(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも1枚の付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像から、前記少なくとも1枚の付箋の各々の画像である少なくとも1つの付箋画像、及び、前記筆記面に筆記された背景を含む画像である背景画像をそれぞれ抽出する手順と、
入力手段を介した指示に応じて、前記背景画像の表示位置に対する前記付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、前記付箋画像及び前記背景画像を画面上に表示する手順と、
前記筆記面を撮像した前記画像から、前記筆記面における各々の前記付箋の位置情報を取得する手順と、
前記位置情報の各々について、該位置情報に対応する前記画面上の位置座標を算出する手順と、
前記付箋画像を移動させる前記指示の内容から、前記付箋画像の移動先の位置座標を算出する手順と、
算出された前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させる手順と、
前記付箋画像の前記位置座標が算出される度に、前記位置座標を記憶部に順次記憶する手順と、
前記記憶部に記憶された前記位置座標のうち、前記入力手段を介した指示により選択された過去の時点に対応する前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させる手順と、
をコンピュータに実行させるための情報整理プログラム。
少なくとも1枚の付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像から、前記少なくとも1枚の付箋の各々の画像である少なくとも1つの付箋画像、及び、前記筆記面に筆記された背景を含む画像である背景画像をそれぞれ抽出するように構成された画像抽出部と、
入力手段を介した指示に応じて、前記背景画像の表示位置に対する前記付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、前記付箋画像及び前記背景画像を画面上に表示するように構成された表示出力部と、
前記筆記面を撮像した前記画像から、前記筆記面における各々の前記付箋の位置情報を取得するように構成された位置情報取得部と、
前記位置情報の各々について、該位置情報に対応する前記画面上の位置座標を算出するように構成された第1位置座標算出部と、
前記付箋画像を移動させる前記指示の内容から、前記付箋画像の移動先の位置座標を算出するように構成された第2位置座標算出部と、
前記付箋画像の前記位置座標が算出される度に、前記位置座標を順次記憶するように構成された記憶部と、
を含むコンピュータを備え、
前記表示出力部は、算出された前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させるように構成され、
前記表示出力部は、前記記憶部に記憶された前記位置座標のうち、前記入力手段を介した指示により選択された過去の時点に対応する前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させるように構成された
ことを特徴とする情報整理装置。
少なくとも1枚の付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像から、前記少なくとも1枚の付箋の各々の画像である少なくとも1つの付箋画像、及び、前記筆記面に筆記された背景を含む画像である背景画像をそれぞれ抽出するステップと、
入力手段を介した指示に応じて、前記背景画像の表示位置に対する前記付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、前記付箋画像及び前記背景画像を画面上に表示するステップと、
前記筆記面を撮像した前記画像から、前記筆記面における各々の前記付箋の位置情報を取得するステップと、
前記位置情報の各々について、該位置情報に対応する前記画面上の位置座標を算出するステップと、
前記付箋画像を移動させる前記指示の内容から、前記付箋画像の移動先の位置座標を算出するステップと、
算出された前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させるステップと、
前記付箋画像の前記位置座標が算出される度に、前記位置座標を記憶部に順次記憶するステップと、
前記記憶部に記憶された前記位置座標のうち、前記入力手段を介した指示により選択された過去の時点に対応する前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させるステップと、
を備える情報整理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
付箋に書かれた情報を電子データに変換して情報の記録や整理を行うことにより、グループディスカッション等の終了後や、時間が経過してからの再開後に、情報を整理又は再利用することができることができたり、あるいは、遠隔地にいるメンバーと情報共有することができる。
ところで、付箋が貼り付けられるホワイトボードや模造紙等の筆記面には、付箋以外の背景部分に、付箋に書かれた情報と密接な関係を有する情報が書き込まれることがある。そこで、付箋の記載内容及び背景部分の筆記内容の両方を電子データに変換して適切に操作することができれば、情報整理がしやすくなり、ユーザにとってより有益である。
【0006】
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、効果的な情報整理を可能とする情報整理プログラム、情報整理装置、情報整理方法及び付箋アセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る情報整理プログラムは、
