(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961898
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】プレハブスラブ式防振軌道構造システム及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
E01B 3/40 20060101AFI20211025BHJP
E01B 1/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
E01B3/40
E01B1/00
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2018-535883(P2018-535883)
(86)(22)【出願日】2016年4月8日
(65)【公表番号】特表2019-501320(P2019-501320A)
(43)【公表日】2019年1月17日
(86)【国際出願番号】CN2016078779
(87)【国際公開番号】WO2017121044
(87)【国際公開日】20170720
【審査請求日】2019年1月16日
(31)【優先権主張番号】201610013534.7
(32)【優先日】2016年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518238780
【氏名又は名称】北京城建設計▲発▼展集団股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING URBAN CONSTRUCTION DESIGN & DEVELOPMENT GROUP CO., LIMITED
(73)【特許権者】
【識別番号】518238791
【氏名又は名称】安徽▲興▼宇▲軌▼道装▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI XINGYU RAILWAY EQUIPMENT CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100105050
【弁理士】
【氏名又は名称】鷲田 公一
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼秀仁
(72)【発明者】
【氏名】薛恒鶴
(72)【発明者】
【氏名】陳鵬
(72)【発明者】
【氏名】曲村
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼建忠
【審査官】
荒井 良子
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭49−049310(JP,A)
【文献】
特開昭60−246901(JP,A)
【文献】
特開2011−117128(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第102767123(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第103741561(CN,A)
【文献】
特開2009−046821(JP,A)
【文献】
特開平11−081201(JP,A)
【文献】
特開昭50−107604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 1/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
充填層、弾性クッション層及び軌道スラブを下から順に備え、並行する2本のレールがそれぞれ複数の締結具によって該軌道スラブに固定される、プレハブスラブ式防振軌道構造システムであって、
前記軌道スラブは、上面の幅方向両端から下方に延在する側面と、幅方向両側の前記側面の下端から幅方向中央部側へトンネル断面底部両側の湾曲に沿うよう斜め下方に延在する斜面と、前記幅方向両側の前記斜面の下端を結ぶよう水平に延在する下面と、を有し、
前記弾性クッション層は、前記軌道スラブの前記側面、前記斜面及び前記下面をすべて覆うよう配置され、
前記軌道スラブ及び前記弾性クッション層を、前記軌道スラブの前記幅方向中央部で前記上面から厚さ方向にトンネル断面底部中央部に向かって、前記軌道スラブにおける前記下面と前記弾性クッション層において前記下面を覆う部分とを含む最深部まで貫通して、前記充填層で終端するよう配置された、コンクリート材料を注入するための孔と、
前記孔内に取り付けられる弾性の密封スリーブであって、前記孔内への前記コンクリート材料の注入時に前記コンクリート材料が前記軌道スラブと前記弾性クッション層との間に入ることを回避するための密封スリーブと、
前記密封スリーブ内に配置される杭と、
を有する、プレハブスラブ式防振軌道構造システム。
【請求項2】
前記弾性クッション層は面状支持又は点状支持又は帯状支持であり、面状支持において、前記軌道スラブの前記下面が前記弾性クッション層の上面に全面にわたって前記軌道スラブの前記上面が平らになるように敷設されることを特徴とする請求項1に記載の防振軌道構造システム。
【請求項3】
