(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、熱により画像を連続紙に定着させる印刷方式においては、熱による収縮により定着動作の前後で連続紙が収縮する恐れがある。特許文献1,2に記載のような従来技術は、既に形成されている画像に対応するマークに基づき、隣の画像形成予定領域に画像を形成するものである。よって、特許文献1,2に記載のような従来技術では、定着動作後に収縮している位置を基準として、定着動作前に設定されている隣の画像形成予定領域に画像を形成するものであるため、適切な位置に画像を形成することができない恐れがある。
【0005】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、適切な位置に画像を形成することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一側面である画像形成装置は、連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記連続紙にあるマークを検知する検知部と、前記検知部の後段側に設けられ、前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、前記連続紙にあるマークを検知してから前記画像形成部により前記連続紙に画像を形成する位置設定に応じて、前記画像形成部に画像の形成を開始させる制御部と、を備え、前記制御部は、
中断後再開印刷を実行させる場合には、前記検知部により検知されるマークのうち直近のマークの位置と、中断後再開印刷の制御パラメーターとして設定される中断後再開印刷設定値と、に応じて画像形成の開始位置を調整し、画像形成の前記開始位置により印刷を再開する際の1つ目の画像形成位置を設定する。
【0008】
また、前記制御部は、前記追い刷り印刷を実行させる場合、前記連続紙に画像を形成するたびに、前記検知部により検知されるマークの位置と、前記第1の設定値と、に応じて、前記開始位置を調整する、ことが好ましい。
【0010】
また、
本開示の一側面である他の画像形成装置は、連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記連続紙にあるマークを検知する検知部と、前記検知部の後段側に設けられ、前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、前記連続紙にあるマークを検知してから前記画像形成部により前記連続紙に画像を形成する位置設定に応じて、前記画像形成部に画像の形成を開始させる制御部と、を備え、前記制御部は
、追い刷り印刷の実行下において
、中断後再開印刷を実行させる場合
には、前記連続紙に画像を形成するたびに、前記検知部により検知されるマークの位
置と、追い刷り印刷の制御パラメーターとして設定される追い刷り印刷設定
値と、に応じ
て画像形成の開始位置を調整
し、
画像形成の前記開始位置により毎回の画像形成位置を設定する。
【0011】
また、
本開示の一側面である他の画像形成装置は、連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記連続紙にあるマークを検知する検知部と、前記検知部の後段側に設けられ、前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、前記連続紙にあるマークを検知してから前記画像形成部により前記連続紙に画像を形成する位置設定に応じて、前記画像形成部に画像の形成を開始させる制御部と、を備え、前記制御部は、追い刷り印刷を実行させる場合には、追い刷り印刷の制御パラメーターとして設定される追い刷り印刷設定値に応じて画像形成の開始位置を調整し、画像形成の前記開始位置により毎回の画像形成位置を設定するものであり、前記搬送経路及び前記画像形成部の少なくとも一方の構造による前記位置設定のずれの影響を相殺するパラメーターとして機械調整値が設定され、前記
追い刷り印刷設定値は、前記搬送経路に沿って前記検知部による前記連続紙の検知位置から前記連続紙に画像が転写される転写位置までの第1の経路長と、前記画像形成部において静電潜像が形成される位置から前記転写位置までの第2の経路長と、の差分に、前記機械調整値を加算した値とする
。
【0012】
また、
本開示の一側面である他の画像形成装置は、連続紙を搬送経路に従い搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記連続紙にあるマークを検知する検知部と、前記検知部の後段側に設けられ、前記連続紙に画像を形成する画像形成部と、前記連続紙にあるマークを検知してから前記画像形成部により前記連続紙に画像を形成する位置設定に応じて、前記画像形成部に画像の形成を開始させる制御部と、を備え、前記制御部は、中断後再開印刷を実行させる場合には、中断後再開印刷の制御パラメーターとして設定される中断後再開印刷設定値に応じて画像形成の開始位置を調整し、画像形成の前記開始位置により印刷を再開する際の1つ目の画像形成位置を設定するものであり、前記連続紙に画像を定着させることで収縮するときの熱による前記連続紙の収縮の影響を表すパラメーターとして印刷後収縮率が設定され、前記
