(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記読取部は、先頭画素の位置から、最終画素の位置へ向かう方向を主走査方向の下流として、先頭画素から主走査方向に沿って下流へ最終画素までの前記複数画素の画素データである読取画像データを生成し、
前記原稿無判断部は、前記先頭画素から主走査方向に沿って下流に位置する画素において、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と前記先頭画素との間の画素の位置を前記原稿無位置として判断する第1判断部を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
前記原稿無判断部は、前記最終画素から主走査方向に沿って上流に位置する画素において、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と前記最終画素との間の画素の位置を前記原稿無位置として判断する第2判断部を含むことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
前記原稿データ取得部は、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちのいずれかを原稿画像第1色データとして取得した後に、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちで前記原稿画像第1色データを除いたデータのうちのいずれかを原稿画像第2色データとして取得した後に、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちで前記原稿画像第1色データと、前記原稿画像第2色データとを除いたデータを原稿画像第3色データとして取得し、
前記原稿無判断部は、
前記原稿データ取得部が、前記原稿画像第2色データを前記先頭画素から前記最終画素まで取得する毎に、前記原稿画像第1色データと、前記原稿画像第2色データとが同じ値になるか否かを判断し、同じ値になると判断した場合に、同じ値になる画素の位置を同値画素位置として前記記憶部に記憶し、同じ値にならないと判断した場合に、前記同値画素位置を前記記憶部から削除する2色同値判断部を含み、
前記同値画素位置の画素から前記最終画素までの画素において前記原稿データ取得部が前記原稿画像第3色データを取得するときに、前記原稿画像第1色データと、前記原稿画像第2色データと、前記原稿画像第3色データとの全てが同じ値となる画素の位置を前記原稿無位置として判断することを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。
前記原稿無判断部は、前記先頭画素から主走査方向に沿って下流に位置する画素において、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素が存在するときに、前記第1判断部に停止指令を送信する停止指令送信部を含み、
前記第1判断部は、
前記先頭画素の前記原稿画像第3色データを取得するときに、前記原稿無位置を判断する処理を開始し、
前記停止指令を受け取るときに、前記原稿無位置を判断する処理を停止することを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の画像読取装置は、外光を検出するために光源を消灯する必要があり、光源を点灯して原稿の画像を読み取るための時間のほかに、光源を消灯する余分な時間がかかってしまう問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上述した事情に鑑みてなされ、外光を検出するために光源を消灯することなく、外光を検出して外光の影響を取り除くことができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明態様では、画像読取装置は、原稿を支持する原稿台と、前記原稿台を覆う閉塞位置と、前記原稿台を開放する開放位置とに開閉可能な原稿押え部材と、赤色、緑色、および青色の各色の光を照射する光源と、前記光源から前記各色の光のうち少なくとも1つの光を照射させて、主走査方向に沿ったラインイメージセンサで読み取ることにより前記各色の光のうち少なくとも1つの光に対応する複数画素の画素データである読取画像データを生成する読取部と、主走査方向と直交する副走査方向に沿って前記ラインイメージセンサを移動させる移動部と、白色を示すデータの基準となる濃度を有する基準部材と、記憶部と、前記基準部材へ前記光源の前記各色の全ての光を照射させたときに前記基準部材の画像を読み取ることにより生成された前記読取画像データを白補正データとして取得して前記記憶部に記憶する補正データ取得部であって、前記白補正データは、前記基準部材へ前記光源の赤色の光を照射させたときに生成された前記読取画像データである赤白補正データと、前記基準部材へ前記光源の緑色の光を照射させたときに生成された前記読取画像データである緑白補正データと、前記基準部材へ前記光源の青色の光を照射させたときに生成された前記読取画像データである青白補正データと、を含む補正データ取得部と、前記原稿押え部材が前記開放位置に位置する状態で前記原稿台に支持された原稿の画像を前記移動部により前記読取部を移動させながら前記読取部により読み取らせることにより生成させた前記読取画像データを原稿画像データとして取得する原稿データ取得部であって、前記原稿画像データは、前記原稿台に支持された原稿へ前記光源の赤色の光を照射させたときに生成させた前記読取画像データである原稿画像赤データと、前記原稿台に支持された原稿へ前記光源の緑色の光を照射させたときに生成させた前記読取画像データである原稿画像緑データと、前記原稿台に支持された原稿へ前記光源の青色の光を照射させたときに生成させた前記読取画像データである原稿画像青データと、を含む原稿データ取得部と、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとの全てが同じ値となる画素の位置を原稿無位置として判断する原稿無判断部と、前記記憶部に記憶された白補正データに基づき前記原稿画像データをシェーディング補正することにより出力画像データへ変換する補正部であって、前記出力画像データは、前記赤白補正データに基づき前記原稿画像赤データをシェーディング補正することにより変換した出力画像赤データと、前記緑白補正データに基づき前記原稿画像緑データをシェーディング補正することにより変換した出力画像緑データと、前記青白補正データに基づき前記原稿画像青データをシェーディング補正することにより変換した出力画像青データと、を含む補正部と、前記原稿無位置の画素において前記補正部が変換した出力画像データをその出力画像データの値より前記白色を示すデータに近い値に置き換える置換部と、を備える。
【0008】
請求項2に記載の具体的態様では、前記読取部は、先頭画素の位置から、最終画素の位置へ向かう方向を主走査方向の下流として、先頭画素から主走査方向に沿って下流へ最終画素までの前記複数画素の画素データである読取画像データを生成し、前記原稿無判断部は、前記先頭画素から主走査方向に沿って下流に位置する画素において、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と前記先頭画素との間の画素の位置を前記原稿無位置として判断する第1判断部を含む。
【0009】
請求項3に記載の具体的態様では、前記原稿無判断部は、前記最終画素から主走査方向に沿って上流に位置する画素において、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と前記最終画素との間の画素の位置を前記原稿無位置として判断する第2判断部を含む。
【0010】
請求項4に記載の具体的態様では、前記原稿データ取得部は、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちのいずれかを原稿画像第1色データとして取得した後に、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちで前記原稿画像第1色データを除いたデータのうちのいずれかを原稿画像第2色データとして取得した後に、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちで前記原稿画像第1色データと、前記原稿画像第2色データとを除いたデータを原稿画像第3色データとして取得し、前記原稿無判断部は、前記原稿データ取得部が、前記原稿画像第2色データを前記先頭画素から前記最終画素まで取得する毎に、前記原稿画像第1色データと、前記原稿画像第2色データとが同じ値になるか否かを判断し、同じ値になると判断した場合に、同じ値になる画素の位置を同値画素位置として前記記憶部に記憶し、同じ値にならないと判断した場合に、前記同値画素位置を前記記憶部から削除する2色同値判断部を含み、前記同値画素位置の画素から前記最終画素までの画素において前記原稿データ取得部が前記原稿画像第3色データを取得するときに、前記原稿画像第1色データと、前記原稿画像第2色データと、前記原稿画像第3色データとの全てが同じ値となる画素の位置を前記原稿無位置として判断する。
