの構造および負荷の要件に適合させるために調整可能なカウンターウェイト半径の全範囲が確実に利用可能となる。後部に向かうクレーンの安定性は、上部構造のカウンターウェイトが増大しても保たれる。何故なら、上部構造カウンターウェイトは、変位可能に取り付けられているからである。特にクレーンへの負荷と無関係な改良された質量分布が、クレーン下側キャリッジを介して地面への力の伝達を改良する。カウンターウェイト調整装置は、特に、操縦性に関してクレーンの使用の融通性を増大させる。カウンターウェイトの全体がクレーンの上部構造上のカウンターウェイトユニット内に配置されているという事実によって、クレーンは、リフト中にどのような運動を行うこともでき、上部構造を下側キャリッジに対して回転させることができる。
【0010】
請求項2に記載のガイドユニットは、骨格上のカウンターウェイトユニットの有利な変位を可能にする。ガイドユニットは、例えば、特に長手方向部材の上面に配置された直線状ガイドレールとすることができる。駆動ユニットの被駆動変位要素は、ガイドレールに沿って直線状に変位することができる。カウンターウェイトユニットの案内される変位は、カウンターウェイトに連結された変位要素の駆動変位によって間接的に行われる。
【0011】
代替的に、特に駆動ユニットの構成要素としてのガイドユニットは、力伝達要素の形態、特に、周回ローラチェーンの形態として設計されてもよい。カウンターウェイトユニットは、この力伝達要素に連結され、案内されながら変位することができる。
【0012】
請求項1に記載の片持ち要素へのカウンターウェイトユニットの固定によって、骨格の入れ子式伸縮中のカウンターウェイトユニットの変位が確実になる。
【0013】
請求項3に記載の長手方向部材は、クレーン、特に、クレーン上部構造の基本長さを最小限に抑えながら、より大きいカウンターウェイト半径を達成するために、多重入れ子式伸縮を確実に行うためのものである。具体的には、長手方向部材は、外側の基本ボックスと、該基本ボックス内に配置された少なくとも1つの入れ子要素、特に、第1の入れ子要素および該第1の入れ子要素内に配置された第2の入れ子要素とを備えている。多数回互いに入れ子に配置された入れ子要素、所謂、内側ボックスを有することもできる。特に、基本ボックスおよび内側ボックスは、相互に類似の輪郭を有している。特に、その輪郭は、矩形である。他の断面輪郭も可能である
【0014】
請求項4に記載の2つの長手方向部材を備える実施形態は、上部構造長軸に対して対称的なカウンターウェイト調整装置の有利な配置を可能にする。これらの長手方向部材間の自由空間は、クレーンの上部構造上のカウンターウェイト調整装置の一体化を可能にする。この一体化は、有利である。何故なら、空間を節約するからである。クレーンの機能的構成要素、例えば、A−ブラケット、ジブ、およびケーブルウインチがこの自由空間内に配置されてもよい。具体的には、骨格は、上部構造長軸と平行の長軸を有するように配置されている。特に、骨格の長軸および上部構造長軸は、特に回転軸を含む共通垂直面上に配置され、該共通垂直面に対して、クレーン上部構造は、クレーン下側キャリッジ上に回転可能に配置されている。
【0015】
請求項5に記載の係止ユニットは、特に骨格の入れ子式伸縮中に、カウンターウェイトユニットを片持ち要素上に係止することを可能にする。係止ユニットは、カウンターウェイトユニットの係止要素と片持ち要素の被係止要素とを有することができる。係止要素および被係止要素は、特に簡単な時間の掛からない方法によって一緒に係止可能である。特に、これらは、ボルトによって係止可能な対応するプレートである。
【0016】
クレーンの全カウンターウェイトをカウンターウェイトユニットと請求項6に記載の追加的な片持ち要素カウンターウェイトとに分割することによって、カウンターウェイトユニットの低減、すなわち、カウンターウェイトユニットの質量および/または体積、特に高さの低減が可能になる。その結果、カウンターウェイト調整装置の質量中心の高さを低減させることができる。クレーンの質量中心の高さが低減される。クレーン、特に上部構造をより安定して変位させることができる。加えて、骨格、特に、長手方向部材の寸法を小さくすることができる。構造の大きさが縮小される。追加的な片持ち要素カウンターウェイトは、特に、片持ち要素の下面に係留される。