前記軌道スラブに、仮設位置決め用の支持脚を取り付ける保留取付構造が設けられ、前記支持脚がスラブ内又はスラブ側面に位置する取付スリーブ装置と前記支持脚に付いたねじ山によってスリーブ内のねじ山と噛合して固定及び調整を実現することを特徴とする請求項1に記載の防振軌道構造システム。
【請求項4】
前記軌道スラブにスラブ敷設位置決め用のセンタリングマークを有することを特徴とする請求項1に記載の防振軌道構造システム。
【請求項5】
前記軌道スラブに埋め込み吊り上げ用の3−4個の専用吊り上げ部材を有することを特徴とする請求項1に記載の防振軌道構造システム。
【請求項6】
前記軌道スラブの端部に縦方向接続用の埋め込み部材が設けられることを特徴とする請求項1に記載の防振軌道構造システム。
【請求項7】
スラブ内鉄筋の間隔は所定係数に応じて設定されることで、鉄筋網の自動生産に有利であることを特徴とする請求項1に記載の防振軌道構造システム。
【請求項8】
請求項1−7のいずれか一項に記載のプレハブスラブ式防振軌道構造システムを施工するための方法であって、
前記軌道スラブの搬送及び敷設ステップ1と、
トンネルの基礎に溜まった水を排出し、且つ前記弾性クッション層と前記軌道スラブの複合状況及び前記弾性クッション層の周囲の密封状況を検査した後、コンクリート施工を行い、軌道スラブ下部コンクリートは流動性に優れた前記コンクリート材料を用いるコンクリート注入ステップ2と、
コンクリート養生ステップ3と、
締結具敷設ステップ4と、
レール敷設ステップ5と、を含み、
前記コンクリート注入ステップ2は、
前記軌道スラブ及び前記弾性クッション層を前記軌道スラブの前記幅方向中央部で前記上面から厚さ方向にトンネル断面底部中央部に向かって、前記軌道スラブにおける前記下面と前記弾性クッション層において前記下面を覆う部分とを含む最深部まで貫通して、前記充填層で終端する前記孔に、弾性の前記密封スリーブを取り付けるステップと、
前記コンクリート材料が前記軌道スラブと前記弾性クッション層との間に入ることを前記密封スリーブによって回避しつつ前記密封スリーブ内で前記孔を介して前記コンクリート材料を充填するステップと、
前記コンクリート材料の充填後、前記密封スリーブ内に前記杭を配置するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軌道交通の軌道構造の技術分野に関し、特に新型プレハブ鉄筋コンクリート道床と防振ゴム層を複合した防振軌道構造、複合軌道構造において一括充填する(コンクリート注入)一体化注入式工法、及び施工プロセスにマッチングする一連の新型関連施工装置及び技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の都市軌道交通の一体式コンクリート軌道道床は通常、現場で鉄筋を結束し現場でコンクリートを打設する工法を採用し、このような工法は現場での作業量が大きく、施工作業工程が多く(通常の軌道敷設作業は13以上の工程を有する)、作業者が多く、施工速度が遅く、軌道敷設作業においてレールとレール受け台を組み立てて軌框を形成しなければ施工精度要件を満たせないのであり、このようにしても、施工完了後の軌道精度が低い。工期が短く施工進捗を加速する必要がある時(工事を急ぐ場合)、軌道敷設精度がさらに低い。
【0003】
鉄道軌道構造は従来からバラスト軌道道床構造が最も多く使用されており、中国ではバラストレス軌道構造の応用が2003年10月に開通した秦皇島−瀋陽旅客輸送専用線路から開始し、該線路の一部のセクションにバラストレス軌道構造を初回試みて、すなわち工場でプレハブされたコンクリート道床スラブを、施工現場で底部に乳化アスファルトモルタル(CAモルタル)を充填することで固定して取り付ける。
【0004】
国際では、年代によって建設された高速鉄道の軌道構造は異なるタイプのプレハブ軌道構造、例えば中国の高速鉄道型、II型及びIII型軌道スラブ構造を使用している。これらのプレハブ軌道構造はほとんど、まず道床基層を敷設し、次に道床スラブを所定位置に配置して固定し、最終的に道床基層と軌道スラブとの間に薄層接着材料(例えば、CAモルタル又は袋詰めモルタル)を充填する施工プロセスを採用し、軌道スラブの取付と微調整は通常の吊り上げ装置によって粗位置決めを行い、手動で測定位置決めデータに応じて微調整を行う方法を採用している。高速鉄道のプレハブ軌道構造は薄肉プレストレスト鉄筋コンクリートスラブを使用し、厚さが200mm程度である。実際の運営過程では、プリストレスに起因するクリープ、太陽光照射による軌道スラブの最上面と底面との温度差に起因する変形、及び列車の動力作用に起因する衝撃等によって、軌道スラブの底面と充填層との結合面に大量のひび割れ、反り等の障害が生じ、これらの障害はある程度で列車の安全運転に対して隠れた危険性を招き、且つ解消しにくい。「結合面のひび割れへの懸念」は当業者の心に引っかかっている問題となる。環境振動及び騒音制約を受けないため、高速鉄道はスラブ式防振軌道を使用したことがない。
【0005】
