(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ロックが前記アダプタと係合するように構成されており、前記ロックが押圧された後に前記ハウジングに対する前記アダプタの移動を防止する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリンジ組立体。
前記ロックは、前記ハウジングと連結するための第1部分及び前記アダプタが前記ハウジングの中に挿入される際に上向きに偏向するように構成されている第2部分を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリンジ組立体。
前記表示画面は、前記ハウジングに連結されている複数の弾性ピンによって支持されており、前記複数の弾性ピンは、前記表示画面に加えられた1つ又は2つ以上の力にために偏向するように構成されている、請求項2〜10のいずれか一項に記載のシリンジ組立体。
前記複数の弾性ピンは、偏向されていない場合には垂直方向に向けられており、前記弾性ピンは、前記表示画面に加えられる1つ又は2つ以上の力のために略外向きの方向に偏向するように構成されている、請求項11に記載のシリンジ組立体。
前記ハウジングは下部分及び上部分を含み、前記ハウジングの前記下部分及び前記ハウジングの前記上部分は、組み立ての間に互いに連結されている、請求項1〜15のいずれか一項に記載のシリンジ組立体。
前記アダプタを前記ハウジングの前記下部分にロックすることは、ロックの少なくとも一部分を、前記ロックが前記アダプタと係合して、前記ハウジングの前記下部分に対する前記アダプタの移動を防止するように押圧することを含む、請求項17に記載の方法。
前記ハウジングが回路基板及び表示画面を包囲するように、前記ハウジングの上部分を前記ハウジングの前記下部分に連結することを更に含み、前記ハウジングの前記上部分を前記ハウジングの前記下部分に連結することは、前記表示画面に力を及ぼし、前記表示画面を支持し、かつ前記ハウジングに連結されている1つ又は2つ以上の弾性ピンの偏向を引き起こす、請求項17又は18に記載の方法。
前記表示画面は、前記ハウジングの前記上部分と前記1つ又は2つ以上の弾性ピンとの間に配設されており、前記ハウジングの前記上部分を介して前記表示画面に加えられた下向きの力は、前記ハウジングの前記下部分に対する前記表示画面の下向きの変位及び前記1つ又は2つ以上の弾性ピンの外向きの偏向を引き起こす、請求項19に記載の方法。
前記アダプタを前記ハウジングの前記下部分の前記開口部の中に挿入することは、前記ロックの少なくとも一部分を偏向させることを含む、請求項17〜20のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本明細書に記載される書面による開示は、非限定的かつ非網羅的である例示的な実施形態について記載する。このような例示的な実施形態のうちのある特定のものについて参照がなされ、それらが図面に図示される。
[詳細な説明]
【0005】
本開示は、概してシリンジ組立体、膨張装置、膨張装置構成要素、及び流体を加圧、減圧、及び/又はそうでなければ変位するための関連方法に関する。ある実施形態は、特に、ハウジングがスナップフィット接続を介してシリンジに連結される膨張装置に関する。他の又は更なる実施形態は、複数の弾性ピンによって支持される表示画面を含む膨張装置に関し、複数の弾性ピンは、表示画面がハウジング内に固定される際に外向きに偏向する。
【0006】
実施形態の構成要素は、本明細書の図面にて一般的に説明及び図示されるように、広範囲の異なる構成にて配置及び設計可能である。したがって、図に表される様々な実施形態の以下のより詳細な記載は、本開示の範囲を限定するものではなく、単に様々な実施形態を表すものである。実施形態の様々な態様が図面に提示されるが、この図面は、特に示されない限り、必ずしも縮尺通りに描かれていない。
【0007】
「接続される」及び「連結される」という表現は、その通常の意味に用いられ、2つ以上の実体間での何らかの好適な連結、又は機械的、流体的及び熱的相互作用を含む、他の形態の相互作用を指す程度に広義である。2つの構成要素は、互いに直接接触していないとしても、互いに連結され得る。「取り付けられる」又は「直接取り付けられる」という表現は、互いに直接接触している、及び/又は任意の適切な様々な締結具(例えば、接着剤、ねじ)によってのみ互いに分離している、2つ以上の実体間での相互作用を指す。「流体連通」という表現は、各要素が互いに流体連通しているとき、流体(例えば、ガス又は液体)が、一方の要素から他方の要素へと流れることができる配置を指す。
