(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2弾性部材が発生させる前記第2方向の成分を有する力は、前記第1弾性部材が発生させる前記第2方向の成分を有する力より大きい、請求項1に記載のレンズ装置。
前記第1保持部材の前記第1方向及び前記第2方向に移動可能な移動量は、前記第2伝達部材の前記第1方向及び前記第2方向に移動可能な移動量より少ない、請求項1に記載のレンズ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のようなアクチュエータユニットに衝撃が加えられた場合に、レンズ枠体の振動がレンズ枠体を駆動する駆動機構に伝わり、駆動機構に影響を与える可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様に係るレンズ装置は、レンズを保持する第1保持部材を備えてよい。レンズ装置は、レンズの光軸に沿った第1方向及び第1方向と反対の第2方向に沿って移動可能に第1保持部材を保持する第2保持部材を備えてよい。レンズ装置は、第1方向に移動させるための動力を第1保持部材に伝達する第1伝達部材を備えてよい。レンズ装置は、第1伝達部材を第1方向及び第2方向に移動させる駆動機構を備えてよい。レンズ装置は、第1保持部材に対して第1方向及び第2方向に沿って移動可能に第1保持部材に保持され、第1伝達部材が第1方向に移動することに応じて第1伝達部材に押されて第1方向に移動することで、第1保持部材に動力を伝達して第1保持部材を第1方向に移動させる第2伝達部材を備えてよい。レンズ装置は、第1保持部材を第2保持部材に対して第2方向の成分を有する力で押し、第1伝達部材が第2方向に移動することに応じて第2伝達部材とともに第1保持部材を第2方向に移動させる第1弾性部材を備えてよい。レンズ装置は、第2伝達部材を第1保持部材に対して第2方向の成分を有する力で押し、第2伝達部材を第1伝達部材に押し付ける第2弾性部材を備えてよい。
【0005】
駆動機構は、駆動源と、光軸に沿って延び、駆動源により回転されるリードスクリューとを有してよい。第1伝達部材は、リードスクリューが挿入されるネジ穴を有し、リードスクリューの回転により第1方向及び第2方向に移動してよい。
【0006】
駆動源は、ステッピングモータでよい。
【0007】
第2弾性部材が発生させる第2方向の成分を有する力は、第1弾性部材が発生させる第2方向の成分を有する力より大きくてよい。
【0008】
第1保持部材は、第1伝達部材に対向する側面に設けられる第1溝と、第1溝内に光軸に沿って配置され、第2伝達部材の穴に挿入され、第2伝達部材を第1方向及び第2方向に移動可能にガイドするガイド軸部とを有してよい。第2弾性部材は、溝内に配置されてよい。
【0009】
第1保持部材は、第2伝達部材に対向する内壁に設けられる第2溝を有してよい。第1伝達部材は、第2溝内に配置されてよい。第1伝達部材は、両脇の側面のそれぞれに第2溝の内壁に接触する第1突起部を有してよい。
【0010】
第2伝達部材は、両脇の側面のそれぞれに第1溝の内壁に接触する第2突起部を有してよい。
【0011】
第2保持部材の第1方向及び第2方向に移動可能な移動量は、第2伝達部材の第1方向及び第2方向に移動可能な移動量より少なくてよい。
【0012】
本発明の一態様に係る撮像装置は、上記レンズ装置と、レンズ装置を介して結像された像を撮像するイメージセンサとを備えてよい。
【0013】
本発明の一態様に係る撮像装置は、上記撮像装置を備えて移動する移動体でよい。
【0014】
本発明の一態様によれば、レンズ枠の振動がレンズ枠を駆動する駆動機構に伝わり、駆動機構に影響を与えることを防止できる。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイルまたはレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
【0019】
図1は、レンズ装置20の内部構造の斜視図である。
図2は、
図1に示すレンズ装置20の内部構造を裏側から見た平面図である。
図3は、レンズ装置20を正面から見た平面図である。
図4は、
図3に示すレンズ装置20のA−A断面図である。
図5は、レンズ装置20の内部構造を模式的に示す図である。
【0020】
レンズ装置20は、レンズ31と、レンズ31を保持するレンズ枠30と、レンズ枠30をレンズ31の光軸に沿った第1方向70、及び第1方向70と反対の第2方向72に移動させる駆動源となるステッピングモータ34と、レンズ枠30を第1方向70及び第2方向に移動可能に保持する固定枠40とを備える。固定枠40は、物体側の前固定枠41と、撮像面側の後固定枠42とから構成されている。
【0021】
