特許第6961919号(P6961919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961919
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】液体カートリッジ及び液体消費装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20211025BHJP
【FI】
   B41J2/175 151
   B41J2/175 119
   B41J2/175 141
   B41J2/175 161
   B41J2/175 307
   B41J2/175 315
   B41J2/175 153
   B41J2/175 169
【請求項の数】9
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-192624(P2016-192624)
(22)【出願日】2016年9月30日
(65)【公開番号】特開2018-52016(P2018-52016A)
(43)【公開日】2018年4月5日
【審査請求日】2019年9月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宏明
(72)【発明者】
【氏名】温井 康介
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 豊紀
【審査官】 中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2016/0279958(US,A1)
【文献】 特開2012−000858(JP,A)
【文献】 特開2013−220650(JP,A)
【文献】 特開2013−129178(JP,A)
【文献】 特開2014−193616(JP,A)
【文献】 特開2012−206409(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2016/0279954(US,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第02607081(EP,A1)
【文献】 中国実用新案第203401813(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着部に対して前方へ挿入されて装着され、且つ後方へ脱抜される液体カートリッジであって、
装着状態において水平方向に沿った前方を向く前面と、
上記前面よりも前方とは反対の後方に離れて位置する後面と、
上記前面及び上記後面の間に位置しており、上方を向く上面と、
上記前面及び上記後面の間に位置しており、上記上面よりも下方に離れて位置しており、下方を向く下面と、
上記前面に位置しており、上記液体カートリッジに貯留されている液体を外部へ供給する液体供給部と、
上記上面に位置する電気的インターフェースと、
外部から光が照射され得る被照射部を上記上面よりも上方に有し、上記液体カートリッジの状態に応じて当該光の状態を変化させる被検知部と、
上記下面から下方へ突出した係合部と、を備え、
上記係合部は、上記被照射部よりも前方に位置して上下方向に沿って移動可能であり、
上記電気的インターフェースは、上記被照射部よりも前方に位置しており、
上記係合部は、後方を向く係合面を有しており、上記装着部に対して上記液体カートリッジが前方へ移動されることによって上記装着部と係合し、上記装着部に対して上記液体カートリッジが後方へ移動されることによって上記装着部との係合が解除される液体カートリッジ。
【請求項2】
上下方向における上記液体供給部と上記下面との間の距離は、当該上下方向における上記液体供給部と上記上面との間の距離よりも短い請求項1に記載の液体カートリッジ。
【請求項3】
上記係合部は、
上記後方の成分を有する方向を向くように上記水平方向に対して傾斜した第1傾斜面と、
上記第1傾斜面よりも前方に位置しており、前方の成分を有する方向を向くように上記水平方向に対して傾斜した第2傾斜面と、を備え、
上記第1傾斜面は、上記係合面である請求項2に記載の液体カートリッジ。
【請求項4】
上記係合部は、上記係合面を下方へ付勢する第1付勢部材を備える請求項1から3のいずれかに記載の液体カートリッジ。
【請求項5】
上記被検知部は、上記液体カートリッジに貯留された液体の残量に応じて、外部から照射された光の状態を変化させるものである請求項1から4のいずれかに記載の液体カートリッジ。
【請求項6】
上記被照射部は、上記液体カートリッジに貯留された液体の残量に応じて、外部から照射された光を遮光または減衰させる検知位置と、当該検知位置とは異なる非検知位置とに移動可能な光減衰部である請求項5に記載の液体カートリッジ。
【請求項7】
さらに、上記光減衰部と上記電気的インターフェースとの間において上記上面から延び、外部から照射された光を遮光または減衰させる光減衰板を有する請求項6に記載の液体カートリッジ。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の液体カートリッジと、
上記液体カートリッジが前方へ挿入されて装着され、且つ上記液体カートリッジが後方へ脱抜される装着部と、
上記装着部に装着された上記液体カートリッジに貯留された液体を消費する消費部と、を備え、
上記装着部は、
上記液体カートリッジが上記装着部に装着された装着状態において上記電気的インターフェースに形成された電極と電気的に導通する接点と、
発光部、及び上記装着状態において上記被照射部が位置し得る検出位置を挟んで当該発光部と対向する受光部を有するセンサと、を備える液体消費装置。
【請求項9】
上記装着部は、
下面に形成された凹部と、
上記凹部を画定し且つ上記液体カートリッジの装着方向を向く被係合面と、を備え、
上記被係合面は、上記装着状態において上記液体カートリッジの上記係合面と係合する請求項8に記載の液体消費装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体が貯留される液体カートリッジ、及び当該液体カートリッジが装着される液体消費装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、インクカートリッジに貯留されたインクをノズルから吐出することによって、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置において、インクが消費される毎に新たなインクカートリッジを装着可能に構成されたものがある。例えば、特許文献1には、プリンタ10に着脱可能なインクカートリッジ30が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015−196273号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されたインクカートリッジ30の上面には、回動部材80及びIC基板85が配置されている。また、インクカートリッジ30の上面には、透光部47が配置され得る。回動部材80は、インクカートリッジ30をプリンタ10に装着された状態に維持するための部材である。IC基板85には、インクカートリッジ30に関する情報が読み出し可能に格納されている。透光部47は、インクカートリッジ30の種別や、インクカートリッジ30に貯留されたインクの残量を判定するためのものである。
【0005】
上述したように、インクカートリッジでは、所定面(例えば上面)に、インクカートリッジの機能を発揮させるための様々な部材が集中して配置される場合がある。その場合、所定面に当該部材の全てを配置することができなかったり、仮に配置できたとしても各部材の配置位置や大きさが想定通りにできなかったりするおそれがある。
【0006】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機能を発揮させるための部材の配置の自由度を向上させることができる液体カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明に係る液体カートリッジは、装着状態において水平方向に沿った前方を向く前面と、上記前面よりも前方とは反対の後方に離れて位置する後面と、上記前面及び上記後面の間に位置しており、上方を向く上面と、上記前面及び上記後面の間に位置しており、上記上面よりも下方に離れて位置しており、下方を向く下面と、上記前面に位置しており、上記液体カートリッジに貯留されている液体を外部へ供給する液体供給部と、上記上面に位置する電気的インターフェースと、外部から光が照射され得る被照射部を上記上面よりも上方に有し、上記液体カートリッジの状態に応じて当該光の状態を変化させる被検知部と、上記下面から下方へ突出した係合部と、を備える。上記係合部は、後方を向く係合面を有する。
【0008】
上記構成によれば、電気的インターフェース及び被照射部が上面に位置する一方で、係合部が下面に位置している。これにより、上面に位置する部材を減らすことができる。その結果、電気的インターフェース及び被照射部の配置の自由度を向上させることができる。
【0009】
(2) 上記係合部は、上記被照射部よりも前方に位置する。
【0010】