少なくとも1枚の付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像から、前記少なくとも1枚の付箋の各々の画像である少なくとも1つの付箋画像、及び、前記筆記面に筆記された背景を含む画像である背景画像をそれぞれ抽出する手順と、
入力手段を介した指示に応じて、前記背景画像の表示位置に対する前記付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、前記付箋画像及び前記背景画像を画面上に表示する手順と、
をコンピュータに実行させる。
【0008】
上記(1)の構成によれば、付箋が貼り付けられた筆記面(例えば、ホワイトボードや模造紙等)を撮像した画像から、付箋画像と、背景画像とを、それぞれ抽出し、入力手段を介した指示に応じて、背景画像の表示位置に対する付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、付箋画像及び背景画像を画面上に表示する。すなわち、入力手段を介した指示に応じて、画面上における付箋画像の表示位置を、背景画像の表示位置に対して相対的に移動させることができる。よって、例えば、操作者が、背景画像との内容面における関係性を考慮しながら付箋画像の表示位置を移動させることができるので、コンピュータを用いた情報整理がしやすくなる。
【0009】
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記情報整理プログラムは、
前記筆記面を撮像した前記画像から、前記筆記面における各々の前記付箋の位置情報を取得する手順と、
前記位置情報の各々について、該位置情報に対応する前記画面上の位置座標を算出する手順と、
前記付箋画像を移動させる前記指示の内容から、前記付箋画像の移動先の位置座標を算出する手順と、
算出された前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させる手順と、
をコンピュータに実行させるように構成される。
【0010】
上記(2)の構成によれば、筆記面を撮像した画像から、付箋及び背景の位置情報を取得し、位置情報に対応する画面上の位置座標を算出し、あるいは、付箋画像を移動させる指示の内容から付箋画像の移動先の位置座標を算出し、これらの位置座標に基づいて、付箋画像及び背景画像を画面上に表示させる。よって、筆記面における各付箋及び背景の相対的な位置関係を保持しながら、あるいは、付箋画像を移動させる指示内容に応じて、画面上に付箋画像及び背景画像を適切に表示することができる。
【0011】
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記情報整理プログラムは、
前記付箋画像の前記位置座標が算出される度に、前記位置座標を記憶部に順次記憶する手順と、
前記記憶部に記憶された前記位置座標のうち、前記入力手段を介した指示により選択された前記位置座標に基づいて、前記画面上に、前記付箋画像を配置して表示させる手順と、
をコンピュータに実行させるように構成される。
【0012】
上記(3)の構成によれば、付箋画像の位置座標が算出される度に、すなわち、付箋画像を移動させる指示がある度に位置座標を記憶部に順次記憶するとともに、記憶部に記憶された位置座標のうち、入力手段を介した指示により選択された位置座標に基づいて、画面上に付箋画像を表示する。よって、使用者の指示に応じて、過去の任意の時点における付箋画像及び背景画像の画面表示を見ることができる。これにより、より柔軟に情報整理を行うことができる。
【0013】
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(3)の何れかの構成において、
前記情報整理プログラムは、
前記入力手段を介した指示に応じて、前記画面上における前記背景画像の表示と非表示とを切替え可能に構成される。
【0014】
上記(4)の構成によれば、画面上における背景画像の表示と非表示を切り替えることができるので、必要に応じて画面上に背景画像を表示し又は非表示にすることにより、より柔軟な情報整理が可能となる。
【0015】
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)乃至(4)の何れかの構成において、
前記情報プログラムは、
前記筆記面外にある第2付箋を撮像した画像から、前記第2付箋の画像である第2付箋画像を抽出する手順と、
前記第2付箋画像を、前記少なくとも1つの付箋画像のうちの1つとして、前記画面上に配置して表示させる手順と、
をコンピュータに実行させるように構成される。
【0016】
上記(5)の構成によれば、筆記面とは別に撮像した画像から抽出した第2付箋画像を、少なくとも1つの付箋画像のうちの1つとして画面上に表示する。すなわち、画面上において、筆記面に貼り付けられた付箋の画像である付箋画像を表示するのに加えて、別の付箋画像(第2付箋画像)をさらに表示することができるので、より柔軟な情報整理が可能となる。
【0017】
(6)本発明の少なくとも一実施形態に係る情報整理装置は、
少なくとも1枚の付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像から、前記少なくとも1枚の付箋の各々の画像である少なくとも1つの付箋画像、及び、前記筆記面に筆記された背景を含む画像である背景画像をそれぞれ抽出するとともに、