【0017】
請求項7に記載の変位要素は、カウンターウェイトユニットの簡単な変位を可能にする。カウンターウェイトユニットを変位要素に直接連結させ、ガイドユニットに沿って変位させることができる。
【0018】
請求項8に記載の運動ユニットの実施形態は、ケーブルウインチシステムによる変位要素への少なくとも1つの入れ子要素の有利な連結を確実なものとする。特に、ケーブルウインチシステムは、閉周回ケーブルウインチシステムである。ケーブルウインチシステムは、互いに接続された第1の延長ケーブルおよび第1の戻りケーブルを備えている。
【0019】
請求項9に記載の第2のケーブルウインチシステムは、骨格の多重入れ子式伸縮能力を簡素化する。第2のケーブルウインチシステムは、特に開設計であり、第2の延長ケーブルおよび第2の戻りケーブルを有している。第2のケーブルウインチシステムは、延長ケーブル偏向ローラおよび戻りケーブル偏向ローラを備え、これらの偏向ローラは、各々、長手方向部材の入れ子要素に固定されている。
【0020】
請求項10に記載の駆動ユニットの代替的実施形態では、駆動ユニットをカウンターウェイトユニットに直接連結することができる。駆動ユニットは、回転可能に駆動する回転要素と、回転要素と協働する力伝達要素とを備え、特に周回ローラチェーンとして設計されている。周回ローラチェーンを用いて、カウンターウェイトユニットを直接変位させることができる。
【0021】
請求項11に記載の回転要素の変位能力によって、回転要素を種々の位置に配置することができる。第1の位置では、回転要素は、カウンターウェイトユニットを直接変位させるために第1の力伝達要素と協働する。
【0022】
第1の位置では、回転要素は、運動ユニットと係合していない。回転要素を(回転要素の回転軸と直交する)連結方向に変位させることによって、回転要素は、第2の位置に変位する。第2の位置では、回転要素は、骨格を入れ子式伸縮させるための運動ユニットと係合する。第2の位置では、回転要素は、第1の力伝達要素と係合しない。
【0023】
請求項12に記載の第2の力伝達要素は、長手方向部材の有利な入れ子式伸縮を可能にする。
【0024】
請求項13に記載の方法によれば、クレーン上のカウンターウェイトユニットの有利な変位が可能になる。
【0025】
本発明の更に有利な実施形態、追加的な特徴および詳細は、図面に基づく例示的な実施形態の以下の説明から明らかになるだろう。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜4に示されるクレーン1は、クローラクレーンである。クレーン1は、移動式クレーンである。クレーン1は、クローラトラック3を有する下側キャリッジ2を有している。クレーン1は、下側キャリッジ2によって地面26上に支持されている。クローラトラック3に代わって、クレーン1は、道路走行ギアユニットを有することもできる。下側キャリッジ2は、各側に中間部4を有し、該中間部4にクローラ支持体5が固定されている。これらのクローラ支持体5は、クローラトラック3によって画定される走行方向6と平行に配向されている。
【0028】
上部構造8が、回転接続部7によって、垂直回転軸9を中心として回転可能となるように下側キャリッジ2上に配置されている。上部構造8は、上部構造フレーム10を有している。クレーンオペレータ用のキャビン11が上部構造フレーム10に固定されている。主ジブ13が、ジブ軸12を中心として枢動することができるように、上部構造フレーム10に関節接続されている。主ジブ13のための支持ユニット14が、上部構造フレーム10上に配置されている。支持ユニット14は、上部構造8に枢動可能に関節接続された支持ブラケット15と、主ジブ13を支持ブラケット15に張支するための支持ケーブル116と、支持ブラケット15または主ジブ14の角度を変更させるためのケーブル機構17とを備えている。ケーブル機構17は、上部構造8上に回転可能に取り付けられたケーブルプーリ18を介して案内されるようになっている。