上記構成によれば、係合部は、前後方向において、被照射部よりも液体供給部に近い位置にある。つまり、外部の装置に装着された液体カートリッジが液体供給部において位置決めされ、液体供給部を中心に回動可能となる場合に、係合面は、前後方向において、被照射部よりも液体カートリッジの回動中心に近い位置にある。そのため、液体カートリッジが位置決めされた状態において、係合面が被照射部よりも液体カートリッジの回動中心から遠い位置にある場合よりも、係合部の位置のばらつきを小さくすることができる。つまり、液体カートリッジが位置決めされた状態において、液体カートリッジの姿勢を安定させることができる。
【0011】
また、係合部が液体カートリッジの回動中心から遠い位置にある程、係合部には大きな回転モーメントがかかるため、回転モーメントの影響を受けた被係合部がクリープ変形し易くなってしまう。しかし、上記構成によれば、係合部は、前後方向において、被照射部よりも液体カートリッジの回動中心に近い位置にある。そのため、係合部が前後方向において被照射部よりも液体カートリッジの回動中心から遠い位置にある場合よりも、クリープ変形を低減することができる。
【0012】
(3) 上下方向における上記液体供給部と上記下面との間の距離は、当該上下方向における上記液体供給部と上記上面との間の距離よりも短い。
【0013】
上記構成によれば、液体供給部は、液体カートリッジの下面近くに配置される。そのため、係合部は、上下方向において、液体供給部に近い位置にある。つまり、係合部は、上下方向において、液体カートリッジの回動中心に近い位置にある。これにより、上記(2)と同様に、液体カートリッジの姿勢を安定させることができ、被係合部のクリープ変形を低減することができる。
【0014】
(4) 例えば、上記係合部は、上下方向に沿って移動可能である。
【0015】
(5) 上記係合部は、上記後方の成分を有する方向を向くように上記水平方向に対して傾斜した第1傾斜面と、上記第1傾斜面よりも前方に位置しており、前方の成分を有する方向を向くように上記水平方向に対して傾斜した第2傾斜面と、を備える。上記第1傾斜面は、上記係合面である。
【0016】
上記構成によれば、液体カートリッジが外部の装置に装着される場合に、当該外部の装置における係合部と係合する面を、第1傾斜面及び第2傾斜面に沿って案内することができる。これにより、係合部を外部の装置に円滑に係合させることができる。
【0017】
(6) 上記係合部は、上記係合面を下方へ付勢する付勢部材を備える。
【0018】
上記構成によれば、液体カートリッジが外部の装置に装着された状態において、係合部には、反作用の力として下方へ向かう力と逆方向の力、つまり上方へ向かう力が付与される。この反作用の力によって、液体カートリッジは、上方へ付勢される。これにより、電気的インターフェースも、上方へ付勢される。これにより、液体カートリッジが外部の装置に装着された状態において、装置における電気的インターフェースに対応する位置に、電気的インターフェースと電気的に導通される接点が配置されている場合に、電気的インターフェースを、接点へ向けて付勢することができる。その結果、電気的インターフェースと接点とを確実に導通させることができる。
【0019】
(7) 例えば、上記被検知部は、上記液体カートリッジに貯留された液体の残量に応じて、外部から照射された光の状態を変化させるものである。
【0020】
(8) 例えば、上記被照射部は、上記液体カートリッジに貯留された液体の残量に応じて、外部から照射された光を遮光または減衰させる検知位置と、当該検知位置とは異なる非検知位置とに移動可能な光減衰部である。
【0021】
(9) 例えば、本発明に係る液体カートリッジは、さらに、上記光減衰部と上記電気的インターフェイスとの間において上記上面から延び、外部から照射された光を遮光または減衰させる光減衰板を有する。
【0022】
(10) 例えば、本発明に係る液体カートリッジは、上記装着状態において上記水平方向に平行な奥行き方向に延び、上記水平方向と直交し上方向と平行な高さ方向に延び、且つ当該奥行き方向および当該高さ方向に直交する幅方向に延びているものであり、上記液体供給部は、上記液体カートリッジを後方へ付勢する第2付勢部材を備え、上記第2付勢部材は、上記奥行き方向に移動可能であって、上記液体供給部の開口を開放または閉塞可能なバルブであり、上記液体カートリッジは、上記装着状態において、上記係合面が後方へ向かって外部の部材が備える被係合面に当接した第1姿勢と、上記係合面が当該被係合面よりも上方に位置する第2姿勢との間で回動可能である。
【0023】
(11) 本発明は、上記液体カートリッジと、上記液体カートリッジが前方へ挿入されて装着され、且つ上記液体カートリッジが後方へ脱抜される装着部と、上記装着部に装着された上記液体カートリッジに貯留された液体を消費する消費部と、を備え、上記装着部は、上記液体カートリッジが上記装着部に装着された装着状態において上記電気的インターフェースに形成された電極と電気的に導通する接点と、発光部、及び上記装着状態において上記被照射部が位置し得る検出位置を挟んで当該発光部と対向する受光部を有するセンサと、を備える液体消費装置として捉えることもできる。
【0024】
(12) 例えば、上記装着部は、下面に形成された凹部と、上記凹部を画定し且つ上記液体カートリッジの装着方向を向く被係合面と、を備え、上記被係合面は、上記装着状態において上記液体カートリッジの上記係合面と係合する。
【0025】
(13) 例えば、上記液体カートリッジは、上記装着状態において上記水平方向に平行な奥行き方向に延び、上記水平方向と直交し上方向と平行な高さ方向に延び、且つ当該奥行き方向および当該高さ方向に直交する幅方向に延びているものであり、上記液体供給部は、上記液体カートリッジを後方へ付勢する第2付勢部材を備え、上記第2付勢部材は、上記奥行き方向に移動可能であって、上記液体供給部の開口を開放または閉塞可能なバルブであり、上記装着部は、上記液体カートリッジが上記装着状態において上記バルブが上記液体供給部の開口を開放するように上記液体供給部に挿入されるチューブを有し、上記液体カートリッジは、上記装着状態において、上記係合面が後方へ向かって上記被係合面に当接した第1姿勢と、上記係合面が上記被係合面よりも上方に位置する第2姿勢との間で回動可能である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、液体カートリッジに配置される部材であって、機能を発揮させるための部材の配置の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、カートリッジ装着部110を備えたプリンタ10の内部構造を模式的に示す模式断面図である。
図2図2は、カートリッジ装着部110の外観構成を示す正面図である。
図3図3(A)は、インクカートリッジ30を前方且つ上方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。図3(B)は、インクカートリッジ30を前方且つ下方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。
図4図4(A)は、インクカートリッジ30を後方且つ上方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。図4(B)は、インクカートリッジ30を後方且つ下方から視た状態の外観構成を示す斜視図である。
図5図5は、インクカートリッジ30の側面図である。
図6図6は、インクカートリッジ30の内部構成を示す縦断面図である。
図7図7は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入され始めた状態を示している。
図8図8は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インク供給部34がガイド部105に進入し始め、ロッド125が前部カバー32の凹部96に進入し始めた状態を示している。
図9図9は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インクニードル102がインク供給部34のインク供給口71に進入し、係合部130が凹部91の真上に位置した状態を示している。
図10図10は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インクニードル102がインク供給部34のインク供給口71に進入し、係合部130が凹部91に嵌った状態を示している。
図11図11は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インクカートリッジ30が第1姿勢の状態を示している。
図12図12は、インクカートリッジ30及びカートリッジ装着部110を示す縦断面図であり、インクカートリッジ30が第2姿勢の状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0029】