中断後再開印刷設定値は、前記連続紙に形成される前記連続紙の搬送方向に沿った画像長さと、前記印刷後収縮率と、に基づき求められる値とする
。
【0013】
また、前記制御部は、前記連続紙に画像を形成する形成タイミングに応じて、前記開始位置を制御する、ことが好ましい。
【0014】
また、前記制御部は、前記検知部により前記マークが検知されてからの経過時間が予め設定された設定時間以上のときを前記形成タイミングとする、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一側面によれば、適切な位置に画像を形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて本開示の実施形態を説明するが、本開示は以下の実施形態に限られるものではない。
【0018】
図1は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1の全体構成例を示す図である。
図1に示すように、画像形成装置1は、画像形成装置本体7を備え、画像形成装置本体7の前段側には給紙調整部4が接続され、給紙調整部4の前段側には給紙部3が接続されている。画像形成装置本体7と、給紙調整部4との間には、検知部5が設けられている。検知部5は、搬送部21により搬送される連続紙PにあるマークMを検知する。連続紙PにあるマークMの詳細については後述する。画像形成装置本体7の用紙排出側には巻取調整部8が接続され、巻取調整部8の用紙排出側には巻取部9が接続されている。給紙部3は、連続紙Pを収納、保持し、画像形成装置本体7に給紙する機能を備える。連続紙Pは、例えばロール紙である。巻取部9は、画像形成装置本体7から排紙される連続紙Pを保持する機能を備える。給紙調整部4は、給紙部3と、画像形成装置本体7との間の微小な速度差及び寄りを吸収するためのバッファ機能を備える。巻取調整部8は、巻取部9と、画像形成装置本体7との間の微小な速度差及び寄りを吸収するためのバッファ機能を備える。
【0019】
画像形成装置1は、連続紙Pに画像Iを形成する画像形成部23を画像形成装置本体7内に備え、画像形成装置本体7上部には設定部6が設けられている。設定部6は、表示部61と、操作部62とを備え、操作部62を介して操作者の操作を受け付けると共に、表示部61により情報を表示するものであって、例えば印刷動作の各種設定を行うことができる。また、画像形成装置本体7上には、原稿を自動的に読み込む自動原稿給紙装置及び原稿画像走査装置を備える。原稿画像走査装置は、プラテンガラスを介して画像Iの読み取りが可能である。原稿画像走査装置は、例えば原稿の画像Iを読み取り、不図示の画像メモリ等に記憶され、画像形成部23による画像Iの形成に利用される。画像形成部23は、検知部5の後段側に設けられ、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック等のような各色用にそれぞれ用意された感光体44を備え、それぞれの感光体44の周囲には帯電装置41、露光装置42、及び現像装置43が設けられている。
【0020】
帯電装置41により帯電した感光体44の表面は、画像メモリ等に記憶された原稿の画像情報に基づき、露光装置42により像の露光が行われ、静電潜像が形成される。静電潜像は、現像装置43により現像されてトナー像となる。トナー像は、中間転写ベルト46に転写される。中間転写ベルト46に転写されたトナー像は、二次転写ローラー47で圧着されつつ、搬送部21により搬送経路22に沿って搬送される連続紙Pに転写される。搬送部21は、搬送ローラー31及びレジストローラー32等のような各種ローラーを備える。二次転写ローラー47で圧着されて転写されたトナー像は、定着部25により加熱及び加圧されて連続紙Pに定着する。つまり、画像形成部23は、電子写真プロセスによる画像形成を行うことで、連続紙Pに画像Iを転写させる。なお、感光体44の周囲には、ドラムクリーニング装置45が設けられている。ドラムクリーニング装置45は、中間転写ベルト46に残る残留トナーを除去するものである。搬送経路22は、連続紙Pを給紙し、搬送するものである。搬送経路22では、給紙部3に収容される連続紙Pが給紙され、搬送ローラー31及びレジストローラー32を経て、画像形成部23に連続紙Pが搬送される。
【0021】