入力手段を介した指示に応じて、前記背景画像の表示位置に対する前記付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、前記付箋画像及び前記背景画像を画面上に表示する
ように構成されたコンピュータを備える。
【0018】
上記(6)の構成によれば、付箋が貼り付けられた筆記面(例えば、ホワイトボードや模造紙等)を撮像した画像から、付箋画像と、背景画像とを、それぞれ抽出し、入力手段を介した指示に応じて、背景画像の表示位置に対する付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、付箋画像及び背景画像を画面上に表示する。すなわち、入力手段を介した指示に応じて、画面上における付箋画像の表示位置を、背景画像の表示位置に対して相対的に移動させることができる。よって、例えば、操作者が、背景画像との内容面における関係性を考慮しながら付箋画像の表示位置を移動させることができるので、コンピュータを用いた情報整理がしやすくなる。
【0019】
(7)本発明の少なくとも一実施形態に係る情報整理方法は、
少なくとも1枚の付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像から、前記少なくとも1枚の付箋の各々の画像である少なくとも1つの付箋画像、及び、前記筆記面に筆記された背景を含む画像である背景画像をそれぞれ抽出するステップと、
入力手段を介した指示に応じて、前記背景画像の表示位置に対する前記付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、前記付箋画像及び前記背景画像を画面上に表示するステップと、
を備える。
【0020】
上記(7)の方法によれば、付箋が貼り付けられた筆記面(例えば、ホワイトボードや模造紙等)を撮像した画像から、付箋画像と、背景画像とを、それぞれ抽出し、入力手段を介した指示に応じて、背景画像の表示位置に対する付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、付箋画像及び背景画像を画面上に表示する。すなわち、入力手段を介した指示に応じて、画面上における付箋画像の表示位置を、背景画像の表示位置に対して相対的に移動させることができる。よって、例えば、操作者が、背景画像との内容面における関係性を考慮しながら付箋画像の表示位置を移動させることができるので、情報整理がしやすくなる。
【0021】
(8)本発明の少なくとも一実施形態に係る付箋アセンブリは、
基板と、
該基板上に固定され、上記(7)に記載の情報整理方法に使用される複数枚の前記付箋の束により構成される少なくとも1つの付箋ブロックと、を備える。
【0022】
上記(8)の構成によれば、付箋が貼り付けられた筆記面(例えば、ホワイトボードや模造紙等)を撮像した画像から、付箋画像と、背景画像とを、それぞれ抽出し、入力手段を介した指示に応じて、背景画像の表示位置に対する付箋画像の相対的な表示位置が変化するように、付箋画像及び背景画像を画面上に表示する。すなわち、入力手段を介した指示に応じて、画面上における付箋画像の表示位置を、背景画像の表示位置に対して相対的に移動させることができる。よって、例えば、操作者が、背景画像との内容面における関係性を考慮しながら付箋画像の表示位置を移動させることができるので、コンピュータを用いた情報整理がしやすくなる。
【0023】
(9)幾つかの実施形態では、上記(8)の構成において、
前記付箋アセンブリは、
複数の前記付箋ブロックを備え、
各々の前記付箋ブロックは、前記束を構成する複数枚の前記付箋同士を結合する糊面部以外の領域である非結合部によって形成される縁部を有し、
複数の前記付箋ブロックは、各々の前記付箋ブロックの前記縁部と、該縁部に対して隣接した他の前記付箋ブロックとの間に隙間が形成されるように前記基板上に配置される。
【0024】
上記(9)の構成によれば、付箋ブロックの糊面部以外の領域である非結合部によって形成される縁部と、隣接する他の付箋ブロックとの間に隙間が形成されるので、隙間に指先や爪を入れることで、該付箋ブロックから付箋を容易にはがすことができる。
【0025】
(10)幾つかの実施形態では、上記(8)又は(9)の構成において、
前記付箋ブロックは、
前記束を構成する複数枚の前記付箋を互いに結合する糊面部と、
前記糊面部に隣接して設けられた前記複数枚の前記付箋の非結合部と、
を含み、
前記糊面部及び前記非結合部の配列方向における前記付箋ブロックの全幅に対する前記糊面部の幅の比が、0.4以上0.9以下である。
【0026】
上記(10)の構成によれば、付箋ブロックの全幅に対する糊面部の幅の比が0.4以上0.9以下であり、全幅に対する糊面部の幅の占める割合が比較的大きい。これにより、付箋ブロックの付箋を筆記面に貼り付けるときに、筆記面に対して付箋が接着する面積が大きくなるので、付箋の曲がり等を抑制して、付箋を筆記面に対して略平行に貼ることができる。よって、筆記面を撮像した画像からの、付箋画像の抽出の精度が良好となる。
【0027】
(11)幾つかの実施形態では、上記(8)乃至(10)の何れか一項の構成において、
前記付箋アセンブリは、
前記付箋ブロックを挟んで前記基板とは反対側から前記付箋ブロックを覆うことが可能な板状のカバーと、
前記基板と前記カバーを綴じるように、前記基板と前記カバーの一端部に設けられる第1綴じ部及び第2綴じ部と、をさらに備え、
前記第1綴じ部と前記第2綴じ部とは、前記一端部に沿った方向において5cm以上離間して設けられる。
【0028】