【0029】
上部構造8は、上部構造長軸21を有している。上部構造フレーム10は、上部構造長軸21に関して対称になっている。上部構造フレーム10は、上部構造長軸21に関して対称的に配置されている。回転軸9に関して、上部構造フレームは、回転接続部7に非回転対称的に固定されている。キャビン11は、上部構造フレーム10の前端上に配置されている。主ジブ13が関節接続された枢軸12が、上部構造フレーム10の前端に配置されている。上部構造フレーム10の前端は、回転接続部7と実質的に同一平面をなして終端している。上部構造10を上部構造長軸21に沿って回転接続部7の前端から突出させることも可能である。
【0030】
上部構造フレーム10は、上部構造長軸21に沿って回転接続部7の前端と反対側の後端から突出している。具体的には、上部構造フレーム10は、上部構造長軸21が走行方向6と平行に配向された
図3の配置において、クローラ支持体5から突出する程度まで回転接続部7の後端から突出している。
【0031】
カウンターウェイト調整装置19が、上部構造8上に配置されている。カウンターウェイト調整装置19は、入れ子式骨格20を備えている。入れ子式骨格20は、フレームとして設計されており、上部構造8にしっかりと接続されており、具体的には、上部構造フレーム10に固定可能になっている。回転軸9を中心とする上部構造8の回転によって、カウンターウェイト調整装置19の回転運動が自動的に生じるようになっている。
図3,4に示される平面図において、骨格20は、開いた矩形輪郭として実質的に形成されている。
【0032】
カウンターウェイト調整装置19は、キャビン11に面する前端において、上部構造8上において枢軸12と平行の回転軸80を中心として回転可能となるように、上部構造8に関節接続されている。前端と反対側に位置する後端において、カウンターウェイト調整装置19は、上部構造8に剛性的に連結されている。これによって、回転軸80を中心とする回転が阻止されることになる。
【0033】
骨格20は、2つの入れ子式長手方向部材22を有している。これらの長手方向部材22は、回転軸9から遠くに離れた後端において片持ち要素23に固定されている。2つの長手方向部材22は、、片持ち要素23を介して互いに接続されている。片持ち要素23は、支持装置27によって地面26上に支持されている。支持装置27は、少なくとも1つの、好ましくは、高さ調整調整可能な垂直支持体28と、該垂直支持体に接続された少なくとも1つの基部プレート29とを備えている。
【0034】
カウンターウェイトユニット24が骨格20上に配置されている。カウンターウェイト24は、上部構造長軸21に関して互いに離間した2つのカウンターウェイト積層物を備えている。各カウンターウェイト積層物は、上下方向に互いに積層された複数の二次元的カウンターウェイト要素25を有している。
図1に示される配置では、カウンターウェイトユニット24は、骨格20上に位置しており、カウンターウェイト半径rを有している。カウンターウェイト半径rは、カウンターウェイトユニット24と回転軸9との間の半径距離として画定されている。カウンターウェイトユニット24は、最小カウンターウェイト半径r
minからr
max=L
1の間で骨格20に沿って変位可能である。最小カウンターウェイト半径r
miは、例えば、カウンターウェイトユニットが回転軸9に対して同心に配置された場合、ゼロになる。最小カウンターウェイト半径r
minは、カウンターウェイトユニット24が上部構造8上において回転軸9と主ジブ13との間に配置された場合、負の値になる。長さhは、
図1に示されるように、回転軸9と骨格20の後端との間の距離に片持ち要素23の長さの半分を加えた値に実質的に対応する。
【0035】