【0011】
請求項5に記載の具体的態様では、前記原稿無判断部は、前記先頭画素から主走査方向に沿って下流に位置する画素において、前記原稿画像赤データと、前記原稿画像緑データと、前記原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素が存在するときに、前記第1判断部に停止指令を送信する停止指令送信部を含み、前記第1判断部は、前記先頭画素の前記原稿画像第3色データを取得するときに、前記原稿無位置を判断する処理を開始し、前記停止指令を受け取るときに、前記原稿無位置を判断する処理を停止する。
【0012】
請求項6に記載の具体的態様では、前記第2判断部は、前記同値画素位置の画素の前記原稿画像第3色データを取得するときに、前記原稿無位置を判断する処理を開始し、前記最終画素の前記原稿画像第3色データを取得するときに、前記原稿無位置を判断する処理を実行した後に、前記原稿無位置を判断する処理を停止する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明態様では、原稿無判断部は、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとの全てが同じ値となる画素の位置を原稿無位置として判断する。置換部は、原稿無位置の画素において補正部が変換した出力画像データをその出力画像データの値より白色を示すデータに近い値に置き換える。よって、原稿無判断部が、シェーディング補正前のデータである原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとの全てが同じ値となる画素の位置を原稿無位置として判断し、置換部が、原稿無位置の出力画像データを置き換えるため、光源を消灯することなく、原稿無位置を検出して外光の影響を取り除くことができる。
【0014】
請求項2に記載の具体的態様では、第1判断部は、先頭画素から主走査方向に沿って下流に位置する画素において、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と先頭画素との間の画素の位置を原稿無位置として判断する。よって、第1判断部は、先頭画素から主走査方向に沿って下流に位置する画素において、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と先頭画素との間の画素の位置を原稿無位置として判断するため、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが同じ値とならない画素より主走査方向に沿って下流側に位置する原稿内の画素を誤って原稿無位置と判断することなく、原稿無位置を検出して外光の影響を取り除くことができる。
【0015】
請求項3に記載の具体的態様では、第2判断部は、最終画素から主走査方向に沿って上流に位置する画素において、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と最終画素との間の画素の位置を原稿無位置として判断する。よって、第2判断部は、最終画素から主走査方向に沿って上流に位置する画素において、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素と最終画素との間の画素の位置を原稿無位置として判断するため、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが同じ値とならない画素より主走査方向に沿って上流側に位置する原稿内の画素を誤って原稿無位置として判断することなく、原稿無位置を検出して外光の影響を取り除くことができる。
【0016】
請求項4に記載の具体的態様では、2色同値判断部は、原稿画像第2色データを先頭画素から最終画素まで取得する毎に、原稿画像第1色データと、原稿画像第2色データとが同じ値になるか否かを判断し、同じ値になると判断した場合に、同じ値になる画素の位置を同値画素位置として記憶部に記憶し、同じ値にならないと判断した場合に、同値画素位置を記憶部から削除する。原稿無判断部は、同値画素位置の画素から最終画素までの画素において原稿データ取得部が原稿画像第3色データを取得するときに、原稿画像第1色データと、原稿画像第2色データと、原稿画像第3色データとの全てが同じ値となる画素の位置を原稿無位置として判断する。よって、原稿無判断部は、同値画素位置の画素から最終画素までの画素において、原稿画像第1色データと、原稿画像第2色データと、原稿画像第3色データとの全てが同じ値となる画素の位置を原稿無位置として判断するため、先頭画素から最終画素まで原稿データ取得部が取得する画素の順序で、原稿無位置を判断することができる。
【0017】
請求項5に記載の具体的態様では、停止指令送信部は、先頭画素から主走査方向に沿って下流に位置する画素において、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素が存在するときに、第1判断部に停止指令を送信する。第1判断部は、先頭画素の原稿画像第3色データを取得するときに、原稿無位置を判断する処理を開始し、停止指令を受け取るときに、原稿無位置を判断する処理を停止する。よって、第1判断部は、先頭画素の原稿画像第3色データを取得するときに、原稿無位置を判断する処理を開始し、停止指令を受け取るときに、原稿無位置を判断する処理を停止するため、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが同じ値とならない画素より主走査方向に沿って下流側に位置する原稿内の画素を誤って原稿無位置として判断することなく、原稿無位置を検出して外光の影響を取り除くことができる。
【0018】
請求項6に記載の具体的態様では、第2判断部は、同値画素位置の画素の原稿画像第3色データを取得するときに、原稿無位置を判断する処理を開始し、最終画素の原稿画像第3色データを取得するときに原稿無位置を判断する処理を実行した後に、原稿無位置を判断する処理を停止する。よって、第2判断部は、同値画素位置の画素の原稿画像第3色データを取得するときに、原稿無位置を判断する処理を開始し、最終画素の原稿画像第3色データを取得するときに、原稿無位置を判断する処理を停止するため、原稿画像赤データと、原稿画像緑データと、原稿画像青データとのうちの少なくとも2つが同じ値とならない画素より主走査方向に沿って上流側に位置する原稿内の画素を誤って原稿無位置として判断することなく、原稿無位置を検出して外光の影響を取り除くことができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<画像読取装置SMの構成>
図面を参照して本実施形態における画像読取装置SMの構成について説明する。
図1は、画像読取装置SMの正面図を示す。
図2は、原稿載置台DTを上から見た上面図を示す。以下の説明において、
図1の右方向を副走査方向SDの下流、
図2の下方向を主走査方向MDの下流、
図2の右方向を副走査方向SDの下流として説明する。
【0021】
画像読取装置SMは、原稿載置台DTと、原稿押え板CVと、を備える。原稿載置台DTは、本体MBと、透明板TPと、カバーセンサ39と、を備える。本体MBは、様々な部材(例えば、透明板TP、読取部20等)を収容するための筐体である。透明板TPは、
図2に一点鎖線で示すように、本体MBに収容されており、本体MBに固定されている。透明板TPは、読取対象の原稿GSを支持する。原稿押え板CVは、本体MBの奥側(
図1の紙面に垂直方向の奥側、
図2の上側)に回動軸28を備え、本体MBの前側(
図1の紙面に垂直方向の手前側、
図2の下側)から開閉される。カバーセンサ39は、原稿押え板CVが原稿載置台DTを覆っている閉塞状態のときにオンし、原稿押え板CVが原稿載置台DTを覆っていない開放状態のときにオフする。
【0022】
画像読取装置SMは、さらに、透明板TPの下方で本体MBに収容されている読取部20を備える。読取部20は、本体MBに対して副走査方向SD(即ち
