特許第6961949号(P6961949)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6961949
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】振動デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 41/09 20060101AFI20211025BHJP
   H01L 41/053 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   H01L41/09
   H01L41/053
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2017-22546(P2017-22546)
(22)【出願日】2017年2月9日
(65)【公開番号】特開2018-129447(P2018-129447A)
(43)【公開日】2018年8月16日
【審査請求日】2019年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】木嶋 薫
(72)【発明者】
【氏名】滝 辰哉
(72)【発明者】
【氏名】上野 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】江澤 敦
(72)【発明者】
【氏名】須見 春奈
【審査官】 加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−246888(JP,A)
【文献】 特開2003−134852(JP,A)
【文献】 特開2016−137723(JP,A)
【文献】 特開2009−083196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 41/09
H01L 41/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧電素子と、
前記圧電素子に接合している第一主面と前記第一主面に対向する第二主面とを有する絶縁性の樹脂部材と、
前記樹脂部材の前記第二主面に接合している第三主面と前記第三主面に対向する第四主面とを有すると共に、金属からなる振動部材と、
前記樹脂部材の前記第二主面と前記振動部材の前記第三主面とを接合している絶縁性の接着層と、
前記樹脂部材と同一材料からなると共に、前記樹脂部材の端部に接続されている延出部と、を備え、
前記振動部材の前記第三主面の全体は、前記樹脂部材によって覆われており、
前記樹脂部材の前記第一主面上には、前記圧電素子と電気的に接続されている一対の電極が設けられており、
前記延出部は、振動部材の縁を越えて延在しており、
前記延出部上には、前記一対の電極が設けられている、振動デバイス。
【請求項2】
前記一対の電極は、前記第一主面に直交する方向から見て、前記圧電素子から離間している、請求項に記載の振動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧電素子と、互いに対向する一対の主面を有すると共に金属からなる振動部材とを備え、圧電素子と振動部材の主面とが互いに接合されている振動デバイスが知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−219250号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の振動デバイスでは、振動部材は金属からなる。このため、当該振動デバイスが外部部材と近接して配置された場合には、振動部材と外部部材とが短絡するおそれがある。
【0005】
本発明は、金属からなる振動部材を用いる構成でありながら、振動部材と外部部材との短絡の発生が抑制されている振動デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る振動デバイスは、圧電素子と、圧電素子に接合している第一主面と第一主面に対向する第二主面とを有する絶縁性の樹脂部材と、樹脂部材の第二主面に接合している第三主面と第三主面に対向する第四主面とを有すると共に、金属からなる振動部材と、を備え、振動部材の第三主面の全体は、樹脂部材によって覆われている。
【0007】
本発明に係る振動デバイスでは、振動部材の第三主面の全体が、絶縁性の樹脂部材によって覆われている。したがって、振動部材の第三主面は外部部材と電気的に接続され得ないため、振動部材は外部部材と短絡し難い。
【0008】
樹脂部材の第一主面上には、圧電素子と電気的に接続されている一対の電極が設けられていてもよい。この場合、圧電素子に電圧を印加する電極が、省スペースで簡易に設けられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、金属からなる振動部材を用いる構成でありながら、振動部材と外部部材との短絡の発生が抑制されている振動デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る振動デバイスの平面図である。
図2】振動デバイスの断面構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0012】