ステッピングモータ34の駆動軸部には、リードスクリュー35が結合されている。リードスクリュー35には、ナット36が噛み合っている。ナット36は、リードスクリュー35のネジ溝に適合するネジ穴を有する。ステッピングモータ34が駆動することでリードスクリュー35が回転すると、ナット36は、第1方向70及び第2方向72に移動する。ナット36は、伝達部材の一例である。
【0022】
レンズ装置20は、主ガイド軸部32及び副ガイド軸部33をさらに備える。主ガイド軸部32及び副ガイド軸部33は、光軸に沿って平行に配置され、レンズ枠30が光軸に沿って第1方向70及び第2方向72に移動するのをガイドする。レンズ装置20は、レンズ枠30をナット36に押し付ける力を与えるバネ37をさらに備える。バネ37は、主ガイド軸部32の周囲に配置される。
【0023】
リードスクリュー35が回転して、ナット36が第2方向72に移動すると、ナット36は、レンズ枠30を第2方向72に押して、レンズ枠30がナット36とともに第2方向72に移動する。レンズ枠30が第2方向72に移動すると、バネ37がレンズ枠30に押されて収縮する。バネ37の力で、レンズ枠30はナット36に押え付けられている。したがって、リードスクリュー35が逆回転して、ナット36が第1方向70に移動すると、レンズ枠30はナット36に押え付けられた状態で、ナット36とともに第1方向70に移動する。
【0024】
上記のように構成されたレンズ装置20を備える撮像装置が落下するなどして、衝撃を受けると、ステッピングモータ34に影響を与えることがある。レンズ枠30が、第2方向72に移動するような衝撃が加わる場合には、レンズ枠30は、ナット36から離れる方向に動くので、ナット36にレンズ枠30の衝撃が伝わりにくい。一方、レンズ枠30が、第1方向70に移動するような衝撃が加わる場合に、レンズ枠30はナット36を第1方向70に押す方向の力をナット36に加える。ナット36は、リードスクリュー35に噛み合った状態なので、ナット36は、リードスクリュー35に対して第1方向70に移動できない。したがって、レンズ枠30の衝撃がナット36を介してリードスクリュー35に直接伝わり、その衝撃は、リードスクリュー35を介してステッピングモータ34まで達して、ステッピングモータ34に影響を与える可能性がある。
【0025】
近年、イメージセンサの大型化、及びカメラの小型化による光学構成の簡素化のために、複数のレンズをユニット化したレンズ群を駆動する光学系を撮像装置が備えることが多い。すなわち、レンズ枠30に保持されるレンズ群の重量が増加する傾向にある。レンズ群の重量が増加すると、ステッピングモータ34に伝わる衝撃も大きくなり、ステッピングモータ34への影響も大きくなる。
【0026】
そこで、本実施形態に係るレンズ装置200によれば、撮像装置が落下などした場合にステッピングモータ34にレンズ枠30の衝撃が伝わりにくくする。
【0027】
また、上記のように構成されたレンズ装置20において、主ガイド軸部32と、主ガイド軸部32が挿入されるレンズ枠30のガイド穴32aとの間のがたつき、または副ガイド軸部33と、副ガイド軸部33が挿入されるレンズ枠30のガイド溝33bとの間のがたつきにより、レンズ31の光軸がぶれ、像振れを引き起こす可能性がある。
【0028】
そこで、主ガイド軸部32及び副ガイド軸部33などのガイド機構を用いない駆動機構として、ステッピングモータ34の代わりに、ボイスコイルモータを利用することも考えられる。しかし、ボイスコイルモータを利用する場合、レンズ枠は、ローレンツ力で移動し、レンズ枠は磁力で位置を維持している状態である。したがって、撮像装置が、無人航空機などの移動体に搭載される場合など、比較的振動が生じやすい環境で利用される場合、その振動に共振して、レンズ枠が振動してしまう可能性がある。よって、このような環境で撮像装置が利用される場合には、ボイルコイルモータよりもステッピングモータを利用するほうが望ましい。
【0029】
そこで、本実施形態に係るレンズ装置200によれば、外部の振動による影響をレンズ枠が受けにくいガイド機構を提供する。
【0030】
図6は、レンズ装置200の内部構造の斜視図を示す。
図7は、レンズ装置200の断面図を示す。
図8は、
図7に示すレンズ装置200のB−B断面図を示す。
図9は、レンズ装置200の内部構造の模式的な断面図を示す。レンズ装置200は、レンズ装置200を介して結像された像を撮像するイメージセンサを備える撮像装置に組み込まれてよい。レンズ装置200は、イメージセンサを備える撮像装置に着脱可能に装着される交換レンズでもよい。
【0031】
