特許第6962213号(P6962213)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6962213
(24)【登録日】2021年10月18日
(45)【発行日】2021年11月5日
(54)【発明の名称】ダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/32 20060101AFI20211025BHJP
   B22D 46/00 20060101ALI20211025BHJP
【FI】
   B22D17/32 B
   B22D17/32 A
   B22D17/32 J
   B22D17/32 Z
   B22D46/00
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-8724(P2018-8724)
(22)【出願日】2018年1月23日
(65)【公開番号】特開2019-126814(P2019-126814A)
(43)【公開日】2019年8月1日
【審査請求日】2020年10月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】宇部興産機械株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 芳紀
【審査官】 坂口 岳志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−136618(JP,A)
【文献】 特開2006−082134(JP,A)
【文献】 特開2011−224626(JP,A)
【文献】 特開2004−330267(JP,A)
【文献】 特開2007−245231(JP,A)
【文献】 特開2005−238332(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/028181(WO,A1)
【文献】 特開平07−299849(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22D 15/00−17/32
B22D 46/00
B29C 45/74−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイカストマシンの射出工程における溶湯の圧力算出方法において、射出速度v、射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Prを検出し、この検出された射出速度v、射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Prの3つのを全て用いて、オブザーバに基づいて射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を求め、鋳造サイクル中に前記射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^の算出を可能とすることを特徴とするダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法。
【請求項2】
前記オブザーバが、下記数1で表されることを特徴とする請求項1記載のダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法。
【数1】
但し、v^:射出速度推定値
δ^:射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値
,f:所定の係数
At:チップ面積
m:射出ピストンからチップまでの全ての部品を含んで構成される移動物の質量
Ph:射出シリンダヘッド圧力
Ah:射出シリンダヘッド面積
Pr:射出シリンダロッド圧力
Ar:射出シリンダロッド面積
v:射出速度
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイカストマシンの射出工程における溶湯の圧力算出方法において、オブザーバに基づいて射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を求め、鋳造サイクル中に前記射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を算出することを可能とするダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術として、例えば特許文献1に示す先行技術が開示されている。
【0003】
この技術では、プランジャロッドにストレインゲージが取付けられ、同ストレインゲージは歪量検出部のセンサ部を構成している。ストレインゲージはプランジャロッドの歪量を、瞬時に検出し電気信号として検出する。従って、プランジャチップの射出動作即ち、射出・充填完了時の充填サージをリアルタイムで検出する。さらに充填完了に続く増圧工程における昇圧動作中のプランジャロッドの歪量もリアルタイムで検出するようになっている。
【0004】
また、充填サージは衝撃サージとも称されるように、瞬間的にしか発生しないので、その計測に対して非常に高い周波数応答性が必要となる。そこでほぼ剛体に近いプランジャロッドの歪量を計測している。ブランジャロッドの歪量は発生した力に対して高い応答性を有し、また検出された歪量は前述したように、直接電圧に変換されるので、遅れが無い計測が可能である。
【0005】
なお、プランジャチップ、プランジャロッド、カップリング、ロッドは本従来技術におけるプランジャロッド部材を構成する。即ち、射出・充填工程及び増圧工程においてダイカストマシン側で発生させ溶湯へ与えられる圧力は前記プランジャロッド部材を介してキャビティ内の溶湯へ伝達される。従って、理論的には歪量の検出部位としてプランジャロッド以外の例えば、カップリング内に圧電方式のロードセルを組み込んで構成することも可能である。また、検出信号の取り出し方として、無線方式を利用することも可能である。
【0006】
この従来技術によれば、以上の方法により、ダイカストマシン側で発生させ溶湯へ与えられる圧力、つまり、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力(メタル圧力)を求めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−82134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した従来技術において、ストレインゲージを使用した歪量検出部を構成するには、新たな部品の製作が必要になり、部品の製作時間、部品の製作コスト、部品の設置時間、センサ自体のコストを要するという課題がある。
【0009】
また、カップリング内に圧電方式のロードセルを組み込んで構成する場合においては、部品の改造が必要になり、部品の改造時間、部品の製作コスト、部品の設置時間、センサ自体のコストを要するという課題がある。
【0010】
さらに、上述した従来技術において、ストレインゲージを使用した歪量検出部、あるいは、圧電方式のロードセルを使用する場合、共に破損が原因で、継続して射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力(メタル圧力)を計測することが困難であるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1の発明は、ダイカストマシンの射出工程における溶湯の圧力算出方法において、射出速度v、射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Prを検出し、この検出された射出速度v、射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Prの3つのを全て用いて、オブザーバに基づいて射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を求め、鋳造サイクル中に前記射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^の算出を可能とすることを特徴とするダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法である。