上記(11)の構成によれば、基板とカバーを綴じる第1綴じ部及び第2綴じ部は、一端部に沿った方向において5cm以上離れて設けられるので、使用者が付箋アセンブリを使うとき、第1綴じ部と第2綴じ部との間の部分を手で持つことができる。これにより、使用者は、付箋アセンブリを手に持って安定的に支えながら、付箋に記入することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の少なくとも一実施形態によれば、効果的な情報整理を可能とする情報整理プログラム、情報整理装置、情報整理方法及び付箋アセンブリが提供される。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0032】
図1は、一実施形態に係る情報整理装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、幾つかの実施形態では、情報整理装置1は、少なくとも1枚の付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像を処理して、筆記面上の情報を整理するための各種手順を実行するコンピュータ2を備える。
【0033】
幾つかの実施形態では、コンピュータ2は、プロセッサ4と、メモリ(記憶部)6と、カメラ8と、入力手段10と、画面(ディスプレイ)12と、を備える。
コンピュータ2は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末であってもよい。また、入力手段10は、画面12と一体的に構成されるタッチパネルであってもよい。他の実施形態では、入力手段10は、画面12とは別に設けられたマウス又はキーボードであってもよい。
【0034】
プロセッサ4は、メモリ6から情報整理プログラムを読み出して、
図3を参照して後述する手順を実行するように構成される。すなわち、プロセッサ4は、情報整理プログラムに従って、カメラ8によって撮像した画像データをメモリ6から取得してこれを処理しディスプレイ12に表示する。また、プロセッサ4は、カメラ8、画面12及び入力手段10を含む各種機器を制御する機能も有する。ディスプレイ12及び入力手段10は、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)を構成しており、情報整理装置1の利用者とコンピュータ2との間での情報のやり取りのために用いられる。
なお、
図1に示した例示的な実施形態では、カメラ8がコンピュータ2に内蔵されているが、他の実施形態では、カメラはコンピュータ2の外部に設けられる。この場合、カメラで取得した画像データをI/Oインターフェース又はネットワーク回線を介してコンピュータ2のメモリに取り込んでもよい。
【0035】
図2は、情報整理プログラムの処理対象である画像、すなわち、付箋が貼り付けられた筆記面を撮像した画像(撮像画像)の一例を示す図である。撮像画像50は、複数の付箋23a〜23fが貼り付けられた筆記面42(例えばホワイトボードや模造紙等)をカメラ8で撮像して得られる画像である。撮像画像50において筆記面42には、背景として、文字や図形を含む筆記内容44が含まれている。筆記内容44は、マーカ等の筆記具で筆記されたものであってもよいし、あるいは、筆記面42上に印刷されたものであってもよい。
以下、付箋23a〜23fを、まとめて付箋23と表記する場合がある。
【0036】
続いて、
図3〜
図13を用いて、情報整理プログラムに基づくプロセッサ4による情報整理の手順について、
図2に示す撮像画像50を処理対象とする場合を例として説明する。
図3は、プロセッサ4による情報整理の手順を示すフローチャートである。
図4〜
図13は、それぞれ、プロセッサ4による情報処理の各段階における様子を模式的に示す図である。
【0037】
図3に示すように、プロセッサ4は、少なくとも1枚の付箋23が貼り付けられた筆記面42を撮像した撮像画像50(例えば
図2に示す撮像画像50)をメモリ6から読み出す(ステップS2)。撮像画像50は、コンピュータ2のカメラ8によって撮像されたものであってもよい。
【0038】
次に、撮像画像50から、付箋23(
図2参照)の各々の画像である付箋画像54a〜54f(
図4A参照)、及び、筆記面42に筆記された筆記内容44(
図2参照)等の背景を含む画像である背景画像52(
図4B参照)を抽出する(ステップS4)。
以下、付箋画像54a〜54fを、まとめて付箋画像54と表記する場合がある。
【0039】
ステップS4では、例えば、撮像画像50を2値化処理して、及び/又は、撮像画像50のRGB値を取得して、その結果に基づいて(例えばコントラストに基づいて)、撮像画像50における筆記面42と各付箋23の境界を各付箋画像54のエッジとして認識することにより、撮像画像50から各付箋画像54を抽出する。
この際、抽出した付箋画像54を、付箋の規定寸法又は縦横比等に基づいて矩形化する処理をってもよい。これにより、例えば抽出した付箋画像54が歪んだ形状である等規定の形状でない場合であっても、付箋画像54の形状を規定形状に整形することができる。
【0040】
また、ステップS4では、例えば、上述の撮像画像50から、付箋画像54を除いた部分を背景画像52として抽出する。すなわち、背景画像52は、筆記面42及び筆記面42上の筆記内容44を含んだ画像であってもよい。
【0041】
なお、カメラで筆記面42を撮像する際、筆記面42外の領域に、筆記面42以外のものが写りこんでいる場合がある。この場合、撮像した画像のうち、筆記面42外の領域をトリミングして、筆記面42の領域のみを、ステップS4における処理対象の撮像画像50としてもよい。
【0042】
次に、プロセッサ4は、撮像画像50から、筆記面42における各々の付箋23の位置情報を取得し、取得した位置情報の各々について、該位置情報に対応する画面12上の位置座標P
0、すなわち、画面12上において、各付箋23についての付箋画像54を表示する位置の座標P