図2は、本開示の実施形態に係る画像形成装置1の機能構成例を示す図である。制御部101は、CPU、ROM、RAM、及び不図示の記憶部等を備える。CPUは、ROMから処理内容に応じてプログラムを読み出してRAMに展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の動作を制御する。記憶部は、例えばフラッシュメモリ等のような不揮発性の半導体メモリ又はハードディスクドライブで実現され、各種データが格納されている。記憶部に格納されている各種データは、CPUが画像形成装置1の動作を制御するときに参照される。制御部101は、具体的には、連続紙PにあるマークMを検知してから画像形成部23により画像Iを書き込ませる位置設定に応じて、画像形成部23に画像Iの形成を開始させるものである。制御部101は、そのような位置設定として、検知部5により検知されるマークMに基づき、画像形成状況に応じて決定される開始位置から画像Iを書き込ませる。なお、処理の詳細については後述する。
【0022】
図3は、本開示の実施形態に係る追い刷り印刷の動作概要を説明する図である。追い刷り印刷では、検知部5がマークMを検知するごとに開始位置から画像Iを形成させる制御として例えばタイミング制御を行い画像Iの形成が行われる。
図3の一例では、連続紙PにはマークM_1〜M_10が一定間隔で形成されている。なお、マークM_1〜M_10の何れかを特定しない場合、マークMと称する。検知部5によりマークMが検知されるごとに画像Iの形成が行われるものであって、例えば、画像I_1〜I_4のそれぞれは、マークM_1〜M_4のそれぞれと対応関係にある。また、
図3に示すように、画像形成予定領域R_8は、画像I_8が形成される領域であって、例えば、検知部5によりマークM_8が検知されることにより、画像形成装置本体7により画像I_8が形成される。
【0023】
図4は、本開示の実施形態に係る中断後再開印刷の動作概要を説明する図である。中断後再開印刷では、既に印刷済みの最終画像I_lastのマークMの検知部5による検知結果に基づき、印刷を再開する1画像目の開始位置から画像Iを書き込ませる制御として例えばタイミング制御を行い画像Iの形成が行われる。
図4の一例では、画像I_1から順次印刷中であったが、画像I_10を印刷した時点で印刷が中断しているため、最終画像I_lastは、画像I_10であり、画像I_10に対応するマークMはマークM_10である。この場合、印刷の再開準備として最終画像I_lastである画像I_10を形成する開始位置より上流側に引き戻し、印刷再開させる。具体的には、マークM_10に基づき、画像形成予定領域R_11の位置を決めている。つまり、最終画像I_lastである画像I_10に対応するマークM_10の検知結果に基づき、印刷再開の1画像目が形成される。
【0024】
最終画像I_lastを判定する一例について
図5〜
図7を用いて説明する。
図5は、本開示の実施形態に係るマークMの個数のカウントにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。
図5の一例では、連続紙Pを引き戻し中のマークMの個数をカウントし、再開動作中のマークMの個数をカウントする。引き戻し中のマークMの個数と、再開動作中のマークMの個数とが一致した場合、そのときのマークMに対応する画像Iが最終画像I_lastであると判定する。
図6は、本開示の実施形態に係る最終画像I_lastのみマークMを印刷することにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。
図6の一例では、最終画像I_lastを印刷する際にのみマークMを印刷し、再印刷時にマークMが検知された場合、そのときのマークMに対応する画像Iが最終画像I_lastであると判定する。
図7は、本開示の実施形態に係る中断後再開印刷開始時の再搬送距離が予め設定された距離を経過した後にマークMを検知した最初の画像Iにより最終画像I_lastを判定する動作例を示す図である。予め設定された距離は、次の式(1)に示すようになる。
【0025】
予め設定された距離=引き戻し距離−{検知部5と画像停止位置との間の距離+(画像長さ×1.5+空白量)×収縮倍率} (1)
【0026】
画像長さは連続紙Pの搬送方向に沿った長さである。空白量は例えば1mmである。1.5は、確実に1つ前のマークMが検知部5を通過することを保証させるための係数であるが、特にこれに限定されるものではない。
【0027】
図8は、本開示の実施形態に係る設定部6に表示される設定画面例を示す図である。
図9は、本開示の実施形態に係る第1の経路長L_1及び第2の経路長L_2を示す図である。
図8においては、設定部6が例えば液晶型タッチパネルディスプレイとして構成されている一例を示す。機械調整値aは、搬送経路22及び画像形成部23の少なくとも一方の構造による画像Iを形成させる位置設定のずれの影響を相殺するパラメーターとして設定されるものである。形成タイミングは、検知部5によりマークMが検知されてから設定距離Lwに相当する設定時間の経過後に画像形成部23による画像Iの形成が開始されるように調整される。