また、以下の説明では、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入される方向が前方向51(装着方向の一例)と定義される。また、前方向51と反対方向であって、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から脱抜される方向が後方向52と定義される。本実施形態において、前方向51及び後方向52は水平方向であるが、前方向51及び後方向52は水平方向でなくてもよい。また、重力方向が下方向53と定義され、重力方向と反対方向が上方向54と定義される。また、前方向51及び下方向53と直交する方向が、右方向55及び左方向56と定義される。より具体的には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110の装着位置まで挿入された状態、つまりインクカートリッジ30が装着姿勢にある状態(装着状態)において、インクカートリッジ30を前方から後方に視た場合において、右に延びる方向が右方向55と定義され、左に延びる方向が左方向56と定義される。
【0030】
また、前方向51及び後方向52は、前後方向51、52(奥行き方向の一例)と定義される。また、上方向54及び下方向53は、上下方向53、54(高さ方向の一例)と定義される。また、右方向55及び左方向56は、左右方向55、56(幅方向の一例)と定義される。
【0031】
また、本明細書等において、「前方を向く」とは、前方の成分を含む方向を向くことを含み、「後方を向く」とは、後方の成分を含む方向を向くことを含み、「下方を向く」とは、下方の成分を含む方向を向くことを含み、「上方を向く」とは、上方の成分を含む方向を向くことを含む。例えば、「前面が前方を向く」とは、前面が前方を向いていてもよいし、前面が前方に対して傾斜した方向を向いていてもよい。
【0032】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、用紙に対してインク滴を選択的に吐出することにより画像を記録するものである。プリンタ10(液体消費装置の一例)は、記録ヘッド21(消費部の一例)と、インク供給装置100と、記録ヘッド21及びインク供給装置100を接続するインクチューブ20とを備えている。インク供給装置100には、カートリッジ装着部110(装着部及び外部の部材の一例)が設けられている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(液体カートリッジの一例)が装着され得る。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が設けられている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に前方へ挿入され、或いはカートリッジ装着部110から後方へ抜き出される。
【0033】
インクカートリッジ30には、プリンタ10で使用可能なインク(液体の一例)が貯留されている。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20で接続されている。記録ヘッド21にはサブタンク28が設けられている。サブタンク28は、インクチューブ20を通じて供給されるインクを一時的に貯留する。記録ヘッド21は、インクジェット記録方式によって、サブタンク28から供給されたインクをノズル29から選択的に吐出する。具体的には、記録ヘッド21に設けられたヘッド制御基板から各ノズル29に対応して設けられたピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧が印加される。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。つまり、記録ヘッド21は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30に貯留されたインクを消費する。
【0034】
プリンタ10は、給紙トレイ15と、給紙ローラ23と、搬送ローラ対25と、プラテン26と、排出ローラ対27と、排紙トレイ16と、を備えている。給紙トレイ15から給紙ローラ23によって搬送路24へ給送された用紙は、搬送ローラ対25によってプラテン26上へ搬送される。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した用紙は、排出ローラ対27によって、搬送路24の最下流側に設けられた排紙トレイ16に排出される。
【0035】
[インク供給装置100]
図1に示されるように、インク供給装置100は、プリンタ10に設けられている。インク供給装置100は、プリンタ10が備える記録ヘッド21にインクを供給するものである。インク供給装置100は、インクカートリッジ30を装着可能なカートリッジ装着部110を備えている。なお、図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。つまり、図1において、インクカートリッジ30は装着状態である。
【0036】
[カートリッジ装着部110]
図2及び図7に示されるように、カートリッジ装着部110は、ケース101と、インクニードル102と、残量センサ103と、装着センサ113と、4つの接点106と、を備えている。カートリッジ装着部110には、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する4つのインクカートリッジ30が収容可能である。また、インクニードル102、残量センサ103、装着センサ113、及び4つの接点106は、4つのインクカートリッジ30それぞれに対応して、4つずつ設けられている。
【0037】
[ケース101]
図2及び図7に示されるように、カートリッジ装着部110の筐体を形成するケース101は、ケース101の内部空間の天部を確定している天面と、底部を確定している底面と、天部と底部とをつないでいる終面と、終面と前後方向51、52に対向する位置に設けられた開口112とを有する箱形状である。開口112は、ユーザがプリンタ10を使用するときに対面する面であるプリンタ10のユーザインタフェース面に露出し得る。
【0038】
開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿抜される。インクカートリッジ30は、天面及び底面に設けられたガイド溝109に、インクカートリッジ30の上端部及び下端部が挿入されることによって、図7において前後方向51、52へ案内される。ケース101には、内部空間を上下方向53、54に長い4つの空間に仕切り分ける3つのプレート104が設けられている。プレート104によって仕切り分けられた各空間それぞれにインクカートリッジ30が収容される。
【0039】
[凹部91]
図7に示されるように、ケース101の底面(カートリッジ装着部110の下面の一例)における終面付近には、下方へ凹んだ凹部91が形成されている。
【0040】
凹部91は、その前端を面92によって区画されており、その後端を面93(被係合面の一例)によって区画されており、その下端を面94によって区画されている。面92は、その上端がその下端よりも前方に位置し且つ後方及び上方を向くように、前後方向51、52に対して傾斜している。面93は、その上端がその下端よりも後方に位置し且つ前方及び上方を向くように、前後方向51、52に対して傾斜している。面94の前端は、面92の下端と繋がっている。面94の後端は、面93の下端と繋がっている。
【0041】
なお、面93、94は、上下方向53、54に沿っていてもよい。また、凹部91は、ケース101の底面における終面付近以外に形成されていてもよい。
【0042】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、凹部91には、インクカートリッジ30の後述する係合部130が嵌り込む。そして、このとき、凹部91の面93は、係合部130の後述する面134と係合する。
【0043】
[インクニードル102]
図7に示されるように、インクニードル102(チューブの一例)は、管状の樹脂からなり、ケース101の終面の下部に位置している。インクニードル102は、ケース101の終面において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30のインク供給部34(液体供給部の一例)に対応する位置に配置されている。インクニードル102は、ケース101の終面から後方へ突出している。
【0044】
インクニードル102の周囲には、円筒形状のガイド部105が配置されている。ガイド部105は、ケース101の終面から後方へ突出し、その突出端が開口している。インクニードル102は、ガイド部105の中心に配置されている。ガイド部105は、インクカートリッジのインク供給部34が内方に進入する形状である。
【0045】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に前方へ挿入される過程において、つまりインクカートリッジ30が装着位置へ移動する過程において、インクカートリッジ30のインク供給部34がガイド部105に進入する(図8参照)。さらにインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に前方へ挿入されると、インクニードル102が、インク供給部34に形成されたインク供給口71(液体供給部の開口の一例)に挿入される(図9参照)。これにより、インクニードル102とインク供給部34とは連結される。そして、インクカートリッジ30の内部に形成された貯留室36に貯留されたインクは、インク供給部34の内部に形成された筒壁73の内部空間及びインクニードル102の内部空間を通じてインクニードル102に接続されたインクチューブ20に流出される。なお、インクニードル102の先端は、平坦であってもよく、尖っていてもよい。