図2に示される配置では、骨格20は、最大の2倍に伸張している。カウンターウェイトユニット24は、片持ち要素23上に位置している。
図2に示されるこの配置では、カウンターウェイトユニット24は、回転軸9に関して最大カウンターウェイト半径r
maxとなるように配置されている。カウンターウェイト要素25は、基本ボックス30の上面34のホイール63またはローラによって転動可能なカウンターウェイト要素キャリッジ62上に積層されている。
【0036】
カウンターウェイト調整装置19は、骨格20上においてカウンターウェイトユニット24を従動変位させるために、
図1〜4に詳細に示されない駆動ユニットを有している。
【0037】
カウンターウェイト調整装置19は、
図1〜4に詳細に示されない運動ユニットを有している。運動ユニットは、骨格20を従動伸縮させるために、駆動ユニットに連結可能になっている。
【0038】
以下、
図5〜7において、第1の例示的実施形態によるカウンターウェイト調整装置19についてさらに詳細に説明する。
図5〜7は、
図1,2に対応する略側面図である。
【0039】
長手方向部材22は、外側基本ボック30と、基本ボックス30内に配置された第1の入れ子要素31と、第1の入れ子要素31内に配置された第2の入れ子要素22とを有している。長手方向部材22は、1つのみの入れ子要素を有することもできるし、3つ以上の入れ子要素を有することもできる。入れ子要素31,32は、基本ボックス30に対して互いに組み合わせて伸縮されてもよいし、または互いに独立して伸縮されてもよい。2つ以上の入れ子要素、特に、全ての入れ子要素を基本ボックスに対して伸張させることも可能である。入れ子要素の伸張は、連結された態様で、具体的には、同時に行われてもよいし、または連続的に、すなわち、時間的に逐次的に行われてもよい。基本ボックス30は、それぞれの軸受33によって、上部構造の前端および後端、すなわち、長軸に沿った両端に長手方向部材22の長軸に沿って取り付けられている。
図5の左に示される軸受33は、回転軸80を中心とする回転軸受に対応している。この回転は、
図5の右に示される基本ボックス30の後端の剛性軸受によって阻止されている。
【0040】
図5に示されるカウンターウェイトユニット24の配置では、カウンターウェイトユニット24は、回転軸9に対して同心に配置されている。この配置では、カウンターウェイト半径は、最小である。以下の関係、すなわち、r=r
min=0が成立する。最小カウンターウェイト半径r
minは、0未満であってもよい。最小カウンターウェイト半径をゼロよりも大きい値に設定することもできる。これは、特に、カウンターウェイトユニット24の構造設計に依存して設定されることになる。
【0041】
最小カウンターウェイト半径r
minを決定するカウンターウェイトユニット25の最先端位置は、クレーン1の起立基部の傾斜縁内に位置することが重要である。傾斜縁は、クレーンの起立面によって、具体的には、クローラクレーンのクローラ支持体の長さおよびトラック幅によって実質的に矩形に沿って画定されている。
【0042】
カウンターウェイトユニット24を案内しながら変位させるためのガイドユニット25が、長手方向部材22,特に、その基本ボックス30の上面34に設けられている。ガイドユニット35は、ガイドユニット軸受37によって基本ボックス30上に取り付けられたガイドレール36を有している。ガイドレール36は、直線状に延び、直線状ガイド軸38を特定している。ガイドレール36上において、変位要素39がガイド軸38に沿って従動変位可能になっている。変位要素39は、駆動ユニットを構成する。変位要素39は、連結要素40によって、カウンターウェイトユニット24に直接的に連結可能である。
図5に示される連結された配置では、ガイド軸38に沿った変位要素39の変位が、カウンターウェイトユニット24の変位を直接もたらすことになる。離脱された配置では、カウンターウェイトユニット24は、変位要素39から解放される。この場合、変位要素39の変位は、カウンターウェイトユニット24の変位をもたらさないことになる。