都市軌道交通の軌道構造の運営のスムーズさを向上させ、施工作業効率を高めるために、中国の上海、深セン等の都市では従来の現場打ちコンクリート施工プロセスのかわりにスラブ式軌道構造を試みた。これらの応用では、ほとんど高速鉄道のプレハブ軌道スラブの関連概念、技術及び施工プロセスを参考にし、その基本的な技術的特徴は主に、薄肉軌道スラブ、道床基層の先行施工、軌道スラブと基層との間の隙間の単独充填、軌道スラブ施工における手動微調整位置決め等を含む。完全に手動でスラブ敷設する場合、施工工程が多く、施工効率が低く、人的要因によるスラブ敷設精度への影響が大きい。技術とプロセスの点では高速鉄道技術とほぼ同様であるため、高速鉄道用スラブ式軌道の抱えている問題(障害)が依然として存在している。
【0006】
都市軌道交通の防振要件を満たすために、軌道スラブの下に防振隔離層を設置する手法もあり、防振隔離層と軌道スラブを直接ねじによって固定する接続方式を採用するため、ねじの存在によって直接軌道スラブと基層コンクリートの「短絡」を起こし、防振隔離効果の低下や消失を招いてしまう。
【0007】
要するに、都市軌道交通の実際応用ニーズを満たすスラブ式軌道構造を開発するには、次の点で技術革新を達成する必要がある。
【0008】
一、良好な防振効果
【0009】
都市軌道交通工事はほとんど、都市の中心エリアにあり、環境保護要件が高く、敏感な地域では軌道構造が良好な防振効果を実現する必要がある。以下の点は良好な防振を実現するポイントである。
【0010】
1、軌道構造の有効振動質量をできるだけ増加する。
【0011】
従来の高速鉄道及び都市軌道交通工事用の軌道構造は厚さが薄い(約200mm)ため、直接都市軌道交通防振軌道に使用すると、有効振動質量が小さく防振効果を損ない、都市軌道交通の比較的高い防振要件を満たしにくい。従って、プレハブ軌道スラブの厚さを増加し、有効振動質量を増加し、防振効果を向上する必要がある。構造の厚さの増加に伴って、プリストレス構造を使用せずに力受け要件を満たすことができる。普通の鉄筋コンクリート構造によって、プリストレス偏心による軌道スラブの反りや後期コンクリートのクリープ変形等の問題を回避できる。
【0012】
2、新規な軌道スラブと防振隔離層との接続方式によって、不適切な固定方式による接続短絡に起因する防振隔離層の故障を防止する。
【0013】
二、従来のスラブ式軌道構造の一般的な障害を回避する。
【0014】
軌道スラブ底部のグラウチング接触面「ひび割れ」障害は従来から高速鉄道の軌道運営メンテナンスに悩む難題であり、従来のアイデアでは障害の発生を徹底的に回避できないため、障害を回避するには、新たな概念、新たな方法、革新的な技術案を採用しなければならない。
【0015】
三、革新的な軌道スラブ構造と施工プロセスによって、施工工程を減少させ、施工作業効率を大幅に向上させる。
【0016】
「簡素化」を行い、設計技術案の革新によって、軌道スラブ構造の施工技術及びプロセス、軌道スラブ構造の水平制限杭の成形方式、軌道スラブの測定位置決め方式、運営期間での軌道スラブ構造のメンテナンス交換方式等の点では技術革新を行うことで、施工工程を大幅に減少させ施工作業の利便性を向上させ、更に各工程の施工作業効率を全面的に向上させる。
【0017】
四、施工及び測定制御工程の機械化装置とインテリジェントシステムのレベルを高める。
【0018】
従来の軌道スラブ施工では機械化装置を使用して一部の施工作業を行うが、その装置の設計が従来の施工プロセス条件に基づくものであるため、作業効率も制限され、また、従来の軌道スラブ微調整が手動で行われるため、施工効率にも影響する。新しい軌道構造と施工プロセスに基づく施工装置とインテリジェント測定制御システムを開発することは十分に重要である。
【0019】
五、運営メンテナンスと防振隔離層の交換作業を容易にする。
【0020】
従来の防振軌道構造設計はほとんど運営期間でのメンテナンス交換の利便性要素を考慮していないため、交換作業による運営への影響が重大で、運営機関によって頻繁に批判されている。新規技術は運営機関でのメンテナンスと防振隔離層の迅速交換を容易に実現できる要件を満たすべきである。
【0021】
六、都市軌道交通の小半径曲線線路条件に適応する。
【0022】
高速鉄道の線路は条件が良好で、曲線半径が大きく(一般には5000m以上)、施工難度が比較的小さいことに対して、都市軌道交通は環境条件によって制限され、本線線路の最小曲線半径が300mと小さいため、プレハブスラブ式防振軌道は中小半径曲線に適応する技術案を研究する必要がある。
【0023】
上記重要な問題の研究及び解決に鑑みて、鋭意設計及び試験研究を重ねて、本発明は都市軌道交通用のプレハブスラブ式防振軌道構造システム、及び関連施工プロセス及び施工装置を革新的に提案する。本発明の一連の技術革新によって、従来の高速鉄道と都市軌道交通用のプレハブスラブ式軌道構造の設計及び施工の点での欠陥を解消し、施工工程を大幅に簡素化、施工技術レベルを向上させ、軌道の滑らかさを向上させ、養生メンテナンスを容易化することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、防振特性調整可能な軌道交通用新型プレハブスラブ式防振軌道構造システムを提供することを目的とする。
該軌道構造システムは、様々な防振ニーズ(非防振を含む)を満たすことができ、プレハブスラブが工場生産を採用し、防振隔離層が工場で特殊の方法によって複合され、敷設時に専用施工装置を使用し、施工工程が少なく、施工速度が速く、施工精度が高く、線路の滑らかさに優れた等の特徴を有する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