レンズ装置200は、レンズ203と、レンズ203を保持するレンズ枠202とを備える。レンズ装置200は、レンズ枠202をレンズ203の光軸に沿った第1方向70、及び第1方向70と反対の第2方向72に移動させる駆動源となるステッピングモータ210を備える。レンズ装置200は、レンズ枠202を第1方向70、及び第2方向72に移動可能に保持する固定枠220を備える。レンズ枠202は、第1保持部材の一例である。固定枠220は、第2保持部材の一例である。
【0032】
レンズ203は、複数のレンズからなるレンズ群でよい。ステッピングモータ210の駆動軸部には、リードスクリュー212が結合されている。ステッピングモータ210及びリードスクリュー212は、駆動機構の一例である。リードスクリュー212には、ナット214が噛み合っている。ナット214は、リードスクリュー212のネジ溝に適合するネジ穴を有する。ステッピングモータ34が駆動することでリードスクリュー212が回転すると、ナット214は、第1方向70及び第2方向72に移動する。ナット214は、第1方向70に移動させるための動力をレンズ枠202に伝達する。
【0033】
固定枠220は、ナットフレーム216に対向する内壁に設けられる溝222を有する。リードスクリュー212は、溝222内に光軸に沿って配置される。ナット214は、リードスクリュー212に噛み合わされた状態で、第1方向70及び第2方向72に移動可能に溝222内に配置される。ナット214は、第5方向78及び第6方向80の側面のそれぞれに溝222の内壁に接触する突起部215を有する。ナット214が突起部215を有することで、ナット214がリードスクリュー212を中心に溝222内で回転することを防止できる。
【0034】
レンズ装置200は、ナット214の動力をレンズ枠202に伝達するナットフレーム216をさらに備える。ナット214は、レンズ枠202に直接接触していない。ナットフレーム216は、レンズ枠202に対して第1方向70及び第2方向72に沿って移動可能にレンズ枠202に保持される。
【0035】
レンズ枠202は、ナット214に対向する側面に溝204と、溝204内に光軸に沿って配置されるガイド軸部206とを有する。ガイド軸部206は、ナットフレーム216の穴に挿入され、ナットフレーム216を第1方向70及び第2方向72に移動可能にガイドする。ナットフレーム216は、第5方向78及び第6方向80の側面のそれぞれに溝204の内壁に接触する突起部217を有する。ナットフレーム216が突起部217を有することで、ナットフレーム216がガイド軸部206を中心に溝204で回転することを防止できる。
【0036】
ナットフレーム216は、ナット214が第1方向70に移動することに応じてナット214に押されて第1方向70に移動することで、レンズ枠202に動力を伝達してレンズ枠202を第1方向70に移動させる。ナット214は、伝達部材または第1伝達部材の一例である。ナットフレーム216は、第2伝達部材の一例である。
【0037】
レンズ装置200は、バネ208、及びバネ218をさらに備える。バネ218は、レンズ枠202を固定枠220に対して第2方向72の成分を有する力で押し、ナット214が第2方向72に移動することに応じてナットフレーム216とともにレンズ枠202を第2方向72に移動させる。バネ218は、第1弾性部材の一例である。
【0038】
バネ208は、レンズ枠202の溝204内に配置される。バネ208は、ガイド軸部206の周囲に配置される。バネ208は、ナットフレーム216をレンズ枠202に対して第2方向72の成分を有する力で押し、ナットフレーム216をナット214に押し付ける。バネ208は、第2弾性部材の一例である。
【0039】
バネ208が発生させる第2方向の成分を有する力は、バネ218が発生される第2方向の成分を有する力より大きい。バネ208が発生させる第2方向の成分を有する力は、バネ218が発生される第2方向72の成分を有する力の10倍以上大きくてよい。
【0040】
このように構成されたレンズ装置200において、リードスクリュー212が回転してナット214が、第1方向70に移動すると、ナット214は、ナットフレーム216を第1方向70に押す。ナットフレーム216は、バネ208によりナット214に押し付けられた状態で、ナット214とともに第1方向70に移動する。レンズ枠202もナットフレーム216の移動に伴い、バネ218を収縮させながら第1方向70に移動する。
【0041】
リードスクリュー212が回転してナット214が、第2方向72に移動すると、ナットフレーム216がナット214に押し付けられた状態で、バネ218で発生する第2方向72の成分を有する力で、レンズ枠202がナットフレーム216とともに第2方向72に移動する。
【0042】