【0046】
[接点106]
図2及び図7に示されるように、ケース101の天面における終面付近には4つの接点106が設けられている。4つの接点106は、天面からケース101の内部空間へ向けて下方に突出している。各図には詳細に示されていないが、4つの接点106は、左右方向55、56に離れて配置されている。4つの接点106の配置は、後述されるインクカートリッジ30の4つの電極65の配置(図3,4参照)に対応している。各接点106は、導電性及び弾性を有する部材で構成されており、上方へ弾性的に変形可能である。4つの接点106は、ケース101に収容可能な4つのインクカートリッジ30に対応して、4組が設けられている。なお、接点106の個数及び電極65の個数は任意である。
【0047】
各接点106は、電気回路を介して演算装置に電気的に接続されている。演算装置は、例えばCPU,ROM,RAMなどからなるものであり、プリンタ10の制御部として構成されていてもよい。接点106と対応する電極65とが係合して電気的に導通されることによって、電圧Vcが電極65に印加されたり、電極65がアースされたり、電極65に電力が供給されたりする。接点106と対応する電極65との電気的に導通により、インクカートリッジ30のICに格納されたデータにアクセス可能となる。電気回路からの出力は演算装置に入力される。
【0048】
[ロッド125]
図2及び図7に示されるように、ケース101の終面におけるインクニードル102より上方に、ロッド125が形成されている。ロッド125は、ケース101の終面から後方へ突出している。ロッド125は、円筒形状の上半分の如く、前後方向51、52と直交する断面形状が逆向きU字形状であって、その最上部分からリブが上方へ突出した形状である。当該リブは、前後方向51、52へ延びている。ロッド125は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、つまりインクカートリッジ30が装着位置に位置する状態において、インクカートリッジ30のIC基板64の下方の凹部96へ挿入される。
【0049】
[残量センサ103]
図7に示されるように、ケース101の天面における接点106よりも後方には、残量センサ103(センサの一例)が配置されている。残量センサ103は、発光部及び受光部を備える。発光部は、受光部よりも右方または左方に、受光部と間隔を空けて配置されている。カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の残量検知部58の収容体62は、発光部及び受光部の間の検出位置に配置される。換言すれば、発光部及び受光部は、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の残量検知部58の収容体62を挟んで対向配置されている。
【0050】
残量センサ103は、発光部から左右方向55、56に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる検知信号を出力する。例えば、残量センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号(「信号レベルが閾値レベル未満の信号」を指す。)を出力する。一方、残量センサ103は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号(「信号レベルが閾値レベル以上の信号」を指す。)を出力する。
【0051】
[装着センサ113]
図7に示されるように、ケース101の天面には、装着センサ113が配置されている。装着センサ113は、残量センサ103よりも前方且つ接点106よりも後方に位置している。装着センサ113は、発光部及び受光部を備える。発光部は、受光部よりも右方または左方に、受光部と間隔を空けて設けられている。カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の後述する遮光板67(光減衰板の一例)は、発光部及び受光部の間に配置される。換言すれば、発光部及び受光部は、カートリッジ装着部110への装着が完了したインクカートリッジ30の遮光板67を挟んで対向配置されている。
【0052】
装着センサ113は、発光部から左右方向55、56に沿って照射された光が受光部で受光されたか否かに応じて異なる検知信号を出力する。例えば、装着センサ113は、発光部から出力された光が受光部で受光できない(すなわち、受光強度が所定の強度未満である)ことを条件として、ローレベル信号を出力する。一方、装着センサ113は、発光部から出力された光が受光部で受光できた(すなわち、受光強度が所定の強度以上である)ことを条件として、ハイレベル信号を出力する。
【0053】
[インクカートリッジ30]
図3図6に示されるインクカートリッジ30はインクが貯留される容器である。インクカートリッジ30の内部に形成されている空間がインクを貯留する貯留室36である。貯留室36は、内部フレーム35によって形成されている。内部フレーム35は、インクカートリッジ30の外観を形成している後部カバー31及び前部カバー32に収納されたフレームである。
【0054】
なお、貯留室36は、後部カバー31及び前部カバー32によって形成されていてもよい。つまり、インクカートリッジ30は、内部フレーム35が後部カバー31及び前部カバー32に収納された構成でなく、後部カバー31及び前部カバー32によって構成されていてもよい。また、インクを貯留可能な袋が、後部カバー31及び前部カバー32に収納されていてもよい。つまり、当該袋が、内部フレーム35と同様の機能を有していてもよい。
【0055】
図3図6に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、インクカートリッジ30が装着状態にあるときの姿勢である。すなわち、インクカートリッジ30は、後述されるように、前面140と、後面41と、上面39,141と、下面42,142とを備えるが、図3図6に示されているインクカートリッジ30の姿勢は、後面41から前面140に向かう方向が前方向51に一致し、前面140から後面41に向かう方向が後方向52に一致し、上面39,141から下面42,142に向かう方向が下方向53に一致し、下面42,142から上面39,141に向かう方向が上方向54に一致する姿勢である。
【0056】
後面41は、前面140よりも後方に離れて位置する。上面39、141は、前面140及び後面41の間に位置する。下面42、142は、上面39、141よりも下方に離れて位置する。下面42、142は、前面140及び後面41の間に位置する。
【0057】
インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されるときに、前面140は前方を向き、後面41は後方を向き、下面42,142は下方を向き、上面39,141は上方を向く。
【0058】
図3図6に示されるように、インクカートリッジ30は、略直方体形状で後面41を構成する後部カバー31と、略直方体形状で前面140を構成する前部カバー32と、貯留室36を区画する内部フレーム35とで構成される。後部カバー31に前部カバー32が組み付けられて、インクカートリッジ30の外形が構成されている。内部フレーム35は、組み付けられた後部カバー31及び前部カバー32の内部に収納される。
【0059】
インクカートリッジ30は、装着状態において、前後方向51、52、上下方向53、54、及び左右方向55、56に延びている。インクカートリッジ30は、全体として、左右方向55、56に沿った寸法が細く、上下方向53、54及び前後方向51、52それぞれに沿った寸法が、左右方向55、56に沿った寸法よりも大きい扁平形状である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されるときに挿入方向(前方)を向く前部カバー32の面が前面140である。インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から抜き出されるときに脱抜方向(後方)を向く後部カバー31の面が後面41である。すなわち、後面41は、前部カバー32の前面140との間に貯留室36を挟んで配置されている。
【0060】
[後部カバー31]
図3及び図4に示されるように、後部カバー31は、左右方向55、56において互いに隔てて配置された側面37、38と、上下方向53、54において互いに隔てて配置された上面39及び下面42とが後面41から前方に延設されて構成されており、前方へ向かって開口された箱形である。後部カバー31の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。すなわち、後部カバー31は、内部フレーム35の後部を覆っている。また、下面42は、内部フレーム35が挿入された状態において、上面39との間に貯留室36を挟んで配置されている。
【0061】
後面41は、上部分41Uと下部分41Lとを有する。上部分41Uは、下部分41Lよりも上方に位置する。下部分41Lは、上部分41Uよりも前方に位置する。上部分41U及び下部分41Lは、いずれも平面であり、相互に直交せずに交差している。下部分41Lは、下面42に近づくほど前面140に近くなるように上下方向53、54に対して傾斜している。図示されていないが、上部分41Uには、ユーザが押すことを促す「PUSH」などの文字、矢印などの記号、指で押すことを示した図などが記されたシートが貼られている。