背景技術に記載の現在の高速鉄道と都市軌道交通のスラブ式軌道技術の問題、及び新型スラブ式防振軌道システムで解決すべき重要な技術革新問題に対して、システム革新によって、新型都市軌道交通プレハブスラブ式防振軌道の一連の技術及び装置を形成する。本発明は新型プレハブスラブ式防振軌道構造システム及びその関連工法、施工装置を開示し、その主要な技術的特徴と従来の技術との重要な相違点は表1に示される。
【0026】
本発明の主要な技術的特徴と従来の技術との重要な相違点の比較表
【表1】
【0027】
各部分の主要な特徴はそれぞれ以下の通りである。
【0028】
1、新型プレハブスラブ式防振軌道構造システムの主要な特徴は以下の通りである。
【0029】
1)工場又は現場で高精度金型によって鉄筋コンクリート軌道スラブを製造する。軌道スラブは非プリストレス鉄筋コンクリート構造としており、軌道スラブ表面の外観品質、平坦度及び製造精度を確保するために、プレハブ時、スラブ面を伏せる方式を採用し、下型及びブラケットシステムが十分な剛性を有することで、標準範囲外のスラブ面変形を防止し、スラブのすべての埋め込み部材は金型に確実な固定装置が設けられることで、埋め込み精度を確保し、従来から直線スラブが異なる半径の曲線スラブに近似的に適応する工法と異なり、本発明の軌道スラブは軌道スラブの外郭を変更せずに、特殊の調整可能埋め込み部材ロケータを用いることで、1セットの標準的な軌道スラブ金型を異なる曲線半径の技術条件に高精度に適応させ、金型の適応性と経済性を大幅に向上させる。
【0030】
2)従来の軌道スラブの施工中の浮上問題を回避し、コンクリート注入充填時の浮力影響を軽減させるために、軌道スラブの底面は下部の2つの角部を切断した逆台形断面とすることで、浮力作用を効果的に減少させ、1回のコンクリート注入面の高さを制御する場合、施工中の軌道スラブの浮上を回避できる。それとともに、逆台形底面とすることで、プレハブスラブの曲線形トンネル底面(例えば、シールドトンネル及び鉱山トンネルの円弧状底面)への適応性を向上させ、軌道スラブの厚さ増加と土木工事の施工誤差の適応性向上に有利である。スラブ厚さの増加は、有効振動質量を増加させ、軌道構造の防振効果を向上させることに有利である。
【0031】
3)測定及びスラブ搬送、スラブ卸し、スラブ調整、スラブ固定等のニーズに応じて、プレハブスラブ内に吊り上げ、敷設用の吊り上げ点、センタリング用のマーク、プリズム取付孔、縦方向接続装置取付孔等が設けられる。プリズム取付孔は取り付け締結具用ナイロンケーシングを利用してもよく、スラブ内に専用取付孔が予め設けられてもよい。
【0032】
4)高速鉄道用軌道スラブの端部に軌道スラブの制限杭と嵌合する半円形ノッチと異なり、本発明はプレハブスラブの中部に円形又はほかの形状の複数の制限杭保留孔が設けられ、該保留孔は基層コンクリート注入孔及び基層コンクリート注入の観察孔として兼用できる。下部充填層を注入する時、プレハブスラブの上面とほぼ同一の水平面になるまで制限孔を注入すると、鉄筋かごを下部基礎部に挿入し、平らにならして鉄筋コンクリート構造の制限杭を自然に形成し、プレハブスラブの縦方向、横方向の安定性を確保する。
【0033】
5)本発明の軌道構造システムでは、スラブ下道床基層構造は一括現場打ちコンクリート構造のみを含み、従来技術のトンネル底部充填、基層コンクリート注入、基層面レベリング、スラブ底部と基層との間におけるCAモルタル充填等を含む複数の工程が不要であり、施工工程を大幅に簡素化させる。
【0034】
2、プレハブスラブと防振クッションとの複合方式。
【0035】
プレハブスラブと防振クッションとの複合の難点は、プレハブスラブと防振クッションの体積が大きく、重量が大きく、どのようにして、プレハブスラブと防振クッション自体の損傷やその防振特性の低下を引き起こすことなく搬送及び使用中に常に密着させて複合するかである。その主要な特徴は以下の通りである。
【0036】
1)防振クッション層は弾性材料からなり、異なる構造、構成形態のゴム、ポリウレタン又は防振特性を有するほかの類似弾性材料が挙げられる。
【0037】
2)異なる防振等級の需要を満たすために、防振クッションは防振需要に応じて、弾性の異なる材料を選択でき、全面敷設、帯状敷設及び点状敷設等の異なる敷設方法によって異なるスラブ下支持弾性を実現できる。防振クッション層と軌道スラブの接続はその防振特性の発揮を損なわない新規な接続方式を採用し、プレハブスラブとゴムクッションとの複合信頼性を確保する。
【0038】
3)弾性クッションが全面敷設の場合、軌道スラブの底部に複合された防振クッション層がスラブ端部、スラブ側面と一体成形されてよく(「カバー」と類似する方式)、弾性クッションを別体に設計し、一体に組み立てるようにしてもよい。スラブの側面当て板と端面当て板の主要な機能は軌道スラブと周辺コンクリートとの弾性的隔離を実現し、施工時にコンクリートが防振クッションと軌道スラブとの間の結合層に侵入することを回避し、軌道スラブが上下に変形自在であることを確保し、防振「短絡」現象を回避することである。底部クッション層の主要な機能は軌道スラブの弾性を提供し、軌道構造システムの防振機能を実現することである。
【0039】