【0008】
「ヒートピン」という用語は、ハウジングに連結するための第1端部と、熱を加えることで変形するように構成される第2端部とを含む細長い構造体を指す。
【0009】
「近位」及び「遠位」という用語は、反対の方向の用語である。例えば、装置又は構成要素の遠位端部は、通常使用中、施術者から最も遠い構成要素の端部である。近位端部は、その反対の端部、又は通常使用中、施術者から最も近い端部を指す。
【0010】
図1〜
図7Bは、膨張装置100又はその部分の別の図を提供する。例えば、
図1は、組み立てられた膨張装置100の斜視図を提供する。膨張装置100は、とりわけ、ハンドル102、プランジャ104、シリンジ本体110(例えば、細長いシリンジバレル)、及びハウジング120を含む。
図1に描かれるように、ハンドル102はプランジャ104の近位端部に連結される。プランジャ104は、シリンジ本体110内に配設されるように構成されてもよく、シリンジ本体110内のプランジャ104の前進は、シリンジ本体110の流体貯蔵器112内に配設される流体の変位を生じさせる。いくつかの実施形態では、プランジャ104は、複数のねじ山(図示なし)を介してシリンジ本体110に選択的に連結するように構成される。更なる実施形態では、ハンドル102は、シリンジ本体110へのプランジャ104の連結及び/又は離脱において機械的な有用性を供給するように設計される1つ又は2つ以上の要素を含む。
【0011】
膨張装置100は、医療器具、又は椎間板のような他の加圧可能要素を膨張及び/又は加圧するのに用いられてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、膨張装置100は、バルーンカテーテル(図示なし)のような医療器具を膨張するのに用いられてもよい。特に、シリンジ本体110の遠位ポート114は、バルーンカテーテルに接続され得る。プランジャ104がシリンジ本体110内に前進すると、流体はシリンジ本体110の流体貯蔵器112から、遠位ポート114を通ってバルーンカテーテルの中に押し流され、それによってバルーンカテーテルのバルーンを膨張させ得る。膨張装置100は、他の医療器具を膨張するために類似の方法で用いられてもよい。他の例では、膨張装置100は、腰部誘発椎間板造影処置において椎間板のような他の要素を加圧するのに用いられ得る。
【0012】
図1に示されるように、膨張装置100はまた、シリンジ本体110に連結するように構成されるハウジング120を含んでもよい。ハウジング120は、膨張装置100の1つ又は2つ以上の構成要素を包囲又は取り囲んでもよく、シリンジ本体110内の圧力の測定を容易にする。言い換えれば、膨張装置100は、医療処置の間にシリンジ本体110内の圧力を測定するのに用いられ得る。
【0013】
図2は、膨張装置100の一部分の分解斜視図を提供する。特に、
図2は、とりわけ、シリンジ本体110の遠位領域、シリンジ本体110の壁を貫通して延びる開口116、シリンジ本体110に連結されるアダプタ130、アダプタ130を介してシリンジ本体110に連結するように構成されるハウジングの下部分120b、ベースプレート142に連結される圧力変換器140、エラストマコネクタ150、アクチュエータ160、複数の穴172を有する回路基板170、電源180、表示画面190、及びハウジングの上部分120aを示す。組み立てられると、圧力変換器140、エラストマコネクタ150、回路基板170、及び表示画面190は、互いに電気通信にあってもよい。
【0014】
図2に示すように、開口116及びアダプタ130は、シリンジ本体110の遠位端部に隣接して配設され得る。アダプタ130は、任意の適切な方法でシリンジ本体110に取り付けられ得るか、そうでなければ連結され得る。例えば、アダプタ130は、シリンジ本体110と一体的に形成されてもよく、シリンジ本体110に溶接されてもよく、又は接着剤を介してシリンジ本体110に取り付けられてもよい。
【0015】
図示された実施形態では、アダプタ130は複数のフランジ134a、134b、134cを含む。例えば、図示の実施形態は、アダプタ130の下部分の遠位に延びる遠位フランジ134aと、アダプタ130の下部分の横方向に延びる2つの近位フランジ134b、134cとを含む。フランジ134a、134b、134cの各々は、ハウジングの下部分120bの上部面と接するように構成される下部面を含む。
【0016】
アダプタ130は、(1)圧力変換器140と(2)圧力変換器140に取り付けられるか、そうでなければ連結されるベースプレート142との両方を受容するように構成されるキャビティ132を含み得る。