0を算出する。
【0043】
付箋の位置情報は、付箋の特定部位の位置の情報であってもよく、例えば、付箋の中央の位置情報、又は、付箋の4つの角のうち特定の1つの角(例えば、向かって左上の角)の位置情報であってもよい。同様に、付箋画像54の画面上における位置座標は、付箋画像の特定部位の位置座標であってもよく、例えば、付箋画像の中央の位置座標、又は、付箋画像の4つの角のうち特定の1つの角(例えば、向かって左上の角)の位置座標であってもよい。
【0044】
付箋画像の位置座標P
0は、例えば以下のようにして算出することができる。
例えば、
図5Aに示すように、撮像画像50を、該撮像画像の中央の点(原点)O(0,0)を通り、互いに直交するX軸及びY軸を含むXY平面として表現すれば、付箋23の位置情報(ここでは、付箋23の中央の位置座標とする。)は、XY平面における点Q(X,Y)と表現することができる。
一方、
図5Bに示すように、画面12は、該画面12の中央の点O(原点)(0,0)を通り、互いに直交するx軸及びy軸を含むxy平面として表現すれば、画面12上における任意の位置は、P(x,y)と表現することができる。
そして、画面12上における付箋画像54の位置座標P
0(x
0、y
0)(ここでは、付箋画像54の中央の位置座標とする。)を、付箋の位置情報Q(X,Y)に基づいて算出する。この際、撮像画像のX方向の長さLX及びy方向の長さLY、及び、画面12のx方向の長さLx及びy方向の長さLyを考慮して、付箋画像の位置座標P
0(x
0、y
0)を算出するようにしてもよい。
【0045】
あるいは、撮像画像50における付箋23の位置情報、及び、画面12上における付箋画像54の位置座標は、原点O付箋23(又は付箋画像54)との距離r、及び、原点Oと付箋23(または付箋画像54)をと結ぶ線分と、X軸(又はx軸)とがなす角度θによって、位置座標P(r,θ)のように表現してもよい。そして、前述の距離r及び角度θに基づいて、付箋画像の位置座標P
0等を算出するようになっていてもよい。
【0046】
なお、上述したステップS4(付箋画像54及び背景画像52を抽出するステップ)とステップS6(付箋画像54の位置座標P
0を算出するステップ)の実行順序は限定されない。すなわち、ステップS4とステップS6のどちらを先に実行してもよい。
【0047】
次に、プロセッサ4は、付箋画像54及び背景画像52を画面12上に表示する(ステップS6)。
図6は、このようにして、画面12上に表示された付箋画像54及び背景画像52が示されている。
この際、ステップS4で算出された位置座標に基づいて、画面12上に付箋画像54を配置して表示するようになっていてもよい。
なお、背景画像52も、付箋画像54と同様に、予め、画面12上に表示する位置座標を算出しておき、算出した位置座標に基づいて、画面12上に表示するようになっていてもよい。
【0048】
ここで、ステップS6で算出した付箋画像54の位置座標P
0を、メモリ6に記憶するようにしてもよい(ステップS10)。このように記憶した付箋画像54の位置座標は、後述するように、該付箋画像54の画面12上での表示位置が現在の位置から変更された後であっても、メモリ6に記憶された位置座標を読み出すことにより、再度画面12上において、付箋画像54を変更前の位置に表示することができる。
【0049】
上述した手順により、画面12上に背景画像52及び付箋画像54が表示されたら、プロセッサ4は、入力手段10を介した付箋画像54の移動指示を待ち受け、移動指示があった場合には該移動指示を受け取る(ステップS12)。
コンピュータ2がスマートフォンやタブレット等の携帯端末である場合、付箋画像54の移動指示は、画面12と一体的に構成されたタッチパネル(入力手段10)をドラッグすることによって、ユーザがコンピュータ2に与えるようになっていてもよい。例えば、
図7に示すように、ユーザが、画面12上に付箋画像54(
図7に示す例では付箋画像54d)が表示されている位置を始点とし、画面12上における付箋画像54の移動先の位置(
図7において破線で示す位置)を終点として、画面12上において始点から終点までドラッグすることにより、付箋画像54を現在の表示位置から移動先の位置に移動させる指示をコンピュータ2に与えるようになっていてもよい。
【0050】
以下、図示する複数の付箋画像54のうち、付箋画像54dの表示位置を移動させる場合を例として、説明を続ける。
【0051】
ステップS12で付箋画像54の移動指示を受け取ったら、プロセッサ4は、該移動指示に応じて、移動先の位置座標P
1を算出する(ステップS14)。
例えば、上述のように、ユーザがタッチパネル(入力手段10)を介して、画面12上において始点から終点までドラッグすることによって付箋画像54を移動させる指示を与える例では、画面12上におけるドラッグの終点の位置の座標を、移動先の位置座標P
1(x
1,y
1)として算出する。
なお、付箋画像54の移動先の位置座標P
1は、付箋画像54のうち、移動前の位置座標P
0が示す部位と同じの部位を示すものである。ここでは、位置座標P
0(x
0,y
0)及び位置座標P
1(x
1,y
1)は、いずれも、付箋画像54の中央の位置座標である。
【0052】
次に、ステップS12における入力手段10を介した指示に応じて、背景画像52の表示位置に対する付箋画像54の相対的な表示位置が変化するように、付箋画像54及び背景画像52を画面12上に表示する(ステップS16)。
すなわち、画面12上において、付箋画像54の表示位置が、現在の表示位置P
0(x
0,y
0)から、例えばステップS14で算出した移動先の表示位置P
1(x
1,y