【0043】
カウンターウェイト調整装置19の例示的実施形態によれば、
図5〜7に示されるように、運動ユニット41は、閉循環式の第1のケーブルウインチシステムを有している。第1のケーブルウインチシステムは、第1の延長ケーブル42を有している。第1の延長ケーブル42の両端は、第1の接続点44および第2の接続点45において、それぞれ、第1の戻りケーブル43の端に接続されている。第1の接続点44は、基本ボックス30の上面34に固定されている。第1の接続点は、片持ち要素23に面するガイドユニット軸受37の領域に配置されている。第1の接続点44は、片持ち要素23に隣接して配置されている。
【0044】
第2の接続点45は、第1の入れ子要素31上に配置されている。変位要素39は、ケーブルウインチシステムによって、第1の入れ子要素31に連結可能になっている。
【0045】
図5に示される配置では、第1のケーブルウインチシステムは、変位要素39から離脱されている。
【0046】
図5では、接続線46は、
図1,2に示されないクレーンのスーパーリフトマストの上端への片持ち要素23の張線を示している。スーパーリフトマスト79を備えるクレーン78は、
図18,19に示されている。
【0047】
運動ユニット41は、第2のケーブルウインチシステムも有している。第2のケーブルウインチシステムは、開設計されており、第2の延長ケーブル47および第2の戻りケーブル148を有している。ケーブル47,48は、互いに接続されていない。第2の延長ケーブル47の第1の端49は、片持ち要素23から離れた第2の入れ子要素32の後壁50に固定されている。第2の延長ケーブル47の第2の端51は、片持ち要素23から離れた基本ボックス30の後壁52に固定されている。第2の延長ケーブル47は、延長ケーブル偏向ローラビーム54上に回転可能に取り付けられた延長ケーブル偏向ローラ53を介して案内される。延長ケーブル偏向ローラビーム54は、片持ち要素23から離れた第1の入れ子要素31の後壁55に固定されている。
【0048】
第2の戻りケーブル48の第1の端56は、長手方向部材22から離れた片持ち要素23の後壁57に固定されている。第2の戻りケーブル48の第2の端58は、片持ち要素23に面する基本ボックス30の端面59に固定されている。第2の戻りケーブル148は、回転可能に取り受けられた戻りケーブル偏向ローラ60の周りに案内される。戻りケーブル偏向ローラ60は、戻りケーブル偏向ローラビーム61によって、第1の入れ子要素31の後壁55に固定されている。
【0049】
以下、
図5〜7を参照して、カウンターウェイト、具体的には、カウンターウェイトユニット24を調整する方法について説明する。
【0050】
図5に示される配置では、カウンターウェイトユニットは、例えば、r
min=0の最小カウンターウェイト半径で配置されている。この配置では、カウンターウェイトユニット4は、連結要素40によって、変位要素39に連結されている。
【0051】
変位ユニット39が、ガイド軸38に沿って変位される。
【0052】
その結果、カウンターウェイトユニット24は、特に、回転軸9から片持ち要素23に向かってガイドユニット35に沿って案内されながら直接変位される。
図6に示される最大変位配置では、変位ユニット39は、片持ち要素23に面するガイドユニット35の端に位置している。カウンターウェイトユニット24は、片持ち要素23上に配置されている。この配置では、カウンターウェイト半径rは、
図1に示される長さbに対応する。この配置において、カウンターウェイトユニット24と変位要素39との間の連結が離脱される。連結要素40を用いて、特に第1の接続点44において変位要素39を第1のケーブルウインチシステムに連結することができる。
【0053】
カウンターウェイトユニット24は、係止ユニット64によって、片持ち要素23に係止される。この目的を達成するために、カウンターウェイトユニット24は、片持ち要素23の被係止要素と協働する係止要素を有している。