【0017】
圧力変換器140は、膨張装置100が完全に組み立てられる場合、シリンジ本体110の流体貯蔵器112と流体連通にあってもよい。言い換えれば、シリンジ本体110の流体貯蔵器112からの流体は、シリンジ本体110の側壁を通過し、ベースプレート142を通過してもよく、その結果、圧力変換器140は、シリンジ本体110によって画定される流体貯蔵器112と流体連通にある。つまり、いくつかの実施形態では、流体はシリンジ本体110の壁とベースプレート142との両方を貫通して延びる開口116(又は開口の一群)を通過し得る。いくつかの実施形態では、開口116の断面は、0.8mm、0.6mm及び/又は0.4mm以下の長さの半径を有する。開口116の幾何学は、開口116の中への気泡の侵入を最小にし得るか、そうでなければ減少し得る。例えば、他の構成要素に対する開口116のサイズ、形状及び/又は位置は、その中の空気の巻き込みを最小限にし、又は防止し得る。いくつかの実施形態では、シール(図示なし)は、ベースプレート142とシリンジ本体110との間に配設されてもよく、したがってベースプレート142とシリンジ本体110との間に気密シールを供給する。更に加えて又は代替として、ベースプレート142は接着剤を介してシリンジ本体110に接着されてもよい。開口116は、シリンジ本体110に隣接する半径方向に拡大された部分を含むことができ、その結果、ベースプレート142をシリンジ本体110に接着するのに用いられる過剰な接着剤は、開口116の中央領域を塞ぐのではなく拡大部分に流入する。
【0018】
ベースプレート142は、任意の適切な材料(例えば、流体不浸透性材料)から作製され得る。例えば、いくつかの実施形態では、ベースプレート142は、セラミック基板と、
図2においてベースプレート142の近位端部に隣接して描かれるような、変換器140から複数の電気接点144へ延在する複数の電気導管を含む。動作時に、圧力変換器140は、圧力をアナログ電気信号に変換し得る。その後、信号は、電気導管を介して電気接点144に中継され得る。
【0019】
図3Aは、シリンジ本体110がハウジングの下部分120bから離脱される部分的に組み立てられた構成にある膨張装置100の一部分の斜視図を提供する。
図3Bは、
図3Aに描かれる膨張装置100の部分の斜視図を提供し、アダプタ130を介してハウジングの下部分120bに連結されたシリンジ本体110を備える。
【0020】
図3A及び
図3Bを参照すると、ハウジングの下部分120bは、アダプタ130とロック154とを含むスナップフィット接続を介して細長いシリンジ本体110に連結するように構成され得る。例えば、
図2を参照して説明されるように、アダプタ130のキャビティ132内に配設された圧力変換器140及びベースプレート142とともに、アダプタ130はハウジングの下部分120bの開口部126を通して挿入され、その後、ハウジングの下部分120bに取り付けられ得るか、そうでなければ連結され得る。特に、シリンジ本体110及びアダプタ130は、
図3Aに示すように、ハウジングの下部分120bから最初は離脱されてもよい。アダプタ130を
図3Aに示す位置からハウジングの下部分120bに挿入するために、シリンジ本体110及びアダプタ130をシリンジ本体110の長手方向軸に沿って回転することができ、その結果、第1近位フランジ134bは、第1近位フランジ134bの反対側に配設される第2近位フランジ134cよりも高く配設される。次に第1近位フランジ134bは、ハウジングの下部分120bの開口部126を通して挿入され得る。一旦、第1近位フランジ134bがハウジングの下部分120bの開口部126に十分に深く挿入されると、シリンジ本体110及びアダプタ130は回転されることができ、第2近位フランジ134cも同様に開口部126を通過する。一旦、両方の近位フランジ134b、134cが開口部126を通過すると、アダプタ130は、
図3Bに示すようにハウジングの下部分120bの1つ又は2つ以上の表面(例えば、傾斜面127)の上に置くことができる。言い換えれば、一旦、アダプタ130がハウジングの下部分120bの開口部126の中に挿入されると、アダプタ130はハウジングの下部分120bに接することができ、複数のフランジ134a、134b,134cの下部面はハウジングの下部分120bの上部面と接する。
【0021】
図示された実施形態では、ロック154はハウジングの下部分120bに取り付けられるか、そうでなければ連結される。例えば、いくつかの実施形態では、ロック154はハウジングの下部分120bに一体的に形成される。ロック154のロック機構は、