【0012】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記オブザーバが、下記数1で表されることを特徴とするダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法である。
【0013】
【数1】
但し、v^:射出速度推定値
δ^:射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値
,f:所定の係数
At:チップ面積
m:射出ピストンからチップまでの全ての部品を含んで構成される移動物の質量
Ph:射出シリンダヘッド圧力
Ah:射出シリンダヘッド面積
Pr:射出シリンダロッド圧力
Ar:射出シリンダロッド面積
v:射出速度
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ソフトウェア、すなわち、オブザーバに基づいて射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を算出するため、ストレインゲージを使用した歪量検出部、あるいは、圧電方式のロードセルを使用する場合に発生する、部品の製作時間、部品の製作コスト、部品の設置時間、センサ自体のコスト、部品の改造時間が全く無くなる、という効果がある。
【0015】
また、ハード的な改造、例えば、ストレインゲージを使用した歪量検出部の取付け、あるいは、圧電方式のロードセルの取付けが不要となり、取付け作業時間が削減できる、という効果がある。
【0016】
さらに、ストレインゲージを使用した歪量検出部、あるいは、圧電方式のロードセルを使用する場合、共にセンサの破損が原因で、継続した射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力(メタル圧力)の計測ができないが、オブザーバに基づいて射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を算出する場合は、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力(メタル圧力)の算出不能状態の解消が実現でき、継続したダイカストマシンの溶湯の圧力算出が可能となる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンにおける射出工程を説明するための図である。
図2】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの制御回路のブロック図である。
図3】同制御回路の詳細ブロック図である。
図4】同制御回路による射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値の時間的変化を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
例えば、図1に本発明の一実施形態に係るダイカストマシンにおける射出工程を説明するための図を示す。
【0019】
本実施の形態における射出装置1は、固定盤(図示せず)を介して固定型(図示せず)に先端部が結合された射出スリーブ2と、この射出スリーブ2内に摺動可能に嵌装されたプランジャチップ3と、このプランジャチップ3の後端からその軸線上を後方へ延ばされたプランジャロッド4と、射出スリーブ2の後方にこれと同軸に配置された射出シリンダ5と、この射出シリンダ5に供給する作動油の油量および油圧を制御する油圧制御回路6とを備えている。ここでは、例えば、油圧制御回路6に、アキュムレータ及び電磁弁等を含むが、適宜、好適な油圧機器を組み合わせて、油圧制御回路6を構成することが可能である。
【0020】
上記プランジャロッド4は、射出シリンダ5内のピストン部7から射出スリーブ2の側へ延ばされたロッド部8にカップリング9により連結されており、プランジャチップ3は、射出シリンダ5のロッド部8の伸長、短縮動作に応じて射出スリーブ2内を金型(図示せず)側へ進退動するようになっている。一方、射出スリーブ2の後端部側には、溶湯10を受けるための注湯口11が設けられており、鋳造に際しては、ラドル(図示せず)からこの注湯口11を通して射出スリーブ2内に所定量の溶湯10が供給される。なお、前記ピストン部7およびロッド部8は射出シリンダ5のピストンを構成している。
【0021】
射出スリーブ2内に供給された溶湯10は、プランジャチップ3が金型のキャビティ側へ前進することによって、キャビティ内へ射出されて充填される。そして、金型のキャビティ内へ射出されて充填が完了した後、例えば、型締、型開、押出、取出し、冷却、後処理の工程を経て、製品の鋳造が繰り返し行われる。
【0022】
次に、このダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法について説明する。
一般に、図1に示すダイカストマシンにおける射出工程の運動方程式として、下記数2に示す式が知られている。
【0023】
【数2】
但し、m:射出ピストンからチップまでの全ての部品を含んで構成される移動物の質量
v’:射出加速度
Ph:射出シリンダヘッド圧力
Ah:射出シリンダヘッド面積
Pr:射出シリンダロッド圧力
Ar:射出シリンダロッド面積
δ:射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力
At:チップ面積
【0024】
図2は、本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの制御回路のブロック図であり、上記数2の射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力δの推定値δ^を算出する制御装置の構成を示している。
ダイカストマシンの射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Prがオブザーバ演算器21に入力され、ダイカストマシンの射出位置情報xは、微分器22により射出速度vに変換された後、オブザーバ演算器21に入力される。オブザーバ演算器21は、射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Pr、微分器22の出力である射出速度vが入力されることにより、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を算出する。
【0025】
このオブザーバ演算器21で、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を算出するために、上記数2を勘案しながら、δ’(δの微分値)が0として状態方程式を立てると、
【0026】
【数3】
【0027】
ここで、オブザーバ(状態観測器)を下記数4のように定義する。
【0028】
【数4】
【0029】
但し、v^:射出速度推定値
δ^:射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値
,f:所定の係数
At:チップ面積
m:射出ピストンからチップまでの全ての部品を含んで構成される移動物の質量
Ph:射出シリンダヘッド圧力
Ah:射出シリンダヘッド面積
Pr:射出シリンダロッド圧力
Ar:射出シリンダロッド面積
v:射出速度
【0030】
上記数4より、下記数5が求められる。
【0031】
【数5】