図1の左右方向)に沿って移動可能である。読取部20は、透明板TPに支持される原稿GSの読取動作を実行する。読取部20は、CIS(Contact Image Sensorの略で、密着型イメージセンサ)で構成され、具体的には、光源21と、ロッドレンズ24と、受光部22と、を備える。光源21は、赤色、緑色、および青色の発光ダイオードなどで構成され、透明板TPに向けて、光を照射する。ロッドレンズ24は、主に光源21から照射される光の反射光を受光部22に結像する。
【0023】
受光部22は、主走査方向MDに配列される2600個の光電変換素子23を含み、図示しないアナログシフトレジスタ、および増幅器を内蔵する。各光電変換素子23の出力は、主走査方向MDの各画素における受光量である。光電変換素子23の先頭画素は、1画素目の画素であり、
図2に図示する主走査方向MDの最も上流に位置する画素である。光電変換素子23の最終画素は、2600画素目の画素であり、
図2に図示する主走査方向MDの最も下流に位置する画素である。本実施形態では、1ラインは、この主走査方向MDの先頭画素から最終画素までの画素で構成される画素群である。1読取ラインCLは、光源21の3色でそれぞれ読み取るときの3ラインの画素群である。
【0024】
図2において、原稿載置台DTの上面は、本体MBの上面と、透明板TPが原稿押え板CV側に露出した面とを有する。本体MBは、回動軸28が主走査方向MDの上流側に配置されている。透明板TPは、
図2に一点鎖線で示すように、副走査方向SDに沿って伸びる長辺と、主走査方向MDに沿って伸びる短辺と、によって構成される矩形形状を有する。透明板TPの原稿押え板CV側に露出する面は、
図2において実線で示す。原稿GSは、基準位置BPを基点として透明板TPに載置される。回動軸28は、原稿押え板CVを開閉するときに回動する軸であり、本体MBの主走査方向MDの上流側に2カ所配置されている。
【0025】
透明板TPの原稿押え板CV側に露出する面のうち主走査方向MDの最も上流の位置であり、且つ副走査方向SDの最も上流の位置が基準位置BPの位置である。透明板TPの原稿押え板CV側に露出する面のうち副走査方向の最も下流の位置が読取終了位置SRPである。画像読取装置SMは、副走査方向SDにおける基準位置BPから読取終了位置SRPまでの範囲を読取範囲として原稿GSの画像を読み取る。副走査方向SDにおける基準位置BPの位置が先頭ラインの副走査方向SDの位置である。
【0026】
画像読取装置SMは、さらに、透明板TPの上面に固定されている基準部材BMを備える。基準部材BMは、透明板TPの副走査方向SDの上流側(即ち
図2の左側)の端部に設けられている。基準部材BMは、主走査方向MDに沿って伸びる白色の基準濃度の部材である。基準部材BMは、後述する初期化処理R1における処理RA3、処理RA4、および処理RA5において第1白補正データC1WD、第2白補正データC2WD、および第3白補正データC2WDが取得されるときに読み取られる。副走査方向SDにおいて、基準部材BM上の位置が、ホーム位置HPである。読取部20は、ホーム位置HPを基準として、副走査方向SDに沿って移動可能に構成されている。
【0027】
<画像読取装置SMの電気的構成>
画像読取装置SMの電気的構成について
図3、
図4、および
図5を参照して説明する。
図3において、画像読取装置SMは、CPU30、ROM31、RAM32、フラッシュROM33、デバイス制御部34、アナログフロントエンド(以下、AFEという)35、画像処理部36、および駆動回路37を主な構成要素として備える。これらの構成要素は、バス38を介して、操作機構OM、表示機構DM、およびカバーセンサ39に接続される。操作機構OMは、開始ボタンおよび決定ボタン等の複数のキーによって構成される。ユーザは、操作機構OMを操作することによって、様々な指示を画像読取装置SMに入力することができる。表示機構DMは、様々な情報を表示するためのディスプレイである。カバーセンサ39は、原稿押え板CVが閉塞状態のときにオンし、開放状態のときにオフする。
【0028】
ROM31は、後述する読取メイン処理、各メイン処理中のサブルーチンの処理など、画像読取装置SMの各種動作を実行するためのプログラムを記憶する。CPU30は、ROM31から読み出されたプログラムに従って、各部の制御を行う。フラッシュROM33は、読み書き可能な不揮発性メモリであり、CPU30の制御処理により生成された各種のデータ、例えば読取メイン処理により取得された各種のデータなどを記憶する。RAM32は、CPU30の制御処理により生成された算出結果などを一時的に記憶する。
【0029】
デバイス制御部34は、読取部20および画像処理部36に接続され、CPU30からの命令に基づいて、各種信号を送信する。具体的には、デバイス制御部34は、CPU30からの命令に基づいて、光源21の点灯又は消灯を制御する信号、および光源21に流れる電流値を制御する信号を光源21に送信する。デバイス制御部34は、CPU30からの命令に基づいて、多数の光電変換素子23の電気信号を同時にシフトレジスタに転送するためのシリアルイン信号SIおよびシフトレジスタの電気信号を順番に出力させるためのクロック信号CLKを受光部22に送信する。デバイス制御部34は、CPU30からの命令に基づいて、シリアルイン信号SIを画像処理部36に送信する。読取部20は、デバイス制御部34からこれらの信号を受け取ると、光源21を点灯させるとともに、受光部22が受光した受光量に応じたアナログ信号を先頭画素から最終画素まで順にAFE35に送信する。本実施形態では、画像処理部36に読取部20へ送信する信号と同じシリアルイン信号SIを送信したが、シリアルイン信号SIと同じ周期の信号であれば、他の信号でも良い。
【0030】
AFE35は、読取部20に接続され、CPU30からの命令に基づいて、読取部20から送信されるアナログ信号をデジタルデータDDに変換する。AFE35は、予め定められた入力レンジおよび分解能を有する。例えば、分解能は、10ビットであるならば、「0」から「1023」までの階調である。この場合、AFE35は、読取部20から送信されたアナログ信号をデジタルデータDDとして10ビット(0〜1023)の階調データに変換する。AFE35によって変換されたデジタルデータは、画像処理部36に送信されると共に、RAM32に記憶される。
【0031】
駆動回路37は、搬送モータMTに接続され、CPU30から送信される駆動指令に基づいて搬送モータMTを駆動する。駆動回路37は、駆動指令により指令された回転量および回転方向に従って搬送モータMTを回転させる。搬送モータMTが所定量だけ回転すると、移動機構MMが所定角度回転し、読取部20が副走査方向SDに所定距離だけ搬送される。
【0032】
画像処理部36は、
図4に示すように、ラインカウンタ40、画素カウンタ41、切替部42、第1ライン記憶部43、第2ライン記憶部44、同値判断部45、位置記憶部46、黒補正部471,472,473,474、白補正部481,482,483,484,485,486、および置換部491,492,493を備える。黒補正部は、第1黒補正部471、第2黒補正部472、第3黒補正部473、および黒データBSD記憶部474を含む。白補正部は、第1白補正部481、第2白補正部482、第3白補正部483、第1白データWSD1記憶部484、第2白データWSD2記憶部485、および第3白データWSD3記憶部486を含む。置換部は、第1置換部491、第2置換部492、および第3置換部493を含む。
【0033】
ラインカウンタ40は、シリアルイン信号SIに基づき計数したラインカウント値LNを同値判断部45、第1黒補正部471、第2黒補正部472、第3黒補正部473、画素カウンタ41、切替部42、第1ライン記憶部43、および第2ライン記憶部44に送信する。具体的には、ラインカウンタ40は、ラインカウント値LNが「0」〜「2」のときにデバイス制御部34からシリアルイン信号SIが入力されると、ラインカウント値LNに「1」を加算する。ラインカウンタ40は、ラインカウント値LNが「3」のときにデバイス制御部34からシリアルイン信号SIが入力されると、ラインカウント値LNに「1」を設定する。ラインカウンタ40は、ラインカウント値LNに「1」が加算されるか、又は「1」に設定されると、同値判断部45、第1黒補正部471、第2黒補正部472、第3黒補正部473、画素カウンタ41、切替部42、第1ライン記憶部43、および第2ライン記憶部44にラインカウント値LNを送信する。本実施形態では、送信されるラインカウント値LNは、「1」、「2」、又は「3」のいずれかである。
【0034】