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る振動デバイスの構成について説明する。図1は、本実施形態に係る振動デバイス1の平面図である。図2は、振動デバイス1の長辺に平行な平面で振動デバイス1を切断した断面図である。
【0013】
振動デバイス1は、図1に示されるように、圧電素子10と、樹脂部材20と、振動部材30と、圧電素子10と樹脂部材20とを接合している接着層40と、樹脂部材20と振動部材30とを接合している接着層50とを備えている。圧電素子10は、圧電素体11と、一対の電極12,13と、電極14と、ビア導体19とを有している。
【0014】
圧電素体11は、板形状を有している。本実施形態において圧電素体11は、直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜部が丸められている直方体の形状も含まれる。圧電素体11は、互いに対向している主面11a及び主面11bを有している。圧電素体11の主面11a,11bの寸法、すなわち、主面11a,主面11bに直交する方向から見た場合の圧電素子10の寸法は、たとえば、30mm×30mmである。圧電素体11の形状は、直方体形状に限らず、たとえば、円盤形状であってもよい。主面11aに直交する方向において、たとえば、圧電素子10の厚みは100μmであり、圧電素体11の厚みは70μmであり、電極12,13,14の各々の厚みは15μmである。
【0015】
圧電素体11は、圧電セラミック材料からなる。圧電セラミック材料としては、PZT[Pb(Zr、Ti)O]、PT(PbTiO)、PLZT[(Pb,La)(Zr、Ti)O]、又はチタン酸バリウム(BaTiO)などが挙げられる。圧電素体11は、たとえば、上述した圧電セラミック材料を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。
【0016】
図2に示されるように、圧電素体11の主面11a上には、一対の電極12,13が配置されている。圧電素体11の主面11b上には、電極14が配置されている。電極12,13,14は、導電性材料(たとえば、Ag、Pd、又はCuなど)を含む導体である。これらの導体は、導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
【0017】
電極12及び電極13は、主面11a上において互いに離間している。電極13が主面11aに接している面積は、電極12が主面11aに接している面積よりも大きい。電極14が主面11bに接している面積は、電極12が主面11aに接している面積又は電極13が主面11aに接している面積よりも大きい。電極13及び電極14は、主面11aに直交する方向から見て、互いに重なっている領域を有している。
【0018】
ビア導体19は、電極12と電極14とを物理的かつ電気的に接続している。ビア導体19は、主面11aに直交する方向から見て圧電素子10の側面近傍に配置されており、主面11aから主面11bに貫通している。ビア導体19は、電極12,13,14と同様に、導電性材料(たとえば、Ag、Pd、又はCuなど)からなる導体である。
【0019】
樹脂部材20は、圧電素体11の主面11a,11bに平行な互いに対向する主面20a及び主面20bを有している。樹脂部材20は、膜状又は板状であり、主面20aに直交する方向から見て、矩形形状を呈している。矩形形状には、たとえば、角部が丸められている形状も含まれる。樹脂部材20の形状は、矩形形状に限定されず、たとえば、円形状等でもよい。
【0020】
樹脂部材20は、ポリイミド樹脂、PET樹脂、又はポリパラキシリレン樹脂などからなり、絶縁性を有している。主面20aに直交する方向から見て、樹脂部材20の面積は、圧電素子10の面積より大きい。たとえば、樹脂部材20の主面20a,20bの寸法は、40mm×40mmである。主面20aに直交する方向において、樹脂部材20の厚みは、圧電素子10の厚みよりも小さい。たとえば、主面20aに直交する方向における樹脂部材20の厚みは、25μmである。樹脂部材20の熱膨張率は、圧電素子10の熱膨張率よりも大きい。
【0021】
樹脂部材20の端部には、延出部21が接続されている。本実施形態では、延出部21は、樹脂部材20の外縁の一辺から、主面20aと平行な方向に直線的に、振動部材30の縁を越えて延在している。
【0022】
延出部21の幅は、延出部21が接続されている樹脂部材20の辺の長さよりも短く、たとえば12mmである。本実施形態では、延出部21は、樹脂部材20と同一の材料からなる。本実施形態では、延出部21の厚みは、樹脂部材20と同一であり、圧電素子10の厚みよりも小さい。延出部21の熱膨張率も、圧電素子10の熱膨張率よりも大きい。
【0023】
延出部21及び樹脂部材20の主面20a上には、圧電素子10と電気的に接続されている一対の電極25,26が設けられている。電極25,26は、樹脂部材20の縁近傍に端部を有し、主面20aに直交する方向から見て圧電素子10から離間している。電極25,26は、樹脂部材20の縁近傍から主面20aに平行な方向に延在している。電極25,26は、延出部21上に設けられている不図示の端部によって、不図示の電源に接続されている。電極25,26は、導電性材料(たとえば、Ag、Pd、又はCuなど)を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