4)底部の充填コンクリートがクッション層のスリットに侵入して防振クッションの弾性損失及び消失を招くことを防止するために、軌道スラブの孔開け部位に、底部に「つば」を有する専用の弾性密封スリーブが設置され、密封スリーブの底部の「つば」が防振クッションの底面に効果的に密封接続される。また、密封スリーブはさらに以下の作用を有する。[1]後打ちした制限ボスと嵌合して、スラブの縦方向、横方向変形に対しある程度緩衝作用を果たす。[2]垂直振動時のプレハブスラブと制限ボスとの相互制約作用を軽減させ、防振特性への影響を低減させる。[3]プレハブスラブを交換する必要がある時、スラブ吊り上げ時のスラブとグラウチングスリーブとの間の摩擦抵抗を低減させる。[4]グラウチングスリーブを取り付ける時にプレハブスラブ孔壁との摩擦抵抗等を低減させる。
【0040】
5)必要に応じて、弾性クッション層の露出した部位に密封手段が設置され、それにより施工、運営過程での粉塵、汚れや地下水が結合層に侵入することを防止する。
【0041】
3、新型プレハブスラブ式防振軌道構造システムの関連工法の主要な特徴は以下の通りである。
【0042】
1)従来の手動作業方式の代わりに、インテリジェント軌道施工装置によってスラブ搬送、スラブ卸し、スラブ調整等の重要なプレハブスラブ施工工程の作業を行う。インテリジェント軌道施工装置は主にスラブ搬送車、スラブ調整車及び測定制御システムの3つの部分から構成され、各構成部分の機能及び特徴は以下の通りである。
【0043】
(1)スラブ搬送車は、スラブを作業面に運び、且つスラブをスラブ搬送車から次の工程に自動的に搬送する機能を担う。スラブ搬送装置走行システムは、各種のトンネルの底部輪郭及びレール条件に能動的に適応して走行できる専用軌道スラブ搬送ダンプカーを使用する。主にフレーム、スラブ搬送機構、ステアリング機構、ハンギング機構、車輪、運転室等のいくつかの部分から構成される。
【0044】
(2)スラブ調整車は主にプレハブスラブの微調整機能を担う。プレハブスラブを軌道敷設作業面に搬送した後、スラブ搬送車が作業面における微調整車とドッキングする。スラブ搬送車のスラブ搬送機構がスラブを微調整車に自動的に搬送する。スラブ調整車はプレハブスラブに対する空間6自由度の調整を実現する。微調整車の調整方式は上部調整(微調整機構はプレハブスラブの上方に位置し、すなわち、スラブを「引き上げる」)又は下部調整(微調整機構はプレハブスラブの下方に位置し、すなわち、スラブを「持ち上げる」)の2種の方式に設計できる。
【0045】
(3)測定制御システム。測定制御システムは微調整車と組み合わせて使用し、プレハブスラブの自動微調整機能を行い、従来のプレハブスラブ施工プロセスでは手動でスラブ敷設及びスラブ調整を行う必要があるという問題を解決する。測定制御システムはデータを自動的に測定し、測定データを微調整機構に提供し、微調整機構が自動的にスラブ調整作業を行うように指導する。測定制御システムのハードウェア部分は主にトータルステーション、傾斜センサフレーム、測定プリズム及びツーリング、微調整情報表示、制御ユニット、産業用コンピュータ、車載コントローラ等を備える。ソフトウェア部分の主な機能モジュールは、線路ラインタイプデータの入力及び編集モジュール、トータルステーション、フレームセンサ制御及びシステム微調整パラメータの設定モジュール、トータルステーションシステムの設置及び検査モジュール、プレハブスラブ微調整測定モジュール等を備える。プレハブスラブ微調整測定モジュールは本ソフトウェアのコアであり、一方ではトータルステーション及びセンサの動作を制御し、他方ではデータ計算結果を車載コントローラにリアルタイムに送信して、スラブ敷設作業を行う。
【0046】
2)インテリジェント防振軌道施工装置をプレハブスラブの施工プロセスに導入した後、主な施工プロセスは以下のステップを含む。
【0047】
(1)プレハブスラブを軌道敷設現場に搬送する。プレハブスラブ(工場内でスラブ−クッション複合されたプレハブスラブ)搬送は自動車によって軌道敷設現場に運ばれる。スラブ−クッション一体化によって、プレハブスラブ搬送中のプレハブスラブの損傷を防止できる。
【0048】
(2)プレハブスラブの吊り上げ・卸し及び搬送。トラッククレーン又はガントリークレーンを用いてプレハブスラブを、特別に開発されたスラブ搬送車に吊り上げ・卸しする。トンネル内のスラブ搬送車は1回あたり複数のプレハブスラブを運び、スラブ搬送車は車両フロアの中心線に対して対称的に積載すべきである。
【0049】
(3)プレハブスラブの微調整。プレハブスラブを作業面に搬送した後、スラブ搬送車が作業面における微調整車とドッキングする。スラブ搬送車のスラブ搬送機構はスラブを微調整車に自動的に搬送した後、測定制御システムをオンにし、プレハブスラブ精度が設計要件を満たすまで、微調整機構が自動スラブ調整を行うように制御する。
【0050】
(4)固定ツーリングの取り付け。プレハブスラブを所定位置に微調整した後、プレハブスラブ固定ツーリングを手動で取り付け、取り付け時、位置決め済みのプレハブスラブを緩衝しないようにし、プレハブスラブ固定ツーリングの取り付け完了後、測定制御システムは微調整機構をプレハブスラブから分離するように操作する。
【0051】
(5)補助型枠の取り付け。スラブ下道床基層注入前、必要に応じて所要の型枠(例えば、溝型枠等)を取り付ける。
【0052】