1)に変化するように、付箋画像54を画面上12に表示する。この際、画面12上において、付箋画像54の表示位置は、背景画像52の表示位置に対して、相対的に変化するようになっている。
図8は、このようにして付箋画像54(ここでは付箋画像54d)が移動先の表示位置(位置座標P
1)に表示された状態を示している。
このように、画面12上において、背景画像52と付箋画像54との相対的な位置関係を変更することができるため、例えば、ユーザが、背景画像52との内容面における関係性を考慮しながら付箋画像54の表示位置を移動させることにより、付箋を用いた情報整理をコンピュータ上において柔軟に行うことができる。
【0053】
ここで、ステップS14で算出した付箋画像54の位置座標P
1を、メモリ6に記憶するようにしてもよい(ステップS18)。このように記憶した付箋画像54の位置座標は、後述するように、該付箋画像54の画面12上での表示位置が現在の位置から変更された後であっても、メモリ6に記憶された位置座標を読み出すことにより、再度画面12上において、付箋画像54を変更前の位置に表示することができる。
【0054】
上述したステップS12〜S18は、プロセッサ4が終了指示を受け取るまで、繰り返し行ってもよい(ステップS20)。
すなわち、画面12上における上述の位置座標P
1(位置座標P
0から移動した結果の表示位置P
1)に付箋画像54が画面12上に表示された状態で、ユーザからの付箋画像54の移動指示を受け取る(ステップS
12)。このとき、付箋画像54の移動先の表示位置(位置座標)P
2を算出する(ステップS14)。そして、付箋画像54の表示位置が位置座標P
2に変化するように、付箋画像54を表示させる(ステップS
16)。また、移動先の位置座標P
2をメモリ6に記憶する(ステップS18)。
このように手順を繰り返して、付箋画像54の位置座標がP
0からP
1,P
2、P
3、…、P
nと順次変化するように、付箋画像54を画面12上に表示させることができる(ステップS12〜S16)。また、これらの位置座標P
0,P
1、P
2、…、P
nが算出される度に、メモリ6に順次記憶するようになっていてもよい(ステップS18)。
なお、複数の付箋画像54が含まれる場合には、そのうちの何れかの付箋画像54の位置座標Pが算出される度に、複数の付箋画像54の各々の位置座標Pを、メモリ6に順次記憶するようになっていてもよい。
【0055】
幾つかの実施形態では、画面12に背景画像52及び付箋画像54が表示されている状態において、付箋23(付箋画像54の撮像元)が貼り付けられた筆記面42外にある、付箋23とは別の第2付箋123の画像を、画面12上に追加して表示する。
【0056】
図9及び
図10を参照して、その手順について説明する。
まず、プロセッサ4は、筆記面42外にある第2付箋123を撮像した撮像画像56(
図9参照)から、第2付箋123の画像である第2付箋画像154(
図10参照)を抽出する。この際、例えば、撮像画像56を2値化処理して、及び/又は、撮像画像56のRGB値を取得して、その結果に基づいて(例えばコントラストに基づいて)、撮像画像56における第2付箋123の領域と、それ以外の領域57(
図9参照)との境界を第2付箋画像154のエッジとして認識することにより、撮像画像56から第2付箋画像154を抽出する。
この際、抽出した第2付箋画像154を、付箋の規定寸法又は縦横比等に基づいて矩形化する処理をってもよい。これにより、例えば抽出した第2付箋画像154が歪んだ形状である等規定の形状でない場合であっても、第2付箋画像154の形状を規定形状に整形することができる。
【0057】
そして、プロセッサ4は、上述のようにして抽出された第2付箋画像154を、付箋画像54g(
図10参照)として、画面12上に表示する。すなわち、幾つかの付箋画像54及び背景画像52が既に表示されている画面12上に、追加分の付箋画像54として第2付箋画像154を表示する。この際の付箋画像54g(第2付箋画像154)の表示位置は、画面上の任意の位置であってもよい。
また、上述したステップS10の手順にしたがい、付箋画像54gの画面12上における表示位置を、メモリ6に記憶するようにしてもよい。このように記憶した付箋画像54の位置座標は、後述するように、該付箋画像54の画面12上での表示位置が現在の位置から変更された後であっても、メモリ6に記憶された位置座標を読み出すことにより、再度画面12上において、付箋画像54を変更前の位置に表示することができる。
【0058】
このように画面上12に追加された付箋画像54gも、他の付箋画像54a〜54fと同様、上述したステップS10〜S16における操作対象となる。すなわち、付箋画像54gも、他の入力手段10を介した移動指示に応じて、画面上における表示位置を変更することが可能である(ステップS10〜S14)。また、ステップS10〜S14に従って表示位置が変更された場合には、ステップS16にしたがって、変更後の表示位置をメモリ6に記憶するようにしてもよい。
【0059】
このように、すなわち、画面12上において、筆記面42に貼り付けられた付箋23の画像である付箋画像54を表示するのに加えて、別の付箋画像54(筆記面42とは別に撮像した撮像画像56から抽出した第2付箋画像154)をさらに表示することにより、より柔軟な情報整理が可能となる。
【0060】
幾つかの実施形態は、入力手段10を介した指示に応じて、画面12上における背景画像52の表示と非表示とを切替え可能に構成されている。
例えば、入力手段10としてのタッチパッドの特定部位をタップすることによって、画面12上における背景画像52の表示と非表示とを切替える指示をコンピュータ2に与えることができるようになっていてもよい。この場合、タッチパッドの上述の特定部位をユーザが視認できるように、該特定部位が画面12上にボタン等として表示されるようになっていてもよい。