画素カウンタ41は、デジタルデータDDが入力されると、画素番号PNに「1」を加算し、「1」を加算した画素番号PNを同値判断部45、第1黒補正部471、第2黒補正部472、第3黒補正部473、第1白補正部481、第2白補正部482、および第3白補正部483に送信する。具体的には、画素カウンタ41は、ラインカウンタ40からラインカウント値LNが入力されると、画素番号PNに「0」を設定する。画素カウンタ41は、AFE35からデジタルデータDDが入力されると、画素番号PNに「1」を加算し、「1」を加算した画素番号PNを同値判断部45、第1黒補正部471、第2黒補正部472、第3黒補正部473、第1白補正部481、第2白補正部482、および第3白補正部483に送信する。
【0035】
切替部42は、デジタルデータDDが入力されると、ラインカウント値LNに基づいて切り替えた第1ライン記憶部43、第2ライン記憶部44、又は第3黒補正部473および同値判断部45にデジタルデータDDを第1色データC1D、第2色データC2D、又は第3色データC3Dとして送信する。具体的には、切替部42は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「1」であるときにAFE35からデジタルデータDDが入力されると、AFE35から入力されたデジタルデータDDを第1色データC1Dとして第1ライン記憶部43に送信する。切替部42は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「2」であるときにAFE35からデジタルデータDDが入力されると、AFE35から入力されたデジタルデータDDを第2色データC2Dとして第2ライン記憶部44に送信する。切替部42は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「3」であるときにAFE35からデジタルデータDDが入力されると、AFE35から入力されたデジタルデータDDを第3色データC3Dとして第3黒補正部473、および同値判断部45に送信する。
【0036】
第1ライン記憶部43は、第1色データC1Dが入力されると、入力された順序で、第1色データC1Dを記憶する。具体的には、第1ライン記憶部43は、ラインカウンタ40からラインカウント値LNとして「1」が入力されると、記憶している第1色データC1Dを削除する。第1ライン記憶部43は、第1色データC1Dが削除された後に、切替部42から第1色データC1Dが入力されると、入力された順序で、第1色データC1Dを記憶する。
【0037】
第2ライン記憶部44は、第2色データC2Dが入力されると、入力された順序で、第2色データC2Dを記憶する。具体的には、第2ライン記憶部44は、ラインカウンタ40からラインカウント値LNとして「2」が入力されると、記憶している第2色データC2Dを削除する。第2ライン記憶部44は、第2色データC2Dが削除された後に、切替部42から第2色データC2Dが入力されると、入力された順序で、第2色データC2Dを記憶する。
【0038】
第1黒補正部471は、入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、黒データBSDに基づき第1色データC1Dを第1色黒補正データC1BDに黒補正する。具体的には、第1黒補正部471は、入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、入力された画素番号PNに対応する画素の第1色データC1Dを第1ライン記憶部43から取得し、入力された画素番号PNに対応する画素の黒データBSDを黒データBSD記憶部474から取得し、取得した第1色データC1Dから取得した黒データBSDを引き算することにより第1色黒補正データC1BDに黒補正し、黒補正した第1色黒補正データC1BDを第1白補正部481に送信する。ここで、入力された画素番号PNに対応する画素は、例えば画素番号PNが「1」である場合において、各記憶部に1番目に入力された画素である。
【0039】
第2黒補正部472は、入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、黒データBSDに基づき第2色データC2Dを第2色黒補正データC2BDに黒補正する。具体的には、第2黒補正部472は、入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、入力された画素番号PNに対応する画素の第2色データC2Dを第2ライン記憶部44から取得し、入力された画素番号PNに対応する画素の黒データBSDを黒データBSD記憶部474から取得し、取得した第2色データC2Dから取得した黒データBSDを引き算することにより第2色黒補正データC2BDに黒補正し、黒補正した第2色黒補正データC2BDを第2白補正部482に送信する。
【0040】
第3黒補正部473は、入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、黒データBSDに基づき第3色データC3Dを第3色黒補正データC3BDに黒補正する。具体的には、第3黒補正部473は、入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、入力された画素番号PNに対応する画素の黒データBSDを黒データBSD記憶部474から取得し、入力された第3色データC3Dから取得した黒データBSDを引き算することにより第3色黒補正データC3BDに黒補正し、黒補正した第3色黒補正データC3BDを第3白補正部483に送信する。
【0041】
第1白補正部481は、第1色黒補正データC1BDが入力されると、第1白データWSD1に基づき第1色黒補正データC1BDを第1色白補正データC1WDに白補正する。具体的には、第1白補正部481は、第1黒補正部471から第1色黒補正データC1BDが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに対応する画素の第1白データWSD1を第1白データWSD1記憶部484から取得し、第1黒補正部471から入力された第1色黒補正データC1BDに白色値WDを掛け算し、掛け算した値を取得した第1白データWSD1で割り算することにより第1色白補正データC1WDに白補正し、白補正した第1色白補正データC1WDを第1置換部491に送信する。本実施形態では、白色値WDは、10ビットの最大値である「1023」である。
【0042】
第2白補正部482は、第2色黒補正データC2BDが入力されると、第2白データWSD2に基づき第2色黒補正データC2BDを第2色白補正データC2WDに白補正する。具体的には、第2白補正部482は、第2黒補正部472から第2色黒補正データC2BDが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに対応する画素の第2白データWSD2を第2白データWSD2記憶部485から取得し、第2黒補正部472から入力された第2色黒補正データC2BDに白色値WDを掛け算し、掛け算した値を取得した第2白データWSD2で割り算することにより第2色白補正データC2WDに白補正し、白補正した第2色白補正データC2WDを第2置換部492に送信する。
【0043】
第3白補正部483は、第3色黒補正データC3BDが入力されると、第3白データWSD3に基づき第3色黒補正データC3BDを第3色白補正データC3WDに白補正する。具体的には、第3白補正部483は、第3黒補正部473から第3色黒補正データC3BDが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに対応する画素の第3白データWSD3を第3白データWSD3記憶部486から取得し、第3黒補正部473から入力された第3色黒補正データC3BDに白色値WDを掛け算し、掛け算した値を取得した第3白データWSD3で割り算することにより第3色白補正データC3WDに白補正し、白補正した第3色白補正データC3WDを第3置換部492に送信する。
【0044】
第1置換部491は、第1色白補正データC1WDが入力されると、第1色出力データC1ODをRAM32に記憶する。具体的には、第1置換部491は、第1白補正部481から第1色白補正データC1WDが入力されると、同値判断部45から置換補正値DCVが入力されている場合に、同値判断部45から入力された置換補正値DCVを第1色出力データC1ODとしてRAM32に記憶し、同値判断部45から置換補正値DCVが入力されていない場合に、第1色白補正データC1WDを第1色出力データC1ODとしてRAM32に記憶する。
【0045】