【0062】
なお、後面41は、下部分41Lを有さず、上部分41Uだけで構成されていてもよい。つまり、上部分41Uの下端と、後部カバー31の下面42の後端とが繋がっていてもよい。
【0063】
[前部カバー32]
図3及び図4に示されるように、前部カバー32は、左右方向55、56において互いに隔てて配置された側面143、144と、上下方向53、54において互いに隔てて配置された上面141及び下面142とが前面140から後方に延設されて構成されており、後方へ向かって開口された箱形である。前部カバー32の内部には、開口を通じて内部フレーム35が挿入される。すなわち、前部カバー32は、内部フレーム35のうちの後部カバー31によって覆われていない前部を覆っている。
【0064】
前部カバー32及び後部カバー31が組み付けられた状態、すなわちインクカートリッジ30が組み立てられた状態において、前部カバー32の上面141は、後部カバー31の上面39と共にインクカートリッジ30の上面を構成する。前部カバー32の下面142は、後部カバー31の下面42と共にインクカートリッジ30の下面を構成する。前部カバー32の側面143、144は後部カバー31の側面37、38と共にインクカートリッジ30の側面を構成する。
【0065】
また、インクカートリッジ30が組み立てられた状態において、インクカートリッジ30の前面を構成する前部カバー32の前面140と、インクカートリッジ30の後面を構成する後部カバー31の後面41とは、前後方向51、52において互いに隔てて配置されている。
【0066】
なお、インクカートリッジ30の前面、後面、上面、下面、側面は、必ずしも1つの平面をなしている必要はない。すなわち、装着状態のインクカートリッジ30を前方から後方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着状態のインクカートリッジ30の前後方向51、52の中心よりも前方に位置する面が前面である。装着状態のインクカートリッジ30を後方から前方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着状態のインクカートリッジ30の前後方向51、52の中心よりも後方に位置する面が後面である。装着状態のインクカートリッジ30を上方から下方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着状態のインクカートリッジ30の上下方向53、54の中心よりも上方に位置する面が上面である。装着状態のインクカートリッジ30を下方から上方に視たときに視認し得る面であり、且つ、装着状態のインクカートリッジ30の上下方向53、54の中心よりも下方に位置する面が下面である。側面に関しても同様である。
【0067】
前部カバー32の前面140の上部には、後方へ凹む凹部96が形成されている。凹部96には、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態においてロッド125が進入する。したがって、凹部96の前後方向51、52に直交する断面は、ロッド125の断面形状に対応する形状である。
【0068】
前部カバー32の前面140の下部には、後方へ貫通する孔97が形成されている。孔97は、前部カバー32に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35のインク供給部34を外部へ露出させるための孔になる。したがって、孔97は、内部フレーム35のインク供給部34に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。
【0069】
前部カバー32の前面140には、第1突出部85及び第2突出部86が形成されている。第1突出部85は、前部カバー32の上端において前方へ突出している。凹部96は、第1突出部85の先端に設けられている。第1突出部85の先端は前面140の一部をなす。第2突出部86は、前部カバー32の前面140の下端、すなわちインク供給部34より下方において、前面140から前方へ突出している。
【0070】
前部カバー32の上面141には、下方に貫通する孔98が形成されている。孔98は、前部カバー32に内部フレーム35が挿入された状態において、内部フレーム35から突出した後述する収容体62を外部へ露出させるための孔になる。したがって、孔98は、収容体62に対応する位置、寸法、及び形状に形成されている。
【0071】
前部カバー32の上面141には、上方に突出する遮光板67が形成されている。遮光板67は、前後方向51、52に延びている。遮光板67は、内部フレーム35から突出した収容体62よりも前方に位置している。遮光板67は、後述するIC基板64よりも後方に位置している。
【0072】
遮光板67は、左右方向55、56に進行する装着センサ113の光を遮断する。より詳細には、装着センサ113の発光部から出力された光が受光部に到達するまでの間に遮光板67に当たることによって、受光部に到達する光の強度が所定の強度未満、例えば、ゼロとなる。遮光板67は、光が左右方向55、56に進むのを完全に遮断してもよいし、光を部分的に減衰させてもよいし、光の進行方向を曲げてもよいし、光を全反射させてもよい。
【0073】
前部カバー32の上面141であって、第1突出部85の上方、すなわちインク供給部34の上方には、ガラスエポキシなどで構成された固い板状のリジッド基板であるIC基板64(電気的インターフェースの一例)が設けられている。IC基板64は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される途中において左右方向55、56に沿って4つが並ぶ接点106(図2参照)と導通し、かつインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態においても接点106と導通する。
【0074】
IC基板64には、IC(各図には現れていない)と、4つの電極65とが搭載されている。4つの電極65は、左右方向55、56に沿って並んでいる。ICは、半導体集積回路であり、インクカートリッジ30に関する情報、例えば、ロット番号や製造年月日、インク色などの情報を示すデータが読み出し可能に格納されている。
【0075】
各電極65はICと電気的に接続されている。各電極65は、それぞれが前後方向51、52に沿って延出されており、4つの電極65は、左右方向55、56に離間されて配置されている。各電極65は、IC基板64の上面に電気的にアクセス可能に露出されている。
【0076】
[係合部130]
図6に示されるように、前部カバー32の下面142には、上方へ凹んだ凹部129が形成されている。凹部129には、係合部130が配置されている。係合部130は、後述する残量検知部58の収容体62よりも前方に位置する。なお、下面42が遮光板66よりも前方まで延出されている場合、凹部129は下面42に形成されていてもよい。
【0077】
係合部130は、当接部131と、コイルバネ132(第1付勢部材の一例)とを備えている。
【0078】
当接部131は、面133と面134とを備えている。面133は、その上端がその下端よりも前方に位置し且つ前方及び下方を向くように、前後方向51、52に対して傾斜している。面133は、第2傾斜面の一例である。面134は、面133よりも後方に位置している。面134は、その上端がその下端よりも後方に位置し且つ後方及び下方を向くように、前後方向51、52に対して傾斜している。面134は、係合面及び第1傾斜面の一例である。
【0079】
コイルバネ132は、凹部129の天面128と、当接部131とに接続されている。コイルバネ132の上端が天面128に接続している。コイルバネ132の下端が当接部131に接続している。
【0080】
当接部131の面133、134は、当接部131がコイルバネ132に接続された状態において、凹部129よりも下方へ突出している、つまり前部カバー32の下面142よりも下方へ突出している。
【0081】
当接部131の面133、134は、コイルバネ132が縮むことによって、凹部129内へ収納可能である。このとき、コイルバネ132は、当接部131を下方へ付勢している。また、当接部131の面133、134は、コイルバネ132が自然長のとき、上述したよう凹部129よりも下方に位置する。つまり、当接部131は、コイルバネ132が伸縮することによって、上下方向53、54に沿って移動可能である。
【0082】
[内部フレーム35]
各図には現れていないが、内部フレーム35は、左右方向55、56一対の端面が開放された環状に構成されている。内部フレーム35において、開放された一対の面がフィルム(不図示)によって封止されることにより、その内部にインクを貯留可能な貯留室36が形成されている。貯留室36を区画する前面40は、内部フレーム35が前部カバー32に挿入された際に、前部カバー32の前面140の裏面に対向する面である。前面40には、インク供給部34が配置されている。
【0083】
[インク供給部34]