図6に示される係止配置では、カウンターウェイトユニット24は、片持ち要素23に確実に固定されている。
【0054】
続いて、変位要素39は、
図5に示される初期位置に向かって、すなわち、基本ボックス30の後壁52に向かって戻される。この戻り変位は、
図7に示されている。変位要素39が戻っている時、変位要素39は、第2の接続点44においてケーブルウインチシステムを引きずることになる。同時に、ケーブルウインチシステムに直接固定された第2の接続点45も引きずられる。引きずられた接続点45は、第1の入れ子要素31の直線状変位をもたらすことになる。第1の入れ子要素31によって、延長ケーブル偏向ロータビーム54が、延長ケーブル偏向ローラ53と共に変位する。その結果、第1の端49と延長ケーブル偏向ローラ53との間の第2の延長ケーブル47のケーブル部分が短縮される。その結果、第2の入れ子要素32が伸張することになる。カウンターウェイト調整装置19の例示的実施形態による入れ子式伸縮は、従属的に行われる。これは、2つの入れ子要素31,32が同時に伸張し、片持ち要素23の伸張速度は、変位要素39の速度の1.5倍に対応することを意味している。カウンターウェイトユニット24は、片持ち要素23と共に伸縮する。これによって、カウンターウェイト半径は、実質的にbまで増大する。具体的には、最大カウンターウェイト半径r
maxは、長さL
1の多倍率、特に少なくとも1.5倍、特に少なくとも2倍、特に少なくとも2.5倍、特に少なくとも3倍になる。
【0055】
カウンターウェイト調整装置は、同様の逆の順序によって、内方に入れ子式に縮小される。調整装置39を
図6に示される位置に戻すと、第1の接続点44における連結によって、第1の戻りケーブル43が片持ち要素23に向かって引っ張られることが確実になる。第1の入れ子要素31が、戻りケーブル43および第2の接続点45によって、基本ボックス内に引っ張られる。入れ子要素31と一緒に、入れ子要素31に固定された戻りケーブル偏向ローラ60も内方に縮小され、これによって、戻りケーブル偏向ローラ60と片持ち要素23の後壁57に固定された第1の端56との間に固定された第2の戻りケーブル48の部分が短縮される。第2の入れ子式要素は、自動的に後退することになる。
【0056】
以下、
図8〜10を参照して、本発明の更なる実施形態について説明する。構造的に同一の部品は、第1の実施形態の参照符号と同一の参照符号によって示され、第1の実施形態の記載は、ここに参照されるものとする。構造的に異なるが機能的に同様の部品は、文字aが末尾に付された同一の参照符号によって示される。
【0057】
カウンターウェイト装置19aにおける実質的な相違点は、追加的な片持ち要素カウンターウェイト65が設けられていることである。追加的な片持ち要素カウンターウェイト65によって、カウンターウェイトユニット24のカウンターウェイト要素25の質量、特に、積層高さを低減させることができる。長手方向部材22に沿って変位されるカウンターウェイトユニット24の重量が低減するという事実によって、長手方向部材、特に、基本ボックス40および該基本ボックス内に配置された入れ子要素31,32の寸法を小さくすることができ、すなわち、より小さい構造を得ることができる。特に、カウンターウェイト要素25の数を減らすことができる。
【0058】
片持ち要素カウンターウェイト65は、片持ち要素23の下面66に固定されている。回転軸9に対する芯ずれ、すなわち、偏心によって、
図8に示される配置におけるこの実施形態による片持ち要素カウンターウェイト65およびカウンターウェイト調整装置19aの配置は、カウンターウェイトユニット24が回転軸に対して同心に配置されているにも関わらず、すでに非ゼロ値を有する有効カウンターウェイト半径r
effを有することになる。
【0059】
r
eff=0の有効カウンターウェイト半径をもたらすために、カウンターウェイトユニット24が回転軸9に関して片持ち要素カウンターウェイト65の反対側に位置するように、カウンターウェイト調整装置19aを上部構造8上に配置し、且つ上部構造8上に固定することもできる。