【0024】
電極25は、樹脂部材20において、圧電素子10の主面11a上に位置する電極12に、導電性樹脂層27によって電気的に接続されている。電極26は、樹脂部材20において、圧電素子10の主面11a上に配置されている電極13に、導電性樹脂層28によって電気的に接続されている。導電性樹脂層27,28は、合成樹脂(たとえば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、又はイミド樹脂など)と導電性フィラー(Ag、Cu、又はAgめっき処理が施された物質など)とからなる。
【0025】
振動部材30は、主面20a,20bに平行な互いに対向する主面30a及び主面30bを有している。振動部材30は、板状である。上述した延出部21は、振動部材30の短辺側から引き出されている。本実施形態では、主面30aに直交する方向から見て、圧電素子10は、振動部材30の外縁の各辺と圧電素子10の外縁の各辺とが平行となるように、振動部材30の中央近傍に配置されている。
【0026】
振動部材30の主面30aの全体は、接着層50によって直接的に覆われていると共に、接着層50を介して、樹脂部材20によって間接的に覆われている。すなわち、主面30aに直交する方向から見た場合、主面30aは樹脂部材20から露出しておらず、目視できない。
【0027】
主面30aに直交する方向から見て、振動部材30の形状は、樹脂部材20の形状及び接着層50の形状と同一である。したがって、主面20aに直交する方向から見て、振動部材30の面積は、樹脂部材20の面積及び接着層50の面積と同じであり、圧電素子10の面積より大きい。主面20aに直交する方向において、樹脂部材20の厚みは、振動部材30の厚みよりも小さい。主面20aに直交する方向において、振動部材30の厚みは、圧電素子10の厚み以上の大きさである。たとえば、主面20aに直交する方向における振動部材30の厚みは、250μmである。振動部材30の熱膨張率は、圧電素子10及び樹脂部材20の熱膨張率よりも大きい。振動部材30は、Ni、ステンレス鋼、黄銅、又はインバーなどを材料とする金属からなる。
【0028】
接着層40は、絶縁性を有しており、圧電素子10と樹脂部材20の主面20aとを接合している。本実施形態では、接着層40は、圧電素子10の主面11b側だけでなく、側面にも付着されている。接着層40は、圧電素子10の主面11b上に配置されている電極14を覆っている。すなわち、電極14は、接着層40と圧電素体11とに囲まれており、露出していない。接着層40の厚みは、たとえば7μm以下である。
【0029】
接着層50は、絶縁性を有しており、樹脂部材20の主面20bと振動部材30の主面30aとを接合している。延出部21は、接着層50によって、主面20aに直交する方向から見て振動部材30と重なる領域で振動部材30と接合されている。接着層50の厚みは、たとえば7μm以下である。
【0030】
接着層50が振動部材30に接着している接着面積は、接着層40が樹脂部材20に接着している接着面積より大きい。本実施形態では、接着層40は、圧電素子10の主面11b側の全体に接着されており、接着層50は、樹脂部材20の主面20bの全体に接着されている。
【0031】
接着層40,50には、樹脂又は両面テープ等が用いられる。たとえば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シアノアクリエート樹脂、又は嫌気硬化型のアクリル樹脂などが用いられる。特に、嫌気硬化型のアクリル樹脂が用いられることで、樹脂部材20の熱による変形が防止される。エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シアノアクリエート樹脂が用いられる場合には、接着層40,50が低温で硬化されることで、樹脂部材20の熱による変形が抑制される。接着層40,50は、導電性フィラーを含まない。
【0032】
次に、振動デバイス1の動作及び作用効果について説明する。
【0033】
電極12及び電極13に極性が異なる電圧が印加されると、電極12に電気的に接続されている電極14と電極13との間で電界が発生する。したがって、圧電素体11において、電極13と電極14とで挟まれた領域が活性領域となり、当該活性領域に変位が発生する。すなわち、圧電素子10は、一対の電極12,13に交流電圧が印加されると、印加された交流電圧の周波数に応じて伸縮を繰り返す。
【0034】
圧電素子10と樹脂部材20とは、接着層40によって接合されている。樹脂部材20と振動部材30とは、接着層50によって接合されている。このため、振動部材30は、圧電素子10における伸縮の繰り返しに応じて、圧電素子10と一体に撓み振動を行う。このとき、振動部材30のQ値及び強度が高いほど、振動部材30の変位量が向上する。
【0035】
振動デバイス1では、振動部材30は金属からなる。金属からなる振動部材30は、ガラスからなる振動部材に比して、高いQ値及び強度を有する。このため、振動デバイス1では、変位量が向上されている。
【0036】