図6に示されるように、インク供給部34は、前面140の下部において、内部フレーム35の前面40から前方へ突出している。つまり、上下方向53、54におけるインク供給部34と下面142との間の距離L1は、上下方向53、54におけるインク供給部34と上面141との間の距離L2よりも短い。インク供給部34は、円筒形状の外形をなしており、前部カバー32の前面140に設けられた孔97を通じて外方へ突出している。インク供給部34は、内部空間を有する円筒形状の筒壁73と、筒壁73に取り付けられたシール部材76及びキャップ79とを備えている。
【0084】
筒壁73は、貯留室36の内部から外部に亘って延設している。筒壁73の後端部は、貯留室36において開口している。筒壁73の前端部は、インクカートリッジ30の外部に開口している。これにより、筒壁73は、内部空間を介して貯留室36及びインクカートリッジ30の外部と連通している。つまり、インク供給部34は、貯留室36に貯留されたインクを筒壁73の内部空間を通じてインクカートリッジ30の外部に供給する。筒壁73の前端には、シール部材76及びキャップ79が取り付けられている。
【0085】
筒壁73の内部空間には、弁体77及びコイルバネ78が収容されている。弁体77及びコイルバネ78は、第2付勢部材及びバルブの一例である。弁体77及びコイルバネ78は、インク供給部34の状態を、筒壁73の内部空間を通じて貯留室36からインクカートリッジ30の外部にインクが流出される状態(図9参照)と、筒壁73の内部空間からインクカートリッジ30の外部にインクが流出されない状態(図6参照)との間で選択的に切り換えるためのものである。
【0086】
弁体77は、前後方向51、52に沿って移動することにより、シール部材76の中央に貫通されたインク供給口71を開閉する。コイルバネ78は弁体77を前方へ付勢している。したがって、外力が付与されていない状態において、弁体77は、シール部材76のインク供給口71を閉じている。
【0087】
シール部材76は、筒壁73の先端に配置されている。シール部材76は、中央に貫通孔が形成された円盤形状の部材である。シール部材76は、例えば、ゴムやエラストマのような弾性材料から形成されている。シール部材76の中央が前後方向51、52に貫通されて筒状の内周面が形成され、その内周面によりインク供給口71が形成されている。インク供給口71の内径は、インクニードル102の外径より若干小さい。シール部材76は、筒壁73の外側に嵌め込まれたキャップ79によって、筒壁73の先端に液密に当接している。
【0088】
弁体77がインク供給口71を閉じている状態において、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に挿入されると、インク供給口71にインクニードル102が進入する。インクニードル102には、シール部材76を弾性変形しつつ、その外周面がインク供給口71を画定する内周面に液密に接触する。インクニードル102の先端がシール部材76を通過して筒壁73の内部空間へ進入すると、弁体77に当接する。さらにインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ挿入されることにより、インクニードル102が弁体77をコイルバネ78の付勢力に抗して後方へ移動させる。これにより、貯留室36に貯留されているインクが筒壁73の内部空間を通じてインクニードル102の先端部分へ流通することが可能となる。各図には現れていないが、インクニードル102の先端部分に形成された貫通孔を通じて、筒壁73の内部空間からインクニードル102の内部空間へインクが流通する。これにより、貯留室36に貯留されたインクが、筒壁73の内部空間、インクニードル102を通じて外部へ流出可能となる。
【0089】
なお、インク供給部34において、インク供給口71を閉じる弁体77は必ずしも設けられなくてもよい。例えば、インク供給口71がフィルムなどで閉塞されており、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されると、インクニードル102がフィルムを突き破ることによりインク供給口71を通じてインクニードル102の先端部分が筒壁73の内部空間へ進入する構成であってもよい。また、インク供給口71は、シール部材76の弾性により閉じており、インクニードル102が挿入されたときのみに、インクニードル102に押し拡げられるように形成されていてもよい。
【0090】
[残量検知部58]
残量検知部58(被検知部の一例)は、インクカートリッジ30の状態(インクカートリッジ30に貯留されたインクの残量)に応じて、インクカートリッジ30の外部(カートリッジ装着部110の残量センサ103)から照射された光の状態を変化させるものである。
【0091】
図6に示されるように、残量検知部58は、収容体62とセンサーアーム59とを備えている。
【0092】
収容体62は、内部フレーム35の上面から、前部カバー32の孔98を通じて、前部カバー32の上面141よりも上方へ突出している。収容体62は、内部空間が貯留室36と連続する空間を有する。収容体62は、左右方向55、56に沿って光を透過する透光性を有する。収容体62は、前部カバー32の孔98を通じて外部へ露出されている。
【0093】
内部フレーム35の貯留室36内には、センサーアーム59が配置されている。センサーアーム59は、左右方向55、56に沿って延びる回動軸61に支持されており、回動軸61周りに回動可能である。センサーアーム59は、フロート63と遮光板66(被照射部の一例)とを有している。
【0094】
フロート63は、貯留室36に貯留されたインクより比重が小さい。したがって、貯留室36内において、フロート63はインク中に存在する状態において浮力を生じさせる。貯留室36がインクでほぼ満たされている状態では、フロート63の浮力によって、センサーアーム59は、図6における反時計回りに回動する。
【0095】
遮光板66は、板状の部材であって、内部フレーム35の収容体62内に進入している。遮光板66は、前部カバー32の上面141よりも上方に位置する。遮光板66は、センサーアーム59が図6における反時計回りに回動したときに、収容体62の前端を確定する壁に当接する。これにより、センサーアーム59の姿勢が維持される。この状態において、遮光板66は、収容体62を左右方向55、56に進行する残量センサ103の光を遮断等する。このときの遮光板66の位置(図6に実線で示される位置)が、検知位置である。
【0096】
より詳細には、残量センサ103の発光部から出力された光が受光部に到達するまでの間に遮光板66に当たることによって、受光部に到達する光の強度が所定の強度未満、例えば、ゼロとなる。遮光板66は、光が左右方向55、56に進むのを完全に遮断してもよいし、光を部分的に減衰させてもよいし、光の進行方向を曲げてもよいし、光を全反射させてもよい。つまり、遮光板66は、光減衰部の一例である。
【0097】
貯留室36においてインクが減り、遮光板66が収容体62を進行する光を遮断等するときの姿勢におけるフロート63の位置より、インクの液面が下降すると、フロート63がインクの液面と共に下降する。これにより、センサーアーム59は、図6における時計回りに回動する。この時計回りの回動によって、収容体62内に進入していた遮光板66の一部は、残量センサ103の発光部から受光部への光路から外れる。これにより、残量センサ103の受光部に到達する光の強度が所定の強度以上となる。このときの遮光板66の位置(図6に破線で示される位置)が、検知位置とは異なる位置である非検知位置である。
【0098】
[インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110へ装着される動作]
以下、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される過程が説明される。
【0099】
図7に示されるように、カートリッジ装着部110に装着される前のインクカートリッジ30において、弁体77は、シール部材76のインク供給口71を閉じている。これにより、貯留室36からインクカートリッジ30の外部へのインクの流通は遮断されている。
【0100】
また、図7に示されるように、カートリッジ装着部110に装着される前のインクカートリッジ30において、残量センサ103の発光部と受光部との間には、他の部材が位置しないため、残量センサ103からプリンタ10の制御部へハイレベル信号が出力される。また、装着センサ113の発光部と受光部との間には、他の部材が位置しないため、装着センサ113からプリンタ10の制御部へハイレベル信号が出力される。
【0101】
図7に示されるように、カートリッジ装着部110の開口112を通じてケース101へインクカートリッジ30が挿入される。後部カバー31の後面41の上部分41Uは下部分41Lよりも後方向52に位置している、すなわち、ユーザの近くに位置しているので、ユーザは、上部分41Uを押しつつインクカートリッジ30をカートリッジ装着部110に対して前方へ挿入する。また、前述されたように、上部分41Uには、「PUSH」などの文字、矢印などの記号、指で押すことを示した図などが記されたシートが貼られていることにより、ユーザは上部分41Uを押すように促される。インクカートリッジ30の下部分、すなわち前部カバー32及び後部カバー31のそれぞれ下部分は、ケース101の下方のガイド溝109に進入した状態となる。
【0102】