(6)道床基層の注入。道床基層は自己充填コンクリート又はモルタルなど強度と流動性要件を満たす材料で充填(注入)される。注入前、軌道スラブの姿勢や位置を再測定し、且つ防振クッションとプレハブスラブの複合状況を検査すべきである。スラブ下道床基層は単一材料で一括注入され、且つ1回で所定の位置に注入するモードが好ましく、必要に応じて、2〜3回に分けて所定の位置に注入されてもよい。
【0053】
スラブ下部充填層の注入完了後、後続の工程は従来のプレハブスラブ軌道施工工程と類似し、例えば充填層の養生、レール、締結具の取り付け、線路整備等が挙げられる。従来のプレハブスラブ施工プロセスに比べて、インテリジェント施工装置を用いて施工する時、トンネル底部充填、基層コンクリート注入、基層面レベリング、スラブ底部と基層との間におけるCAモルタル充填等の多くの作業工程が不要で、スラブ搬送過程に仮設軌道の敷設もプレハブスラブの粗敷設丁張りも不要であり、スラブ調整速度が手動スラブ調整よりも早く、スラブ調整精度が高く且つ精度が安定し、人的要因の影響を受けない等の長所を有するため、施工工程を簡素化させ、施工効率を高め、軌道面の滑らかさを向上させる。
【0054】
3)「相互交換修理」の概念によって防振クッションの交換を実現する。本発明は新規な「相互交換修理」方式によって軌道スラブと防振(隔離)層の交換作業を行い、すなわち、交換対象の軌道を撤去した後、専用施工装置(スラブ敷設車)によって交換対象の軌道スラブと防振クッションのユニットを直接吊り上げて取り出すとともに、用意した別の同じ軌道スラブと防振クッションのユニットを元の位置の溝に直接挿入し、締結具、レールを再取付するだけで、交換作業を完了する。完全に標準化したユニットを採用するため、極めて短い時間に作業を完了でき、交換効率が高く、地下鉄の夜間の短い運転停止期間での作業に非常に適する。
【0055】
上記本発明の技術的特徴と従来の高速鉄道及び都市軌道交通技術の特徴との比較分析によれば、本発明は新規なプレハブ防振軌道スラブ構造、新規なスラブ−クッション複合方式、高速鉄道用軌道スラブのひび割れ問題を徹底的に回避できる新規な軌道スラブと基層分離モード、新規な一体式注入道床基層施工プロセス、新規な軌道スラブ制限杭一括成形プロセス、様々な道路条件に適応する新型軌道スラブ搬送装置、新型軌道スラブ微調整装置及び測定制御システム、新型軌道スラブ内蔵支持調整器、「相互交換修理」概念に基づく新規な軌道スラブ交換及びメンテナンス技術、及びほかのスラブ式軌道と異なる一連の新規な技術的特徴及び補助装置を提供する。上記技術によって新型スラブ式防振軌道システムを建設すると、軌道構造システムの特性が高く、防振特性に優れ、施工作業工程が少なく、機械化程度が高く、手間を省き、施工精度が高く、施工速度が速く、運営メンテナンスが容易である等の一連の顕著な利点を有する。
【0056】
本発明の詳細は後述する説明及び図面から分かる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】
図1は本発明のプレハブ防振軌道構造システムの構造模式図を示す。
【
図5】
図5は本発明のスラブ調整後に調整バーによってスラブを固定する様子の模式図を示す。
【
図6】
図6は本発明のスラブ搬送車の構造模式図を示す。
【
図7】
図7は本発明の吊り上げ車の構造模式図を示す。
【
図8】
図8は本発明の微調整機能を有する吊り上げ車の構造模式図を示す。
【
図9】
図9は本発明の微調整用トロリーの構造模式図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1に示すように、本発明はプレハブ防振軌道構造システムに関し、前記プレハブ防振軌道構造システムは多層設計であり、下から順に充填層1、弾性クッション層4及び軌道スラブ6を備える。
【0059】
充填層1は最下位層であり、弾性クッション層4は充填層1の上に敷設され、好適には、該充填層は自己充填コンクリートからなり、それにより注入時、優れた流動性を提供し、且つ優れた支持効果を提供できる。弾性クッション層4の端部はシーリング材(ポリウレタンシーラント等の材料)15であり、それにより粉塵、異物、水等が弾性クッション層4と軌道6又は弾性クッション層4と充填層1との間の隙間に侵入することを防止する。
【0060】
該弾性クッション層4は充填層1の上に設けられ、充填層1の弾性緩衝を提供し、その迅速損傷を回避し、好ましくは、前記該弾性クッション層4はゴム又はポリウレタン等の弾性材料からなり、優れた防振効果を提供できる。
【0061】
該軌道スラブ6は弾性クッション層4の上に設けられ、防振作用を果たし、前記軌道スラブ6に並行する2本のレール7が設けられ、各レール7がそれぞれ複数の締結具5によって該軌道スラブ6に固定される。
【0062】
好ましくは、前記弾性クッション層4は面状支持(
図2参照)、点状支持(
図3参照)及び帯状支持(
図4参照)の3種の形態を含む。
【0063】
図2に示される面状支持において、軌道スラブ6の下面が弾性クッション層4の上面に全面にわたって平らに敷設され、前記弾性クッション層4全体が軌道スラブ6の底部及び両側の側部に被覆される。
【0064】
図3に示される点状支持において、前記弾性クッション層4は間隔をあけて並んだ複数の直方体、円筒、円錐台又はプリズム形状の弾性クッション層4を含み、前記軌道スラブ6の下面が前記複数の弾性クッション層の上に敷設される。