【0032】
ここで、サンプル(又は処理)周期をdt、前サンプル(又は前処理)時のデータnをn-1とすると、
【0033】
【数6】

【0034】
と表わせるので、射出速度推定値v^、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^は、次の数7のように表せる。
【0035】
【数7】

【0036】
数7に数5を代入することにより、下記数8が求められる。
【0037】
【数8】

【0038】
【数9】

と置くと、
【0039】
【数10】

【0040】
Dの固有値の実数部が負であれば、t→∞のとき、X→0、すなわち
【0041】
【数11】

【0042】
となり、vとδの実測値と推定値とが一致する。よって、Dの固有値の実数部が負となるようにf,fを決定すれば良い。
【0043】
図3は、オブザーバ演算器21による制御回路の詳細を示すブロック図である。
オブザーバ演算器21に入力された射出速度vは、加算器31、32において、1つ前の処理で得られている射出速度推定値v^-1からそれぞれ減算され、(v^-1−v)が求められる。この値は、調節器33、34をそれぞれ通って係数f,fに応じた振幅に調節される。
【0044】
一方、射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Pr、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^は、調節器35、36、37をそれぞれ通って、係数である射出シリンダヘッド面積Ah、射出シリンダロッド面積Ar、チップ面積Atに応じた振幅に調節され、加算器38で加算及び減算された後、調節器39によって係数1/mに応じた振幅に調整される。
【0045】
そして、この調整された値が、加算器40において、調節器33の出力に加算される。これにより、上記数8の上の式の右辺第2項の{}の中が求められる。同様に、調節器34の出力からは、上記数8の下の式の右辺第2項の{}の中が求められる。
これらの値は、積分器41、42でそれぞれ積分されることにより、上記数8に基づく推定値v^、δ^が求められるようになっている。
【0046】
図4は、本発明の制御回路による射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^の時間的変化を示すグラフである。同グラフ上には、従来の算出方法による、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力δ、の時間的変化も示している。従来の射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力δの算出方法は、下記数12で表される。
【0047】
【数12】
【0048】
但し、δ:射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力
At:チップ面積
Ph:射出シリンダヘッド圧力
Ah:射出シリンダヘッド面積
Pr:射出シリンダロッド圧力
Ar:射出シリンダロッド面積
【0049】
従来の算出方法によるデータ51によれば、射出による溶湯の充填完了付近において、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力δの時間的変化に対する詳細なサージ圧力(従来)52が計測されていない。
これは、射出シリンダヘッド圧力Ph、射出シリンダロッド圧力Prを検出するための圧力センサの分解能には限界があり、高速で射出動作する際に、圧力センサでは、時間的変化に対して詳細な検出が不可能であるためである。
【0050】
本発明の算出方法によるデータ53によれば、射出による溶湯の充填完了付近において、オブザーバ演算器21で算出した射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^の時間的変化に対する詳細なサージ圧力(本発明)54が計測されている。