また、カートリッジ装着部110のケース101へインクカートリッジ30が挿入される際、当接部131の面133が、ケース101の底面の後端と当接する。これにより、面133は、底面に押される。その結果、当接部131は、コイルバネ132の付勢力に抗して、上方へ移動して凹部129に収納される。そして、図7に示されるように、当接部131は、底面に下方から支持された状態となる。
【0103】
図8に示されるように、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、インク供給部34のキャップ79がガイド部105に進入し始める。また、前部カバー32の凹部96がロッド125と対向して、ロッド125が凹部96に進入し始める。
【0104】
また、図8に示されるように、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、残量センサ103の発光部と受光部との間に、遮光板67が位置するため、残量センサ103からプリンタ10の制御部へ出力される信号がハイレベルからローレベルへ変わる。なお、装着センサ113からプリンタ10の制御部へ出力される信号は、ハイレベルのままである。
【0105】
図9に示されるように、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、インク供給部34のキャップ79がガイド部105に進入し、かつインクニードル102がインク供給口71へ進入して、弁体77をコイルバネ78の付勢力に抗してシール部材76から離間させる。インクカートリッジ30には、コイルバネ78の付勢力が後方へ付与される。
【0106】
また、第1突出部85において下方を向いている下面85Aが、カートリッジ装着部110のガイド部105の上方に位置し上方を向いている面170によって支持される。これにより、インクカートリッジ30が上下方向53、54に位置決めされる。なお、下面85Aは、上方から見たときにIC基板64と重複する位置に配置されている。また、面170以外、例えば、ロッド125がインクカートリッジ30を支持して、インクカートリッジ30を上下方向53、54に位置決めしてもよい。
【0107】
また、ロッド125が前部カバー32の凹部96に進入して、前部カバー32を下方から支持する。接点106の下方にIC基板64が到達することにより、接点106を上方へ弾性変形させつつ各電極65が対応する接点106と電気的に接続される。このとき、IC基板64は接点106の弾性変形によって下方へ付勢されるが、ロッド125が前部カバー32を下方から支持していることにより、IC基板64の接点106に対する位置決めが正確になされる。なお、ロッド125は必ずしも前部カバー32を下方から支持しなくてもよく、例えばインクニードル102の周りの環状の部材と前部カバー32とが当接することで支持するようにしてもよい。
【0108】
また、図9に示されるように、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、残量センサ103の発光部と受光部との間に、遮光板66が位置するため、残量センサ103からプリンタ10の制御部へ出力される信号がローレベルに維持される。また、装着センサ113の発光部と受光部との間に、遮光板67が位置するため、装着センサ113からプリンタ10の制御部へ出力される信号は、ハイレベルからローレベルへ変わる。これにより、プリンタ10の制御部は、カートリッジ装着部110にインクカートリッジ30が装着されたことを認識する。
【0109】
図9に示される状態から、コイルバネ78の付勢力に抗して、インクカートリッジ30が前方へ更に挿入されると、係合部130は、凹部91の真上に位置する。すると、当接部131は、底面に支持されない状態となる。これにより、図10に示されるように、当接部131は、コイルバネ132の付勢力により、下方へ移動して凹部91内に位置する。ここで、インクカートリッジ30はコイルバネ78によって後方へ付勢されているため、当接部131の面134が、カートリッジ装着部110の凹部91の面93に、前方から当接する。つまり、面134と面93とが係合する。これにより、インクカートリッジ30の後方への移動は規制される。すなわち、インクカートリッジ30はカートリッジ装着部110内に位置決めされて装着が完了した状態となる。このときのインクカートリッジ30は装着状態である。
【0110】
装着状態のインクカートリッジ30から記録ヘッド21へインクが流出することによって、貯留室36内のインクが減ると、上述したように、収容体62内に進入していた遮光板66の一部は、残量センサ103の発光部から受光部への光路から外れる。これにより、残量センサ103からプリンタ10の制御部へ出力される信号は、ローレベルからハイレベルに変わる。これにより、プリンタ10の制御部は、貯留室36内のインクの残量が少なくなったことを認識する。
【0111】
以下、装着状態のインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110から脱抜される過程が説明される。
【0112】
装着状態のインクカートリッジ30がユーザに把持されて引かれることで後方へ移動すると、係合部130の当接部131の面134が、カートリッジ装着部110の凹部91の面93を、前方から後方へ押す。これにより、当接部131は、面93からの反作用の力により、コイルバネ132の付勢力に抗して上方へ移動する。その結果、図8に示されるように、上方へ移動した当接部131が、カートリッジ装着部110の底面に支持された状態となる。これにより、インクカートリッジ30の後方への移動が規制されなくなる。その結果、インクカートリッジ30が更に後方へ移動することで、インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110から脱抜される。
【0113】
インクカートリッジ30が後方へ移動すると、遮光板67が装着センサ113の発光部と受光部との間から離間する。そのため、装着センサ113からプリンタ10の制御部へ出力される信号がローレベルからハイレベルへ変わる。これにより、プリンタ10の制御部は、カートリッジ装着部110からインクカートリッジ30が脱抜されたことを認識する。
【0114】
[本実施形態の作用効果]
本実施形態によれば、IC基板64及び遮光板66が上面141に位置する一方で、係合部130が下面142に位置している。これにより、上面39、141に位置する部材を減らすことができる。その結果、IC基板64及び遮光板66の配置の自由度を向上させることができる。
【0115】
また、本実施形態によれば、係合部130は、前後方向51、52において、遮光板66よりもインク供給部34に近い位置にある。つまり、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30がインク供給部34において位置決めされ、インク供給部34を中心に回動可能となる場合に、係合部130の面134は、前後方向51、52において、遮光板66よりもインクカートリッジ30の回動中心に近い位置にある。そのため、インクカートリッジ30が位置決めされた状態において、係合部130の面134が遮光板66よりもインクカートリッジ30の回動中心から遠い位置にある場合よりも、係合部130の位置のばらつきを小さくすることができる。つまり、インクカートリッジ30が位置決めされた状態において、インクカートリッジ30の姿勢を安定させることができる。
【0116】
また、係合部130がインクカートリッジ30の回動中心から遠い位置にある程、係合部130には大きな回転モーメントがかかるため、係合部130と係合する面93がクリープ変形し易くなってしまう。しかし、本実施形態によれば、係合部130は、前後方向51、52において、遮光板66よりもインクカートリッジ30の回動中心に近い位置にある。そのため、係合部130が前後方向51、52において遮光板66よりもインクカートリッジ30の回動中心から遠い位置にある場合よりも、クリープ変形を低減することができる。
【0117】
また、本実施形態によれば、インク供給部34は、インクカートリッジ30の下面142近くに配置される。そのため、下面142に位置する係合部130は、上下方向53、54において、インク供給部34に近い位置にある。つまり、係合部130は、上下方向53、54において、インクカートリッジ30の回動中心に近い位置にある。これにより、インクカートリッジ30の姿勢を安定させることができ、係合部130と係合する面93のクリープ変形を低減することができる。
【0118】
また、本実施形態によれば、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着される場合に、カートリッジ装着部110における係合部130の面134と係合する面(凹部91を区画する面93)を、傾斜面である面133、134に沿って案内することができる。これにより、係合部130をカートリッジ装着部110に円滑に係合させることができる。
【0119】