【0065】
図4に示される帯状支持において、前記弾性クッション層4は少なくとも2本の並行する弾性支持ストリップを含み、前記軌道スラブ6の下面が2本の弾性支持ストリップの最上面に敷設される。
【0066】
好ましくは、前記軌道スラブ6の断面は対称的な多角形であり、その両側を斜面構造とすることで、トンネル断面への適応性を向上させる。
【0067】
前記軌道スラブ6の上面は水平面又は斜面を有するものであり、ボスが設けられ、ボスの表面が水平面又は斜面である。
【0068】
軌道スラブ6の上面に4個の吊り上げ、敷設用の吊り上げ点11、センタリング用のマーク14、スラブ調整固定用の保留孔12が予め設けられ、プリズム取付用孔は締結具取付用ナイロンケーシングを用いてもよく、スラブ内に専用埋め込みナイロンケーシングを埋め込んでもよい。
【0069】
前記軌道スラブ6の両側に縦方向接続装置10が設けられ、それにより縦方向接続装置10によって軌道スラブ6同士を接続し、スラブ同士のずれをよりよく回避でき、前記縦方向接続装置10は軌道スラブ6に位置する複数の取付孔、及びボルトによって取付孔内に固定される接続バーを備え、それにより2つのプレハブスラブの間に縦方向接続方式を適用する。
【0070】
前記軌道スラブ6の中部に、軌道スラブ6と弾性クッション層4を貫通する2つの孔2が設けられ、孔2によって充填層を注入した後、スラブの制限杭を形成する。
【0071】
前記孔2内に密封スリーブ3が取り付けられ、前記密封スリーブは弾性材料からなる円筒構造であり、孔内から充填層を注入する時、充填材料がスラブと弾性クッション層との間に入って防振故障を招くことを回避する。それとともに、スラブと制限杭との間に緩衝作用を形成する。
【0072】
前記軌道スラブ6はライン生産され、弾性クッション層が軌道スラブと工場内で一体に複合され(特殊の場合に、弾性クッション層が現場で敷設されてもよい)、スラブ搬送車によって現場に運んだ後、微調整プラットフォームトロリーによって敷設、微調整した後、調整バー14によってスラブを固定した後、充填層を注入し、シームレスレールを敷設する。
【0073】
前記軌道スラブ6の両側に排水溝8が設けられ、弾性クッション層4の下部に溝(この場合、排水溝8が設けなくてもよい)が設けられてもよく設けられなくてもよい。
【0074】
本発明のプレハブスラブ防振軌道構造システムを提供するために、プレハブ時、効率よく複合を行うべきであり、前記軌道防振構造の複合方法は以下のステップを含む。
【0076】
工場内で軌道スラブ内の鉄筋結束、軌道スラブコンクリート注入を行い、プレハブ完了後、被覆、蓄水、シートによる保湿、養生剤のスプレー又は塗布等の養生手法によって、軌道スラブ養生を行う。
【0078】
軌道スラブの養生完了後、軌道スラブの底面、斜面及び側面に防振クッションを被覆し、且つ該防振クッションはスラブ端部、スラブ下部、スラブ側面と一体成形されることで、切断や二次締結を回避する。防振クッション層と軌道スラブの複合は防振クッションの特性発揮を損なわない特殊の複合方法を採用する。
【0079】
本発明の関連工法は主に以下のステップを含む。
【0081】
専用スラブ搬送車を用いて軌道スラブを作業現場に運び、軌道スラブがスラブ搬送車に吊り上げられ、スラブ搬送車にセルフロック装置が設けられ、セルフロック装置が軌道スラブを自動的に固定し且つ軌道スラブの中心を車両のフロアの中心に自動的に合わせ、搬送中に軌道スラブの位置を制御する。スラブ搬送車が作業面まで走行し、それと連動するスラブ卸し機構が自動的に軌道スラブを作業面に卸す。トンネル内スラブ搬送車が無軌道輸送方式を採用し、
図6に示すように、前記トンネル内スラブ搬送車は複数の軌道スラブを載置する車体16、及び車体の下端に位置する複数の走行部18を備え、スラブ搬送車の一端に軌道スラブを卸すベルトコンベヤ17、自動スラブ卸し機構19がさらに設けられ、前記トンネル内スラブ搬送車の前後部にそれぞれドライバ制御室が設けられるとともに、トンネル内スラブ搬送車はトンネル構造の断面に応じて走行機構を調整して、異なる構造形態の走行ニーズを満たす(平面基礎も曲面基礎も可)。
【0083】
専用吊り上げ車は作業面に配置された軌道スラブを吊り上げ、トンネル内の円形シールド壁上を走行でき、水平面上をも走行でき、それにより様々なタイプの構造面に適応する(すなわち、平面基礎も曲面基礎も可)。
図7、
図8に示すように、吊り上げ車は、フレーム構造20と、曲面と平面上を走行可能な走行機構21と、軌道スラブの昇降を制御する昇降機構22が設けられ、さらに制御システム23、油圧装置25、位置決めシステム24等を備える。
【0085】
軌道スラブの微調整は2種の手法を含み、それぞれ以下の通りである。
【0086】
1、手法1
専用吊り上げ車に微調整機構と高精度制御システムが設計される。