図4A及び
図4Bと関連して以下により詳細に論じる。
【0022】
ロック154は、エラストマコネクタ150(
図3Bを参照)を受容するように構成されるスロット158(
図3Aを参照)を含んでもよい。言い換えれば、エラストマコネクタ150は、スロット158を介してロック154を貫通して延びてもよい。エラストマコネクタ150は、回路基板170(例えば、
図2を参照)に圧力変換器140を電気的に連結するように構成され得る。言い換えれば、エラストマコネクタ150は、(1)ベースプレート142の電気接点144と(2)回路基板170との両方と電気接続を確立し得る。いくつかの実施形態では、エラストマコネクタ150は、シリコーンゴムのような圧縮可能材料を含んでもよい。このような材料は、エラストマコネクタ150がベースプレート142及び回路基板170によって供給された対向する力によって圧搾される場合に、圧縮されるのを可能にする。
【0023】
いくつかの実施形態では、エラストマコネクタ150は、複数の垂直方向に配向される層を含む。層は、導電層が非導電層に隣接する交互のパターンで配置されてもよい。圧力変換器140からベースプレート142の電気接点144に中継される電気信号は、エラストマコネクタ150の1つ又は2つ以上の導電層を介して回路基板170に伝えられ得る。この方法で、圧力変換器140と回路基板170との間の無半田電気接続が確立され得る。
【0024】
図4A及び
図4Bは、膨張装置100の一部分の断面図を提供する。特に、
図4Aは、部分的に組み立てられてロック解除された構成にある膨張装置100の断面図を提供し、一方
図4Bは、組み立てられてロックされた構成にある膨張装置100を示す。
【0025】
図4Aを参照すると、アダプタ130は、アダプタ130が
図3A及び
図3Bに関連して上述するようにハウジングの下部分120bの開口部を通して挿入される際に、ハウジングの下部分120bに連結されるロック154に上向きの力を及ぼすことができる。例えば、
図4Aに示すように、アダプタ130が、ハウジングの下部分120bに挿入される際に、ロック154の遠位部分は上向きの方向に偏向されてもよい。
【0026】
ロック154は、ハウジングの下部分120bに連結するための第1(例えば、近位)部分と、アダプタ130がハウジングの下部分120bの開口部に挿入される際に上向きに偏向するように構成される第2(例えば、遠位)部分を含んでもよい。ロック154の第2部分はまた、アダプタ130と係合するように構成される下向き突起部156を含んでもよく、ハウジングの下部分120bに対するアダプタ130の移動を防止する。言い換えれば、一旦、アダプタ130が開口部を通して挿入されると、複数のフランジ(例えば、フランジ134a)の下部面はハウジングの下部分120bと接し、ロック154の遠位部分に付加された下向きの力は、ロック154の下向き突起部156を、
図4Bに示すようにアダプタ130と係合させ、これによりハウジングの下部分120bに対するアダプタ130の移動を抑制することができる。下向きの力は、外部的に付加されてもよく(例えば、ロック154の遠位部分が手動で押圧されてもよく)、又は
図4Bに示すように配設されるロック154の付勢に起因してもよい。
図6A及び
図6Bに関連して更に以下に詳述するように、回路基板170は、
図4Bに示すように下向き突起部156がアダプタ130と係合される位置にロック154を保持するように、ロック154の上に置かれてもよい。この方法では、アダプタ130は、ハウジングの下部分120bに連結されるロック154を介してハウジングの下部分120bに対する所定の位置にロックされ得る。
【0027】
図4A及び
図4Bはまた、ハウジングの上部分120a、表示画面190、弾性ピン184、ヒートピン182、電源180、エラストマコネクタ150、圧力変換器140、ベースプレート142、及びシリンジ本体110のような、他の図に関連してより詳述される膨張装置100の他の構成要素を示す。
図4Bは、膨張装置100が組み立てられた構成にある場合に、圧力変換器140及び圧力変換器140用のベースプレート142が、アダプタ130とロック154との間に配設され得ることを示す。
【0028】
図5A及び
図5Bは、部分的に組み立てられた構成(例えば、回路基板170の設置前)にある膨張装置100の遠位端部の別の斜視図を提供する。
図5A及び
図5Bに提供される図は、他の図と関連して上述されたシリンジ本体110、ハウジングの下部分120b、アダプタ130、エラストマコネクタ150、及びロック154のような、様々な膨張装置構成要素を示す。