振動部材30と圧電素子10とで挟まれた領域には、絶縁性の樹脂部材20が配置されている。このため、振動部材30にガラスでなく金属が用いられている場合にも、振動部材30と圧電素子10との間において短絡が防止されている。電極25,26が絶縁性の樹脂部材20上に配置されているため、電極25,26と振動部材30との間において短絡が防止されている。
【0037】
圧電素子10の電極12,13と電極25,26とは、導電性樹脂層27,28によって接続されている。このため、電極同士が接する場合よりも、振動デバイス1の変位量が向上する。
【0038】
電極25,26は、主面20aに直交する方向から見て、圧電素子10と離間している。圧電素子10と樹脂部材20とで挟まれた領域に電極25,26が配置されていると、圧電素子10は、電極25,26と当接して振動部材30の主面30a,30bに対して傾くおそれがある。圧電素子10が樹脂部材20に対して圧着される際には、電極25,26から圧電素子10に対して力が加わることで、圧電素体11に割れが生じるおそれもある。電極25,26が、主面20aに直交する方向から見て、圧電素子10と離間していれば、圧電素子10の傾き及び圧電素体11の割れが抑制され得る。
【0039】
接着層40は、絶縁性であり、電極14を覆っている。このため、電極26及び導電性樹脂層28と、電極14との短絡が防止されている。
【0040】
振動デバイス1では、上述したように、主面20aと直交する方向から見て、絶縁性を有する樹脂部材20の面積は、圧電素子10の面積より大きい。このため、樹脂部材20によって圧電素子10と振動部材30との短絡の発生が抑制されている。接着層50が振動部材30に接着している接着面積は、接着層40が樹脂部材20に接着している接着面積より大きい。このため、樹脂部材20と圧電素子10との接着面積と、樹脂部材20と振動部材30との接着面積とが同じである振動デバイス1よりも、振動部材30の端部における変位が向上されている。すなわち、圧電素子10が振動部材30よりも小さくとも、振動部材30の端部における変位が確保されている。したがって、振動デバイス1では、圧電素子10と振動部材30との間における短絡の発生が抑制されていると共に、振動部材30の端部で十分な変位が得られる。
【0041】
振動部材30の変位は、圧電素子10が接合されている部分が最も大きく、圧電素子10から離れるほど減少する。このため、振動部材30の変位は、振動部材30の短辺近傍において最小である。振動デバイス1では、延出部21は、振動部材30の変位が最小となる短辺側から引き出されているため、振動部材30から剥がれ難い。
【0042】
振動部材30の主面30aの全体が、絶縁性の樹脂部材20によって覆われている。したがって、振動部材30の主面30aは外部部材と電気的に接続され得ないため、振動部材30は外部部材と短絡し難い。
【0043】
金属からなる振動部材30は圧電素子10に比べて熱膨張率が大きいため、温度変化によって振動部材30が変形するおそれがある。厚みが小さいほど剛性は低くため、振動部材30は厚みが小さいほど変形しやすい。したがって、振動部材30の厚みが小さいと、温度変化に起因する振動部材30の変形によって圧電素子10に外力が加わることで、圧電素子10に割れが生じやすい。振動部材30が変形しやすいと、振動部材30が他部材に接合された態様では、振動デバイス1が駆動される場合に接合の剥がれも生じやすい。
【0044】
この点、主面20aに直交する方向において、振動部材30の厚みは、圧電素子10の厚み以上の大きさである。したがって、振動部材30の厚みが確保されているため、破損し難い。絶縁性の樹脂部材20の厚みが、圧電素子10及び振動部材30の厚みよりも小さいため、振動デバイス1の振動が人間の触覚によって認知されやすい。
【0045】
樹脂部材20の主面20a上には、圧電素子10と電気的に接続されている一対の電極25,26が設けられている。このため、圧電素子10に電圧を印加する電極25,26が、省スペースで簡易に設けられる。上記構成によれば、電極25,26を配置するスペースが確保されると共に、圧電素子10と振動部材30との短絡の抑制、及び振動部材30の端部における変位の確保が実現される。
【0046】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0047】
たとえば、圧電素子10は、圧電素体11内に一つ又は複数の内部電極を有する積層構造であってもよい。この場合、圧電素体11は複数の圧電体層を含み、内部電極と圧電体層とが交互に配置される。
【0048】
振動デバイス1では、電極12,13が圧電素体11の主面11a上に配置され、電極14が主面11b上に配置されているが、電極12,13が主面11b上に配置され、電極14が主面11a上に配置されてもよい。
【0049】
電極12を設けずに、主面11a上に電極13のみが配置されてもよい。この場合、電極25は、電極14に直接又は導電性フィラーを通して、電気的に接続される。
【0050】
振動部材30は装置等の筐体であってもよいし、振動部材30が装置等の筐体に面接着によって実装されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…振動デバイス、10…圧電素子、20…樹脂部材、20a,20b…樹脂部材の主面、25,26…電極、30…振動部材、30a,30b…振動部材の主面。
図1
図2