なお、
図11には、背景画像52を非表示にした場合の画面12が示されている。
図11において、背景画像52に含まれる筆記内容44(
図11において破線で表示)は画面12上に表示されていない。
【0061】
このように、画面上における背景画像の表示と非表示を切り替えることができれば、必要に応じて画面上に背景画像を表示し又は非表示にすることにより、より柔軟な情報整理が可能となる。
【0062】
幾つかの実施形態では、プロセッサ4は、上述したステップS10及びS18により、各付箋画像54の位置座標Pが算出される度に、各付箋画像54の位置座標Pをメモリ6に順次記憶するようになっている。そして、メモリ6に記憶された位置座標Pのうち、入力手段10を介した指示により選択された位置座標Pに基づいて、画面12上に、各付箋画像54を配置して表示させるようになっている。
【0063】
入力手段10を介した指示は、例えば、タッチパッド(入力手段10)と一体的に構成された画面12上に表示された表示画像選択部60(
図12参照)を介してコンピュータ2に与えられてもよい。
表示画像選択部60は、例えば、時系列を示すインジケータ62と、インジケータ62の特定の位置を指し示すポインタ66を含む。インジケータ62は始点63と終点64とを結ぶように伸びており、始点63は初期の時点を示し、終点64は最新の時点を示す。
ユーザは、タッチパッド上で、ポインタ66をインジケータ62に沿ってドラッグすることにより移動させて、時系列における任意の時点を選択することができるようになっている。プロセッサ4は、各付箋画像54について、表示画像選択部60を介して選択された時点に対応する位置座標Pをメモリ6から読み出して、読み出した位置座標Pに基づいて、各付箋画像54を画面12上に表示する。
【0064】
例えば、一例では、上述したステップS10及びS18により、付箋画像54の各々について、位置座標P
0〜P
4の5つの位置座標が、この順にメモリ6に記憶されている。ここで、位置座標P
0〜P
4は、時点T
0〜T
4の5つの時点におけるそれぞれの位置座標Pである。
この場合、例えば、
図13に示すように、インジケータ62を、時点T
0〜T
4に対応する5つの領域T
0〜T
4に等分して、ポインタ66が位置する領域に対応する時点の位置座標Pに基づいて、各付箋画像54を画面12上に表示するようになっていてもよい。
例えば、
図13において、ポインタ66がインジケータ62の領域T
0を指し示しているときには、プロセッサ4は、各付箋画像54について、時点T
0に対応する各々の位置座標P
0を読み出して、各付箋画像54を、画面12上においてメモリから読み出した位置座標P
0の位置に表示する。同様に、ポインタ66がインジケータ62の領域Tnを指し示しているときには、プロセッサ4は、各付箋画像54について、時点Tnに対応する各々の位置座標Pnを読み出して、各付箋画像54を、画面12上においてメモリから読み出した位置座標Pnの位置に表示する。
【0065】
この場合、入力手段10を介したユーザの指示に応じて、過去の任意の時点における付箋画像54及び背景画像52の画面表示を見ることができる。これにより、より柔軟に情報整理を行うことができる。
【0066】
上述したプログラムなどに用いられる付箋は、以下に説明する付箋アセンブリを構成する付箋であってもよい。
図14は、一実施形態に係る付箋アセンブリの平面図であり、
図15は、
図14に示す付箋アセンブリの側面図である。
【0067】
図14及び
図15に示すように、付箋アセンブリ20は、基板22と、基板22上に固定された少なくとも1つの付箋ブロック24と、を備えている。
また、付箋アセンブリ20は、付箋ブロック24を挟んで基板22とは反対側から付箋ブロック24を覆うことが可能な板状のカバー26と、基板22とカバー26を綴じるための第1綴じ部28A及び第2綴じ部28Bと、さらに備えている。
なお、
図14及び
図15には、カバー26が開かれた状態の付箋アセンブリ20が示されている。すなわち、
図14では、カバー26は、基板22の陰に隠れて見えない状態である。また、
図15には、カバー26が閉じられた状態、すなわち、カバー26が、付箋ブロック24を挟んで基板22とは反対側から付箋ブロック24を覆った状態が、二点鎖線で示されている。
【0068】
図14及び
図15に示す例示的な実施形態では、第1綴じ部28A及び第2綴じ部28Bは、基板22とカバー26の一端部に設けられている。また、第1綴じ部28A及び第2綴じ部28Bは、それぞれ、基板22の一端部に沿って設けられた複数の穴30A,30Bと、カバー26の一端部に沿って設けられた複数の穴27A,27Bと、穴30A,30B及び穴27A,27Bをそれぞれ貫通するように設けられたリング32A,32Bと、を含む。
【0069】
幾つかの実施形態では、第1綴じ部28Aと第2綴じ部28Bとは、基板22及びカバー26の一端部に沿った方向において5cm以上離間して設けられる。すなわち、上記一端部に沿った方向において、第1綴じ部28Aと第2綴じ部28Bとの間の距離D1(
図14参照)は、5cm以上である。
この場合、ユーザが付箋アセンブリ20を使うとき、基板22及び/又はカバー26の一端部において第1綴じ部28Aと第2綴じ部28Bとの間の部分を手で持つことができる。これにより、ユーザは、付箋アセンブリ20を手に持って安定的に支えながら、付箋ブロック24の付箋に記入することができる。
【0070】
図16は、一実施形態に係る付箋ブロックの斜視図であり、
図17は、
図16に示す付箋ブロックの平面図である。
図16に示すように、付箋ブロック24は、複数枚の付箋23の束により構成されている。また、