【0029】
図5A及び
図5Bはまた、膨張装置100の様々な他の要素を示す。例えば、示された実施形態は、複数のヒートピン182、複数の弾性ピン184、複数の側面支持体187、複数の連結要素188、及びアクチュエータ160を含む。
【0030】
示された実施形態では、各ヒートピン182は、ハウジングの下部分120bに連結するための第1端部と、熱を加えることにより変形(すなわち、形状を変える)ように構成される第2端部とを有する細長いシャフトを含む。ヒートピン182は、ハウジングの下部分120bのベースから実質的に垂直方向に延在してもよい。示された実施形態では、ヒートピン182はまた、細長いシャフトから横方向に延在する1つ又は2つ以上の肩部を含む。肩部は、回路基板を支持するように構成され得る。
【0031】
複数の弾性ピン184の各弾性ピン184は、ハウジングの下部分120bのベースから略上向きの方向に延在し得る。弾性ピン184は、略細長い形状であってもよい。いくつかの実施形態では、弾性ピン184は、表示画面190を支えるように成形されるトップ部分を含む(
図4B、
図7A及び
図7Bを参照)。例えば、示された実施形態では、トップ部分は傾斜部分185及び棚部186を含む。弾性ピン184は、ポリカーボネート又は他のプラスチック材料のような、偏向可能な材料で形成されてもよく、又は偏向可能な材料を含んでもよい。
【0032】
図4Bを参照すると、弾性ピン184は、表示画面190を支えている場合に外向きに偏向するように構成され得る。つまり、下向きの力がハウジングの上部分120aによって表示画面190に加えられると、弾性ピン184は外向きに偏向できる。そのような偏向は、少なくとも部分的に弾性ピン184の形状、構造、厚さ及び/又は幾何学のためであり得る。例えば、弾性ピン184の比較的薄い傾斜部分185は、外向きに偏向することができ、一方、弾性ピン184の残りの部分は偏向しない(又は、傾斜部分185よりも小さい程度に偏向される)。
【0033】
図5A及び
図5Bを参照すると、複数の連結要素188は、ハウジングの下部分120bをハウジングの上部分に連結するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ハウジングの下部分120bの連結要素188は、ハウジングの上部分の連結要素にスナップフィット接続を介して連結するように構成される。
【0034】
複数の側面支持体187は、表示画面を支持するように構成される棚部を含んでもよい。いくつかの実施形態では、側面支持体187は、ハウジングの下部分120bの1つ又は2つ以上の側面から延在する。
【0035】
アクチュエータ160は、膨張装置100に電源投入するように構成され得る。言い換えれば、アクチュエータ160を用いて、膨張装置100を無効状態と有効状態との間でトグルすることができる。他の、又は更なる実施形態では、アクチュエータ160は、回路基板170及び表示画面190と通信するように構成され得て、アクチュエータの操作により表示画面190を異なる視覚的表示の間で移行させる。示された実施形態では、施術者は、アクチュエータ160を操作するため、ハウジングの下部分120bの下面に置かれたボタンを上向きに押すことができる。
【0036】
図6A及び
図6Bは、部分的に組み立てられた構成にある膨張装置100の遠位端部の別の斜視図を提供する。特に、これらの図は、ハウジングの下部分120bに連結される回路基板170を示す。
【0037】
回路基板170は、電気回路構成要素及び複数の穴172(穴172は
図2に示す)を含んでもよい。電気回路構成要素は、圧力変換器からの信号を、シリンジ本体110の流体貯蔵器112内の圧力を表す読み出しに変換することを容易にするロジックを含み得る。示された実施形態では、回路基板170は、ヒートピン182の上に置かれ、回路基板170はヒートピン182の1つ又は2つ以上の肩部に載せられる。言い換えれば、回路基板170は、回路基板170の複数の穴172をヒートピン182と位置合わせして置かれることで、ヒートピン182のトップ部分が回路基板170の穴172を貫通して延びることができる。次に、熱をヒートピン182のトップ部分に加えることができ、ヒートピン182の変形を引き起こす。例えば、ヒートピン182は、
図6A及び
図6Bに示すように、マッシュルーム形ヘッドを形成するように溶解されてもよい。このような変形により、回路基板170がヒートピン182から離脱するのを防止できる。この方法では、回路基板170は、ハウジングの下部分120bに固定的に連結され得る。