第2置換部492は、第2色白補正データC2WDが入力されると、第2色出力データC2ODをRAM32に記憶する。具体的には、第2置換部492は、第2白補正部482から第2色白補正データC2WDが入力されると、同値判断部45から置換補正値DCVが入力されている場合に、同値判断部45から入力された置換補正値DCVを第2色出力データC2ODとしてRAM32に記憶し、同値判断部45から置換補正値DCVが入力されていない場合に、第2色白補正データC2WDを第2色出力データC2ODとしてRAM32に記憶する。
【0046】
第3置換部493は、第3色白補正データC3WDが入力されると、第3色出力データC3ODをRAM32に記憶する。具体的には、第3置換部493は、第3白補正部483から第3色白補正データC3WDが入力されると、同値判断部45から置換補正値DCVが入力されている場合に、同値判断部45から入力された置換補正値DCVを第3色出力データC3ODとしてRAM32に記憶し、同値判断部45から置換補正値DCVが入力されていない場合に、第3色白補正データC3WDを第3色出力データC3ODとしてRAM32に記憶する。
【0047】
同値判断部45は、
図5に示すように、第1取得部51、第2取得部52、第1位置判断部55、第2位置判断部56、第1比較部53、および第2比較部57を備える。同値判断部45は、入力されたラインカウント値LNが「2」であるときに画素番号PNが入力されると、第1比較部53の処理結果に基づいて第1同値フラグCFG1をオン、若しくはオフにし、第1同値フラグCFG1、画素番号PN、およびラインカウント値LNを位置記憶部46に送信する。同値判断部45は、入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、第2比較部57の処理結果に基づいて置換補正値DCVを置換部491、492、493に送信する。このようにラインカウント値LNが「2」のときと、ラインカウント値LNが「3」のときとで、同値判断部45の処理が異なっているため、ラインカウント値LNが「2」のときと、ラインカウント値LNが「3」のときとで、それぞれ分けて同値判断部45、および位置記憶部46の動作について説明する。
【0048】
ラインカウント値LNが「2」のときの同値判断部45、および位置記憶部46の動作について説明する。第1取得部51は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「2」のときに画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに対応する画素の第1色データC1Dを第1ライン記憶部43から取得し、取得した第1色データC1Dを第1比較部53に送信する。
【0049】
第2取得部52は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「2」のときに画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに対応する画素の第2色データC2Dを第2ライン記憶部44から取得し、取得した第2色データC2Dを第1比較部53に送信する。
【0050】
第1比較部53は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「2」のときに画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、第1取得部51から入力された第1色データC1Dと、第2取得部52から入力された第2色データC2Dとが同じ値であるときに、第1同値フラグCFG1をオンにし、第1同値フラグCFG1、画素番号PN、およびラインカウント値LNを位置記憶部46に送信する。第1比較部53は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「2」のときに画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、第1取得部51から入力された第1色データC1Dと、第2取得部52から入力された第2色データC2Dとが同じ値でないときに、第1同値フラグCFG1をオフにし、第1同値フラグCFG1、画素番号PN、およびラインカウント値LNを位置記憶部46に送信する。
【0051】
位置記憶部46は、同値判断部45から入力されるラインカウント値LNが「2」であるときに同値判断部45から第1同値フラグCFG1がオンとして入力されると、同値画素番号CPNが位置記憶部46の記憶領域に記憶されていない場合に、同値判断部45から入力された画素番号PNを同値画素番号CPNとして位置記憶部46の記憶領域に記憶し、同値画素番号CPNが記憶されている場合に、記憶されている同値画素番号CPNを位置記憶部46の記憶領域に維持する。位置記憶部46は、同値判断部45から入力されるラインカウント値LNが「2」であるときに同値判断部45から第1同値フラグCFG1がオフとして入力されると、記憶されている同値画素番号CPNを位置記憶部46の記憶領域から削除する。本実施形態では、このようにラインカウント値LNが「2」であるときに、第1同値フラグCFG1がオンとして入力されると、同値画素番号CPNが記憶されていない場合に、入力された画素番号PNを記憶し、同値画素番号CPNが記憶されている場合に、同値画素番号CPNを維持することにより、最終画素を含む第1色データC1Dと第2色データC2Dとが同じ値となる画素の画素群のうちで一番小さな画素番号PNを同値画素番号CPNとして記憶するため、後述する第2比較部57の処理を速く実行することができる。
【0052】
ラインカウント値LNが「3」のときの同値判断部45の動作について説明する。第1取得部51は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「3」のときに画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに対応する画素の第1色データC1Dを第1ライン記憶部43から取得し、取得した第1色データC1Dを第2比較部57に送信する。
【0053】
第2取得部52は、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「3」のときに画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、画素カウンタ41から入力された画素番号PNに対応する画素の第2色データC2Dを第2ライン記憶部43から取得し、取得した第2色データC2Dを第2比較部57に送信する。
【0054】
第1位置判断部55は、ラインカウント値LNが「3」であるときに、画素カウンタ41から「1」の画素番号PNが入力されるときから、第2比較部57から停止信号HSが入力されるまで、第2同値フラグCFG2をオンにして第2比較部57に送信する。第1位置判断部55は、ラインカウント値LNが「3」であるときに、第2比較部57から停止信号HSが入力されるときから、画素カウンタ41から「2600」の画素番号PNが入力されるときまで、第2同値フラグCFG2をオフにして第2比較部57に送信する。本実施形態では、画素番号PNが「2600」の画素は、最終画素である。
【0055】
第2位置判断部56は、ラインカウント値LNが「3」であるときに画素番号PNが入力されると、位置記憶部46から同値画素番号CPNを取得し、取得した同値画素番号CPNの画素番号PNが入力されるときから、画素カウンタ41から「2600」の画素番号PNが入力されるときまで、第3同値フラグCFG3をオンにして第2比較部57に送信する。第2位置判断部56は、画素カウンタ41から「1」の画素番号PNが入力されるときから、画素カウンタ41から同値画素番号CPNの画素番号PNが入力されるときまで、第3同値フラグCFG3をオフにして第2比較部57に送信する。本実施形態では、画素番号PNが「2600」の画素は、最終画素である。
【0056】
第2比較部57は、第2同値フラグCFG2、若しくは第3同値フラグCFG3がオンであり、且つラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「3」であるときに画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、第1取得部51から入力された第1色データC1Dと、第2取得部52から入力された第2色データC2Dと、切替部42から入力された第3色データC3Dとの全てが同じ値であるときに、白色値WDである「1023」を置換補正値DCVとして第1置換部491、第2置換部492、および第3置換部493に送信する。第2比較部57は、画素カウンタ41から画素番号PNが入力されると、第2同値フラグCFG2、および第3同値フラグCFG3がオフであるか、ラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「3」でないか、または第1取得部51から入力された第1色データC1Dと、第2取得部52から入力された第2色データC2Dと、切替部42から入力された第3色データC3Dとのうちの少なくとも2つが同じ値でないときに、置換補正値DCVを送信しない。第2比較部57は、第2同値フラグCFG2がオンであり、且つラインカウンタ40から入力されたラインカウント値LNが「3」であり、且つ第1取得部51から入力された第1色データC1Dと、第2取得部52から入力された第2色データC2Dと、切替部42から入力された第3色データC3Dとのうちの少なくとも2つが同じ値でないときに、停止信号HSを第1位置判断部55に送信する。