このように構成されたレンズ装置200において、レンズ装置200が落下するなどして衝撃を受けて、レンズ枠202が第1方向70に移動すると、バネ218が収縮して、ナットフレーム216は、ナット214から離れてレンズ枠202とともに第1方向70に移動する。よって、衝撃に伴うレンズ枠202の第1方向70への移動で、ナット214及びリードスクリュー212を介して衝撃がステッピングモータ210に伝わることを防止できる。
【0043】
さらに、レンズ装置200が落下するなどして衝撃を受けて、レンズ枠202が第2方向72に移動する場合には、ナットフレーム216がナット214に接触した状態を維持しつつ、バネ208が収縮するので、ナットフレーム216がレンズ枠202ともに第2方向72に移動しない。よって、衝撃に伴うレンズ枠202の第2方向72への移動でも、ナット214及びリードスクリュー212を介して衝撃がステッピングモータ210に伝わることを防止できる。
【0044】
また、レンズ枠202の第1方向70に移動可能な移動量252及び第2方向72に移動可能な移動量254の合計の移動量は、ナットフレーム216の第1方向70及び第2方向72に移動可能な移動量250より少なくてよい。これにより、ナットフレーム216が、固定枠220の溝222の内壁に衝突する前に、レンズ枠202が、固定枠220の内壁に衝突する。よって、レンズ枠202の移動に伴う衝撃が固定枠220に伝わり、ナットフレーム216及びリードスクリュー212を介してステッピングモータ210に伝わることを防止できる。すなわち、レンズ枠202の移動に伴う衝撃を固定枠220で吸収できる。
【0045】
図10は、レンズ装置200のガイド機構を示す図である。
図11及び
図12は、レンズ装置200のガイド機構部分における光軸の方向の異なる位置での断面図である。
【0046】
レンズ装置200は、レンズ枠202を第1方向70及び第2方向72に移動することをガイドするガイド機構として、ガイド軸部の代わりに、ガイド溝部とボールとを備える。ガイド溝部は、レンズ枠202及び固定枠220のそれぞれに、互いに対向して光軸に沿って設けられる。ボールは、ガイド溝部の間に配置される。レンズ装置200は、レンズ枠202が固定枠220に引き寄せられるように、固定枠220に設けられる磁石と、レンズ枠202に磁石に対向して設けられる金属板とを備える。レンズ枠202に磁石を設けて、固定枠220に金属板を設けてもよい。しかし、移動する対象のレンズ枠202の重量を軽くするために、金属板より重い磁石を固定枠220に設けるほうが好ましい。金属板は、強磁性体の一例である。このような構成により、ガイド軸部のようにガイド機構のがたつきにより、レンズ203の光軸のずれが生じ、像振れを引き起こすことを防止できる。
【0047】
固定枠220は、レンズ枠202に対向する内壁に、光軸に沿って設けられる第1ガイド溝部231と、第1ガイド溝部231に光軸に沿った方向に並んで設けられる第2ガイド溝部232とを有する。固定枠220は、レンズ枠202に対向する内壁に、リードスクリュー212を挟んで第1ガイド溝部231及び第2ガイド溝部232の向かい側に配置される第3ガイド溝部233をさらに有する。第3ガイド溝部233は、第1ガイド溝部231と第2ガイド溝部232との間の領域に対向する領域に配置される。
【0048】
レンズ枠202は、固定枠220のガイド溝部が設けられる内壁に対向する側面に、第1ガイド溝部231及び第2ガイド溝部232に対向して光軸に沿って設けられる第4ガイド溝部234を有する。レンズ枠202は、固定枠220のガイド溝部が設けられる内壁に対向する側面に、第3ガイド溝部233に対向して光軸に沿って設けられる第5ガイド溝部235をさらに有する。
【0049】
レンズ装置200は、ガイド機構として、第1ボール241、第2ボール242、及び第3ボール243をさらに備える。第1ボール241は、第1ガイド溝部231と、第4ガイド溝部234との間に配置される。第2ボール242は、第2ガイド溝部232と、第4ガイド溝部234との間に配置される。第3ボール243は、第3ガイド溝部233と第5ガイド溝部235との間に配置される。
【0050】
第1ボール241、第2ボール242、及び第3ボール243を頂点する三角形の重心と、レンズ203を保持するレンズ枠202の重心との間の距離が最も短くなるように、第1ボール241、第2ボール242、及び第3ボール243のそれぞれを配置することが好ましい。
【0051】
レンズ装置200は、レンズ枠202が固定枠220に引き寄せられるように、固定枠220に設けられる第1磁石261、第2磁石262、及び第3磁石263と、レンズ枠202に設けられる第1金属板271、第2金属板272、及び第3金属板273とを備える。
【0052】