【0038】
回路基板170は、ロック154から上向きに延びる回路基板係合部材128により更に所定の位置に保持され得る。回路基板係合部材128は、回路基板170と相互作用するように構成されてもよく、その結果、回路基板170は、ハウジングの下部分120bに対して適切な位置に設置される。例えば、回路基板係合部材128は、ヒートピン182と一緒に、回路基板170がエラストマコネクタ150に電気的に連結するのに適切に配置されるのを保証するように構成されてもよい。
【0039】
図7A及び
図7Bは、部分的に組み立てられた構成にある膨張装置100の遠位端部の別の斜視図を提供する。特に、これらの図は、表示画面190(例えば、液晶表示画面)及びハウジングの上部分120aと膨張装置100の別の構成要素との連結を示す。
【0040】
特に、
図7A及び
図7Bに示すように、表示画面190は、回路基板170の上に置かれて電気的に連結されてもよく、その結果、表示画面190は、ハウジングの下部分120bに連結される複数の弾性ピン184によって支持される。示された実施形態は、第1セットの2つの遠位弾性ピン184と第2セットの2つの近位弾性ピン184とを含む。弾性ピン184は、表示画面190の底縁部に隣接する表示画面190の1つ又は2つ以上の外面に接するように構成される。いくつかの実施形態では、表示画面190は、弾性ピン184と相互作用するように構成される1つ又は2つ以上の傾斜面を含む。
【0041】
図5A及び
図5Bに関連して上述したように、弾性ピン184は、棚部186と、弾性ピン184の先端に隣接する傾斜部分185とを含んでもよい。別の実施形態では、弾性ピンは棚部が無くてもよい。各弾性ピン184の傾斜部分185は、下向きの力が表示画面190に加えられる際に、外向きに偏向する(すなわち、表示画面190から離れる)ように構成されてもよい。つまり、表示画面190に加えられる下向きの力が増えるにつれ、弾性ピン184は外向きに偏向でき、これによってハウジングの下部分120bに対する表示画面190の下向きの変位が可能になる。弾性ピン184の棚部186は、表示画面190がハウジングの下部分120bに向かって変位し得る程度を制限してもよい。膨張装置100は、弾性ピン184の偏向能のため変更された寸法の表示画面190を収容するように構成され得る。言い換えれば、弾性ピン184は、比較的厚い表示画面190が弾性ピン184とハウジングの上部分120aとの間に配設される場合、比較的薄い表示画面190が弾性ピン184とハウジングの上部分120aとの間に配設される場合よりも大きな程度に偏向し得る。この方法では、弾性ピン184は、範囲内で、表示画面190の厚い部分又は別の寸法に関する許容誤差に応じることができる。
【0042】
下向きの力は、ハウジングの上部分120aにより表示画面190に加えられてもよい。言い換えれば、ハウジングの上部分120aがハウジングの下部分120bに(例えば、連結要素188を介して)連結される際に、ハウジングの上部分120aは表示画面190に対して押圧してもよく、(1)ハウジングの下部分120bに対する表示画面190の下向き変位と(2)弾性ピン184の外向き偏向との両方を引き起こす。ハウジングの上部分120a及びハウジングの下部分120bは、スナップフィット接続を介して連結され得る。この方法でのハウジングの上部分120aのハウジングの下部分120bへの連結により、ハウジング120a、120bは、回路基板170、電源180、及び表示画面190のような複数の構成要素を包囲し得る。つまり、回路基板170、電源180、及び表示画面190は、ハウジング120a、120b内に各々配設され得る。
【0043】
いくつかの実施形態では、弾性ピン184は、表示画面190が傾斜するようにサイズを合わせられる。例えば、ハウジングの下部分120bの遠位端部に隣接して配設された弾性ピン184は、ハウジングの下部分120bの近位端部に隣接して配設される弾性ピン184よりも長くなり得て、その結果、表示画面190の近位端部は、表示画面190の遠位端部の位置よりも低い位置に配設される。この方法で表示画面190が傾斜することは、表示画面190がシリンジ本体110の長手方向軸に平行している場合よりも、施術者が表示画面190上の圧力読み出し及び/又は他の情報をモニタするのを可能にする位置に表示画面190を設置し得る。
【0044】
図1〜