【0057】
<画像読取装置SMの動作>
(読取メイン処理)
次に、画像読取装置SMの動作について図面を参照して説明する。画像読取装置SMは、原稿GSを読み取る読取メイン処理を主に実行する。
図6に示す読取メイン処理中の処理R1〜処理R4は、CPU30が実行する処理である。
【0058】
図6に示す読取メイン処理は、ユーザが原稿GSを透明板TPに載置し、原稿押え板CVを開放状態にし、操作機構OMの読取開始ボタンを押下することにより、開始される。即ち、CPU30は、カバーセンサ39がオフのときに、読取開始ボタンを押下した指令を受け取ることにより、読取メイン処理を開始する。
【0059】
CPU30は、初期化処理を実行する(R1)。詳細は後述するため、ここでは概説する。CPU30は、デバイス制御部34、AFE35、および画像処理部36に初期値を設定する。CPU30は、黒データBSD、第1白データWSD1、第2白データWSD2、および第3白データWSD3を取得する。
【0060】
CPU30は、読取動作を開始する(R2)。具体的には、CPU30は、駆動回路37に駆動指令を送信し、読取部20を基準位置BPに移動させる。CPU30は、駆動回路37とデバイス制御部34とに指令を送信し、基準位置BPから副走査方向SDに沿って下流へ読取部20を移動させながら原稿GSを読み取る読取動作を開始させる。読取動作が開始されると、デジタルデータDDがAFE35から画像処理部36に出力され、第1色出力データC1OD、第2色出力データC2OD、および第3色出力データC3ODが画像処理部36からRAM32に記憶される。
【0061】
CPU30は、読取部20が読取終了位置SRPに位置するか否かを判断する(R3)。CPU30は、読取部20が読取終了位置SRPに位置する場合(R3:Yes)に、処理R4に進み、読取部20が読取終了位置SRPに位置しない場合(R3:No)に、読取動作を継続する。
【0062】
CPU30は、読取動作を終了する(R4)。具体的には、CPU30は、駆動回路37とデバイス制御部34とに指令を送信し、原稿GSを読み取る読取動作を終了し、読取部20を駆動停止させた後に、読取部20をホーム位置HPに移動させる。処理R4が終了すると、読取メイン処理が終了する。
【0063】
(初期化処理R1)
図7に示す初期化処理(R1)が開始されると、CPU30は、デバイス制御部34、AFE35、および画像処理部36に初期値を設定する(RA1)。具体的には、CPU30は、主走査方向MDの読取解像度が300DPI、および副走査方向SDの読取解像度が300DPIに対応するクロック信号CLKおよびシリアルイン信号SIの設定値をフラッシュROM33から取得し、デバイス制御部34に設定する。CPU30は、主走査方向MDの読取解像度が300DPI、および副走査方向SDの読取解像度が300DPIで読み取るための設定値をフラッシュROM33から取得し、AFE35に設定する。CPU30は、画像処理部36のラインカウント値LNに「0」を設定する。CPU30は、駆動回路37に指令を送信し、読取部20をホーム位置HPに移動させる。
【0064】
CPU30は、黒データBSDを取得する(RA2)。具体的には、CPU30は、光源21を消灯して読取部20に読み取らせたアナログデータをAFE35で変換した1ラインのデジタルデータDDを1ラインの黒データBSDとして黒データBSD記憶部474に記憶する。ここで、1ラインの黒データBSDは、1ラインの先頭画素から最終画素までの黒データBSDであり、先頭画素から最終画素までの順序で黒データBSD記憶部474に記憶される。
【0065】
CPU30は、第1白データWSD1を取得する(RA3)。具体的には、CPU30は、光源21の第1色で基準部材BMを照射し、その反射光を読取部20に読み取らせたアナログデータをAFE35で変換した1ライン中の各画素のデジタルデータDDから1ライン中の各画素の黒データBSDを引き算することにより算出した1ラインの第1白データWSD1を第1白データWSD1記憶部484に記憶する。ここで、光源21の第1色は、
図8に示すように、読取動作中の読取ラインCLにおける最初のラインの期間に出力される第1色データC1Dに対応する色であり、光源21の赤色、緑色、および青色のうちの何れかの色である。
【0066】
CPU30は、第2白データWSD2を取得する(RA4)。具体的には、CPU30は、光源21の第2色で基準部材BMを照射し、その反射光を読取部20に読み取らせたアナログデータをAFE35で変換した1ライン中の各画素のデジタルデータDDから1ライン中の各画素の黒データBSDを引き算することにより算出した1ラインの第2白データWSD2を第2白データWSD2記憶部485に記憶する。ここで、光源21の第2色は、
図8に示すように、読取動作中の読取ラインCLにおける2番目のラインの期間に出力される第2色データC2Dに対応する色であり、光源21の赤色、緑色、および青色のうちから第1色を除いた2色のうちの何れかの色である。
【0067】
CPU30は、第3白データWSD3を取得する(RA5)。具体的には、CPU30は、光源21の第3色で基準部材BMを照射し、その反射光を読取部20に読み取らせたアナログデータをAFE35で変換した1ライン中の各画素のデジタルデータDDから1ライン中の各画素の黒データBSDを引き算することにより算出した1ラインの第3白データWSD3を第3白データWSD3記憶部486に記憶する。処理RA5が終了すると、初期化処理R1が終了する。ここで、光源21の第3色は、
図8に示すように、読取動作中の読取ラインCLにおける3番目のラインの期間に出力される第3色データC3Dに対応する色であり、光源21の赤色、緑色、および青色のうちから第1色、および第2色を除いた残りの色である。
【0068】
(具体例)
第1色出力データC1OD、第2色出力データC2OD、および第3色出力データC3ODがRAM32に記憶される過程について、
図8、および
図9を参照して具体的な例を挙げて説明する。
図8は、読取ラインCLと、ラインカウント値LNと、各種データとのタイミングを示すタイミングチャートを示し、
図9は、原稿GSを載置したときの各読取ラインCLと外光領域ALRと原稿領域GSRとの位置関係を示す。
【0069】
図8に示すように、ラインカウント値LNが「1」である期間は、第1色ラインC1Lの期間であり、読取ラインCLの期間のうちで最初のラインの期間である。このときに取得されたデジタルデータDDが、第1色データC1Dとして切替部42により第1ライン記憶部43に記憶される。
【0070】
ラインカウント値LNが「2」である期間は、第2色ラインC2Lの期間であり、読取ラインCLの期間のうちで2番目のラインの期間である。このときに取得されたデジタルデータDDが、第2色データC2Dとして切替部42により第2ライン記憶部44に記憶される。
【0071】
ラインカウント値LNが「3」である期間は、第3色ラインC3Lの期間であり、読取ラインCLの期間のうちで3番目のラインの期間である。このときに取得されたデジタルデータDDが、第3色データC3Dとして切替部42により同値判断部45、および第3黒補正部473に送信される。このときに第1置換部491、第2置換部492、および第3置換部493は、第1色出力データC1OD、第2色出力データC2OD、および第3色出力データC3ODをRAM32に記憶する。
【0072】
図9を参照して、先頭の読取ラインCLである第1読取ラインCL1における第1色出力データC1OD、第2色出力データC2OD、および第3色出力データC3ODの変換過程について説明する。
図9において、斜線を付した領域は、原稿GSが支持されていない領域であり、外光が入射する外光領域ALRである。一点鎖線の内側の領域は、原稿GSが支持されている原稿領域GSRである。第1読取ラインCL1の位置では、原稿GSが載置されていない位置であるため、光源21をいずれの色で照射しても、反射光はなく、常に同じ外光を読み取ることによるデジタルデータDDとなり、第1色データC1D、第2色データC2D、および第3色データC3Dが同じ値となる。