【0060】
第1の実施形態との更なる相違点は、第2の延長ケーブル47の第2の端51aおよび第2の戻りケーブル48の第2の端58aのいずれも固定されないことである。連結された運動ユニット41によって変位要素39を変位させることによるカウンターウェイト調整装置19aの作動中、第1の入れ子要素31しか伸縮しない。第2の入れ子要素32は、第1の入れ子要素31と一緒に伸縮する。しかし、第2の入れ子要素32は、第1の入れ子要素31に対して調整されない。
【0061】
以下、
図11〜17を参照して、本発明の更なる実施形態について説明する。構造的に同一の部品は、第1の実施形態の参照符号と同一の参照符号によって示され、第1の実施形態の記載は、ここに参照されるものとする。構造的に異なるが機能的に同様の部品は、文字bが末尾に付された同一の参照符号によって示される。
【0062】
前述の実施形態との実質的な相違点は、カウンターウェイト調整装置19bの場合、駆動ユニットは、回転軸67を中心として回転可能に駆動される回転要素68を有することである。具体的には、回転要素68は、歯車である。回転要素68は、特に両回転方向において、回転軸67を中心として回転可能に駆動されるようになっている。
【0063】
回転要素68は、回転軸67と直交する連結方向69において変位可能になっている。図示される例示的実施形態によれば、連結方向69は、直線方向、特に、垂直方向である。連結方向69における回転要素68の変位によって、
図11に示される第1の位置における配置および
図12に示される第2の位置における配置が可能になることが重要である。
図11に示される第1の位置では、回転要素は、駆動ユニットの第1の力伝達要素70に連結される。第1の力伝達要素は、2つの歯車71の回りを周回する周回ローラチェーンとして設計されている。
図12に示される回転要素68の第2の位置では、回転要素は、第2の力伝達要素72に連結される。第2の力伝達要素72は、周回ローラチェーンとして設計されている。第2の力伝達要素72は、好ましくは、第1の力伝達用要素70と同一である。
【0064】
第1の力伝達要素70のローラチェーンは、カウンターウェイトユニット24を案内して変位させるためのガイドユニット35bとして同時に用いられる。第1の力伝達要素70に固定されているのは、連結要素40bである。この連結要素40bによって、カウンターウェイトユニット24を第1の力伝達要素70に直接固定することができる。第1の力伝達要素70が周回する歯車71は、基本ボックス30の上面34上に回転可能に取り付けられている。第1の入れ子要素31は、第1の入れ子連結装置73によって基本ボックス30に連結可能になっている。連結された配置では、第1の入れ子要素31は、基本ボックス30に係止されている。
【0065】
第2の入れ子要素32は、第2の入れ子連結装置74によって第1の入れ子要素31に連結可能である。連結された配置において、第2の入れ子要素32は、第1の入れ子要素31に固定されている。
【0066】
第2の力伝達要素72,すなわち、ローラチェーンは、歯車71の回りを周回して案内されている。歯車71は、各々、端面において歯車キャリア75に固定されている。歯車キャリア75は、基本ボックス30の後壁52に固定されている。第2の力伝達要素72は、この例示的実施形態では、運動ユニット41bに対応している。
【0067】
以下、
図11〜17を参照して、カウンターウェイト調整装置19bによってカウンターウェイトユニット24を変位させる方法について詳細に説明する。最初、
図11に示される回転要素68を回転軸67を中心として時計方向に回転駆動させる。その結果、
図11に示されるように、ローラチェーン70が歯車71を中心として時計方向に駆動され、カウンターウェイトユニット24が、連結要素40bによって、左から右へ片持ち要素23の方に変位する。
図12に示される配置では、カウンターウェイトユニット24は、第1の力伝達要素70から離脱され、係止ユニット64によって片持ち要素23に連結される。