【0028】
追い刷り印刷の制御パラメーターとしては第1の設定値
(追い刷り印刷設定値)が設定される。具体的には、次の式(2)に示すようになる。
【0029】
設定距離Lw=第1の経路長L_1−第2の経路長L_2+機械調整値a (2)
【0030】
この場合の式(2)で表される設定距離Lwが第1の設定値である。追い刷り印刷モードにおいては、検知部5によりマークMを検知するたびに、第1の設定値に相当する設定時間の経過後に画像Iの形成を開始する。第1の設定値に相当する設定時間は、設定距離Lwと、連続紙Pが搬送される線速度とに基づき求めればよい。第1の経路長L_1は、搬送経路22に沿って、検知部5による連続紙Pの検知位置から連続紙Pに画像Iが転写される転写位置までの長さである。第2の経路長L_2は、画像形成部23において静電潜像が形成される位置から連続紙Pに画像Iが転写される転写位置までの長さである。つまり、第1の設定値は、追い刷り印刷の制御パラメーターであって、第1の経路長L_1と、第2の経路長L_2と、の差分に、機械調整値aを加算した値となる。
【0031】
印刷後収縮率bは、連続紙Pに画像Iを定着させることで連続紙Pが熱により収縮するときの連続紙Pの収縮の影響を表すパラメーターとして設定されるものである。中断後再開印刷の制御パラメーターとして第2の設定値
(中断後再開印刷設定値)が設定される。具体的には、次の式(3)に示すようになる。
【0032】
設定距離Lw=第1の経路長L_1−第2の経路長L_2+画像I間の空白量+(機械調整値a+画像長さ)×(1.00+印刷後収縮率b) (3)
【0033】
この場合の式(3)で表される設定距離Lwが第2の設定値である。通常印刷モードにおいては、画像I間の空白量と画像長さとを加えた画像間隔に相当する設定時間の経過後に画像Iの形成を開始する。画像I間の空白量は例えば1mmである。画像長さは1画像当たりの連続紙Pの搬送方向の長さである。つまり、第2の設定値は、中断後再開印刷の制御パラメーターであって、連続紙Pに形成される連続紙Pの搬送方向に沿った画像長さと、印刷後収縮率bと、に基づき求められる値である。
【0034】
以上の説明から、印刷再開後の2画像目以降は、印刷モードに応じたタイミングで画像Iの形成を行えばよい。制御部101は、検知部5により検知されるマークMに基づき、画像形成状況に応じて決定される開始位置から画像Iを書き込ませるが、画像形成状況は、第1の設定値及び第2の設定値のうち少なくとも一方に応じて定まるものである。制御部101は、追い刷り印刷及び中断後再開印刷の少なくとも一方を制御するものであり、追い刷り印刷は、第1の設定値に基づき、位置設定として、毎回の画像形成位置が設定されるものであり、中断後再開印刷は、第2の設定値に基づき、位置設定として、印刷を再開する際の1つ目の画像形成位置が設定されるものである。
【0035】
具体的には、制御部101は、追い刷り印刷を実行させる場合、連続紙Pに画像Iを形成するたびに、検知部5により検知されるマークMの位置と、第1の設定値と、に応じて、画像Iを形成する開始位置を調整する。制御部101は、中断後再開印刷を実行させる場合、検知部5により検知されるマークMのうち直近のマークMの位置と、第2の設定値と、に応じて、画像Iを形成する開始位置を調整する。制御部101は、追い刷り印刷の実行下において、中断後再開印刷を実行させる場合、連続紙Pに画像Iを形成するたびに、検知部5により検知されるマークMの位置と、第1の設定値と、に応じて、画像Iを形成する開始位置を調整する。制御部101は、連続紙Pに画像Iを形成する形成タイミングに応じて、画像Iを形成する開始位置を制御する。具体的には、制御部101は、検知部5によりマークMが検知されてからの経過時間が予め設定された設定時間以上であるときを形成タイミングとする。なお、上記で説明したように、設定時間は、設定距離Lwから容易に求まるものである。
【0036】