【0073】
ここから、第1読取ラインCL1における同値判断部45の処理動作について説明する。第1位置判断部55は、「1」の画素番号PNが入力されるときから画素番号PNが入力される毎に、第2同値フラグCFG2をオンとして送信する。第2比較部57は、画素番号PNが入力される毎に、第1位置判断部55から第2同値フラグCFG2がオンとして入力され、且つ第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとの全てが同じ値であるので、白色値WDを置換補正値DCVとして第1置換部491、第2置換部492、および第3置換部493に送信する。第1置換部491は、第1色白補正データC1WDが入力されると、第2比較部57から置換補正値DCVが入力されるので、置換補正値DCVを第1色出力データC1ODとしてRAM32に記憶する。第2置換部492は、第2色白補正データC1WDが入力されると、第2比較部57から置換補正値DCVが入力されるので、置換補正値DCVを第2色出力データC2ODとしてRAM32に記憶する。第3置換部493は、第3色白補正データC1WDが入力されると、第2比較部57から置換補正値DCVが入力されるので、置換補正値DCVを第3色出力データC3ODとしてRAM32に記憶する。このようにして、第1読取ラインCL1における第1色出力データC1OD、第2色出力データC2OD、および第3色出力データC3ODは、全て置換補正値DCVに変換されてRAM32に記憶される。
【0074】
次に、3番目の読取ラインCLである第3読取ラインCL3における第1色出力データC1OD、第2色出力データC2OD、および第3色出力データC3ODの変換過程について説明する。第3読取ラインCL3は、主走査方向MDにおける201画素目から2399画素目まで原稿GSが載置されているときの読取ラインCLである。そのため、主走査方向MDにおける先頭画素から200画素目までの画素において、光源21からどの色の光を照射しても、反射光はなく、常に同じ外光を読み取ることによるデジタルデータDDとなり、第1色データC1D、第2色データC2D、および第3色データC3Dが同じ値となる。主走査方向MDにおける201画素目から2399画素目までの画素において、光源21から各色の光を原稿GSへ照射し、光源21の各色の反射光を読み取るため、第1色データC1D、第2色データC2D、および第3色データC3Dがそれぞれ異なる。主走査方向MDにおける2400画素目から最終画素である2600画素目までの画素においても、先頭画素から200画素目までの画素と同様に、第1色データC1D、第2色データC2D、および第3色データC3Dが同じ値となる。
【0075】
ここから、第3読取ラインCL3における同値判断部45、および位置記憶部46の処理動作について説明する。第1位置判断部55は、「1」の画素番号PNが入力されるときから画素番号PNが入力される毎に、第2同値フラグCFG2をオンとして送信する。第2比較部57は、主走査方向MDにおける先頭画素から200画素目までの画素において、番号PNが入力される毎に、第1位置判断部55から第2同値フラグCFG2がオンとして入力され、且つ画素第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとの全てが同じ値であるので、白色値WDを置換補正値DCVとして送信する。第2比較部57は、主走査方向MDにおける201画素目の画素において、画素番号PNが入力されると、第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとのうちの少なくとも2つが同じ値でないため、停止信号HSを第1位置判断部55に送信する。第1位置判断部55は、停止信号HSを受け取ると、画素番号PNが入力される毎に、最終画素まで第2同値フラグCFG2をオフとして送信する。
【0076】
第1比較部53は、主走査方向MDにおける2399画素目の画素において、画素番号PNが入力されると、第1色データC1Dと、第2色データC2Dとが同じ値でないので、第1同値フラグCFG1をオフにして、第1同値フラグCFG1、画素番号PN、およびラインカウント値LNを位置記憶部46に送信する。第1比較部53は、主走査方向MDにおける2400画素目から2600画素目までの画素において、画素番号PNが入力されると、第1色データC1Dと、第2色データC2Dとが同じ値であるので、第1同値フラグCFG1をオンにして、第1同値フラグCFG1、画素番号PN、およびラインカウント値LNを位置記憶部46に送信する。位置記憶部46は、主走査方向MDにおける2399画素目の画素において、第1比較部53から第1同値フラグCFG1がオフとして入力されるので、同値画素番号CPNを削除する。位置記憶部46は、主走査方向MDにおける2400画素目の画素において、第1比較部53から第1同値フラグCFG1がオンとして入力され、且つ位置記憶部46に同値画素番号CPNが記憶されていないので、「2400」を同値画素番号CPNとして位置記憶部46に記憶する。
【0077】
第2位置判断部56は、同値画素番号CPNに対応する画素である2400画素目の画素から2600画素目の画素までにおいて、第3同値フラグCFG3をオンにして第2比較部57に送信する。第2比較部57は、主走査方向MDにおける2400画素目から2600画素目までの画素において、第2位置判断部56から第3同値フラグCFG3がオンとして入力され、且つ第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとの全てが同じ値であるので、白色値WDを置換補正値DCVとして送信する。第1置換部491は、主走査方向MDにおける1画素目から200画素目までの画素と、主走査方向MDにおける2400画素目から2600画素目までの画素とにおいて、第1色白補正データC1WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されているので、置換補正値DCVを第1色出力データC1ODとしてRAM32に記憶する。第1置換部491は、主走査方向MDにおける201画素目から2399画素目までの画素において、第1色白補正データC1WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されていないので、第1色白補正データC1WDを第1色出力データC1ODとしてRAM32に記憶する。第2置換部492は、主走査方向MDにおける1画素目から200画素目までの画素と、主走査方向MDにおける2400画素目から2600画素目までの画素とにおいて、第2色白補正データC2WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されているので、置換補正値DCVを第2色出力データC2ODとしてRAM32に記憶する。第2置換部492は、主走査方向MDにおける201画素目から2399画素目までの画素において、第2色白補正データC2WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されていないので、第2色白補正データC2WDを第2色出力データC2ODとしてRAM32に記憶する。第3置換部493は、主走査方向MDにおける1画素目から200画素目までの画素と、主走査方向MDにおける2400画素目から2600画素目までの画素とにおいて、第3色白補正データC3WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されているので、置換補正値DCVを第3色出力データC3ODとしてRAM32に記憶する。第3置換部493は、主走査方向MDにおける201画素目から2399画素目までの画素において、第3色白補正データC3WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されていないので、第3色白補正データC3WDを第3色出力データC3ODとしてRAM32に記憶する。
【0078】
<実施形態の効果>