【0068】
回転要素68が、第2の力伝達要素72と係合するまで(
図12)、連結方向69において下方に変位される。
【0069】
続いて、
図13に示されるように、回転要素68が回転軸67を中心として反時計方向に回転駆動させる。同時に、第2の力伝達要素72を第1の力伝達要素/連結要素76によって第1の入れ子要素31に連結させる。第1の入れ子要素31は、力伝達要素72に伝達される回転要素68の回転駆動によって、外方に伸張する。基本ボックス30に対して最大限外方に伸張した第1の入れ子要素31の状態が、
図14に示されている。第1の入れ子要素31と一緒に、第2の入れ子要素32およびそこに固定された片持ちアーム23が外方に伸張する。内方への縮小は、同様の逆の順序によって行われる。
【0070】
代替的に、
図13の配置に続いて、第2の入れ子要素32を外方に伸張させるために、第2の力伝達要素/連結要素77が第2の力伝達要素72に連結されてもよい。
図15,16は、外方に伸張する第2の入れ子要素32を示している。
【0071】
手順を互い違いに、特に、連続的に行うこともできる。すなわち、最初、
図16に示されるように内側の入れ子要素32を伸張させ、これに続いて、内側入れ子要素31を第1の力伝達要素/連結要素76に連結することによって、内側の第1の入れ子要素31を伸張させることもできる。カウンターウェイト装置19bが2倍に伸張した状態、すなわち、最大に伸張した状態が、
図17に示されている。内方縮小は、同様の逆の手順によって行われる。
【0072】
以下、
図18,19を参照して、クレーン78の更なる実施形態について説明する。構造的に同一の部品25は、第1の実施形態の参照符号と同一の参照符号によって示され、第1の実施形態の記載は、ここに参照されるものとする。
【0073】
図1〜4に示されるクレーンとの実質的な相違点は、クレーン78がスーパーリフトマストを有するスーパーリフトクレーンであることである。スーパーリフトマストは、周知の方法によって上部構造8に枢動可能に接続され、支持要素14によって上部構造に支持されている。加えて、スーパーリフトマスト79のヘッドから片持ち要素23に至る張線46が設けられている。張線46は、好ましくは、カウンターウェイトユニット24の重心に連結されている。重心の外側への連結も可能である。
【0074】
さらに、クレー78の場合、すなわち、スーパーリフト操業中、カウンターウェイト調整要素19は、上部構造8の後端に非剛性的に連結されている。これによって、カウンターウェイト調整装置19の前端における(枢軸12と平行の)回転軸80を中心とするカウンターウェイト調整装置19の回転が可能になる。
【0075】
上部構造8と長手方向部材22との間の連結は、有利である。
【0076】
Aブラケット15が、ケーブル固定部16によってスーパリフトマスト79の先端に接続されている。Aブラケット15,固定部16,およびスーパーリフトマスト79によって形成された三角形は、剛性である。この三角形は、回転軸80を中心として回転することを可能にするために、クレーン78の上部構造8に関節接続されている。前記三角形15,16,79が剛性なので、クレーン78の上部構造8とAブラケット15との間のケーブル固定部14も剛性であり、従って、長さが変化しない。スーパーリフトマスト79上のカウンターウェイトユニット24の張線56は、特に、一定長さを有する支持ロッドによって形成されている。片持ち要素23によるカウンターウェイトユニット24の変位中、カウンターウェイトユニット24は、特に円弧区域に沿って非直線状に変位する。地面への支持を確実にするために、垂直支持体28は、高さ調整可能である。この高さ調整能力を用いて、基部プレート29の下のクレーン78の起立面の高さの差を補償することができる。付加的または代替的に、張線46をなす支持ロッドは、カウンターウェイトユニット24の直線方向における変位を可能にするために、長さを変化させることができる。