第1磁石261、第2磁石262、及び第3磁石263は、それぞれ光軸に沿って設けられる。第2磁石262と、第3磁石263とは、光軸に沿った方向に離間して配置される。第3ガイド溝部233が、第2磁石262と第3磁石263との間に配置される。第1磁石261は、リードスクリュー212を挟んで第2磁石262及び第3磁石263の間の領域と向かい合う側に配置される。
【0053】
第1金属板271は、固定枠220のガイド溝部が設けられる内壁に対向するレンズ枠202の側面に、第1磁石261に対向して設けられる。第2金属板272は、固定枠220のガイド溝部が設けられる内壁に対向するレンズ枠202の側面に、第2磁石262に対向して設けられる。第5ガイド溝部235が、第2金属板272と第3金属板273との間に設けられる。
【0054】
第1ガイド溝部231、第2ガイド溝部232、第3ガイド溝部233、第4ガイド溝部234、及び第5ガイド溝部235の断面は、V字状である。
図11に示すように、第1ガイド溝部231は、光軸に沿って延びる底面231aと、互いに対向し底面231aから開口に向かって広がるように傾斜する2つの側面231bとを有する。第4ガイド溝部234は、光軸に沿って延びる底面234aと、互いに対向し底面234aから開口に向かって広がるように傾斜する2つの側面234bとを有する。
図12に示すように、第3ガイド溝部233は、光軸に沿って延びる底面233aと、互いに対向し底面233aから開口に向かって広がるように傾斜する2つの側面233bとを有する。第5ガイド溝部235は、光軸に沿って延びる底面235aと、互いに対向し底面235aから開口に向かって広がるように傾斜する2つの側面235bとを有する。
【0055】
図11に示すように、第1ボール241は、第1ガイド溝部231の2つの側面231b、及び第4ガイド溝部234の2つの側面234bにそれぞれ接触している。第1ボール241と光軸の方向に沿って並ぶ第2ボール242も、第2ガイド溝部232の2つの側面、及び第4ガイド溝部234の2つの側面234bにそれぞれ接触している。これにより、レンズ枠202が、固定枠220に対して、第3方向74及び第3方向74と反対の第4方向76に沿った軸を中心に傾くことを防止できる。レンズ枠202が、固定枠220に対して、レンズ枠202と固定枠220とが対向する面に沿って傾くことを防止できる。
【0056】
一方、第3ボール243は、
図12に示すように、第3ガイド溝部233の底面233a、及び第5ガイド溝部235の底面235aにそれぞれ接触している。これにより、レンズ枠202が、固定枠220に対して、第5方向78及び第5方向78と反対の第6方向80に沿った軸、例えば光軸に沿った軸を中心に傾くことを防止できる。
【0057】
第1磁石261、第2磁石262、及び第3磁石263の光軸の方向の幅は、第1金属板271、第2金属板272、及び第3金属板273の光軸の方向の幅より長い。第1磁石261、第2磁石262、及び第3磁石263の光軸の方向の幅は、レンズ枠202の光軸の方向の移動の幅より長い。第1金属板271、第2金属板272、及び第3金属板273が第3方向74または第4方向76において第1磁石261、第2磁石262、及び第3磁石263と重なる面積は、レンズ枠202の固定枠220に対する位置の違いで変動しない。これにより、レンズ枠202の固定枠220に対する位置の違いで、レンズ枠202と固定枠220とが互いに引き寄せ合う磁力が変動することを抑制できる。よって、ステッピングモータ210のトルクの変動を抑制できる。
【0058】
レンズ装置200は、レンズ枠202が固定枠220に引き寄せられる第3方向74と反対の第4方向76に移動することを制限する制限機構をさらに備える。制限機構は、第1方向70及び第2方向72と、第3方向74及び第4方向76とのそれぞれに交差するレンズ枠202の第5方向78及び第5方向78と反対の第6方向80の外側面2021に対向する固定枠220の内側面2201から突出する突出部281を有する。さらに、制限機構は、レンズ枠202の外側面2021に、突出部281に対向して光軸に沿って設けられるスリット282を有する。スリット282には、突出部281が挿入され、レンズ枠202が固定枠220に対して第4方向76に移動することが制限される。
【0059】
制限機構により、レンズ枠202が固定枠220に対して第4方向76に移動することが制限されることで、ガイド溝同士が離れて、ガイド溝間に配置されるボールが脱落することを防止できる。なお、突起部281がレンズ枠202の外側面2021に設けられ、スリット282が固定枠220の内側面2201に設けられてもよい。
【0060】
上記のようなレンズ装置200を備える撮像装置100は、移動体に搭載されてもよい。レンズ装置200を備える撮像装置100は、