図8に示すように、主にフレーム構造20及び前後走行機構21を備え、前記フレーム構造20に調整シリンダ22が設けられ、前記調整シリンダ22は2つの縦方向調整シリンダ及び2つの横方向調整シリンダを含み、それぞれ軌道スラブに接続された調整レバーによって軌道スラブを調整し、測定装置によってデータを静的トロリー制御システムにフィードバックし、スラブ調整車は軌道スラブの標高、中心線特定及び高さ超過の調整を自動的に行うことで、軌道スラブの位置が微調整要件の精度を満たし、前記走行機構21は精密制御システム23を用いて、トータルステーションの測定を油圧装置25にフィードバックし、トータルステーションによって位置決めシステム24を測定し、それにより吊り上げ車の高精度位置決めを実現し、軌道スラブの微調整を実現する。微調整完了後、軌道スラブに軌道スラブサポート13を取り付け、軌道スラブの位置を固定することで、後続で下部充填層1を注入する時に軌道スラブの位置精度が常に誤差要件を満たすことを確保する。
【0088】
専用吊り上げ車は軌道スラブを、開発した微調整用トロリーに卸した後、微調整用トロリーによって軌道スラブを微調整位置決めする。
【0089】
図9に示すように、前記微調整用トロリーは主に、牽引車27、微調整小フレーム26、回転トレイ29、縦方向・横方向ガイドレール28、30、高さ調整シリンダ31等を備える。測定装置によってデータを静的調整トロリー制御システムにフィードバックし、軌道スラブの姿勢の自動調整を実現する。コア回転トレイ29の回転によって軌道スラブの軸線を線路の中心線に平行させた後、回転自由度をロックする。縦方向ガイドレール28と横方向ガイドガイドレール30によって移動トレイの線路方向と線路方向に垂直な位置を調整し、移動トレイ上の軌道スラブの投影位置(水平位置)を所定位置に調整する。移動機構に設けられた縦方向調整ジャッキ31によって軌道スラブの標高を調整する。最終的に軌道スラブの位置に微調整要件の精度を満たさせる。微調整完了後、軌道スラブに軌道スラブサポート13を取り付け、軌道スラブの位置を固定することで、後続で下部充填層1を注入する時に軌道スラブの位置精度が常に誤差要件を満たすことを確保する、
【0091】
防振クッションと軌道スラブとの複合状況及び防振クッションの周囲の密封状況を検査した後、コンクリート注入を行う。軌道スラブ下部充填層は自己充填コンクリート材料からなる。
【0092】
前記自己充填コンクリートの注入は現場混合の方式を採用する。自己充填コンクリートは袋詰めであり、現場に運んだ後、撹拌装置によってコンクリートの混合を行い、均一に混合した後、固有の輸送配管によって軌道スラブに予め設けられた注入孔(制限ボスと兼用する)から注入する。
【0093】
自己充填コンクリートの注入時、表面の滑らかさ及び緻密性の向上のため、小型バイブレータを挿入して振動を補助する。
【0094】
注入後、静置過程では気泡のオーバーフローによってコンクリートが沈下し、コンクリートの初期硬化前に所定標高まで補充する。充填層注入中の軌道スラブの浮上による軌道スラブの精度への影響を回避するために、充填層注入は2回に分けて行われ、第1回にスラブの底から50mmに注入し、コンクリートの最終硬化後にさらに注入する。
【0096】
自己充填コンクリートが所定強度に達すると、軌道スラブの上部締結具の取付を行い、軌道スラブ搬送車によって締結具を作業面に搬送し、取付順序はスラブ下部ゴム当て板→鉄製当て板→軌道下部ゴム当て板である。
【0098】
軌道スラブ搬送車によってレールを作業面に搬送し、搬送車によってレールを取付点に卸して分散させ、手動でレールを鉄製当て板のレール受け溝内に移動させ、ゲージブロック、接続ボルト及びクリップを取り付けて溶接接続する。
【0100】
1、構造形態が地下鉄シールドトンネルの寸法によりよく適応でき、土木工事の誤差による軌道敷設への影響を大幅に軽減させる。
【0101】
2、プレハブスラブ構造とすることで、敷設進捗及び施工品質を向上させ、軌道構造システムの信頼性を強化し、且つ外観が美しくなる。
【0102】
3、プレハブスラブと弾性クッション層を工場で複合することで、吊り上げ、上部支持時にスラブを保護でき、且つ弾性クッションを現場で敷設する工程を省くことで、施工進捗を向上させる。
【0103】
4、スラブに吊り上げ点、センタリングマーク、調整バー取付孔、測定プリズム取付孔等を予め設けるという複数種の措置を取ることで、軌道スラブの迅速、高精度施工を実現し、且つ防振軌道構造システムの交換性を向上させる。
【0104】
5、自己充填コンクリートを注入することで、コンクリートの流動性を高め、軌道スラブ下部コンクリートの緻密性を確保する。
【0105】
6、制限装置と底部コンクリートの一次成形を実現する。
【0106】
7、自ら開発した微調整用トロリーシステムによってスラブ敷設を行い、施工プロセスが簡単で、施工進捗を大幅に加速し、敷設精度が高く、作業量を大幅に低減させる。
【0107】
従って、本発明のスラブ式軌道防振構造及び関連工法は軌道交通分野に適用でき、防振特性が必要に応じて適宜設計できるだけでなく、施工プロセスが簡単で、施工速度が速く、施工精度が高く、軌道の滑らかさに優れ、作業量が小さい等の特徴を有し、軌道交通の環境配慮、高効率及び障害減少の傾向に一致し、社会的利益が巨大で、都市軌道交通の車両走行で生じた振動及び二次構造騒音の問題を効果的に軽減させる。
明らかなように、上記説明と記載は例示的であり、本発明の開示内容、応用又は使用を限定するものではない。図面に示される実施例を参照して説明したが、本発明は図面に示された例及び実施例に説明された本発明を実施する従来の特定の最適実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲は上記明細書及び添付特許請求の範囲に属するすべての実施例を含む。