図16及び
図17に示すように、付箋ブロック24は、束を構成する複数枚の付箋23を互いに結合する糊面部38と、糊面部38に隣接して設けられた数枚の付箋23が結合されていない非結合部40と、を含む。糊面部38では、各付箋23の一面に糊が施されており、糊によって、重なり合う付箋23同士が結合されている。
また、付箋ブロック24は、束を構成する複数米の付箋23の一辺35に沿って設けられ、糊面部38を含む一端部34と、一端部34と反対側に位置する他端部36と、を有する。すなわち、他端部36は、付箋23同士が結合されていない非結合部40を含む。
【0071】
付箋ブロック24は、他端部36において、非結合部40によって形成される縁部39を有する。縁部39は、付箋ブロック24から1枚の付箋23を剥がすときに、ユーザが指で摘む部分である。
【0072】
幾つかの実施形態では、
図14及び
図15に示すように、付箋アセンブリ20は複数の上記付箋ブロック24を含んでいる。そして、複数の付箋ブロック24は、各々の付箋ブロック24の他端部36と、該付箋ブロック24に対して、一端部34が設けられる一辺35に直交する方向(
図14及び
図15参照)に隣接した他の付箋ブロック24との間に隙間D2が形成されるように、基板22上に配置されている。
言い換えると、複数の付箋ブロック24は、各々の付箋ブロック24の縁部39と、該縁部39に対して隣接した他の付箋ブロック24との間に隙間D2が形成されるように、基板22上に配置されている。
【0073】
このように、付箋ブロック24の他端部36(付箋23同士が結合されていない非結合部40を含む他端部36)と、隣接する他の付箋ブロックとの間に隙間D2が形成されていることにより、隙間D2に指先や爪を入れることで、該付箋ブロック24から付箋23を容易に剥がすことができる。
あるいは、付箋ブロック24の非結合部40によって形成される縁部39と、隣接する他の付箋ブロック24との間に隙間D2が形成されていることにより、隙間D2に指先や爪を入れることで、該付箋ブロック24から付箋23を容易に剥がすことができる。
【0074】
幾つかの実施形態では、糊面部38及び非結合部40の配列方向(
図17参照)における付箋ブロック24の全幅W
1に対する糊面部38の幅W
2の比が、0.4以上0.9以下である。
【0075】
付箋ブロック24の全幅W
1に対する糊面部38の幅W
2の比が0.4以上0.9以下であれば、全幅W
1に対する糊面部の幅W
2の占める割合が比較的大きい。これにより、付箋ブロック24の付箋23を筆記面42(
図2参照)に貼り付けるときに、筆記面42に対して付箋23が接着する面積が大きくなるので、付箋23の曲がり等を抑制して、付箋23を筆記面42に対して略平行に貼ることができる。よって、筆記面42を撮像した撮像画像50からの、付箋画像54の抽出の精度が良好となる。
【0076】
図18は、他の一実施形態に係る付箋アセンブリの平面図である。
図18に示す付箋アセンブリ20は、基本的には
図14に示す実施形態に係る付箋アセンブリ20と同じ構成を有するが、付箋ブロック24及び該付箋ブロック24を構成する付箋23の形状において、
図14に示す実施形態に係る付箋アセンブリ20とは異なる。
【0077】
図18に示す例示的な実施形態では、付箋ブロック24の各々は、束を構成する複数枚の付箋23を互いに結合する糊面部38と、糊面部38に隣接して設けられた数枚の付箋23が結合されていない非結合部40と、を含む。糊面部38では、各付箋23の一面に糊が施されており、糊によって、重なり合う付箋23同士が結合されている。
【0078】
図18に示すように、糊面部38は付箋ブロック24の両側部に設けられており、糊面部38以外の領域、すなわち、両側部の糊面部38に挟まれた領域は非結合部40である。このように、糊面部38が付箋ブロック24の両側部に設けられることで、付箋ブロック24の付箋23を筆記面42(
図2参照)に貼り付けるときに、付箋23の両側部において該付箋23を筆記面42に対して接着させることができる。よって、付箋23の筆記面42に対する曲がり等を抑制して、付箋23を筆記面42に対して略平行に貼ることができる。すなわち、付箋23の曲がりによる筆記面42からの剥離を防止することができ、筆記面42を撮像した撮像画像50からの、付箋画像54の抽出の精度が良好となる。
【0079】
図18に示すように、付箋ブロック24は、非結合部40によって形成される縁部39を有する。縁部39は、付箋ブロック24から1枚の付箋23を剥がすときに、ユーザが指で摘む部分である。
図18に示す例示的な実施形態において、縁部39は弧状の形状を有している。縁部39が弧状の形状を有しているので、付箋ブロック24の両側部に糊面部38が設けられている場合であっても、ユーザが付箋23を付箋ブロック24から剥がしやすい。
【0080】
図18に示す付箋アセンブリ20は、複数の付箋ブロック24を含んでいる。そして、複数の付箋ブロック24は、各々の付箋ブロック24の縁部39と、該縁部39に対して隣接した他の付箋ブロック24との間に隙間D2が形成されるように、基板22上に配置されている。
【0081】
このように、付箋ブロック24の非結合部40によって形成される縁部39と、隣接する他の付箋ブロック24との間に隙間D2が形成されていることにより、隙間D2に指先や爪を入れることで、該付箋ブロック24から付箋23を容易に剥がすことができる。
【0082】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
【0083】
本明細書において、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。