図13に示すような、無人航空機(UAV)に搭載されてもよい。UAV1000は、UAV本体50、ジンバル300、複数の撮像装置60、及び撮像装置100を備えてよい。ジンバル300、及び撮像装置100は、撮像システムの一例である。UAV1000は、推進部により推進される移動体の一例である。移動体とは、UAVの他、空中を移動する他の航空機などの飛行体、地上を移動する車両、水上を移動する船舶等を含む概念である。
【0061】
UAV本体50は、複数の回転翼を備える。複数の回転翼は、推進部の一例である。UAV本体50は、複数の回転翼の回転を制御することでUAV1000を飛行させる。UAV本体50は、例えば、4つの回転翼を用いてUAV1000を飛行させる。回転翼の数は、4つには限定されない。また、UAV1000は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
【0062】
撮像装置100は、所望の撮像範囲に含まれる被写体を撮像する撮像用のカメラである。ジンバル300は、撮像装置100を回転可能に支持する。ジンバル300は、支持機構の一例である。例えば、ジンバル300は、撮像装置100を、アクチュエータを用いてピッチ軸で回転可能に支持する。ジンバル300は、撮像装置100を、アクチュエータを用いて更にロール軸及びヨー軸のそれぞれを中心に回転可能に支持する。ジンバル300は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像装置100を回転させることで、撮像装置100の姿勢を変更してよい。
【0063】
複数の撮像装置60は、UAV1000の飛行を制御するためにUAV1000の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置60が、UAV1000の機首である正面に設けられてよい。更に他の2つの撮像装置60が、UAV1000の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置60はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置60もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置60により撮像された画像に基づいて、UAV1000の周囲の3次元空間データが生成されてよい。UAV1000が備える撮像装置60の数は4つには限定されない。UAV1000は、少なくとも1つの撮像装置60を備えていればよい。UAV1000は、UAV1000の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置60を備えてもよい。撮像装置60で設定できる画角は、撮像装置100で設定できる画角より広くてよい。撮像装置60は、単焦点レンズまたは魚眼レンズを有してもよい。
【0064】
遠隔操作装置600は、UAV1000と通信して、UAV1000を遠隔操作する。遠隔操作装置600は、UAV1000と無線で通信してよい。遠隔操作装置600は、UAV1000に上昇、下降、加速、減速、前進、後進、回転などのUAV1000の移動に関する各種命令を示す指示情報を送信する。指示情報は、例えば、UAV1000の高度を上昇させる指示情報を含む。指示情報は、UAV1000が位置すべき高度を示してよい。UAV1000は、遠隔操作装置600から受信した指示情報により示される高度に位置するように移動する。指示情報は、UAV1000を上昇させる上昇命令を含んでよい。UAV1000は、上昇命令を受け付けている間、上昇する。UAV1000は、上昇命令を受け付けても、UAV1000の高度が上限高度に達している場合には、上昇を制限してよい。
【0065】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0066】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【解決手段】レンズ装置は、レンズを保持する第1保持部材と、第1保持部材を保持する第2保持部材と、第1方向に移動させるための動力を第1保持部材に伝達する第1伝達部材と、第1伝達部材を第1方向及び第2方向に移動させる駆動機構と、第1保持部材に対して第1方向及び第2方向に沿って移動可能に第1保持部材に保持され、第1伝達部材が第1方向に移動することに応じて第1伝達部材に押されて第1方向に移動することで、第1保持部材に動力を伝達して第1保持部材を第1方向に移動させる第2伝達部材と、第1保持部材を第2保持部材に対して第2方向の成分を有する力で押し、第1伝達部材が第2方向に移動することに応じて第2伝達部材とともに第1保持部材を第2方向に移動させる第1弾性部材と、第2伝達部材を第1保持部材に対して第2方向の成分を有する力で押し、第2伝達部材を第1伝達部材に押し付ける第2弾性部材とを備えてよい。