図7Bを参照すると、膨張装置100が組み立てられた状態にある場合、表示画面190は回路基板170及び圧力変換器140と電気通信にあり得る。例えば、シリンジ本体110の流体貯蔵器112内の圧力を表す圧力変換器140からの信号は、1つ又は2つ以上の電気導管を介してベースプレート142の電気接点144に中継され得る。次に信号は、ベースプレート142の電気接点144から無半田接続を介して(例えば、エラストマコネクタ150を介して)回路基板170に更に中継され得る。信号が回路基板170によって処理された後、回路基板170は、表示画面190に信号を送信又は中継してもよい。表示画面190は、次にシリンジ本体110の流体貯蔵器112内の圧力を表す視覚的読み出しを提供してもよい。
【0045】
図1〜
図7Bを更に参照すると、膨張装置100のような膨張装置は、以下のステップ、アダプタ130に連結されるシリンジ本体110を取得するステップ、ハウジングの下部分120bの開口部126の中にアダプタ130を挿入するステップ、及び/又はアダプタ130をハウジングの下部分120bにロックするステップのうちの1つ又は2つ以上を含む過程により製造され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、アダプタ130をハウジングの下部分120bにロックするステップは、ロック154の少なくとも一部分を押圧することを含み、その結果、ロック154はアダプタ130と係合し、ハウジングの下部分120bに対するアダプタ130の移動を防止する。
【0047】
いくつかの実施形態では、膨張装置100を製造する方法は、ハウジングの上部分120aをハウジングの下部分120bに連結することを含んでもよく、その結果、ハウジング120は回路基板170及び表示画面190を包囲する。そのような実施形態では、ハウジングの上部分120aをハウジングの下部分120bに連結することは、表示画面190に力を及ぼすことができ、表示画面190を支え、かつハウジング120に連結される1つ又は2つ以上の弾性ピン184の偏向を引き起こす。
【0048】
いくつかの実施形態では、表示画面190は、ハウジングの上部分120aと1つ又は2つ以上の弾性ピン184との間に配設され、ハウジングの上部分120aを介して表示画面190に加えられる下向きの力は、(1)ハウジングの下部分120bに対する表示画面190の下向きの変位と、(2)1つ又は2つ以上の弾性ピン184の下向きの偏向との両方を引き起こす。
【0049】
いくつかの実施形態では、アダプタ130をハウジングの下部分120bの開口部126の中に挿入するステップは、ロック154の少なくとも一部分の偏向を引き起こす。
【0050】
本明細書に開示されるいかなる方法も、記載されている方法を実行する1つ又は2つ以上のステップ又は操作を含む。方法のステップ及び/又は操作は、互いに入れ替えてもよい。換言すれば、ステップ又は操作の特定の順序が実施形態の適切な実施に必要とされない限り、特定のステップ及び/又は操作の順序及び/又は使用を変更してもよい。更に、本明細書に記載する方法のサブルーチン又はごく一部のみが、本開示の範囲内の独立した方法であってもよい。換言すれば、方法によっては、より詳細な方法に記載されているステップの一部のみを含んでもよい。
【0051】
本明細書全体にわたる「ある実施形態」又は「その実施形態」への参照は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、引用される表現、又はその変形は、この明細書を通して引用されるように、必ずしも全て同一の実施形態を参照しているとは限らない。
【0052】
同様に、本開示の利益を得る当業者は、上の実施形態の記載において、様々な特徴は時々、開示を効率化する目的で、1つの実施形態、図面、又はその説明にまとめられるものとして認識されるべきである。この開示される方法は、しかしながら、その請求項に明示的に記載される特徴よりも多くの特徴をいかなる請求項が要するという意図を反映するように解釈されるものではない。むしろ、以下の請求項が反映するように、発明的な態様は、いかなる1つの上記の開示される実施形態の全ての特徴よりも少ない組み合わせにある。したがって、この発明を実施するための形態に続く特許請求の範囲は、本発明を実施するための形態に明示的に組み込まれており、各請求項はそれぞれ個別に別々の実施形態として独立している。本開示は、独立請求項とそれらの従属請求項のあらゆる置き換えを含む。
【0053】
特徴又は構成要素に関して、請求項での「第1の」という用語の記載は、必ずしもこのような特徴又は要素の第2又は追加の存在を意味しない。本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施形態の詳細に変更を加えることができることは、当業者に明らかであろう。