図10は、本開示の実施形態に係る制御例を説明する形成タイミングによる制御例を説明するフローチャートである。ステップS11において、制御部101は、追い刷り印刷を実行するか否かを判定する。制御部101は、追い刷り印刷を実行すると判定する場合(ステップS11;Y)、ステップS15の処理に移行する。制御部101は、追い刷り印刷を実行しないと判定する場合(ステップS11;N)、ステップS12の処理に移行する。ステップS12において、制御部101は、印刷再開の1画像目であるか否かを判定する。制御部101は、印刷再開の1画像目であると判定する場合(ステップS12;Y)、ステップS13の処理に移行する。制御部101は、印刷再開の1画像目でないと判定する場合(ステップS12;N)、ステップS14の処理に移行する。ステップS13において、制御部101は、形成タイミングを第2の設定値に設定し、ステップS16の処理に移行する。ステップS14において、制御部101は、形成タイミングを画像長さ+空白量に設定し、ステップS17の処理に移行する。ステップS15において、制御部101は、形成タイミングを第1の設定値に設定し、ステップS16の処理に移行する。ステップS16において、制御部101は、マークMを検知したか否かを判定する。制御部101は、マークMを検知したと判定する場合(ステップS16;Y)、ステップS17の処理に移行する。制御部101は、マークMを検知しないと判定する場合(ステップS16;N)、ステップS16の処理を継続する。ステップS17において、制御部101は、経過時間を計測開始する。経過時間は、検知部5がマークMを検知してから計測開始される。ステップS18において、制御部101は、経過時間が設定時間以上であるか否かを判定する。設定時間は、第1の設定値又は第2の設定値に相当する時間である。制御部101は、経過時間が設定時間以上であると判定する場合(ステップS18;Y)、ステップS19の処理に移行する。制御部101は、経過時間が設定時間未満であると判定する場合(ステップS18;N)、ステップS18の処理を継続する。ステップS19において、制御部101は、画像Iの形成を開始する。ステップS20において、制御部101は、印刷データの最終画像I_lastであるか否かを判定する。制御部101は、印刷データの最終画像I_lastであると判定する場合(ステップS20;Y)、処理を終了する。制御部101は、印刷データの最終画像I_lastでないと判定する場合(ステップS20;N)、ステップS11の処理に戻る。
【0037】
ところで、連続紙Pに対し、印刷又は加工を行う場合、各種の処理作業を効率的に行うためには、連続紙P上の画像Iの間隔を一定に保つことが求められている。また、連続紙P上にマークMを配置し、そのマークMの検知タイミングに基づき連続紙Pへの画像Iの形成タイミングを調整することが一般的に行われているが、そのような形成タイミングの調整は、主に、予め印刷又は加工処理が行われた連続紙Pに対し、追い刷り印刷を行う際のタイミング調整と、何らかの要因で中断された印刷動作を再開する際のタイミング調整に用いられている。
【0038】
ここで、追い刷り動作の場合には、追い刷り印刷が必要な領域は既に下地となる印刷又は加工が行われていると共に、マークMを検知するごとに形成タイミング制御を行い、画像Iの形成を行うのが一般的である。一方、中断後再開印刷のような印刷再開動作の場合、画像形成装置1の印刷動作が中断した後に連続紙Pを引き戻した上で印刷を行うため、画像形成装置1で既に印刷済みの最終画像I_lastに対応するマークMの検知結果に基づき、印刷を再開する1画像目のタイミング制御を行い、1画像目の形成を行うのが一般的である。
【0039】
しかし、電子写真方式のように熱により画像Iの定着を行う印刷方式においては、定着の前後で連続紙Pが収縮する。よって、連続紙Pの種類に応じて連続紙P上の画像長さが一定の割合で変化することが知られている。したがって、印刷方式によっては、追い刷り動作での画像Iの形成タイミング制御と、印刷再開動作での画像Iの形成タイミング制御とを別々に管理する必要があり、使用者にとっても手間を要するものであった。
【0040】
そこで、本実施形態においては、画像形成状況に応じて決定される開始位置により位置設定が調整される。よって、画像形成状況によって位置設定を微調整することができる。したがって、定着の前後で連続紙Pが収縮したとしても、適切な位置に画像Iを形成することができる。
【0041】
また、本実施形態によれば、追い刷り印刷は、第1の設定値に基づき、毎回の画像形成位置が設定される。中断後再開印刷は、第2の設定値に基づき、印刷を再開する際の1つ目の画像形成位置が設定される。よって、第1の設定値により追い刷り動作の制御が行われ、第2の設定値により中断後再開印刷動作の制御が行われる。したがって、追い刷り動作と中断後再開印刷動作とを明確に区別することができる。
【0042】
また、本実施形態によれば、追い刷り印刷が実行される場合、連続紙Pに画像Iを形成するたびに、検知部5により検知されるマークMの位置と、第1の設定値と、に応じて、開始位置が調整される。よって、毎回の画像Iの形成位置が、既にあるマークMと、第1の設定値とにより調整される。したがって、簡易な設定で追い刷り印刷の位置を正確に調整することができる。
【0043】
また、本実施形態によれば、中断後再開印刷が実行される場合、検知部5により検知されるマークMのうち直近のマークMの位置と、第2の設定値と、に応じて、開始位置が調整される。よって、印刷を再開する1つ目の画像Iの形成位置が、直近のマークMと、第2の設定値とにより調整される。したがって、定着の前後で連続紙Pが収縮していたとしても、簡易な設定で中断後再開印刷の位置を正確に調整することができる。