また、本実施形態によれば、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、係合部130には、反作用の力として下方へ向かう力と逆方向の力、つまり上方へ向かう力が付与される。この反作用の力によって、インクカートリッジ30は、上方へ付勢される。これにより、IC基板64も、上方へ付勢される。これにより、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着された状態において、カートリッジ装着部110におけるIC基板64に対応する位置に、IC基板64と電気的に導通される接点106が配置されている場合に、IC基板64を、接点106へ向けて付勢することができる。その結果、IC基板64と接点106とを確実に導通させることができる。
【0120】
[変形例]
上記実施形態では、係合部130は、当接部131とコイルバネ132とを備えていた。そして、当接部131の面134とカートリッジ装着部110に形成された凹部91の面93とが係合することによって、インクカートリッジ30はカートリッジ装着部110内において位置決めされていた。しかし、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110内において位置決めされる構成は、上記実施形態における構成に限らない。
【0121】
例えば、係合部130が板バネで構成されており、当該板バネの先端部に、カートリッジ装着部110の面93と係合する係合面が形成されていてもよい。この場合、インクカートリッジ30は、後述する例のように回動させなくても、カートリッジ装着部110に対して着脱可能である。つまり、インクカートリッジ30は、上記実施形態のように前後方向51、52の移動によって、カートリッジ装着部110に対して着脱可能である。
【0122】
また、例えば、図11に示されるように、インクカートリッジ30がその下面142から下方へ突出した凸部151を備え、カートリッジ装着部110がその底面に形成された凹部152を備え、凸部151が凹部152に嵌ることによって、インクカートリッジ30が装着状態を保持されてもよい。
【0123】
この場合、インクカートリッジ30は、装着状態において、凸部151の後面153(係合面の一例)が後方へ向かって凹部152の後端を区画し前方を向く面154(被係合面の一例)に当接した第1姿勢(図11に示されるインクカートリッジ30の姿勢)と、凸部151の後面153が凹部152の面154よりも上方に位置する第2姿勢(図12に示されるインクカートリッジ30の姿勢)との間で回動可能であってもよい。
【0124】
詳細には、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から脱抜させるに際して、図11に示される状態において、インクカートリッジ30は、インクニードル102が挿入されたシール部材76のインク供給口71の中心を回動中心として、換言すれば、インクニードル102における、インク供給口71を画定するシール部材76の内周面が接触している部分の中心を回動中心として図11における時計回りに回動される。これにより、インクカートリッジ30は、第1姿勢から第2姿勢に回動する。その結果、図12に示されるように、凸部151が凹部152から抜けて凹部152よりも上方に位置するようになる。その状態のまま、インクカートリッジ30を後方へ移動させることによって、インクカートリッジ30をカートリッジ装着部110から脱抜させることができる。
【0125】
一方、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への装着過程では、インクカートリッジ30の凸部151が、カートリッジ装着部110の底面に支持された状態のまま、インクカートリッジ30は前方へ移動される。つまり、インクカートリッジ30は、その前部が持ち上げられるように傾斜した状態で、前方へ移動される。換言すると、インクカートリッジ30は、第2姿勢で前方へ移動される。そして、図12に示されるように、凸部151がカートリッジ装着部110の凹部152の真上となる位置までインクカートリッジ30が前方へ移動されたとき、インクカートリッジ30が、上述と同じ回動中心周りに、図12における反時計回りに回動される。つまり、インクカートリッジ30が、第2姿勢から第1姿勢に回動される。これにより、凸部151が凹部152に嵌る。その結果、インクカートリッジ30が装着状態となる(図11参照)。ここで、インクカートリッジ30は、コイルバネ78によって後方へ付勢されているため、凸部151の後面153が凹部152の面154に前方から当接する。これにより、インクカートリッジ30の後方へ移動は規制される。
【0126】
なお、上述した例では、インクカートリッジ30が凸部151を備え、カートリッジ装着部110が凹部152を備えているが、これとは逆に、インクカートリッジ30が凹部を備え、カートリッジ装着部110が凸部を備えていてもよい。
【0127】
上記実施形態では、センサーアーム59が貯留室36内で回動することによって、センサーアーム59の遮光板66が残量センサ103の発光部から受光部への光路から外れることにより、貯留室36内のインク残量が少なくなったことが検知された。しかし、貯留室36内のインク残量を検知する構成は、上記実施形態の構成に限らない。
【0128】
例えば、インクカートリッジ30は、センサーアーム59を備えていなくてもよい。代わりに、収容体62がプリズム状の形状を有していて、収容体62内のインクの有無に応じて、残量センサ103の発光部からの光の進行方向を曲げるものであってもよい。この場合、収容体62が被検知部の一例である。
【0129】
また、例えば、インクカートリッジ30は、収容体62及びセンサーアーム59の代わりに、発光装置をそなえていてもよい。発光装置は、電池などを搭載しており、予め設定された所定タイミングで自発光することによって、貯留室36のインク残量が少なくなった可能性があることを制御部に知らせるものである。ここで、所定タイミングは、例えば、初めてプリンタ10の電源を入れてから、インクを所定量消費するのに要すると予想される日数を経過したタイミングである。この場合、発光装置が被検知部の一例である。
【0130】
上記実施形態では、残量検知部58(インク残量を検知するもの)が被検知部の一例であったが、被検知部は、インクカートリッジ30の状態に応じて光の状態を変化させるものであることを条件として、インク残量を検知するもの以外であってもよい。例えば、被検知部は、装着センサ113の発光部からの光の状態を変化させるものである遮光板67であってもよい。換言すると、被検知部は、インクカートリッジ30が装着状態であるか否かに応じて当該光の状態を変化させるものである遮光板67であってもよい。また、例えば、被検知部は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30の種類(例えば貯留されたインクの色)に応じて種別センサ(不図示)の発光部からの光の状態を変化させるもの(例えばリブ)であってもよい。
【0131】
上記実施形態では、IC基板64は、固い板状であるリジッド基板であったが、プラスチックフィルムなどで構成されており、可撓性を有するフレキシブル基板であってもよい。
【0132】
上記実施形態では、インク供給部34のコイルバネ78が、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を後方へ付勢していたが、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30を後方へ付勢するのは、インク供給部34のコイルバネ78に限らない。
【0133】
例えば、インクカートリッジ30を後方へ付勢するためのバネをインク供給部34以外の位置に配置してもよい。当該バネの配置位置としては、例えば、前部カバー32の凹部96が挙げられる。この場合、インクカートリッジ30のカートリッジ装着部110への装着過程において、当該バネがカートリッジ装着部110のロッド125に圧接することによって、インクカートリッジ30は後方へ付勢される。
【0134】
上記実施形態では、遮光板67は、装着センサ113の光を遮断するものであった。つまり、遮光板67は、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されているか否かを検知する目的で配置されていた。しかし、遮光板67は、前記目的とは別の目的で配置されたものであってもよい。例えば、遮光板67は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30の種類(例えば貯留されているインクの色)を識別する目的で配置されていてもよい。
【0135】
上記実施形態では、インクが液体の一例として説明されているが、例えば、インクに代えて、印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液が液体カートリッジに貯留されていてもよい。また、記録ヘッド21を洗浄するための水が液体カートリッジに貯留されていてもよい。
【符号の説明】
【0136】
10・・・プリンタ(液体消費装置)
30・・・インクカートリッジ(液体カートリッジ)
34・・・インク供給部(液体供給部)
39・・・上面
41・・・後面
42・・・下面
58・・・残量検知部(被検知部)
64・・・IC基板(電気的インターフェース)
66・・・遮光板(被照射部)
130・・・係合部
134・・・面
140・・・前面
141・・・上面
142・・・下面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12