これは、オブザーバ演算器21により算出する方法を採用することにより、詳細なサージ圧力の計測が可能となるものであり、ダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法に対して優れた作用効果がある。
【0051】
また、本発明の算出方法によるデータ53における詳細なサージ圧力(本発明)54が発生する状態においては、キャビティ内に溶湯を充填して、金型ゲート部の溶湯が凝固するまでの間は、スリーブ内とキャビティ内の溶湯の圧力は同等と考えても良い。したがって、スリーブ内のサージ圧力(本発明)54は、キャビティ内のサージ圧力(本発明)54と同等と推定できるため、キャビティ内のサージ圧力(本発明)54が原因によって発生する製品のバリを、サージ圧力(本発明)54の値の大小によって予測することが可能となる。よって、必要に応じて、製品のバリが発生しないように、サージ圧力(本発明)54の値の大小から判断して、射出条件を適宜、好適な射出条件に決定、変更して、鋳造することが可能となるという優れた作用効果がある。
【0052】
なお、ここでは、オブザーバ(状態観測器)が、上記数4で表される場合を例に挙げて説明したが、各種の状況、条件などに応じて、適宜、好適なオブザーバを定義することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明によるダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法は、射出工程中において、必要な検出された値から、オブザーバに基づいて射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を求め、鋳造サイクル中に前記射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^の算出を可能とすることを特徴とするものである。
【0054】
したがって、ストレインゲージを使用した歪量検出部、あるいは、圧電方式のロードセルを使用する場合に発生する、部品の製作時間、部品の製作コスト、部品の設置時間、センサ自体のコスト、部品の改造時間が全く無くなる、という効果がある。
【0055】
また、ハード的な改造、例えば、ストレインゲージを使用した歪量検出部の取付け、あるいは、圧電方式のロードセルの取付けが不要となり、取付け作業時間が削減できる、という効果がある。
【0056】
さらに、ストレインゲージを使用した歪量検出部、あるいは、圧電方式のロードセルを使用する場合、共にセンサの破損が原因で、継続した射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力(メタル圧力)の計測ができないが、オブザーバに基づいて射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力推定値δ^を算出する場合は、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力(メタル圧力)の算出不能状態の解消が実現でき、継続したダイカストマシンの溶湯の圧力算出が可能となる、という効果がある。
【0057】
以上のように、本発明によれば、優れた作用効果があるダイカストマシンの溶湯の圧力算出方法を提供でき、ダイカストマシンの射出工程において、射出スリーブ内の溶湯に作用する圧力(メタル圧力)を算出する分野で利用、貢献することができるものである。
【符号の説明】
【0058】
1 射出装置
2 射出スリーブ
3 プランジャチップ
4 プランジャロッド
5 射出シリンダ
6 油圧制御回路
7 ピストン部
8 ロッド部
9 カップリング
10 溶湯
11 注湯口
21 オブザーバ演算器
22 微分器
31 加算器
32 加算器
33 調節器
34 調節器
35 調節器
36 調節器
37 調節器
38 加算器
39 調節器
40 加算器
41 積分器
42 積分器
51 従来の算出方法によるデータ
52 サージ圧力(従来)
53 本発明の算出方法によるデータ
54 サージ圧力(本発明)
図1
図2
図3
図4