【0044】
また、本実施形態によれば、追い刷り印刷の実行下において、中断後再開印刷を実行させる場合、連続紙Pに画像Iを形成するたびに、検知部5により検知されるマークMの位置と、第1の設定値と、に応じて、開始位置が調整される。よって、中断後再開印刷を実行させる場合であっても、追い刷り印刷を実行する際、毎回の画像Iの形成位置が、既にあるマークMと、第1の設定値とにより調整される。したがって、簡易な設定で中断後再開印刷を伴う追い刷り印刷の位置を正確に調整することができる。
【0045】
また、本実施形態によれば、第1の設定値は、搬送経路22に沿って検知部5による連続紙Pの検知位置から連続紙Pに画像Iが転写される転写位置までの第1の経路長L_1と、画像形成部23において静電潜像が形成される位置から前記転写位置までの第2の経路長L_2と、の差分に、機械調整値aを加算した値とする。よって、第1の調整値は、第1の経路長L_1及び第2の経路長L_2については意識することなく、機械調整値aのみを調整することで調整可能なパラメーターである。したがって、追い刷り印刷による画像Iの形成開始位置を容易に調整することができる。
【0046】
また、本実施形態によれば、第2の設定値は、連続紙Pの搬送方向に沿った連続紙Pに形成される画像長さと、連続紙Pに画像Iを定着させることで収縮するときの熱による連続紙Pの収縮の影響を表すパラメーターである印刷後収縮率bと、に基づき求められる値とする。画像長さと、印刷後収縮率bとにより画像間隔を求めることができる。よって、第2の設定値は、印刷後収縮率bにより印刷後の収縮が考慮された画像間隔により求めることができる。したがって、中断後再開印刷による画像Iの形成開始位置を容易に調整することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、連続紙Pに画像Iを形成する形成タイミングに応じて、画像Iの形成開始位置が制御される。よって、時間を契機として画像Iの形成開始位置を制御することができる。したがって、画像Iの形成開始位置を簡易に制御することができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、検知部5によりマークMが検知されてからの経過時間が予め設定された設定時間を超えたときを連続紙Pに画像Iを形成する形成タイミングとする。経過時間は、検知部5によりマークMが検知されてから計時されるものである。したがって、画像Iの形成開始位置を連続紙Pの搬送速度に応じて調整することができるため、画像Iの形成開始位置の微調整を容易にすることができる。
【0049】
以上、本開示に係る画像形成装置1を実施形態に基づいて説明したが、本開示はこれに限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【0050】
例えば、本実施形態においては、連続紙Pがロール紙である一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、連続紙Pは帳票であってもよく、長尺紙であってもよい。つまり、連続紙Pはある範囲にわたって連続しているものであればよい。例えば、連続紙Pは交互に折り曲げられた形態から給紙されるものであってもよい。また、設定部6が表示部61と操作部62とを有する一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、液晶型タッチパネルディスプレイのように、表示部61と操作部62とが一体的に構成されるものであってもよい。
【0051】
また、本実施形態においては、画像形成装置1が、給紙部3、給紙調整部4、画像形成装置本体7、巻取調整部8、及び巻取部9を備える一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置1は、画像形成装置本体7のみで構成されるものであってもよい。また、本実施形態においては説明を省略したが、ラミネート加工又は裁断等のように後処理を行う後処理装置が接続されてもよい。後処理装置は画像形成装置本体7内部に含まれてもよく、画像形成装置本体7に後処理装置が接続されて画像形成装置1が構成されてもよく、画像形成装置1に後処理装置が接続されて画像形成システムが構成されてもよい。
【0052】
また、本実施形態においては、画像Iを形成させる開始位置から画像Iを形成させる制御としてタイミング制御を行う一例について説明したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、連続紙Pの搬送距離により画像Iを形成させる開始位置から画像Iを形成させる制御を行うものであってもよい。