本実施形態では、第2比較部57は、第2同値フラグCFG2、若しくは第3同値フラグCFG3がオンであるときに画素番号PNが入力されると、第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとの全てが同じ値であるときに、白色値WDを置換補正値DCVとして第1置換部491、第2置換部492、および第3置換部493に送信する。第1置換部491は、第1色白補正データC1WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されてい場合に、置換補正値DCVを第1色出力データC1ODとしてRAM32に記憶し、置換補正値DCVが入力されていない場合に、第1色白補正データC1WDを第1色出力データC1ODとしてRAM32に記憶する。第2置換部492は、第2色白補正データC2WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されている場合に、置換補正値DCVを第2色出力データC2ODとしてRAM32に記憶し、置換補正値DCVが入力されていない場合に、第2色白補正データC2WDを第2色出力データC2ODとしてRAM32に記憶する。第3置換部493は、第3色白補正データC3WDが入力されると、置換補正値DCVが入力されている場合に、置換補正値DCVを第3色出力データC3ODとしてRAM32に記憶し、置換補正値DCVが入力されていない場合に、第3色白補正データC3WDを第3色出力データC3ODとしてRAM32に記憶する。よって、第1置換部491、第2置換部492、および第3置換部493は、置換補正値DCVが入力されている場合に、置換補正値DCVを出力データとしてRAM32に記憶するため、光源を消灯することなく、第1色データC1Dと第2色データC2Dと第3色データC3Dとが同じ値となる画素を検出して外光の影響を取り除くことができる。
【0079】
第1位置判断部55は、「1」の画素番号PNが入力されたときから停止信号HSが入力されるまで、第2同値フラグCFG2をオンにして第2比較部57に送信する。第2比較部は第2同値フラグCFG2がオンであり、第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとのうちの少なくとも2つが同じ値でないときに、停止信号HSを第1位置判断部55に送信する。第2位置判断部56は、同値画素番号CPNの画素番号PNが入力されるときから「2600」の画素番号PNが入力されるときまで、第3同値フラグCFG3をオンにして第2比較部57に送信する。よって、第2比較部57は、停止信号HSが入力されてから、同値画素番号CPNの画素番号PNが入力されるまで、置換補正値DCVを送信しないため、原稿内の画素を誤って第1色データC1Dと第2色データC2Dと第3色データC3Dとが同じ値となる画素として検出することなく、外光の影響を取り除くことができる。
【0080】
第1比較部53は、ラインカウント値LNが「2」であるときに画素番号PNが入力されると、第1色データC1Dと、第2色データC2Dとが同じ値であるときに、第1同値フラグCFG1をオンにし、第1同値フラグCFG1、画素番号PN、およびラインカウント値LNを位置記憶部46に送信し、第1色データC1Dと、第2色データC2Dとが同じ値でないときに、第1同値フラグCFG1をオフにし、第1同値フラグCFG1、画素番号PN、およびラインカウント値LNを位置記憶部46に送信する。位置記憶部46は、ラインカウント値LNが「2」であるときに同値判断部45から第1同値フラグCFG1がオンとして入力されると、同値画素番号CPNが記憶されていない場合に、同値判断部45から入力された画素番号PNを同値画素番号CPNとして位置記憶部46に記憶し、同値画素番号CPNが記憶されている場合に、記憶されている同値画素番号CPNを位置記憶部46に維持する。位置記憶部46は、ラインカウント値LNが「2」であるときに第1同値フラグCFG1がオフとして入力されると、記憶されている同値画素番号CPNを位置記憶部46から削除する。よって、最終画素から主走査方向に沿って上流に位置する画素において、第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとのうちの少なくとも2つが最初に同じ値とならない画素の位置の画素番号PNを同値画素番号CPNとして記憶するため、原稿内の画素を誤って第1色データC1Dと第2色データC2Dと第3色データC3Dとが同じ値となる画素として検出することなく、外光の影響を取り除くことができる。
【0081】
[実施形態と発明との対応関係]
画像読取装置SM、原稿載置台DT、基準部材BM、および原稿押え板CVが、本発明の画像読取装置、原稿台、基準部材、および原稿押え部材の一例である。光源21が、本発明の光源の一例である。ロッドレンズ24、受光部22、およびAFE35が、本発明の読取部の一例である。駆動回路37、搬送モータMT、および移動機構MMが、本発明の移動部の一例である。第1白データWSD1記憶部484、第2白データWSD2記憶部485、第3白データWSD3記憶部486、および位置記憶部46が、本発明の記憶部の一例である。初期化処理R1を実行するCPU30が、本発明の補正データ取得部の一例である。読取動作に関連する処理R2から処理R4までの処理を実行するCPU30が、本発明の原稿データ取得部の一例である。同値判断部45が、本発明の原稿無判断部の一例である。第1白補正部481、第2白補正部482、および第3白補正部483が、本発明の補正部の一例である。第1置換部491、第2置換部492、および第3置換部493が、本発明の置換部の一例である。
【0082】
第1位置判断部55、および第2比較部57が、本発明の第1判断部の一例である。第2位置判断部55、および第2比較部57が、本発明の第2判断部の一例である。第1比較部53が、本発明の2色同値判断部の一例である。第2比較部57が、本発明の停止指令送信部の一例である。
【0083】
[変形例]
本発明は、本実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。以下にその変形の一例を述べる。
【0084】
(1)本実施形態の画像読取装置SMは、プリンタ部を備えた複合機に適用されても良い。また、本実施形態では、読取部20が、CISで構成される場合について説明をしたが、CCD(Charge Coupled Device)を搭載し、副走査方向に移動するCCDユニットで構成されても良いし、CCD素子が固定されて光源とミラーとが副走査方向に移動する読取ユニットで構成されても良い。
【0085】
(2)本実施形態では、第2比較部57は、白色値WDを置換補正値DCVとして送信したが、異なる値でも良い。例えば、原稿GSの背景色を取得しておき、その取得した背景色を置換補正値DCVとして送信しても良い。この場合、第1色データC1D、第2色データC2D、および第3色データC3Dよりもその取得した背景色が白色に近い場合に、置換補正値DCVとして送信される。
【0086】
(3)本実施形態では、ラインカウント値LNとして「3」が入力されているときに、ラインカウント値LNが「1」のときの第1色データC1Dと、ラインカウント値LNが「2」のときの第2色データC2Dと、ラインカウント値LNが「3」のときの第3色データC3Dとの全てが同じ値であるときに、置換補正値DCVを送信したが、異なる方法でも良い。ラインカウント値LNに関係なく、常に副走査方向SDに沿って上流側に隣接する2ラインのデジタルデータDDを記憶しておき、デジタルデータDDが入力されると、入力されたデジタルデータDDと、副走査方向SDに沿って上流側に隣接する2ラインのデジタルデータDDとの全てが同じ値であるときに、置換補正値DCVを送信しても良い。この場合、光源21は、3色異なる色が連続して照射されるため、比較される3つのデジタルデータDDは、赤色、緑色、および青色の3ラインのデジタルデータDDとなる。
【0087】
(4)本実施形態では、第1位置判断部55は、「1」の画素番号PNが入力されたときから停止信号HSが入力されるまで、第2同値フラグCFG2をオンにして送信したが、異なる方法でも良い。第1位置判断部55が、「1」の画素番号PNが入力されたときから、第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとのうちの少なくとも2つが同じ値とならないときまで、第2同値フラグCFG2をオンにして送信しても良い。
【0088】
(5)本実施形態では、第2位置判断部56は、同値画素番号CPNの画素番号PNが入力されるときから最終画素まで、第3同値フラグCFG3をオンにして送信したが、異なる方法でも良い。第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとが同じ値となるときから最終画素まで連続して同じ値となるときに、同じ値となった全ての画素について、第3同値フラグCFG3をオンにして送信しても良い。この場合、第1色データC1Dと、第2色データC2Dと、第3色データC3Dとが同じ値となるときから最終画素まで、第1色白補正データC1WD、第2色白補正データC2WD、および第3色白補正データC3WDを画像処理部36内に記憶する必要がある。